プログラミング未経験からJavaを学び、エンジニアになりたいという人は珍しくありません。Javaのスキルをもつエンジニアを求めるニーズは高く、実務経験がなくても知識やスキルがあれば採用を検討する企業も多いためです。
この記事では、Javaを扱う仕事に転職したいと考えている未経験者の方に向け、Javaを学ぶことで得られるメリットや学習方法を説明します。
- 未経験者がJavaエンジニアとして転職するためのポイント
- 未経験可のJavaエンジニアの転職求人例
- Javaのスキルを身につけるための勉強法
- Javaを学ぶことで得られる3つのメリット
- Javaのスキルを身につけると、どんな開発ができるのか
- まとめ
- Javaのよくある質問
未経験者がJavaエンジニアとして転職するためのポイント
エンジニアが人手不足だという背景はありますが、採用する企業にとっては、未経験の人を採用することは少なからずリスクがあります。そのため、面接の場ではJavaの知識だけでなく、向上心やコミュニケーション力などをアピールし、安心感をもってもらえるようにしましょう。
また、スクールなどを通じて、エンジニアを目指す仲間と知り合ったり、エンジニアの勉強会に顔を出したりして人脈を広げておくことも、転職のチャンスにつながります。
30代未経験でもJavaエンジニアになることは可能
「30代でプログラミング未経験でもJavaエンジニアになれますか?」という質問をいただくことが多いですが、結論としては可能です。理由としては「人材不足」と「学習環境の充実」の2点が挙げられます。
厚生労働省が毎月公開している「一般職業紹介状況」の最新データ(2022年3月データ)によると、情報処理・通信技術者の有効求人倍率は1.47倍となっており、他の職種と比較しても人材不足が顕著となっています。また、レバテックキャリアにおいても企業に人気の言語としてJavaは2位にランクインしていることからも、Javaエンジニアが市場として不足している現状が伺えます。
かつてはプログラミング言語の勉強と言えば分厚い本を読みながらPCを触る…というイメージが強かったですが、近年はPCやスマートフォンで学習できるよう動画・スライド等を使った教材を提供するサービスが増えてきています。
これらのことから、現在は30代からであってもJavaエンジニアを目指しやすい環境になっていると言えるでしょう。
関連記事: 30代未経験でプログラマーを目指す方法
エンジニアの勤務スタイル3つ
学習を始める前に、エンジニアとして働く場合の勤務スタイルも知っておきましょう。Javaに限りませんが、エンジニアの勤務スタイルは、主に「客先常駐」「受託開発」「自社開発」の3つです。
1. 客先常駐
客先常駐とは、業務委託を受けたプロジェクトの契約先の企業に出勤し、システム開発やサービスの運用を行います。プロジェクトの期間によって違いますが、数か月~数年のスパンで常駐します。
2. 受託開発
受託開発とは、契約先の企業から依頼を受け、システム開発を行うことです。契約先の企業ではなく、自社に出勤して業務を行います。
3. 自社開発
自社で開発したサービスやソフトウェアがある企業で、社内の開発エンジニアとして働きます。前述の「受託開発」も広義の意味で自社開発と定義されることがあるので、求人を探す際には注意しましょう。
客先常駐の案件は割合として多く狙いやすい
未経験可の求人の割合として、客先常駐の求人が多いという傾向があります。その場合、研修を受けたのち、OJTのような形で既に自社の社員が常駐している企業でのプロジェクトの一員として働くところからキャリアが始まるケースが多いです。
客先常駐の働き方は「さまざまな企業・業界のプロジェクトに参画できる」というメリットがあるため、客先常駐からスタートして実務経験を積みつつ、キャリアアップを図るというプランは選択肢に入れておくべきでしょう。
自社開発の未経験Javaエンジニア募集は比較的難しい
ご紹介した3つの働き方の中で、最も人気が集まるのが自社開発の求人です。自社開発における未経験Javaエンジニアの募集も少なからず存在するのですが、経験者が応募してくることもあり競争率が高くなる傾向があります。
「どうしても自社開発の企業に転職・就職したい」という希望が強い場合、熱意以外にも他の応募者との差別化となる要素(資格取得など)を準備した上で臨むことをおすすめします。
未経験可のJavaエンジニアの転職求人例
レバテックキャリアのJavaエンジニア求人データを参考に、未経験可の求人例をご紹介します。
現在募集中の具体的な求人を探したい方は、「Javaの求人・転職情報一覧」をご覧ください。
Javaによるワークフローシステム開発の要件定義~運用テスト
■業界
IT・通信、インターネット/ソフトウェア
■業務内容
以下のようなプロジェクトの中から、自身の希望や今後のキャリアアップに沿って決定
・クライアント側の開発/PHP、Ajax、JavaScript、HTML5、Dash、CSS
・マイグレーション/MySQL、Oracle
・社内管理システムの開発/C# (.NET)、 Microsoft SQL Server、ASP
・システム共通基盤(統合型フレームワーク)システムでのカスタマイズ、システム導入サポート等要件定義~導入サポートまでー連の業務
・バックエンドシステムの開発/PHP、Perl、Linux、RDBMS(Oracle)
・画面~クライアント側の開発/PHP、Ajax、JavaScript、HTML5、Flash、CSS
・社内管理システムの開発/C# (. NET)、 Microsoft SQL Server、ASP
■応募要件
・言語問わず開発業務を1年以上経験している方
※実務未経験・第二新卒の方も歓迎
<マインド>
・自ら考え行動できる方
・成長意欲や向上心が強い方
・個人ではなくチームで仕事ができる方
■想定年収
450~800万円
【システムエンジニア】若手歓迎/Javaによる業務系システム開発
■業界
IT・通信、SIer
■業務内容
Javaのプログラミングからスタート
プログラミングが一人でできる様になれば、各テスト工程にてシステムが正常に機能するかを確認
完成したシステムの導入支援までを目指します
■応募要件
・エンジニアに興味がある方
・柔軟なコミュニケーションが取れる方
■想定年収
250~300万円
Javaのスキルを身につけるための勉強法
ここからは、未経験の方がJavaのスキルを身に着けるまでの具体的な習得方法を紹介します。
ITの基礎知識を学ぶ(ITエンジニア未経験の場合)
エンジニアの経験がない場合、Javaを学ぶ前にまずITの基礎知識を身につけましょう。エンジニアとして転職を考えているなら、ITの基礎知識がないと、仕事場で飛び交う単語を理解できません。たとえば、「基本情報技術者」などの基本的な資格取得を目指すと、試験勉強をしながら、基礎知識を身につけることができます。
Javaの基礎的な知識を学ぶ
Javaの概念や基礎知識を学ぶ場合は、以下のようなJavaの入門書を読んでみましょう。
『Javaの絵本 第3版 Javaが好きになる新しい9つの扉』(翔泳社)
「プログラミングとはなにか」という初歩から紹介されており、基礎的な内容で構成されています。イラストを多用しているので、初心者でも読み進めやすい入門書です。
『スッキリわかるJava入門 第3版 (スッキリわかる入門シリーズ)』(インプレス)
Javaの基礎から、初心者が理解の難しいオブジェクト指向までを紹介しており、Javaプログラミングの疑問が解明できる入門書です。
また、動画でJavaを学習できるWebサービスもあります。動画学習のメリットは、実際に手を動かしながら理解していけることです。無料で利用できるサービスもありますので、どんな内容が学べるかをチェックしてみてください。
Progate
デザインがキレイで、自分の学習レベルなどがグラフで出てくるなど、視覚的にわかりやすいサービスです。Javaのレッスンもあります。
ドットインストール
動画を見ながら学習できるので、つまずかずに学習していくことができます。「Java入門」というJava用のレッスンもあります。
資格試験の勉強をする
Javaを体系的に理解するには、専門資格の取得を目指すのもよいでしょう。Javaには日本オラクル社が主催するベンダー資格である「Oracle認定Javaプログラマ(Oracle Certified Java Programmer:OCJP)」があり、Javaのバージョンアップに合わせる形で認定試験のバージョンも変更されます。
2022年5月現在では「Java SE 11 認定資格」が最新のものとなっており、以下のように難易度別に3段階に分かれています。
Oracle Certified Java Programmer, Bronze SE 認定資格
言語未経験者向けの入門資格です。Java 言語を使用したオブジェクト指向プログラミングの基本的な知識が必要です。
Oracle Certified Java Programmer, Silver SE 11 認定資格
Javaアプリケーション開発に必要な基本的なプログラミング知識があり、開発経験がある開発初心者向けの資格です。
Oracle Certified Java Programmer, Gold SE 11 認定資格
設計者の意図を理解し、実際に機能実装を行うことができる中上級者向けの資格です。
未経験者の方は、まずはBronzeを取得して、Silverの取得を目指しましょう。実務未経験でも、Javaの資格をもっていれば一定の知識があることを証明できるので、転職活動の際、有利に働く可能性があります。
基礎を理解したら、実際にプログラムを書く
Javaの基礎を一通り学んだら、簡単なプログラムを作成してみましょう。理解していたつもりでも、実際に手を動かしてみると、自分が理解できていない部分が明確になりますし、調べながらプログラムを書くことで、実践的なスキルを身につけることができます。
スクールで勉強する
ここまでは主に、独学での勉強法を紹介してきました。独学でコツコツと勉強するのが好きな方もいれば、スクールに通って仲間と一緒に頑張りたい、と思う方もいるでしょう。
レバテックキャリアの姉妹サービス「レバテックカレッジ」では、現役大学生/大学院生の方向けに、プログラミングカリキュラムを開講しています。さらに、プログラミングを学ぶだけでなく、ITエンジニアになるための就活まで支援いたします。気になる方はぜひ下記サイトをチェックしてみてください。
学生向けプログラミングスクール
レバテックカレッジ
Javaを学ぶことで得られる3つのメリット
数あるプログラミング言語のなかで、プログラミング未経験者がJavaを学ぶことで得られるメリットを紹介します。
1.Javaのスキルを求めている企業が多いので、門戸が広い
「Javaは転職に有利?Javaエンジニアが転職するときの4つのポイント」の記事でも紹介しましたが、Javaのスキルを求めている求人はエンジニア求人全体の30%ほどを占め、プログラミング言語のなかでもっともニーズが高いです。多くの企業がJavaエンジニアを探していますが、経験者だけではニーズが充足せず、実務経験がない人にも門戸が広がりつつあります。
2.業務システム開発からAndroidアプリ開発まで、活躍できる幅が広い
開発の仕事は、企業で使用される業務システムからスマホのゲーム開発まで、さまざまな分野があります。未経験の場合、自分がどの分野に向いているのか判断が難しいかもしれません。その点、Javaは業務システム開発からAndroidアプリ開発まで、幅広い分野で利用されているため、Javaを学びながら、自分に合った分野を考えていくことができます。
3.Javaを学習できるサービスや教材が多い
Javaは広く普及しているプログラミング言語ゆえ、多くの学習サービスや教材があります。もし、学習しながら不明点があった場合も、同じことにつまずいた先輩たちがいるため、解決の糸口をつかみやすいでしょう。
Qiitaなどのエンジニア向けのコミュニティを使うことで、不明点などを聞くことができます。
Javaのスキルを身につけると、どんな開発ができるのか
Javaのスキルを身につけると、どんな開発ができるようになるでしょうか。具体的には、以下のような開発でJavaのスキルを活かすことができます。
業務システム開発
業務システムとは、企業が活動する上で使用されるさまざまなシステムのことです。たとえば、銀行のオンラインバンクや、企業の販売・在庫管理システムなどです。
Androidアプリ開発
Googleが提供しているAndroidはJavaで動いており、Androidアプリ開発にもJavaが使用されています。
Webアプリケーション開発
多くの人が使用するWebサービスにもJavaは使用されています。たとえばSNSサービスのTwitterは、もともとRubyで開発されていましたが、現在は使用言語をJavaに変更しています。
ゲーム開発
ゲーム開発向けのプログラミング言語としてはC#やC++が有名ですが、Android向けのアプリなどの現場ではJavaが使われることもあります。
まとめ
本記事では未経験からJavaエンジニアに転職・就職する方法やJavaのメリット、学習方法などをご紹介してきました。
他言語の経験者の方はもちろん、プログラミング未経験からでも目指せるのがJavaエンジニアです。人気の言語として求人数も安定して多いので、ぜひ検討してみることをおすすめします。
Javaのよくある質問
Q1.未経験からフリーランスのJavaエンジニアとして活躍できますか?
Javaはプログラミング言語の中でも習得が難しく、独学で挫折してしまう人も少なくありません。実務未経験でJavaエンジニアとして活動することは難しいと言えます。会社員として経験を十分に積み上げた後に、フリーランスを目指す方が良いです。
Q2.未経験からアルバイトでJavaエンジニアとして働くことはできますか?
未経験可の求人もあるため、アルバイトとして働くことは可能です。未経験の場合、意欲やスキルを伝えるために、ポートフォリオを作成して応募することをおすすめします。
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