Uターン転職とは
Uターン転職とは、地方出身者が首都圏などの都市部で就職したのちに、地元に戻って転職して働くことを意味します。Uターン転職と呼ばれるのは、アルファベットの「U」の形のように、一度外に出たのちに、戻ってくるためです。
都会で働いている方が地方へ転職する場合はUターン転職以外にも、Iターン転職、Jターン転職と呼ばれるものがあります。
Iターン転職との違い
Iターン転職とは「I」の文字が表しているように、都会で生まれ育ち、都会でそのまま就職をした方が地方へ転職をすることを指します。
Uターン転職との違いは、縁やゆかりがある土地へ転職するかどうかにあります。Uターン転職の場合は、地元へ転職することになりますが、Iターン転職の多くは暮らしたことがない土地で働くことになります。
Jターン転職との違い
Jターン転職とは「J」の文字が表しているように、地方で生まれ育った方が、都会で就職をしたのちに、地元以外の地方へ転職することを指します。
Uターン転職との違いは、どちらも地方へ転職するという共通点がありますが、その地方が地元なのか、地元以外なのかというところにあります。
Uターン転職のメリット
地方出身者が都市部で就職したのちに、地元に戻って転職して働くUターン転職には、さまざまなメリットがあります。Uターン転職を通じて、就職面はもちろん、大都市圏とは一線を画す生活面のメリットも享受できます。ここでは、Uターン転職のメリットについて詳しく解説します。ぜひUターン転職の参考にしてください。
就職面のメリット | 生活面のメリット |
---|---|
・選考の際に多くの企業が面接の場を設けてくれる ・地方自治体のサポートを受けられる場合がある ・通勤ストレスから解放される ・ワークライフバランスがとりやすい |
・生活費が安い ・採れたての食材を手に入れたり名物料理を食べたりしやすい ・生まれ育った土地で暮らせる安心感がある ・混雑がない、自然が多いなどの理由でリフレッシュしやすい ・人との交流が生まれやすい ・子育てしやすい |
Uターン転職の就職面でのメリット
Uターン転職は、就職面でもさまざまなメリットを得られます。主なメリットとしては、選考の際に多くの企業が面接の場を設けてくれる点や地方自治体のサポートを受けられる場合がある点が挙げられます。
また、満員電車などの通勤ストレスから解放されやすいことやワークライフバランスがとりやすいこともUターン転職の就職面でのメリットといえるでしょう。以下では、Uターン転職の就職面でのメリットについて解説します。
選考の際に多くの企業が面接の場を設けてくれる
選考の際に多くの企業が面接の場を設けてくれることは、Uターン転職のメリットです。もちろん応募する企業によりますが、地方では一つの求人募集枠に応募する人数が都会と比べて少ない傾向です。企業側もまずは求職者と会う機会を設けて、評価できるポイントを探すことが多くあります。
もし同じ職種・同じスキルレベルの方が東京と地方で転職活動をしたら、内定数は地方の方が多く出る可能性があります。その理由は、中途採用を行う企業側も地方には人材が少ないことを理解しているため、いい人材がいたら積極的に採用したいと考えているからです。
また、地方はポテンシャル採用で経験が浅い方にも内定が出やすい傾向もあります。さらに、東京では20〜30代しか積極的に採用しない企業もありますが、地方の場合は40代以降の採用にも前向きな企業が多い傾向があります。
地方自治体のサポートを受けられる場合がある
Uターン先の地方自治体のサポートを受けられる場合があることも、Uターン転職のメリットの一つです。サポートとしては、移住者向けに住宅購入の支援金を出していたり、格安で自治体が保有する家屋を提供したりしています。
また、コロナ禍の影響もあり、リモートワークできる仕事の支援を行う自治体も増えてきています。たとえば、山口県では東京圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県※一部地域を除く)に在住していた方で一定条件を満たした場合、単身なら60万円、家族なら100万円を支援しています。
参考:Ujiターン・やまぐちテレワーク移住等支援事業費補助金について - 山口県Webサイト(2024年9月19日時点)
通勤ストレスから解放される
都会の生活でストレスを感じる理由の一つに、通勤混雑が挙げられます。東京で働く方の中には、埼玉や神奈川から1〜2時間かけて電車通勤する方も多く、そのような方にとっては通勤ストレスからの解放は大きなメリットになるでしょう。
また、地方で働く場合は自動車通勤になることも多くあります。自動車通勤であれば、満員電車に揺られて就業前に体力を消耗することもありません。そのため、都市部で働いた方にとっては魅力的に感じることもあるでしょう。
ワークライフバランスがとりやすい
Uターン転職を希望される方には、転職理由が結婚や子育て、介護など家庭内事情といったケースも多くあります。これらの転職理由の場合、ワークライフバランスを重視する傾向が多いです。
企業サイドも求職者のそのような事情を理解しており、稼働時間や有給消化率など、ワークライフバランスを保てる環境を用意できるように取り組む姿勢が増加しています。そのため、家族との時間やプライベートを重視する方にとっては、大きなメリットとなるでしょう。
Uターン転職をした際の生活面でのメリット
Uターン転職は、生活面でも多くのメリットをもたらします。最も大きな生活面のメリットは、生活費が安いことです。ほかにも、生まれ育った土地で暮らせる安心感や混雑の少なさ・自然の多さ、子育てしやすい点なども生活面でのメリットといえるでしょう。以下では、Uターン転職をした際の生活面でのメリットについて解説します。
生活費が安い
都会と地方の暮らしで最も違いが表れるのが生活費です。まず、家賃の差は大きいでしょう。東京23区内だと一人暮らし向けのワンルームマンションでも家賃は8〜10万円程度かかりますが、地方の場合、住む場所によっては東京の半額以下の家賃で設備の整ったマンションに住むことが可能です。
また、生鮮食品も地方は東京より安いので、必然的に生活費は低く抑えられます。
採れたての食材を手に入れたり名物料理を食べたりしやすい
Uターン転職は、食事面でも多くのメリットをもたらします。地方では、朝採れの野菜や魚介など、新鮮な食材を手に入れやすい環境が多くあります。
都会から地方に移住すると、毎日食べるご飯の美味しさに驚く人も少なくはありません。その土地ごとの名物料理が楽しめるのも地方のいいところです。そのため、採れたての食材を手に入れたり名物料理を食べたりしやすい点に魅力を感じる方もいるでしょう。
生まれ育った土地で暮らせる安心感がある
Uターン転職は、両親や友人がいる故郷に戻れることが大きなメリットです。生まれ育った土地で再び暮らすことで、都市部とは異なる安心感を得ることができます。
たとえば、両親の介護や子供を故郷で育てたいときなどに、故郷にいることは大きな安心感を得られるでしょう。そのため、生まれ育った土地で暮らせる安心感をメリットと感じる方は多くいます。
混雑がない、自然が多いなどの理由でリフレッシュしやすい
地方は、居住地から少し足を伸ばせば、豊かな自然あふれる場所に行くこともできます。空気や水がおいしくゆとりある暮らしもしやすいでしょう。また四季の移り変わりを感じながら、心穏やかに過ごせます。
また、都市部と違い、休日に出かけるとしても大渋滞はありません。人混みで気疲れするようなこともなく、混雑が原因のストレスに悩むこともないでしょう。
人との交流が生まれやすい
地方では都会の人間関係に比べると地域の繋がりがあり、近所の方とのコミュニケーションが発生しやすい環境になります。また、Uターン転職で地元に戻る場合は地元に残っている友人やお世話になった人との関係は既にできているため、孤独にはなりにくいです。
都会でサバサバした人間関係が合わない方にとっては、Uターン転職は素晴らしいメリットになります。
子育てしやすい
子育ての環境は、地方と都会とでは大きく環境が変わります。たとえば、子どもを保育園や幼稚園に預けられないという問題が、都会では多くあります。その一方で、地方は都会と比較すると保育園や幼稚園に入りやすいです。そのため、仕事と子育ての両立がしやすいといえます。
また、地方では近隣住人が顔見知りになりやすい文化があり、地域で子育てをする環境も整っているケースも多いです。安心して子育てに取り組むことができ、このことは仕事や私生活の充実にもつながります。
Uターン転職のデメリット
Uターン転職には多くのメリットがあるとお伝えしましたが、意外なデメリットも存在します。Uターン転職のメリットを全面的に理解するには、それに伴うデメリットにも目を向ける必要があります。
就職の面では特定のハードルがあり、地方生活固有の問題点も無視できません。ここでは、Uターン転職のデメリットについて詳しく解説します。
Uターン転職の就職面でのデメリット
Uターン転職には、いくつかの就職面でのデメリットも存在します。主な就職面でのデメリットには、年収が下がることがあることや求人数が少ないことが挙げられます。
また、都市部と違って勉強会の開催数が少なめなこともエンジニアにとっては懸念材料です。さらに、年功序列の文化が残っている会社もあることもデメリットになります。以下では、Uターン転職の就職面でのデメリットについて解説します。
年収が下がることがある
Uターン転職のデメリットとして、最初に考えられるのは「年収が下がる」ことです。大体の目安としては、都会で働いていた頃の10〜15%くらい下がった年収が提示されます。例としては、年収500万円だった方は425〜450万くらいになるでしょう。
例外として、東京に本社を置く一部の企業が、全国一律の条件で求人を出すケースもあります。しかし、東京と比較すると地方の平均年収は低く「年収は下がるのが普通」くらいに思っておいた方がよいでしょう。
ただし、前職より低い年収を提示されたとしても、これまでの経験やスキルが低く評価されているわけではありません。生活費は地方のほうが安く、実際の生活水準が下がることは少ないといえます。
たとえば、年収500万から450万に下がってしまった場合、家賃が4万円安くなれば、年収500万と同等の生活水準が保てます。その他の生活費を考慮すると、年収はダウンしたものの生活水準は上がるケースもあります。そのため、額面だけで判断するのではなく、生活費などトータルで考えるようにしましょう。
求人数が少ない
東京と比較すると地方は企業数が少ないため、必然的に求人数も少なくなります。特に東京でも数が少ない先端技術を駆使したサービスを展開する企業などは、地方ではさらに希少です。ニッチなサービスやトレンド技術を扱える企業のみに希望を絞ると、転職先を見つけることが難しくなるでしょう。
どうしても挑戦したいサービスや技術がある場合は、地方に拠点を置きつつも、フルリモートで東京のIT企業で働くという方法もあります。しかし、フルリモートで活躍しているエンジニアは、一定水準以上のスキルが求められます。そのため、実務経験が浅いと難しいこともあります。
勉強会の開催数が少なめ
勉強会の開催数が少なめなことも、Uターン転職の就職面でのデメリットとして挙げられます。ITエンジニア向けの勉強会の数も、東京など都市部と比べると少ないのが現状です。
休日にエンジニア同士で集まってスキルを磨くことが好きだった方は、自ら勉強会の主催者になるなど、行動を変えていく必要があるでしょう。
年功序列の文化が残っている会社がある
東京と比較すると、地方企業では年功序列の文化が根強く残っていることがあります。スタートアップ・ベンチャーで働いていたり、自由な社風で働いていたりした方にとっては、窮屈に感じることもあるでしょう。
実力に関係なく給与が年齢で決まっていることもあるので、実力主義の会社でパフォーマンスを発揮したいと考えている方は、社風の事前調査を念入りに行いましょう。
Uターン転職をした際の生活面でのデメリット
Uターン転職をした際には、生活面でのデメリットにも気をつける必要があります。生活面でのデメリットには、都市部と違い車通勤が主流の企業も多く運転免許が必要な場合があることが挙げられます。
また、横の繋がりを重視する文化があることや娯楽施設の数が少ないこともデメリットといえます。そして、地方ならではの慣習に馴染むのが大変と感じる人もいるでしょう。以下では、Uターン転職をした際の生活面でのデメリットについて解説します。
車通勤が主流の企業も多く運転免許が必要な場合がある
都内に住んでいると交通手段が充実しているため、車を運転することはほとんどない人も多いです。しかし、地方では車がないと生活に困るシーンが多々あります。
買い物や通勤のために車が必要になる事があるため、運転免許を持っていない方は運転免許の取得が必要になることがあります。
横の繋がりを重視する文化がある
人によってはメリットにもなりますが、地方は横との繋がりを大切にする文化があります。人とコミュニケーションをとるのが苦手な方にとっては、厳しい環境といえます。
特にITエンジニアの場合は、勉強会の開催情報は知り合いのみに告知するケースも少なくありません。そういった情報を逃さないためには、社外のエンジニアとも関わる積極性が必要になります。
地方ならではの慣習に馴染むのが大変と感じる人もいる
地方では、地域ごとにお祭りなどの行事があったり、地域の考え方に違いが出たりします。これらの慣習に、自分だけでなく家族も馴染めるかが重要な要素になります。
あらかじめに住む地域の慣習を知っておくと、Uターン転職を成功させる確率を高めることができるでしょう。
娯楽施設の数は少なめ
娯楽施設の数が少ないことをデメリットと感じる方もいます。地方は、都会と比較すると映画館や美術館などの娯楽施設の数は少ないです。
音楽や舞台、イベントなども圧倒的に少なく、観るためには都会まで行くことになります。ただし過疎化が進んでいる地域にある施設は空いている可能性が高いので、人込みや待ち時間が嫌いな人にはメリットもあります。
Uターン転職をする手順
Uターン転職で移住するには基本的な流れがあります。Uターン転職をする手順には、最初に希望条件や転職理由をまとめることが大切です。
次に、情報収集をして移住先を探し自治体窓口に相談するようにしましょう。移住先が決まったら、仕事や住まい探しを行います。
希望する企業が見つかったら、実際に応募して、採用試験を受けます。内定を勝ち取ったら、入社して移住を開始します。ここでは、これらのUターン転職をする手順を詳しく解説します。
関連記事:未経験からプログラマーに転職できる?転職の方法や求人例を紹介
希望条件や転職理由をまとめる
Uターン転職をする手順の第一段階は、希望条件や転職理由をまとめることです。地方でのUターン転職は、都市部に比べて転職先が限られることが想定されます。
自分の希望条件を多くしすぎると、理想の仕事に出会う確率が下がる可能性があります。そのため、転職を考えるにあたっての動機や目標、キャリアプランを再考し、重要な条件には優先順位を設けることが重要です。
希望条件がまとまったら、希望条件をもとにして転職理由をまとめるようにしましょう。
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情報収集をして移住先を探し自治体窓口に相談する
まずは移住先の情報、どのような補助が用意されているのかなどを確認するのがおすすめです。ネットなどで調べた後は、自治体窓口に相談してみた方が良いです。
ネット上にほとんどの情報は出ていますが、調べきれていなかったり、非公開でネットにはない情報を教えてくれたりする可能性もあるからです。
仕事・住まい探しをする
自治体窓口に相談して移住先が決まったら、仕事や住まい探しを行います。まずは、転職する企業を探すことからスタートしましょう。地方への転職では求人数が限られることが多いため、情報収集の範囲を広げることが重要です。
全国規模の求人サイトや転職サービス、転職エージェント、地方自治体や地域の商工会議所などが提供する就職支援サービス、ハローワークなどの求人情報を徹底的に収集しましょう。
また、UターンやIターン転職に関するイベントも定期的に開催されているので、これらのイベントのスケジュールも把握すると効果的です。新しい住まいは、通勤ルートや通勤時間を考慮して探すといいでしょう。
希望する企業に応募し、採用試験を受ける
転職希望の企業が見つかったら、その企業に応募します。書類選考が通過した後は、採用面接になります。最近はオンライン面接も普及しており、現地に出向かずに面接も可能です。
ですが、最終面接の段階になると現地訪問が求められることが多いです。遠方の企業に応募した場合は、企業とのスケジュール調整や休暇の取得などに、相応の労力と時間が必要になると考えたほうがいいでしょう。
また、複数の企業から面接の予定を得ている場合は、計画を立てて面接機会を集中させると効率的です。場合によっては、地方の企業であっても、都市部にオフィスを持っていたり、採用担当者が出張で面接を行うこともあります。
内定・入社・移住
内定を獲得したら、現職での引継ぎ作業や退社に向けた準備を行います。さらに転居の計画を考慮して、新しい職場への入社時期の調整も必要です。
退職の意向を現在の職場に伝える際は、退職希望日の1〜2ヶ月前が望ましい期間とされています。また、業務の引継ぎと転居準備を同時に行うことになるため、計画的に取り組むことが重要です。
新居探しに関しては、転職先の企業に相談することで協力してもらえる可能性があります。
Uターン転職を成功させるための準備とポイント
Uターン転職は居住地の変化が伴うため、通常の転職とは異なる準備が必要になります。Uターン転職を成功するためには、半年〜1年以上経験を積んでから転職することが大切です。
また、知名度だけで企業を選ばないことも転職を成功するためのポイントになります。さらに、地域の特徴や配属場所、規模などの情報収集も重要です。
そして、家族や恋人への相談など引っ越しに関連する内容にも考慮する必要があります。ここでは、Uターン転職を成功するための準備とポイントを解説します。
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半年~1年以上経験を積んでから転職する
Uターン転職の場合、勤務地の希望優先度は高いことが一般的には多いです。しかし、ITエンジニア未経験で内定が出る企業の多くは、アウトソーシング系企業であるため、常駐先は案件次第で変わります。つまり、居住地の希望が通らない可能性が高いといえます。
都市部であれば開発案件が豊富にある一方で、地方ではどうしても案件も限定的になってしまいがちです。そのため、完全未経験の場合は案件の選択肢が狭まってしまい、希望する居住地近くの案件に入ることができないこともあります。
希望の地域へ転職したい場合は、まずは半年〜1年以上経験を積んでから転職活動をはじめると、選択肢の幅が広がります。
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知名度だけで企業を選ばない
Uターン転職を成功させるためには、知名度だけで企業を選ばないことが大切です。多くの方が、転職時に全国的に知名度の高い企業に目を向けがちです。しかし、特定の地域で有名な企業も視野に入れることで、選択肢が広がり、結果的により良い条件で転職できる可能性が高まります。
「フルリモート」の求人もチェックする
最近は「フルリモート」の求人も増加しています。フルリモートであれば、地方に住みつつも、東京や大阪などに本社を構える企業に勤めることが可能です。
地方在住でありながら都市部の企業で活躍するという、新たな働き方が選択肢に入るため、フルリモートの求人も必ずチェックするようにしましょう。
フルリモート可の企業を検討対象に加えることで、転職希望の企業が増えることもメリットです。
事前に地域の情報や求人情報の収集を行う
事前に地域の情報収集を行うことで、イメージと現実とのギャップを埋めることができます。収集する情報としては、過去に住んでいた場所の変化やお店や道路、遊ぶところなどがあります。家族やお子さんがいる場合は教育環境についても情報を集めるといいでしょう。
また、地元の求人サイトや転職エージェントをチェックすることも、Uターン転職を成功させるために重要です。早めに複数登録して求人を見て、可能であれば転職エージェントに相談することをおすすめします。
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配属先となる場所や規模を確認しておく
大手企業に内定したとしても、企業のWebサイトのイメージとは違うケースもありえます。Webサイトでは、高層ビル内にあるオフィスが紹介されていたとしても、地方の支店は小規模のオフィスということもあります。そのため、支社がある企業では、Webサイトの本社だけでなく支社の内容も確認しておきましょう。
支社で働く場合でも、企業によっては本社のみか、もしくはWebでの選考で完結することもあるため、支社を一度も見たことがないという場合は注意が必要です。
実際に配属される支店の規模や社員の年齢、雰囲気などは気になるポイントなので、面接時に質問したり、エージェントに確認したりしておくと入社後のギャップが小さくなります。
また、支社に一度も行かずに選考が終わりそうな場合は、面接時に支社を見学したいと申し出ることも可能です。
入社までの準備期間に余裕を持たせる
Uターン転職の場合は引っ越しが伴う転職であるため、入社までの準備期間として2週間程度は余分に確保するほうが安心です。また、生活拠点を実家にする場合は問題ありませんが、違う場合は住む場所の利便性や治安状況、家賃の相場などの情報を集めたり、実際に自分の目で確認したりするのに時間が必要です。
さらに、企業によっては自治体で発行される住民票などの書類が必要になることもあるため、余裕を持って入社準備をすることをおすすめします。
家族や恋人がいる場合は事前によく話し合う
家族や恋人がいる方は、一緒に移住した場合のことをよく話し合うことが重要です。家族や恋人のキャリアプランや将来設計など、話し合うべきテーマは多くあります。
移住してから我慢できないことが出てしまうと、結果としてトラブルになることも考えられます。そのためにも、事前に不便になっても我慢できることや譲れないことを、すり合わせておくといいでしょう。
また、もし我慢できないことが出てきたときにどうするのかまで決めておくと、トラブルがあっても家族や恋人と乗り越えていけます。
転職前に短期間だけ試しに住んでみるのもおすすめ
1、2回行ってみるだけでは、その地域に住んだときのイメージまではわかりません。昔住んでいた場所であっても、地域も自分自身の価値観も変わっている可能性が高いでしょう。
そこでおすすめなのがお試しで住んでみることです。転職前に実際に住んでみることで、長期的にそこに居て問題ないかがわかります。
現地訪問やお試しの移住プランを活用する
移住先がある程度決まったら、現地訪問やお試し移住プランを活用するのがおすすめです。いきなり移住にしてしまうと、思ったのと違った場合に大変です。
お試し移住プランは、自治体が実施している場合があります。自費でお試しをするのは負担が大きいため、可能な限り自治体の支援制度を利用すると良いです。
将来設計をしっかりと考える
将来設計をしっかりと考えることも、Uターン転職を成功するためには重要なポイントです。ただ近い将来のことを考えるのではなく、5年後、10年後といった長期的な視野でライフプランを練るようにしましょう。
10年後も将来性のあるキャリアを築けるか、10年や20年経った時に自分や家族がその地でどのような生活を送っていたいかといったビジョンを明確に持つことが大切です。それにより、Uターン転職を後悔するリスクを最小限に抑えることができます。長期的な視点から自己のキャリアと生活の設計を行うことが、Uターン転職の成功につながります。
Uターン転職をした人の主な理由やきっかけとは
Uターン転職を検討している方にとって、Uターン転職をした人の主な理由やきっかけを知ることは重要です。働き方改革の影響により、リモートワークや副業などの多様な働き方が増えています。
そのため、UターンやIターン、Jターン転職に前向きに考えている企業も年々増加しています。ここでは、Uターン転職をした人の主な理由やきっかけについて解説します。
関連記事:エンジニアの転職理由はなんて答えるべき?面接で使える例文とポイントを解説
生活環境を見直したため
Uターン転職をする理由として、生活環境を見直したことが関係している方も多くいます。地方から都会に就職して慣れてきても、喧騒に触れ続ける環境から落ち着いた環境に戻りたいと考えてUターン転職する方も少なくはありません。また、生活コストが上がったことから、比較的物価の安い地方で暮らすことを選択する方もいます。
ライフステージが変化したため
結婚や出産、両親の介護、子供の成長などのライフステージの変化によって、Uターン転職を決断するケースがあります。子供を育てる環境として、地元がいいと思う方や家族の健康維持のためという方もいます。
特に子供の小学校入学のタイミングが、都会での暮らしを続けるか、地方で暮らすかのターニングポイントになる方が多いようです。都会の受験競争を経験するよりも、地方で自由に育てたいと考える方もいます。
自治体が行う地域活性化で地方企業の採用周りが整備されたため
ここ数年、自治体が行っている地域活性化が話題になることが多いです。事実、全国的に地域活性化のためにいろいろな取り組みを行っています。その一環として、自治体と企業が連携した採用周りの整備が挙げられます。
地方に人を流入させるためには労働環境の確保、整備が欠かせないからです。リモートワークや副業の推進も、地方で働くための労働環境整備といえるでしょう。その結果、Uターン、Iターン、Jターンによる転職事例が増加しています。
Uターン&Jターン転職経験者の体験談
Uターン転職を検討している方にとって、実際にUターンやJターン転職を経験した人が語る、地方で働く体験談は貴重な情報になります。
以下では、30代でUターン転職を成功させたTさんと20代でJターン転職を成功させたMさんに、地方で働く体験について話を聞きました。この体験談を活かして、Uターン転職の参考にしてください。
Uターン転職を成功させたTさん(30代)の場合
両親も高齢になり、親孝行しようとUターンを考えたのがきっかけです。大学卒業後ずっと東京で働いていましたが、地元に戻ることにしました。転職は転職エージェントを活用し、相談して求人を紹介してもらいました。
働きながら面接を受けたので日程のやりくりが大変でしたが、転職と引っ越しを経た今、生活にも職場環境にも満足しています。
Uターン転職を成功させたMさん(20代)の場合
子供が2人いるので、子育てしやすい環境で働きたいと思い実家がある地域にUターン転職しました。転職時にはいくつかの転職サイトに登録し、求人をいろいろ探しました。
都会に比べると地方はどうしても求人が少ないのでマッチする企業を探すのに苦労しましたが、前職までの経験を活かせる企業が見つかりました。大手からベンチャー系の企業に転職したので、今は経験を活かして新規開拓する仕事にやりがいを感じています。
Uターン転職での志望動機
Uターン転職を成功させるためには、転職活動における志望動機が重要になります。志望動機として大切なことは、Uターン自体を志望動機にしないことです。
また、Uターンしたい理由を明確にすることで、採用担当者に好印象を与えることもできるでしょう。ここでは、Uターン転職での志望動機について、詳しく解説していきます。
Uターン自体を志望動機にしない
Uターンは自分の希望する生活や働き方を実現するための手段であってゴールではありません。また企業に転職するためには、企業の志望動機を伝える必要があります。
つまり企業の志望動機がUターンということは、二重に誤りがあるということです。では具体的にどのような志望動機にすれば良いのか、例文を挙げます。
効果的な志望動機の例文
もともとUターン転職を希望したことから貴社について知りましたが、Uターンということを抜きにしてもぜひ貴社で働かせていただきたいと考えております。
前職では主に官公庁や金融機関の業務系システムの開発に携わり、プログラマやSEを経験しました。また、リーダーとして人員管理を任されるようになり、技術力に加えてマネジメントスキルも意識してきました。
しかし、前職で担当してきたシステムは規模が大きく役割分担されていて、詳細設計以降の下流工程を担当することがほとんどでした。今後の自身のキャリアを考えると、上流工程を経験する必要があると強く感じています。
Uターンを希望しつつ、要件定義や基本設計を担当できる環境を求めていたところ、貴社の求人を見つけました。貴社は幅広い規模を一人のエンジニアが担当できる機会があり、私にとって成長できる環境と考え志望させていただきました。業務に取り組むことで自分自身が成長しつつ、貴社に貢献したいと考えています。
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エンジニアの転職理由はなんて答えるべき?面接で使える例文とポイントを解説
Uターンしたい理由も明確にしておく
Uターン自体を転職の志望動機のメインにするのは避けるべきですが、絡めるのは問題ありません。むしろある程度はUターンのことにも触れた方が良いでしょう。実際、例文でもUターンに触れています。
しかし、上記の例文よりもさらにUターンを強く含めるパターンもあります。特にUターンの必要性が高い場合などは、Uターンを前面に押し出す志望動機が合っているでしょう。ただしUターンのことだけでなく、当然企業の志望動機も含める必要があります。それでは例文を紹介します。
Uターン転職の理由の例文
転職を考えたきっかけは、地元で子育てしたいと考えたことです。私は東京の大学に進学し、そのまま東京で就職しました。その後結婚して子供ができ、現在は東京で子育てしながら働いています。今後の子育てや生活を考え、思い切って地元に一軒家を購入することにしました。
このような経緯でUターン転職できる求人を探していたら、貴社の求人と出会いました。私は現在保険会社の社内SEとして、インフラの運用保守を行っています。扱っているシステムは比較的古いものですが、私自身もともと技術への関心が強いため、最新技術を勉強しつつ個人受託でWeb開発なども行っています。
今までに培ったインフラ運用の経験と、最新技術の知識を活かし、それぞれのビジネスに最適なシステム環境構築を行うことで、貴社の事業拡大に貢献していきたいと考えています。
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年代別に見るUターン転職の難しさ
転職活動は、年代によって転職難易度が変わります。Uターンの場合は、一般的な転職活動にプラスして生活環境に関わる別の難しさも存在します。ここでは、30代・40代それぞれの年代別に見るUターン転職の難しさについて解説します。
年代別のUターン転職の難しさをあらかじめ理解することで、実際のUターン転職で戸惑うリスクを減らせます。
関連記事:エンジニアは何歳まで転職可能?35歳からの転職のコツやキャリアパス
30代のUターン転職の難しさ
30代は結婚して家庭を築き、子供がまだ小さい場合も多いでしょう。その結果、以下のような転職の難しさがあります。
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・今後考えが変わる可能性がある
・子育てなど私生活が忙しい
・子供の就学などでお金がかかる
30代は生活の変化もあり忙しく、考え方が変化する可能性が高い年代です。たとえば、子供が大きくなってきてやはり都会で子育てしたくなった、といったことも考えられます。
考えが変わればまた都会に戻るなどは可能ですが、マイホームを買った場合などは金銭面での大変さなどもあるので、今後の人生をある程度決めるものとして慎重に検討する必要があるでしょう。
関連記事:30代で転職3回は多い?年齢別の平均回数と転職活動のコツ
40代のUターン転職の難しさ
40代はある程度ライフスタイルが固まっていて、子供も大きくなってきている可能性が高いでしょう。ただし、その結果以下のような難しさもあります。
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・子供も生活環境の変化の負担がある
・子供にお金がかかるので年収を下げられない
40代のUターン転職では、特に子供のことを考える必要があります。子供が学生の場合が多いため、転校などの負担があります。また今後大学や専門学校に進学するとなるとお金もかかります。生活スタイルというよりは、金銭面でUターン転職の難しさがあります。
Uターン転職に向いている人と向いていない人
Uターン転職には、向いている人と向いていない人が存在します。Uターン転職の向き不向きは、その人自身の考え方や、生活スタイルによって変わってきます。
そのため、Uターン転職を検討している方にとって、「自分がUターン転職に向いているのか?向いていないのか?」を知ることは大切な要素です。ここでは、Uターン転職に向いている人と向いていない人について解説します。
Uターン転職で成功しやすい人
Uターン転職が向いていて成功しやすい人の特徴として以下が挙げられます。
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・地元でやりたいことがある
・車通勤も検討可能である
・生活コストを削減したい
まず地元でやりたいことがある人は、Uターン転職に向いています。特に都会ではできないようなことだと、Uターンに明確なメリットが感じられるはずなのでモチベーションも上がりやすいでしょう。
地方だと車通勤が多いため、車通勤が可能かどうかも基準になります。生活コストは都会に比べて低くなるのでメリットです。ただし年収が大幅にダウンしてしまう場合は収支バランスで見てマイナスになるので、事前に収支のシミュレーションをしておくのがおすすめです。
Uターン転職で失敗・後悔しやすい人
次にUターン転職で失敗しやすい人や後悔しやすい人の特徴です。
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・明確な目的意識がない・現職や都会への不満で転職を検討している
・Uターン先の情報収集ができていない
Uターン転職そのものを目的にしてしまうと、仕事や生活がうまくいかなくなる可能性が高いです。特に転職活動の志望動機などが明確にならないので、転職活動に失敗してしまうでしょう。また単に現在の環境に不満があって逃げるようにUターン転職するのも危険です。
逃げるようにUターン転職した結果うまくいく可能性もありますが、明確なプランがないと今度はUターン先の環境が厳しいと感じたり都会にまた戻りたくなったりする可能性もあります。
またUターン先の情報収集ができていないと、思っていたのと違った、ということが起こります。思ったより人間関係が閉鎖的で苦痛、店が遠い、気候の影響が大きすぎる、といったことがあるでしょう。昔住んでいた場所でも今は変わっているかもしれないので、事前のリサーチが重要です。
Uターン転職に関するよくある質問
Uターン転職を考えている方は、多くの疑問や質問を持つことが一般的です。よくある質問には、自分の故郷に戻りつつ未経験分野への転職ができる可能性や、40代でのUターン転職の現実性、Uターン転職が困難とされる理由などがあります。
また、Uターン・Iターン転職の意味についての質問も多いです。ここでは、Uターン転職に関するよくある質問について解説します。
Q1. 地元にUターンして、未経験からエンジニア転職は可能ですか?
未経験からのUターンでのエンジニア転職は、未経験から人材育成をする企業を根気強く見つけない限りは難しいと考えられます。まずは現在の拠点で半年〜1年程度のエンジニア経験を積んでから、Uターン転職活動をすると良いでしょう。
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未経験からIT業界に転職するには?難易度や志望動機の例文も紹介
Q2. 40代でもUターン転職できますか?
40代でもUターン転職ができますが、20、30代と比べると難しい可能性があります。40代の場合はポテンシャル採用ではなく、これまでのスキルや経験から即戦力を求められるからです。転職が成功したとしても収入が下がってしまう場合もあるため、家族や親しい人とは相談して計画することが重要です。
Q3. Uターン転職が難しいといわれるのはなぜですか?
地方は都心と比べると企業の数が少ないため、求人数も少ないです。しかし、求職者も少ないため、仕事がないわけではありません。また、地方ごとに手当や基本給の最低額が決まっており、都心部より金額が低いことが多いです。都心部での転職活動を基準とすると、ハードルが高く感じる人もいるでしょう。
Q4. Uターン・Iターン転職とはどのような意味ですか?
Uターン転職とは、地方出身者が都市部で就職したのちに、地元に戻って転職して働くことです。一方で、Iターン転職は都会で生まれ育ち、都会でそのまま就職をした方が地方へ転職をすることを指します。
まとめ
本記事では、Uターン転職を考えているエンジニアに向けて、Uターン転職のメリット・デメリットやUターン転職活動のコツ、年代別に見るUターン転職の難しさなどについて解説しました。Uターン転職は就職面や生活面において、さまざまなメリットがあります。もちろん、Uターン転職は生活環境面の変化を伴うため、通常の転職よりも不安を感じることもあるでしょう。
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Uターン転職を検討している方は、この記事を参考に地元へのUターン転職をしてみてはいかがでしょうか。
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