エンジニアの最適な転職タイミングは?成功させるポイントも解説

最終更新日:2024年7月9日

IT業界は、人材不足が深刻な問題とされており、エンジニアの需要は高まり続けています。企業がより良い人材を得ようとする状況下で、年収アップやキャリアアップを目指して転職を考えるエンジニアも多いでしょう。

エンジニアは、プログラミング言語やインフラなどの技術がある程度共通しているため、転職してもこれまでの経験やスキルをそのまま活かせるというメリットがあります。本記事では、キャリア別の最適な転職タイミングや市場動向、転職の際のフローや転職を成功させるポイントについて解説します。

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この記事のまとめ

  • エンジニアの最適な転職タイミングはキャリアによって異なる
  • 転職のタイミングは、スキルの評価、キャリアゴールの設定、ワークライフバランスを考慮して決めることが重要
  • 5月〜6月および9月〜10月という求人が多い時期に転職活動するのもおすすめ

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エンジニアに適した転職のタイミング

エンジニアが転職する際、適切なタイミングや求められるスキル、役割はキャリアによって異なります。たとえば、入社して数年程度の駆け出しエンジニアであれば、求められるのは基本的なプログラミング言語やビジネススキルなどだけです。

しかし、ベテランの域になるとより深い専門知識やビジネススキルが求められるでしょう。エンジニアの転職では、こうしたスキル・経験をもとに、自身に最適な転職のタイミングを見つけることが大切です。

各キャリアステージでどのように転職を進めるべきか、詳しく解説します。

キャリアの早い段階での転職(〜5年目まで)

新卒から数年以内での転職では、技術スキルを磨き業界知識を広げておくことが重要です。具体的に求められるスキルは以下の通りです。転職はこれらに自信が持てたタイミングが適しているでしょう。

項目
プログラミング言語の習得 Java、Python、JavaScriptなどの需要の高い言語
ソフトウェア開発手法 アジャイルやスクラムの理解と実践
コミュニケーション能力 チーム内外との効果的なコミュニケーション
新しい技術への適応能力 新しい技術やツールに柔軟に対応できる力
ビジネス理解と問題意識 ビジネスの目標やニーズの理解と、それに応じた技術的な解決策の提供

技術面では、特定のプログラミング言語において高いレベルのスキルを持っていることが期待されます。また、企業はエンジニアが新しい技術やツールに柔軟に対応できる能力を求めるため、積極的に新しい技術に取り組む姿勢も重視されるでしょう。

中堅レベルでの転職(5年〜10年)

実務経験を得たエンジニアは、より高度なスキルやリーダーシップが求められます。具体的に求められるスキルは以下の通りです。

項目
高度なプログラミング技術 より複雑なシステムやアプリケーションの開発能力
プロジェクト管理能力 複数プロジェクトを同時に管理する能力
人材管理能力 チームを指導し、育成する能力

経験を積んだエンジニアは、指導力を発揮し、新人エンジニアの育成を行い、チーム全体の成長とパフォーマンス向上に貢献することが期待されるでしょう。

上級レベルでの転職(10年目以降)

深い専門知識を持ち広範な経験を積んだエンジニアは、中堅レベルよりもさらに高度な技術的課題の解決能力や戦略的な意思決定への関与が期待されます。具体的に求められるスキルは以下の通りです。

項目
専門的な知識 特定の技術分野における深い専門知識
戦略的思考力 事業の of 向性や技術戦略に影響を与えうる能力
幅広いビジネススキル 財務、マーケティング、オペレーションに関する知識

業界のトレンドやベストプラクティスに精通し、その知識を活かして企業やプロジェクトの技術戦略を支援する役割が求められます。また、企業やプロジェクトの技術的なビジョンを見据え、それを実現するための戦略を策定し、実行に移すことが期待されるでしょう。

転職時期の決め方

転職では前職の経験やスキルが重要視されるため、転職活動は、自分に十分なスキルが身についているか、ある程度経験が積めているかを理解することから始めます。キャリアの各段階で、以下のポイントを考慮した行動が重要です。

確認ポイント 内容
スキルの評価 自分のスキルが市場でどのように評価されるかを理解する
キャリアゴールの設定 長期的なキャリア目標を設定し、ステップを計画する
適切なタイミングでの行動 市場の需要や個人の状況を考慮して、転職活動を行う
ワークライフバランス 結婚や出産、介護などのライフイベントを考慮する

新しい挑戦や成長の機会を求める転職であれば、一定の経験を積んだ後の方が適切な場合があります。また、ライフイベントの前か後かで企業選定の方向性が変わってくるため、ライフイベントを考慮して転職時期を判断することも忘れないでおきましょう。

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エンジニアの転職・求人市場動向

エンジニアが転職のタイミングを決めるときは、転職市場における求人動向も確認しておくと良いでしょう。求人数が多い時期であれば、選択肢と転職できるチャンスが増えるからです。ここでは、2022年4月~2024年3月までの月ごとの求人状況と、需要が高いエンジニアの職種や分野について解説します。

エンジニアの求人数の推移

厚生労働省が公表している一般職業紹介状況を月別に見ると、2022年4月~2024年3月の情報通信業と情報サービス業の求人数を足した数は以下の通りです。

2022
年4月
5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 2023
年1月
2月 3月
37,524 37,634 42,141 38,813 39,466 40,626 42,479 40,050 41,509 39,672 40,815 41,658
2023
年4月
5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 2024
年1月
2月 3月
40,153 39,364 41,854 40,888 40,098 38,194 43,105 41,097 38,274 41,652 42,582 39,360

求人数は6月、10月、翌年の3月に多くなる傾向があることが分かります。たとえば、2022年6月、2022年10月、2023年10月は42,000件を超える求人がありました。これは企業が新しいプロジェクトや拡大を計画する時期に当たるため、採用が増えたと想定されます。

一方で12月、8月、2月は求人が少なくなっています。これは、予算サイクルの終了や年末により活動が減速したことが原因と考えられるでしょう。

転職を考えているエンジニアや就職活動を検討しているエンジニアは、5月〜6月および9月〜10月という求人が多い時期に応募活動を行うことがおすすめです。逆に、12月や8月にはチャンスが少なくなることを理解した上で、転職時期の計画を立てると良いでしょう。

エンジニアの有効求人倍率

厚生労働省が公表している一般職業紹介状況を見ると、2024年3月時点での情報処理・通信技術者の有効求人倍率は1.59倍となっています。全職業だと1.17倍のため、IT系は売り手市場となっているのが分かります。

需要の高いエンジニアの職種

需要の高い職種への転職は、給与アップや新たなキャリアパスを築く大きなステップとなり得ます。たとえば以下の3つの職種です。

AIエンジニア

総務省の令和5年版情報通信白書によると、国内のAI市場は2022年に前年比35.5%増と拡大するとされており、今後も成長が予測されています。

AI技術を活用してビジネスを強化し、競争力を獲得したい企業ニーズの高まりに伴い、AIエンジニアの需要が高まっています。

クラウドエンジニア

総務省の令和5年版情報通信白書によると、国内のクラウドサービス市場は、2022年は前年比29.8%まで増加する見込みとされていました。

多くの企業がDXを進めており、クラウド技術はその中心的な要素です。企業はオンプレミスからクラウドへ移行し、柔軟性や拡張性の向上、コスト削減などのメリットを享受しようと取り組んでいます。そのため、クラウドサービスを利用して業務を円滑に行うためのインフラ設計を行うクラウドエンジニアの需要が高まっています。

セキュリティエンジニア

総務省の令和5年版情報通信白書によると、世界のサイバーセキュリティ市場は2022年には38.7%増加すると予測されていました。
近年ではサイバー攻撃やコンピューターウイルスなど、システムの安全を脅かす犯罪が増加しているため、企業やユーザーの情報資産を守るセキュリティ対策が重要視されています。

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エンジニアが転職する際のフロー

転職を成功させるためには物事を順序立てて進めることが必要です。抜け漏れがあると、転職活動がうまくいかなかったり入社後のミスマッチが起こりやすくなってしまうでしょう。転職活動期間を長引かせないためにも、転職する際の流れを把握しておくのがおすすめです。ここでは、具体的なフローを解説します。

スキルやキャリア、目標の明確化

まず長期的なキャリア目標を立て、必要となるスキルを明確にしましょう。目標を明確化することにより、自身の希望に沿った企業が見つかりやすくなります。目標を明確にしたら、必要な要素として以下の項目をリストアップします。

  • ・技術スキル

    ・ソフトスキル(コミュニケーション能力、マネジメント能力など)

    ・経験

    ・得意分野

長期的なキャリア目標を設定した後は、短期的な目標も設定します。長期的なキャリア目標に足りないスキルや経験を整理し、次に何を行うべきかを明確にするためです。

市場調査とターゲット企業の選定

需要の高い技術や業界のトレンドを把握し、自己のスキルが市場とどうマッチするか評価しましょう。その際、候補企業について以下の点も確認します。

  • ・自分の価値観と企業文化の一致度

    ・給与水準や待遇の良さ

    ・キャリアアップの機会の有無

IT業界では特に即戦力が求められる傾向にあります。企業側も人材確保が急務であり、求職者は歓迎すべき状況です。

しかし、お互いがスキルフィットだけを重視したばかりに、企業文化や社風のギャップが解消できず辞めざるを得ない状況になることもあります。企業文化を意識した視点も欠かせません。

また、給与水準や待遇(福利厚生)、キャリアアップの機会を含めて企業を選ぶことも大切です。給与や待遇が見合っていないと感じる場合は長期的に考えた時にリスクがあります。

従業員のスキルや希望を考慮したキャリアアップの場が提供されていない場合は、新しい技術やプロジェクトに挑戦する機会を得られず、スキルが停滞してしまうことがあります。そのような状況を避けるために、将来のビジョンや希望を伝えるようにしましょう。

転職活動を進める

応募する企業のニーズに合わせて履歴書や職務経歴書(ポートフォリオ)をカスタマイズします。特に5年目以降のエンジニアは、実際のプロジェクトや成果物などを提示して技術力や経験値をアピールできるようにしておきましょう。プロジェクトの規模、使用した技術、チーム内での役割、達成した成果を具体的に記述して差別化を図ります。

効果的に進めるにはエージェントを活用して転職活動をするのもおすすめです。面接のフィードバックや今後の改善点の提案、市場の変化に基づいた転職サポートをしてくれます。

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エンジニアの転職を成功させるポイント

転職を成功させるためには、流れを把握する以外にもポイントをおさえた活動を意識することも重要です。たとえば、適切ではないタイミングで転職活動をした場合、現職と転職活動の両立が難しく諦めてしまうことになりかねません。以下のポイントを理解しておくことで、より効率的な転職活動ができるでしょう。

転職する業界の市場調査を行う

業界のニーズを調査し、求められるスキルに合わせて準備しておくことが重要です。たとえば、近年はクラウドコンピューティング技術に関連する職種の需要が高まっています。クラウドエンジニアを目指す場合、クラウドに関する技術スキル以外にCI/CDのツールの習熟度も求められます。

転職に向けて学習計画を立てる際は、特定のプログラミング言語やフレームワークに関する求人が多いかどうかを調べておくことも重要です。たとえば、Web開発、データサイエンス、機械学習の分野では、Pythonは広く利用されているため有益といえます。

市場の動向を理解し、それに基づいたスキルの選定と学習計画の策定を行うことで、転職市場での競争力を高めることが可能です。

関連記事:クラウドエンジニアの需要が高い理由を解説!将来性や年収も紹介

スキルと経験のアピール

過去の経験や成果、スキルが新しい役割にどう活かせるかを明確に示しましょう。エンジニアの転職活動では、実際に動作するアプリケーションや技術ブログなどでのアウトプットを提示できると説得力が増します。

企業に対して自己啓発意欲が高いことを示すことができ、将来的な貢献度や成長ポテンシャルのアピールにつながります。

適切な転職タイミングの把握

転職市場の状況や、現職のプロジェクトサイクル、自身の生活状況に基づいた適切な転職タイミングを把握しておきましょう。

市場動向によると、IT業界では年度末の3月や5月から6月、プロジェクトが一区切りつく9月に求人が多くなる傾向があります。自身の現職のプロジェクトスケジュールとこれらの時期を比較し、転職がスムーズに行えるタイミングを見極めることが必要です。

コネクションの構築

社内だけでなく社外のコネクションを作っておくと幅広く情報収集ができます。エンジニアの採用手段としてリファラル採用を重視している企業も多く、人脈を通じてオファーを受けられる可能性もあります。セミナー、オンラインフォーラムを活用し関係を築きましょう。

また、業界の経験豊富なプロフェッショナルとして転職エージェントへ相談することも有効です。なかでも、レバテックキャリアはエンジニアとクリエイターのために設計されたサポート体制で転職希望者をサポートします。

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エンジニアの転職に向けた求人例

レバテックキャリアに掲載されている求人から、需要の高い職種の平均年収を算出しました。平均年収については、あくまで平均値であり、職種によっては上限と下限の幅が広い場合があります。

どのような求人例があるかも紹介するので、あわせてご確認ください。

職種 想定年収 平均年収 中央値
AIエンジニア 400~2,000万円 約780.1万円 約750万円
クラウドエンジニア 350~1,400万円 約638.5万円 約605万円
セキュリティエンジ
ニア
325~1,700万円 約750万円 約735万円

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AIエンジニアの求人例

AIエンジニアの求人例を紹介します。

【機械学習エンジニア】シニア募集/システムアーキテクト・保守運用業務等/リモート可/東証スタンダード市場上場

職種:機械学習エンジニア
年収:800万円〜1,500万円
平均残業時間:10~30時間
仕事内容:機械学習エンジニアとして、家賃保証業界に向けた機械学習システムの開発や保守・運用を担当。
データサイエンティストと協業したAIモデルの開発業務スキルを強化できます。

クラウドエンジニアの求人例

クラウドエンジニアの求人には以下のような例があります。

【クラウドエンジニア】自社製品導入時のインフラ業務及び各事業のクラウドソリューション

年収:400万円〜700万円
平均残業時間:10~30時間
仕事内容:クラウドエンジニアとして、大手企業向けECサイト構築パッケージソフトの製品導入時のインフラ業務を担当。
将来的には新規事業立ち上げメンバーとして参画することができます。

セキュリティエンジニアの求人例

セキュリティエンジニアの求人例です。

【セキュリティエンジニア】Web3やブロックチェーンのシステム開発/中長期計画の作成・遂行/フレックス制

年収:450万円〜774万円
平均残業時間:10~30時間
仕事内容:セキュリティエンジニアとして、Web3やブロックチェーンのセキュリティアーキテクチャの設計開発を担当。
セキュリティスキルを強化できます。

ITエンジニアの転職ならレバテックキャリア

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この記事の監修

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