転職を成功させるためのポイントもチェックSESへの転職を考える|客先常駐のメリット・デメリットやSIerとの違い

最終更新日:2022年10月14日

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客先常駐で仕事をするSES。さまざまな技術に触れたいエンジニアにとって、気になる仕事のひとつではないでしょうか。一方で「SES 転職」などで検索すると「転職できない」といったネガティブなワードがサジェストされ、不安になるケースもあるかもしれません。もちろん、SESの仕事には苦労もありますが、SESならではのメリットも多数存在します。本記事では、SESへの転職を検討している方向けに、SESのメリット・デメリットや、SIerとの違いについて紹介していきます。

 SESとは

SESはシステムエンジニアリングサービスの略称です。SES企業に所属しているエンジニアは、ソフトウェア開発やシステム開発などのプロジェクトに派遣され、労働力(技術力)を提供します。

開発の現場では、規模の拡大などに伴い、エンジニアが不足することがあります。SESのエンジニアはそのようなケースで重宝されます。そのため、既存のプロジェクトへの参画が多く、基本的には客先常駐です。

SESと同じような雇用形態に派遣契約がありますが、SESと派遣契約は厳密には異なります。
経済産業省が公開している「平成 28 年度取引条件改善事業(情報サービス・ソフトウェア産業における下請取引等に関する実態調査)調査報告書」には、SESと派遣契約の違いについて次のように記載されています。

『SES(システムエンジニアリングサービス)契約は業務請負の一種とみなされる。このため、労務管理や指揮命令系統などが発注元企業から独立している必要がある点が、派遣契約との大きな違いである。』

つまり、派遣社員が派遣先の指示に従い仕事をするのに対して、SESのエンジニアは自身が所属している企業の指示に従って仕事をします。

客先常駐が多いSESならではの5つのメリット

SESは客先常駐で働くのが一般的です。客先常駐は大変なイメージがあるかもしれませんが、メリットも多くあります。SESならではの5つの魅力について解説していきます。

メリット1:さまざま技術・システムに触れられる

SESは、さまざまな技術やシステムに「実際に触れられる」機会が多いです。

IT業界には多種多様な技術やシステムがありますが、情報として知っているのと、実際に触った経験とでは理解度に大きな差があるものです。

PostgreSQLを一例に考えてみましょう。PostgreSQLを使用したことがなくても、DBの知識がある人なら、PostgreSQLがリレーショナルDBであることや、オープンソースであることはご存知でしょう。一方、MySQLとの細かな違いや、PostgreSQLを効率よく利用・運用するためのノウハウなどを細かく理解している人は少ないはずです。それらの知識は、実際に触って経験してこそ得られます。

プログラミング言語や開発環境なども、情報として知っていることと、実際の開発で使った経験とでは大きな差があります。また、ERPなどIT技術者が触れることの多いシステムも、実際に触ってみるからこそ特徴を理解できるものです。

さまざまなプロジェクトに参加し、技術やシステムに直接触れることは、ITエンジニアとしてのスキルアップにつながっていきます。

メリット2:大手・優良企業のプロジェクトに参画できることがある

SESを利用する企業はさまざまです。タイミングによっては世界的に有名なIT大手企業や、優良企業などのプロジェクトに参画できることもあります。

「大手企業でのプロジェクトはどう管理され、どのように進められるのか」「ミーティングはどういった内容で、どのようなタイミングで行われるのか」「アウトプットにはどのようなドキュメントが設定されているのか」など、普段はなかなか目にすることのできないものに触れられます。

それらはITエンジニアとしてだけではなく、社会人としての大きなスキルアップにつながる経験です。

もちろん守秘義務があるため、仕事で得た情報を他のプロジェクトで披露することはできません。とはいえ、経験を自身のなかで消化して、次のプロジェクトで間接的に活かすことは可能です。

メリット3:基本的に残業は少なめ

残業が少なめでワークライフバランスをとりやすいこともSESならではのメリットといえます。

そもそも、SESは「働く時間」に対して対価が支払われる仕組みです。そのため、残業が発生すると、追加の費用が発生することになります。また、直接的な追加費用だけではなく、残業時間の集計や追加の支払いなどの事務処理も必要です。ちょっとした仕事に対して残業をお願いするというのは現実的ではないため、SESの仕事は基本的に定時で終了します。

もちろん、緊急時の対応など残業がまったくないとは言い切れません。しかし、残業はできるだけ避けたい人にとっては魅力的な環境といえるでしょう。

メリット4:人脈が広がる

さまざまな企業のさまざまなプロジェクトに参画するのがSESの一般的な働き方です。仕事を続けていれば、必然的に人脈が広がることが期待できます。

人脈はITエンジニアにとって重要なものです。例えば、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が発行しているIT人材白書2020によると、先端IT従事者の約34%が転職先の見つけ方として「友人・知人の紹介」を挙げています。人脈が今後のキャリアパスに影響を与える可能性は大いにあるでしょう。

メリット5:プロジェクトが終われば人間関係をリセットできる

人脈が広がることとは相反しますが、仕事上の人間関係をリセットしやすいこともSESならではのメリットです。

仕事上の人間関係について悩んだ経験は多かれ少なかれあるのではないでしょうか。一般的な企業では、人間関係の問題はなかなか解決しにくいものです。また、人間関係を理由に転職を考えるケースも少なくありません。独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が発行しているIT人材白書2020によると、転職の理由として「上司に不満があったから」を挙げている人は約17%にも及びます。

SESでは、関わりを持ちたくない人との関係はプロジェクトの終了と共に終わります。また、仕事上の人間関係があまりにもストレスに感じる場合には、プロジェクトの途中で抜けることも不可能ではありません。

もちろん、関係を続けたい人・コンタクトを取っておきたい人とは個人的につながりを持ち続けられます。

客先常駐が多いSESの3つのデメリット

SESには多くのメリットがある一方で、当然デメリットも存在します。転職を検討している人は、メリット・デメリットの両方を比較してみてください。

デメリット1:ひとつの技術を追及しづらい

SESではさまざまな技術に触れられる反面で、ひとつの技術を追及できない傾向があります。なぜなら、プロジェクトごとに開発言語が変わるケースも多いためです。

何かひとつの技術を追及し、自分のコアとしたい場合、仕事とは関係ない部分で学習を続ける必要があります。プライベートな時間を割いて勉強するのは簡単なことではありません。

とはいえ、SESでは技術が身につかないわけではありません。業務ではさまざまな技術を使用することに加え、前章で述べた通り、SESの仕事は残業が少ないのが特徴のひとつです。休日出勤が必要なケースも少ないため、時間は確保しやすいでしょう。各種勉強会を利用して技術力を高め、フリーランスのITエンジニアとして独立する人もいます。

デメリット2:プロジェクトごとに新しい技術・知識を学ぶ必要がある

プロジェクトが変わるごとに新しい技術・知識を学ぶ必要があることも、SESならではのデメリットといえます。

同じような内容のプロジェクトであっても、開発環境やコーディング規約など、多かれ少なかれ相違点はあります。ちょっとしたことでも、覚えるのには時間が必要です。慣れるまでは開発に余計な時間がかかってしまい、ストレスを感じるかもしれません。

特に、特定の業種向けシステムの開発の現場では、業種特有の用語が飛び交うことも少なくありません。例えば、製造業向けシステム開発の現場では「仕掛品」や「ワーク」といった製造業特有の用語が使われます。「型番:PX-●●××は特殊だから」など、特定の製品名を耳にすることもあるでしょう。そのようなプロジェクト特有の言語に慣れるのも大変です。

ただし見方を変えれば、学ぶことが多いからこそ、さまざまな知識や技術が身につくといえます。新しいことを学ぶ際には、どのような姿勢で臨むのかが重要です。

デメリット3:通勤が大変になるケースもある

SESの通勤先はプロジェクトごとに変化するのが一般的です。そのため、客先の場所によっては通勤が大変になってしまうこともあり得ます。

もちろん、自宅からの通勤時間や距離を加味した上でプロジェクトにアサインされるのが一般的です。しかし、特に都市部では、通勤時間や距離は短いものの、実際には乗換が大変なケースも少なくないでしょう。当然ですが、「通勤が大変だから客先常駐はなし」というわけにはいきません。

なお、SESに関してもテレワークを前提としたプロジェクトが生まれつつあります。通勤に関する条件は今後変わっていくかもしれません。

同じ客先常駐でも違いが多いSESとSIer

客先常駐に魅力を感じSESへの転職を考えている人は、同じく客先常駐の多いSIerも気になっているかもしれません。ここでは、SESとSIerの違いについて解説します。

SIerとは

SIerとはシステムインテグレーターのことです。一般企業に向けて、システムの企画・導入・運用などを請け負います。導入するシステムはERPなどの大規模なものから、ちょっとした顧客管理システムなどさまざまです。基本的にクライアントの希望に応じて、それに適したソリューションを提案します。

システムの開発・導入はクライアント先で行われることも多く、SES同様に客先常駐が多い仕事のひとつです。

SESとSIerとの違い|プロジェクトとのかかわり方

SESとSIerの大きな違いのひとつが「プロジェクトとのかかわり方」です。一般的にSIerはシステムの導入や運用など、プロジェクトそのものを提案するケースが多いです。そのため、プロジェクトを適切に進行し、成功に導くことが求められます。

一方、SESはプロジェクトを支えるスタッフとしてSES会社から派遣されます。プロジェクトを適切に進行させるため、努力することは当然ですが、プロジェクトの進捗に遅れが生じたとしても、責任を負うことはほぼありません。

SESとSIerとの違い|求められる成果物

SIerはシステムの導入など、明確な成果物が設定されています。また、システムの運用開始日なども決まっているため、納期も重要です。

システムの導入に至るまでには、基本設計書、詳細設計書、テスト計画・結果などの成果物を作成し、プロジェクトの進捗状況を適宜報告しなくてはなりません。そのため、プロジェクトの進捗状況によっては残業が発生します。

一方、SESでは労働力の提供そのものが目的です。そのため、プロジェクト参画時点で明確な成果物が定められることは基本的にありません。

もちろん、プロジェクト内で基本設計書の作成を命じられたのであれば、基本設計書を作成しなくてはなりませんが、最終的な責任は仕事を命じた側にあります。

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SESからのキャリアパス|「転職できない」は本当か?

SESと検索すると「転職できない」といったネガティブなワードを目にすることがあります。転職を検討している人にとってはかなり気になるワードです。

一方で、転職できない理由をチェックしてみると、「スキル不足」や「転職活動をしづらい」といった意見が多くみられます。

「スキル不足」に関しては個人の資質によるところが大きく、SES全般に当てはまるものではありません。また「転職活動をしづらい」という意見ですが、SESは残業が少なく、どちらかといえば、転職活動をしやすい仕事です。

このように、「SES 転職できない」というワードは、SES全般に当てはまる内容とは言い難く、特に気にする必要はないでしょう。実際、SESを経由してさらに次のキャリアへとステップアップする人も多く存在しています。

SESへの転職に興味があるのであれば、当記事でご紹介したメリットやデメリットも踏まえたうえで検討されることをおすすめします。

関連記事:「SIer・SESからWeb系」転職成功者が語る7つの秘訣

SESへの転職を成功させるための3つのポイント

SESへの転職を成功させるために重要な3つのポイントを解説します。

目指すべき道を明確にする

一口にSESといっても、Web系に強いSES企業や、基幹システムの導入に強いSES企業など、企業によって特徴が異なります。当然ですが、会社の特徴や強みに応じたプロジェクトが多くなります。

SESを目指す場合、どの分野で仕事をしたいのか、どのような技術を身につけたいのかを明確にしておきましょう。目指す道が明確であれば、自分にあったSES企業が見つけやすくなります。志望動機も明確になるため、転職活動にも役立つでしょう。

SES企業の求人情報に目を向ける

SESへの転職を考えているのであれば、SES企業の求人情報に目を向けるのも重要です。求人情報には想定年収・求めるスキルなど、転職活動に役立つさまざまな情報が書かれています。

今すぐの転職を想定していなくても、転職先を検討する上で大きな判断材料となり得ます。また、SIerとSESで悩んでいる場合、それぞれの求人情報を比較することで、判断がしやすくなるはずです。

転職エージェントを上手に活用する

実際に転職活動を始める場合、経験・スキルの棚卸しや、転職情報の収集など、やるべきことが多く発生します。一方、仕事を続けながらでは割ける時間は限られており、効率的な転職活動は難しいと感じる人も少なくありません。

効率的な転職活動ができない場合には、転職エージェントの活用もおすすめです。転職エージェントでは、希望に沿った転職情報の収集や、職務経歴書のブラッシュアップなど、さまざまな側面でのサポートを受けられます。効率的な転職活動につながり、より希望に近い企業を見つけられるでしょう。

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