SIerで出世するにはどんなルートがあるのか、キャリアや転職先をまとめましたSIerのキャリアパス

最終更新日:2022年9月29日

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SIerの代表的なキャリアパスには、より条件の良いSIerへの転職やフリーランスとしての独立のほか、事業会社、社内SE、CTO、スタートアップ企業への転職などがあります。キャリアアップを見越して、より専門的なスキルを身につけられる職種へ転職するのも良いでしょう。SIerでさまざまな案件を通して経験を積むことで身につくスキルもあるため、業界の動向を注視しつつ、キャリアの一つとして従事するには有効な選択肢といえるのではないでしょうか。

この記事では、SIerへの就職を考えている方やSlerに勤めていて今後のキャリアを考えている方に向けて、SIerのキャリアパスの選択肢について詳しくご紹介します。

SIerの仕事内容

SIerは、別名System Integrator(システムインテグレーター)とも呼ばれる、公共関連団体や民間企業のITシステムの設計、開発、運用からコンサルティング、ハードウェアの選定などを請け負うことを事業としているIT企業を指しています。

Sierは、開発手法として「ウォータフォール型」の開発手法を採用するケースが多いです。ウォータフォール型では、「戦略立案・企画」「要件定義」「設計・開発」「運用・保守」の4段階に分かれますが、ひとつの企業がこのすべての業務を担う場合と、一部のフェーズのみを担う場合があります。

戦略立案・企画

顧客が抱えている問題を調査・分析し、その問題の解決策を考えたり、企画をしたりするのが戦略立案・企画のフェーズです。

要件定義

顧客が抱える問題の解決のために必要とされるシステムの要件を考えます。システムの仕様のほとんどを決定するため、非常に重要な工程といえます。

設計・開発

要件定義で定めた内容をもとに、実際に開発を行います。まずはシステムの設計書の作成を行い、その後開発へと着手していきます。

運用・保守

作成されたシステムの運用や、そのシステムのメンテナンスなど、保守作業を行います。もしもシステムの運用中に問題が発生した際には、その対応も行います。

関連記事:SIの仕事内容|SIerの種類、開発工程ごとの業務を徹底解説

SIerの現状

SIerの特徴のひとつに、作業の分業化が進んでいることが挙げられます。それぞれの工程ごとに仕事を渡していく「ウォーターフォール型」のプロジェクトが多くなっています。

SIerの仕事は要件定義や設計を行う上流と、開発やテスト、保守などを行う下流にわかれており、上流の人材は数が少なく、収入が高い傾向にあります。

これは、上流工程で仕事の流れを決め、指示を出し、下流工程で作業を行うといった商流の流れが決まっていることが影響しています。

また、ウォーターフォール型の働き方では、自分の担当外のフェーズの業務に携わることはほとんどないので、スキルの幅を広げていきにくい現状があります。活躍の幅を広げたいという方は、キャリアアップを目指し、下流工程から上流工程を担当できるようになるなど、積極的に働き方を変える意識を持つことが大切でしょう。

エンジニアとしての市場価値を上げるSlerでのキャリアパス

エンジニアとしてSierの中で市場価値をあげるキャリアパスは以下のようなものがあります。

プロジェクトマネージャーになる

SIerには、たくさんのプロジェクトが存在します。これらのプロジェクトのQ(quality)品質、C(cost)価格、D(delivery)納期を管理するのがプロジェクトマネジャーです。
プロジェクトマネージャーが個々のプロジェクトのQCDを守ることでSierの損益は確保されます。

優秀なプロジェクトマネージャーはいつも不足しています。
プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの金額、人数、工期などで難易度がかわります。
小規模プロジェクトを経験をして、やがて大規模プロジェクトのプロジェクトマネージャーができるようになるとSI市場での市場価値はかなり高いものとなります。

大手SIerになればなるほど、大規模なプロジェクトが実施されているケースが多いです。
プロジェクトマネージャを経験して、管理職になり出世するキャリアパスもよくあります。

フルスタックエンジニアとして活躍する

フルスタックエンジニアとは、インフラ、アプリケーションなどのマルチな分野をすべてこなせる人材のことです。
SIerのプロジェクトの中には、保守契約をしている顧客のインフラからミドルウェア、アプリケーションとすべての分野に対処する能力が要求される場合があります。

技術的には、マルチな分野を抑えることは大変なのですが、キャリアパスとしてフルスタックエンジニアになって市場価値を高めようとすると、モチベーションがあがります。

保守契約している顧客に使われている製品だけではなく、他の製品にもアンテナを張って常に技術レベルを最新化する努力が必要です。

ITコンサルタントになる

ITコンサルタントとは、あまたあるIT製品の中から、顧客の課題を解決するためには、どの製品を組み合わせて選べばいいかを、顧客に進言して、顧客のIT戦略のお手伝いをする人です。
顧客との信頼関係をいかにきづけるかにかかっていますので、高度なコミニュケーション能力が要求されます。
また、ITに関して顧客から一目おいてもらえないといけませんので、インフラからアプリケーションまで幅広い知識が必要となります。

ITコンサルタントになるためのキャリアパスとして、プロジェクトマネージャーなどの上流を任される技術職からコンサルになるという選択肢があります。
もともと技術職なので担当プロジェクトの製品には深い知識があります。
自分のプロジェクト以外の最新製品知識を常にキャッチアップし、幅広いIT製品知識を身に付ける必要があります。最新のIT知識を得ることが好きでないとなかなか難しいです。
幅広いITの製品知識をキャッチアップして、顧客との信頼関係を築ければ、ITコンサルタントになることも可能です。

SIer営業のキャリアパスについて

SIer営業は、顧客の抱える課題に対して技術部門と協力してITの力で解決する仕事です。
SIerの営業は顧客との信頼関係を得ることが仕事です。この顧客からの信頼関係の上に、製品知識を身につければ、顧客の課題に対して、最適な提案をすることができます。

ITコンサルタントは、SIer営業のキャリアパスの一つです。通常営業は、技術部門ほどIT全般に深い知識は要求されないのですが、最新の製品知識をキャッチアップしていくことで、顧客に対して提案していくことが可能になります。

SIerの営業で成績を上げれば、管理職となり、出世することも可能です。

SIerからの転職・独立を含むキャリアパス

Slerから転職、独立を含むキャリアパスは以下のものがあります。

今よりも待遇が良いSlerへの転職

自身が理想とする業務内容や年収、待遇といった雇用条件がより良い他会社へ転職するケースです。PMスキルや企画力など付加価値的なスキルを身に着けることで、好条件の企業への転職成功率が高まるでしょう。他業種と同じく年齢が若いほどポテンシャル採用してもらえる確率が上がるので、転職を考えているのであればできるだけ早く動くようにしましょう。

このキャリアパスを選ぶメリットは、理想的な仕事環境を得られる可能性があることや、収入アップ、待遇の改善が狙えるということにあります。

年齢が上がると技術力以外にもどんなスキルを身につけられているのかが厳しく見られる傾向にあります。より待遇の良いSIerへの転職を目指す場合には、若いうちに今後のキャリアを見定めて行動を起こすか、市場価値の高いスキルを身につけることが大切でしょう。

関連記事:
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大手から中小SIerへの転職

大手SIerから中小SIerへの転職は、年収などの待遇面が下がることが多く、あまり見かけないケースではあります。
大手から中小SIerへ転職するケースとしては、管理職に適正がないと自分で判断した場合が多いでしょう。大手SIerだとプロジェクトマネージャーから管理職のようなキャリアパスが用意されているので、次第に現場仕事がなくなっていきます。

そのため、どうしても現場作業がやりたい人が管理職にならず、現場仕事のできる中小SIerへ転職するという場合があります。

コンサルティングファームへの転職

SIerでITコンサルタントの仕事をしていた方は、コンサルファームへの転職が考えられます。
大手SIerにおけるITコンサルタントの仕事は、コンサルファームでの仕事とかぶる部分が多いです。

SIerで培った技術を使って、お客様の経営課題にITの側面から改善策を提供します。
お客様の経営課題をみつけるコミニュケーション能力や関連部門との折衝能力などが要求されます。

SIerrで上流工程を経験していれば、これらの能力が醸成されているはずです。
また、SIerで全行程を経験していれば、その経験が生かせる職種です。

このキャリアパスは、収入アップ、待遇の改善が期待できます。

自社サービスを展開する企業への転職

受託開発を行うSIerから、自社サービスを持っている企業、いわゆる事業会社へ転職するケースです。顧客の要望通りにプログラムを組んで納品するまでがゴールのSlerとは違い、PDCAを回してサービスがより良くなるよう試行錯誤できる点に魅力を感じる方も多いようです。

転職に向けては、日ごろから市場の動向をキャッチアップし、より良いサービスにするためにはどうすればいいかを考え、サービス志向性を身につけておくと良いでしょう。また、組織の規模によってはフロントエンドからバックエンドまで幅広い業務に携わることになるため、希望する企業の業務内容をリサーチし、必要な知識は積極的に吸収するようにしましょう。

また、事業会社へ転職することで得られるやりがいは、自分の仕事の成果が事業の成長と直結しているところにあります。

しかし、結果至上主義になりやすい部分があるので、新しい技術やトレンドを追いかけたい技術志向性の高い人にとっては、ストレスを感じることもあるようです。事業会社への転職は、技術を目的ではなく手段と捉え、ユーザーによりよいサービスを提供していきたいと考える人に向いている選択であるといえます。

関連記事:「SIer・SESからWeb系」転職成功者が語る7つの秘訣

社内SEへの転職

SIerで培ってきたスキルを活かして、事業会社の社内SEに転職するケースです。ユーザーとの距離が近く、社内のシステムを最適なものにするために試行錯誤できる点に多くの人が魅力を感じるようです。

近年は、社内SEにも売上UPへの積極的な貢献が期待されるようになりつつあり、従来の情報システム部門としての役割をこなすだけではなく、プラスアルファでスキルを身につける必要があります。技術力のみならず、企画力やコミュニケーション能力などのスキルを磨くことで、転職成功への可能性が高まるでしょう。

SIerから独立してフリーランスになる

独立起業するケースです。高いレベルの技術力が求められやすい傾向にあり、自己管理能力も同時に問われます。結果を出せばそれだけの収入が見込めますが、案件がなければ収入は一気にゼロという世界です。フリーランスに転向する前に派遣エンジニアとして一定の実務経験を積むという選択肢もあります。

フリーランスの場合は、実力や営業力がなければ仕事を続けられない可能性が高まります。しかし、成功すれば自分の能力に応じた報酬を得られるというメリットもあります。自分のスキルに自信があり、成果に直結することに魅力を感じる人には向いている道と言えるでしょう。

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Slerの今後

Slerで働いたあとのキャリアパスとしては、事業会社、社内SE、CTO、スタートアップ企業などが挙げられます。一方、この先もSIerで活躍し続けたいと考えるのであれば、専門スキルとマネジメントスキルを高めていく必要があります。

まず、エンジニアとして一定の技術力は求められるので、ある言語に特化したプログラミングスキルや上流工程での設計スキルなど、上流から下流まで幅広いスキルを習得しておくべきでしょう。

SIerで上流工程や下流工程のどちらに従事した場合でも、専門スキルを伸ばせる機会はあるはずです。そして専門スキルを伸ばした後に、コミュニケーションスキルやビジネススキルなど、プラスアルファの能力を身につけるのが良いでしょう。

また、一つの業界で長く働くと、社内外のメンバーを教育したり、管理したりする機会も増えてきます。そのため、高いマネジメントスキルを持っている人材は重宝されやすくなります。

業務内容がマネジメントメインになり、自ら手を動かすことが減ったとしても、これまでに経験してきた要件定義、開発、保守、運用といった経験は、エンジニアに指示を出したり物事の優先順位を判断したりする際に役に立ちます。

IT業界は変化のスピードが速いため、今後の動向に敏感になる必要はありますが、専門スキルとマネジメントスキルの価値は、今後も引き続き高い状態が続くことが予想されます。

関連記事:SIerの将来性は?今後10年でSIerは本当に凋落するのか

まとめ

この記事では、SIerの仕事内容、SIerの会社内でのキャリアアップ、転職先でのキャリアアップについて解説しました。SIerと一口に言っても大手から中小まで様々です。上流工程を実施する一次請けのSIerで顧客とのコミニュケーションが円滑にできれば、その後の選択肢も広がっていきます。

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