SIerを「つまらない」と感じたエンジニアのためのキャリア設計

最終更新日:2022年2月14日

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SIerは企業における情報システム開発で重要な役割を担ってきました。一方、SIerに勤めるエンジニアの中には、技術力がつかない、保守的で挑戦しにくいといった理由で、SIerでの仕事を「つまらない」と感じてしまう人もいます。

そのような不満を解消するためには、別業界への転職を検討するのも一つの手です。SIerの仕事を通して身につけられるプロジェクト管理や上流工程のスキルは、別業界でも高く評価される可能性があります。本記事では、SIerが「つまらない」と言われる理由を考察した上で、別業界へ転職する際のポイントについて解説します。

1. SIerとは?

SIer(エスアイヤー)は、中〜大規模のITシステム開発案件を一括受注し、顧客の要望に添ったシステムを独自開発する業態です。金融業や製造業など、あらゆる業界の情報システムの開発でSIerは重要な役割を担っています。

大手SIerが要件定義や設計といった上流工程を担当し、開発作業はパートナー企業へ委託する場面が多く見られます。新規の開発だけではなく、構築したシステムが継続的に安定して稼働するよう運用・保守のフェーズも担当します。

大手SIerで働くエンジニアはプロジェクト管理を主として行い、開発全体を統括する役割を担います。業界独自の要件や、中〜大規模システムを構築するITスキルを磨くことに加え、様々なメンバーと協業していくためのコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力が求められます。

2. SIerが「つまらない」と言われる理由

SIerでの働き方にやりがいを感じる人がいる一方で、「つまらない」と声を上げる人もいます。SIerの業界構造や働き方に起因して、エンジニアが期待する労働環境になっていないケースがあるからです。ここでは、SIerが「つまらない」と言われる主な理由について解説します。

プログラミングの機会が少ない

SIerの場合、大規模システムの開発に参加する多くのエンジニアは、要件定義や顧客との調整が主な仕事となります。仕様書を書く時間が長くなり、プログラミング自体をする機会が少なくなってしまう人も少なくありません。そのため、技術力が身につかないことを危惧するエンジニアが見受けられます。

受託開発の制約がある

SIerは顧客からの要望に従って開発を進めるため、その依頼に含まれない新しい機能や開発プロセスを提案する機会がほとんどありません。自分のアイデアを発揮して積極的に開発していきたいエンジニアにとっては、不満を抱きやすい環境になってしまうでしょう。また、要件追加や納期の変更といった顧客の依頼があったときに、自身の作業スケジュールへ影響してしまうことに不自由を感じるエンジニアも多く見られます。

新しい挑戦が難しい

既存システムを運用・保守する案件もSIerにとっては大きなビジネスです。このようなプロジェクトでは、安定した稼働を優先するため、古い技術であっても使い続けなければなりません。テスト自動化等の生産性を上げるツールが導入されず、エクセルを前提とした手作業が依然として使われている現場もあります。新しい技術に挑戦していきたいエンジニアの中には物足りないと感じる人もいるでしょう。

柔軟な働き方が難しい

受託開発を行うSIerでは、顧客のオフィスに常駐して作業するケースがあります。その場合、労働時間から服装・働き方まで客先に合わせなければなりません。社外から顧客のシステムに接続できなかったり、セキュリティの制限が強く必要なWebサービスやソフトウェアが使えなかったりと、窮屈さを感じるエンジニアもいます。

人月ベースの評価がなされる

SIerは、顧客のために価値を提供したエンジニアの作業時間に比例して売り上げを計上する、いわゆる「人月商売」のビジネスモデルを前提としています。業績への貢献の観点からは、プロジェクトに長い期間入っているエンジニアが、より多くの売り上げをもたらしていると判断される場合があるのです。仕事を早く終わらせても売り上げが伸びるわけではないため、生産性が評価につながらない恐れがあります。

3. SIerで得られたスキルの振り返り

SIerの働き方に不満を覚える人もいる一方、SIerの仕事で多くのスキルを得られたことを実感している人も多いのではないでしょうか。SIerで得られたスキルは、別業界へ転職した際にも高く評価されることが期待できます。

プロジェクト管理スキル

中〜大規模のシステム開発を行っている中で、要求の厳しい顧客に対応し、品質・納期・コストを守って成果物を納品した経験は、幅広い業界で評価されます。多くの利害関係者と上手く連携して、プロジェクトを遂行したスキルの証明になるからです。経験を積んだエンジニアは、他のチームメンバーを指導しながら成果を上げることが期待されます。

開発プロセス全体の経験

大型案件の品質を保つため、多くのSIerは標準化された開発プロセスを採用しています。開発プロセスには、要件定義から設計・開発・テストといった手順を踏み、品質の高い製品を構築するノウハウが詰まっています。SIerで複数の案件に参画した経験は、様々な局面に応用できます。

大規模システムでの経験

大規模システムを安定して稼働させるためには、可用性や頑健性、セキュリティ等を考慮した設計がなされます。大手のSIerで働いていれば、このような高度な技術に触れる経験が蓄積されていくでしょう。また、特定の業界に関する業務要件やシステム要件に明るくなるといったメリットもあります。プロジェクト単位で多様な案件に参加してきた経験は、幅広い知識の習得へとつながるはずです。

上流工程の経験

大手のSIerでは、開発プロセスの中でも要件定義や設計といった上流工程を手掛ける機会が多いです。プログラミング自体は担当しなかったとしても、どのような手順で処理を組むのかを検討する経験は得られます。さらに、顧客との折衝を通じて、システム要件について合意を得る経験は、別業界でも応用可能です。

4. SIerで得たスキルを活かすキャリア設計

SIerを「つまらない」と感じるのは、業界構造そのものに起因する場合があるため、別業界への転職によって不満を解消するのも有効な手段の一つです。別業界への転職を検討する際には、SIerで身についたスキルを活用できるキャリア設計が推奨されます。

事業会社

あらゆる業界でITの活用が競争力を左右するようになっており、事業会社のIT部門を強化するためのエンジニア採用があります。主体性を持ってIT戦略立案やIT企画に取り組みたい人に合っている選択肢です。システム開発の経験を持っているエンジニアは、事業会社のIT部門でも評価されやすい傾向があります。

Web系企業

ソーシャルメディアやEコマースサイトなど、Webサービスを運営する企業でも積極的なエンジニアの採用が見られます。技術力を活かした新機能開発やプロセス改善に興味がある人に向いています。SIerで標準化された開発プロセスに詳しく、コミュニケーション能力に秀でたエンジニアはWeb系企業にも求められるでしょう。

コンサルティングファーム

多くのコンサルティングファームではITを専門とする部門を有しています。経営戦略を形にするためのIT戦略や、業務プロセス分析などの上流工程の経験が積める環境です。SIerでシステム開発の経験を積んだエンジニアは、技術力を持ちながら上流工程を担当できるコンサルタントとして評価されます。

大手SIer

中小SIerに所属しているエンジニアで仕事が「つまらない」と感じていた人は、大手SIerに転職することで問題が解決する場合もあります。顧客から直接依頼を受ける一次受けとなり、プロジェクト管理や上流工程を担当できる機会が増えるからです。また、年収や待遇の改善も期待できます。

5. SIerで働くエンジニアが転職する際に準備するべきこと

SIerから別業界へ転職する場合、仕事の進め方や評価ポイントが異なるため、相応の準備が必要となります。

キャリア設計の優先順位を明確にする

SIerが「つまらない」と感じた理由を踏まえ、自身のキャリアで重要な要素を洗い出します。例えば、自分でプログラミングを担当し、技術を追求したいと感じるならばWeb系企業が向いている可能性が高いです。キャリア設計については面接でも聞かれやすい質問のため、うまく説明できるよう準備しておきましょう。

情報収集する

同じエンジニア職であったとしても、業界が異なれば働き方は異なります。転職先でも不満を感じることがないよう、事前に理解を深めておくべきです。転職サイトや転職エージェントを活用して、どのような働き方がなされているのか、メリット・デメリットは何かを確認しましょう。

持っているスキルを棚卸しする

転職活動を進める前に、SIerで得られたスキルを振り返るようにします。前述した通り、プロジェクト管理や上流工程の経験を積んできたのかもしれません。異なる業界でもアピールできるスキルを洗い出すようにしましょう。

足りないスキルを身につける

希望の業界で求められるスキルに不安があれば、現在の仕事で習得できないか検討します。プログラミングに取り組みたいのであれば、実装まで手掛けられる案件への異動を希望する方法も考えられます。一方、SIerでの仕事以外にもスキルアップの手段はあります。オンラインスクールや学習サイトなどで、最新の技術を習得することもできます。

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