Webデザイナーの志望動機の書き方|書き方のポイントを例文つきで紹介

最終更新日:2023年12月7日

Webサイトのデザイン全般を担うWebデザイナー。その仕事内容はサイト全体のデザインから制作、テストなど幅広い工程を担当します。

各企業によってWeb広告戦略は異なります。このため、Webデザイナーの志望動機を書く際には、保有するスキルに加えて、自身のキャリアプランと応募先の事業がマッチしていることをアピールするとよいです。Web制作会社や事業会社などが応募先となりますが、それぞれ志望動機もカスタマイズが必要です。

本記事では、Webデザイナーとしての転職を希望する方に向けて、仕事内容や、業種それぞれの志望動機の例文、業界未経験者向けの例文の解説、志望動機を改善するためのポイントを紹介します。

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この記事のまとめ

  • Webデザイナーは未経験からも目指せますが、事前に知識を身につける、志望動機に具体性を持たせるなど工夫が必要です
  • 志望動機はWebデザイナーなどのクリエイター職では「なぜ問われるのか」を企業側の視点で考察し回答することが大切です
  • デザイナーに求められるスキルは、技術に加え、コミュニケーションや向上心、トレンドの把握能力などが挙げられます

なぜWebデザイナー転職で志望動機が重要なのか

志望動機は、Webデザイナーかどうかにかかわらず転職・就職の際に大切なポイントです。志望動機の重要さを理解するためには、まず「なぜ志望動機を聞かれるのか」を念頭に置きましょう。

・数あるWebデザイン業務の中で、なぜこの企業を志願したのか

・現在のスキルはどの程度で、志望企業の中でどのぐらい活躍できるのか

・将来的にやりたいことは何か、そのビジョンと企業の方針がマッチしているのかどうか


即戦力が欲しい企業だと、技術面を重視して志望動機を尋ねます。また、業界未経験者を採用する企業ではどの程度業界知識があり覚悟を持っているのかを問うことが志望動機を尋ねる大きな要因です。

志望動機があやふやなままだと、入社後に「こんなはずではなかった」というミスマッチが発生し、早期離職の原因になるかもしれません。

以上のように、志望動機とは企業と志願者のミスマッチを防ぐための基軸になります。動機を考える場合は、「なぜ聞かれるのか」を考えておくと的外れな回答を防げるでしょう。

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Webデザイナーが志望動機を作成する前に準備すべきこと

志望動機は応募先に合わせてカスタマイズしながら、徐々に洗練させていくことが推奨されます。書類選考やその後の面接を通過する確率が高められるよう、志望動機の内容を改善させる方法について解説します。

業界研究や企業研究を行う

応募する業界や企業について理解を深め、なぜ自分とマッチするかを分かりやすく書くようにします。「志望動機に何を書いたらよいかわからない」と感じる場合、応募先または就職した後のキャリアプランについて理解が不足しているのかもしれません。

企業の担当者と話す

最近では、人事担当者と会話するカジュアルな面談の機会を設ける企業も増えています。応募先として検討している企業や、それに関連した企業で働いている人に話を聞くと、一般に公開された情報だけでは分からない実際の働き方や事業内容が理解できるでしょう。

Webデザインについて学ぶ

未経験の場合、Webデザイン自体について理解を深めると共に、スキルを磨いておくとキャリアアップにつながるでしょう。学習方法として、オンラインのWebデザインスクールや職業訓練校などの活用が挙げられます。また、Photoshopなどのソフトウェアでは資格試験が設けられているため、資格取得を通してスキルを身につけるのも一つの方法です。

Webデザイナーは資格必須ではありませんが、資格を取得するとWebデザインへの知見が広がるだけでなく就職や転職の際に自分のスキル証明になります。未経験だとポートフォリオを充実させるのも難しいため、資格取得を視野に入れるのもおすすめです。

関連記事:デザイナーとして就職するためには?職種と必要なスキルを解説

経験・スキルの棚卸しをする

志望動機の記述や改善をはじめ、転職活動においては自身のこれまでの経験とスキルを棚卸しし、整理することが大切です。経験とスキルは自己をアピールする上で重要ですが、ただ並べるだけでは有効に生かせません。

棚卸しにより整理を行い、転職したのちに企業にどのように役立てる・貢献することができるかを検討しておきましょう。そこまでの準備を行うことで、志望動機や自己アピールとして利用できる状態となります。

転職エージェントと話す

多くの転職希望者と会話してきた転職エージェントは、採用担当者の視点から志望動機についてアドバイスができる存在です。履歴書・職務経歴書の添削サービスを提供するエージェントもあるため、効果的に活用していきましょう。

Webデザイナーの志望動機を書く際のポイント

Webデザイナーへ転職する際は、自分が希望する役割や、応募先の業態・戦略に合致するような志望動機づくりが重要です。また、解説したように「なぜ志望動機を聞かれるのか」も考慮しながら作っていきましょう。以下では、志望動機を書く際に考慮するべきポイントを解説します。

結論ファーストで書く

志望動機を伝わりやすくするためのテクニックとして、最初に志望する理由から書くと分かりやすいです。なぜ志望するに至ったかは後で補足するとして、まずは結論を簡潔に冒頭で伝えておきましょう。

志望動機全体の構成では、下記の順序で記載することでスムーズに伝えることができます。


  • ・志望する理由(結論)

    ・志望するに至ったエピソードや自身の信念・価値観など

    ・転職後の業務に対する意気込み

なぜその企業を選んだのかを明確にする

Webデザインの仕事ができる企業は多数存在しています。その中でも志望先の企業を選んだ理由については、確認しておき、志望動機に織り込んで伝える必要があります。

その企業を選んだ理由、その企業でなくてはならない理由を明確にするためには、企業の情報を調査し、深く理解している必要があるでしょう。企業に深く興味を持ち、力を入れて調査していることを裏付けることにも繋がっています。

自分と会社がマッチする理由

応募先の事業内容や力を入れている分野について研究した上で、なぜその企業を志望したのかを記載します。自分が保有するスキル・強みと、応募先が求める人物像が合っていることを主張しましょう。

転職活動を続けていれば複数の企業に応募することになりますが、必ず企業ごとにカスタマイズするべき項目です。応募先に関する研究が足りず、どの企業にも当てはまるような志望理由しか書かれていなければ、説得力に欠け熱意がないと判断される恐れがあります。

どうしてもデザイナーになりたい理由

前職が関連する業種ではない場合、なぜ数ある仕事の中からWebデザイナーになりたいのかを説明できると動機に説得力が出ます。企業のWebサイト制作やWebデザイナーなどのインタビューなど、具体的にデザイナーに興味を持ったきっかけを説明すると、業界知識がある・興味があるというアピールにも繋がります。

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転職理由とキャリアプラン、将来のビジョン

今なぜ転職したいのか、そして、これから何をしていきたいのかを志望動機に含めることも効果的です。転職を検討した当初は、「特定の業界で専門性を高めていきたい」「大手企業を相手に大規模なWebサイト運営に携わりたい」といったモチベーションがあったのではないでしょうか。Webデザイナーになろうと思ったきっかけから振り返って、自身のキャリアの一貫性を主張しましょう。更にその先の将来のビジョンまでも見据えておきます。

具体的には、転職した後、数年にわたって取り組みたいことと、応募先の事業内容が合っている点をアピールします。企業は長く勤められる人材を求めているため、企業の戦略とキャリアプランが合致していると、好印象を与えられるでしょう。

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保有するスキル

Webデザインの経験者であれば、使えるツールや過去の経験について述べます。PhotoshopやIllustratorといった画像編集ソフトや、HTML・CSSを含めたコーディング技術が代表例です。

また、Webデザイナーの転職活動では、自身が手掛けた作品を一覧にした「ポートフォリオ」の提出が求められる場合があります。志望動機で主張したスキルを、ポートフォリオで裏付けられるようにしましょう。

経験者向けの求人であれば、必要とされるスキルが明記されているため、自身が持っている技術によって事業に貢献できる点をアピールします。加えて、過去の仕事で発揮したコミュニケーション能力などのソフトスキルも含めると良いでしょう。

過去の業務経験については、守秘義務の観点から具体的なクライアント名に言及するのはNGです。しかし、どのようなWebサイトの制作プロジェクトで何を担当したのかをまとめておくことで、スキルのレベルを大まかに伝えることができます。

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避けるべきポイント

志望動機を作成する上で、最もありがちな間違いは、すべての応募先に同じ内容を送ることです。応募先の業態や仕事内容に合わせて、具体的に記載しなければなりません。汎用的な志望動機で就職活動を続けても、人事担当者が採用したいと感じる確率は低くなってしまいます。

汎用的な志望動機は、より企業とのミスマッチを増幅させます。極端にいうと「どの企業にも通用する動機」で採用されたとしても「どの企業でも構わない人材」である可能性が高いです。その企業だからこそ活かせる自分の志望動機・スキルをアピールし、企業側もその部分を評価してくれるとキャリアは継続しやすいものです。

また、前職の不満のようなネガティブな内容や、待遇に対する希望を過度に主張するのは避けるべきです。前向きにキャリアアップを目指しているのが伝わるように、志望動機を作成しましょう。

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Webデザイナーの志望動機の例文

応募先となる業界や役割によって、仕事内容は異なります。そのため、志望動機の内容もそれに合わせて記載する必要があります。以下では、就職先別に志望動機の例文を紹介します。

Web制作会社の場合の書き方と例文

Web制作会社では一般的に、多様な案件に配属され、顧客企業のWeb制作を何件も繰り返していくことになります。転職した後も専門性を磨きたいのか、マネジメント業務へ進みたいのか、といったキャリアプランが、応募先の条件と合致している点を主張しましょう。

例文

前職では大手メーカーのクリエイティブ部門に属し、自社サイトのコーディングなどを担当してきました。今後は、これまでの経験を活かし、プロジェクト管理にも関わっていきたいと考えています。貴社は、大手メーカーの案件が多く、これまで大規模サイトを制作・運用してきたスキルを活かせると感じています。

関連記事:Webデザイナーに必要なスキル・スキルマップとは

Webサービス運営企業、アプリ開発企業の場合の書き方と例文

自社サービスを運営する企業では、Webデザインを通じて顧客をひきつけ、訪問者数や利用頻度の増加につなげることが期待されます。そのため、応募先の事業に興味を示し、Webデザインにとどまらず、事業の成長へ貢献できる点をアピールすると良いでしょう。

例文

前職ではWebデザイナーとして多言語展開するWebサイト制作に携わってきました。貴社は越境ECサイトを運営しており、コンセプト設計やグラフィック作成において国際展開の知識を活用できると考えています。貴社のグローバル展開に貢献したく、貴社を志望します。

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事業会社(インハウス)の場合の書き方と例文

事業会社でインハウスのWebデザイナーとして働く場合、応募先の企業理念や過去の実績に対する共感を示し、自分のスキルがどのように活かせるかをアピールする方法があります。

例文

大学時代に教育を学んだ後、Webサイト制作会社へWebデザイナーとして就職しました。貴社を志望したのは『時代に即したカリキュラム作りに挑戦し、即戦力となる人材を輩出する』という理念のもと、デジタル技術を活用した教育環境を追求する事業に共感したためです。これまで培ったWebデザインの技術を発揮し、新たな教育体験の実現に貢献したいと思います。

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広告代理店の場合の書き方と例文

広告代理店における仕事の進め方を考慮し、顧客の要望に合わせて創造性を発揮して、チームとして成果を上げることへの興味を示す書き方が考えられます。

例文

ECサイト制作のプロジェクトに参加した際、想定される顧客層が好む色やデザインを勉強し、売り上げxx%の成長に貢献することができました。Web媒体からテレビCMまで手掛ける貴社において、ユーザーのニーズを踏まえたデザインを実現し、顧客企業の成長を支援したいです。

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Webディレクター/Webプロデューサーの場合の書き方と例文

Webサイト全体の調整を行い多くのスタッフとコミュニケーションを取るディレクター・プロデューサーは、志望企業のどのようなサイトやサービスに興味を持ち、どう関わっていきたいのかを明記する例文が好ましいです。職務経歴欄では伝わりにくい関連するチームリーダーの経験やWeb関連の業務経験があれば、あわせて書いておくと説得力が増します。

例文

前職ではWebサイトのライター業務を開始し、2年前からWebサイトプロデュース業務全般を任されています。50名以上のスタッフをリードしながら、プロジェクトを進めました。社会的にも大きな影響力を持つ貴社のWebサイトでは、前職で培ったスケジュールの管理能力・コミット力に加え、プロデュース業務で得たデジタルマーケティング全般に関する知見を活かして参りたいと考えています。

出版・広告・販促・印刷デザイナーの場合の書き方と例文

Webデザイナーの仕事には紙媒体の雑誌や広告などのDTPデザインを担うケースもあります。紙媒体はさまざまな販促戦略があるため、デザインのスキルと同時に狙った層へとメッセージを発信できるマーケティング力もアピールできるとよいでしょう。

例文

現在は制作会社デザイナーとして販促物やポスター制作をしています。しかし納品後のターゲット層の反応や売上への貢献力が分かりにくいため、マーケティングにつながる取り組みの多い貴社への転職を希望しています。貴社では制作会社で培ったデザイン・ディレクション業務経験を活かし、制作を通して顧客との接点となるきっかけ作りを増やしたいと考えています。

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未経験でWebデザイナーを志望するケースのポイントと例文

未経験もしくは他業種からの転職の場合、前職での経験を活かして志望動機を作成するには経験者と異なる注意点があります。未経験からWebデザイナーを志望する場合のポイントと例文をチェックしていきましょう。

未経験のWebデザイナー志望者が志望動機を書く際のポイント

実務経験がなかったとしても、独学やWebデザインスクールで学んだ内容を記載して学習意欲をアピールすることができます。学んだということだけでなく、どのようなWebサイトを制作したのか実物を見せることができれば、スキルのレベル感やスキル習得に向けた取り組みの度合いを伝えることが可能です。

また、「なぜWebデザイナーという職種になろうとしているか」という理由については突き詰めておきましょう。Webデザイナーになろうと思ったきっかけから、志望理由に説得力を持たせます。

Webデザイナー以外の職種で実務経験があれば、応募先でも発揮できる経験について述べても良いでしょう。コーディングや画像制作はもちろん、チーム作業におけるコミュニケーション能力なども、応用可能なスキルに含まれます。

未経験の場合の例文

前職ではファッション販売に携わっていましたが、独学でPhotoshopを学び、ファッション関係のブログを運営するようになりました。ファッション関係のWebサイト制作に実績のある貴社で、業界知識を活かしてユーザーにとって使い勝手のよいWebサイトを構築できるWebデザイナーを目指したいです。

志望動機のNG例

志望動機には、自身の考えを記載する必要がありますが、ただ考えが書いてあれば良いというものでもありません。相手に伝わりづらい構成をとること、志望動機に全面的に出すべきではない内容などNG例を紹介します。

結論ファーストになっておらずわかりにくい

なぜその企業やWebデザイナーという職種を志望するに至ったかを延々と連ね、その理由にたどり着くまでが長い文章は避けるべきです。理由が何なのかが読み取りづらく、印象もぼやけてしまいます。

結論を先に記載し、その後にそこに至る理由を補足する構成をとることで伝わりやすい志望動機にしましょう。

志望動機の構成については、「Webデザイナーの志望動機を書く際のポイント」で記載している内容を参照ください。

応募理由が待遇面であることを前面に出している

志望の理由が給与や企業の福利厚生などの待遇面にあることを前面に出した志望動機は避けておきましょう。事業内容や業務、企業そのものへの関心が低く、企業に入ってからの活躍や貢献に対するビジョンが無いように印象付けてしまう可能性があるためです。

また、待遇面を志望理由にしてしまうと、他に待遇の良い企業があればその企業に行けばいいということにもなりかねません。企業を選んだ理由が薄れてしまうため避けるべき記述となります。

Webデザイナーの仕事内容

WebデザイナーはWebサイトの構成や見栄えを設計する役割であり、画像制作やHTML・CSSのコーディングを行って、その実装までを手掛けます。一般的にWebサイト制作は複数の工程から構成されますが、Webデザイナーはそれぞれ異なる作業を担当します。

志望動機により具体性を持たせるために、今一度Webデザイナーの仕事内容を解説します。

関連記事:Webデザイナーとは?仕事内容や他職種との違い、未経験からの目指し方も紹介

Webデザインの設計工程

仕事の一つに「コンセプト設計」が挙げられます。多くの業務ではこのコンセプト作りから始まり、プロジェクトの軸になる要素です。Webサイトを訪問するであろうユーザーの属性を設定し、対象のユーザー層へ与えたいイメージを検討します。配色を含めたWebデザインの方向性を決定する作業です。

次に、「ワイヤーフレーム」と呼ばれるWebサイト・レイアウトの作成を行います。詳細な機能を実装することなく、メニューやボタン、フォームといった画面要素の配置のみを検討します。ユーザーの利用しやすさやWebサイトを利用することにより得る体験など、UI/UXも考慮すべき内容です。

関連記事:CGデザイナーの将来性は?需要や仕事内容を詳しく解説

Webサイトの制作とテスト

Webサイトの制作では、ロゴやバナーといった画像データの作成とHTML・CSSを用いたWeb
ページのコーディングを行います。PhotoshopやIllustratorなどのツールは本工程で活用します。高度な機能を実装する場合は、プログラマーにコーディングを依頼するケースもあります。

Webサイトの制作が完成したら、機能や使い勝手の検証を実施します。想定通りにサイトが表示されているか、リンク切れがないか、フォームが正常に動作するかといったテストを行い、設計通り実装されているかを確認する作業です。想定されるユーザー層にWebサイトを使ってもらいインタビューして、使い勝手に問題がないか検証するユーザビリティテストを実施する場合もあります。

Webデザイナーの就職先

同じWebデザイナーという職種でも、業界が異なれば、その役割も少しずつ変わってきます。一般的にWebデザイナーの就職先と考えられる業界・業種について解説します。

Web制作会社

顧客企業からの依頼に応じて、Webサイトの企画や制作を行う業態です。取引先はB2B企業、B2C企業、官公庁など多岐にわたります。Webディレクターを中心としたチームにWebデザイナーも加わります。

Webデザイナーは、顧客からWebサイトに求める要件を聞き取るヒアリングの工程に参加します。コンセプト設計やワイヤーフレーム作成の段階で顧客企業へプレゼンテーションを行い、方向性をすり合わせていきます。Webデザインの専門家として、使い勝手の良いWebデザインができるようアドバイスを行い、品質の高いWebサイトを納品できるよう努めることが役割です。

Webサービス運営企業、アプリ開発企業

EコマースやSaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)などの各種Webサービスを運営する企業を指します。また、Web上で提供する機能をモバイルアプリでも実現する事業も多く、見栄えや使い勝手の良いWebデザインが必要とされています。

これらの企業に属するWebデザイナーは、社内からの要望を受け、Webサイトの開発・更新を担当します。使い勝手の悪いWebサイトではユーザーがすぐに離脱してしまい、売り上げの利益の低下にも直結してしまうため、UX(ユーザー体験)の向上に責任を持つWebデザイナーは重要な存在です。

事業会社(インハウス)

IT以外の一般企業でも、マーケティングなどの目的でWebサイトを運営しています。たとえば、販売促進や企業情報・IR情報のWebサイトを開発・運用する仕事があります。

事業会社では社外のWeb制作会社へ作業を依頼する場合がありますが、コミュニケーションの円滑化や柔軟な対応を求めて、社内に「インハウス」のWebデザイナーを抱えるケースも見受けられます。自社の事業内容やブランドイメージを理解した上で、最適なWebデザインを目指します。

広告代理店

顧客企業のマーケティング業務を支援する業態です。Webサイトにとどまらず、オンライン広告やテレビCM、パンフレットのような紙媒体を含めて、総合的な販売促進業務を行います。

Webデザイナーは自社や顧客企業のWebサイトの制作・運営を担当します。場合によっては、画像制作などのスキルを活用し、他の媒体の仕事にも参加する可能性があります。

Web・ファッション・グラフィックデザイナーの違い

デザイナー職はいわゆるクリエイティブ業務であり、Webデザイン以外にもファッションデザイナーやグラフィックデザイナーがいます。それぞれの違いを今一度チェックしていきましょう。

Webデザイナー 主にWebサイト制作のデザインを担当する
ファッションデザイナー 主にファッション関連の被服、アイテムなどのデザインを担当する
グラフィックデザイナー 主に広告やパンフレット、販促制作物のデザインを担当する

以上を見る通り、担当する分野が3者ではまったく異なります。ただしWebデザイナーに「広告を作って欲しい」と依頼がきたり、プロジェクトによってはアパレル関連の知識が求められることもあるでしょう。

Webデザイナーに求められる能力やスキル

Webデザイナーに求められる能力、スキルを3つにまとめました。一つずつ見ていきましょう。

関連記事:Webデザイナーに必要なスキル・スキルマップとは

コミュニケーション能力

Webデザイナーは一人で完結する業務はほとんどなく、Web制作にはチームで取り組みます。その際、チームメンバーとの意思疎通は大変重要です。業務を分担するプログラマーや営業部、場合によってはクライアントとも話し合う必要があります。

また、自分の好みに沿ってデザインを行うわけではなく、クライアントの意向に沿ってデザインすることが重視されます。このため、クライアントの求めていることをヒアリングする力も必要です。

黙々と仕事をするイメージがあるかもしれませんが、コミュニケーション能力を培って周りと方向性を揃えながら業務に当たるスキルも大切です。

トレンドを把握する力

数あるWebサイトの中から、人の目を引き注目されるサイト制作がWebデザイナーには求められます。汎用性がありクライアントの意向をクリアしている制作物なら何でも良いというわけではなく、トレンド感や最新の技術も取り入れる力は必須スキルといえるでしょう。

トレンド動向は日々のニュースやPintarestなどのSNSでもチェックできます。常に新しいものを求める姿勢がクリエイターにとって大切です。

向上心のある人

Webサイトの業界は常に新しい情報がアップデートされます。最新の情報や技術を追うだけでなく、先ほど説明した流行・トレンドも敏感にキャッチするアンテナが必要です。

総じて向上心のある人はWebデザイナーに向いており、常に技術のキャッチアップができる・経験を重ねても勉強意欲のある人は業界から求められるでしょう。

関連記事:キャラクターデザイナーの仕事内容は?必要なスキルや資格をご紹介

Webデザイナーに関するよくある質問

Webデザイナーに関するよくある質問と回答をまとめました。Webデザイナーを志望される場合の参考としてください。

Q1. Webデザイナーに向いているのはどんな人ですか?

WebデザイナーはWebサイトというモノづくりをする仕事です。サイトができるだけで良いものになるよう創意工夫を重ね、試行錯誤できるモノづくりの好きな人が適しているといえるでしょう。また、Webの制作はチームで行うことが多く、円滑なコミュニケーションを取り、作業を調整できる人が向いています。

Q2. Webデザイナーに求められるスキルはなんですか?

Webデザイナーには、下記のスキルなどが求められます。


  • ・デザインスキル

    ・グラフィックソフトの操作スキル

    ・HTMLコーディングのスキル

    ・UI/UX設計のスキル

    ・コミュニケーションスキル

Q3. Webデザイナーの平均年収はいくらですか?

厚生労働省の職業情報提供サイトjobtagによると、Webデザイナーの平均年収は480.6万円です(令和4年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)。

他の職種と比較して年収が低い理由として、Webデザイナーの構成年齢が低いことがあげられます。Webデザイナーとして職務経験を積みスキルアップした場合、WebディレクターやWebプロデューサーなどの職種にキャリアチェンジするケースが多く、高年齢層のWebデザイナーが少ないため、平均年収は低くなります。

まとめ

Webサイト制作のデザインを担当するWebデザイナー。志望動機の書き方に迷う人も多いですが、ポイントとして「なぜ志望動機を聞かれるのか」「業界の知識がどこまで深められているか」を考えると企業に対してアピールしやすいです。

業界未経験でも転職可能な場合もあるため、ご紹介したWebデザイナーの志望動機を考えるコツも活用しながら、キャリアの道を歩んでいきましょう。

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この記事の監修

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