仕事がきつい?ユーザー系SIerの特徴を解説!転職のポイントも解説

最終更新日:2023年3月23日

大手企業のシステム部門が独立したユーザー系SIerは、親会社並みの福利厚生や給与などが整っていることで、IT系でも人気の高い職場です。一方で、ユーザー系SIerと検索すると、「きつい」とサジェストされることもあり、ユーザー系SIerへの転職を考えた場合「仕事が大変なの?」と不安を感じてしまうかもしれません。結論から言えば、きついと思うか思わないかは個人的な感覚であり「ユーザー系SIer=きつい仕事」というわけではありません。本記事では、ユーザー系SIerの仕事の特徴を紹介した上で、どういった人に向いているのか、どういった点を「きつい」と感じてしまうのかについて解説します。ユーザー系SIerへの転職を検討している方はぜひチェックしてみてください。

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ユーザー系SIerの仕事はきつい?

大会社のシステム部門が子会社として独立したのがユーザー系SIerです。大企業の子会社であるため、一般的にはユーザー系SIer以外のIT関連企業と比較した場合、福利厚生が充実しています。また、コンプライアンスを重視する傾向にあるため、残業が少なく、SIerのなかでも働きやすい職場として知られています。

一方で、ユーザー系SIerと検索すると「きつい」「やめとけ」といったネガティブなワードがサジェストされることもあります。

一般的に「きつい」というと、残業が多く肉体的にきついシーンを考えますが、ユーザー系SIerは比較的残業が少なく、肉体的なきつさは感じにくい職場です。「きつい」と感じた人の多くは、エンジニアを取り巻く環境に対してきつさを感じていると言えます。

次章以降、ユーザー系SIerの特徴やメリット・デメリットを紹介します。転職を検討している皆さんは、自分に合った職場かどうかをチェックしてみてください。

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ユーザー系SIerに共通する5つのメリット

続いてはユーザー系SIerに共通する5つのメリットや特徴について解説します。

メリット1.仕事が安定している

ユーザー系SIerの仕事は大企業である親会社からの受注がメインです。そのため、基本的に安定して仕事があることが特徴のひとつと言えます。

従って、「営業が無茶な仕事を受注して、現場が急に忙しくなる」といった事態はほぼ起こりません。毎日同じような仕事量を同じように続けていくことができます。

また、親会社から定期的に受注するため「仕事が急に暇になり、経営が不安定になる」といったこともほとんどありません。

このように、安定して仕事を続けられることは、大企業のグループ会社である、ユーザー系SIerならではのメリットと言えます。

メリット2.自社内での開発がメイン

例えば、機密情報を多く扱うプロジェクトの場合、クライアント企業に常駐し、クライアントが用意したパソコンで作業することも多くあります。クライアント先への常駐はプロジェクトの状況によっては精神的にきついケースもあるでしょう。

また、クライアント先への常駐は、通勤が大変になるなど物理的なストレスも発生しがちです。場合によっては短期賃貸マンションでの生活を余儀なくされることもあります。

一方、ユーザー系SIerの主なクライアントは親会社です。ほぼ同じ会社ですから、機密情報を扱う場合も、必ずしも親会社で作業する必要はありません。いつもの職場で、気心の知れたチームで、いつもの端末で作業できるため、それだけでもストレスは軽減されるものです。

このように、クライアント先への常駐がほぼ無い勤務形態は、ユーザー系SIerならではの特徴ですし、メリットといえます。

メリット3.上流工程がメイン

ユーザー系SIerの主なクライアントは親会社です。ですから、基本的に元請けの仕事を担当することになります。2次請け・3次請けといったケースはほぼありません。

元請けなので、仕事内容は要件定義や基本設計など、上流工程がメインです。プログラミングやテストなどは2次請けに依頼するケースが多くあります。

そのため、要件定義に必要な企画力、プロジェクトを推進するためのマネジメント能力が身につきます。これらはIT業界以外でも役立つ能力です。

メリット4.充実の福利厚生と高い給与水準

ユーザー系SIerの福利厚生や給与は親会社(大企業)に準じることになります。そのためIT関連企業としては、比較的好待遇とされるのがユーザー系SIerの特徴です。

また、親会社はグループ会社全体でコンプライアンスを重視しているケースが多く、残業や休日出勤などは発生しづらい傾向にあります。また、先ほど紹介した通り、仕事量がそもそも安定しているという特徴もあります。

このように、ワークライフバランスを実現しやすい職場が多いのもユーザー系SIerならではの特徴です。

メリット5.社会的信用性が高い

ユーザー系SIerは会社名に親会社(大企業)の名前を冠していることが多くあります。これは社会的信用に直結しますし、メリットとなり得ます。

一般的なIT系企業では、それなりの規模を誇る企業でも知名度は小さいものです。仕事を説明する際、苦労した経験のある人も多いのではないでしょうか。一方で、ユーザー系SIerであれば、親会社の名前が知れ渡っているため、「ああ、〇〇の関連会社ですか」などと、すぐに理解してもらえます。

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ユーザー系SIerの仕事がきついと思われるシーン

前章で紹介した通り、ユーザー系SIerは残業が発生しづらく、福利厚生が充実しているなど、ワークライフバランスを重視した職場です。とはいえ、人によっては「きつい」と感じるシーンも発生します。どういった状況で、どのように「きつい」と感じるのか、その詳細について解説します。

開発の全行程に関わるようなスキルを得にくい

企業にもよりますが、ユーザー系SIerのエンジニアが担当するのは主に上流工程です。また、クライアントは主に親会社なので、同じようなシステムの担当が多くなる傾向にあります。これは仕事が大変になりにくいメリットがある反面、仕事内容が偏りやすいという点ではデメリットです。

また、新しい技術を試す機会や、開発の全工程を担当するといったケースはまれです。様々な案件に挑戦し、幅広い技術・知識を得たいエンジニアにとっては物足りなく感じる可能性があります。そのため、「ユーザー系SIerは(成長しづらく)きつい」と感じる人もいるようです。

とはいえ、前章でも紹介した通り、企画力やマネジメント能力といったスキルが身につきます。技術的なスキルをフォローしたいなら、社内で勉強会を開くなど、自分次第で身につけることができるでしょう。

変化が少ない

クライアントは主に親会社で、客先への常駐も発生しづらいことは前章で述べた通りです。これはメリットでもありますが、場合によっては「変化が少なく物足りない」と感じるケースもあるようです。

仕事内容に変化を求める人は、希望のプロジェクトに参画できるよう、積極的にアクションを起こす必要があります。そのためには、現在の仕事に直接関係無いスキルについても積極的に学ぶ姿勢が欠かせません。

出世が狭き門である

ユーザー系SIerは、一般的に子会社的な立場です。そのため、管理職は親会社からの出向がメインとなります。生え抜きで上のポジションを目指すのは狭き門です。

いずれは社長や管理職などを目指したい人にとっては、難しい環境となる可能性があります。このように出世しづらい状況に対し「ユーザー系SIerはつらい」と感じることがあると言えます。

とはいえ、絶対に上を目指せないわけではなく、ユーザー系SIerで様々な経験を積み、別の職場へとステップアップする人も多くいます。「出世しづらくつらい」と考えるのか、ユーザー系SIerならではの経験を積み、次のキャリアへ繋げようと考えるのか、キャリアパスの考え方次第と言えます。

残業代は期待できない

ユーザー系SIerでは、就業規則や福利厚生が充実しているのが特徴です。そのため残業は発生しづらい傾向にあります。これは基本的にはメリットですし、昨今の働き方改革などを考えると優良企業と言って良いのですが、残業代で収入を増やそうという考えがある場合、つらい環境とも言えます。特に、これまで残業代で収入を増やしてきた人が、ユーザー系SIerへ転職すると戸惑ってしまうかもしれません。

残業が少ないのは一般的に大きなメリットです。また、基本給が高い傾向にあることもユーザー系SIerの特徴ということを忘れてはいけません。

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ユーザー系SIerとその他のSIerとの違い

ユーザー系SIerへの転職を検討するなら、独立系やメーカー系など、その他のSIerとの違いが気になっているかもしれません。

独立系SIerの特徴は親会社を持っていないこと。様々な企業のプロジェクトに参画できるため、幅広い知識や技術を身につけたい人におすすめです。

一方で、プロジェクトが変わるたびに新しいことを覚えなくてはならず、業務が大変という側面もあります。

ハードウェア開発などのIT関連企業を親会社とするのがメーカー系SIer。ユーザー系同様に親会社のシステム開発を担当することもありますが、独立系同様に、クライアント企業へシステムを導入する案件も多く発生するのが特徴です。親会社のハードとセットでシステムを納入する案件もあります。ITに関する深い知識を得たい人におすすめです。

一方、クライアントの企業に常駐するケースも多く、そういった意味で大変さを感じる人もいます。

ユーザー系、独立系、メーカー系、それぞれにメリット・デメリットや特徴があるため、自分に合った転職先を考えることが大切です。

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転職希望者向け|ユーザー系SIerに求められるスキル

捉え方によっては「きつい」と感じられることもあるユーザー系SIerですが、ここまで紹介した通り、多くのメリットがある職場です。続いてはユーザー系SIerへの転職を考える人に向け、求められるスキルについて紹介していきます。

マネジメント能力が高い

ユーザー系SIerの仕事は上流工程がメインであるため、マネジメント能力が求められます。マネジメント経験は就職活動時に有利となる可能性が大きいので、職務経歴書や面接でしっかりとアピールしてください。

なお、他のスタッフへのマネジメント経験が無くても、自分自身はマネジメントしているはずです。納期を守るため、どんなことを意識しているのかなどを、就職活動前に整理しておくことをおすすめします。

学習意欲が高い

ここまで紹介してきた通り、ユーザー系SIerの仕事は上流工程がメインです。また、クライアントは基本的に親会社という環境なので、プロジェクトの内容は似た内容になりがちです。

そのため、開発全般に関する技術を身につけたいなら、仕事以外の時間に自ら学習する必要があります。自ら学習するタイプであれば、様々なプロジェクトにアサインされる可能性が高まり、スキルアップしていくことができます。

転職希望者向け|ユーザー系SIerを目指すためのポイント

続いては転職希望者に向けて、ユーザー系SIerを目指すためのポイントについて解説します。

親会社の仕事内容をしっかりと理解しておく

親会社の事業内容は、金融系、製造系、物流系など様々です。当然ですが、それぞれ求められるシステムは大きく異なります。

そのため、親会社の事業内容をある程度理解しておかないと、仕事をする上で支障が出ることがあり得ます。また、親会社の事業内容に興味を持てるかどうかも転職者にとって重要な要素と言えるでしょう。

必要な知識・技術を身につけておく

転職者は基本的に即戦力として扱われるため、目指す企業で使われているプログラミング言語や技術についても調査し、身につけておくと良いでしょう。これまでのプロジェクトで使った経験があれば、職務経歴書などに明記しておきましょう。

また、関連する資格がある場合、取得しておくこともおすすめです。資格そのものもアピールにつながりますが、勉強への意欲も評価の対象となり得ます。

ユーザー系SIerに関するQ&A

最後に、ユーザー系SIerに関するQ&Aについて紹介します。

Q1.ユーザー系SIerの将来性は?

ユーザー系SIer企業の将来性は、親会社の影響に大きく左右されます。
ユーザー系SIer企業の多くは大企業を親会社としています。そのため、親会社から安定した受注がある限り安定しています。一方で、親会社の業績が思わしくない場合は、その影響を全面的に受ける可能性があります。たとえそういったケースであっても、エンジニアは不足気味なので、ユーザー系SIerで上流工程の経験を積めば、市場価値の高いエンジニアとして広範な分野で活躍できるでしょう。

Q2.ユーザー系SIerの弱みは?

システム開発工程における上流工程の業務が中心になり、プログラミングなどの実装工程は外注することが多くなります。そのためマネジメント業務が中心で、業務上でプログラミングなどのテクニカルなスキルを磨く機会は少なくなるでしょう。

Q3.ユーザー系SIerの志望動機はどう書く?

ユーザー系SIerの場合、親会社の業界や業種に合った志望動機を書くのが基本です。たとえば製造業なら「日本の製造業のグローバルな発展に貢献したい」などが志望動機となるでしょう。また、ユーザー系は上流工程の経験者を採用する傾向が強いため、それ相応のスキルがあることをアピールすることも重要です。

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