- 市場価値の高いエンジニアを決める要素
- エンジニアが自分の市場価値を把握した方がいい理由
- エンジニアとして市場価値を高める方法
- 市場価値が高くなりやすい職種の具体例
- エンジニアが市場価値を高める際の注意点やポイント
- エンジニアの市場価値に関するよくある質問
- まとめ
市場価値の高いエンジニアを決める要素
市場価値の高いエンジニアを決める要素は複数あります。一般的には、以下のような要素が挙げられるでしょう。
| 要素 | 理由 |
|---|---|
| 技術力が高い | エンジニアのメイン業務は開発なので、 技術力は最重要と言えるでしょう。 |
| コミュニケーション 能力が高い |
エンジニアはチームで開発を進めていくので、 チームやクライアントと適切に コミュニケーションを取る必要があります。 |
| キャリアビジョン が明確 |
キャリアビジョンが明確なエンジニアは 今後成長する可能性が高いため、 成長性も含めて市場価値が高いと言えます。 |
| 経験が豊富 | 経験が豊富なエンジニアは実務で 活躍できる可能性が高いでしょう。 |
| ストレス耐性が 高い |
大変なプロジェクトもあるので、 乗り越えられるストレス耐性の高い エンジニアの方が需要があります。 |
| マネジメント力 が高い |
エンジニアとして一定の経験を 積んだ後マネジメント業務を 担当する場合が多いので、 マネジメント力は評価されます。 |
エンジニアとして市場価値を高めたい場合、上記のような要素を意識的に身につけていくと良いです。
関連記事:独学による勉強でSE(システムエンジニア)を目指す方法
エンジニアが自分の市場価値を把握した方がいい理由
エンジニアが市場価値を高めたいと思ったら、まずは自分の現在の市場価値を把握してください。その理由は以下です。
自分の現在位置や適正年収を把握できる
自分の市場価値を把握することで、現在位置や適正年収を把握できます。現在位置や適正年収が現職と一致しているとは限らず、ギャップがあれば今後やるべきことが明確になりやすいでしょう。たとえば自身のスキルに対して年収が低いと判明した場合、転職することで年収が上がる可能性が高いです。今後のキャリアプランを考えるためにも、自分の現在位置や適正年収を把握してください。
目標とのギャップが分かる
エンジニアが自分の市場価値を把握すれば、目標とのギャップが分かります。ギャップは現在の自分と目標の距離のようなものだからです。たとえば技術力が足りない、マネジメント経験が足りない、などの状況が明確になるでしょう。自分の現在位置を把握したら、次に目標とのギャップを明確にしてください。
今後の行動が明確になる
自分の現在位置や目標とのギャップが分かれば、今後の行動も明確になるでしょう。目標に向かって、自分に足りない要素を満たしていく流れになるからです。たとえば技術力が足りないなら技術を勉強し、マネジメント経験が足りないなら現プロジェクトで積極的にマネジメントを担当するなどが挙げられます。現在の自分の位置、目標とのギャップから今後の行動を明確にしてください。
エンジニアとして市場価値を高める方法
エンジニアとして市場価値を高める方法には、以下のようなものがあります。
開発技術を高める
開発技術を高めることは、エンジニアとしての市場価値アップに直結しやすいでしょう。開発はエンジニアのメイン業務だからです。たとえばデータベース関連のスキルを高めたいのであれば、仮想環境を構築して普段からデータベースに触れ続けることや、データベーススペシャリストのような高難易度の資格を取得するのが有効です。書籍やネットでの情報収集も重要ですが、実際に手を動かしたり資格を取得したりすることでより実務で評価されるスキルが身につくでしょう。
関連記事:データベーススペシャリストの勉強方法!難易度やおすすめの参考書も紹介
先端技術に関与する
近年、ITシステムを活用している日本企業では「2025年の崖」という言葉が話題になっています。「2025年の崖」は経済産業省による「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~」で提示された課題で、「老朽化、ブラックボックス化が進むレガシーシステムを使い続けることで、競争力が落ち、経済的な損失が生ずるリスク」を指しています。
2025年を境に巨額の経済損失リスクが発生するとの試算が出ています。その額は最大12兆円/年とも言われており、レガシーシステムのマイグレーションや先端IT人材の育成といった対策の必要性が叫ばれているのです。
このような現状を考慮すると、「新旧の技術を繋ぐDX人材」が求められることは確実です。前述したように、古い技術とAIやビッグデータなどの新しい技術の両方を身につけ、「古い仕組みをリファインできる人材」を目指すことで、市場価値を高められるでしょう。
少し古いデータですが、経済産業省は2016年時点で15,000人以上の先端IT人材が不足していると公表しています。2020年には約48,000人近くの先端IT人材不足になると予想されていましたが、実際に人材不足は加速したと考えられるでしょう。2025年時点ではさらに人材不足は加速していると推測されます。
出典:経済産業省 商務情報政策局情報処理振興課「IT人材育成の状況等について」
関連記事:IT人材の不足 - システムエンジニアの人手不足はなぜ起こる?
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コミュニケーション能力を高める
コミュニケーション能力を高めることで、エンジニアとしての市場価値が高まります。コミュニケーション能力は業務上役立つことはもちろん、転職活動においても重要でしょう。自分のスキルや経験を適切にアピールすることで、良い待遇で転職できるからです。コミュニケーション能力は具体的な指標がないので判断が難しいですが、日ごろスキルアップを意識してコミュニケーションを取るのがおすすめです。
キャリアビジョンを明確にする
キャリアビジョンを明確にすることで、エンジニアとしての市場価値が高まります。今後の成長性に期待できるからです。たとえば、最短ルートでプロジェクトマネージャーになりたいという目標を持っている人材は、企業にとって採用メリットが大きいでしょう。プロジェクト内でマネジメント経験を積極的に積んでくれる可能性が高いからです。キャリアビジョンを明確にし、転職活動時にはアピールしてください。
ポータブルスキルを身につける
ポータブルスキルとは、業種や職種問わず幅広く役立つスキルのことです。具体的には、以下が挙げられます。
-
・思考力
・プレゼンスキル
・コミュニケーションスキル
・問題解決力
・交渉力
どれも抽象的なスキルなのでイメージしにくい部分はありますが、要するにマルチに対応できる人材になるべきということです。ポータブルスキルがあれば、プロジェクト内で与えられた役割の幅が広い場合や、トラブル続きのプロジェクトに参画したような場合でも適切に対応できるでしょう。
今の時代は変化が激しく、なおかつ多様化しています。またAIの台頭などによって、人間の仕事が変わりつつあります。IT業界は特にこのような時代の変化の影響を受けやすいです。ポータブルスキルを身につけて、臨機応変に動く必要があります。
ユーザー目線を持っている
ユーザー目線を持っているエンジニアの市場価値は高く評価されやすいです。エンジニアが開発するシステムも一種のサービスなので、ユーザーに求められてこそ価値があります。そのことをよく理解したうえで、ユーザーにとって価値のあるシステムを提供できるエンジニアを企業は求めているということです。業務や勉強の際も、ユーザー目線を意識してください。
相手に合わせたコミュニケーションができる
相手に合わせたコミュニケーションができることで、エンジニアの市場価値は高まります。特に相手の技術レベルに合わせて説明する能力などは重要と言えるでしょう。たとえばエンジニア以外の職種の人には専門用語は排して噛み砕いて説明し、逆に相手がエンジニアの場合は専門分野に合わせて無駄な説明を省略することなどが挙げられます。コミュニケーションスキルを身につける際は、ぜひ相手に合わせるという点も重視してください。
柔軟な対応ができる
市場価値の高いエンジニアになるためには、柔軟な対応も必要です。基本的にエンジニアの仕事は同じことの繰り返しではなく、状況に応じて適切に進めることが必須だからです。たとえば自分の1日のスケジュールを決めていても、クライアントから要望があればスケジュールを変更する必要があります。柔軟な対応でプロジェクトを円滑に進められる人材は、企業が欲しがる人材と言えます。
市場価値が高くなりやすい職種の具体例
今後、市場価値が高くなりやすいエンジニア職種を具体的に紹介します。いずれも、現在の需要や今後の技術の進展の予測から市場価値が高まることが想定できる職種です。
インフラエンジニア
インフラエンジニアは開発現場などのインフラ環境を構築・保守・運用するエンジニアです。インフラの範囲としては、土台となるサーバー、個々のパソコンなどの端末、ネットワークなどが含まれます。
今後もIT、デジタル技術の活用が続くため、そのための基盤のインフラにも引き続き高い需要があります。例えば、近年ではサーバーやネットワークの構築にクラウドを活用する機会が増えています。新たなインフラ技術を取り入れることができるインフラエンジニアは、市場価値が高まるでしょう。
関連記事:インフラエンジニアとは?仕事内容や年収、必要なスキルを解説
ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアは、ネットワークの構築・保守・運用を行うエンジニアです。ネットワークも今後も引き続き需要の存在する分野であり、クラウドや仮想化技術を取り入れられ続けるネットワークエンジニアは市場価値が高く評価されます。
ネットワークエンジニアはネットワークの土台にある物理サーバーや、サーバーがクラウド上にある場合はクラウドサーバーの構築にも携わります。周辺のインフラ分野に関するスキルも持つことで、さらに市場価値を高めることが可能です。
関連記事:ネットワークエンジニアとは?役割や仕事内容、未経験から目指す方法
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クラウドエンジニア
クラウドエンジニアとは、クラウドサービス上でのシステム設計、構築などを行うエンジニアです。インフラエンジニアの一種といえます。具体的には「AWS」「Google Cloud」「Microsoft Azure」などのクラウドサービスを用いて、サーバーやネットワークを含むインフラを構築します。
様々な企業が脱オンプレし、クラウドシフトを進めている状況下、クラウドエンジニアは市場価値が高まっているエンジニア職種の一つにあげられます。
関連記事:クラウドエンジニアの需要が高い理由を解説!将来性や年収も紹介
セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアはサーバー攻撃などから情報資産を守るエンジニアです。情報の機密性を守ることの重要性はIT業界だけでなく、どこの企業でも厳しく指摘されていることでしょう。システム上のセキュリティ確保に加え、企業や組織におけるセキュリティへの対応のための体制、ルール作りなども業務に含まれます。
セキュリティエンジニアはスキルが求められることはもちろん、責任も大きい立場であり、市場価値の高い人材となります。
関連記事:セキュリティエンジニアとは?仕事内容や必要なスキルを解説
データサイエンティスト
データサイエンティストはデータを分析して業務効率化などに結び付けるエンジニアです。近年ビッグデータへの注目度が高まり、DXの実現手段として活用する企業が増加しています。ビッグデータ自体は大量のデータを意味していますので、これを有効活用するための技術者がデータサイエンティストという関係になります。
より厳密にはデータをマーケティングに役立てるデータマーケター、データ分析に特化したデータアナリストなどの分類もありますが、広くデータを分析し業務に役立てるエンジニアとしてデータサイエンティストという職種があります。経営面にまで有用な提言ができるデータサイエンティストは市場でも高く評価されます。
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VRエンジニア
VRエンジニアとは、VRを活用した開発を行うエンジニアです。VRそのものの技術研究を行うエンジニアもVRエンジニアに含まれますが、VR技術自体は既存の技術とし、VRを活用して新たなサービスを作るエンジニアをVRエンジニアと呼ぶ場合が多いです。
VRはAIと同様に今後伸びていく可能性の高い技術分野です。そのため、VRエンジニアの需要も伸びていくことが予想され、市場価値も高いといえます。
関連記事:VRの将来性は?ARやMRとの違い、活用事例も解説
AIエンジニア
AIエンジニアは、AIの研究やAIを用いたソリューションの開発、AI活用のためのデータを用いた学習などを行うエンジニアです。代表的な活動分野としては、AIによる機械学習でのビッグデータ解析などがあげられます。
AIはエンジニアの世界だけでなく、いろいろな業界、消費者の間でも話題になっている技術です。今後ますます市場が拡大すると考えられます。市場の拡大は、AIエンジニアの需要も伸ばし市場価値を高める要素となります。
AIエンジニアには、機械学習、ディープラーニングなどの知識にくわえ、Python、Javaなどのプログラミングスキルも求められます。
関連記事:AIエンジニアとは?仕事内容やなるために必要なスキル、年収を解説
IoTエンジニア
IoTとは、様々なデバイスをインターネットに接続することで、新たな価値の提供やデータの収集によって別のメリットを生むIT技術です。例えば、家電へのIoT導入により、遠隔操作や見守りサービスを提供した事例などが有名です。
IoTの分野は今後も拡大していくと予測されるので、IoTエンジニアの需要も大きくなり、市場価値も高まるでしょう。ただし、IoTは独立した分野というよりは、組み込みエンジニアやWebエンジニア、データサイエンス領域などと関連している場合が多いです。つまり、これらのエンジニアが幅広いスキルを身につけた結果として存在します。
関連記事:IoTエンジニアは未経験から転職可能?年収や将来性は?
ブロックチェーンエンジニア
ブロックチェーンとは、ネットワーク接続された端末上に分散してデータをブロックとして格納し、その連続性を分散的に保持する仕組みです。分散してデータを保持しているため、改ざんに強いといったメリットを持ちます。ネットワーク上での取引の履歴の保持などで利用できるため、NFT、暗号資産、メタバースなどの分野で利用されています。
このブロックチェーンに関するスキルを持つエンジニアがブロックチェーンエンジニアです。比較的新しい分野であり技術者も少ない希少性が、高い市場価値に繋がっている職種です。
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テックリード
テックリードは「技術的な側面からチームをリード、もしくはサポートするリーダー」です。コード品質の担保やチーム全体の生産性向上、アーキテクチャや設計手法の選定など、主に技術面からチームを支えます。チームメンバー全体の技術的なメンターとも言えるため、深く広範な知識・スキルと、豊富な経験が求められる職種です。
技術的なスキルに加え、チームでの成果を引き出すための経験なども問われるため、テックリードとして活躍できるエンジニアは市場価値が高いです。
関連記事:テックリードとは?役割や仕事内容、必要なスキルについて解説
プロダクトマネージャー
プロダクトマネージャーは「テクノロジーを活用してプロダクトの価値創出をリードする人材」です。プロジェクトマネージャーと混同されがちですが、目的は明確に異なります。プロジェクトマネージャーは、「プロジェクトの完遂」を目的とする一方、プロダクトマネージャーは「プロダクトの開発が完了したあとも、顧客に価値を提供できるようアップデートを続けていく」ことを目的としています。
サブスクリプション型ビジネスの台頭により、ITサービスの長期かつ継続的な価値の提供が必須とされる状況下、プロダクトマネージャーは技術と顧客をつないで価値を創出し続けるための重要なポジションであるため、市場価値も高いです。
エンジニアが市場価値を高める際の注意点やポイント

エンジニアがスムーズに市場価値を高めるにはポイントや注意点があります。本章で詳しく見ていきましょう。
表面的な浅い理解だけにならないようにする
エンジニアが市場価値を高めるために勉強する際は、表面的な浅い理解だけにならないようにしてください。エンジニアが勉強する目的は、実戦で使うことだからです。たとえばAIの仕組みなどを学んだとしても、実際にコードを書いたり設計したりできるレベルにならなければ市場価値アップにはつながらないでしょう。そのためには、実際に手を動かして深く理解し、実践レベルまでスキルを高めることが重要です。
アウトプットを忘れない
学んだことをアウトプットすると、スキルアップや転職活動時のアピールに役立ちます。アウトプットすれば知識がより定着し、また形に残るのでポートフォリオにもなるからです。たとえば学んだことをQiitaやZenn、noteなどで発信すれば良いでしょう。発信する内容は、文章、コード、システムなどいろいろ組み合わせるのがおすすめです。
エンジニアの市場価値に関するよくある質問
エンジニアの市場価値に関するよくある質問として、以下が挙げられます。
Q1. エンジニアの市場価値とは何ですか?
ITエンジニアの市場価値とは、自身のもつスキルや経験に対し、どれだけの報酬の仕事が適しているかという一つの基準です。有用なスキルや経験が評価されるのはもちろん、トレンドにあったスキルであること、スキルの希少性なども市場価値を決める要素となります。簡易的に市場価値を調べるには、年収診断ツールを利用してみるとよいでしょう。
年収診断を始める
Q2. エンジニアの市場価値を高めるスキルは何ですか?
下記のスキル習得、向上はエンジニアとしての市場価値を高めることにつながります。
-
・複数の強みを持つ・ポータブルスキルを身につける
・マネジメントスキルを研鑽する
・先端技術に関与する
・資格を取得する
Q3. エンジニアの年収相場はいくらですか?
レバテックキャリアのデータから、複数のエンジニア職種の平均年収を紹介します。
-
フロントエンドエンジニア:5,061,026円
アプリケーションエンジニア:4,697,589円
サーバーサイドエンジニア:4,933,094円
サーバーエンジニア:4,692,750円
データベースエンジニア:5,045,313円
インフラエンジニア:4,761,442円
ネットワークエンジニア:4,644,723円
テストエンジニア:4,605,991円
まとめ
日本国内の企業では、IT企業・非IT企業に関わらず、ITエンジニアは常に不足しており、底堅い需要があります。さらに、今後も需要は高まっていくと予想されています。
その一方で、エンジニアはスキル・経験・職種によって市場価値が大きく変動する傾向にある職種です。年収・キャリアアップのためには、市場価値を意識した自己研鑽・転職活動を行うことが鍵となるでしょう。
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