【最新】SEの将来性と市場需要!経済産業省のデータをもとに考察

最終更新日:2025年4月17日

システムエンジニア(SE)は、IT社会の基盤を支える重要な職種です。しかし近年では「AIに仕事を奪われるのでは?」「労働環境が厳しいのでは?」といった不安の声が聞かれることもあります。

結論からいえば、SEは今後も高い将来性が見込まれる職種です。IT人材の需要は拡大を続けており、技術力や対応力を備えたSEは需要が高いです。

本記事では、最新のデータや市場動向をもとにSEの将来性が高い理由や、今後求められるスキル、キャリアの方向性について詳しく解説します。SEを目指す方や今後のキャリアに悩む人は、ぜひ参考にしてください。

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この記事のまとめ

  • DXやAIの発展により、SEの需要は今後も拡大
  • 上流スキルやテクノロジースキル、ビジネス視点を持つSEが重宝される
  • キャリアビジョンを持ち継続的に学ぶ姿勢が将来性を左右する

システムエンジニアに将来性がある4つの理由

SEの将来性が不安視されることも多い中で、将来性は十分に高いといえます。


以上の4つの理由を詳しく見ていきましょう。

SEに将来性がある理由①:人手不足のため需要が高い

システムエンジニアの需要が高い理由の一つに、深刻な人手不足があります。

経済産業省の「IT人材需給に関する調査」によると、IT人材の不足は今後さらに拡大し、2030年には最大で79万人ものIT人材が不足すると予測されています。これは、ITシステムの開発・運用が急速に拡大する一方で、技術者の供給が追いついていないためです。

また、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「DX白書2023」では、2022年の調査において回答企業の80%以上が「IT人材の質・量の両面で不足している」と回答しており、業界全体が慢性的な人手不足に直面していることが明らかになっています。

IT人材不足は単なる一時的な問題ではなく、今後も長期的に続くと考えられます。そのため、システムエンジニアの需要は今後も高まり続け、企業にとって不可欠な存在となっていくでしょう。

SEに将来性がある理由②:DX化の推進のためSEが必要

DX推進の流れにより、システムエンジニア(SE)の需要は今後さらに拡大すると考えられます。企業のDXが急務となる中で、システムの刷新や開発には高度なITスキルを持つSEの存在が不可欠です。

経済産業省の「DXレポート(2018年)」では、レガシーなシステムを放置することで、2025年以降に最大年間12兆円の経済損失が発生すると警鐘を鳴らしています。これを背景に、従来のITベンダーだけでなく、金融・製造・小売・医療などあらゆる業界で社内IT部門の強化が進み、SEの採用や育成が加速しています。

このように、DXを支える存在としてSEの重要性は今後ますます高まり、多様な業界での活躍が期待されているのです。今後のキャリアを考える上でも、SEという職業の基本を以下の記事で押さえておきましょう。

関連記事:システムエンジニアとは?仕事内容や年収を分かりやすく解説

SEに将来性がある理由③:スマートフォン普及に伴い需要が増している

スマートフォンの普及は、SEの需要拡大を後押ししています。SNS、EC、金融、医療など、あらゆる業界でスマートフォンを前提としたWebサービスやアプリの開発が進んでおり、これらのシステムを設計・開発・運用するSEは大きな役割を持つ重要な立場です。

総務省「令和4年通信利用動向調査」によると、スマートフォンの世帯保有率は90%を超え、個人保有率も77.3%と高水準に達しており、日常生活のあらゆる場面でスマホ利用が前提となりつつあります。こうしたユーザーの行動変化に応えるべく、企業もスマートフォンを活用したビジネスモデルを加速しています。

アプリやWebシステムの開発需要が急増しているため、SEを含むITエンジニアの人材確保が急務となっているのです。

SEに将来性がある理由④:AIなどの最先端技術による需要

AIやクラウド、IoTなどの最先端技術の活用が進む中、それらを支えるシステム開発・運用を担うSEの需要は今後さらに高まると予想されています。

企業は業務効率化や競争力強化のためにAIやビッグデータを活用したシステム開発を積極的に進めており、それに伴ってIT人材の確保が急務となっています。こうした最先端技術を実際にビジネスへ落とし込むには、データベースの設計やAPIの実装、クラウドインフラ構築など、システム全体を設計・運用できるSEの存在が不可欠です。

実際にも、総務省の「情報通信白書(令和5年版)」によると、2021年の国内民間企業による情報化投資額は15.5兆円に達しており、過去10年以上にわたって投資は拡大傾向にあります。デジタル化の加速とともにITへの投資意欲は継続的に高く、今後もSEの活躍の場は広がり続けると考えられます。

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【考察】SE業界は今後どうなるのか?

SE業界の将来は以下の4つの項目で解説できます。
 


それぞれをチェックしていきましょう。

生成AIを活用してDX推進できる人材が活躍する

生成AIの普及により、ルーティン業務は今後ますます自動化が進むと予測されます。その一方で、DXを推進する人材には、創造性や構想力、リーダーシップといった人間ならではの能力が必要です。

経済産業省の「生成AI時代のDX推進に必要な人材・スキルの考え方2024 (令和6年6月)」では、今後のAI時代に活躍できる人材像と求められるスキルが具体的に示されています。

<生成AI時代に求められるDX推進人材の特徴>

求められる
人材像
創造性の高い役割が重要に:業務の一部がAIで
代替される一方で、人間には創造性・リーダー
シップ・批判的思考などが求められる。
求められる
スキル
問いを立てる力
仮説を立て・検証する力
評価・選択する力
ソフトウェア
エンジニア
求められる
スキル
AIツールを使いこなす力
上流スキル(設計・技術面での牽引力)
対人スキル(コミュニケーション、協働)

今後のSEには、AIを活用するだけでなく、それを通じてビジネス価値を創出できる“推進者”としての活躍が期待されているのです。

テクノロジーへの対応や高度スキル獲得でより市場価値が上がる

IT人材が不足している中でも、特に高度なスキルを持つエンジニアの人材不足が深刻化しています。厚生労働省のIT人材の動向分析(2018年)によると、ビッグデータ・IoT・AIなどの最先端領域で求められる「先端IT人材」は、今後も不足数が増加し続け、2020年代半ばには約8.7万人が不足すると試算されています。

こうした技術領域では高度な専門スキルを持った人材のニーズが急速に高まっており、企業もその確保に積極的です。そのため、新しいテクノロジーに対応できる力や、より専門性の高いスキルを獲得しているエンジニアは、市場価値が高く評価されやすくなります。

将来的に価値の高いSEとして活躍していくためには、技術の進化に合わせてスキルをアップデートし続ける姿勢が重要です。

若手エンジニアの不足と高齢化の進行

経済産業省の「IT人材育成の状況等について」によると、IT業界では20〜30代の若手エンジニアの割合が減少しており、反対に40代以上のエンジニアの割合が増加する傾向が見られます。特に、2030年の推計では、25~34歳の層が大きく縮小し、50代以上の割合が拡大すると見込まれています。

このような人材構成の変化は、IT業界全体の成長による人材需要の増加に対して、若年層の参入が追いついていない可能性を示しています。IT人材の高齢化が進む中で、若手人材の育成と確保が今後の重要な課題となるでしょう。

高齢エンジニアの活躍促進とスキル継承の重要性

高齢化が進むIT業界では、ベテランエンジニアの豊富な経験や技術をいかに次世代へ継承していくかが重要な課題となっています。特に、若手エンジニアの人材不足が進行する中で、シニア層の知見を活かしたスキル伝承の仕組みづくりが求められています。

メンター制度やOJTを導入し、実務を通じてスキル継承を図る企業も増加中です。これにより、組織全体の技術力の底上げと世代間の連携強化が期待できます。

また、今後は子育てや健康面に配慮した「働きやすい環境づくり」も重要です。柔軟な労働時間制度やリモートワークの活用など、年齢やライフステージに応じた多様な働き方を支援することで、経験豊富なシニア層が長く活躍できる基盤が整っていくと考えられます。

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将来性のあるSEの特徴

今後SEが活躍する分野や求められるスキルから考えた「将来性のあるSEの特徴」は以下の7つにまとめられます。
 


1つずつ詳しく解説します。

明確なキャリアビジョンを持っている人

将来性のあるSEには、明確なキャリアビジョンが欠かせません。どのようなエンジニアを目指すのかを明確にし、それに向けて必要なスキルや経験を計画的に積み重ねる姿勢が、成長とスキル習得の原動力になります。

また、企業側もキャリアビジョンを持つ人材を「計画性のある行動ができる人」として評価します。システム開発はスケジュールに沿って進行するため、物事を見通し、戦略的に動ける力は重要な資質といえるでしょう。

将来の方向性を自ら設計できるSEは、技術力だけでなく、プロジェクト全体を動かす力も期待される存在です。

選択肢から適切なものを判断する選択・評価力のある人

変化の激しいIT業界では、多くの選択肢から最適な技術や手法を判断する「選択・評価力」が重要です。限られた時間やリソースの中で目的に合った技術やアプローチを選べるSEは、プロジェクトの成功に大きく貢献できます。

特に上流工程では、複数の要件や制約を踏まえて技術的な意思決定を行う場面が多く、論理的思考と冷静な判断力が求められます。経験に基づいた的確な選択ができる人ほど、チームやクライアントからの信頼も厚くなるでしょう。

独自視点で問題解決・顧客体験を追求できる人

将来性のあるSEには、単なる問題解決だけでなく「より良い体験とは何か」を考えるUX視点が求められます。与えられた課題に対して独自の視点からアプローチし、ユーザーやクライアントの期待を超える提案ができる力はAIに代替されにくい重要な価値です。

ユーザー視点を持ち、体験全体を設計できるSEは、プロダクトの完成度を高める存在として評価されます。技術力に加え、ビジネスやUXの視点を取り入れた総合的な課題解決力こそが、今後の活躍を左右する要素となるでしょう。

AIツールを使いこなせる人

AIや自動化ツールを活用できるSEは、業務効率化や開発スピードの向上を実現し、チーム全体の生産性を引き上げます。今後のSEには、AIを「活用するスキル」が不可欠となりつつあります。

コーディングツールや設計補助ツールを効果的に使いこなすことで、単純作業にかかる時間を減らし、より創造的な業務に集中できる環境を作ることができます。ツールに使われるのではなく、使いこなす側でいることが将来のSE像として重要です。

AIの利益やリスクを把握できる人

AIの導入・活用が進む今、単に技術を扱えるだけでなく、その利益とリスクを正しく理解し、適切に管理できるSEが求められています。例えば、アルゴリズムによる判断の偏りやセキュリティリスクなど、技術が持つ限界を理解したうえで実装する姿勢が重要です。

AIに強い倫理観と判断力をもって向き合えるSEは、企業の信頼性や社会的責任にも貢献できる存在です。技術者としての視点に加え、社会的な影響まで考慮できる人材は、今後ますます重宝されるでしょう。

設計や技術面など上流スキルを持っている人

要件定義や設計など、プロジェクトの初期段階から関われる「上流スキル」を持つSEは、将来性の高い人材といえます。特に、ビジネス要件を技術的な仕様に落とし込める力は、プロジェクト成功に必要なスキルであり多くの企業が求める人材像です。

技術力はもちろんですが、上流スキルにはコミュニケーションや調整力、問題解決力なども求められます。プロジェクト全体を俯瞰し、最適な設計ができるSEは、市場価値が高く多くの現場で活躍できます。

高いレベルでビジネススキルを備えている人

技術だけでなく、ビジネスの理解や対人スキルも兼ね備えたSEは、今後さらに重宝されるでしょう。プレゼンテーション力、交渉力、課題発見力などのソフトスキルを持つことで、クライアントとの信頼関係構築やプロジェクトの円滑な進行に貢献できます。

技術だけで閉じず、事業やサービス全体を意識して行動できるSEは、単なる実行者ではなく「パートナー」としての価値を発揮できます。特にマネジメントを視野に入れる場合、ビジネススキルは将来性の重要なポイントです。

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SEが「将来性ない」「未来ない」と噂される理由

「AIに仕事を奪われる」といった話題が広がる中で、SEの将来性に不安を抱く声も聞かれます。しかし一口にSEといっても、その職域やスキルレベルは多岐にわたるため「SE=将来性がない」とする見方はあまりに主語が大きすぎます。

実際には、AIや自動化の進展により単純作業は効率化されていきますが、AIを活用できる人材や上流工程を担えるSEの需要は今後もなくなりません。国内ではIT人材全体の不足が続いており、特に専門性の高いスキルを持つ人材の市場価値はさらに高まると見られています。

一方で、以下のような特徴を持つ人材は、AIによって代替されるリスクがあるのも事実です。


  • ・単純なコーディング作業だけをしている

    ・業務に対して創造的な視点や工夫がない

    ・スキルアップや学習の意欲がない


将来性のあるSEになるためには、変化に対応できる柔軟性と学び続ける姿勢が欠かせません。AIと競合するのではなく、AIを活用して価値を生み出せるエンジニアが、今後ますます求められていくでしょう。

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SEのキャリアパス

将来性の高い職種とされるSEですが、長く活躍するためにはスキルの習得だけでなく、明確なキャリアパスを描くことが重要です。SEのキャリアは一方向ではなく、技術を極める道・マネジメントに進む道・企画や上流工程に携わる道など多岐にわたります。

例えば、技術を突き詰めて「ITアーキテクト」や「テックリード」を目指す人もいれば、プロジェクト全体を統括する「PM(プロジェクトマネージャー)」や、顧客折衝力を活かして「ITコンサルタント」へとキャリアチェンジする人もいます。

このように、SEのキャリアパスは個人の志向や強みによって柔軟に選択可能です。将来の選択肢を広げるためにも、今の経験をどう積み重ねるか、そしてどの方向に進みたいのかを早い段階から意識しておくことが大切です。

詳しいSEのキャリアパスは以下の記事を参考にしてください。

参考記事:システムエンジニアとは?仕事内容や年収を分かりやすく解説

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SEの将来性に関してよくある質問

SEの将来性に関してよく聞かれる質問をまとめました。

Q1. システムエンジニアはなくなりますか?

SEは「AIに仕事を奪われるのでは?」と不安視されることもありますが、実際には上流工程や高度なスキルを持つ人材は今後も重宝されます。大切なのは、自分がどんなSEを目指すかを明確にし、求められるスキルを戦略的に身につけていくことです。

SEに求められるスキルは以下の記事を参考にしてください。

関連記事:SEに必要な7つのスキル!関連職種からスキルアップの方法まで紹介

Q2. システムエンジニアは仕事がなくなることはありますか?

今のところ、システムエンジニアの仕事がすべてなくなることはありません。ただし、AIによって自動化できるルーティン業務や単純なコーディング業務は代替が進む可能性があります。

一方で、上流工程の設計や課題解決、ユーザー視点での提案などはAIでは代替しにくく、今後も高い価値が求められます。

Q3. どういうスキルや経験を積めばよいですか?

今後どのようなスキル、経験を積むべきかはどんなキャリアを歩みたいかによって異なります。例えば、マネジメントを目指すならプロジェクト管理やコミュニケーションスキルが必要になり、専門性を深めたいならクラウドやセキュリティなど技術領域の深掘りが重要です。SEが今後身につけたいスキルについては「システムエンジニア(SE)におすすめの資格一覧!難易度やメリットも紹介」でも解説しています。

まずは将来像を描き、それに沿って学ぶことがキャリア形成の第一歩です。そのためにも活用できるのが「ITに特化した転職エージェント」です。

レバテックキャリアでは、今すぐの転職でなくてもキャリアやスキルから本当の市場価値を判断します。今後将来性の高いSEを目指すためにも、まずは登録から始めてみてください。今後のキャリアパスのために有益なアドバイスを提供します。

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まとめ

AIや自動化が進む今、「SEの仕事はなくなるのでは?」と不安を感じる人も少なくありません。しかし実際には、DX推進や最先端技術の発展により、システムエンジニアへの期待と需要はますます高まっています。

特に上流工程に関わるスキルや、AIを活用できる思考力・ビジネススキルを持つ人材は今後のIT社会で重宝されるでしょう。将来性あるSEになるためには、キャリアビジョンを持ち、継続的にスキルを磨き続ける姿勢が何より大切です。

変化の激しい時代だからこそ、自分らしいキャリアを築くための「戦略的な学び」と「選択」を、本記事を参考に今一度考え直してみましょう。

この記事の監修

レバテックキャリア編集部

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