SIerからWeb系企業への転職のコツを解説!成功例も紹介

最終更新日:2024年9月25日

クライアント企業に常駐し、大人数で大規模システムの一端を担う場合が多いのがSIerやSES。一方、小さな組織でサービスを継続的に運営する場合が多いのがWeb系企業です。いずれもITエンジニアが活躍するフィールドですが、働き方や求められる資質が大きく異なります。

実際のニーズとして、SIerやSESからWeb系へとキャリアチェンジを希望するエンジニアは非常に多いです。そこで実際にレバテックキャリアを利用して、SIerやSESからWeb系への転職を成功させた2名のエンジニアの事例をもとに、それぞれを担当したキャリアアドバイザーに転職の経緯や成功のポイントなどを聞いてみました。

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この記事のまとめ

  • SIer・SESや未経験からWeb系企業への転職は、国内のIT人材不足やWeb業界の成長の影響で十分に可能と言える
  • Web系職種への転職に成功する人は、「自発的な行動ができる」「学習意欲が高い」「自己管理能力がある」などの特徴がある
  • SIer・SESや未経験からのWeb系企業に転職する場合には、キャリアパスや転職理由の深掘りを行い、企業の求める人材像とのマッチングが重要

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SIer・未経験からでもWeb系への転職ができる理由

SIer・SES・未経験からでも、Web系のエンジニアへの転職は可能です。その主な理由として、日本国内でのIT人材の不足と、その中でもWeb系人材の需要が高いことがあげられます

例えば、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「DX動向2024」でも、アンケートに回答した企業の85%前後が「量」「質」ともにDX人材が不足していると回答しています。これらの人材不足は2021年から拡大傾向にあり、IT人材の不足は継続的な課題となっています。

また、総務省による「令和5年度版情報通信白書」では、情報通信産業の実質国内総生産推移がまとめられています。情報通信産業の各分類の中でもWeb系人材の活躍する情報サービス業やインターネット附随サービス業は、2012年に情報通信産業全体が底を打ってからほぼ右肩上がりの上昇を見せており、Web系人材の需要の高さを裏付けるデータといえます。

関連記事:SIerからの転職先は?よくある転職理由やおすすめタイミングを解説

「SIer・未経験はWeb系に転職できない」といわれる理由

SIer・SESからWeb系への転職は、一部では「転職できない」とも言われています。その理由としては、教育環境やスキル・思考が重要視されることなどがあげられます。ここでは、SIer・SESからWeb系には転職できないと言われる理由を解説します。

関連記事:未経験からWeb業界へ転職する方法を職種別に解説

人材を育成する教育環境が整っていないため

SIer・SESは以前からあり、人材を育成する教育環境が整っています。その一方で、Web系企業は即戦力を求める傾向が強く人材採用枠が少ないため、教育環境が整っていない企業が多いです。教育環境が整っていないことから、転職が難しいと言われています。

しかしながら、実際にはSIerやSESで培った技術に関する知識やスキルが邪魔になることはありません。独力でスキルのキャッチアップや向上が図れれば、OJTをしながらWeb系企業に必要なスキルを習得して活躍することが可能です。

関連記事:新卒エンジニア必見!IT・Web系の技術勉強会&探せるサービスまとめ

少数精鋭で個のスキルや思考が重要視されるため

Web系の企業の多くは、SIerやSESのような多人数のエンジニアで構成されておらず、少数のチームで構成されています。開発において起きる問題については、多くの場合、自ら解決しなければなりません。このような少人数で構成されるチームでは、個人のスキルや思考が重要視される傾向があるため、SIerやSES出身者にとっては活躍することが難しいとされています。

しかし、この理由もSIer・SES・未経験からのWeb系への転職ができないことの裏付けにはなりません。SIerなどの仕事でも、多人数のチームでの成果をあげる際のスキルとともに、個のスキルや思考を使う機会があり、その比重の変化に対応できれば特に問題がないためです。

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SIerとWeb系の違い

SIerとWeb系とでは、業務の性質に大きな違いがあります。これは業務対象のシステムが、社外企業に向けたものか自社のビジネスで活用するものかという点が大きく影響しています。

SIerはクライアントの課題をITシステムによって解決します。つまり、クライアントから依頼を受け、システム開発などを請け負う業務形態です。

Web系は自社でWebサービスを持ち、企業や個人のクライアントから売上を得るビジネスモデルが多いです。構築するWebサービスは自社のビジネスのためのものといえます。

Web系への転職を考えている場合、両者の違いを十分に理解し、業務に適応するための対策が重要です。

これらの業務の性質の違いは、開発のスピード感や開発手法、プロジェクトの規模などにもあらわれます。また、開発で使用するプログラミング言語や技術が異なる点も理解することが大切です。本章では、SIerとWeb系の違いについて詳しく解説します。

  Sler Web系
開発のスパン 長期的(1年以上の場合も) 短期的(数週間程度)
開発手法 ウォーターフォール型 アジャイル型
開発規模 大規模~中小規模 中小規模が多い
使用言語・技術の傾向 Java、C、C#など PHP、Ruby、Pythonなど

開発のスピード感の違い

SIerとWeb系とでは、開発のスピード感に違いがあります。SIerでは大規模プロジェクトが主流で、開発期間が1年を超えることも少なくありません。

これに対し、Web系では企画からリリースまでのスピードが早い文化が根付いています。機能追加やアップデートでのリリースも多く、場合によっては、開発からリリースまで数週間というスピード感が求められることもあります。

開発手法(アジャイル型・ウォーターフォール型)の違い

開発手法もSIerとWeb系とでは、大きく違います。SIerが手がけるのは、主に企業向けの大規模システム開発で、プロジェクトの進行は納期が明確に定められ、計画的に進められることが一般的です。

開発方法はプロジェクトによって異なりますが、多くの場合はウォーターフォール型開発でシステム開発が行われています。

Web系における開発は、サービスで提供する機能は最初のリリースから変化することも多く、スピーディーな開発が求められます。そのため、小規模で実装とテスト、リリースを繰り返すアジャイル型開発が好まれる傾向です。

規模の違い

SIerの場合、大規模なプロジェクトも多くあります。大規模なプロジェクトでは、開発を分割して行うため、サブシステムなどの単位でチームを形成します。

一方で、Web系での開発は、比較的小規模で行われることが多いです。開発からテストまでの間に役割分担が変わることもあり、開発メンバーには多岐にわたるスキルが求められます。このような環境では、開発メンバー間のコミュニケーションが重要になります。

使う言語・技術の違い

SIerのシステム開発では、システムの安定性が重視されるプロジェクトが多いため、過去に実績があるプログラミング言語や技術が選ばれます。この理由は、未検証の最新技術を採用することが潜在的なリスクを招く可能性があるためです。安定稼働が求められるシステムであるほど、確かな実績と予測可能な技術が好まれます。

それに対し、Web系では技術革新がビジネスの成長のために重要と考える傾向があり、新しい技術の採用に対して積極的です。このような文化は、技術への好奇心や挑戦意欲を持つエンジニアにとって、非常に魅力的に見えるでしょう。

SIer・SESとWeb系エンジニアの違い

SIer・SES、Web系エンジニアの仕事は、それぞれの仕事内容に違いがあります。それぞれの仕事では開発内容や開発言語、開発手法も異なるため、理解しておきましょう。

ここでは、SIer・SESとWeb系エンジニアの仕事の違いについて解説します。

仕事内容の違い

SIerのエンジニアは、クライアントから主に販売、会計、人事などの基幹系・業務系のシステム構築を受託して開発を行います。クライアントは大企業から中小企業まで幅広く、プロジェクトは大規模な場合もあります。開発では信頼性と納期の実現が必須で、顧客と同意した要件、仕様通りに作ることが求められます。プロジェクトマネージャーの下に体制を作って業務を分担します。

SESは、クライアントに対して「エンジニアリングスキルおよび労働力」を提供するビジネスモデルです。クライアントのシステム開発や保守の一部をアウトソーシングしたいニーズに対して、サービスを提供するため、エンジニアはクライアント企業に常駐する場合が多いです。

Web系のエンジニアは、自社の提供するWebサービスの開発、運営を行う場合が多いです。ディレクターやデザイナーからの指示書、デザインにしたがってWebサービスの開発、更新、機能追加などを行います。Webエンジニアは少人数で、要件定義からテストまで幅広い工程、技術分野に対応するケースも多いです。

関連記事:Webデザイナーとは?仕事内容や他職種との違い、未経験からの目指し方も紹介

年収の違い

SIer、SES、Web系エンジニアの年収の違いをレバテックキャリアの掲載情報をもとに算出しました。それぞれキーワード「SIer」「SES」「自社サービス」で30件を抽出し、年収の上限、下限の中間値の平均を取って平均年収としています。(2024年9月12日時点)

職種 平均年収
SIer 約608万円
SES 約518万円
Web系エンジニア 約620万円

レバテックキャリアに掲載されている募集では、Web系エンジニアの平均年収は約620万円でした。SIer・SESエンジニアの年収と比較して、高い傾向にあります。自社サービスを持つ企業では、エンジニアは重要なポジションと考えられており、好待遇が用意されるケースが多いといえます。

Web系エンジニアのなかでも、マネジメントスキルを持っていたり、フルスタックエンジニアとして活躍していたりするとさらに年収が高くなる傾向があります。

関連記事:外資系SIerの企業例9選!年収、メリットやデメリットも解説

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Web系職種の仕事内容と転職難易度一覧

Web系の代表的な職種について、主な仕事内容と未経験からの転職難易度を下記の表にまとめています。なお、SIerやSESで数年の実務経験がある方の場合は、経験を活かした転職活動が可能なため転職難易度は下がる傾向にあります。

職種 主な仕事内容 転職する際の難易度
PdM
(プロダクトマネージャー)
Webサービス全体のマネジメント、責任者
Webディレクター Webサイト構築のディレクション、マネジメント
Webデザイナー Webサイトのデザイン、コーディング
Webプログラマー
Webエンジニア※
Webサイト、システム、
サービスのアプリケーション設計、開発、
テスト、運用保守
Webコーダー
(マークアップエンジニア)
Webサイトのコーディング

※Webエンジニアについては、フロントエンドエンジニア、クライアントサイドエンジニア、サーバーサイドエンジニア、SREエンジニアなどの詳細な職種をまとめて記載しています。

関連記事:
Web業界の仕事とは?代表的な職種と仕事内容、将来性なども解説
Webディレクターとは?仕事内容や求められるスキルについて

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SIerからのWeb系企業への転職成功例

SIerからのWeb系企業への転職成功例を知ることは、今後の転職活動のためにも重要です。今回は「SESで3年ほど勤務後、大手Web系企業へ転職成功した方」と「自社サービスという転職軸で転職成功した方」の2つの転職事例を紹介します。

キャリアパスや転職を通じて振り返った際のポイントなどを詳細に記載していますので、これからWeb系への転職を検討している方は参考にしてください。

SESから大手Web系企業へ転職した例

文系の大学を卒業し、新卒で金融系に就職したAさん。エンジニアではない職種からキャリアがスタートしたものの、業務でシステムを触る機会が多く次第に「自分がシステムを作る側になって社会貢献したい」と考えるようになりました。

一念発起して未経験可の実装経験が積めるSESの求人に応募し、無事エンジニアへの転職に成功。Spring Bootなどのフレームワークも使ったJavaの実装業務だけでなく、要件定義の業務経験も約3年積むことができました。Aさんは、ご本人の地頭の良さや自己研鑽への意欲の高さもあり、エンジニアとしてのスキルを着実に身につけ成長し続けました。

さらにその後、Web系のエンジニアへ転職した時の情報が以下です。

関連記事:Webデザイナーの志望動機の書き方!書く時のポイントや例文を紹介

社会貢献への実感とPMへのキャリアパスを求め転職

Aさんは目指すキャリアパスが明確で、「より社会貢献の実感のあるプロダクトに携わりつつ、プロジェクトマネジメントもできるようになりたい」という思いから、転職活動を開始しました。

キャリアアドバイザーはSIerの選択肢も提案しましたが、かつて自分がユーザーとして利用し、助けられたと感じたアプリを開発したとある大手Web系企業への意向が最初から強かったそうです。その折、タイミング良く当該企業からのバックエンドエンジニア募集(自社EC系プロダクトの開発)が出たため、早速Aさんに連絡し、選考に進むことになりました。

企業が求めるスキル要件から見た評価としては、Aさんのエンジニアとしての技術力は「それほど高くない」というのが当初の企業側の評価だったようです。しかし、英語力など技術面以外の部分の評価やキャリアアドバイザー側の推薦もあり、Aさんは無事1次面接に進むことになりました。

数年の実務経験を積むなど計画性を持った会社選びが大切

SIerやSESからWeb系への転職の場合、スキルの乖離がネックになり苦戦するケースが多いです。20代後半〜30代前半までのWeb系企業への転職においては、即戦力枠として実装スキルが評価されやすいですが、特にSIerに所属しているとマネジメント寄りのスキルが伸びやすく実装スキルが伸びづらい傾向にあるからです。

今回のAさんのケースではマインド面での評価が中心となりました。ただ、前提としてJavaの実装経験があったからこそ選考の土台に乗れたといえます。したがって、Web系企業への転職を目指している方でも、スキル面でのネックを感じている場合は、実装経験を積めるSIerやSESへの転職を挟んでから、再度Web系企業へチャレンジする選択肢もあることを覚えておいてほしいです。

企業選びにおいては、年収や就業環境など人によって重視するポイントが異なります。苦戦が続いた場合には、内定が出やすい(出た)企業に心惹かれてしまうかもしれませんが、自分のキャリアプランから逆算して「この会社では、キャリアを実現するために必要な経験を積めるか」という点も判断軸として是非持っておくことをおすすめします。

自社サービスという転職軸でWeb業界に転職した例

Bさんはエンジニアとして就職し、Java一本でキャリアを築いてきました。仕事ではサードパーティーAPIを使った連携・開発なども手掛けてきました。

キャリアアップという軸だけでなく、「自社サービスに携わりたい」という強い思いを抱き、40代になろうとしていた時期に転職を決意。約1年半の転職活動期間を経て、Web系のベンチャー企業への転職に成功しました。

関連記事:
Webディレクターの志望動機の例文!書き方のポイントを解説
SIerの志望動機の書き方と例文!書く時のポイントと注意点も解説

年齢による適正スキルとのギャップはほかのスキルで補う

BさんはSI企業で長年働き、リーダーとしても活躍してきましたが、プロジェクトとの相性もあったのか、一昔前と比べて「裁量が弱くなった」と感じるようになりました。そのため、自社サービスを提供するWeb系企業に転職することで、裁量を持って特定のプロダクトの成長にコミットするというやりがいを重視していました。

Bさんが希望していたWeb系企業の選考では、Bさんの年齢とスキルのバランスが「実装などの技術力に長け、マネジメント経験が少し不足している」と評価されていました。ただ、キャリアアドバイザーから見ると、Bさんのコミュニケーション能力や技術力は申し分ないものです。そのため、BさんがJavaの実装スキルが重要視される求人にエントリーすることを勧め、Web系以外の求人にも応募することを提案しました。それらの求人であれば、早い段階から多くの企業から引き合いがあると考えられたためです。

ただ、キャリアアドバイザーはBさんの希望を尊重し、長期にわたりコミュニケーションを取りながら、Web系の求人が現れた場合には迅速にご紹介するスタイルでサポートし続けました。

実装人材不足のタイミングで見事スキルマッチ

Web系の求人を待ち続けているときに、toB向けにクラウドサービスを提供しているとあるWeb系ベンチャー企業から「自社サービスのバックエンドの実装(Java)ができる人材がいないか」という相談を受けました。当時その事業所でのエンジニア数はわずか3名でした。サービスのグロースのためにエンジニアの増員が必要なフェーズで、Bさんの履歴書をお見せしたところ、

「上流の経験もありつつ、手を動かせる。Salesforce APIを使った連携の実務経験がある」

という2点が非常にスキルマッチしており、面接へ進むことになりました。2回の面接を経て、無事に内定。「サービス理解度が高く、サービス視点を持っているように感じた。スキル的にも問題ない」と企業側からの印象も良く、Bさんとしても選考を通して「自社サービスに携われることはもちろん、ベンチャーの価値観も自分に合うと感じた」と良い印象を持ったそうで、相思相愛の結果となりました。

その後、キャリアアドバイザーがBさんに状況を伺ったところ、ベンチャー企業ゆえの忙しさはあるものの、Javaの経験を活かした自社サービスの開発と改善というやりたい業務内容ができて充実しているという答えが返ってきたとのことです。

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SIer・未経験からWeb系への転職を成功させる秘訣9選

SIer・SES、未経験からWeb系への転職を成功させるには、いくつかの重要なポイントを抑えておく必要があります。面接時の姿勢やアピールなど、転職を成功させる秘訣を知っていれば、転職活動を有利にできるためです。

SIer・SES、未経験からWeb系への転職を成功させる秘訣には、以下のようなものがあります。

1. 面接では正直に

面接では実務レベルの知識・経験を求められるため、つけ焼き刃の勉強ではすぐにボロが出てしまいます。自分が知らないことを素直に言える勇気を持ちましょう。そして、足りない部分を補うための他のスキルやマインドを提示することが大切です。

2. 転職理由、キャリアパスを深掘りする

転職理由やキャリアパスの質問を通じて、採用側は「この人はどれだけ自社のプロダクトに熱量を持って取り組んでくれるだろうか」という定性的要素も見定めます。5W1Hのフレームワークなども活用し、「浅い」と思われないように準備が大事です。

3. 謙虚な姿勢を大切に

Web系への転職を成功させるためには、謙虚な姿勢を大切にすることも重要です。「SIer」と「Web系」では、文化や慣習がまったく異なります。「正しい」か「正しくない」かではなく、年齢に関係なく相手に歩み寄りながら自ら環境に適応する努力を心がけましょう。謙虚な姿勢を大事にすることで、円滑なコミュニケーションが可能になります。

4. スピードと確実さの両立がカギ

Web系の開発においては、特にスピードが重視されます。限りある時間の中で、できるだけバグを出さないことが求められるため、SIerで養った信頼性は非常に重要なポイントです。

Web系企業ではアジャイルなどの開発手法を取り入れ、提供するサービスに対し継続的に短いスパンで運用・改善のサイクルを回します。その際にスピードを重視しドキュメントは省略されるケースも多いのですが、後で開発の経緯が不明となるケースもあります。そのような問題に対し、SIerやSESでの実務経験をいかし、きれいなコードを書くことや変更点をドキュメントに記録することなどもWeb系企業へのアピールポイントにできます。

スピード感を持ちながらも、信頼性の高いシステムを構築できる能力は、Web系の開発の現場で非常に重宝されるでしょう。そのため、スピードと確実さの両立がカギとなります。

関連記事:未経験からWebディレクターになるには?転職のポイントを解説

5. 短期間での転職に拘らない

Web系企業の求人数は、SIerやSESに比べると少なく、求職者にとっては望む企業の求人に出会うことが難しいかもしれません。そのため、転職活動には時間がかかるかもしれませんが、あきらめずに粘り強く取り組むことが重要です。

参考としてレバテックキャリアにて、2024年9月12日時点で業界「SIer」に該当する求人・転職情報は4,480件あります。一方、Web系に該当する「Web・オープンシステム」「Webサイト」では求人・転職情報の件数は3,478件です。

SIerの求人・転職情報>
Web・オープンシステム、Webサイトの求人・転職情報>

6. ユーザー視点を持つ

SIerやSESが要求されるのは「顧客の要望通りのシステムを作成し、納品すること」であるのに対し、Web系企業は「より優れたプロダクトを開発し、問題を発見して改善すること」です。利用者に向けて、使いやすさや価値を提供するサービス提供者としての視点を持つ必要があります。

その理由は、Webサービスの世界では、利用者が使いにくさを感じるとすぐに離れてしまうリスクがあるためです。転職活動では、ユーザー目線の姿勢や問題解決に積極的に取り組む姿勢をアピールするようにしましょう。ユーザー目線での課題発見や解決力、提案力などがアピールポイントとなります。

7. 飛び込む勇気

Web系への転職を成功させるには、未経験でもWeb業界に飛び込む勇気が大切です。応募要項などを確認した上で、技術面に懸念があっても、それを補う強みがあれば企業からの評価が変わることもあります。Web系企業への転職を決意したら、恐れずに第一歩を踏み出しましょう。

8. 技術面のキャッチアップを積極的にする

Web系企業への転職では、実務経験のほかに自主的にスキルを磨いているかを問われることがあります。Web系企業では、技術の進化が速く、新しいフレームワークや開発手法などが次々と生まれています。そのため、技術面のキャッチアップが積極的にできることは、Web系企業への転職ではSIer・SESのときより重視されるポイントです。

9. 継続的な運用・改善を見据えた行動をアピールする

継続的な運用・改善を見据えた行動をアピールすることも、Web系への転職活動では必要です。Web系のサービスは、単にリリースすることで完結するものではありません。リリース後も継続的な運用と改善が求められます

SIerでの勤務経験がある方であれば、「他のエンジニアのためにわかりやすいコードを書く」や「細かい変更点をドキュメントに記録する」といった行動を意識していることでしょう。これらの取り組みは、常に改善を求められるWeb系企業での仕事において、強力なアピールポイントとなるはずです。

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Web系エンジニアへの転職で求められる知識・スキル・経験

Web系エンジニアへの転職を目指す場合、理解しておくべき知識・スキル・経験がいくつかあります。これらを把握できれば、知識やスキルの習得など、転職活動の対策にも役立ちます。その結果として転職活動の成功率を高めることができるでしょう。

本章では、Web系のエンジニアへの転職で求められる知識・スキル・経験について解説します。

関連記事:Webデザイナーに必要なスキル・スキルマップとは

知識・スキル

フロントエンドやサーバーサイドなど、Web系への転職でも目指す領域によって、求められる知識やスキルは異なります。以下では、フロントエンド開発とサーバーサイド開発、それぞれの領域で必要な知識・スキルを解説します。

関連記事:Webエンジニアに資格はいらない?おすすめの試験や対策方法

フロントエンド開発の知識・スキル

Webサイトを構築するためには、JavaScript、TypeScriptなどのスクリプト系の言語およびHTML/CSSを用いたWeb画面を構築するプログラミングスキルが必要です。また、フロントエンド開発向けのフレームワークの知識も必要となります。Web画面を構築するため、使い勝手の良いユーザーインターフェースを設計・構築するスキルも求められます。

関連記事:JavaScriptとは?基本の書き方を初心者にわかりやすく解説

サーバーサイド開発の知識・スキル

Webサイトのメインロジックはサーバー側のアプリケーションで構築するため、PHPやPython、RubyなどWeb系のサーバーサイド言語のプログラミングスキルが必要です。サーバーサイドのフレームワークの知識やスキルも合わせて求められます。

Web画面で入力された情報をデータベースなどと連携させるため、データベース操作やトランザクション制御などサーバー関連の知識・スキルも求められます。

コミュニケーション能力

Web系の開発では少人数のチームで開発するケースが多く、ドキュメントが省略されることもあります。その分、クライアントやディレクター、デザイナーなどのチームメンバーとは緊密に意思疎通して共通認識を作り、齟齬が起きないことが重要です。したがって、コミュニケーションスキルはWeb系エンジニアに求められるスキルの一つです。

経験

Webエンジニアへの転職においては、チームでの開発経験やアジャイル開発の経験が評価されます。これらの経験がある場合は、転職時に積極的にアピールすることが重要です。以下では、これら2つの経験について詳しく解説します。

チームでの開発経験

Web系のシステム開発の多くは少人数かつアジャイル開発で進めます。メンバーと随時対話しながら、修正を加えて進めるため、コミュニケーションスキルが必要です。さらに仕様変更に対する意見なども求められるため、受け身の開発だけでなく、元の仕様に対しての積極的な提言姿勢も求められます。

チームでの開発経験は、このWeb系の現場で活躍できるかの判断基準となります。

アジャイルでの開発経験

Web系の開発にはアジャイル開発手法が多く使われます。アジャイル開発は、スピードを重視し、対象を絞って開発とリリースのサイクルを反復、その中で仕様の変更を行いながらプロダクトを開発する手法です。

業務システム開発で多く使われる、順序を追って最初から最後まで進むウォーターフォール開発とは進め方が大きく異なり、ルールや進め方など別のノウハウが必要となります。したがって、アジャイル開発の経験がある場合はWeb系への転職で有利になるでしょう。

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Web系のエンジニアの将来性

近年、Web系エンジニアのニーズは増加傾向で、将来性は高いです。5Gネットワークの本格化に伴うモバイル端末数の増加・高機能化でWebサイトやWebアプリの開発が増えてもいて、ニーズは引き続き継続すると考えられます。

さらに、この分野は常に新しい技術が必要とされるため、最先端のスキルを習得することで安定したキャリアを築いていけるでしょう。クラウド上でのサービスの構築やトレンドのフレームワークの習得によるキャリアアップ、データ解析やAIの活用による活躍の幅の拡大などが可能です。

関連記事:
Webエンジニアの将来性は?活躍し続けるためのスキルも解説
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各業界のメリット・デメリットを把握しておくことも大切

各業界のメリット・デメリットを把握しておくことも、転職では大切な要素です。SI業界・Web業界それぞれにメリットもデメリットもあります。ここでは、各業界のメリット・デメリットについてまとめました。

  メリット デメリット
SI業界 ・BtoBが多く安定している
・大規模開発や継続的運用が多く業務の変化が少ない
・多くの人とプロジェクトを遂行するやりがいがある
・非効率と思われる内容でも周囲に
 合わせなければならない場面がありがち
・新しい技術の採用については保守的な
 傾向にある
Web業界 ・企画やマーケティングに関わるチャンスがある
・最新技術を積極的に取り入れている場合が多い
・柔軟な働き方を採用している会社が多い
・技術の刷新サイクルが早い
・スキルのない人は収入を上げにくい
・仕事がAIやロボットに代替される
 可能性がある

関連記事:
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SIerの将来性は?なくなると言われる理由と対策、市場価値を解説
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SIer・SESからWeb系への転職に関するよくある質問

SIerやSESの分野からWeb系への転職を考えている方には、さまざまな疑問や不安があるでしょう。このような転職に際してよく聞かれる質問には、転職を成功させるために気をつけるべきことやWeb系に転職するメリット、SIerとWeb系で求められるスキルの違いなどが挙げられます。

さらに、未経験からWeb系エンジニアに転職できる可能性や、未経験からWeb系に転職して成功する人の特徴に関する質問も多く寄せられます。本章では、SIerやSESのエンジニア、未経験からWeb系の職種への転職について、よくある質問と回答をまとめました。転職の検討にご利用ください。

Q1. 転職を成功させるために気をつけるべきことは何ですか?

SIerでの仕事とWeb系での仕事の違いを認識したうえで、足りないスキルや知識を補う努力をすべきです。転職活動の際は、企業の調査を入念に行ったうえで、謙虚なマインドを持ちましょう。入職に向けて、読書で知識蓄積を行うだけでなく、サーバー構築からWebサイト作成を実践して準備してください。

Q2. Web系に転職するメリットは何ですか?

Web系への転職成功者がよくあげるメリットは、自分が手掛けた仕事を直接ユーザーに届け、リアクションをもらえることにやりがいを感じられることです。また、SIerにいた頃よりもスピード感を持って仕事に携われ、緊張感を楽しめるという意見もあります。

Q3. SIerとWeb系で求められるスキルの違いは何ですか?

SIerではクライアントのリクエストに答えてプロダクトやサービスを納品する場合が多いので、相手の要望を的確に理解するコミュニケーション能力が重要視されます。一方Web系企業では、担当業務によって完全に分業されている場合が少なく、オールマイティーなスキルが求められる場合が多いです。

Q4. 未経験からWeb系エンジニアに転職できますか?

未経験からでもWeb系エンジニアに転職することは可能です。多くの場合、知識やスキルも求められるため、スクールや独学による習得が必要となります。ポートフォリオを作り、転職するために必要なスキル、意欲、行動力をアピールすると評価につながります。

Q5. 未経験でWeb系への転職に成功する人の特徴は何ですか?

未経験でWeb系への転職に成功する人の特徴としては、自ら積極的に学ぶ姿勢を持ち、常に成長を追求する高い意欲を持つことが挙げられます。また、コミュニケーション能力や自己管理能力が高い人も転職に成功しやすい傾向があります。

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まとめ

SIer・SESや未経験からWeb系企業への転職は、人材を育成する教育環境や個人のスキルを重視する傾向などの要因で難しいと言われてきましたが、実際には多くの転職成功事例があります。IT人材の不足やWeb系の需要の高まりなどが背景にあり、教育環境や個人のスキル向上は各エンジニアの経験や学習により補えるためです。

SIer・SESからWeb系企業への転職を成功させるには、面接時の姿勢や転職理由のアピールなど、転職を成功させる秘訣の把握が重要です。事前の対策を行い、エージェントを活用した中長期的な戦略をとることで成功率を高めることができます。もちろん、Web系企業に転職したい熱意があれば、躊躇せずにチャレンジすべきといえます。

この記事では、SIerからWeb系に転職したいと考えているエンジニアに向けて、SIer・SESからWeb系への転職成功のために必要な知識・スキル・経験や将来性、メリット・デメリットなども解説しました。Web系の仕事に興味がある方は、この記事を参考にWeb系への転職を目指してみてはいかがでしょうか。

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その後「人生の大きな分岐点に立ち合いその人の生活を豊かにしたい」という思いからレバレジーズに入社。レバテックキャリアのキャリアアドバイザーとして業務に携わり、入社5ヶ月目には月間支援数No.1を獲得した。
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