インフラエンジニアとは?仕事内容や年収、将来性を解説

最終更新日:2024年3月26日

インフラエンジニアとは、ITエンジニアの中でも、サーバやネットワークなど、ITサービスを提供するために不可欠なインフラを担当するエンジニアのことです。昨今のクラウドの利用拡大やAI、IoT、ビッグデータの利活用など、現在のIT業界は、大きな変化にさらされています。これらの新しい技術を影で支えているインフラエンジニアの役割は非常に大きく、今後もさらに需要が高まることが期待されています。

この記事では、インフラエンジニアを目指している方に向けて、仕事内容や必要なスキル、転職を成功させる方法、キャリアパスなどを詳しく解説します。

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この記事のまとめ

  • インフラエンジニアはサーバやネットワークを扱うエンジニアで、企業システムや開発プロジェクトの土台を担っている
  • インフラエンジニアの業務は設計、構築、運用、保守に分けられ、キャリアや所属プロジェクトによって担当が異なる
  • インフラエンジニアは平均的に年収が高めで、特にクラウド分野の技術を身に付けることで需要が高まる
  • 知識や技術を身につけることで、未経験からでもインフラエンジニアを目指せる

インフラエンジニアとは?わかりやすく解説

インフラエンジニアとは、サーバやネットワークなどの設計・構築・運用・保守を担当する技術者のことです。最近ではセキュリティ対策需要の高まりとともにセキュリティレベルや運用状況を管理する仕事も増えています。

そもそもインフラとは

インフラの仕組み

インフラとは「インフラストラクチャー(Infrastructure)」の略称で、日々の生活を支える基盤を指す用語です。例えば、公共施設やガス、水道、電気、道路など生活する上で必要不可欠となるものをインフラと言います。転じて、ITにおいてのインフラとは、システムを有効に機能させるために基盤となるハードウェア・サーバなどの事を指します。

インフラエンジニアの活躍の場

インフラエンジニアは活躍の場が幅広く、IT業界だけでなく他の業界のITシステムも支える存在です。情報通信業界だけでなく、金融・製造・小売など、あらゆる産業において需要が高まっています。

最近はITを活用したデジタルトランスフォーメーション(DX)の進展により、インフラエンジニアの重要性が増しています。例えばビッグデータの処理やIoT機器の制御、AI技術の活用などのシステム構築でインフラエンジニアの需要があります。

インフラエンジニアの種類

インフラエンジニアと一口に言っても、担当する業務や使用する技術によって、いくつかの種類に分けられます。ここではインフラエンジニアの3つの種類について解説します。

サーバエンジニア

サーバエンジニアとは、社内に設置するサーバの設計や構築、設定などを担う職種です。サーバにはWebサーバやデータベースサーバ、ファイルサーバなどさまざまな種類があり、動作しているOSにもいくつかの種類があります。サーバエンジニアはサーバの知識に加えて、動作するOSに関する知識も必要です。

ネットワークエンジニア

ネットワークエンジニアとは、社内ネットワークの設計や構築、設定などを担う職種です。ルーターやスイッチなどのネットワーク機器を選定して、社内で動作させるために必要な設定や、社内ネットワークの保守や運用などにも携わります。

セキュリティエンジニア

セキュリティエンジニアとは、社内ネットワークをサイバー攻撃から防御するためのセキュリティ対策を専門に行う職種です。ネットワーク内にファイアウォールを設置して不正アクセスを防御したり、サーバにセキュリティパッチを適用させて脆弱性を解消したりするなどの業務に携わります。

関連記事:インフラエンジニアがセキュリティエンジニアを目指す方法

システムエンジニア(SE)との違い

インフラエンジニアがネットワークやサーバなどのインフラの設計や構築を専門としているのに対し、システムエンジニアはシステムやアプリケーションなどのソフトウェアの開発を専門としています。ただし、インフラとシステムやアプリケーションが密接にかかわっていることも多く、両者が協力しながら開発を進めていく案件も多くあります。

インフラエンジニアの仕事内容

インフラエンジニアにはさまざまな仕事があります。ここでは代表的な仕事を紹介します。

設計

インフラエンジニアの設計とは、要件定義と言って良いでしょう。自社のインフラであれ、顧客のインフラであれ、必要とされる機能や性能を丁寧にヒアリングして設計書に落とし込むことが、インフラエンジニアの最初の仕事です。当然、コストや後工程のスケジュールについても設計の段階で明確にしておく必要があります。

関連記事:
インフラエンジニアの設計業務について
インフラエンジニアの運用・保守業務とは?詳しい仕事内容を紹介

構築

設計段階で作成した設計書を元に、実際にインフラを構築します。サーバなどのハードウェアの設置やネットワーク回線の配置なども構築に含まれます。これらが全て済んだら、ソフトウェアのインストールと設置を行って、動作確認と負荷テストを実施します。

監視

システム監視とは、ITシステムの運用で問題が発生した場合に早期発見し、迅速に対処することです。ネットワークやサーバー、データベースなどの各種インフラを監視し、異常が発生した場合はその原因を特定して修正します。

システム監視には様々なツールが利用されます。たとえば、ネットワークの監視にはパケットキャプチャーやトラフィック解析ツール、ネットワークモニタリングツールなどを使用します。サーバの監視にはCPU使用率やメモリ使用量、ディスク容量などを監視するツールを使用します。

運用・管理

構築が済んだら、いよいよ運用の開始です。基本的にインフラは24時間365日動作するものです。しかしソフトウェアのアップデートやハードウェアのトラブル発生時は、メンテナンスが必要です。なるべくネットワークを止めずに運用・管理できる体制づくりが重要になります。

インフラエンジニアの平均年収

レバテックキャリアに登録されているインフラエンジニアの求人案件によると、インフラエンジニアの年収は700〜1500万円程度のようです。実務経験の有無や技術力によって年収は大きく異なります。レバテックキャリアに登録されている求人案件は年収相場が高めなので、インフラエンジニア自体の平均年収は530~550万円程度でしょう。

関連記事:インフラエンジニアの年収は?|転職でキャリアアップするために知っておくべきこと

インフラエンジニアのやりがい

インフラエンジニアは下記のようなやりがいを感じやすいです。

社会貢献度が高く人の役に立っている実感を得やすい

現在、多くのシステムがインターネットを代表とするネットワークを活用しています。例えばSNSや電車の乗換案内、地図アプリなどは多くの人々の生活に欠かせないシステムです。

これらのシステムを支えているインフラエンジニアの仕事は、社会貢献度の高さを実感でき、やりがいを感じられます。

最先端スキルや広範な知識が身につきやすい

インフラエンジニアが携わっている技術は日進月歩であり、クラウドや仮想化技術など最先端のスキルや知識が次々と登場しています。仕事を通じて、これらの最先端スキルや知識を身につけられることは、技術を活かして仕事をしているインフラエンジニアにとって、大きなやりがいに結びつきます。

クライアントとの信頼関係を構築しやすい

インフラエンジニアの仕事は、システムが完成した後も運用や保守という形で続いていきます。障害発生時の対応などは、システムを開発した企業に依頼した方がスムーズに解決できるため、初回の契約が継続する場合が多いです。

そのためインフラエンジニアは長期にわたりクライアントと取引をすることになり、信頼関係を構築しやすくなります。取引が長くなるほど、クライアントの業務やシステムについても詳しくなるため、トラブル発生時もスムーズに対応できるようになり、感謝の言葉をいただく機会も得られるでしょう。

このように特定のクライアントと長期の信頼関係を築けることも、インフラエンジニアのやりがいのひとつです。

関連記事:インフラエンジニアのやりがいとは?仕事内容やスキルも紹介

インフラエンジニアに求められるスキル

インフラエンジニアに求められるスキルについて解説します。

プログラミングスキル

インフラエンジニアにはプログラミングの知識が必要です。とくにサーバなど自動処理をする際にはシェルスクリプトやPowerShellなどのバッチ系のプログラムを多用します。これらのプログラムを動かすにはWindows系OSのDOSやLinux系のシェルの知識やスキルも必要になります。また設定の際には、専用のバッチプログラムを作成して行うと便利なこともあります。

もう一つ、サーバ上でアプリケーションが効率よく動作するには適切なチューニングや設定を行う必要があります。そのため、プログラムの仕組みを学ぶことでより良い設定が行えます。

関連記事:インフラエンジニアが習得すべきプログラミングスキル

サーバ・クラウドの知識、スキル

インフラエンジニアには、サーバやクラウドの知識・スキルが必要です。サービスを提供するためのサーバ環境を適切に設計し、構築できる技術はインフラエンジニアとして非常に重要です。また、運用面において、バックアップやリカバリーをしっかりと行えることは、災害時など故障発生時のサービス復旧を迅速に対応できる点からも押さえておきたいスキルの一つです。

ネットワークの知識、スキル

インフラで重要な役割を果たしているのは、ネットワークも同様です。利用者がサービスを受けるためにはネットワークに接続されている必要があります。これは、インターネットを介してサービス提供を行うクラウドではほぼ必須の条件となります。ネットワーク環境によってパフォーマンスに影響が出るため、非常に重要なスキルとなります。

セキュリティの知識、スキル

もう一つの大切なポイントはセキュリティです。情報漏洩や不正アクセスなど、セキュリティ上の脅威は増すばかりです。こうした脅威に強いシステムを構築し、維持するためにはセキュリティの知識が必要となります。クラウドサービスなどネットワークを介して利用するシステムは特にセキュリティが重要です。

仮想化の知識、スキル

インフラエンジニアには、仮想化の知識・スキルも欠かせません。仮想化とは物理的なハードウェアのリソースを、論理的に分割・結合する技術です。インターネット上で展開されているクラウドを支える技術としても知られています。

インフラエンジニアにとって、DockerやKubernetesのような仮想化を実現させるコンテナサービスは、安定したインフラを構築するための強い味方です。これらはオープンソースのソフトウェアであり、APIも豊富に提供されています。ほかの開発者が公開しているものを利用すれば、工数をかけずにインフラを構築させることも可能です。

関連記事:インフラエンジニアに必要なスキルセット・知識とは

インフラエンジニアに向いている人

インフラエンジニアに向いている人の特徴を解説します。

チームで仕事をするのが好き

インフラは単体で存在しているわけではなく、システムやアプリケーションの一部として構築されていることがほとんどです。そのためインフラエンジニアは、ほかのさまざまなエンジニアと協力しながら仕事をすることが多いため、チームで仕事をするのが好きな人に向いています。

好奇心が旺盛

インフラに限らずITは常に進歩しつづけています。最新の技術や知識を取り入れて、業務に生かすためには、好奇心旺盛であることが重要です。常にアンテナを張り巡らせて、仕事で生かせそうな情報をインプットし続けられることは、インフラエンジニアに向いていると言えます。

細かい作業が得意

インフラエンジニアには、サーバやネットワーク回線など、物理的な装置を設定する仕事もあります。このようなインフラの構築においては、狭い空間で配線作業を行うこともあります。また接続ミスも許されないため、細かい作業が得意な人に向いています。

自己研鑽していける

IT業界は日進月歩で進化している状況です。新しい技術やツールが次々に登場しているので、常に最新の知識と技術を身につける必要があります。そのため、新しい技術やツールに興味を持ち、技術や知識を習得する努力が求められます。

効率や業務改善を重視して動ける

企業において、ITシステムは業務を支援するためのツールです。そのため、業務プロセスや業務フローを理解し、システムを効率的に運用することが求められます。また顧客の業務改善の意識を持ち、システムを改善していくことが重要です。

インフラエンジニアの仕事で役立つ資格一覧

インフラエンジニアの仕事で役立つ資格について、必要とされる技術別にまとめました。

インフラ全般の資格

インフラ全般に必要な資格として、基本情報技術者試験と応用情報技術者試験があります。

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験はITエンジニアにとっては登竜門的な資格です。インフラエンジニアに限らず、IT技術者全般に対して基礎的な知識を保有していることの証明としても活用されています。インフラエンジニアとして専門的な知識を身につける前に、基礎的なIT技術を得るためにおすすめの資格です。

応用情報技術者試験

応用情報技術者試験とは基本情報技術者試験の上位に位置づけられる試験です。試験名の通り、応用的なIT技術や知識を持ち、高度なIT人材であることを証明する資格になります。基本情報技術者と同様にインフラエンジニアとして必要な知識だけでなく、IT技術者全般に必要な応用的知識・技術が問われる試験となっているため、高水準のIT能力を幅広く身につけるのにおすすめの資格です。

ネットワーク関連の資格

インフラエンジニアに必要なネットワーク関連の知識を得られる資格が、ネットワークスペシャリスト試験とシスコ技術者認定です。

ネットワークスペシャリスト試験

ネットワークスペシャリスト試験は、情報処理推進機構が実施しているネットワークに関する国家資格です。合格率も約15%程度と低く、難易度は非常に高いため、合格すればネットワークの専門家として高く評価されるでしょう。

シスコ技術者認定

シスコ技術者認定は、ネットワーク機器を提供しているシスコシステムズの認定資格です。ネットワークやシスコシステムズの製品の操作方法などを身につけられる資格であり、「エントリー」「アソシエイト」「プロフェッショナル」「エキスパート」の4つのレベルごとに複数の資格が実施されています。

サーバ・クラウド関連の資格

サーバ・クラウド関連の資格として、LinuCやAWS認定資格があります。

LinuC

LinuCは、サーバOSとして高いシェアを持つLinuxに関する民間資格です。Linuxに関する基礎的な知識が要求されるレベル1、Linuxを使った仮想マシンやコンテナなどのシステム・ネットワークの設計・構築の知識が必要なレベル2、Linux技術者として高度な知識が要求されるレベル3と、試験は3つの分類に分かれています。

AWS認定資格

AWS認定資格は、Amazonが提供しているクラウドサービスであるAWS(Amazon Web Service)に関する資格です。「FOUNDATIONAL」「ASSOCIATE」「PROFESSIONAL」「SPECIALTY」の4段階がありますが、まずはFOUNDATIONALの取得からスタートしましょう。クラウドサービスの中でも高い実績を持つAWSに関する資格であり、AWSの運用や管理を行っている会社への就職では高く評価されるでしょう。

セキュリティ関連の資格

インフラエンジニアにとって、セキュリティは欠かせない技術です。このセキュリティに関連する資格の一つが、情報処理安全確保士試験です。

情報処理安全確保支援士試験

情報処理安全確保支援士試験は、サイバーセキュリティに関する国家資格です。セキュリティ全般に関する高度な知識が要求される資格であり、難易度は非常に高いです。また情報処理安全確保支援士として資格を維持するためには、試験合格後にも定期的な講習を受講する必要があります。

関連記事:インフラエンジニアに役立つ資格11選!各難易度と概要も紹介

インフラエンジニアの仕事に役立つプログラミング言語

インフラエンジニアもプログラミング言語のスキルがあることで、日々の仕事がスムーズに進められます。ここでは、ネットワークやサーバの構築に向いているプログラミング言語について解説します。

Shell

Shell(シェル)とは、LinuxなどのOSに命令したり、スクリプトを実行したりするためのコマンド群のことです。サーバ管理やネットワークの設定などを一連のプログラムとして自動化するために使われます。

Python

Pythonは機械学習やAIの開発で知られている言語ですが、サーバの自動化などで活用できます。また障害発生時のログの分析でも、Pythonのプログラムが役立ちます。ほかにもアプリケーション開発など、さまざまな用途で活用できるプログラミング言語です。

Ruby

RubyはWebアプリケーションで使われる言語ですが、インフラの自動化や構成管理のツールでも活用できます。インフラエンジニアとしては必須ではありませんが、身につけておくとインフラエンジニアの仕事以外のWebアプリケーション開発でも活かせます。

Java

JavaはWebアプリケーションやスマートフォンアプリ、業務システムなど非常に活用の範囲の広いプログラミング言語です。インフラの運用・保守で使われるシステムの管理画面などの開発で使われることがあります。またインフラを構成しているサーバに導入するJavaのフレームワークの選定をインフラエンジニアが対応することもあり、最低限の知識だけでも身につけておきたいプログラミング言語といえるでしょう。

未経験からインフラエンジニアになるには

未経験からインフラエンジニアになるためには、最低限の知識やスキルが重要です。ここからは、未経験からインフラエンジニアになるためのロードマップを紹介します。

独学で知識、スキルを身につける

インフラエンジニアは人手不足の傾向があるため、未経験者でも、会社によっては採用されることがあります。。しかしインフラエンジニアとして業務を行うには、知識が必要です。インフラエンジニアとして採用される確率を高めるためにも、独学である程度の知識、スキルを身につけておいたほうが良いでしょう。

独学の方法としては、後述するインフラエンジニアの仕事に役立つ資格を取得したり、自分でサーバをレンタルして実際に触ったりすることもおすすめです。実際に操作することで、自分に足りない知識や必要な技術がわかるため、学習の目安にもなるでしょう。

インフラエンジニアの勉強に役立つおすすめの本

インフラエンジニアの勉強に役立つおすすめの本として、次の3冊をご紹介します。

『インフラエンジニアの教科書』(佐野裕、シーアンドアール研究所)
インフラエンジニアを目指すときの最初の一冊としておすすめの本です。サーバやOS、ネットワークやストレージなど個別の技術から、ネットワーク機器の選定ポイントや仮想化技術など、インフラエンジニアに必要な技術が網羅されています。

『インフラエンジニアの教科書2』(佐野裕、シーアンドアール研究所)
ある程度の経験を積んだインフラエンジニアが、次のステップに進むために役立つ一冊です。日々の業務では身につきにくい技術やノウハウをまとめて解説しています。仕事で得た経験と本書で解説されているスキルを身につければ、インフラエンジニアとしてさらに活躍できるようになるでしょう。

『マスタリングTCP/IP―入門編―(第6版)』(井上直也・村山公保・竹下隆史・荒井透・苅田幸雄、オーム社)
ネットワークプロトコルであるTCP/IPについて体系的な知識を解説している本です。入門編ですが、全くの初心者には少し難易度が高いので、インフラエンジニアとしてある程度の経験を積んだ方におすすめです。

スクールへ通う

独学が難しい方や、予算に余裕のある方はスクールへ通うのもおすすめです。IT系の専門学校では、インフラエンジニアになるために必要な実用的な技術を講師から直接学べます。資格取得の支援や、就職のサポートも受けられるため、インフラエンジニアとしていち早く活躍したい方にとって、スクールへの通学は効率的です。

関連記事:
未経験でインフラエンジニアになるのは難しい?なる方法とは
インフラエンジニアのスペシャリストになるには

未経験歓迎の案件に応募して現場経験を積む

スクールや独学で知識・スキルを身につけたら、未経験でも可能な案件に応募して現場経験を積みましょう。インフラエンジニアの需要が上がっていることから、人手が足りず、未経験でも積極的に募集している企業が多くあります。このような企業でインフラエンジニアとしての第一歩を踏み出すことが重要です。

将来、大手企業やフリーランスのインフラエンジニアとして働く場合、現場での経験が非常に重要になります。未経験でも大手企業・フリーランスで働けないわけではありませんが、多くの知識と現場での経験を有する現役のインフラエンジニアと比較されるため、転職や案件を受注するハードルが高くなります。

そのためインフラエンジニアとして長くキャリアを続けていくには、知識をつけた上で現場経験を積むことで、市場価値も上がりより良いキャリアパスを描けるでしょう。

未経験可の求人例

未経験でも応募可能なインフラエンジニア求人の例を紹介します。

【年収】
350~700万円
【雇用形態】
正社員
【働き方】
一部リモート有り
【仕事内容】
さまざまな業界に向けたサーバーやネットワークデータベースなどの設計や構築、運用保守業務
【プロジェクト例】
・官公庁向けプロジェクトマネジメントの支援(進捗管理・技術フォロー)
・金融機関向け基盤更改におけるプロジェクト計画支援
・クラウドネットワークをはじめとする大手通信キャリア案件

未経験からインフラエンジニアに転職した場合、最初は「運用・保守」に携わることが多いです。実務経験を積む中で、プロジェクトを推進するマネジメント層や技術に特化したITスペシャリスト、スキルや経験を活かしたITコンサルタントなどを目指すのが、一般的なインフラエンジニアのキャリアパスになります。

インフラエンジニアの求人・転職情報>

インフラエンジニアのキャリアパス

インフラエンジニアとして経験を積むと、下記で解説するようなキャリアを選択することも可能です。

ITスペシャリスト

ITスペシャリストとは、特定の分野におけるITの専門家です。インフラエンジニアからITスペシャリストを目指す場合、サーバやネットワーク、データベースなどインフラに関係のある技術に特化することが一般的です。自分の興味や適性に応じて、実力を発揮できそうな分野でスペシャリストを目指すキャリアとなります。

プロジェクトマネージャー

インフラエンジニアの上流工程にあたるマネジメントに特化したキャリアパスが、プロジェクトマネージャーです。技術の専門家として手を動かすのではなく、プロジェクトを推進するための計画や進捗管理、エンジニアの管理や調整などが主な業務です。インフラエンジニアのころから、周囲に気配りできた方や、相談や調整役として活躍してきた方は、プロジェクトマネージャーとしての資質があるといえるでしょう。

ITコンサルタント

インフラエンジニアとして高い専門性を生かしながら、経営戦略の立案やプロジェクトの企画などに携わりたい方には、ITコンサルタントというキャリアパスもあります。

ITコンサルタントもプロジェクトマネージャーと同様に、自分で手を動かす技術的な仕事は少なくなりますが、ITに関する深い知識と幅広い経験が求められるようになります。クライアント企業の経営戦略や目標管理にも携わることがあるため、経営やビジネス、ファイナンスなど幅広い分野の知識も必要となります。

関連記事:インフラエンジニアの転職で知っておきたいこと

インフラエンジニアの需要と将来性

近年、サーバのクラウド移行など従来とは異なる仕組みが取り入れられ、インフラエンジニアに求められる役割も変化しています。インフラエンジニアをとりまく環境を確認しつつ、ここではインフラエンジニアの将来性について解説します。

結論から言うと、「インフラエンジニアの需要は高い状態が維持される」ことが予想されます。理由としては、以下の点が挙げられます。


  • ・クラウドでもサービスを提供するためにはサーバやネットワークが必要

    ・インターネットを介したサービス提供は増え続けており、ネットワークの需要が高まっている

    ・IoTやAIなどの分野でもインフラが必須


このような理由から、今後もインフラエンジニアの需要は高い状態が続くと考えられます。IT業界のトレンドがオンプレミスからクラウドへと変化する中で、インフラエンジニアとして仕事内容が変化することはあっても、仕事が無くなるとは考えにくいでしょう。

クラウドの普及による需要

クラウドが普及してもインフラエンジニアの需要が減ることはありません。当然クラウドの活用を求められるため、インフラエンジニアの役割は変わる可能性はあります。しかし、ネットワークやOSでなどの設計・構築の業務は変わらずあり続けます。クラウドに仮想サーバーを立てるとはいえオンプレミスでの設定と同様のスキルは求められます。

関連記事:
インフラエンジニアの需要・将来性は?今後、役立つスキルも解説
インフラエンジニアにAWSスキルが求められる理由

インフラエンジニアに関するよくあるご質問

インフラエンジニアに関する、よくあるご質問に関して回答します。

Q1. インフラエンジニアの平均年収を教えてください

求人ボックス給料ナビによると、インフラエンジニアの平均年収は546万円程度です。レバテックキャリアの平均年収と比較すると、やや低めです。ただし全職種の平均年収よりは高いでしょう。令和3年の国税庁のデータによると、給与所得者の平均給与は443万円です。

Q2. インフラエンジニアはどのような場所で活躍していますか?

インフラエンジニアは、ITが用いられるあらゆる分野で活躍しています。企業のIT部門に所属して、自社サーバーやネットワーク、クラウドサービスなどを運用することが多いです。

具体的にはインターネットサービス企業やゲーム会社などの開発現場、システムインテグレーターやコンサルティング企業、金融や医療などの特定の業界に特化した企業が挙げられます。

Q3. インフラエンジニアとエンジニアの違いは何ですか?

インフラエンジニアは主にシステムの基盤構築・運用を担当します。一方で、エンジニアは主にアプリケーション開発を担当します。エンジニアというと厳密にはインフラエンジニアも含まれるので、アプリケーション側のエンジニアはアプリケーションエンジニアやシステムエンジニアと呼ばれる場合が多いです。

Q4. インフラエンジニアは具体的に何をする仕事ですか?

インフラエンジニアはIT基盤の設計・構築・運用・保守を担当します。「設計」では、必要な機器やサービスの選定、また機器の設置場所や配線方法についても検討します。「構築」では「設計」に基づき、実際に機器の設置・配線、初期設定やソフトウェアのインストールを行います。「運用・保守」では、各種インフラ機器のメンテナンスや障害対応など、日々のシステム運用対応を行います。

Q5. インフラエンジニアの設計の仕事内容は?

インフラエンジニアの設計は「基本設計」と「詳細設計」の2つに分けられます。「基本設計」では、前工程である「要件定義」の内容に基づき、システム構築の方針と方式レベルの設計を行います。また物理的な構成やサーバーの数、それぞれのサーバーにインストールするOS、スペックなどを定める工程です。「詳細設計」では「基本設計」で定めたシステム構築の方針に沿って、具体的にどのようなパラメータの設定、ミドルウェア、ソフトウェアの適用および稼働設定をするのかを定めます。

まとめ

この記事では、インフラエンジニアの仕事内容や年収、将来性について解説しました。サーバやネットワークなどを担当するインフラエンジニアの仕事は、IT分野の根幹を担う非常に重要な作業です。AIやIoTの時代においても、インフラエンジニアはIT業界内で重要な役割を担い続けるでしょう。インフラエンジニアの需要は高く人手不足ですのでこの機会にインフラエンジニアの道を検討してみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修

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