- PHPエンジニアの転職市場【2023年時点】
- PHPエンジニアの仕事内容
- PHPと他のサーバーサイド主要開発言語を比較
- PHPエンジニアの転職は未経験からでも可能
- PHPエンジニアの転職に求められるスキルと経験
- PHPエンジニアの学習ロードマップ
- PHPエンジニア転職に関するよくある質問
- まとめ
PHPエンジニアの転職市場【2023年時点】
PHPエンジニアを目指している方や転職を検討している方にとって最初に気になるのが、PHPエンジニアとしての需要や将来性ではないでしょうか。レバテックキャリアで掲載されている求人を参考にして、これからの需要や将来性について解説します。
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PHPエンジニアの現在の需要
2023年6月現在で募集している求人数は、PHP言語の案件は全国で約4,200件の募集があります。これはPython言語の約4,200件と同等程度の件数であり、Java言語の約6,500件、JavaScriptの4,500件に続くWebアプリ開発言語となっています。
「PHPエンジニアが不足している」の裏事情
多くの開発現場で「エンジニアの人手が足りない」といった言葉をよく耳にするかと思います。人材不足の業界なら仕事探しに困ることはないと思われがちですが、決してPHPエンジニアの数が少ないわけではありません。
スクールや独学でイチから勉強しても、実際の開発現場で通用する人材が少ないことが理由にあります。採用面接では「PHPの知識があります」とアピールして入社しても、いざ案件となると通用しなかったり使える知識が不足していたりするケースが少なくありません。
現実問題として実務経験に勝るものはないので、未経験ならアルバイトなど何かしらの方法で案件に携わることが重要です。
PHPエンジニアの需要が高い理由
PHPエンジニアの需要が高い理由は、小規模システムからFacebookといった大規模システムまで広く使用されている点です。
サーバサイドのプログラミング言語の79.2%(2023年6月時点)を占めている点でも、PHPエンジニアの需要の高さが伺えます。
またLaravelなどのフレームワークが豊富で開発効率が高いことや、必要な情報は検索すれば出てくるなど入手しやすいこともあり、ほかのプログラミング言語に比べて採用事例が多く案件数も多くなることが理由としてあげられます。CMSの主流でもあるWordPressもPHPで動作していることから、PHPエンジニアとしての需要は現状で高いといえるでしょう。
PHPエンジニアの今後、将来性
PHPは1994年に正式公開されてから現在まで、Webアプリ開発などで用いられ今もなお高い人気を誇っています。一方でプログラミング言語の多様化によって汎用性の高いJavaや、比較的新しいRubyやPythonなどの言語を扱う案件も増えてきました。
とはいえ、すべてのシステムが別の言語に移行することは考えにくく、今後も一定数の割合でPHPを用いたシステム開発は残るでしょう。
ただし、エンジニアとしての成長やスキルアップを考えた場合、PHP一本ではなく複数のプログラミング言語も習得することをおすすめします。複数の言語を習得できれば、開発言語に依存しないWebアプリ開発エンジニアとして評価されるでしょう。
PHPエンジニアの仕事内容
PHPエンジニアの仕事内容としては、主にCMSを利用したWebサイト構築、業務システムといったWebアプリケーション開発、通販やサービスなどを販売するECサイトの構築などが挙げられます。PHPは基本的にはサーバーサイドの処理に使われるため、サーバーサイドエンジニアと呼ばれることもあります。
サーバーサイドエンジニアとは
サーバーサイドエンジニアは名前の通り、サーバー側のデータ管理を担当するエンジニアです。サーバーの処理で必要なプログラム開発や、運用保守を行うのが主な仕事とされています。
要件定義から設計、開発、テストや運用保守というWebアプリ開発の工程では、主に設計からテストを担当します。具体例としては会員の登録や検索、データ更新、自動メール配信機といった機能があげられます。これらはサーバーサイドでもあるPHPエンジニアの担当業務であり、サーバー側についての知見も求められるためLinuxなどのOSやSQLといったスキルも必要となるでしょう。
PHPと他のサーバーサイド主要開発言語を比較
PHPの他にサーバーサイドではいくつかの言語を使用しますが、それらの他言語とPHPの違いを求人数や難易度の観点から見ていきましょう。
言語 | 求人数 | 難易度 |
---|---|---|
PHP | 約4,200件 | ★ |
Java | 約6,500件 | ★★★ |
Ruby | 約2,600件 | ★★ |
Python | 約4,200件 | ★★ |
PHPとJavaの比較
JavaはWebサーバーサイドだけでなく、幅広い分野で使われるプログラミング言語です。JVMが動くコンピュータであればどのようなものでも動作できる特徴を持ち、大規模開発から組み込み、ロボット、アプリ開発にも使われています。
汎用性が高い言語であるため、プログラミングを学ぶ人が最初に触れる基本言語としての認知もあります。人気が高く、求人数も他言語と比較して多いのが特徴です。
ただし習得難易度は高く、ある程度の学習時間を確保しなくてはなりません。
PHPとRubyの比較
Rubyは国内で開発されたプログラミング言語。他の海外で開発された言語と比べて日本語資料の数が多く、プログラミングの導入として触れる人もいます。
フレームワーク「Ruby on Rails」を使うと簡単にWebアプリケーションを作成でき、小規模開発を素早くこなせるのが特徴です。
求人数はPHPに比べると少なめですが、扱いやすさからスタートアップ企業での求人が多く見つかります。キャリアスタートを考えている人にはおすすめできる言語です。
PHPとPythonの比較
Pythonは近年急成長中のプログラミング言語で、人気の高さも十分にあります。AI、ロボット、IoTやディープラーニングなどの分野に使われており、高度な開発から小規模開発まで網羅している点が特徴です。
今後需要が伸びていく可能性も高いとされ、求人媒体によってはPythonが扱えるエンジニアは重宝される傾向にもあります。ただし、国内ではまだ浸透されていないため学習手段が限られたり、学ぶのに高度な知識と技術が必要だったりと課題も多いです。
PHPエンジニアの転職は未経験からでも可能
PHPは独学で身につけるのが比較的容易です。Web上には多くの解説サイトがあり、独学を対象にした書籍も見つかります。
初心者でも学びやすい言語であることから、未経験でも勉強を進めて転職できます。
ただし、完全未経験から就職することは難しく求人もほとんどありません。ある程度の技術と知識を持ち、それを資格などで証明できれば転職が成功する可能性は高まるでしょう。
関連記事:PHPの環境構築とは?Windows/Macの環境構築手順を徹底解説
PHPエンジニアの転職に求められるスキルと経験
ひと言でPHPの技術を生かした転職といっても、求められるレベルは企業や職種によってもさまざまです。エンジニアとしてのスキルに応じてポジションや年収も変わるため、PHPエンジニア採用の具体例をスキルごとに解説します。
実務レベル・仕事で使えるレベルの水準とは
PHPエンジニアとして実務で通用するレベルの水準として、一人でブログシステムを作れるかが目安とも言われています。一見当たり前のように聞こえる機能かもしれませんが、LAMP環境の構築からログイン処理、記事の追加や編集、脆弱性を避けたデータ保存など機能は多岐にわたります。Webアプリ開発においてこれらの工程には、基本的な要素がすべて詰まっているためです。
評価する人によって基準となるレベルは異なりますが、設計から実装、仕様書作成や修正によるリファクタリングなどができれば一人前として活躍できるでしょう。
未経験・初心者としての転職
PHPエンジニアとしてはまだ実務経験を積んでいない、未経験または初心者の転職について分析します。
求められるスキルと経験
以下のいずれかに該当するPHPエンジニアは、まだ初心者レベルと評価されることが多いです。
-
・プログラミングスクールでPHPを学習したが実案件は未経験・PHP言語の経験はないがJavaやRubyなどの言語経験が1年程度ある
・LaravelなどPHPのフレームワークを使ったことがない
プログラマーなどITエンジニアの求人は実務経験者を対象としているイメージがあるかもしれませんが、未経験や初心者でも応募可能な求人は存在します。開発経験を数年積んだのち、転職することでさらによい条件を目指すことも可能です。金融業界など開発予算が潤沢な大規模開発の案件なら、初心者レベルでも300万円後半で採用されるケースもあるようです。
関連記事:PHPエンジニアの年収はどのくらい?フリーランスの単価相場も紹介
求人例
【業務内容】
アプリケーションおよびWebサイトなどのシステム開発
【求めるスキル・経験】
PCの基礎知識
向上心があり前向きな姿勢で取り組むマインド
【想定年収】
300~500万円
【勤務地】
東京都
リーダークラスとしての転職
開発業務を数年経験してエンジニアとしてのレベルが上がると、チームメンバーへの指示などができるようになりリーダークラスとしての転職ができます。
求められるスキルと経験
リーダークラスへの転職においては、以下のようなスキルを持つことが望ましいです。
-
・PHPの基本構文や複数のフレームワークを熟知している・チームメンバーに相談しなくてもソースコードを書ける
・PHP経験が5年以上あり設計書を作成できる
・初心者に記述方法の指示やソースレビューができる
このレベルに到達するとエンジニア同士の意見交換にもスムーズに参加でき、リーダーとして新人育成を任されることもあるでしょう。20代後半であれば年収は400万円以上、30代以上であれば500万近い年収が得られる場合もあります。
求人例
【業務内容】
PHPでのBtoB自社サービスの開発
【求めるスキル・経験】
PHPによるWeb開発経験1年以上
テストコードが書けるエンジニア
Dockerによる環境構築経験
Git利用経験
【想定年収】
400~600万円
【勤務地】
東京都
マネージャークラスとしての転職
PHPでの開発に限らず、マネージャー職はITエンジニアにとって花形の職種です。マネージャーとして採用されるとプログラムを書くことはほとんど無くなり、プロジェクトマネジメントが主な業務となります。
求められるスキルと経験
マネージャークラスへの転職では、以下の経験に準じるスキルが求められます。
-
・PHPの経験が10年以上(またはJava経験が10年以上の場合はPHPの経験が3年以上)・PHPの開発案件でプロジェクト計画を策定できる
・PHPエンジニアの採用(面接)経験がある
・PHPの開発案件でプロジェクトマネジメント経験がある
品質や納期だけでなく原価率なども負う重要なポジションということもあり、年収においても500万円から800万円程度が見込まれます。
求人例
【業務内容】
Webアプリケーションのサーバサイド開発
膨大なリクエストおよびデータを処理するクラウドサーバ運用
PHPアプリケーション開発サイドとしての推進
【求めるスキル・経験】
PHPによるWebアプリケーションの開発経験
ドメイン駆動設計やクリーンアーキテクチャなど機能拡張における設計知識・業務経験
レガシーコード・システム改善の知識・開発経験
AWSの各種サービスを利用した設計・開発・運用経験
【想定年収】
500~1000万円
【勤務地】
東京都
PHPエンジニアの学習ロードマップ
未経験からPHPエンジニアに挑戦する際は、5つのポイントをおさえることで成功率が上がります。
これから紹介するポイントをおさえて学習することで、未経験でも転職を成功させられるでしょう。
紹介するポイントは以下の5点です。
-
・フレームワークやサーバなどのスキルを身につける・RubyやJavaなどのプログラミング言語を身につける
・資格を取得する
・実際にコードを記述してみる
・ポートフォリオを完成させる
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
関連記事:
未経験からPHPエンジニアになるには|学習のメリットも解説
PHPフレームワークとは?主要なフレームワークの紹介や学習方法、転職のポイントも解説
フレームワークやサーバなどのスキルを身につける
Webシステム開発においては、サーバ構築やデータベースとの連携が必須となります。Webサービスはサーバ上で稼働しているため、サーバ知識がなければリリース作業に対応できません。
また近年の開発手法として、フレームワークを取り入れる案件が増えてきています。ゼロの状態からコーディングするよりも効率的に開発できるメリットもありますが、フレームワークごとに記述方法が異なるため、フレームワークごとのスキルや知識の習得は不可欠です。
このようにサーバやフレームワークなど多様な知識や経験を持つことで、より良い条件で採用される可能性は高くなるでしょう。
RubyやJavaなどのプログラミング言語を身につける
PHPはWebアプリケーションの開発で多用されていますが、汎用性という点においてはほかのプログラミング言語に比べて優位性は高くありません。
自社開発のECサイトを構築するならPHPでも対応できますが、企業の基幹システムを構築する場合などは難しいケースもあります。Javaなどの汎用性の高い言語を習得しておくことで、エンジニアとしてのキャリアアップにもつながるだけでなく、転職先でさまざまな開発案件に携わることができるでしょう。
ただしあくまでもWeb系に特化したいという事であれば、Rubyのスキル習得をおすすめします。比較的新しいプログラミング言語ですが、習得の難易度が低いのでPHP経験者であれば短期間でマスターできるでしょう。
JavaやPythonもITエンジニアの中では上位にランクインする人気のプログラミング言語なので、多くの企業が開発経験のある優秀なエンジニアを常に求めています。
資格を取得する
駆け出しのPHPエンジニアがスキルアップを目指すなら、PHP関連の資格取得をおすすめします。資格といっても種類はさまざまですが、特におすすめしたいのがPHP技術者認定機構が認定している3つの資格です。
PHP5技術者認定初級試験
公式教材である『初めてのPHP』をもとに出題され、PHPの基本である関数やファイル操作、配列の操作などが主な試験範囲です。試験時間は1時間で、40問のうち7割以上の正答率で合格と認定されます。PHP未経験者でこれからPHPエンジニアとしての転職を検討しているなら、はじめの一歩としておすすめの資格といえるでしょう。
PHP5技術者認定上級・準上級試験
公式教材である『プログラミングPHP 第3版』をもとに出題され、PHPの基本以外にもオブジェクトやデータベース、グラフィック、セキュリティといった応用的な問題も範囲に含まれています。試験時間は2時間で、60問のうち5割以上7割未満の正答率で準上級、7割以上の正答率で上級が認定されます。PHP初級試験の保有者や、実務を1年程度経験した方がさらなるスキルアップを目指す場合におすすめの資格といえるでしょう。
PHP技術者認定ウィザード
PHP技術者認定資格の中でも最上位にあたるのがPHP技術者認定ウィザードです。PHP5技術者認定上級試験において、9割以上の正答率に達するとPHP技術者認定ウィザードとして認定される権利を獲得できます。ウィザード認定には所定の文章(500字以上)を提出することが条件で、内容はPHPが好きなところや将来の夢や展望、試験における勉強法など人によってさまざまです。
PHPエンジニア転職に関するよくある質問
最後に、PHPの転職に関するよくある質問に回答していきます。
Q1. PHPはオワコン、時代遅れという声もありますが本当ですか?
Webアプリ開発においてはPHPだけでなく、汎用性のあるJavaや比較的新しいRubyといった言語を採用している企業も多く存在します。とはいえ現状PHPでの求人数は安定して多く、サーバーサイド言語でシェアの大多数を占めています。需要にも陰りは見られないので、引き続きPHPは広く利用されるでしょう。
関連記事:PHPの将来性を検証!現状から今後の需要まで徹底解説
Q2. 30代未経験でもPHPエンジニアに転職できますか?
PHPエンジニアは慢性的な人手不足と言われているので、実務レベルでのプログラミングスキルがあれば30代の未経験でも転職は可能です。まずはアルバイトや常駐案件などで経験を積み、自社開発の求人に転職する方法もあるので、求人検索と平行して転職エージェントにも相談してみてはいかがでしょうか。
Q3. PHPの魅力は?
PHPは学びやすく、知識を習得し始めの人にもおすすめできる言語です。動的型付けのプログラミング言語であり、自由度が高く同じ処理内容を複数の方法で記述できるなどのメリットがあります。
Webアプリケーション開発においては非常に活用しやすく、フレームワークも豊富です。人気が高く活躍できる場面も幅広い、求人数も増えつつある言語であるという点が、PHPの魅力といえます。
Q4. PHPエンジニアとは何ですか?
PHPエンジニアとは、PHP言語を使いさまざまな開発をする技術者を指します。主に検索システムや予約システムなど、Webに特化したサービスの開発を担います。ゲーム開発には欠かせない存在です。
Q5. PHPの弱点は何ですか?
-
・セキュリティの脆弱性が課題
・Webサービス以外には強みがあまりない
・エラーの発生が多い
などのデメリットがあります。PHPを使い複数人で開発する場合は、コーディングルールを徹底したりデバッグを十分に行ってエラーの発生を抑えたりする必要があります。
Q6. PHP案件の特徴は?
PHPは
-
・新規システムの開発
・既存システムへの機能追加
・既存システムの保守
などに使用されます。PHP案件はPHP自体がWebに特化したプログラミング言語である以上、ほとんどがWebシステムの開発です。
まとめ
PHPエンジニアに限らず転職を成功させるには、スキルだけでなくこれまでの経験を最大限アピールすることが重要です。特に転職先の開発環境が過去に経験したものと合致していれば、即戦力として採用される可能性は高くなるでしょう。
企業を選ぶ際の条件として収入アップはもちろんですが、自分自身が成長できる環境を選ぶことも重要です。そのためには応募先企業が求めるポジションのチェック、自社開発か他社への常駐か、稼働時間についても確認しておきましょう。
転職活動の際はこれらの情報を参考にして、最大限に活用してみてください。
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