レバテックの登録者データをもとに、正社員&フリーランスIT人材の動向を徹底分析【2019年12月発表】ITエンジニア動向総まとめ-データで見るレバテック-

日々めまぐるしい進化を遂げるIT業界では、働く人々の属性も同様に変わっていきます。

ITエンジニア・Webクリエイター専門の転職エージェント&フリーランスエージェント「レバテック」では、2018年から2019年にかけて新規登録された求職者データをもとに、現在のITエンジニア動向を探るための調査を実施。レバテックキャリアの法人営業チームリーダー・見谷俊とレバレジーズ株式会社メディアシステム部部長・久松剛監修のもと、調査結果の分析と、現在の転職&フリーランス市場状況との関係性についても考察を行いました。

■調査概要
調査対象:「レバテック」の新規登録者のうち、特定のプログラミング技術を用いた実務経験がある人材の登録データ
調査期間:2018年1月1日~10月31日、2019年1月1日~10月31日
※フリーランス登録者数の伸び率のみ、2016年1月1日~2019年10月31日のデータを用いて算出

見谷 俊(みたに しゅん)
SIerからWeb系まで3年間で50社以上、約200名のITエンジニア転職支援の実績を持つ、レバテックキャリアの法人営業チームリーダー。転職者の入社後ギャップを防ぐため、定期的な企業訪問を通して、企業の雰囲気や社員の声などリアルな情報の収集・提供を心がけている。見谷俊の紹介ページはこちら

久松 剛(ひさまつ つよし)
博士(政策・メディア)。ITベンチャー企業でインフラ全般の責任者や新卒・中途採用担当などを経験した後、2018年5月にレバレジーズ株式会社入社。現在はメディアシステム部の部長として、新卒・中途採用、組織改善、キャリアアドバイザー教育など幅広い業務を担当している。

正社員ITエンジニアの人材動向

まずは、正社員として転職を希望しているITエンジニアの登録データから、現在の人材動向を考察します。

JavaをメインスキルとするITエンジニアが約42%。SI業界で引き続き高い需要

2019年現在、正社員として転職を希望する登録者のメインスキル(プログラミング言語)の割合は、Javaがトップで42.0%、次いでPHPが10.5%、C#・C#.NETが9.2%という結果になりました。

Javaをメインスキルとする登録者が圧倒的に多いのは、SIerにおけるJavaの採用率の高さが影響しています。総務省・経済産業省が発表している「平成30年情報通信業基本調査」(※)によると、受託開発ソフトウェア業における2017年度の売上高は8兆955億円(情報サービス業全体の約46%)となっており、前年度と比較しても好調に推移しています。

この巨大な市場を支えるシステム開発に多く用いられているのがJavaであり、市場規模の大きさに比例して、Javaを扱う人材の割合も高く保たれているといえます。

SIerでは新入社員向けの研修でもJavaを扱うことが多く、金融や官公庁を対象にした大規模案件であってもメンバーを募集しやすい、品質も比較的担保しやすいといった理由から、現在も根強い人気を誇っています。

※出典:総務省・経済産業省「平成30年情報通信業基本調査」

AI技術の発展等でC#・C#.NET人材の割合が拡大。JavaScriptやPythonは活用の幅が広がる

一方、2018年の割合を起点に、各プログラミング言語割合の増減を比較してみると、C#・C#.NET、C言語、Javascriptの順にシェアを伸ばしていることがわかりました。

最もシェアを拡大させたC#・C#.NETは、昨対比で1.65ポイントの上昇となりました。近年、画像認識などに代表されるAI技術開発が活発に行われていることや、SaaSをはじめとしたクラウドサービス開発でもC#が採用されやすいことから、C#をメインスキルとする人材の割合も高まったことが予想されます。

また、C言語の伸びは大手メーカーが実施した大規模なリストラによる人材流出の影響に加え、ドローンやロボットなど組み込み開発での需要拡大、スピード感のある開発や新しい技術に触れられる環境を求めてベンチャー企業への転職希望が増加しているなど、複合的な要因が考えられます。

JavaScriptについては、Web開発案件数の増加によってフロントエンド技術の需要が高まったことが一番の要因といえます。さらに、スマートフォンアプリ開発でもJavaScriptが採用される場面が増えたこと、PWAが一般化していること、Node.jsを用いたサーバーサイド開発がトレンドになりつつあることなど、JavaScript活用の幅が広がったことも人材の割合に影響を与えているでしょう。

その他、Pythonは機械学習を取り入れる企業の増加や、Djangoを用いたサーバーサイド開発が徐々に増えてきたことから、人材の割合も拡大傾向にあります。ここ数年は、自然言語処理との親和性の高さやプログラミング言語の世界的なトレンドを加味して、サーバーサイドを他言語からPythonに移行する企業も出てきています。

市場全体としては縮小傾向にあるCOBOLの登録者割合がやや拡大しているのは、「オープン系の開発に携わりたい」といった理由から、他言語へのスキルチェンジを希望する人材が転職活動を行った結果といえます。

登録者の50%以上が20代。第二新卒世代の転職活動がますます活発に

2019年における登録者の年齢層は、20代が全体の54.0%を占める結果となりました。特に、20~24歳は昨対比で6.4ポイント上昇しており、第二新卒世代の転職活動が活発であることが見てとれます。ITエンジニアの売り手市場が続いている現在は、新卒入社1年前後で転職することも珍しくなく、入社後ギャップを早期に解決するために転職を視野に入れる人が多いようです。

最近ではSNSやリファラル採用で転職するITエンジニアも増えてきていますが、はじめての転職活動では転職エージェントなどの紹介会社を利用する傾向にあります。こういった傾向も、若年層の登録者割合を拡大させる一因となっているでしょう。

男性比率が引き続き高いものの、女性ITエンジニアの割合も徐々に拡大

男女比については、2018年は男性88.3%、女性11.7%だったのに対し、2019年は男性85.5%、女性14.5%と女性の占める割合がやや拡大しました。

近年はITエンジニア=男性が就く職種、といった職業イメージが徐々に和らいできており、新卒でITエンジニアとして就職する女性も増えてきています。20代の若手求職者の割合が拡大していることからも、新卒入社して数年の経験を積んだ女性ITエンジニアが、徐々に転職市場に姿を現し始めているといえそうです。

転職理由のトップは「キャリアアップ」。収入や労働条件への不満は縮小傾向

2019年における転職理由のトップは「キャリアアップ」35.2%、次いで「仕事内容への不満」27.3%、「労働条件が悪い」11.5%という結果になりました。

「キャリアアップ」と「仕事内容への不満」が全体の62.5%を占めますが、ここ数年の求職者との転職カウンセリングをふりかえってみると、これらを転職理由とする背景には「自身の市場価値に対する強い意識」があることがわかってきました。現代はSNSなどで他者の活躍や評価が見えやすいことから、「現職より自分を評価してくれる企業があるのではないか」、「現職に留まっていては成長できないのではないか」といった期待や不安を抱えている求職者が多いのです。

また、特に20代の若手ITエンジニアは「時間をかけたことに対して、どれだけの経験ができるか」というタイムパフォーマンス志向の傾向があります。副業や複業を望む人に対して、就業時間外で他部門の業務を請け負い報酬を得る「社内副業」を許可する企業も出始めています。

以前は「残業をしてでも自分の専門性を深めたい」と考える自己成長志向の人や、かけた時間に対してリターンを得たいコストパフォーマンス志向の人が多く見られましたが、こういった志向性の変化もまた「キャリアアップ」や「仕事内容への不満」の転職理由に内包されていると推測できます。

「収入が少ない」と「労働条件が悪い」も、それぞれ10%以上を占めていますが、昨対比ではやや縮小しています。労働条件を転職理由に挙げる人は、残業の多さが直接的な原因であることがほとんどですが、最近ではリモートワーク可能な求人を求めるなど、働き方に柔軟性がないことを理由に転職する人も出てきています。

転職活動で優先したいポイントは「スキルアップできる環境」かどうか

求職者が転職先選びで優先するのは「スキルアップできる環境」が55.1%ともっとも多く、昨対比でもやや上昇しています。

何を「スキルアップ」と捉えるかは求職者によって幅があり、転職理由の項目でも記載したように「幅広い経験ができること」を挙げる人もいれば、「マネジメント業務に携われること」や「フルスタックエンジニアとして活躍できること」を挙げる人もいます。

一方で、「収入のアップ」を重視する人の割合はやや縮小しています。これは、先述した「スキルアップできる環境」を求める人の増加=現在の専門スキル以外の業務を求める人の増加ともいえるため、即戦力になれない点で多少の年収ダウンは仕方ないと考える人が増えていると推測できます。転職カウンセリングの場でも、自身の専門外の業務を希望する人は、年収をあまり重視しない傾向にあります。

内定者一人当たりのエントリー数は、非内定者の約1.4倍

2019年にレバテックへ新規登録した求職者の求人エントリー数を比較したところ、内定者は非内定者の約1.4倍多くの求人にエントリーしていることがわかりました。

エントリー数が多い求職者ほど内定を獲得しやすいといえますが、その中でもSIerからWeb系など、業界変更を希望する求職者は内定獲得のハードルが高いことを理解しているため、結果的にエントリー数も多くなる傾向にあります。

また、エントリー数が多いほど面接の場数も多く踏むことができます。企業やキャリアアドバイザーからのフィードバックを受ける中で面接の質が向上し、転職活動の終盤で複数社から内定を獲得する求職者も珍しくありません。

フリーランスITエンジニアの人材動向

続いて、フリーランスとして案件受注を希望するITエンジニアの登録データから、フリーランスIT人材の動向を考察します。

フリーランス登録者数は、2016年の約2.4倍に増加

レバテックのフリーランス登録者数(フリーランス転向希望者を含む)は年々増加しており、2019年の登録者数は2016年の約2.4倍となる見込みです。

フリーランス登録者数の増加は、フリーランスで働くことへのハードルが下がってきていることの象徴ともいえます。世の中で徐々にフリーランスが身近な存在になってきたこと、前述したタイムパフォーマンス志向の浸透や、フリーランス経験者によるSNSや動画共有サービスでの情報発信などが、フリーランス検討者の不安を和らげていると推測できます。

デジタルネイティブの登場でフリーランスの若年化が進む

正社員希望の登録者ほど顕著ではありませんが、フリーランスにおいても10代~20代の若手人材の登録割合が拡大しています。デジタルネイティブであるITエンジニア、特にAIの分野において大学等で体系的な教育を受けた若手の中には、実務経験年数は短くとも高いスキルを持っている場合もあり、フリーランスの若年化が進む一因となっています。

また、結婚・子育て・介護などライフスタイルの変化が起きやすい30代以降は、ローンが組みにくいなどフリーランス特有の問題を懸念する傾向にあるため、心理的にも20代の方がフリーランスにチャレンジしやすいといえます。

男女比については、2019年の割合が男性91.1%、女性8.9%と、正社員希望の登録者よりも男性比率が高い結果となりました。

フリーランス人材のメインスキルもJavaが約27%でトップ。PHPは昨対比で拡大

2019年における、フリーランスとして案件受注を希望する登録者のメインスキル(プログラミング言語)の割合は、Javaがトップで26.9%、次いでPHPが16.7%、C#・C#.NETが7.8%という結果になりました。

トップ3の言語は正社員版と同じですが、正社員希望の登録者ではJavaが全体の約42%を占めていたのに対し、フリーランス希望の登録者では約27%にとどまり、昨対比でも割合は縮小しています。

正社員とフリーランスでこのような差が出る理由としては、記事冒頭で述べたJavaの採用率が高いSIerは、正社員人材を求める傾向にあることが挙げられます。また、フリーランスの活用により積極的なのはWeb系企業であり、これらの企業はJava以外の言語で開発することが多い点も影響しているでしょう。

PHPの割合がやや拡大しているのは、そういったWeb系企業で経験を積んだ登録者が増えているためと推測できます。正社員からフリーランスに転向を希望する登録者も、Web系企業で自社サービス開発に従事していたITエンジニアが多い傾向にあります。

VB.NET人材の割合拡大は、スポット案件の発生で企業の需要とマッチ

昨対比で各プログラミング言語の割合の増減を見てみると、VB.NET、JavaScript、Pythonの順にシェアを伸ばしていることがわかりました。

正社員版の結果と異なる点としては、VB.NETの伸びが大きいことが挙げられます。正社員希望の登録者では昨対比-1.04ポイント減少したVB.NETが拡大しているのは、VB.NETは正社員求人よりもフリーランス向けのスポット案件が増えていることが要因として考えられます。

かつて、VB.NETは金融・保険・製造業などの業務システムや基盤システムの開発に多く用いられてきましたが、現在は同様のシステムの新規開発ではC#.NETが採用されることが多いため、正社員求人数は減少傾向にあります。しかし、既存システムの保守運用や追加機能開発でVB.NETの需要は続いているため、それらがフリーランス案件として発生します。

VB.NETのスキルを持つITエンジニアは、正社員求人よりもフリーランス案件の方が仕事を見つけやすい状況にあるため、このように登録者の割合にも違いが生まれていると推測できます。

また、Pythonの伸びは機械学習の技術発展に大きく影響を受けています。現時点で、企業はR&Dを目的に機械学習を取り入れ、高い専門性を持つフリーランス人材を高単価・週3日程度で迎え入れる傾向にあります。機械学習を専門とするITエンジニアもまた、同時に複数案件に携わることで幅広い分析対象を持ちたいと考える人が多いため、ハイスキルな機械学習エンジニアはフリーランスを選択するケースが増えてきています。

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レバテックでは、IT・Web業界のエンジニア&クリエイター専門の転職支援サービス「レバテックキャリア」や、フリーランス案件提案サービス「レバテックフリーランス」を運営しています。

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