ネットワークエンジニアとは?役割や仕事内容、未経験から目指す方法

最終更新日:2024年7月10日

ネットワークエンジニアとはコンピューターネットワークを構築し、保守・管理をする職業です。いわゆる技術者であるネットワークエンジニアですが、求人数も多いことから気になる人もいるでしょう。
今回はネットワークエンジニアとはどんな職種なのか、ネットワークエンジニアになるには何が必要かを詳しく説明します。キャリアパスや関連資格もまとめたため、これからネットワークエンジニアを目指す人やネットワークエンジニアが気になる人は参考にしてください。

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この記事のまとめ

  • ネットワークエンジニアは、ネットワークの設計・構築・運用・保守を担当
  • 勤務体制が不規則でトラブル発生時の対応が必要かつミスが許されないため、きついと言われる場合がある
  • 実機操作が好き、忍耐力がある、新しい技術を学び続ける意欲がある、柔軟な勤務体制に対応できる人に向いている職業
  • ネットワークエンジニアの求人には、実務経験が重視される傾向があるため、経験豊富なエンジニアは高年収を期待できる

ネットワークエンジニアとは

ネットワークエンジニアとは


ネットワークエンジニアとは、コンピューターネットワークに携わる職業です。普段当たり前のように利用しているメールやデータのやり取りは、快適な通信環境が構築されているからこそ。この環境構築を行い、管理・保守するのがネットワークエンジニアの基本的な仕事です。
まずはネットワークエンジニアの役割を考え、他関連職種との違いを見ていきましょう。

関連記事:
ネットワークエンジニアになるには?必要なスキルや資格も紹介
ネットワークエンジニアの運用・保守業務とは?必要なスキルも解説

ネットワークエンジニアの役割

ネットワークエンジニアは、社内やクライアント企業のネットワークの構築や運用、保守などの業務を担当するエンジニアです。システムエンジニアやアプリケーションエンジニアがシステムやソフトウェアの開発を担当しているのとは対照的に、ネットワークエンジニアはインフラを担当します。

サーバーエンジニアとの違い

サーバーエンジニアはサーバーの構築や運用、メンテナンスをするエンジニアのことです。サーバーとはネットワークに接続されて、何らかのサービスを提供しているコンピュータのことです。ネットワークエンジニアは、サーバーと別のコンピュータをネットワークで接続する仕事です。ネットワーク全体を見るのがネットワークエンジニアの仕事で、ネットワークに接続されているサーバーを見るのがサーバーエンジニアであるという違いがあります。

システムエンジニアとの違い

システムエンジニアとは、個々のコンピューター上で動くシステムの設計や開発、テストを行う技術者です。ソフトウェアやアプリなどを開発するのに対し、ネットワークエンジニアはネットワークを構築するエンジニアであるため、受け持つ分野に違いがあります。

インフラエンジニアとの違い

インフラエンジニアとは、ネットワークエンジニアを含むインフラ関連のエンジニアを総称する言葉です。インフラエンジニアという広いくくりの中の一つがネットワークエンジニアだといえるでしょう。
違いをあげるとすると、ネットワークエンジニアの業務担当はネットワーク環境周辺。対してインフラエンジニアの業務担当は、ネットワークやサーバー、セキュリティなど全般となります。このように、それぞれの担当領域に違いがあります。

ネットワークエンジニアの仕事内容

ネットワークエンジニアの仕事内容は、非常に幅広いです。大まかに4つの分類に分けたので、ネットワークエンジニアへの理解を深めるために知っておきましょう。

関連記事:ネットワークエンジニアの構築業務とは?流れや必要スキル・資格を解説

ネットワーク設計

物理的にネットワークを構築する前に、要件を満たすようにネットワークの設計を行います。ネットワークに導入する技術や製品を選定して作業計画を立案し、ネットワークの利用者やクライアントなどの関係者や責任者にレビューを行います。ネットワーク構築後のメンテナンス方法などについても、この段階で固めることが多いです。

ネットワーク構築

次に、設計された通りにネットワークを構築します。実際の作業に取り掛かる前に、スケジュールと作業内容計画をしっかりと決めておくことが大切です。その後でネットワーク機器の設置やケーブルの配線、サーバーへのソフトウェアのインストールと各種設定を進めます。

ネットワークが構築できたら、通信テストや負荷テスト、セキュリティテストなどを実施します。テスト結果を文書にまとめて顧客に提出して、要件を満たしているネットワークが構築できているか判断するのも仕事のひとつです。ここで不合格と判断された場合は、不具合を修正したりパフォーマンスを向上させたりするなどの改修も実施します。

ネットワーク運用

ネットワークが構築できたら、いよいよ運用の開始です。運用時にはネットワーク機器の設定や構成が求められることもあり、それに適切に対応するのもネットワークエンジニアの大切な仕事です。

ネットワーク保守

ネットワークの故障やトラブル発生時に、原因を特定して、機器の交換や調整などを行って、ネットワークが正常に動作するように保守することもネットワークエンジニアの仕事の一つです。

ネットワークエンジニアの平均年収

ネットワークエンジニアの求人には、実務経験が重視される傾向があります。そのため未経験の方や実務経験の乏しい方の場合、運用や保守の仕事からのスタートが一般的となり、年収としては300~400万円程度です。

しかし実務経験が豊富な方や、ネットワーク以外の技術を保有している方になると、年収1000万円以上への求人に採用されることもあります。ネットワーク以外の技術とは具体的にLinuxやWindowsなどのOSを扱うサーバーエンジニアとしての経験や、データベース、クラウド、セキュリティなどの技術です。

関連記事:ネットワークエンジニアの年収相場は?クラウド時代に起こる変化

ネットワークエンジニアの将来性

IoTやクラウドの普及に伴い、ネットワーク技術に詳しいネットワークエンジニアの需要は、今後は高い状態を維持していくことが予想されます。特にネットワーク技術に加えて「セキュリティ」や「マネジメント」などのスキルを持つネットワークエンジニアの求人は増加傾向です。

しかし見方を変えると、ネットワーク技術しか要求されない求人は減少傾向であることを示しています。ネットワークエンジニア全体の求人数は好調ですが、精査してみるとプラスアルファのスキルを持つエンジニアが対象であることがほとんどです。
実務経験を積みながら、時代に合わせた新しい技術やスキルを磨いていかなければ、自分の希望する仕事や会社への就職は難しくなっていくでしょう。

関連記事:ネットワークエンジニアに転職するには?キャリアパスも紹介

ネットワークエンジニアはきつい?やめとけと言われる理由

「ネットワークエンジニアはきついからやめとけ」という意見もあります。ネットワークを含めるITエンジニアには「激務」「離職率が高い」とネガティブな印象を持つ人も少なくありません。
具体的にどのような点がネットワークエンジニアのきつさに結びついているのでしょうか。ネットワークエンジニアの持つ課題をまとめました。

関連記事:
ネットワークエンジニアの夜勤について|手当や辛いところを紹介
ネットワークエンジニアの残業時間や休日事情について

企業によっては不規則な勤務体制になる可能性がある

ネットワークは24時間365日の稼働が前提となっていることが多く、特に日中の停止はできるだけ避けなければならないケースが多いです。そのためネットワーク機器の交換や、メンテナンスなどは深夜の作業になることがあります。また深夜のネットワーク監視業務を担当することもあるでしょう。このような事情から、企業によっては不規則な勤務体制にある可能性があります。

このように休日出勤や夜勤が発生する可能性があることが、ネットワークエンジニアをきつい仕事だと思われている原因の一つといえるでしょう。

トラブルが発生したらすぐに対応しなければならない

ネットワークのトラブル発生時には、すぐに対応して復旧させなければなりません。たとえ深夜に発生したトラブルでも、すぐに現場に駆けつけて復旧させることもありますし、すぐに復旧できないトラブルでも完全に復旧させるまで長時間の作業になることもあります。何よりもネットワークのトラブル対応を優先させなければならないことも、ネットワークエンジニアが厳しいと感じる一因です。

ミスが許されない

ネットワークエンジニアはインフラエンジニアの職種の1つで、システムの基盤となる部分を作っています。
現代のシステムは複数のサーバーで構成されていることがほとんどで、他システムとの送受信を行うこともほぼ確実にあります。

サーバー間やシステム間のデータの授受にはネットワークが利用されており、ネットワークエンジニアの作業ミスによりネットワークが断絶した場合、業務が停止する可能性が非常に高いと言えます。
例えば、メールシステムのネットワークが故障するとメールの送受信を行うことができなくなり、業務に大きな支障が出るでしょう。

これらの理由により、ネットワークエンジニアの作業にはミスが許されないといわれています。

ネットワークエンジニアのやりがいと厳しさ

きつさも感じられるネットワークエンジニアですが、この仕事ならではのやりがいもあります。また、厳しく感じる点も合わせて考えてみましょう。

ネットワークエンジニアのやりがい

まずはネットワークエンジニアを目指すメリット、やりがいを解説します。ITインフラという大規模なシステムに携わることができる、スキルアップを実感しやすく活躍の場が広いなど、ネットワークエンジニアにはメリットもたくさん見られます。

関連記事:ネットワークエンジニアのキャリアパス|キャリアアップするためのポイントも解説

ITインフラを支える有意義な役割が担える

ネットワークはITインフラを支える重要な基盤であり、ネットワークエンジニアの業務はこの基盤を支える重要な仕事です。大規模なネットワーク構築では、長期間のプロジェクトになることもありますし、開発に関わるエンジニアの数も多くなります。ネットワークに接続される機器やサーバーの数も膨大になるでしょう。

多くのエンジニアと協力しながら構築したネットワークが完成して無事に運用開始出来た瞬間に得られる達成感は、ネットワークエンジニアにとって何ものにも代えがたいものです。

専門性が高い分野なのでスキルアップが実感しやすい

ネットワークエンジニアは、ネットワーク設計からネットワーク機器の選定や設定、セキュリティ技術など、さまざまな専門性の高いスキルが必要です。ネットワークには使いやすさや機能、負荷を分散させるしくみなど、さまざまなことが要求されるため、ネットワークエンジニアは、それらを考慮しながらうまくネットワークを構築しなければなりません。
このような専門性の高い分野であるため、業務を通じてスキルアップを実感しやすいことは、ネットワークエンジニアの大きなやりがいです。

ネットワークエンジニアの厳しさ

ネットワークエンジニアの厳しさについてまとめました。激務といわれる原因や、専門性の高さなど課題を知っておくと就職後にイメージとの違いが起こりにくく、ミスマッチを防げます。

ライフワークバランスが取りにくい

ネットワーク運用には休みがなく、トラブルがあれば深夜や休日に対応することもあります。人数が十分な運用であれば定期的な休暇も取りやすいのですが、人手の少ない企業や個人で働くネットワークエンジニアは、ライフワークバランスが取りにくい点が厳しさといえるでしょう。

しかし、IT企業全体の長時間労働は業界全体の課題として上ることが多く、最近では各企業で残業を減らし休日を増やす努力が見られます。労働時間が不規則になりがちだからこそ、代休制度をあらかじめチェックしたり、長時間働いたあとのリカバリーが適切かどうかを見極めるのは大切です。

覚えることが多い

ネットワークに携わるエンジニアだからこそ、サーバやデータベース、セキュリティなど、ネットワークと隣接する領域の知識や機器の特性などを覚えておかなくてはなりません。幅広く専門的な知識が求められる上に、問題解決を素早くできるエンジニアとしての技術も必要です。

クラウドや仮想化など新しい技術が次々に現れる業界だからこそ、キャッチアップも大切となります。業界に興味がなければ厳しく感じやすいため、向き不向きがあることを前提として、自分との相性も見極める必要があるでしょう。

ネットワークエンジニアに向いている人

さまざまなスキルが求められるネットワークエンジニアですが、以下で紹介するような人が向いています。

関連記事:ネットワークエンジニアに必要な勉強内容とその学習方法

ルーターやスイッチなど実機に触れるのが好きな人

ネットワークには欠かせない、ルーターやスイッチなどの実機に触れるのが好きな人は、ネットワークエンジニアに向いています。ルーターやスイッチを適切配置して、ネットワークケーブルを綺麗に配線できるスキルは実務でも役に立ちます。

忍耐力があり地道な作業が苦にならない人

ネットワークは常に安定して動作しているわけではありません。時には原因不明のトラブルで停止してしまい、長時間の検証と修正が必要なときもあるでしょう。そのような地道な作業が苦にならない忍耐力がある人は、ネットワークエンジニアに向いています。

新しい技術を学び続ける意欲がある人

ネットワークに関する技術は進化し続けますし、ルーターやスイッチなどの機器も新しいものが次々と登場しています。このような新しい技術を学び続ける意欲がなければ、ネットワークエンジニアとして働くのは難しいでしょう。例えばIoTやセキュリティの分野は、ネットワークエンジニアとも関連性が高く、毎日のように新しい話題が登場しています。

土日や深夜の作業が入っても大丈夫な人

ネットワークは24時間365日の稼働が前提のものが多く、時には土日や深夜の作業が必要となることもあります。そのような時間帯に作業が入っても大丈夫な人は、ネットワークエンジニアに向いているでしょう。
ただし、休暇を取らなくてもよいと考えている人ではありません。オンオフの切り替えが得意であり、働いた分の休みを取って行き過ぎたハードワーカーにならない人こそ、ネットワークエンジニア向きです。

ネットワークエンジニアに必要な知識とスキル

ネットワークエンジニアに必要な知識とスキルには、以下のようなものがあります。

関連記事:ネットワークエンジニアが習得すべきプログラミングスキルは?おすすめ言語や学習法も解説

高度なネットワークの知識

ネットワークエンジニアにとって、高度なネットワークの知識は必要不可欠です。ネットワークの全体像を把握したうえで、実際にネットワーク機器やサーバーを接続して、物理的なネットワークを構築するためには、多くの実務経験を積み重ねて得た知識が何よりの武器となります。

セキュリティの知識

ネットワークを悪用したサイバー攻撃から企業や組織を守るためには、セキュリティの知識が欠かせません。サイバー攻撃の手口は巧妙かつ高度化しているため、ネットワークに対するセキュリティ対策はもはや必須と言って良いでしょう。セキュリティ業界の動向を日々チェックすることに加えて、ネットワークに導入しているソフトウェアのアップデート情報なども追いかけることが重要です。

ネットワーク機器を扱うスキル

ネットワークはルーターやスイッチなど、さまざまなネットワーク機器から構成されています。これらのネットワーク機器にはさまざまな種類がありますが、性能や機能、コストなどが異なります。構築しようとしているネットワークに相応しい機器を選定して、適切に設定するためのスキルもネットワークエンジニアには必要です。

論理的思考力

クライアントの要望をネットワークに組み込んだり、ネットワークに発生したトラブルの原因を突き止めたりするには、論理的思考力も必要です。「クライアントはなぜこのような要望を持つのか」「トラブルはなぜ発生したのか」このような課題に対して論理的に思考する力がなければ、思うような成果を上げることは難しいでしょう。

ネットワークエンジニアのスキル習得の勉強に役立つ資格

ネットワークエンジニアのスキル取得には、資格試験の勉強も役立ちます。ここでは国家試験とその他試験の2つに分けて解説します。

関連記事:ネットワークエンジニアの志望動機の書き方は?例文も交えて解説

国家試験

国家試験とは、国が定めた機関が実施する資格試験を指します。ネットワークエンジニア関連の資格では国家試験と民間試験どちらが優れているというものはありませんが、情報収集がしやすい国家試験から見ていきましょう。

ネットワークスペシャリスト試験

ネットワークスペシャリスト試験は、IPAが認定するネットワーク分野の国家資格です。ITスキル標準のレベル4以上のネットワークエンジニアであることを示し、ネットワーク設計や要求仕様の作成、論理設計や物理設計、ネットワーク構築などに関する知識とスキルを体系的に学習できます。独学でも合格を狙える難易度ですが、ネットワークエンジニアとしての実務経験があった方が有利でしょう。

情報処理安全確保支援士試験(旧情報セキュリティスペシャリスト試験)

情報処理安全確保支援士試験は平成21年度春期から平成28年度秋期まで実施されていた情報セキュリティスペシャリスト試験の代替となる試験で、IPAが認定する情報セキュリティ分野における国家資格です。
この試験では、情報セキュリティの専門知識や技術、ポリシー、法令等についての理解が問われます。実務上必要な知識・技能に関する問題が出題されるため、この資格試験勉強を通じてシステムのセキュリティに関する体系的な知識を身につけることが目的です。

ITパスポート試験

ITパスポート試験とは、情報処理安全確保支援士試験と同じくIPAが認定する国家資格です。ネットワークエンジニアだけでなくIT業界で働くすべての人々を対象としており、ITを利用する一般企業では研修のひとつとして利用されることもあります。
内容は経営戦略やマーケティング、財務・法務、プロジェクトマネジメントなど総合的なIT知識となっており、IT関連で働く人の登竜門的な試験です。

そのほかの資格試験

国家試験以外の資格試験としては、以下の4つが役立ちます。一つずつ詳しく見ていきましょう。

Cisco技術者認定

Cisco技術者認定とは、ネットワークエンジニアにとってなじみの深いシスコシステムズのネットワーク製品に関する技能を認定します。
シスコシステムズは世界でも高いシェアを誇っており、ネットワーク業界では定番の試験といえるでしょう。ネットワークエンジニアとしての活躍の場を広げるため、転職や就職のために活用されることが多いです。

CCNA

CCNAは1年以上の実務経験者を想定した試験ですが、ネットワークに関する基礎的な問題も多く出題されるため、初学者でも十分合格が狙えます。シスコシステムズのホームページではトレーニングプログラムが公開されているほか、市販のテキストも多く販売されているため試験対策はしやすいでしょう。

CCNP

CCNPはCCNAの上位にあたる資格です。コア試験とコンセントレーション試験の2つに合格して初めて認定されます。CCNPは実務経験が3〜5年程度のネットワークエンジニアを想定しているため、初めて挑戦する方にとっては極めて難易度が高いといえるでしょう。

受験のために正式な条件は設定されておらず誰でも受験は可能ですが、まずはCCNAを取得してから挑戦してみるのがおすすめです。

LPIC

LPICは、Cisco技術者認定と並んでネットワークエンジニアにとっては定番の資格です。サーバー用OSとして知られているLinuxの管理者になるためのスキルを証明するものであり、レベルに応じて「LPIC-1」「LPIC-2」「LPIC-3」の3種類が存在します。

ネットワークエンジニアが資格を取得するメリット

ネットワークエンジニアになるために、資格の取得は必須要件ではありません。一方で、資格を取得することで客観的に自分の持つスキルを証明することができたり、資格の勉強の過程で最新の技術に対する理解を深めることなどが期待できます。

また、資格取得によってスキルの高さを証明することで、給与が上がる可能性も高まります。周りのエンジニアとの差別化を図りたい人は、資格取得を目指してみてください。

未経験からネットワークエンジニアとして転職するには

未経験からネットワークエンジニアを目指すためには、1つずつステップを踏んでいくことが重要です。ここでは、ネットワークエンジニアになるまでの3つのステップを解説します。

Step1 ネットワークとインフラ関連の知識を習得する

ネットワークエンジニアになるためにはネットワークに関する専門的な技術を身につけていることが必要です。初心者向けの入門書などを読むことでスキルアップを目指しましょう。

Step2 ネットワーク関連の資格を取得する

Step1で勉強した内容を体系的な知識として定着させるには、資格を取得することがおすすめです。また、採用時にも特定の資格を保有している人を優遇される場合も多いため、未経験者がネットワークエンジニアを目指す上で資格取得はしておくとよいでしょう。

Step3 自分でネットワークを構築してみる

知識をインプットしたとしても、現場では実際に手を動かすスキルが求められます。書籍や資格取得では、こうした実践的なスキルを身につけることは難しいため、最後の3つ目のステップとしては実際に自分でネットワークを構築して簡単なシステムを作ってみることをおすすめします。

その際、クラウド上で構築してみたり、ネットワークを冗長化してみるなど、少しずつ難易度を挙げながらネットワークスキルを上げていきましょう。ここまでできれば未経験者であっても十分にネットワークエンジニアになることが可能なだけのスキルセットが身についているはずです。

ネットワークエンジニアのキャリアパス

ネットワークエンジニアのキャリアパスとして、ジェネラリストを目指す道か、スペシャリストを目指す道の2つが考えられます。

管理面に注力するジェネラリストになる道

ネットワークエンジニアとしての技術力に加えて、システム開発プロジェクトの管理面に注力するジェネラリストになる道があります。これはプロジェクトの進捗管理や、ほかのエンジニアのマネジメント、クライアントとのコミュニケーションなど、多種多様な業務を任される道です。

ITコンサルタント

ネットワークエンジニアはネットワークを専門領域としている一方で、ITコンサルタントはネットワークだけでなく、セキュリティやデータベース、アプリケーションなど幅広い知識が求められる分野です。システム開発関連の網羅的な知識を身につけてジェネラリストを目指したい人にはおすすめのキャリアパスといえます。

プロジェクトマネージャー

プロジェクトマネージャーになると、システム開発を俯瞰的に眺める立場になります。ネットワークエンジニアの仕事は、サーバーのパラメータ設定やネットワーク敷設などが多く、作業は局所的であり、システム開発の全体感が見にくいことが多いです。
マネジメントの立場でシステム開発に関わりたい方は、プロジェクトマネージャーを目指すことをおすすめします。

技術の専門性を高めたスペシャリストになる道

ネットワークエンジニアの技術の専門性を高め続けて、スペシャリストになる道もあります。例えばネットワークと特に関係の深いセキュリティの専門性を高める道などがあります。

フルスタックエンジニア

フルスタックエンジニアはシステムの要件定義から開発、保守まで一貫して行えるエンジニアのことを指します。一人がアプリ開発全体をみることができるようになることで、システム全体の整合性を保ちやすくなるなどのメリットがあります。ネットワークだけでなく、アプリ開発の設計やコーディングスキルを身につけることで、フルスタックエンジニアになることが可能です。

クラウドエンジニア

クラウドの開発に特化したクラウドエンジニアを目指すことも可能です。
昨今のシステム開発の流れは、オンプレミスのサーバーからクラウドに移行することが主流になってきています。クラウド上でサーバーを動かす場合にも、ネットワークの構築は必須であるため、ネットワークエンジニアとしての経験が生かしやすい職種とも言えるため、次のキャリアとしてクラウドエンジニアを目指すこともよいでしょう。

セキュリティエンジニア

ITシステムにおける大きなリスクがアプリケーションの脆弱性による個人情報の漏洩などのセキュリティリスクです。それを防ぐことがセキュリティエンジニアの役割です。
セキュリティの脆弱性はネットワーク技術にも存在することが多いため、ネットワークエンジニアの知識を生かしつつ、セキュリティエンジニアになることで活躍できる場面も増えます。

ネットワークエンジニアに関するよくある質問

ネットワークエンジニアに関してよくある質問である「どんな仕事内容か」「SEとの違い」「どの分野で活躍するのか」について解説します。一つずつ見ていきましょう。

Q1. ネットワークエンジニアとはどんな仕事?

普段使用しているメールやデータのやり取りを行うネットワークを構築・保守・管理する仕事です。快適な通信環境を整えるのがネットワークエンジニアの基本的な仕事内容となり、ネットワーク設計を行うネットワークエンジニアもいます。

Q2. ネットワークエンジニアとSEの違いは?

ネットワークエンジニアはネットワークのシステムを作る仕事と説明しました。一方でSE(システムエンジニア)は、プログラミング言語を用いて、コンピューターシステムを作ります。
また、システムエンジニアはソフトウェア開発や企業の情報処理部門など、個々のパソコンを使った分野で活動します。

Q3. ネットワークエンジニアの活躍の場はどこ?

ネットワークエンジニアの受け持つ範囲は、企業でのPCセットアップ、セットアップサポート、店舗でのPOSレジシステム開発など多岐にわたります。スタートアップ時にネットワークエンジニアが必要となることは多いですが、その後の保守・管理もネットワークエンジニアが行います。

まとめ

この記事では、ネットワークエンジニアの仕事内容や必要なスキル、役立つ資格、キャリアパスについて解説しました。
本文でも解説したように、ネットワークエンジニアが活躍する場は多く、企業によって仕事内容も年収も異なります。実力と経験があれば高収入やキャリアアップを狙えるネットワークエンジニアですが、それなりの大変さ・ストレスがあるのも事実で、自分のキャリアプランと求人内容が一致するかどうかを見極めつつ転職活動を進めましょう。

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