SIerから転職したい理由とは?おすすめのタイミングと成功の条件

最終更新日:2024年1月16日

一部の大手企業を除き、SIerはブラックなイメージを持たれがちです。きつい、帰れない、給料が低い、といった3Kが代表的な転職理由として挙げられ、転職市場ではSIerから他業界への転職を希望するSEが多い傾向にあります。しかし、全ての方が希望通りの転職を実現できるわけではありません。多くの転職希望者が抱える共通の問題点が存在します。

この記事では、転職を希望するSIerのSEに向け、レバテックキャリアのキャリアコンサルタント西澤貫とリクルーティングアドバイザー髙橋哲也が、SIerからの転職を希望するSEの傾向や抱える問題点について解説します。満足度の高い転職を実現するための具体的な方法について説明しますので、ぜひ参考にしてください。

この記事のまとめ

  • SIerから転職したい理由は、上流工程や顧客折衝などの業務内容や客先常駐というワークスタイルに起因する悩みが多い
  • エンジニア転職のプロが、SIerで働くメリットや転職がうまくいかない理由、転職を成功させるためにやるべきことを解説
  • SIerから転職するタイミングやSIerの種類は、年齢や目的によって異なる

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SEがSIerから転職を希望する理由

SEがSIerからの転職を希望する理由には、客先常駐というワークスタイルに起因した悩みや、上流工程・顧客折衝の業務内容が関係しているといわれます。以下では、レバテックキャリアに転職相談に訪れるSEの方が、よく挙げる転職を希望する理由をまとめました。

客先常駐というワークスタイルに起因した悩み

西澤:一口にSIerといっても、所属しているSIerの商流の深さによって業務内容は異なり、抱える悩みや辛さの種類も変わってきます。そのことを正しく理解せず、SIerで働くこと自体を辞めたいと考えて相談にいらっしゃる方は意外と多いですね。

一般的に“きつい”と言われるSIerの仕事は、商流の深い部分、中小規模の独立系SIerや小規模のソフトハウスのSEが担当しています。そして彼らが抱えているのは、客先常駐というワークスタイルに起因した悩みがほとんどです。

中小の独立系SIerやソフトハウスに所属しているSEが転職を希望する理由としては、主に以下のような内容が挙げられます。


  • ・下流工程の業務が多い

    ・求められるスキルセットが変わりやすい

    ・作業スケジュールがタイトになりやすい

    ・給料が上がりにくい

    ・希望のキャリアパス通りのアサインにならない

    ・新しい技術に触れにくい


中小規模の独立系SIerや小規模ソフトハウスには開発やテスト、保守といった下流工程の業務が集中しがちで、求められるスキルセットも変わりやすいです。作業スケジュールがタイトになりやすいのもこの層です。

また、実装やテストといったスポット案件を多く受注するSIerだと、毎月常駐先が変わって必要なスキルが変わりやすいです。スケジュールのしわ寄せは、システム開発における下流工程、開発やテストを担当するエンジニアにいきやすい傾向にあります。

給料についても、下流工程の案件ほど単価が低くなりがちなため、個人の頑張りだけで昇給しにくい部分はあるかもしれません。

髙橋:どんな案件に参画するかは発注内容次第なので、希望通りのアサインにならないこともあります。それと同様に、古い技術を使用している企業の長期運用案件などの担当になれば、必然的に新しい技術に触れられる機会は得にくいですね。

大手SIerの場合は上流工程や顧客折衝の業務内容

西澤:大手SIerやプライムベンダーに勤務しているSEは前述したような状況には陥りにくく、ワークライフバランスも比較的とりやすいですし、給与水準も高いです。その一方で、以下のような理由で転職を希望する傾向にあります。

  • ・上流工程にしか携われず、自分の手を動かせない

    ・クライアント折衝やプロジェクトマネジメントに疲弊している

    ・事業戦略など、より上流の仕事に携わりたい

彼らの場合は上流やマネジメントを経験した結果、もっと自分でコードが書ける環境に身を置きたいと考えて転職するパターンが多いですね。クライアント折衝などの調整業務も人によっては大きなストレスになり得るため、志向性が合わない場合は転職を希望されます。

SIer=ブラックではない理由をエンジニア転職のプロが解説

SIerで働くのが辛い理由にはさまざまなものがあるとわかりましたが、だからといってSIerの労働環境が悪いといえるのでしょうか。数多くのエンジニアの転職支援を行ってきたレバテックキャリアの経験と実績から、その実態について解説します。

西澤:結論から言うと、一般的にきついとされる中小規模の独立系SIerや小規模のソフトハウスに限ったとしても、SIer=ブラックという考え方は誤りです。上記で挙げた理由から転職を希望される方がいることは事実ですし、タイトなスケジュールで過重労働を強いるSIerがないとはいいません。

しかし、前述したようなネガティブな事象はどの業界においても起こりうることであり、会社の規模や扱う案件が似ている同レイヤーのSIerであっても、企業により置かれる状況は全く違います。

転職を支援する立場からすると、働く業界を変えた方がよいSEの方ももちろんいらっしゃいますが、今いるSIerとの相性が悪いだけで、別のSIerに行けばやりがいを持って働ける方も多いと感じています。

髙橋:SIerが人月で費用計算をしていることも、SI業界に対するネガティブなイメージを助長しているのかもしれません。人月計算とは、単純に雇う人を増やせば売上が伸びるという構造です。そのため、かつては個々人のスキルを考慮せず、とりあえず人を増やして売上を伸ばそうとするSIerもありました。

しかし、それではSI業界もそこで働くSEも成長していくのが難しいことは明らかです。多くのSIerにおいて、採用基準や社員のキャリアパスについての考え方は変化してきています。

SIerで働くことで得られるメリット・デメリット

西澤:SI業界で働いていると、SIerだからこそ得られる環境やスキルに目が行かなくなりがちです。SIerで働くことで得られるメリットとして、具体的には以下のような点が挙げられると思います。

  • ・世の中にインパクトを与えるような大規模案件に携われる

    ・幅広い企業/業界のプロジェクトに携われる

    ・顧客リードの力が身につく

    ・特定の業界や業務に関する知識が習得できる

    ・技術志向で仕事ができる

日本中の人々が使っている銀行やクレジットカードのシステムをはじめ、今私たちが使っているシステムの大部分はSIerによって開発されています。そういった社会的に影響力のある巨大プロジェクトに携われるのはSIerの醍醐味です。

また、先ほどネガティブな理由の1つとして挙げられていた常駐先ごとに求められるスキルセットが変わる点も、さまざまな企業や業界のプロジェクトに携わることで経験の幅が広がるという意味では、ポジティブな側面もあります。

髙橋:顧客リードの観点では、SIerは企業の規模に関わらず、クライアントや外部の協力会社と関わりながら仕事を進める機会が多いため、折衝能力や管理能力といったスキルを伸ばせます。ゆくゆくはプロジェクトマネージャーや社内SEといったポジションに就きたいと考える人には、必ず求められるスキルなので磨いておいて損はないと思います。

西澤:さらに、SIerはIT技術でお客様の課題解決を図るのが仕事ですから、お客様企業に最適なシステムを提供するために、業界知識を身につけ現場の仕事を深く知る必要があります。

これは非常に重要なスキルで、業界・業務知識が浅い人が作った要件定義書はミスが起きやすく、最悪のケースではクライアント企業からの訴訟に繋がるリスクすらあります。

逆をいえば、業界・業務に対する深い理解があり、クライアント企業の顕在・潜在的な課題を解決するシステムを設計できる人は市場価値が高まります。年収も上がりやすいですし、転職市場でも引く手あまたの人材になれるはずです。

髙橋:技術志向という意味では、サービスではなく技術に主軸を置いて働くことができるのがSIerなので、技術起点でのアーキテクチャの作成や既存システムの最適化などのスキルを伸ばせます。

以前は経験年次が上がるとマネージメントに役割が寄りがちな傾向もありましたが、最近では技術志向性の高いSEに向けたスペシャリストコースなど、専門特化したキャリアパスを用意するSIerも増えてきています。SIer=手を動かせない、といったイメージを持っている方もいるかもしれませんが、徐々にSIerを取り巻く環境も変わってきていますね。

SIerからの転職がうまくいかない主な理由

レバテックキャリアには、SIerからの転職を希望するSEの方が多く相談に訪れます。しかし、全ての方が希望通りに転職を成功させているかというと、残念ながらそうではありません。転職活動がうまくいかない人にはどのような特徴があるのでしょうか。

転職の目的や叶えたいことが明確でない

西澤:SIerからの転職に限ったことではないですが、転職の目的や叶えたいことが明確でないと内定を獲得するのは難しいですし、たとえ転職できたとしても入社後に後悔する可能性が高くなります。

たとえば「Web開発がしたいのでSIerを辞めて自社サービス企業に転職したいです」という方がいますが、Web開発そのものはSIerの案件でも携われます。面接では「SIerでもできるのに、なぜ業界を変えたいのか」といった質問もされますから、しっかりと回答を用意していないと言葉に詰まってしまいます。

もちろん、今いる環境が苦しくてとにかく早く転職したい、という人もいると思います。でも、そういった状況であればなおさら「なぜ転職したいのか」「転職先で何を叶えたいのか」をしっかり考え抜いて、転職活動におけるゴールを設定する必要があります。

希望する転職先の業務内容と、やりたいことがマッチしていない

西澤:SIerで働くSEの方が転職希望先としてよく挙げるのは、以下の企業や職種です。

  • ・自社プロダクト系企業(会計ソフトやERPなどの自社パッケージを開発する企業)

    ・ネット系サービス企業(ECをはじめとしたWebサービスを開発する企業)

    ・社内SE(大手企業の情報システム部)

    ・大手SIer(現職が中小規模のSIerの場合)

これらの企業や職種の求人はSIerの求人と比較すると母数が少ないので、結果的に競争率は高くなります。さらに、各業界ごとに業務内容や求められる志向性に特徴がありますから、自分自身が何をやりたいのか正しく理解していないとキャリアの選択を誤ってしまい、結果的に内定に至らないことがあります。

髙橋:よくあるのが、自社プロダクト系企業やネット系サービス企業といった自社サービス企業への転職を希望しながら、ご本人は特定の技術を極めることを目的化しているパターンです。

自社サービス企業が最も大切にしているものは、技術ではなくサービスです。ユーザーにより良いサービスを届けて売上げを伸ばすことが目的であり、技術は手段でしかありません。

そのため、自社サービス企業のSEには、次のようなスキルやマインドが求められます。

  • ・応募先企業が属している業界に関心/知識があること

    ・ユーザー志向が強いこと

    ・課題解決力があること

これらに当てはまらないSEの場合は転職しても苦しくなってしまうでしょう。

エンジニアとして技術を主軸にビジネスを行っていきたいと考えるのであれば、最初から希望の業界を狭めてしまうのではなく、自分の志向性に合わせて転職活動をした方がよい結果を得られると思いますね。

希望の企業・業界に転職する上で、自身のスキルが不足している

西澤:スキル不足の問題は、SIerから自社サービス企業への転職希望者に起きやすいですね。

たとえば、各業界における開発スタイルの違いから、SIerのエンジニアと自社サービス企業のエンジニアではプログラミングスキルに差が出やすい傾向にあります。なぜなら自社サービス開発の現場では、ハイスピードでPDCAを回しながらアジャイル形式で開発するケースがよくあるからです。

自社サービス企業では仕様検討などの議論に時間をかけるより、ローンチしてユーザーの反応をみながら改修を繰り返すなど、試行錯誤しながら進めるケースが少なくありません。

そうなると必然的に手がけるコーディング量が変わってきますから、自社サービス企業のエンジニアの方がプログラミングスキルは高くなる傾向があります。

このことに気づかないまま転職活動に臨んでしまい、思うように選考が進まず自信をなくしてしまう求職者の方もいらっしゃいます。

SEとしての自分の現在地がわかっていない

西澤:数ヶ月単位で常駐先が変わるようなSIの現場で働いていると、自分の手がけたシステムがユーザーにどのように役立っているのか、考えたり振り返ったりする余裕がなくなってしまいがちです。

しかし、自分がプロジェクトの中でどのような立ち位置にいて、どのように貢献しているのかを説明できることは、転職活動の明暗を分ける重要なポイントです。

そのためにも自分たちが働いているSI業界の構造や特徴を理解し、自分自身はその中のどこに所属しているのかを俯瞰して見られるようになっておいた方がいいですね。

自分の立ち位置を俯瞰して見られるようになることは、自分に求められている役割を理解し、より質の高い仕事をするための課題を発見する上でも役立ちます。さらに課題の発見は、現在の自分に足りないスキルを知るきっかけにもなります。

自分に足りないものがわかるようになれば、今後伸ばしていくべき職能を明確にできます。その結果、たとえば足りないスキルが実装力であれば、プログラミングスキルを向上させるためにプライベートでも開発する、自社サービス企業で多用されるOSSやGitHubを扱えるようにするなど、自発的な行動を起こすことにも繋がっていきます。

髙橋:自社サービス企業の中途採用では特に、こういった課題解決能力があるかどうかで今後成長するポテンシャルがあるかをジャッジしています。課題の発見と解決のためにも、自分の現在地を把握することはとても重要です。

転職を成功させるために、SIerのSEがやるべきこと

ここまで、SIerで働くことが辛い理由やSI業界の実態、SIerのSEが転職活動で陥りがちな問題について説明してきました。それでは、転職を満足度を高く成功させるために必要なこととは何なのでしょうか。最後に、これだけは押さえておきたいポイントをお伝えします。

関連記事:SIer・SESや未経験からWeb系企業への転職を成功させるには

転職の目的と希望を整理する

西澤:転職で自分が何を求めているのかを把握し、転職の目的と現状の課題を整理すること、まずはここから始めましょう。

髙橋:転職で叶えたいことに優先順位をつけながら、「なぜその希望は現職では叶えられないのか?」「その希望はSIerでは本当に叶えられないのか?」を突き詰めていくと、その後求人に応募したり、面接を受けたりする場面でも迷いがなくなると思います。

西澤:「転職はしたいけど、自分が何を叶えたいのかわからない」「やりたいことはあるけど、それを実現するための方法がわからない」といった場合は、私たちに頼ってもらってかまいません。キャリアの棚卸しを行いながら、今後のキャリアパスについて一緒に考えていきましょう。

スキル不足などの理由から、すぐに希望する企業や業界の求人を提案できない場合は、課題を出したりレバテックキャリアのエンジニアからフィードバックを行ったり、長期スパンで転職活動をサポートすることも可能です。まずは一度カウンセリングにお越し下さい。

ここまでは、SIerからの転職を希望するSEの傾向や抱える問題点について、レバテックキャリアのエンジニア転職のプロが解説してきました。以降は、SIer業界で転職する際のポイントについて解説します。

関連記事:SIerの志望動機の書き方と例文|書く時のポイントと注意点も解説

転職前にSIer業界の知識をおさらいしよう

転職前に、まずはSIer業界の知識を再確認しましょう。再確認する知識としては、SIer企業の種類や求められるスキルや役立つ資格などがあります。これらの知識を把握することで、SIer業界に転職する目的が明確に定まるからです。以下では、転職前にSIer業界の知識をおさらいしていきます。転職前には、是非とも確認をしておきましょう。

関連記事:SI事業での仕事内容|各工程ごとの業務をわかりやすく解説

企業の種類

SIer企業の種類は、大きく分けて以下の3つの種類に分かれます。それぞれ、親会社の仕事を受託する形態であったり、親会社を持たない形態などです。企業の種類によって担当する内容の傾向が変わるので、確認しておきましょう。以下では、SIer企業の種類について紹介します。

メーカー系SIer

メーカー系SIerは、ハードウェア系のメーカーが親会社のSIer企業です。PCなどのメーカーである親会社が持つ製品を組み合わせたシステムを提供できる強みがあります。また、親会社の土台があるため、経営面の安定性が高いことが多いのが特徴です。

ユーザー系SIer

ユーザー系SIerは、ハードウェア系以外の業種の親会社から独立したSIer企業です。主に金融業や商社などの情報システム部門が独立または分社化して設立されています。親会社やグループ企業のシステム開発を請け負っているのが一般的です。

独立系SIer

独立系SIerは、メーカー系やユーザー系のSIerと違い、親会社を持たない企業です。システム開発を受託するほとんどの企業は独立系SIerといえるでしょう。メーカー系やユーザー系と違い、使うハードウェアやツールに制限がないため、独自システムの開発ができる特徴があります。

関連記事:
SIerの将来性は?今後なくなると言われる理由と市場価値
外資系SIerの企業例9選!年収、メリットやデメリットも解説

役立つ資格

SIer業界で求められるスキルや役立つ資格は、転職の前に把握して対策をすると効果的です。SIer業界には、IT関連の資格保有者が多くいます。IT関連の資格は、転職においても役立つことでしょう。以下では、SIer業界で役立つ資格を紹介します。

基本情報技術者

基本情報技術者は、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が運営するITエンジニアの登竜門的な試験です。主にIT業界に就職した若手エンジニアや就職を目指す方が受験しており、試験ではITに関する知識から経営、法務まで幅広く問われます。

応用情報技術者

応用情報技術者は、基本情報技術者の上位に位置する試験です。基本情報技術者試験に合格した方が次のステップとして受験するケースが多く、試験範囲はテクノロジ系とマネジメント系、ストラテジ系の3分野から出題されます。

プロジェクトマネージャー

プロジェクトマネージャーは、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が運営する国家試験です。経済産業省が策定したITスキル標準のレベル4に該当する難関試験です。主にプロジェクトの現場を統括する責任者を対象としています。

Oracle認定Javaプログラマ

Oracle認定Javaプログラマとは、日本オラクル社が主催しているJavaプログラミングに関する民間資格です。Javaは、SIerの業務でも多く使われるプログラミング言語であり、この資格を取得することでJavaの知識やスキルがあることを証明できます。

ORACLE MASTER(オラクルマスター)

ORACLE MASTER(オラクルマスター)とは、日本オラクル社が主催する「Oracle Database」に関する民間資格です。この資格を取得することで、世界シェアトップクラスのOracle Databaseの知識やスキルを証明できます。試験は「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」の4つのランクに分かれているのが特徴です。

シスコ技術者認定

シスコ技術者認定は、ネットワーク機器最大手であるシスコ・システムズ社が主催する民間資格です。試験では、シスコ製品やネットワークに関する知識などが問われます。試験は「エントリー」「アソシエイト」「プロフェッショナル」「エキスパート」「アーキテクト」の5つのランクに分かれています。

求められるスキル

SIer業界で求められるスキルは、どのようなスキルがあるのでしょうか。SIerは、クライアントから開発プロジェクトを受託して、システム開発を担います。そのためには以下のようなスキルが必要です。

  • ・コミュニケーション力

    ・マネジメント力

    ・論理的思考力

大規模プロジェクトの受託が多い大手SIerでは、多数のITエンジニアとのコミュニケーションとマネジメント能力が必要です。また、大規模プロジェクトでは、さまざまなクライアントの課題を整理して、課題解決に導く論理的思考力も求められます。

転職しやすいタイミングとおすすめできるSIerの種類

SIerへの転職に適したタイミングやおすすめできるSIerの種類はなにがあるでしょうか。おすすめのタイミングやSIerの種類をあらかじめ知っておくと、転職準備にも役立ちます。ここでは、転職しやすいタイミングとおすすめできるSIerの種類をまとめました。

おすすめのタイミング

SIerへの転職は、どのタイミングがおすすめでしょうか。適したタイミングを知ることで、転職準備に役立ちます。以下では、SIerへの転職におすすめのタイミングをまとめました。

ユーザー系SIerは独自文化が強く、長期間在籍すると転職が難しくなります。そのため、社外で評価されにくいシステムに長けていても、転職する際に評価されず、困ることがあるでしょう。将来的に転職を考えている場合は、30歳前を目処に転職をおすすめします。

大手SIerに転職を考えている方は、25歳前後までに挑戦をおすすめします。大手SIerは、主に上流工程に携わっており、SIに関する専門知識が豊富です。早めに転職しないと、大手SEとのスキル差が広がり、転職が難しくなります。25歳以下であれば第二新卒採用の枠組みで応募できるため、タイミングを逃さないようにしましょう。

上流工程でのキャリアアップを目指す方は、28歳から30歳ごろが最適のタイミングです。それ以上年齢が上がると、プロジェクトマネジメントの経験が求められたり、また先輩からのアドバイスも得にくくなります。

SIerの転職希望者の中には、転職のタイミングを逃す人が多いです。そのため、転職を考えている人は、気になったタイミングで転職エージェントに相談して情報を収集するのが重要です。インターネット上では、転職に関する生きた情報が想像以上に少ないため、実際に相談することが必要となります。

転職先におすすめできるSIerの種類

SIerには、大手から中小までさまざまな種類の企業があります。「年収を上げたい」「残業を少なくしたい」など本人の希望によって、おすすめできるSIerの種類は変わるので、詳細を知っておくと良いでしょう。以下では、転職先におすすめできるSIerの種類を紹介します。

年収を上げたい

年収を上げたい場合は、大手SIerへの転職がおすすめです。大手SIerで勤務するエンジニアの年収は、中小SIerよりも高めですし、待遇改善も期待できます。また、大手SIerは住宅手当や資格手当などの制度が充実している点も魅力です。

残業を少なくしたい

残業を少なくしたいという理由の場合も、大手SIerをおすすめします。大手SIerは知名度が高い分、コンプライアンスを一層重視する傾向にあり、常識外の残業を課される心配が少ないです。そのため、残業に悩んでいる方は大手SIerへの転職を挑戦すると良いでしょう。

スキルアップしたい

スキルアップしたい場合は、中堅SIerがおすすめといえます。大手SIerは多くの人員が従事しているため、分業化が進んでおり、広範な業務知識やスキルを習得するのは難しいです。しかし、中堅SIerでは1人のエンジニアにさまざまな業務を任せることもあります。そのため、スキルアップしたいなら中堅SIerが選択肢としておすすめになります。

SIerから異業種に転職する道もある

SIerの転職では、同業他社へ転職するほかに異業種に転職する道もあります。これまでSIerで経験した知識やスキルを活かして、ITコンサルタントや営業、社内SEを目指す方も多いです。以下では、これらの仕事について解説します。

ITコンサルタント

SIerから転職する方の中には、ITコンサルタントを目指す人も多いです。SIerは、ITコンサルタントと同じように、最上流から課題解決を目指しています。大手SIerには、大規模プロジェクトでシステム開発に併せてコンサルティングを提供する場合もあるため、培った経験やスキルを活かせるからです。実際、コンサルティングファームには、SIer出身者も多く活躍しています。

営業

SIerから異業種へ転職する方の中には、営業職を選ぶ人もいます。IT業界であれば業種が異なる営業職でも、いままでの知識や経験を活かせるでしょう。また、開発現場での経験はアドバンテージになりますし、現場経験が見積もりの精度を高め、高い利益率の案件獲得も期待できます。

社内SE

SIerから異業種への転職では、社内SEになる方も増えています。社内SEは自社システムの開発や社内システムの運用・保守などを担当する仕事です。社内SEは残業時間が少なく、ワークライフバランスを重視する方にとっては魅力的な職種とされます。

自社システムの開発プロジェクトでは、設計などの上流工程から運用保守、関係者との交渉などを担当することもあるため、コミュニケーション力やマネジメント力も必要です。

フリーランスという選択肢もある

スキルの自信がある方は、フリーランスになる選択肢もあります。フリーランスの場合、営業から経理まで一人で行わなければなりませんが、自由度の高さと高収入が魅力です。取引先の獲得のためには、高いプログラミングスキルやコミュニケーション力、営業力などが必要になります。フリーランスを目指すなら、最低でも2〜3年の開発実務経験が必要です。

プログラミング言語はJavaやPHP、C言語、C++などを習得すると、案件獲得の幅が広がります。また、売上の管理も自分で行うため、自己管理能力も必要です。

SIerに関するよくある質問

SIerから転職を目指す方には、さまざまな疑問や質問があるでしょう。よく聞く疑問や質問は、中小規模の独立系SIerやソフトハウスのSEの悩みについてです。ほかにも、大手SIerやプライムベンダーのSEの悩みや転職活動がうまくいかない理由、SIerのSEが転職を成功させるために必要なことなどがあります。ここでは、これらのSIerについての悩みが解決できるよう、回答しました。

Q1.SIerで働くSEが抱えがちな悩みは?

中小規模の独立系Slerで働くSEは、下流工程の業務が集中しがち、給与が上がりにくいなどが悩み。一方で大規模Slerで働くSEは、上流工程にしか携われず自身の手を動かせない、クライアントとの調整役に疲弊してしまうなどが悩みとしてあげられます。企業規模や業務内容によって悩みは異なるといえるでしょう。

Q2.SIerのSEが転職を成功させるために必要なことは?

転職で叶えたいことに優先順位をつけながら、「なぜその希望は現職では叶えられないのか?」「その希望はSIerでは本当に叶えられないのか?」を突き詰め、転職の目的と現状の課題を整理することが重要です。

Q3.SIerとSESはどちらがおすすめ?

キャリアパスをどう捉えるかで、SIerとSESの選択肢が変わります。将来的にプロジェクトマネージャーなど、責任あるポジションを目指したいならSIerがおすすめです。未経験者の場合は、SESでプログラミングスキルなどを磨くと良いでしょう。

関連記事:SESの客先常駐|メリット・デメリットやSIerとの違い

Q4.大手5大SIerとは?

売上高の順だとITサービス市場で国内1位の富士通 3兆7,137億円、その次にNEC 3兆3,130億円、日立製作所 2兆7,723億円、NTTデータ 2兆715億円、野村総合研究所 6,921億円となっており、現在の大手5社といえるでしょう。

まとめ

SIerから転職を希望する人は多いです。業界内でもWeb業界、社内SEに転職した方が安泰と考えられています。

またSIerからほかの業界に転職する場合、転職先で何がしたいのか、どのように活躍できるのかなどを明確にする必要があります。SIerから離脱することだけでなく、その後どこでどのようにキャリアアップしていくのかを明確にすることが重要で、キャリアプランが明確になっていればSIerでも自分の市場価値を高めることは可能です。

この記事では、エンジニア転職のプロがSIerからの転職を希望するSEの傾向や抱える問題点について解説し、SIer業界についても紹介しました。SIerから転職を検討している方は、この機会に転職活動を行ってみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修

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