ITエンジニアの転職市場状況
スマートフォンの普及や企業のDX化の推進による影響で、IT業界は常態的に人手不足が叫ばれていますが、実際の状況はどうなのでしょうか。
ここでは、ITエンジニアの転職市場状況を政府の統計データなどをもとに解説します。
経済産業省に所管される独立行政法人「情報処理推進機構」が発表したDX白書2023を確認すると、ITエンジニア人材が不足していることが分かります。
「事実戦略上、変革を担う人材の「量」の確保」では45.2%の企業が「やや不足している」、30.8%の企業が「大幅に不足している」と回答しています。また「AI技術の活用状況」では「AI人材が不足している」と回答した企業が55.8%でした。
このように、各業界のIT人材は不足しており、企業はこれらを解決する人材を求めていることが分かります。
参照:情報処理推進機構「DX白書2023」
ITエンジニア転職のメリット・デメリット
ITエンジニアの転職する際のメリット、デメリットは多職種と比べてハッキリしています。ここからは、転職する際のメリット、デメリットをそれぞれ紹介します。
転職のメリット
まずは転職のメリットを5点紹介します。
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・年収アップの可能性・職域やスキルの幅が広がる
・新しいことにチャレンジできる
・ライフワークバランスの向上
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
年収アップの可能性
幅広い技術領域の経験やAIなど市場価値が高いスキルを身につけていれば、現在よりも年収がアップする可能性があります。
職域やスキルの幅が広がる
同じ言語を使用する案件であっても、担当する職域や開発内容は企業によってさまざまです。今の仕事に物足りなさを感じている方は、転職することで職域やスキルを広げやすくなるでしょう。
新しいことにチャレンジできる
ルーティンワークが増えてくると、勤続年数が長くなってもなかなか新しいことにチャレンジする機会に恵まれない場合もあります。異動制度や、スキルアップ支援制度が充実している企業、社内プロジェクトが活発な企業などに転職することにより、成長の機会を得られる可能性があります。
ライフワークバランスの向上
長時間勤務の常態化や子育て、介護などライフステージの変化などにより、ライフワークバランスの改善を求めるITエンジニアも多いかと思います。改善できるかは会社の制度や文化によりますので、自分が望む働き方ができる会社に転職することでライフワークバランスの向上が見込めるでしょう。
転職のデメリット
転職のメリットをご紹介してきましたが、デメリットも存在します。ここからは転職のデメリットを3点ご紹介します。
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・入社してみないと分からないこともある・事前に知らされていた求人条件と相違が生じる場合がある
・人間関係の構築や入社した会社の文化へ適用する必要がある
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
入社してみないとわからないこともある
いくら転職市場を精査してから転職しても、人間関係や職場環境、取り組む案件の詳細など、実際に入社してみないとわからない部分は必ずあります。イメージと齟齬が発生しないよう、事前に人間関係や制度、入社後の配属先、携わる業務などを確認して少しでも多くリスクヘッジしておくことが重要です。
事前に知らされていた求人条件と相違が生じる場合がある
転職におけるトラブルで多いのが、求人条件との相違によるものです。求人媒体に掲載されている情報から得られる情報には限りがありますので、面接で制度や勤務時間・業務内容などについてはできるだけ確認しておくことが重要です。
人間関係の構築や入社した会社の文化へ適応する必要がある
転職は環境をリセットすることができる反面、新しい会社での人間関係の構築や業務スタイルへ適応していくことが求められます。新しい環境への順応はそれなりに力がいることを覚悟しておいた方が良いでしょう。
ITエンジニアの転職が成功しやすいタイミング
ITエンジニアの転職が成功しやすいタイミングは一般的に以下の2点が挙げられます
・年度末と上半期終了時(2〜3月、9〜10月)
・10〜12月
それぞれについて詳しくみていきましょう。
年度末と上半期終了時
ボーナスに合わせて退職する人が多い日本では、2〜3月や9〜10月頃に退職者が増加する傾向にあります。特に日本ではこちらの傾向が顕著にでているため、多くの企業で中途採用が行われやすいです。求人が増えればそれだけ市場価値が上がるため、目的の企業に入りやすくなるでしょう。
10〜12月
外資系企業の場合、新年度の1月に向けて10月〜12月に採用する企業が多いため、10〜12月も狙い目です。希望の企業が外資系の場合、10月に向けて準備するといいでしょう。
ITエンジニア転職の流れ
ITエンジニア転職の流れはある程度固定されています。ここからは、一般的なITエンジニアの転職の流れを確認しましょう。一般的に、ITエンジニアは以下のプロセスを踏みます。
プロセス1:転職の目的を明確にする
プロセス2:自分のスキルや経験の棚卸しをする
プロセス3:転職市場をリサーチする
プロセス4:応募書類を作成する
プロセス5:面接対策をする
プロセス6:内定がきまったら入社の準備をする
それぞれについて詳しくみていきましょう。
プロセス1:転職の目的を明確にする
自分が何のために転職するのかをまず明確にします。なんとなく今の職場をやめたいから、といった漠然とした理由で転職活動を行うと、採用担当者にもその考えは伝わってしまいます。転職活動の緻密なプランを立てるには、明確な目標設定が必要不可欠です。
プロセス2:自分のスキルや経験の棚卸しをする
慌ただしく日々の実務に取り組んでいると、自分が持っているスキルや経験の全体像が分からなくなりがちです。転職活動をするのなら、まず一度時間を作って自分自身のキャリアすべてを俯瞰して、スキルや経験を整理します。できれば紙に書きだしたりExcelなどでまとめたりするのが良いでしょう。
プロセス3:転職市場をリサーチする
どのような企業が、どのような人材を求めているのか転職市場をリサーチします。
上記で棚卸した自分のスキルや経歴、そして転職の目的を踏まえて、応募すべき企業をピックアップしていきます。
プロセス4:応募書類を作成する
応募先が決まったら書類作成です。書類選考を通過しないと面接にはたどり着けませんので、自分自身をセールスするつもりで時間と手間をかけて、ベストな応募書類を作成することがポイントです。汎用的なものを作成するのではなく、きめ細かく訴求できるように応募先企業によって内容を調整することをお薦めします。
プロセス 5:面接対策をする
採用担当者と対面する面接は、転職活動において採否を分ける最も重要なプロセスです。
何の準備もなしに挑むのではなく、どのような質問が来ても困らないように企業研究を行ったり、スピーチ練習をしたりするなど十分に対策してから望みましょう。面接で聞かれるポイントはある程度決まっています。後述していますので参考にしてください。
プロセス 6:内定が決まったら入社の準備をする
内定が決まったら、各種手続きや引き継ぎのための職務の棚卸、引き継ぎ作業など、新しい就業先への入社準備を行います。入念に準備を行うことで、不慣れな新しい環境により早く適応できるようにするのが目的です。前職の在籍中に転職活動を行ったのなら、引継ぎや挨拶など必要なプロセスを踏んで円満退社を目指しましょう。
ITエンジニアの転職先の選び方(業界内)
エンジニアの転職先は大きく分けて5つに分類できます。ここからは、それぞれの特徴を確認しましょう。主な転職先は以下の5つです。
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・大手SI企業(外資系を含む)・中小SI企業
・インターネット企業
・ベンチャー企業
・事業会社のシステム部門(社内SE)
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
大手SI企業(外資系を含む)
基本的にSI案件は、大手IT企業が受注して、要件定義や基本設計を行った後、開発以降の工程は外部の開発会社に依頼することが多いです。いわゆる元請けですので、利益の確保ができており、労働時間や報酬、福利厚生などが整っています。また、数千万円から数億円規模の比較的規模の大きい案件の上流工程に携われるという面も魅力です。自社プロダクトの部門に配属されれば、製品の企画から携わることも可能です。
中小SI企業
中小IT企業は自社開発を行う企業もありますが、大手IT企業から依頼された案件の開発工程を担当したり、人的リソースの支援を行ったりするケースが多いでしょう。特定の技術領域に強みを持っている企業も多くありますので、技術志向の人やプログラミングをメインに行いたい人には向いている環境と言えます。
インターネット企業
インターネット企業とは、インターネット広告やEコマースなど、インターネット関連のサービスを提供する企業を言います。このような企業は、自社製品の開発やお客様のシステム開発、運用保守まで幅広くITエンジニアが携わる業務があります。
また、洗練されたオフィスで、かつ福利厚生や年収など採用条件が優れている企業が多いため、転職先として人気の業界です。AIやIoT、AR・VRなど、最先端の技術を使った開発も活発ですので、このような環境で働きたい人に向いています。
ベンチャー企業
機械学習やディープラーニングを用いたサービスなど、まだ世の中にない新しいITサービスを開発するベンチャー企業も転職先の選択肢となります。このような企業は、大手企業のように福利厚生が整っている企業は少ないですが、先進的な社風や制度、おしゃれなオフィスなどが特徴です。
意思決定のスピードも速く、個人に与えられる裁量も大きい傾向にあるため、若手や勤続が浅い社員でも、やりがいや責任感のある仕事に取り組むことができるのがメリットです。
待遇面は企業によりますが、成果を出せば高い報酬が得られたり、上級職を狙いやすかったりするのもベンチャー企業特有の特徴でしょう。ただし、人事制度が整っていない企業もありますので、応募する際にはよく調べることが重要です。
事業会社のシステム部門(社内SE)
社内SEは、大手SI企業やインターネット企業に勤務するよりは年収は低くなりがちですが、所属先企業に腰を据えて働くことができ、ライフワークバランスも比較的とりやすい傾向にあります。企業によっては、プログラミングスキルからサーバースキル、ネットワークスキルまでゼネラリスト的な要素が求められたり、企画やベンダーコントロールに携わったりするなど、ITエンジニアとは異なったスキルが必要な場合もあります。企業によっては、要件定義よりさらに上の工程であるIT企画から携われることもあります。
ITエンジニアの転職に必須の職務経歴書の書き方
ITエンジニアの転職活動は、スキルや実績をなるべくマッチングさせるため、職務経歴書の書き方は工夫する必要です。以下は特に重要となる書くべき項目です。
経験した業界を明記する
採用担当者が知りたいのは自社の開発案件に近い経験があるかどうかなので、取り組んできた業界について明確に記す必要があります。特に、金融系IT企業や事業会社は業界の経験を重視する傾向があります。アピールするというよりは、正確に記載することが重要です。
経験した案件の概要(目的や開発システムの内容など)を明記する
職務経歴書の開発経歴には、
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・どのような規模のプロジェクトか・どのような内容のプロジェクトか
・プロジェクトの期間
をわかりやすく記載する必要があります。書類に初めて目を通す採用担当者に内容が伝わるよう、具体的かつ簡潔に記載し、読みやすいように表組みを使用するなど、見せ方も工夫すると良いでしょう。
経験した案件でのポジション(自分の役割)を明記する
どのようなポジションで業務に携わってきたかも、採用担当者が知りたい重要な情報です。
採用担当者は、自社で想定しているポジションに応募者が合うか判断します。よって、以下の項目を必ず明記しましょう。
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・担当した業務や役割・工夫した点や成果
開発スキルだけではなく、プロジェクトの管理を行ったり業務改善を行ったりしたことがあれば、立派なアピールになります。
保有するテクニカルスキルと開発環境を明記する
OS・開発言語・フレームワーク・工程などを項目ごとにスキルレベルと使用期間をセットにしてまとめます。採用担当者がスキルレベルを判断できるよう、開発した機能内容などを具体的に書くと良いでしょう。また、資格を保有しているのであれば、資格名と取得年度を明記します。Oracle資格など、知識とスキル体系がバージョンアップされていく資格は、どのバージョンか採用担当者は見ますので明記しておきましょう。
職務経歴書の書き方についてはこちらの記事でさらに詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください
関連記事:SE(システムエンジニア)の職務経歴書の書き方(テンプレート付)
ITエンジニアが転職を成功させるための面接ノウハウ
ここでは、エンジニア転職における面接ノウハウについて解説します。面接を突破するには、採用担当者が知りたい情報を的確に回答することが鍵となります。一般的なエンジニアの面接時に聞かれるポイントを踏まえて説明します。
面接で質問される主な内容
面接を突破するには、採用担当者が知りたい情報へ的確に回答することが鍵となります。一般的なエンジニアの面接時に聞かれるポイントを踏まえて説明します。
志望意欲(やる気)
志望動機や意気込みは面接でよく質問される項目です。志望動機や意気込みから、自社が期待する人材であるかを確認したいからです。特に、若手社員の採用の場合では、社員の自発性が今後の成長に大きく寄与することから志望動機を重視する傾向にあるようです。
職務経歴
ここでは、ITエンジニアの職務経歴書の書き方を解説します。ITエンジニアの転職活動は、スキルや実績をなるべくマッチングさせるため、職務経歴書の書き方は工夫する必要があります。以下は特に重要となる書くべき項目です。ITエンジニアに限らず、中途採用の面接で職務経歴は必ず説明を求められます。これまで取り組んできたことや、結果を出すために工夫したことや努力したことを素直にPRすると良いでしょう。
得意な言語や開発環境、強み
採用担当者は、自社と転職希望者のスキルや開発環境、得意分野などができるだけマッチする人材を採用したいと考えています。齟齬が無いように正確に伝えることが、結果的に満足度の高い転職の実現につながっていきます。
経験した開発内容の詳細
言語や環境について自社にマッチングする人材であると判断された場合に、更にマッチングの精度を高めるために説明を求められる場合が多いです。どのようなプロジェクトに、どのようなポジションで参加して、どのような開発を行ったのか要点を説明できるようにしておくと良いでしょう。
失敗体験
あまり説明したくない項目かもしれませんが、企業が失敗体験を確認する場合は、失敗した場合にどう対処するのか、もしくは失敗を繰り返さないためにどういう取り組みをするのかという点を知りたいと考えています。論理的かつ前向きな回答ができるように準備しておきましょう。
転職理由
どこの企業も必ず確認する項目です。たとえ本音がネガティブな転職希望理由であったとしても、そのまま伝えては採用に有利に働くことはありません。嘘をつく必要はありませんが、キャリアアップなどのポジティブな理由に昇華させましょう。
今後のキャリアプラン
今後のキャリアプランについても面接前に必ず整理しておきましょう。採用担当者が応募者のキャリアプランと自社の組織計画の適合性を判断するために重視する情報ですので、聞かれた時に分かりやすく説明できるよう準備しておくことが肝要です。
面接官がIT技術力以外で見ているポイント
プレゼンテーション力の有無
エンジニア職であれば、セミナー登壇やスピーチをするのではないのですから、営業職のように流暢に話せる必要はありません。細かい仕様を調整しながら開発を進めてゆくITエンジニアは、必要なポイントを上手くまとめて、わかりやすく伝えらえる能力を持っているかを確認される場合があります。セールスエンジニアなどの技術営業職であればかなり重視されます。
技術志向性の高さ
ITエンジニアは技術職です。特にIT業界においては日々目覚ましく進化してゆく技術に対応する必要があるため、技術探求心を持っている人材であることは重要です。単に「興味があります」といった回答をするのではなく、セミナーや技術的コミュニティに参加しているなど、普段から技術を追求するために行っている方法を具体的に伝えることが大切です。
忍耐力の高さ
要件定義など、まだ見えていないお客様の要件を引き出すような難しい仕事や、緊急度が高い障害対応など、多少の負荷がかかる仕事でも耐えうる忍耐力を持っている人材であるかを確認される場合があります。企業は一度入社した社員には長く働いてもらいたいと考えていますから、少々の困難では折れない忍耐力がある人材を企業が欲しがるのは必然です。
責任感の有無
プロジェクトはコストと工数を見積もって、スケジュールに従って進めてゆくものですから、責任感を持って取り組める人材であることは大前提です。
ITエンジニア年齢別転職ポイント
ITエンジニアの転職時のポイントは年齢によって異なります。ここからは20代、30代、40代以上に分けてそれぞれのポイントを解説します。
20代の場合
20代で転職する場合はスキルだけでなくポテンシャルを重視されます。そのため、学習意欲や向上心をアピールすることで転職の成功率が上がるでしょう。
また、第2新卒と呼ばれる26歳前後で転職する場合、ビジネスマナーなど社会人の基本を身につけているのが前提になります。面接時や待合時間も見られているという意識を忘れないようにしましょう。
30代の場合
30代で転職する場合は業界や業種によってプロジェクトリーダーなどを任される年齢のため、技術力だけでなくマネジメントスキルを見られるようになります。
特に30代後半の場合、管理職として求人を出される機会も増えるため、社員を牽引する姿勢を見せるといいでしょう。
また、ITスキルは前提として求人が出されることが多いため、30代で未経験転職するのは厳しくなってきます。IT企業を目指したい方は20代で挑戦すると成功率が上がるでしょう。
40代以上の場合
40代以上で転職する場合、スキルだけでなく経験のアピールが重要になります。40代以上となると社会人歴が20年を超えてくるため、同年代で比較しても大きな差が生まれています。いかに豊富な経験を積んでこれたかをアピールすることで転職の目的を達成できるでしょう。
ITエンジニアの転職に役立つ資格
自身の目指している職種に合った資格を取得することで、転職は有利に進みます。ここからは、各分野のおすすめ資格を7つ紹介します。
いずれも難易度の高い資格ですが、取得することで大きな味方になりますので、転職前に挑戦してみましょう。
紹介する資格は以下の7つです。
-
・システムアーキテクト試験・ネットワークスペシャリスト試験
・データベーススペシャリスト試験
・クラウド関連の試験(AWS、GCP、Azure)
・情報処理安全確保支援士試験
・ITストラテジスト試験
・プロジェクトマネージャ試験
まずは以下の表で対象者を確認します。
資格名 | 運営 | 出題内容 | 対象者像 |
---|---|---|---|
システムアーキテクト試験 | IPA(独立行政法人)情報処理推進機構 | システムアーキテクトに関する知識・技能 | システム設計や運用に携わる技術者 |
ネットワークスペシャリスト試験 | IPA(独立行政法人)情報処理推進機構 | ネットワークに関する知識・技能 | ネットワーク構築や運用に従事する技術者 |
データベーススペシャリスト試験 | IPA(独立行政法人)情報処理推進機構 | データベースに関する知識・技能 | データベース設計や運用に関わる技術者 |
クラウド関連の試験(AWS、GCP、Azure) | 各クラウドプロバイダ | クラウドサービスに関する知識・技能 | クラウド技術の専門知識を持つ技術者 |
情報処理安全確保支援士試験 | IPA(独立行政法人)情報処理推進機構 | セキュリティに関する知識・技能 | 情報セキュリティ対策や監査に従事する技術者 |
ITストラテジスト試験 | IPA(独立行政法人)情報処理推進機構 | IT戦略に関する知識・技能 | IT戦略企画や経営戦略に携わる技術者 |
プロジェクトマネージャ試験 | PMI(Project Management Institute) | プロジェクト管理に関する知識・技能 | プロジェクトマネジメントを担当するプロフェッショナル |
システムアーキテクト試験
システムアーキテクト試験とは、情報処理推進機構(IPA)の実施する国家試験です。ITSSレベル4に分類される高難度試験の1つで対象者像を「高度 IT 人材として確立した専門分野をもち、IT ストラテジストによる提案を受けて、情報システムを利用したシステムの開発に必要となる要件を定義し、それを実現するためのアーキテクチャを設計し、開発を主導する者」と定められています。
試験内容は情報システム戦略を具体化するためのシステム設計に関する知識や要件定義、設計のスキルが要求されます。
ネットワークスペシャリスト試験
ネットワークスペシャリスト試験とは、情報処理推進機構(IPA)の実施する国家試験です。ITSSレベル4に分類される高難度試験の1つで、情報セキュリティを含む情報システムの企画・要件定義・開発・運用・保守への技術支援を行う人が対象です。
試験内容はネットワークシステムの企画から構築、運用・保守に関する知識が要求されます。
データベーススペシャリスト試験
データベーススペシャリスト試験とは、情報処理推進機構(IPA)の実施する国家試験です。ITSSレベル4に分類される高難度試験の1つで対象者像を「高度 IT 人材として確立した専門分野をもち、データベースに関係する固有技術を活 用し、最適な情報システム基盤の企画・要件定義・開発・運用・保守において中心的 な役割を果たすとともに、固有技術の専門家として、情報システムの企画・要件定 義・開発・運用・保守への技術支援を行う者」と定められています。
試験内容はデータベースに関係する固有技術を中心に、企画から要件定義、開発から運用・保守まで幅広い範囲から出題されます。
クラウド関連の試験(AWS、GCP、Azure)
主要なクラウドサービスはいずれも認定試験を行なっています。クラウドシェア上位3つの試験に挑戦することで、多くの企業にアピールできるスキルを証明できるでしょう。
最もシェア率の高いAWSはAmazonの運営するサービスです。資格レベルは4つ設定されており、最上位のレベルはITSS4に該当します。
GCPはGoogleの運営するサービスです。こちらもAWS同様さまざまな資格試験を運用しています。
AzureはMicrosoftの運営するサービスです。こちらもさまざまな専門分野システムをAzureで構築する場合の知識が問われます。
いずれの資格試験も各専門分野に特化した資格が用意されています。MLエンジニアなら機械学習系の資格、セキュリティエンジニアならセキュリティ系の資格と、自身の職種に合わせて取得するといいでしょう。
情報処理安全確保支援士試験
情報処理安全確保支援士試験とは、情報処理推進機構(IPA)の実施する国家試験です。ITSSレベル4に分類される高難度試験の1つで、サイバーセキュリティの専門家に向けた資格試験です。
試験内容は情報セキュリティマネジメントに関する出題からシステム利用におけるセキュリティ対策まで広く出題されます。
ITストラテジスト試験
ITストラテジスト試験とは、情報処理推進機構(IPA)の実施する国家試験です。ITSSレベル4に分類される高難度試験の1つで、情報技術(IT)を活用して企業における事業や経営に際して、より良くするための基本戦略を策定・提案・推進する者が対象です。
試験内容はITサービス企画に関する内容から下位者を指導するための必要知識まで多岐に渡ります。
プロジェクトマネージャ試験
プロジェクトマネージャ試験とは、情報処理推進機構(IPA)の実施する国家試験です。ITSSレベル4に分類される高難度試験の1つで、システムの開発において、プロジェクトのマネジメントをする者が対象です。
試験内容はシステム開発に関するプロジェクトの目的を実現するためのメンバーマネジメントや業務分担、役割の指導に関する知識など多岐にわたります。
ITエンジニアが転職に失敗しないためのコツ
ここからは、エンジニア転職で失敗しないためのコツをご紹介します。
ITエンジニアの転職失敗事例
まずはエンジニア転職の失敗事例を3つご紹介します。
思ったのと違う仕事を任される
企業や業界をしっかり研究しないまま転職すると、思っていたのと違う仕事を任されてしまう場合があります。転職する際は企業の口コミなど実際に働いていた人の声を集めて、求人票の情報以外も確認しましょう。
スキル不足でついていけない
企業が募集要項で示しているスキルに満たないまま応募してしまうと、転職は失敗しやすくなります。大幅に不足していれば選考が通らず、なんとか内定を獲得しても仕事についていけず理想の働き方とはほど遠くなるでしょう。
まずは自身のスキルレベルにあった企業に応募し、地道に市場価値を上げてみてはいかがでしょうか。
面接で聞いていた内容と実態が異なる
転職では、面接時に聞いていた内容と実態が異なる場合があります。例えば「面接で聞いた平均残業は会社全体の残業時間で、所属している部署の平均残業時間と大幅に異なっていた」といったケースもあり得ます。特にエンジニアは残業時間が長い傾向にあるので、必ずエンジニア単体、もしくは所属する部署の平均残業時間を確認しましょう。
ITエンジニアが転職に失敗しないためには
ここからはエンジニア転職で失敗しないために行うべきポイントを3つ紹介します。紹介するのは以下の3つです。
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・自分のやりたい仕事を明確にしておく・最低限のスキルは身に着けておく
・転職エージェントを活用する
自分のやりたい仕事を明確にしておく
転職活動において、自分のやりたい仕事を明確にしておくのは非常に重要です。自分のやりたいことに沿ったキャリアプランを設定してから転職活動を行いましょう。キャリアプランを設定すると今学ぶべきことが分かり、正しい方向の努力ができます。
最低限のスキルは身につけておく
求人に未経験歓迎と書かれてたからといって、入社前の努力を怠ってはいけません。転職先の研修についていけるように、最低限の基盤は確保しておきましょう。転職先の研修についていけず、再度転職活動が必要になるケースもありますので、余裕を持って取り組むことがおすすめです。
転職エージェントを活用する
一人で転職できそうなケースでも転職エージェントの活用は非常におすすめです。転職活動のプロの意見を取り入れて、履歴書の改善や面談対策が期待できます。また、ITエンジニアの転職の場合、既に志望企業に内定者を輩出していることもあります。過去にどのような質問がされたのかを事例を基に紹介してもらえるので、転職エージェントを活用していきましょう。
まとめ
この記事では、ITエンジニアが転職を検討すべきタイミングから転職のメリット・デメリット、転職市場の状況や転職ノウハウまで、転職活動を始める前に知っておくべき情報を解説しました。
解説したように、転職活動におけるノウハウは多岐に渡り、一人ですべてを準備することは困難といえます。近年のエンジニアの転職では、エージェントやアドバイザーなどからの支援を受けられるサービスを利用することが一般的です。専門家に客観的な視点で支援してもらうことで、転職の成功確率は上がるでしょう。
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