- IT業界とは
- IT業界で活躍する職種と仕事内容
- 未経験者が転職しやすいIT業界の職種
- IT業界で活躍する職種に共通して求められるスキル・資質
- IT業界未経験者におすすめの資格
- IT業界の職種に転職する方法
- 外資系企業と国内IT企業の主な違い
- IT業界の将来性
- まとめ
IT業界とは
ITとは「Information Technology」つまり情報技術のことです。IT業界は情報技術を活用したサービスや商品を提供する業界と言えます。
しかしながら、一言でIT業界とは言っても、パソコンの物理的なハードウェア部分を取り扱う企業も、PCの中で動くソフトウェアを開発する企業も、スマートフォン向けのアプリを開発・提供している企業もその一部です。このように、提供しているサービスの種類は非常に幅広いものとなります。
本項では、IT業界の分類について紹介します。
IT業界の分類
IT業界は業務の内容によって、大きく5つに分類することができます。それぞれの業界について解説します。
情報処理サービス業界
情報処理サービス業界の企業は、主に情報システムの設計、開発、運用、保守を担い、システムインテグレーター(SIer)と呼ばれます。取り組む領域は幅広く、金融機関や公共交通機関のような社会インフラを担う大規模なシステムから、小売企業やメーカーなど事業会社の業務系システムまで、あらゆる業界の企業や官公庁がクライアントになります。また、ITシステム、アプリケーション、プログラムなどのソフトウェアからPC、サーバー、IoT向けデバイスなどのハードウェアまで顧客が必要とするものが提供対象となります。
基本的に規模の大きな仕事が多く、関連企業や下請け企業まで含めると関わる人数も非常に多い傾向にあります。クライアントの要件に沿ってシステムを設計・開発・運用・保守します。
近年はIoTやビッグデータの分野が注目されていることもあり、情報処理系サービスを提供する企業の求人や案件は増大しつつあります。システムインテグレーターは従来、システム開発に強みを持っていましたが、時代の変化に伴いデータサイエンティストなどデータ分析に関するサービスにも注力するようになりました。
システムインテグレーターに分類される日本の代表的な企業として、NTTデータや日本IBM、富士通、NECなどが挙げられます。
ソフトウェア業界
ITの仕事で多くの方がイメージするのがこのソフトウェア業界です。私たちが普段パソコンやスマートフォン上で使っている、さまざまなアプリケーションを設計・開発している業界です。
ソフトウェアとは、コンピューター上で実際に処理を行うプログラムのことを言います。大きく分けて、パソコンやスマートフォンなどのシステム全体を管理するオペレーティングシステム(OS)と呼ばれる基本ソフトウェアと、OS上で特定の作業を行うためのアプリケーションソフトウェアの2種類があります。
身近な例では、WindowsやMacOSがオペレーティングシステム、WordやExcelなどがアプリケーションソフトウェアに該当します。近年ではクラウド型のソフトウェアが主流となってきており、ブラウザ上で動作するSFA(営業支援)やCRM(顧客管理)などのソフトウェアが提供されています。
これらのソフトウェアを設計・開発するのがソフトウェア業界です。クライアントの多様なニーズに応えるべく、次々と新しいソフトウェアが開発されており、年々市場は拡大傾向にあります。
ハードウェア業界
現在ではIT関連技術が用いられる対象はパソコンに限らず、ゲーム機や家電、モバイル端末なども含まれます。これらのハードウェアを扱う業界をハードウェア業界といいます。
ハードウェアとは、ソフトウェアと相対するワードとして用いられ、ITの世界においては形のある機器のことを指します。具体的には、パソコン本体をはじめマウスやプリンター、サーバー、通信機器など、内部を構成する電子回路など幅広いハードウェアがあります。
この業界には、機器を製造する大手メーカーや関連企業が含まれます。前述の情報処理サービスを提供する大企業の多くは、ハードウェアの開発・販売まで手がけています。これらの企業が開発したハードウェア製品を制御するシステムを開発する技術者を、ハードウェア業界独特の職種として「組み込みエンジニア」と呼びます。近年では、IoTの発展に伴い、組み込みエンジニアの需要が高まってきています。
また、従来のサーバーは物理的に購入するものでしたが、現在ではクラウドサービスとして提供されるものが主流に変わってきています。代表的なクラウド型のサーバーサービスは、アマゾンが提供するAWSやGMOが提供するレンタルサーバーConoHaなどです。これらは、サブスクリプション型の課金体系で提供されており、物理的に購入しなくてもインターネットを通して利用することができます。このようにハードウェア業界のサービスは、必ずしも物理的な購入を必要としないものへとシフトしています。
Web・インターネット業界
インターネット業界は、ブロードバンドの普及により急速に発展してきた業界です。インターネット業界とは、インターネットを活用して様々なサービスを提供する企業で構成されています。BtoBと呼ばれる企業向けのサービス提供を行う企業と、BtoCと呼ばれる個人向けのサービスを提供する企業に大別されます。
BtoBサービスには、企業のコーポレートサイトやECサイトを提供するWeb制作企業や、ネットワーク構築を専門とする企業、クライアントの認知度向上や集客を支援するリスティング広告やSNS広告の運用を代行して行うインターネット広告代理企業があります。
BtoCのサービスには、ポータルサイトや動画配信サイトを運営する企業、SNSやチャット等のWebサービスを提供する企業、ECサイトを運営する企業などがあります。近年はインターネット技術の進歩に伴い、BtoCのWebサービスが増えています。
インターネット業界の代表的な職業としては、Webサイト制作を監督するWebディレクター、Webサイトのデザインやコーディングを行うWebデザイナー、インターネットを活用した広報活動や集客などを支援するWebマーケターなどがあります。もちろん、バックエンドの開発を行うプログラマーやシステムエンジニアなどの職種もあります。
関連記事:Web業界・インターネット業界の仕事とは?IT業界との違いなど
通信サービス業界
数あるIT業界の仕事のなかで、忘れてはならないのが通信サービス業界です。この業界が急成長したからこそ、今のIT業界の発展があると言えるでしょう。
通信サービス業界とは、音声・データ・情報をやりとりするための通信サービスを提供する業界です。通信事業者各社が提供する電話回線やインターネット回線が通信サービスの代表例です。
通信サービスは、インターネット接続サービスを提供するインターネットサービスプロバイダと固定電話を提供する固定通信、スマートフォンや携帯電話等の通信サービスを提供する移動体通信の3つに大別されます。
近年、インターネットサービスが爆発的に普及した背景として、特に通信サービス業界が高速インターネット回線を提供するようになったことと、スマートフォンの登場が挙げられます。通信サービス業界はIT化社会を根底から支えており、ビジネスにもプライベートにも必要不可欠な業界です。
IT業界で活躍する職種と仕事内容
IT業界における職種は多岐にわたります。主要な20の職種について、概要、仕事内容、必要となる主なスキルなどを解説します。
なお、各職種の平均年収はレバテックキャリア内の求人・転職情報からランダムに30件を抽出して算出しています。
プログラマー
プログラマーは、文字通りプログラム言語を記述してソフトウェアを作成する職種です。主な仕事内容は、詳細設計やプログラミング、単体テストなどです。
若手のうちはプログラミングと単体テストが中心ですが、経験を積むにつれて詳細設計などを任されるようになり、業務範囲が広がっていきます。
求められるスキル
プログラミングスキルやテスト技法に関する知識、ハードウェア、ネットワーク、サーバー、ソフトウェアなどの幅広いIT基礎知識が求められます。
平均年収
平均年収は429万円です。
システムエンジニア
システムエンジニアとは、主にシステムの設計をする職種です。プログラマーとして実務経験を3-5年程度経験した後にキャリアアップ先として目指したり、システムエンジニアとしての募集から就業する場合もあります。
主な仕事内容は、要件定義や基本設計、テスト設計、テストなどです。システム開発プロジェクトの推進がミッションとなります。所属企業によっては、プログラミングまで行うこともあります。
求められるスキル
ハードウェア、ネットワーク、サーバー、ソフトウェアなどの幅広いIT知識、設計スキルなどが求められます。プログラマーからキャリアアップして目指すことの多い職種であり、プログラミングスキルも有している方が業務で活躍しやすいです。また、リーダーとしてプログラマーを率いることもあるため、コミュニケーションスキルや進捗管理スキルなども求められます。
平均年収
平均年収は429万円です。
社内SE
社内SEは、企業のシステム部門などに所属し、業務システムやIT機器の導入や運用・管理、IT戦略の立案などを行う職種です。企業にもよりますが、システム開発はSIerに依頼し、社内SEはそのマネジメントとシステム運用、IT戦略のみを行う場合もあります。エンジニア経験者の中途採用が一般的です。
求められるスキル
前述したシステムエンジニアに求められるスキルに加えて、物流や販売管理、生産管理、会計などの所属企業の業務に関する業務知識、ベンダーマネジメントスキルなどが必要です。特に、社内SEはIT知識とシステムを用いて社内業務の効率化や改善などの役割を担うことが多いため、何かしらの業務知識を持っていると高い評価を得やすいでしょう。
平均年収
平均年収は503万円です。
インフラエンジニア
インフラとは「インフラストラクチャ」のことであり、IT業界ではサーバーやクラウド、ストレージ、ネットワークなどのIT基盤のことを指します。インフラエンジニアが扱う範囲は、これらのハードウェアやOSなどのインフラが中心です。近年ではインフラの一つとしてクラウドサービスの活用も担当することが増えています。
主な仕事内容は、サーバーやクラウド、ストレージ、ネットワークなどのハードウェア構成の設計、パラメーター設定による環境構築や運用、その上のレイヤーになるOSのインストールやパラメーター設定による環境構築や運用・保守などです。
求められるスキル
インフラエンジニアには、サーバーやクラウド、ストレージ、ネットワーク、OSなどの知識と、これらを扱うスキル(設計や構築、設定変更スキル)が求められます。昨今では仮想化技術の進歩によりサーバーの仮想化が一般的となってきており、仮想化の知識とスキルも必要です。
平均年収
平均年収は546万円です。
ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアはコンピュータネットワークの設計・構築・保守運用が主な仕事です。
ネットワーク設計では、クライアントと合意した内容にしたがってネットワークの要件定義、設計、機器パラメータの定義、コンフィグ、テスト資料などを作成します。次の構築では、物理的なネットワーク機器の配置(ラッキング)、機器間のケーブル接続を行い、ネットワーク機器へコンフィグを反映させたうえで、動作確認やテストなどを行います。運用保守では、障害発生時のネットワーク機器交換や、トラフィック状況に応じた設定変更などを行うことが多いでしょう。
ネットワークエンジニアに適している人は「俯瞰が得意な人」です。技術的な知識・スキルを駆使しながら、常に頭の中でネットワーク全体を俯瞰し、必要に応じて細分化・具体化する思考が役立ちます。
求められるスキル
ネットワークの基礎知識である「TCP/IP」や、論理設計・物理設計などの設計スキルは必ず抑えておくべきでしょう。論理設計はネットワークの論理的な接続状態を、物理設計はネットワーク機器(ルータやスイッチなど)とサーバーの接続を決定する工程です。
また、今後はクラウドベースのシステムも増えるため、ネットワーク仮想化に関する知見も必要になっていきます。
平均年収
平均年収は609万円です。
サーバーエンジニア
サーバーエンジニアの主な仕事はITインフラの一つであるサーバーの設計と構築および運用・保守です。
設計・構築では、ハードウェアの選定、各種サーバー(webサーバー、ファイルサーバー、メールサーバーなど)の構成、各サーバーの構築を行います。また、サーバーの性能、電源容量、回線速度などを考慮しながらサーバー構成を決定する「キャパシティプランニング」も重要な仕事のひとつです。また、クラウドサービスをインフラとして利用する機会が増えており、ハードウェアの代わりにクラウドサービスの選定を行うシーンも増えています。
運用保守では、「ストレージ内のデータ容量やCPU使用率、トラフィック量などの監視と管理」「ネットワーク負荷分散」「バックアップとセキュリティチェック」「障害対応および原因調査」などが主な業務となります。
サーバーエンジニアは、ITエンジニアの中でも最も「正確さ」が求められる職種かもしれません。ユーザーの目に触れない部分を担う縁の下の力持ちといって良い存在である一方、ITシステムの土台部分を担うため、障害や不具合の影響範囲が大きいからです。
求められるスキル
サーバーエンジニアは、ハードウェアとOSの知識が最も重要です。CPU、ストレージ、マザーボード、ライザーカード、NIC、RAID構成の意味など、主要なパーツの役割は理解しておくべきでしょう。
また、Windows ServerやLinux系ディストリビューションなどのOSに関する知識も必要です。仮想化技術に関する知識とスキルも必須となります。その他、「メジャーな監視ツールの知識」「コマンド操作スキル」「スクリプト言語を用いたシェルスクリプトのコーディングスキル」なども必須と言えます。
平均年収
平均年収は467万円です。
サーバーサイドエンジニア
サーバーサイドエンジニアはWebサイトやアプリケーションにおいて、ユーザーの目に触れない部分(サーバー内の処理など)の実装を担当する職種です。主に、「サーバー内処理の実装」「APIの実装」「パフォーマンスチューニング」などを担当します。サーバー内処理の実装では、ログイン・検索・データ抽出・アウトプットといったサーバー内部で行われる処理を設計し、コーディングによって実装していきます。
また、API実装は、フロントエンドとの連携に必要な作業です。フロントエンド側とのデータ連携仕様(どのデータをどういった形式で、どのタイミングで渡すか)を決めるために、フロントエンドエンジニアと協議しながら作業を進めていきます。
さらに、表示速度の遅さや動作の重さを改善するためのDB高速化チューニング、ファイアウォールの設置・設定・セキュリティパッチの適用、アカウントID・パスワード管理といったセキュリティ対策を担当することもあります。
フロントエンドエンジニアに比べると、サーバーサイドエンジニアには地道さや確実さ、精密さが求められる傾向にあります。
求められるスキル
プログラミング言語・DB操作・サーバーOSの知識やスキルが必要です。プログラミング言語はJava、C、C++、Perl、PHP、Ruby、Pythonなどが有望でしょう。また、DB操作について汎用的なスキルを高めるために、SQLのスキルも習得しておきましょう。さらに、Windows ServerやLinux(派生ディストリビューション含む)の基本的な仕様や、バックアップ、アップデート、ログ取得などを効率化するためのシェルスクリプトのコーディングスキルなどもあると即戦力と見なされます。
平均年収
平均年収は630万円です。
フロントエンドエンジニア
フロントエンドエンジニアはWebサイトやアプリケーションにおいて、ユーザーの目に直接触れる部分(ログイン画面やアプリケーションのUIなど)を実装する職種です。Webサイトやアプリケーション開発において「ユーザーが直接触れる、もしくは目にする部分」の開発を行います。
スマートフォンアプリならば、端末にインストールされるアプリケーション本体を開発し、Webサービスならばブラウザに表示される動的な処理の部分を担当します。具体的には、「UIの設計、開発」「API連携処理の実装」などが主な仕事です。
必要とされるスキルはマークアップエンジニアと似ています。ただし、プログラミング言語のスキルなど技術の比重が高いため、技術への興味関心が強い人材に適しています。
求められるスキル
フロントエンドエンジニアには、「ユーザー体験(UX)を向上させるUI設計のスキル」やプログラミングスキルが必須です。UI設計では、見た目の美しさや視認性など、ユーザーの使用感を向上させるような考え方が必要です。
また、WebサービスならばHTML・CSS・JavaScript、ネイティブアプリ開発(デバイスにインストールされるアプリの開発)ならば、JavaやObjective-C、Swiftなどの開発言語を扱えるようにしておきましょう。
平均年収
平均年収は683万円です。
組み込みエンジニアおよびIoTエンジニア
組み込みエンジニアは、産業用機器や家電・自動車・その他デジタルデバイスに対し、命令・処理機能をもったソフトウェアを実装する職種です。近年はIoTの一般化により「IoTエンジニア」という職種も台頭しています。
IoTエンジニアは、組み込みエンジニアの中でも、IoT化を主業務とするエンジニアの総称です。組み込みエンジニアとほぼ同じ職種として扱われることもあります。ただし、最先端のセンシング技術や並列処理、無線通信機能の実装、シングルボードコンピュータ上を用いた開発など、従来の組み込みエンジニアとは異なるスキルを求められることが特徴です。
組み込みエンジニア、IoTエンジニアともに、主な仕事は「組み込みソフトウェアの設計と実装」です。C言語やC++、Javaなどを用いながら、さまざまなデバイス内で動作するソフトウェアを設計し、コーディング(実装)します。組み込み開発は、「限られたリソースの中でどれだけ効率よく処理を行うか」が問われる分野です。また、小型IoTデバイスとクラウドシステムとの連携・通信に関する開発を任されることもあります。
求められるスキル
マイクロプロセッサや電子回路、RTOS(リアルタイムOS)、C言語やアセンブリ言語のスキルなどが必要です。代表的なRTOSとしては「ITRON」「VxWorks」などがあります。
また、IoTエンジニアの場合は、「Arduino」や「Raspberry Pi」など、シングルボードコンピュータの知識も身に着けておきたいところです。
平均年収
平均年収は600万円です。
機械学習エンジニア
機械学習エンジニアは、機械学習アルゴリズムの実装・運用・環境構築などを担当する職種です。また、ときには統計学を活用し、ビジネス課題の解決に向けた提言を行うなど、「データサイエンティスト」に近い仕事を担うこともあります。
「機械学習アルゴリズムの開発・実装」や「学習用データの準備」が主な業務です。PythonやRなどの言語を用いて、機械学習およびディープラーニングを用いるAIアルゴリズムの設計・開発を担います。また、学習に必要な固定データを準備しつつ、クラウドを用いて学習環境の整備(API開発や、データ集中・更新を自動化するためのバッチプログラム開発など)を行うこともあります。
機械学習の分野は技術の進歩が速いため、「技術に対する興味・関心」がある人材が適しているでしょう。また、統計学や数学の知識を多用するため、理系人材がやや有利です。
求められるスキル
Python、R、SQLなどのプログラミングスキルや、機械学習用ライブラリ・フレームワークの知識が必要です。よく使われるライブラリとしては、「TensorFlow」や「scikit-learn」などがあります。
また、統計学や数学の知識があれば、データサイエンティストへのキャリアチェンジも視野に入ってきます。
平均年収
平均年収は630万円です。
データサイエンティスト
データサイエンティストとは、膨大なデータを分析し、その結果をビジネスに活用する職種です。比較的新しい職種で、ビッグデータやAI活用などの高まりから近年注目され始めています。
仕事内容は、分析するデータを蓄積するデータ基盤の設計・構築、データ分析ツールの設計・構築、データの加工、分析、提案作業などです。既にデータ基盤やデータ分析ツールが導入されている場合は、分析および提案作業が主な仕事です。
求められるスキル
データサイエンティスト に求められるスキルは、データサイエンススキル、データエンジニアリングスキル、ビジネススキルに大別されます。
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・データサイエンススキル…分析目的に応じて、最適な分析手法を選択し分析するスキル
・データエンジニアリングスキル…必要なデータを蓄積・抽出・加工するスキル
・ビジネススキル…分析したデータをもとに、ビジネスの改善策を立案するスキル
データサイエンティストは比較的新しい職種のため、今後求められるスキルが変化していく可能性があります。データサイエンティスト協会が必要なスキルを定義していますので、随時確認すると良いでしょう。
平均年収
平均年収は699万円です。
マークアップエンジニア
主にWebページのデザインやレイアウトを実装・調整するエンジニアです。更新のしやすさ、見栄え、ユーザーの視認性などを考慮しながら、HTMLタグやスタイルシートなどを配置します。また、主要なブラウザ間で挙動や見え方が変わらないように、複数のブラウザを用いてUIの調整を行うこと、PCとスマホなど違うデバイスでもレイアウトが崩れないようにレスポンシブコーディングを行うことも求められます。
Webサイト内でも、テキストベースのページやコーポレートサイトなど「静的な部分」を担うことが多く、動的な部分はWebプログラマーやフロントエンドエンジニアの担当になることが多いです。
マークアップエンジニアに適した性質としては「デザインセンスがある人材」や「ユーザー目線を常にもつことができること」などが挙げられます。
求められるスキル
HTML・CSSの知識やコーディングスキルが必要です。また、デザインスキルやUI設計に関する知見が求められます。さらに、動的なWebサイトに携わる場合は、JavaScriptによるコーディングスキルが必要になるでしょう。
平均年収
平均年収は385万円です。
Webプロデューサー
WebプロデューサーはWebサイトの制作を統括する職種です。マーケティングやコンセプト設計から、Webサイト全体の企画立案を行い、Web制作プロジェクトを立ち上げて総責任者となります。
Web制作対象の企業のブランディングやマーケティング戦略を熟知して、顧客の希望とWebサイトの成果を最大限に実現することが求められます。また、プロジェクト全体の管理者として、人員、スケジュール、予算などをマネジメントする立場でもあります。
求められるスキル
Webプロデューサーには、Web制作によってビジネスに最大限の利益をもたらす経営戦略の立案スキルが求められます。Webサイトも含めたトータルでの成果が求められるため、幅広いビジネスへの知見が必要です。
また、Web制作プロジェクトの責任者でもあるため、Web制作のディレクションやマネジメントに対するスキルも必要となります。プロジェクトを成功に導けるようWeb制作プロジェクトにおける経験も求められます。
平均年収
平均年収は712万円です。
Webディレクター
WebプロデューサーはWebサイトの制作現場を牽引するポジションです。Webデザイナー、ライター、マークアップエンジニアなどのWeb制作チームを取りまとめ、Webサイトを完成させることがミッションとなります。
WebデザインやコーディングなどのWeb制作の実務がスムーズに進行するようプロジェクト上で発生する課題を解決し、プロジェクトの推進に貢献します。また、現場の管理も担当し、人員、コスト、スケジュール、品質などのマネジメントも行います。
求められるスキル
WebディレクターはWeb制作チームの実務を管理する立場にあるため、Webデザイン、コーディング、ライティングなどの業務内容に対する知見や実務経験が求められます。
また、顧客と制作チームの間に入って調整を行うコミュニケーションスキル、制作プロジェクトの人員、スケジュール、品質などを管理するマネジメントスキルも必要とされます。
平均年収
平均年収は593万円です。
Webデザイナー
Webデザイナーは、Webサイトの企画、デザイン、制作を行う職種です。HTMLによる静的な画面の作成、JavaScriptを用いた動的な画面の作成、Webサイト上で利用するアイコンやバナーなどの画像デザインなどを行います。
Web画面を作成する点ではフロントエンドエンジニアやマークアップエンジニアと仕事内容は共通していますが、Webアプリケーションのように機能の実装を行うことは基本的にありません。
求められるスキル
Webサイトの作成に必要となるWebコーディングスキル、デザインスキルは必須のスキルです。また、UI/UX設計スキルは、ユーザーに高い満足度や経験を与えるWebサイト作成が行えるようになるため評価の対象となるスキルです。
その他に、デザイナーの使用するIllustrator、Photoshopなどのデザインツールも業務で使用することがあり、ツールの使用スキルも求められます。
平均年収
平均年収は565万円です。
プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの責任者としてプロジェクト全体を総括する職種です。スケジュール管理やリソース管理、課題管理、品質管理、リスク管理などを統括して、プロジェクトを成功に導きます。
一般的なシステム開発プロジェクトでは、プロジェクトマネージャーの業務は顧客と仕様を策定するところから始まります。まず、顧客と対話しながら顧客の要求(機能や予算、スケジュールなど)を整理し、要求を達成するためのプロジェクト計画の立案とプロジェクトチームの編成を行います。そして、プロジェクトマネジメントスキルを用いて、納期・予算・品質を担保していきます。
求められるスキル
スケジュール管理、リソース管理、課題管理、品質管理、リスク管理、コミュニケーション管理などの幅広いプロジェクトマネジメントスキルが求められます。
また、プロジェクトの進捗によって、スケジュールや開発範囲の変更などを顧客と交渉することも多く、交渉スキルも求められるでしょう。さらに、プロジェクトチームの技術者と会話するために、幅広い技術知識も必要です。一般的には、プログラマーやシステムエンジニアなどの技術職を10年-15年程度経験した後にキャリアアップして目指す職種です。
平均年収
平均年収は664万円です。
プロジェクトリーダー
プロジェクトリーダーはシステム開発プロジェクト内のチームなどの単位の長となり、チームが責任をもって成果を出せるよう牽引するエンジニアのポジションです。複数人のエンジニアを束ね、チームの成果を責任範囲とします。
プロジェクトメンバーの業務進捗状況、負荷状況、技術的スキルなどを見極め、無事にプロジェクトを成功に導ける体制を作りと支援を行います。また、エンジニアとしての開発業務を兼任するケースも多く見られます。
求められるスキル
プロジェクトリーダーはプロジェクト内の開発チームなどで先頭に立って実務に取り組むポジションです。プロジェクトメンバーが仕事をしやすいように開発の手順や手法を確立できる開発スキル、システム開発手法への習熟、開発経験が求められます。
また、チームの管理者としてメンバーをマネジメントするスキルや、チーム内で発生した課題を解決してプロジェクトを推進する課題解決力も必要です。
平均年収
平均年収は650万円です。
セールスエンジニア
セールスエンジニアは営業職(セールス)と技術職(エンジニア)の特性を併せもつ職種です。業界によっては「プリセールス」と呼ぶこともあります。技術的なスキル・知識をベースとした営業職であり、顧客の課題に対して、技術的な側面から提案・支援などを行います。
自社製品やサービスの仕組み、仕様、メリットなどを解説しながら、顧客に対して自社製品・サービスの優位性を感じてもらえるようにプレゼンテーションを行います。また、顧客課題を解決するための、技術的な提案も大切な仕事のひとつです。さらに、製品・サービス導入までのプロセス(日程・工数など)提示や、開発・構築前の技術的なノウハウの提供・支援などを担当することもあります。
接客が得意であったり、会話が好きであったりとコミュニケーションに関する適性が重視されます。特に、知識やノウハウを製品・サービスを購入につなげるために「導線を意識した会話」ができると良いでしょう。
求められるスキル
「プレゼンテーションスキル」「設計スキル」「自社製品やサービス、その他先端技術に対する知見」が必要です。特に設計スキルは、顧客に対して複数の設計パターンを提示するために欠かせません。また、複数の設計案を提示するにあたり、自社製品・サービスやOSS(オープンソースソフトウェア)、国外の先進技術などを参考にすることもあるため、広く深い知識が求められるでしょう。
平均年収
平均年収は507万円です。
プリセールスエンジニア
名前は「セールスエンジニア」に似ていますが、業務範囲が異なります。
どちらも営業職をサポートするエンジニアであることは変わりませんが、プリセールスエンジニアは「プリ(pre:前の)」とあるように商談を締結するまでが業務の範囲です。商談締結までの専門職であるため、目標が技術的なものではなく契約数となることが多いです。
求められるスキル
商談を締結するための説明がメインの業務となるため、技術部分をわかりやすく伝えるためのスキルがセールスエンジニアよりも強く求められます。
プレゼンテーション時の説明や資料をわかりやすくする必要があり、自社商品の知識が豊富であることも必要です。
平均年収
平均年収は636万円です。
ITコンサルタント
ITコンサルタントは、ITを切り口とした提案で顧客の課題を解決していくコンサルタント職です。主な仕事内容はIT戦略の立案やIT部門の立ち上げなどです。課題や目的に応じて、経営層や各部門にヒアリングを行い、さまざまな角度から課題を分析した上で解決策を提案します。提案が採択された後は、プロジェクトマネージャーとして課題解決までプロジェクトチームを率いることもあります。
求められるスキル
IT知識の他、物流や会計、人事、経営戦略などの幅広い業務知識が求められます。
また、課題を分析して解決策を提案するため、ロジカルシンキングや分析スキル、提案スキルなども求められます。
平均年収
平均年収は932万円です。
未経験者が転職しやすいIT業界の職種
IT業界へ未経験から転職を検討する場合、自分にできるのか不安に思う人も多いのではないでしょうか。
ここでは未経験者が転職しやすい職種を紹介します。
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セールスエンジニア
IT業界では専門知識の習得やIT技術への関心が求められるものです。
その中では、セールスエンジニアは技術自体の知識よりもプレゼンテーションスキルやコミュニケーションスキルを重視する傾向がある職種のため、未経験からの転職がしやすい職種と言えます。接客や販売の経験を活かすことができ、未経験者にはしっかりと研修がある場合が多いです。
プログラマー
プログラマーは常に人手不足の職種です。そのため、経験者だけでなくポテンシャル採用で未経験者を採用し、社内で育成することを視野に入れている企業が多々あります。
全くプログラミングをしたことがない人に向けて、3~6ヶ月の長期間の研修期間を設けている企業もあります。
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IT業界で活躍する職種に共通して求められるスキル・資質
IT業界といっても幅が広く、本記事内でも多くの職種を紹介しています。それぞれの職種に専門的な領域があり、知識やスキルが求められるのですが、IT業界の職種に共通して必要となるスキル・資質というものもあります。
これらのスキルの多くは学習や反復的な訓練により身に着けることが可能です。IT業界で活躍するためには、これらのスキルを持っていなければならないのではなく、これから習得するものとして捉えてください。
求められるスキル
IT業界の様々な職種に共通して求められるスキルを紹介します。いずれも継続的に取り組み、スキル向上を図り続ける必要のあるスキルです。
コミュニケーションスキル
あらゆるIT業界の仕事は一人では完結しません。最低限ユーザが存在しており、多くの場合は共同作業者も存在します。相手の意図を汲んで求められるプロダクトを作ることがIT業界全般で求められる成果なのです。成果を出すためには顧客だけでなくエンジニアや経営陣など幅広くコミュニケーションを取る必要があります。
コミュニケーションが苦手と考えている場合には、成長余地のある分野と考え、ポジティブなものとして繰り返しコミュニケーションを取ってスキル向上を目指しましょう。
課題解決スキル
IT業界の仕事の多くは単純な繰り返しではなく、これまで存在しなかったシステム、アプリケーション、Webサイトなどのプロダクト・サービスを作り上げるものです。新たなものを作り上げるには、決まった道は無く多くの課題が発生することが普通です。発生する課題の一つ一つを解決することが仕事ともいえるため、技術知識や事例を知り、柔軟な発想を持って実現可能な方法を探る課題解決スキルが重要となります。
また、IT業においては顧客に提供するプロダクトやサービスは、物理的な形を持たないソフトウェアであることが多いでしょう。これらのソフトウェアは、何らかの課題を解決することにより価値が生まれるものです。プロダクトやサービスでできることを理解して適切に提案できることも、顧客の業務上の課題を解決するスキルといえます。
論理的思考力
IT業界の取り扱うITは情報を集めたもので、小さな論理の積み重ねで成り立っています。必然的に業務を効率的かつ高い品質で行おうとした場合には、理にかなった形でITを形にする必要があります。多くの原理、理論を知り、それを組み合わせて大きな仕組みを作るためには論理的思考力が欠かせません。
歓迎される資質
IT業界の仕事につく場合に歓迎される資質として、高い学習意欲を持つことが挙げられます。IT業界に限らず、あらゆる仕事において重要視される資質ですが、特にIT業界で歓迎される理由を説明します。
学習意欲
IT技術は日進月歩で進化しています。1年前の技術がすでに過去のものであることは少なくありません。最新の技術を用いることにより新たにできることが増え、そこに価値が発生します。高い価値を提供するには新たなことを学び続ける必要があるのです。
IT業界の仕事では、日々新しくなる技術を学習し、利用します。技術の習得はIT業界で働く間は続ける必要があるため、新技術の情報を積極的に探し、自発的に理解しようとできるひとが向いていると言えます。
学習意欲が高くない方の場合には、学習を行うことは自己の成長に向けた時間の投資と前向きにとらえて意識を変えていきましょう。
IT業界未経験者におすすめの資格
IT業界未経験の場合にも、一定以上のスキルを示すことができるため転職で有利になるのが資格の保有です。もちろん、資格を取得するための学習は自身のスキル向上にも繋がっていますので、IT業界での就業後にも役立つものとなります。
ITパスポート
ITパスポートは業務でのIT利用に向けたスキル保有を示す資格です。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)により運営され、経済産業省が認定する国家資格「情報技術者試験」の入門的なポジションにあたります。
IT業界でも最低限のITスキル、ITリテラシーの保有を示す資格として広く認知されています。ただし、エンジニア職種への就業に向けては、スキルをアピールできる程難易度は高くないため、さらに上位の情報技術者試験を取得するとよいでしょう。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験はIT技術者としてエントリレベルのスキルを示すことのできる資格試験です。IPAにより運営される情報技術者試験の一つで、ITエンジニアの登竜門とも言われています。
エントリレベルとは言え、ハードウェア、ソフトウェア、プログラミング、システム開発技法、プロジェクトマネジメント、IT戦略など試験範囲は幅広く、難易度は低くはありません。しかし、どのようなITエンジニア職種に向けても、技術者としてのベースが整っていることを示せるため、未経験からIT業界を目指す場合にはおすすめの資格です。
Python3エンジニア認定基礎試験
Python3エンジニア認定基礎試験は、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会によるPythonスキルを示せる資格試験です。上位の試験としてPython3エンジニア認定実践試験、Python3エンジニア認定データ分析試験などがあります。
Pythonは人気の高いプログラミング言語で、データサイエンスやAIなどの分野のプログラミングでも活用される言語として今後も需要が見込まれます。IT業界未経験者が最初のプログラミング言語にPythonを選択し、そのスキルを示すのに役立てられる資格です。
情報セキュリティマネジメント試験
情報セキュリティマネジメント試験はIPAが運営し、経済産業省が認定する国家資格「情報技術者試験」の中でも、平成28年から開始された比較的新しい資格です。IT活用上で欠かせない情報セキュリティに関するスキル、知識を問う内容となっています。
企業の中でも情報セキュリティマネジメントを行う立場の人に向けた資格試験で、ITパスポートからステップアップできる資格といえます。ITエンジニアとしての高いスキルを示す資格ではありませんが、IT業界のあらゆる分野でセキュリティに関する知見は役立ちます。
統計検定
統計検定は、一般財団法人統計質保証推進協会が実施し、日本統計学会が認定する統計に関する知識、活用能力を評価する資格試験です。統計検定4級から1級、他の専門分野に加え、データサイエンス基礎、データサイエンス発展、データサイエンスエキスパートの分野があります。
データサイエンスはIT業界でも注目を集める分野で、データの分析により新たな知見をもたらす技術です。その基礎には数学、統計学の分野があるため、統計検定はIT業界でデータサイエンス分野を目指す場合に有用となる資格となります。
データサイエンティスト検定
データサイエンティスト検定は、一般社団法人データサイエンティスト協会の実施するデータサイエンティスト向けの資格試験です。2023年2月15日時点では、アシスタントデータサイエンティスト(見習いレベル)のスキルを示せる「データサイエンティスト検定 リテラシーレベル」のみが提供されています。
データサイエンス、AIなどの分野での初学者向けの資格試験です。これらの分野で活躍を目指すIT業界未経験者でも取り組み易い資格試験といえます。
IT業界の職種に転職する方法
未経験からIT業界の職種へ転職するために有効な方法を紹介します。
まずはITスキルを身に着ける
IT業界の職種を目指す場合には、スキルの習得が必要となります。未経験者応募可能の求人も存在しますが、いずれ就職後にはITスキルの習得が必要となります。ITスキルを転職前に身に着けることで、転職活動時のアピールポイントにもなり、自分に適した職種を探すのにも役立ちます。
スクールやWeb上の学習サービス、書籍などを利用して、最低でも転職活動開始と同時にITスキルを身に着けることも始めましょう。本記事で紹介している資格の取得などを目標として学習してみるのも一つのプランです。
エージェントを活用する
未経験からIT業界への転職を目指す場合、職種が多く違いや適性などを理解するのが難しく感じるかもしれません。転職先の情報を求人情報だけで探すとアンマッチが発生する場合もありますので、迷う場合には転職エージェントを活用することがおすすめです。
IT業界での実績のある転職エージェントを利用することで、自分の希望する職種を明確化し、転職先を絞った活動が可能となります。また、エージェントはIT業界の企業について多くの情報を持っていますので、未経験者のサポートや教育体制が整った企業についても情報を得ることができます。
外資系企業と国内IT企業の主な違い
同じ業界のIT企業でも、外資系企業と国内IT企業では評価や教育制度などで大きく違いがあります。
外資系企業は能力主義による採用や評価体系を取っていることが多く、未経験からの転職の場合には外資系の企業はハードルが高いかもしれません。転職時の応募には保有スキルをはっきりと示すことが求められるため、未経験者には条件が合わないことが多いためです。
国内企業は一般的には能力主義と年功序列を組み合わせた評価制度を持っています。また、転職時の採用基準も会社によって差異はありますが、現状の能力だけでなくこれまでの業務経験や前の業界の業務知識なども評価に繋がります。求人などの情報でどのような人材を求めているかにも注目しておきましょう。
外資系企業では、企業内の公用語に英語が採用されているなどの外国語スキルが求められるケースが多いことも特色の一つです。グローバルに人材を集めているため、同僚にも外国籍の従業員がおり、コミュニケーションに向けた外国語スキルも必要となってきます。
IT業界の将来性
未経験からの転職を考えたときに気になるのが、IT業界の今後の将来性や需要です。本項では、IT業界の将来性について紹介します。
関連記事:IT業界は未経験から転職可能!転職しやすい職種・転職しにくい職種
IT業界では人材不足が続いている
IT業界では常に人材が不足しています。2018年の経済産業省「- IT 人材需給に関する調査 -調査報告書」によると、2030年にはIT人材は最大で79万人不足すると言われていました。業界の中にも様々な職種があり、その中でもエンジニアがもっとも不足が見込まれる職種です。
2023年の現時点でもIT人材の不足は続いています。ただし、企業も一定のスキルを持った人材を求めているため、なかなか人材のギャップが埋まらない点が問題となっています。
そのため、企業や国で対策がされており、企業では採用年齢の引き上げ、待遇を他社よりも良いものにするなどが行われています。政府は将来のIT業界の人材の確保のため、教育によるスキル底上げを目指し、2020年から小学校でのプログラミング教育が必修化されました。
AIやIoT、ビッグデータを扱う分野は特に将来性がある
IT業界の中でも特に「AI(人工知能)」「IoT」「ビッグデータ」を扱う分野が今後発展していると見られており、将来性は高いと考えられます。2023年時点でもこの分野の専門性のある人材は十分ではないため、経験を積むことができれば市場価値の高い人材になれる分野です。
まとめ
この記事では、IT業界の全容と職種ごとの主な仕事内容について解説してきました。IT業界はいくつかに分類することができますが、職種はどの業界もほとんど同じです。逆にいえば、ITエンジニアのスキルを持っていれ(本文)
ば活躍できる業界が多くあるとも言えます。
ITの仕事を検討している方は、まずはIT業界全体を俯瞰し、各分野の情報を集めることからはじめてみてはいかがでしょうか。