世界と日本における市場需要や言語の特徴、他言語との比較から読み解くPythonエンジニアの将来性は?JavaやRubyとの需要も比較

最終更新日:2020年7月3日

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Pythonは今、世界で最も人気の高いプログラミング言語の一つです。日本においてもその需要は年々高まっており、これからプログラミングを学び始める人はもちろん、他言語を扱う現役エンジニアも新たに勉強しておいて損はない言語といえるでしょう。

一方で、日本ではJavaやPHP、Rubyなどが多くの開発に用いられているのも事実です。この記事は、Pythonの世界と日本市場における需要、言語としての特徴、他言語との比較の3つの観点から、これからの日本におけるPythonエンジニアの将来性と優位性について解説します。

1. 市場需要から見るPythonの将来性

Pythonは世界市場で高い人気を博しており、近年では日本市場においても脚光を浴びつつあります。近年のプログラミング言語に関する各ランキングデータを見ても、国内外ともに市場需要が高く、将来性のある言語といえます。

世界で最も成長している言語

開発者向けのナレッジ共有サイトStack Overflowが世界中の開発者約9万人を対象に行った「開発者調査2019」(※1)によると、Pythonは2年連続で「世界でもっとも急速に成長している言語」に選ばれています。「世界で最も学びたい言語」ランキングでは3年連続で1位を獲得し、「愛されている言語」ランキングでも2017年の6位から2位に上昇しました。

また、TIOBEが2020年5月に発表した月間プログラム言語人気ランキング「TIOBE Index」(※2)では、Pythonの順位は2019年の同時期より1位上昇し、Java、Cに次いで3位に位置しています。上位の2言語はともにコンパイル型言語であることから、手軽に使えるインタプリタ型言語においては世界で最も愛されているといえるでしょう。

さらに、Githubが発表した調査レポート「The State of the Octoverse 2019」(※3)でも、Pythonは最も利用されている言語ランキングで2位を獲得しています。実際、Pythonは国際的な大手企業がシステムに導入していることでも有名で、Microsoft、Apple、Google、ヤフー、Dropboxなどの有名企業で採用されています。

Googleにおける言語チュートリアルの検索回数を分析・ランキング化する「PYPL(PopularitY of Programming Language)」(※4)の2020年5月発表では、「Python」の検索回数が最も多く、去年に引き続き1位の座をキープしています。

これらの調査結果から、Pythonは世界中の開発者に利用されており、世間からの関心度も高い言語であることが証明されています。

世界的にみたPythonエンジニアの平均年収

前出のStack Overflowの調査結果(※1)によると、2019年の世界市場におけるPythonエンジニアの平均収入は6.3万ドル(2020年5月27日現在の為替レートで日本円に換算すると約677万円)で、給与ランキングでは12位にとどまっています。

ただし、同じく利用者数の多いJava、JavaScript、C#より上位に位置しており、比較的高い収入を獲得しやすい言語といえます。さらに、2017年~2019年の同調査では、Pythonエンジニアの平均年収は3年連続で増加しており(2017年5.3万ドル→2018年5.6万ドル)、順位も上昇しているため(2017年16位→2019年12位)、今後更なる年収アップが期待できるでしょう。

参考
※1 Stack Overflow「Developer Survey Results2019」(2020年5月26日アクセス)
※2 TIOBE「TIOBE Index for May 2020」(2020年5月27日アクセス)
※3 Github「The State of the Octoverse 2019」(2020年5月26日アクセス)
※4 「PYPL(PopularitY of Programming Language)」(2020年5月26日アクセス)

日本市場でも大きく期待されている

日本国内でも、海外の優秀なエンジニアを採用することを目的に、Pythonをメイン言語として開発に採用する会社やサービスが引き続き増加傾向にあります。今後もさらなる人気の向上が見込まれる言語であることは間違いないでしょう。

レバテックキャリアが2019年6月に発表した「プログラミング言語別の求人ランキング」(※5)では、Pythonの求人割合は前年比2.3ポイント上昇しています。これは2017年の調査開始以来同言語が見せた最大の伸び率となっており、Javaに次いで2番目に高い増加率を示しています。

さらに、2020年春、IPA(情報処理推進機構)が運営する国家試験「基本情報技術者試験」では、出題するプログラミング言語でCOBOLを廃止し、Pythonを追加しました。

Pythonを追加した理由については、適用範囲の拡大と利用の増加、機械学習やディープラーニングに関わる主要なOSSでの採用の広がりなどと説明しており、Pythonへの需要の高まりが見てとれます。

※5 レバテックキャリア「プログラミング言語別の求人ランキング【2019年6月発表】」(2020年5月26日アクセス)

日本市場のPythonエンジニアの平均年収

「日経 xTECH」が2019年11月に発表した「開発言語別技術者年収ランキング」(※6)によると、日本国内におけるPythonエンジニアの平均年収は608万円と報告されており、R、VBAに次いで6位にランクインしています。

また、レバテックキャリアを利用して転職を成功させたPythonエンジニアの年収レンジは400~850万円となっており、その他の言語の年収レンジと比べると、Pythonエンジニアの年収は比較的高めであることがわかります。
 

  • ・Pythonエンジニアの年収帯:400~850万円

    ・Javaエンジニアの年収帯:300~700万円

    ・Rubyエンジニアの年収帯:300~650万円

    ・C#エンジニアの年収帯:350~650万円
     

年収が高いひとつの理由としては、拡大し続ける人材の需要に対して供給が足りておらず、Pythonエンジニアの希少価値が高まっていることが挙げられます。後述しますが、人工知能や機械学習の研究・実用化、さらにデータサイエンス分野にもPythonは必要不可欠な言語であり、そういった最新技術のスキルを持つ人は単価が上がりやすい傾向があります。

※6 日経xTECH発表「開発言語別技術者年収ランキング」(2020年5月26日アクセス)
関連記事:Pythonエンジニアの年収が高い理由

2.  言語の特徴から見るPythonの将来性

世界中で高い人気を博しているPythonですが、その快進撃を支えたのは、産業界からも大きく注目されている機械学習とデータサイエンス分野との相性の良さです。今後のさらなる発展が見込まれる両分野で活躍できるPythonエンジニアの将来性は明るいといえるでしょう。

Pythonは機械学習に強い言語

Python最大の特徴であり、その価値を不動のものとした要因として、機械学習に強い言語であることが挙げられます。

機械学習にPythonが選ばれたのには、主に2つの理由が挙げられます。

1つ目の理由は、シンプルな文法と可読性の高いコードにあります。Pythonのブロック構造はインデントを用いて定義されているため、コードスタイルを統一でき、他のエンジニアが書いたコードは他言語に比べて読みやすくなっています。

機械学習エンジニアはアルゴリズムの構築やデータセットの前処理など、コーディング以外の業務もこなす必要があるため、シンプルな文法で記述が可能なPythonはワークスタイルに適した言語といえるでしょう。

2つ目は、機械学習に強いライブラリーとフレームワークが充実している点です。機械学習と相性の良いライブラリーであるNumpyがエコシステムの核だったことや、Python側からの手厚いサポートがあるため、Pythonの周辺には一連の強力なライブラリが集まったといわれています。おかげで、Pythonは科学技術計算をする上で、非常に動的で高速なプログラミング言語となっています。

Pythonを用いた有名なプロジェクトとして、Googleがオープンソースで公開しているTensorFlowが挙げられます。このプロジェクトによって機械学習の敷居が大きく下がったといえるでしょう。

また、AWSのサーバレスアプリケーションである、LambdaでもPythonは採用されています。ここ数年で飛躍的に普及しているスマートスピーカー(AIスピーカー)との連携で、Lambdaは非常に相性がよく、Lambdaを利用することで効率的に開発を行うことが出来ます。

Pythonはデータサイエンスの分野で需要が高い

機械学習との相性のよさのみならず、Pythonの成長の背後には、急速に拡大しているデータサイエンスの専門家と愛好家のコミュニティがあります。彼らが利用しているツールやフレームワークには、Pythonを利用した多くのコアデータサイエンスパッケージが含まれています。

150カ国2万4000人以上の開発者を対象とした調査「Python Developers Survey 2019」(※7)によると、Pythonを主要言語としたユーザーにPythonの主要用途を尋ねたところ、約60%の人がデータ分析に使っていると回答しています。汎用性が高く、コンピューターサイエンスの複数分野にまたがって使用されているため、利用する企業も増えているといわれています。

※7 Python Software Foundation and JetBrains「Python Developers Survey 2019」(2020年5月26日アクセス)

3. Ruby、Javaとの比較で見るPythonの将来性





冒頭でも述べたように、日本国内ではJavaやPHP、Rubyなどの言語に依然として高い需要があります。レバテックキャリアが2019年に実施した調査でも、新規求人割合の上位3位はJava、PHP、Rubyが占めています(※5)。ここでは、これらの言語の中から、Pythonとの共通点の多いRubyと、国内市場では圧倒的に需要が高いJavaとの比較を通して、Pythonの将来性を解説します。
 

RubyはWebサービス開発には強いが、データサイエンスにやや弱い

Rubyは日本発のプログラミング言語であり、日本発祥の言語としては初めてIECで国際規格として認められました。現在は世界中に愛用者がおり、国内外で強く支持されている言語の一つです。

Pythonと同じスクリプト言語で、可読性や保守性に優れており、初心者にとっても学習しやすいのが特徴です。SNSや口コミ情報サービスなどのWebサービス開発に広く採用されており、私たちにとって身近なサービスの多くがRubyで開発されています。

また、フレームワークを使った短時間での開発が可能なため、開発サイクルが回りやすく、スピード重視のベンチャー企業やスタートアップ企業からも注目されています。

Rubyは、可読性の高さや習得ハードルの低さなど、Pythonとの共通点も多いですが、Pythonが強い機械学習やデータサイエンス領域における適性が低いとされています。

その理由としては、それらの領域に使われるライブラリーの欠如と言われています。2017年からはPythonとのブリッジライブラリーであるPycallの開発が進められていますが、当分野においては最善の選択とされていないのも事実でしょう。

以上からわかるように、RubyとPythonとは異なる領域に長けている言語で、今後はともに需要が高いでしょう。ただし、さらなる飛躍が期待されている人工知能や機械学習の領域においては、Pythonのほうが汎用性が高く、将来性があるといえます。

Javaは依然として需要が高いが、学習難易度は比較的に高い

Javaは大規模な業務系システムやWebサービス開発に多く使われている言語で、Pythonと同じくGoogle三大言語(Googleで社内標準として使われているプログラミング言語)に挙げられています。

環境に依存せず、WindowsやMacなど様々なOS上で実行できる汎用性の高さが特徴です。その高い安全性と信頼性が評価され、様々な開発現場で広く使われています。

IPAが発行している2018-2019年の「ソフトウェア開発データ白書」では、システム開発に使われた言語のうちの実に42.7%をJavaが占めています(※8)。白書の作成に資料提供している会社には、大規模システムを開発する大手企業が多いことも勘案すべきですが、Javaの国内での需要は依然として高いことは間違いないでしょう。

一方、Javaはコンパイル言語のため、PythonとRubyと比較した際に、学習難易度が比較的に高いといわれています。ただし、大規模な開発に多用されるJavaと新興分野での需要が高いPythonと、活躍の場こそ違えど、両者とも学習に値する言語でしょう。

※8 IPA「ソフトウェア開発データ白書(2018-2019)」(2020年5月26日アクセス)

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