IT業界は未経験から転職可能?転職しやすい分野や志望動機の例文

最終更新日:2024年3月11日

IT業界未経験だが、IT業界に挑戦したいと考える方は多くいます。そのような方の中には、IT業界は専門性が高く、特別な資格や実務経験が無いと採用されづらいと考える方もいるでしょう。しかし、IT業界への転職は企業の事業内容や職種を理解し、しっかりと対策を行えば、未経験でも可能です。

本記事では、未経験からIT業界への転職を目指す方に向けて、未経験からのIT業界への転職についてや転職する方法、転職で失敗しないためのポイント、IT業界で活かせるスキルと資質、役立つ資格、志望動機の作り方などを解説します。IT業界への転職を考えている方は、是非とも転職活動の参考にしていただけますと幸いです。

この記事のまとめ

  • 未経験でもIT業界への転職は可能だが、年代によって転職難易度は変わる。特に20代の前半、後半と30代では転職活動で注力すべき点が異なる
  • IT業界へ転職するための選択肢は、ハローワークや求人情報誌、転職サイト、転職エージェントなどの媒体がある
  • IT業界未経験でも転職しやすい職種は、テクニカルサポート・ヘルプデスクやWeb広告営業、Webマーケターなどの職種が一般的
  • IT業界未経験だと厳しい職種は、IT業界での経験が求められる職種や高度な専門スキルが必要な職種が当てはまる

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未経験でもIT業界への転職は可能!

結論から言えば、経験がなくともIT業界への転職は可能です。比較的、未経験からの転職を受け入れている業界であり、未経験者に向けた求人・転職情報も存在します。

その背景にあるのは、IT業界の人材不足にあります。2019年3月に経済産業省より「- IT 人材需給に関する調査 -調査報告書」が発表されています。この文書のP.19、20では、2018年時点でIT人材は22万人不足しており、最も極端な場合には2030年には79万人のIT人材不足が発生すると予測されています。根底にあるのは日本の労働人口の減少とIT業の人材には教育コスト、期間がかかるという事情でしょう。

引用元:『- IT 人材需給に関する調査 -調査報告書 P.19、20』経済産業省

特別な資格を必要としない職種がほとんど

IT業界にも様々な仕事の種類がありますが、ほとんどの職種で必須となる資格、免許などはありません。その代わりに、必要となるのがスキルと知識です。

しかしながら、IT業界に就職、転職する際にはスキルと知識が不足していないケースは少ないでしょう。先にも記載したとおり、人材が不足している業界のため、スキルや知識については教育制度により補うなど、後からの取得をするための仕組みが取られています。

必須の資格はありませんが、とは言え資格の取得はスキル・知識の証明となります。転職活動においても、一定の能力や学習をしたことを伝えることができ、例えば基本情報技術者試験や応用情報技術者試験などはITエンジニアとしての汎用的なスキルを示すことができる有名な資格です。

安定性よりも成長する意欲が大切

未経験からIT業界に転職する場合に大切なことは、安定性よりも成長する意欲です。IT業界は他の業界と比べると明らかに技術の進化のスピードが早く、技術のトレンドも数年で変わることも珍しくありません。転職することがゴールではなく、継続的に成長を続ける意欲が活躍には必要となります。

年代によって転職難易度は変わる

年代別の転職難易度


未経験者がIT業界へ転職できる可能性について解説します。未経験者であってもIT業界への転職は十分に可能です。ただし、年代によって転職難易度は変わります。特に20代の前半、後半と30代では転職活動で注力すべき点が異なるため注意が必要です。

20代新卒~第二新卒世代で未経験の場合

20代の場合は、IT業界での実務経験がない、もしくは1年前後と短い場合でも他業界での社会人経験があれば「ポテンシャル採用」で転職できる可能性が高いです。ただし、大手企業は新卒・第二新卒採用に限定する傾向があるため、中堅・中小企業を中心に転職活動を行うと、より内定確率がアップします。

20代後半で未経験の場合

一つの指針となるのが、DX対応人材を目指すことです。ここでいうDX対応型人材とは「AI、IoT、マイクロサービスなどの先端技術を駆使し、クラウドベースのアプリケーション開発やビジネス構築に対応できる人材」です。20代後半の場合、DXに対応できる人材への成長が、自身の市場価値を高めることに繋がるでしょう。

30代以降で未経験の場合

0代でIT業界未経験の人材は、20代に比べると転職のハードルが高くなります。30代後半でIT業界未経験からの転職を目指す場合には、企画・折衝・課題解決など何らかのプロジェクトの参画経験が重要です。IT業界の30代の人材は管理者としての能力を求められる傾向があります。また、特定の業界や業種に対する専門的な業務知識(金融、ロジスティクスなど)や、ユーザー側企業としてのシステム開発プロジェクト参加経験(業務設計など)があれば評価に繋がります。

30代の未経験者が転職しやすい職種としては、サーバーやネットワークの監視・運用を担当するインフラエンジニアやテクニカルサポートなどがあります。これらの職種の場合は、ITスクールなどでサーバーやネットワークの監視・運用に関する基礎的なスキルを身につけていれば、実務経験がなくても十分転職することが可能です。

IT業界へ転職するための選択肢

未経験からIT業界へ転職する際に利用できる選択肢は、大きく「ハローワークや求人情報誌から探す」「転職サイトから探す」「転職エージェントを利用する」の3つです。最近ではプログラミングスクール経由の紹介というパターンも増えてきましたが、本章では非エンジニア職も含めた内容のため上記3つについて取り上げます。

ハローワークや求人情報誌

ハローワークや求人情報誌を利用することは、IT業界へ転職するための一般的な選択肢のひとつです。IT業界の求人を探す際には、ハローワークや求人情報誌が役立ちます。これらの媒体のメリットは、求人情報を一覧で比較しやすいこと、そしてハローワークでは職員に質問できるという点です。

転職サイト

IT業界の求人は転職サイトでも探すことが可能です。転職サイトはサイトによって得意とする分野が違います。IT業界の求人情報が集まる転職サイトを利用することで、多くかつ条件の良い求人・転職情報に繋がります。

転職エージェント

転職エージェントを利用して転職先を探すのも一つの選択肢です。IT業界とパイプがある転職エージェントを利用することで、より自分の望む条件にあった求人・転職情報を探しやすくなります。

転職エージェントを検討するのであれば、求人数はもちろんのことですが業界への知見の深さも重要です。転職をサポートしてくれる担当者の専門性が高いと、「このご経験であればこのようなキャリア(求人)もありだと思いますが、いかがでしょうか?」という風に、良い意味で自分では考えもしなかったキャリアの選択肢を与えられる可能性があります。

転職サイトもそうですが、複数のサービスに登録してみて比較するという使い方がオーソドックスです。エージェントの場合、登録し面談する中で担当者の業界への知識を図ってみることをおすすめします。

IT業界にはどんな分野がある?

IT業界の職種
 

未経験でIT業界へ挑戦する前に、そもそもIT業界にはどのような企業があるのかを知っておかなければなりません。本項ではIT業界の分類について解説します。

IT業界と聞くと、システム開発会社をイメージしがちですが、消費者向けサービスを提供する企業や、受託開発を手掛ける企業など、さまざまな種類の企業が存在します。IT業界への転職を目指す際は、あらかじめどのような分類の業界で働きたいか整理しておくと良いでしょう。

情報通信業界

電話、ケーブルテレビなどのインフラや、放送業、放送番組作成業、プロバイダーなどのインターネット基盤関連の事業者を情報通信業界と呼びます。IT技術とは切っても切れない関係であり、インフラ構築や事業運営上のシステムやサービス構築などでIT技術者が活躍しています。

情報処理サービス(システムインテグレーション)業界

情報処理サービス業界、いわゆるSIerと呼ばれる業界では、顧客企業の社内で使用する情報システムの開発・運用を請け負います。現在の日本のIT産業において欠かせない存在であると言われます。

具体的な業務としては課題や要望のヒアリングや、その内容に基づく要件定義、設計、開発、テスト、保守・運用などが挙げられます。コンサルティング業務が含まれる場合もあります。

ソフトウェア業界

ソフトウェア業界では、コンピュータに導入して使用するパッケージ製品の開発・販売を行います。ソフトウェアの主な例としては、文書作成ソフト、表計算ソフト、ウィルス対策ソフト、会計ソフトなどがあります。この業界に所属するエンジニアは、自社製品の開発に従事する点が特徴です。

ハードウェア業界

ハードウェア業界は、サーバーや複合機、パソコン、周辺機器、スマート家電などの幅広いハードウェアを開発・販売する業界です。ハードウェア業界の企業に所属するエンジニアは、ハードウェアを制御する「組み込みソフトウェア」の開発を主に担っており、C言語やC++を使用してプログラミングすることが多いのが特徴です。

近年は、スマート家電などのIoT製品の需要が拡大しており、ハードウェア業界で働くエンジニアの需要が高まっています。

インターネット・Web業界

Web業界は、Webメディアやホームページ、通販サイトなど、インターネット上で提供されるサイトやサービスを開発・提供する業界です。

情報サービス業界と同じく、要件定義・設計・開発・テストという工程を踏むこととなりますが、顧客の要望に沿ってWebサービスを開発するだけでなく、自社サービスとして社内開発することもあります。

集客向上を目的としてWebメディアやホームページを開発することも多く、Webマーケティングの知識があると評価が高まります。

関連記事:Web業界の仕事とは?IT業界との違いも解説します

事業会社(情報システム部門)

自社が保有する情報システムの開発・運用を行うため、事業会社の情報システム部門もIT人材を募集しています。

具体的には、ERP(統合基幹業務システム)やCRM(顧客関係管理システム)を含む業務システムの管理などを担当します。内製している企業ではプログラマーの採用がありますが、開発を委託している場合は、ベンダーマネジメントやIT企画などが主な業務です。

ビジネスモデルにおける分類

IT業界のことを調べていると、「自社開発」や「SIer」「SES」などの言葉を見かけることがあります。(特にエンジニア職)

IT業界では、上記のようなソフトウェア業界やハードウェア業界のような分類以外にも、企業の提供サービスやビジネスモデルによる分類も存在します。SIerのみ既にご紹介しているので、以下では残りの2つについて簡単に解説します。

自社開発

自社開発とは、自社の商品・サービスとして活用するシステムを、企画段階から開発、サービスのリリースまですべて自社で完結させることを指します。一見すると当たり前のように見えるかもしれませんが、システムの開発には様々な工程(設計、仕様書作成、開発、レビューなど)があり、すべてを自社内で完結させるためには多くの人的リソースや時間が必要です。

そのため、SIerやSESのような外部リソースを活用するという選択肢が生まれます。

SES

SESとはシステムエンジニアリングサービスの略であり、システムやソフトウェアの開発や保守などにおける一部業務を委託するサービスです。SES企業は多くのエンジニアを抱えており「部分的な開発・保守リソースが足りない」などのニーズに応え、自社のエンジニアをアサインする形で労働力を提供します。

IT業界未経験でも転職しやすい職種

IT業界は、未経験の方にも比較的広く門戸が開かれている職種と、時間をかけて蓄積したスキルや経験がないと採用が難しい職種があります。IT業界未経験でも転職しやすい職種としては、テクニカルサポート・ヘルプデスクやWeb広告営業、Webマーケター、プログラマー、テストエンジニアなどがあります。ここでは、IT業界未経験でも転職しやすい職種について解説します。

関連記事:IT業界で活躍する職種の仕事内容まとめ!将来性や業界の分類を解説

テクニカルサポート・ヘルプデスク

製品に対する問い合わせ窓口となるヘルプデスク、テクニカルサポートは必要とされる技術的なスキルは高くないため、未経験でも比較的転職しやすい職種です。ユーザと直接相対する仕事のため、ホスピタリティが必要となります。コールセンター等の職歴は業種が似ているため役立ちます。

Web広告営業

Web広告営業は扱う商品がWebの広告枠の営業職です。Webサイト運営のためのツール利用ができる必要はありますが、一般的なITスキルで利用できることがほとんどです。広告の枠は期間、表示面の大きさ、表示する媒体ネットワークなどによって様々です。また、営業やWebマーケティングで培ったビジネススキルを生かせる仕事と言えるでしょう。

Webマーケター

Webマーケターは一見すると転職が難しそうなイメージがありますが、他業界でマーケティングに携わった人は比較的転職しやすい職種です。Webマーケターは職種の幅が広く、自然検索対策のSEOやマップエンジン対策のMEO、各種SNSの運用、Web広告の運用など様々です。近年ではメルマガに加え、LINEをCRMツールとして活用し、リストマーケティングに活かしている企業もあります。また、広告ツールやBIツールと呼ばれるデータ集計ソフトなどを扱いますが、これらの習得はそれほど難しくありません。ソフトウェアのスキルよりも、ロジカルシンキングや発想力などを重視する企業が多いようです。

プログラマー

プログラマーへの転職は未経験では難しいと思われがちではありますが、未経験からの転職を成功させている人も多くいます。

その背景としては、新卒採用や即戦力の中途採用だけでは人材確保ができないという企業も多く、実務未経験であっても、自社で育てて戦力にしていこうという動きがあります。そのため、ITスクールなどで基礎を学ぶことで転職できる可能性が高まります。

テストエンジニア

自身で何かを開発するのではなく、他の人が作ったコードやシステム全般の動作チェックがメインの仕事であるため、テストエンジニアはエンジニア職の中でも難易度が低い職種とされています。(とは言え、サービスの品質担保のため重要な役割でもあります)

そのため、テストエンジニアからエンジニアのキャリアを始め、プログラミング言語を勉強しながらプログラマーやSEを目指していくというキャリアパスを用意している企業も多いです。

未経験から希望の職種に就くための方法

未経験から希望の職種に就くためには、どのような方法がいいのでしょうか。ここでは、これまでにご紹介した職種へ未経験から就職するための方法を解説します。いずれも未経験から就職可能ですが、スキルがまったくない状態では現実的には難しいでしょう。そのため、就職を円滑に進めるために身につけておくべきスキルを中心にご紹介します。

営業職

営業職に就くためには応募する企業が扱うIT商材の知識、IT業界の知識が必要となります。採用されてから身につける方法もありますが、IT業界へ転職することを決めているのなら、これらを勉強しておいたほうが円滑に転職活動を進められます。「ITパスポート」などの入門資格を事前に取得しておくと良いでしょう。営業経験がない方は、営業士検定などの営業職向けの資格制度を活用して学んでおきましょう。

運用オペレーター

どのようなポジションの運用オペレーターを目指すかで事前に準備すべきことが変わります。ECサイトの問合せや受注、返品などを対応するオペレーターであればブラウザやメール、Officeアプリケーションなどの基礎的なスキルがあれば問題ないでしょう。

一方、サーバーやネットワークの監視などのポジションを目指すのであればITスクールでの学習や「LPIC」、「CCNA」などの資格を取得することで評価を上げることができます。

Webマーケター

Webマーケターに求められる要件として、ビジネスモデルを設計し、マーケティング戦略全体を考えられることは必須と言えます。その上でWebマーケティングの各種手法である、フェイスブック広告やGoogle AdWordsなどの広告媒体のスキル、ロジカルシンキング、BIツールスキル、データ集計スキルなどです。

Webマーケティングは資格よりも実戦経験の豊富さが求められますが、事前に勉強しておくと役に立つものとして、「マーケティング・ビジネス実務検定」、「ネットマーケティング検定」「ウェブ解析士」などがあります。

Webデザイナー

Webデザイナーは、実務経験がなくても就職可能ですが、HTMLやCSS、Adobeなどのデザインソフトの基礎スキルが必要となります。そのため、これらをITスクールなどで学んで身に付けておくことが前提となります。

ITスクールではWebデザイナーコースが用意されていますので、初めての人でも学びやすいでしょう。ただし、エンジニアと違ってクリエイティブな要素が強いことから、実際にどれほどのデザインスキルがあるのかを見るためにポートフォリオが選考時に必要となることが多く、特に未経験採用であれば必須と思っておいたほうが良いです。

応募時にはポートフォリオを作成して、スキルやセンスを採用担当者にPRできるようにすることが大切です。

プログラマー

プログラマーとして転職する場合は、プログラミングスキルがほぼ必須となります。プログラミングは未経験者にはハードルが高いため、ITスクールで基礎から学ぶ方法を選んだほうが身につきやすい傾向にあります。JavaやPHPは半年程度から、Rubyは1〜2ヶ月程度の期間で学べるスクールが主流です。

また、基本情報技術者資格まで取得をしておくと、エンジニアになりたいという本気度のアピールにも繋がるのでおすすめです。なお、エンジニアとして働くのであれば、ITパスポートだけでは知識としては弱いために、基本情報技術者の取得を目指したほうが良いでしょう。

テストエンジニア

高難易度のものを除き、テストエンジニアの多くの求人はコンピューターやOSについての基礎知識や報告書(レポート)作成に利用するExcelやWord、パワーポイントなどのオフィスソフトのスキルがあればエントリーが可能です。

上記を踏まえ持っていると有利な資格としては、マイクロソフトオフィススペシャリストやITパスポートがまず挙げられます。しかしこれらの資格は今後のエンジニアとしてのキャリアには役に立たないため、プログラマーの項目で紹介した基本情報技術者まで取っておくことも考えることをおすすめします。

またテストエンジニアは、同じ作業を繰り返すことが多いです。そのため、根気強さや集中力などをアピールできると良いでしょう。

IT業界未経験者が転職で失敗しないためのポイント

IT業界未経験者が転職で失敗しないためには、どのような点に注意したらいいでしょうか。具体的には、求人数が多いからこそ慎重になることやどの職種に就きたいかを明確にする、あらかじめ専門用語を調べて理解を深めておく、プログラミングの基礎を学んでおく、ポートフォリオを用意するなどがあります。ここでは、これらのIT業界未経験者が転職で失敗しないためのポイントを解説します。

どの職種に就きたいかを明確にする

IT業界への転職といっても、前記のように多くの職種があり、業務内容はそれぞれ大きく異なります。まずは、IT業界へ転職したい理由を鑑みて、どの職種に着きたいかを明確にして転職活動に取り組みましょう。

プログラミングの基礎やIT用語を学んでおく

プログラマーやシステムエンジニアを未経験で目指すのであれば、プログラミングスキルやIT用語の知識は必須と思って良いでしょう。未経験採用においては、求人票にプログラミング経験は不問と書かれているケースが多いですが、企業としては少しでも早く戦力になって欲しいと思っているので、プログラミングの基礎を身につけている人の採用を優先します。

もし時間と金銭面にある程度の余裕があるのであれば、ITスクールに通って学ぶことをお勧めします。そこまでの余裕がない場合であっても、少なくとも自宅でネットや本を活用して実際に手を動かしてプログラミングの学習を進めておきましょう。

ポートフォリオを用意するのがおすすめ

転職市場におけるポートフォリオとは、いわば「作品集」のようなもので、自分のスキルを証明するために用いられます。ポートフォリオといえばクリエイター職で使われるというイメージを持っている人も多いかもしれませんが、エンジニア転職においてもポートフォリオは有用です。

特に実務経験のない未経験でのエントリーとなる場合、職務経歴書では勉強中の言語や取得した資格を記載する以外に実務的なスキルをアピールする手段がありません。自分で勉強しながら開発したサービスをポートフォリオとしてまとめ提出することで、「自分はこのような開発ができます」「これだけやる気があります」というようなことをアピールできるのです。

IT業界の現状について

IT業界へ未経験で転職するために努力を積み重ねることで内定を得ることができたものの、いざ入社をしてみると想像していた仕事とは違った、というミスマッチは起こさないようにしたいものです。ここでは、IT業界への転職を考える前に知っておきたい、労働環境と今のトレンドや将来性について説明します。

IT業界の労働環境

以前のIT業界は残業が多く、過酷な労働環境の企業が多いというのが通説でした。実際にインターネットでIT業界の労働環境を検索してみると、その頃の名残から「ブラック業界である」という内容を目にすることは今でもあります。

しかし、その後の働き方改革の取り組みや行政による労働環境の是正指示などもあり、多くの企業でワークライフバランスが整った労働環境が提供されています。深夜残業をしたり、休日出勤をしたりする企業はかなり少なくなりました。

副業の意向が強まっている

弊社のフリーランス向けの人材サービス「レバテックフリーランス」が2022年2月~4月に行ったアンケート調査によると、正社員として就業中のITエンジニア・クリエイターのうち58.5%が「副業をしたい」という回答をしています。
その主な理由としては「収入を増やしたい」の次に「収入を得る手段を増やしたい」という回答が多く、コロナ禍における市場や働き方の変化は「今の与えられた仕事をこなすだけでは、将来危ないのではないか」という労働者の危機意識を強めた結果になっているように考えられます。

フリーランスを希望する人も多い

現在のIT業界では、フリーランスを希望する人も増加しています。IT業界は需要に対して供給が足りない状態が常にあり、IT人材は不足状況にあります。IT業界は働く場所や業界に囚われにくいため、実務経験を積んだ後にフリーランスとして独立する人も多いです。

IT業界の平均年収

IT業界の平均年収は、どれくらいの金額なのでしょうか。ここでは、IT業界の各職種別の平均年収を厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」のデータより紹介します。
引用元:『職業情報提供サイト job tag』厚生労働省

IT業界の転職事情

2022年現在も高いエンジニア需要が続いているIT業界ですが、人材不足の背景には、多くの企業でレガシーシステム(オンプレミスなどの古いシステム)の改修が必要なことや、DX対策(データとデジタル技術を活用したビジネスモデル変革と競争優位性の確保)が企業成長に不可欠なことなどが挙げられ、これらに対応できる人材の育成・確保が急がれています。

20~30代前半の転職が活況

レバテックキャリアが行った調査「【2021年12月】ITエンジニア動向レポート-レバテックのデータで分かるIT人材市場-」の正社員版では、20代の転職サービス登録者が全体の過半数を占め、30代を含めると全体の8割に達します。


売り手市場が続くIT業界の中でも、第二新卒世代(20代前半)、20代中盤~30代前半までの若手の転職が非常に活発であることがわかります。リモートワークによりキャリアと向き合う時間が取れたことがその一因と考えられます。

一方、30代のエンジニアの転職は微減傾向にあり、保守傾向がうかがわれます。

2021年におけるエンジニアの転職データ

レバテックキャリアが2022年2月に行ったITエンジニアの転職意識調査では、2021年1月~12月の間に「転職活動を行った」エンジニアは全体の9%で「転職が決定した」エンジニアは全体の4%という数字が出ました。総務省が発表している労働力調査でも転職者比率(※)は毎年4〜5%台となっており、実際に転職した人の比率としては政府統計とほぼ同じ傾向という結果であることが伺えます。

(※)転職者数÷就業者数×100


上の図で他に注目すべき点は、「転職活動はしたが、入社までは至らなかった」という人が5%いるという部分です。実際に転職先に入社した人とほぼ同数の割合で「入社まで至らなかった」人もいたということの証左であり、転職活動をした人が必ずしも転職を決めたということではないことがわかります。

一方、前述の労働力調査では「転職希望者」の統計も取っており、2021年の転職等希望者数の総数は889万人とここ数年で増加の傾向が見えています。つまり、ここ数年で転職希望者は増えているものの、実際に転職をした人は増えていないということです。この傾向はITエンジニアにおいても同じことが言え、コロナ禍におけるリモートワークの普及などの働き方の変化に伴い、自身のキャリアを見つめ直す人が増えていると考えられます。

引用元:『労働力調査(詳細集計)2022年(令和4年)平均結果』統計局ホームページ

Java・PHP・Pythonの求人が多い

2023年7月時点、レバテックキャリアに登録されている公開求人をプログラミング言語別にカテゴライズすると、Java、Python、PHPの順に求人・転職情報の数が多いです。現在のトレンドとしてはこれらの言語の需要が高く、これからエンジニアとして転職することを考える場合には、ぜひ取得を検討してみてはいかがでしょうか。

C言語やJavaScriptのエンジニアが増加傾向

レバテックキャリアが行った「【2021年12月】ITエンジニア動向レポート-レバテックのデータで分かるIT人材市場-」では、C言語やJavaScriptをメインスキルとするエンジニアが前年比で増加傾向を見せています。

レバテックキャリアの登録者データであるため「転職を検討しているエンジニア」として置き換えることができ、これらの言語をメインスキルとするエンジニアが現職に何らかの不安・不満を抱えていることが伺えます。

IT業界に向いている人

ITはあらゆるところで活用されており、非常に身近な存在となっています。そんなIT技術を活用するIT業界で働くことに向いているのはどのような人なのでしょうか。職種ごとに諸説ある部分ではありますが、ほぼどの職種でも共通して大事になるポイントを一つご紹介します。

IT知識に対する探究心がある

IT業界は変化が激しく、常に新しい技術やサービスが生まれていきます。IT知識に対する探究心をもって学習を続けていなければ、顧客からの期待に応えられず、効率的・効果的な仕事ができなくなってしまいます。

未経験でIT業界へ転職する場合は、なおさら、最新の技術動向やサービスへ積極的に関わる意欲を持っている点を示す必要があるでしょう。

IT業界で活かせるスキルと資質

IT業界で活かせるスキルと資質には、どのようなものがあるのでしょうか。未経験でIT業界に転職する際には、過去に培ったスキルをIT業界で求められるものに結び付けてアピールすると、採用時に高い評価を得られる可能性が高まります。ここでは、IT業界の多くの職種に共通して求められるスキルと資質について解説します。

基本的なPC操作

基本的なPC操作は、IT業界の多くの職種に共通して求められるスキルです。IT業界では当然ながら業務においてPCを使い、OA用のソフトウェアやWebアプリケーションを活用します。一般的な業務で必要となるPC操作は必須となります。そのため、IT業界に転職するのであれば基本的なPC操作を習得しておきましょう。

コミュニケーションスキル

IT業界では営業や開発など、異なる役割を持った人たちが協力して作業を進めます。日々チームで作業を進めるため、円滑な情報共有や意思疎通が求められます。そのため、コミュニケーションスキルが高い人材は評価につながります。

現職で顧客折衝をした経験や、チームワークを発揮することができた業務経験があれば、IT業界でもその経験は活かせます。

特にシステムエンジニアを目指すのであれば、将来的にお客様との折衝を伴う仕事を任されることもあるため、コミュニケーションスキルが高いことは大きなアピールポイントとなります。

接客・営業経験はプラス要素

IT業でも必ず顧客や一緒に仕事をするチームメンバーがおり、相手を慮ったコミュニケーションはスムーズな業務の進行を成り立たせるのに必要です。接客や営業など「顧客とのコミュニケーション」が前提とされる職種の経験は、IT業界への転職でもプラスの要素となります。

論理的思考力(ロジカルシンキング)

ソフトウェアの仕組みを理解したり、顧客の問題・要求を整理したりするために論理的思考力が求められます。

プログラマーであれば、どんな状況でもソフトウェアが意図したとおりに動くよう論理を構築することが重要ですし、システムエンジニアであれば、お客様の要望に対してどうシステムで実現していくのかを、これまでの経験や知識などを活用して提案しなければなりません。

また、IT企業はデータドリブン(データによる意思決定)を重要視する文化であることが多いです。営業やマーケティングでも、数字に基づいて論理的な意思決定が求められる場面が多いでしょう。

未経験でもIT業界で役立つ資格

未経験でもIT業界で役立つ資格は、どのような資格があるのでしょうか。IT業界向けの資格は多くありますが、未経験でもIT業界で役立つ資格は、MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)やGoogle アナリティクス個人認定資格(GAIQ)、ITパスポート、基本情報技術者試験、情報セキュリティマネジメント試験、統計検定・データサイエンティスト検定、Python3エンジニア認定基礎試験などがあります。これらの資格は、職種によって評価が異なります。そのため、自分が働きたい職種を決めてから資格取得を目指すと効率的です。

MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)

MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)は、マイクロソフト社が主催するマイクロソフトのOffice製品(Word、Excelなど)の操作スキルを証明する資格試験です。試験では、Office製品の基本的な操作方法やデータ作成に関する知識が求められます。WordやExcelなどのOffice製品は、IT業界のどの職種でも使う機会が多くあります。そのため、ITの事務的能力をアピールするためにも取得しておきたい資格です。

Google アナリティクス個人認定資格(GAIQ)

Googleアナリティクス個人認定資格(GAIQ)は、Googleが提供するデータ分析ツールの知識と技術を証明するための認定資格です。試験では、Googleアナリティクスの設定やカスタマイズなどの知識が問われます。多くのIT企業がGoogleアナリティクスを使用して、Webサイト分析を行っています。そのため、IT業界の広告営業やマーケティング担当者を目指すなら、Google アナリティクス個人認定資格(GAIQ)は取得すべき資格と言えます。

ITパスポート

ITパスポートは、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が運営するITの基本的な知識を証明するための国家試験です。この試験は、ITの基礎的な知識からAIやビッグデータなどの最新技術、ネットワーク、セキュリティ、経営など幅広い分野の知識が問われます。テキストや問題集、学習サイトなど学習環境も豊富で、独学でも取得が目指せます。多くの学生や社会人が受験しており、就職や転職時のITの基礎知識のアピール材料になります。

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験は、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が運営するIT全般の基本知識を証明するための国家試験です。IT業界で働く若手エンジニアが多く受験しており、基本的なIT知識を身につけるためには最適な資格です。試験では、プログラミングやネットワーク、データベース、セキュリティなど多岐にわたる問題が出題されます。IT業界でITエンジニアとして働くのであれば、目指しておきたい資格です。

情報セキュリティマネジメント試験

情報セキュリティマネジメント試験は、情報処理推進機構(IPA)が運営する情報セキュリティの基本的な技能や知識を証明するための国家試験です。情報処理技術者試験の一部として2016年から開始され、ITを活用する全てのユーザーを対象としています。情報セキュリティは、IT業界では重要度の高い知識であるため、IT業界で働くためには、情報セキュリティマネジメント試験は取得しておきたい資格です。

統計検定・データサイエンティスト検定

統計検定データサイエンティスト検定は、AIやデータサイエンスなどの分野を目指す方には役立ちます。統計検定やデータサイエンティスト検定では、統計学や機械学習に関する知識が問われます。AIやデータサイエンスの分野は非常に需要が高い分野であり、将来性も期待できます。統計検定やデータサイエンティスト検定を取得することで、就職活動の際に基礎知識があることをアピールできる材料となるでしょう。

Python3エンジニア認定基礎試験

Pythonエンジニア認定基礎試験は、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が主催するPythonの基本的な技術力を証明するための試験です。試験では、Pythonの基本的な文法や概念について問われます。Pythonは比較的初心者でも学びやすいプログラミング言語で、AIやデータサイエンス分野でも活用されています。そのため、AIやデータサイエンス分野で働きたい方は取得するといいでしょう。

未経験からIT業界への転職を志望する際の志望動機の作り方

求人に応募する際には、応募書類や面接で志望動機が問われます。志望動機をどのように考えるかは、多くの人が悩むところではないでしょうか。未経験からIT業界へ応募する場合、なぜそのIT業界に移りたいか、なぜその企業に関心を抱いたかを明確に伝えられると評価につながります。

例えば、SEであれば「技術を通して顧客の問題を解決したい」、プログラマーであれば「専門性を磨いて高度なプロジェクトに貢献したい」といったキャリアビジョンを示すと良いでしょう。応募する企業の商品やサービスを理解した上で、自分だったらどのような貢献ができるのか、自分が採用されたらどんな仕事をしたいかを想像すると、具体的な志望動機が書けるようになります。

新卒~第二新卒の場合

新卒~第二新卒の場合、なぜ未経験でもIT業界へ就きたいのかを示せると、それぞれの個人の志望動機となります。「コンピュータ、デジタルデバイスに興味があり、それに触れられる仕事に就きたい」、「IT業界の成長傾向を見て、活躍したいと考えた」など、IT業界への前向きな興味を伝えられるとよいです。

【例文】新卒~第二新卒の志望動機

御社を志望した理由は、IT業界に憧れがあり未経験からITエンジニアになった方が多く在籍しているからです。IT分野に携わりながら、最新技術に触れられる御社の仕事に将来性を感じており、IT分野で成長したい自分を活かすことができると信じています。

また、最新技術の習得を支援する御社の社員教育システムにも感銘を受けています。私自身も現在、基本情報技術者試験の資格取得の勉強中です。御社から内定を受けたら、さらなるキャリアアップを目指したいと考えています。

それ以外の場合

これまでの職歴をどのように活かすかを志望動機内に加えると、ポジティブな志望動機を作りやすいです。「営業職で培ったノウハウをWeb広告営業で活かしたい」、「前職で得た業務知識で御社のサービスの運営に貢献したい」といった例が考えられます。過去の経験をネガティブに捉えた志望動機では、良い印象を与えられず、IT業界での活躍を望みづらくなってしまいます。

【例文】未経験者の志望動機

御社を志望した理由は、これまで営業職として経験したことをITの世界でも活かしたいと考えていたからです。営業職で培ったマーケティングやコミュニケーションなどのスキルは、Web広告分野でも役立てると信じています。将来的にはクライアントの要望を十分に引き出して、御社に貢献できる人材となりたいと考えています。

未経験でIT業界を目指す人のよくある質問

未経験からIT業界を目指す方にとっては、IT業界に関してのさまざまな質問があります。ここでは、未経験でIT業界を目指す人のよくある質問についてお答えします。

Q1. 30代未経験の女性ですが、IT業界へ転職することはできるのでしょうか?

30代の未経験でもIT業界への転職は可能です。第二新卒や20代の転職者に比べると転職しにくい可能性はありますので、過去に培ってきた経験を十分にアピールし、面接対策を講じることが重要です。

Q2. 未経験からIT業界へ転職するためにどんな勉強をしておくと良いでしょうか?

自分が転職する職種に応じて、関連する知識を事前に勉強しておくと役に立ちます。Officeソフトを始めとしたExcel、Word、PowerPointの基本操作は転職後も使用するので、身につけておきましょう。

まとめ

未経験からでもIT業界に転職するためにどう行動すべきなのか、必要な内容を記載しました。志望企業の事業内容や職種を理解し、しっかりと転職対策を行えば、未経験でも転職できるのがT業界です。IT業界への転職を考えている方は、是非とも今回の内容を参考に、転職活動を前向きに検討していただけますと幸いです。

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