今後需要が高まる人材像、今SEを目指すメリット・デメリットも解説しますIT人材の不足 - システムエンジニアの人手不足はなぜ起こる?

最終更新日:2022年7月25日

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経済産業省が2019年3月に発表した『IT人材需給に関する調査』によると、SEなどIT人材の人材不足が、2030年までに最大79万人に達すると予測されています。この調査におけるIT人材は「主に情報サービス業、ITサービス・ソフトウェアなどを提供する企業、ITを活用する一般企業の情報システム部門などに所属する人材」とされています。

日本がこのような深刻なIT人材不足になる背景として、少子高齢化を起因とする労働力人口の減少が主な原因とされています。2030年には、国民の約3人に1人が65歳以上の高齢者になる見込みといわれています。

この記事ではIT人材(SE)が不足する背景や、今後需要が増えるまたは減るIT人材(SE)について解説します。SEなどに転職を考えている方は、本記事を参考にしてみてください。

1. SEをはじめとしたIT人材不足の現状

IT人材とは、SE(システムエンジニア)やPG(プログラマー)、プロジェクトマネージャー、ITコンサルタントなど、ITの知識とスキルを用いて、システムの導入や開発、IT戦略支援などをする人材の総称です。ここでは、IT人材不足の現状を、経済産業省の『IT人材需給に関する調査』をもとに解説していきます。

2022年時点の状況

経済産業省が発表した『IT人材需給に関する調査』によると、IT人材の不足状況は以下のようになっています。
 

  • ・現状でIT人材は108万人いるが、32.5万人が不足している

    ・先端IT人材は23.7万人いるが、6.8万人不足している

    ・AI人材の需要の増加に伴い、AI人材も不足している

2030年までの見通し

現時点で32.5万人以上不足している状況ですが、今後IT人材不足はさらに加速すると予想されています。この調査では2010年代の生産性上昇率とIT需要の伸びを、「低位」「中位」「高位」の3つのシナリオに分けて試算をしています。
 

  • ・低位シナリオ:約41万人が不足

    ・中位シナリオ:約59万人が不足

    ・高位シナリオ:約79万人が不足


仮に低位シナリオの推移となったとしても約41万人ものIT人材が不足すると試算されており、深刻なIT人材不足が懸念されています。

2. なぜIT人材は不足しているのか

IT人材が不足している理由とは一体何でしょう。
まず考えられる理由は、少子高齢化に伴う日本の労働力人口(15歳以上で働く能力と意思のある者)の減少です。そして拡大するDX(デジタルトランスフォーメーション)需要に対して、人材の供給が追いつかないことも原因になっています。

またSEの労働環境にネガティブなイメージがあることも影響しています。ほかにもIT業界の技術革新のスピードに、ついていくのが大変で敬遠されることも理由にあります。

ここでは、これらのIT人材が不足している理由について解説します。

日本の労働力人口が減少しているため

2030年には高齢化率が31.8%になると試算されており、国民の約3人に1人が65歳以上の高齢者になると言われています。少子高齢化に伴う日本の労働力人口(15歳以上で働く能力と意思のある者)の減少が、IT人材の不足の要因になります。退職する人材と、新しく入る人材とのバランスが崩れているため、IT業界でも深刻な人材不足が起きています。

DX需要の拡大に対し供給が追いついていないため

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と経済産業省は「DX 推進指標」とそのガイダンスにて定義しています。

DXの導入によって、企業は業務の生産性の向上・効率化やビジネスの拡大など、さまざまなメリットがあります。そのため、DXを導入する企業は今後も増加することでしょう。この需要増に対してSEなどIT人材の供給が追いつかないため、人材不足はまだまだ続く傾向にあります。

SEの労働環境にネガティブなイメージがあるため

SEの労働環境に対するネガティブなイメージがあることも、IT人材の人手不足の要因になります。SEは仕事内容がきつく、残業が多いうえに給料が安いという印象を持たれています。いわゆる「きつい」「厳しい」「帰れない」という新3Kのイメージに、当てはめられています。このイメージがSEになりたいと思う人に、マイナスの影響を与えています。

IT人材が少ないために、システム開発などITの現場でもコストカットが行われ、SEなどエンジニアにとって厳しい環境になっています。この負のスパイラルを解消しなければ、IT人材は人材不足のままになります。

このようなSEの労働環境に対するネガティブなイメージを無くすことが急務になっています。

IT技術の革新スピードについていくのが大変なため

IT技術は日々進化をしており、SEなどITエンジニアは技術革新のスピードに対応しなければなりません。日常的に新技術に関する勉強が必要なため、その努力を継続することを諦めてしまう人も多くいます。また勉強すべき対象となる分野が、Web・アプリ・AI・クラウドなど増加していることも理由になります。

すなわち新たな技術革新が起きることは、新たな勉強分野が増えてしまうことになるのです。このIT技術の革新スピードは、それまで働いていたITエンジニアを挫折させて退職させる可能性があります。

3. 人材不足のタイミングでSEを目指すメリット・デメリット

SEを含むIT人材の不足は深刻なレベルで、各業界の企業はIT人材の争奪戦を繰り広げるような状況です。企業にとっては深刻な問題でありますが、逆に求職者の立場からするとチャンスになります。ここで、SEを目指すメリットやデメリットは何があるでしょうか。ここでは、人材不足のタイミングでSEを目指すメリット・デメリットを解説します。

関連記事:SEとは?仕事内容・スキル・年収などを解説

メリット

人材不足のタイミングでSEを目指すメリットは、売り手市場になるため自分の希望に沿った転職がしやすいことが挙げられます。他の職種では、なかなか自分が希望した条件での転職が難しいケースがありますが、人材不足の業種では有利に転職できる可能性が高まります。
また、自由な働き方ができる業種であることもメリットといえます。

関連記事:SEとして就職する方法|就職先の種類や、未経験からのステップを解説

売り手市場のため希望に沿った転職がしやすい

東京ハローワークの『職種別有効求人・求職状況(一般常用)』の令和4年4月のデータでは、全体の有効求人倍率が1.18倍に対して、情報処理・通信技術者は2.72倍と高い水準となっています。不況といわれる状況下でも、SEを含むIT人材は人手不足のため、企業の需要は非常に高くあります。このような売り手市場では、他の職種よりも求職者が企業を選びやすく、有利な展開になりやすい傾向です。

自由な働き方をしやすい

ソフトウェア関連の業務であれば、パソコンとインターネットがあれば仕事ができます。ハードウェア関連の場合はオフィスの常駐する場合もありますが、SEを含むIT人材の仕事は自由度が高いといわれます。AWSやMicrosoft Azureといったクラウドサービスを導入する企業も増えており、正社員ながらフルリモートで仕事をする人も増えています。

またITの知識やスキルが高まれば、独立してフリーランスとして活躍することも可能です。実力主義のフリーランスの世界では、スキルの高いフリーランスのエンジニアが高い報酬を得ています。

デメリット

人材不足のタイミングでSEを目指すデメリットには、以下の3つがあげられます。

・スキルや経験がないと就職が難しい
・新技術のキャッチアップ・勉強を続けるのが大変
・AIに代替される恐れがある

ここでは、これらのデメリットについて詳しく解説します。

スキルや経験がないと就職が難しい

SEを含むIT人材になるには、スキルや経験がないと就職が難しいとされています。
転職サイトには「未経験者歓迎」と記載がある求人もありますが、完全にノースキルの場合は就職が難しくなります。求職者に必要最低限のスキルがあることを、求める企業がほとんどです。

そのため、ITに関する知識やスキルを得る必要があります。
またIT業界で求められるスキルには、以下の4つのスキルが期待されます。
 

  • ・プログラミングスキル

    ・ITの業界・業務に関する知見

    ・コミュニケーションなどヒューマンスキル

    ・成長意欲など高い向上心


関連記事:SEになるには?独学の方法や役立つ資格を解説

新技術のキャッチアップ・勉強をし続けるのが大変

SEに転職をした後も、新技術のキャッチアップや勉強を続ける必要があります。IT業界は常にトレンドを追うため、市場の流動性が非常に高くなっています。たとえばスマートフォンの進化などが、具体的な例といえます。短期間でIT業界が成長した結果、それに比例するようにスマートフォンが普及していきました。

このように流動性が高いIT業界では、就職後も柔軟に対応できるように新技術の学習をしなくてはなりません。新技術やトレンドを知るためには、日頃からネットでの情報収集がおすすめです。
また専門性に長けた人との交流で、業界に関するキャッチアップもできるでしょう。

AIに代替される恐れがある

IT業界の一部の人材は、AI(人工知能)に代替される可能性があります。日々進化し続けるAIによって、既存の職業が今後無くなる可能性があります。

以下の職種が、AIに置き換えられる可能性が高いといわれます。
 

  • ・事務員

    ・銀行員

    ・タクシー運転手

    ・コンビニ店員

    ・データ入力係

    ・電気通信技術者


野村総合研究所の試算では、上記の職業だけでなく、日本の労働人口の49%が人工知能で代替可能になると公表されています。

すなわちAIに替わられる仕事は、IT業界に限定されたものではありません。
IT業界に在籍してAIに対して不安があるなら、上流工程の業務に就くことを目指すべきです。
SEやPMのような、マネジメントや経営に関わる業務は、AIに替えられにくいといわれています。

4. 今後需要が減少するとされているIT人材とは

ここでは、今後需要が減少するとされているIT人材について解説します。

IT業界は、システムを従来型の自社運用からクラウドに変化するなど、仕事の内容が大きく変わってきています。このような技術変化で今後需要が減少する仕事もでてきます。

人工知能やロボット技術による代替が可能な人材

英オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授は、2013年に「The Future of Employment(雇用の未来)」という論文を発表しました。この論文には「AIやロボット技術の進展によって、将来的に現在の半数の仕事がなくなってしまう」という記載があり、世界に大きな衝撃を与えました。またマイケル・A・オズボーン准教授と野村総合研究所による共同研究で、日本の労働力人口のうち49%が人工知能やロボットによって代替可能であるという試算が公表されています。

すなわち、AIやロボットが得意とされている領域の仕事は、今後需要が減っていくと予測されています。これらが得意としているのは、単純作業(フローが決まっている)に近い作業です。IT業界では以下のエンジニア職種が該当するといえるでしょう。
 

  • ・運用や監視を担うエンジニア

    ・テスター(テスト実施を担当するエンジニア)

    ・プログラマー

AIやロボットなどの技術革新により需要が減る人材

AIやロボットなどの技術革新に伴い、需要が減る人材が現れることも予測されています。
例えば、社内インフラはクラウド化が加速しており、自社運用を主に扱うインフラエンジニアの需要は減少傾向にあります。またトレンドでもある、ビッグデータやIoT、AIなど、これからのシステムの根幹となる先端技術を扱えないエンジニアも、重要が減少することでしょう。

逆にサーバーやアプリケーションの設計作業を担うSEや、先端技術の実装を担当するPGの需要は高まると予測できます。

5. 今後需要が高まるIT人材とは

ここでは、今後需要が高まるIT人材について解説します。

経済産業省「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果(平成28年6月10日)」では、今後の市場成長の鍵を握るIT人材として、先端IT技術を担う人材と情報セキュリティ人材が取り上げられています。これらのスキルを身につける事ができれば、SEとして重要がある存在になることでしょう。これらについて詳しく解説します。

関連記事:SEの転職先を業界・職種で徹底解説

先端IT技術を担う人材

先端IT技術とは、主に以下の6つの技術を指します。

これらの需要は年々増えているため、先端IT技術を扱うSE・PGとして長く活躍できることでしょう。

ビックデータ

インターネットを活用して集積された膨大なデータはビッグデータとして、さまざまな分野で利用されています。ビックデータを扱う人材としては、ビックデータを蓄積する仕組みを設計・構築するエンジニアやビックデータを分析してビジネスに活用するデータサイエンティストなどがあります。

IoT

IoTは、電気やガスのスマートメーターや家電、自動車など、さまざまなところで活用されています。こうしたIoTを開発するエンジニアは、今後も需要が高まり続けることでしょう。

ロボット

従来の産業用ロボットだけではなく、今後は介護やサービス業などの分野でも、ロボットが人の代わりに仕事をする時代になりました。日本の労働力人口が減少する中で、ロボットが更に社会進出することでしょう。そのようなロボットの開発やメンテナンスを担うエンジニアの、需要は高まっていくと予測されます。

AI・機械学習

AIは医療業界や自動車業界、物流業界など、多くの分野で導入されています。AIによる在庫管理システムを例にすると、AIが商品の売れ行きや在庫状況を分析し、最適な仕入れや店舗への配送数を提案するなどがあります。今後、AIや機械学習はPGやSEに必須のスキルとなるでしょう。

クラウドサービス

総務省の『企業におけるクラウドサービスの利用動向』によると、2019年の時点でGCP、AWS、Azureなどのクラウドサービスを一部でも利用している企業の割合は64.7%となっています。今後もますます、クラウドサービスを利用する企業は増加し続けることでしょう。
クラウドサービスを利用するにあたり、クラウドサービスの知識と技術を持つエンジニアが必要です。

クラウドサービスを利用するにあたり、クラウドサービスの知識と技術を持つエンジニアが必要です。特にクラウドサービスを使う際には、セキュリティーの強化が重要な課題になります。情報漏洩やプライバシー侵害などを起こさないためにも、クラウドサービスのセキュリティの知識と技術があるエンジニアが求められます

情報セキュリティ人材

クラウドサービスやIoTなどネットワークに接続される機器の増加により、サイバー攻撃などセキュリティ上の脅威が爆発的に増加しています。情報セキュリティ事故は、企業の存続に影響を与えることもあり、多くの企業が費用を投じて対策を講じています。そのため、セキュリティに関する高度な専門的知識・スキルを持つ情報セキュリティ人材の確保が企業にとって急務になっています。セキュリティの高度な専門知識やスキルを持つエンジニアの需要は、今後も高まることでしょう。

関連記事:未経験からSEを目指す方法は?必要なスキルや資格をご紹介

6. まとめ

この記事ではIT人材が不足する理由と、今後需要が減る、あるいは増えるIT人材について解説しました。IT業界の人材不足は深刻化しており、人材育成が重要課題にもなっています。しかし、すべてのIT分野で人材が不足するわけではありません。需要が増える技術、減る技術の動向を把握することで、求められるスキルを効率よく勉強できます。それにより人材不足のIT人材の中で、有利にSEなどの転職ができることでしょう。

関連記事:SE(システムエンジニア)職務経歴書の書き方(テンプレートあり)

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