セールスエンジニアに転職するには?仕事内容や必要スキルを紹介

最終更新日:2024年4月1日

セールスエンジニアとは、クライアント企業に営業職と同行して、技術的知識に基づいたアドバイスや提案などを行う職種です。外資系IT企業などでよく目にする職種ですが、技術営業やエンジニア職との違いが分かりづらい職種ともいわれます。

一方でセールスエンジニアは需要があり、将来性の高い職種ともいわれています。AIによる知的労働の代替においても影響を受けにくいのが一つの根拠です。

この記事では、セールスエンジニアへの転職を検討している方に向けて、概要を説明するとともに、転職市場の状況や仕事内容、求められるスキル、おすすめの資格などについて解説します。

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この記事のまとめ

  • セールスエンジニアは商談に営業職と同行し、技術的な情報提供やアドバイス、提案を行う職種
  • セールスエンジニアには、エンジニアのITスキルや知識、営業のコミュニケーションスキルなどが必要
  • さまざまな企業が業務のデジタル化やITによる価値創出を求めており、セールスエンジニアはその実現に向けた需要があるため将来性は高い

セールスエンジニアとは

セールスエンジニアとは、クライアント企業に営業職と同行し、技術的知識に基づいてアドバイスや提案などを行う職種です。IT製品に関する専門的な知識を活かし、具体的な活用方法やメリットなどの製品価値を解説して、販売に結びつけます。また、商談時の技術的な質問に対して、正確に回答できるスキルも求められます。

セールスエンジニアの仕事内容

セールスエンジニアの主な仕事内容は、高度な専門知識を必要とするIT製品の紹介・提案です。具体的な業務は、プレゼンテーションや実演デモ、製品紹介セミナー、発表会などでの営業活動があります。これらの業務を行い、クライアントとの接点を作ります。クライアントに対しては、ヒアリングやコンサルティングを行い、最適な提案をしていきます。

企業によっては、商談や交渉、契約まで担当する職種です。カスタマイズや追加開発が必要な場合は、工数やコストの見積もり、開発チームとの調整を行い、製品導入時の管理も行います。

セールスエンジニアと類似職種との違い

セールスエンジニアは、営業職と同行して、技術的なアドバイスや提案などをする職種です。セールスエンジニアと似た職種として、プリセールスエンジニアや営業職、エンジニア職、ITコンサルタントなどがあります。ここでは、これらのセールスエンジニアと類似した職種との違いについて、各特徴などを詳しく解説していきます。

プリセールスエンジニアとの違いは契約前の営業に特化しているか

セールスエンジニアとプリセールスエンジニアは、ほぼ同じ職種を意味しています。呼び方が企業によって、異なるだけと考えていいでしょう。

プリセールスエンジニアと対になる職種としては、ポストセールスエンジニアがあります。プリセールスエンジニアは契約前や導入といったフェーズの営業活動を対象とし、ポストセールスエンジニアは契約獲得後や利用開始後のアフターフォローのフェーズでの営業活動を対象とする点が違いです。

もちろん企業によっては、セールスエンジニアが契約前の業務にも対応していたり、プリセールスエンジニアがアフターサポートも行うケースも少なくありません。また、セールスエンジニアがプリセールスエンジニアとポストセールスエンジニアの両者を兼ねる企業もあります。

営業職との違いは豊富なIT知識をもとに説明・提案ができるか

セールスエンジニアと営業職の違いは、IT技術に関する専門的な知識の有無です。セールスエンジニアは、エンジニアと同等のIT技術に関する専門的な知識を持っていますその知識を活かして、クライアントが納得する提案や説明を行い、適切な製品販売に結びつけます。技術的な知識を持っていることが、提案や説明に説得力をもたらします。

カスタマイズの必要性の判断、製品の運用に必要なリソースやコストの見積もり、自社のチームの動かし方などは、専門知識を持っているセールスエンジニアでなければ難しい業務です。

エンジニア職との違いは開発に携わるか

セールスエンジニアと一般的なエンジニア職の違いは、設計やプログラミングといった開発現場の作業を行うか否かという点です。

セールスエンジニアは、リソースやコストの見積もりや開発言語、開発手法について説明を求められることがあります。そのため、エンジニアと同等の深い知識が求められます。また、顧客への提案時にはデモンストレーション用のプログラムを用意し、動作イメージを伝える場合もあります。

基本的には、質問に対して回答できる知識であれば問題なく、コーディングスキルまでは必要ありません。

ITコンサルタントとの違いは自社製品・サービスの成約に至るか

セールスエンジニアとITコンサルタントは、ITによるクライアントの課題を解決する方法を提示する点は共通しています。違いとなるのは、ITコンサルタントは提案そのものがサービスとしての提供対象であり、セールスエンジニアは自社の製品やサービスを販売することです。

ITコンサルタントもケースバイケースですが、課題の解決策の提案までを業務範囲としたり、そのためのプロジェクトの支援までを業務範囲に含めることがあります。一方のセールスエンジニアは、自社製品やサービスを売り込み、その導入までに立ち会うケースが多いです。提供するサービス・製品が異なるといえます。

セールスエンジニアの転職市場状況

セールスエンジニアは、幅広い領域のIT企業が求人募集しています。インフラやネットワークサービスを提供する企業では、求められるスキルにインフラやネットワークの構築経験があるなど、ハードルが高い求人募集もあります。またITの知識以外に、コミュニケーションスキルなども重視されています。

IT営業もしくはセールスの経験、何らかの言語を用いた開発経験、もしくはこれらの両方が要件であることが多いです。開発エンジニアからセールスエンジニアに転職したという実績も多くあり、異なる職種からの転職も可能です。

セールスエンジニアの将来性はある

セールスエンジニアは、転職市場の需要もあり、スキルアップの観点でも将来性がある職種です。転職市場の需要としては、IT技術を導入する企業が多く、今後さらに増加が期待できます。新しい技術が生まれるたびに、需要も発生するという背景もあります。

企業は、常に技術の進歩に対応できなくてはなりません。しかし実際は、変化のスピードに対応できない企業も多くあります。そのような企業に対して、セールスエンジニアが必要になります。セールスエンジニアは、技術力とコミュニケーション能力を併せ持つため、企業に対して適切な技術提案が可能となります。

セールスエンジニアとしてキャリアを積むことにより、IT技術に関する知識とコミュニケーション能力が磨かれます。知識とコミュニケーションの両方が武器になるため、AIに代替されにくいといえるでしょう。

セールスエンジニアに転職する方法

セールスエンジニアになりたい場合、どのようにすれば転職が可能なのでしょうか。実は転職に必要な準備は、転職前のキャリアにより変わってきます。具体的には、エンジニアでキャリアを積んだ後に転職する方法や、営業職として活動しながら技術的な勉強をするなどがあります。ここでは、セールスエンジニアに転職する具体的な方法について解説します。

関連記事:セールスエンジニアになるには?向いている人や必要なスキルを解説

エンジニアでキャリアを積んだ後に転職

セールスエンジニアは、製品導入の最善の方法をクライアントに提案しなければいけません。そのためカスタマイズの提案や追加開発の見積もりなど、幅広い知識が求められます。エンジニアの経験があれば、ITの知識やスキルをこれらの業務に活かすことができます。

また、必要に応じて顧客に売り込みたい製品をアピールするために、サンプルを作成しデモンストレーションを行います。顧客の業務理解とITスキルを活用する機会となります。

エンジニアでキャリアを積み、セールスに必要なコミュニケーションスキルやプレゼンテーションスキルなどを磨いた後に、セールスエンジニアに転職するケースが多くあります。

営業職として活動しながら技術的な勉強をする

IT業界の営業職からセールスエンジニアになる場合、不足しているITの専門知識を補う必要があります。IT業界の営業職であっても、営業職の業務経験だけでは、エンジニアレベルのITの専門知識は身につきません。

エンジニアレベルのITの専門知識を習得するには、営業職として活動しながら自主的に学んでいく必要があります。ITの専門知識を体系的に学ぶのであれば、基本情報技術者やITコーディネーターなどの資格取得に向けた学習がおすすめです。

他業界からの未経験転職も可能

他業界でも営業経験かITエンジニア業務などの経験などがあれば、未経験でもセールスエンジニアに転職は可能です。営業経験がある方の場合は、ITの専門知識の勉強を自主的に行う必要があります。また、ITエンジニア業務の経験がある方は、コミュニケーションスキルやプレゼンテーションスキルなどを磨くといいでしょう。

営業経験もSE経験も全くない方の場合、いきなりセールスエンジニアを目指すのは困難です。この場合は、IT業界での営業職やSEを経験してから目指すことをおすすめします。これらの業務を経験して、セールスエンジニアに必要な知識やスキルを習得しましょう。

新卒から目指すのはやや狭き門

新卒からセールスエンジニアに就職することは、やや狭き門です。それでも、中小企業やベンチャー企業では、研修プログラムを強化し自社の製品を深く理解するセールスエンジニアを、内部から育成しようという取り組みが増えています。

入り口は狭いものの、全くチャンスがないわけではありません。そのため、学生時代にプログラミングなどのスキルを学んでおくといいでしょう。

セールスエンジニアに求められるスキルと経験

セールスエンジニアには、ITに関する幅広い知識、自社製品に関する知識、クライアントの業界に関する深い理解、法務知識が必要です。また、提案や商談を円滑に行うために柔軟なコミュニケーションスキルも必要になります。

さらには、エンジニアや営業としての業務経験も重要です。ここでは、セールスエンジニアに求められるスキルと経験を詳しく紹介します。

求められるスキル

セールスエンジニアには、さまざまなスキルが求められます。セールスエンジニアとして、ITの基礎知識や自社製品に関連する知識は必須です。また、販売先であるクライアントの業界に詳しくなくては、適切な提案などができません。

企業の販売業績につながる職種であるため、セールスエンジニアには多くのスキルが求められます。以下では、セールスエンジニアに求められるスキルを掘り下げていきます。

ITや自社製品に関する知識

ITや自社製品に関する知識は、セールスエンジニアに必須のスキルです。セールスエンジニアのITや自社製品に関する知識は、クライアントへの提案においては説得力となり、大きく影響する要素になります。

クライアントは、セールスエンジニアにさまざまな質問を行います。その回答を参考とした結果から、製品を導入するかを判断します。そのためセールスエンジニアは、ITや自社製品に関する知識が求められます。

クライアントの業界への理解

セールスエンジニアには、クライアントの業界への理解も必要です。各業界により、さまざまな慣習や業務プロセスなどがあります。クライアントの業界事情を理解しなくては、適切な提案やアドバイスもできず、商談をうまく進めることもできません。クライアントの業界を理解することは、セールスエンジニアにとって必須といえるでしょう。

法務知識

ビジネスパーソンとして、セールスエンジニアにも法務知識があるといいでしょう。現代のビジネスに欠かせない、コンプライアンスの知識などは習得しておくべきスキルです。またセールスエンジニアでも、契約書に関する規定・ルールの知識があると業務に役立ちます。法務知識があることで、ビジネス上のトラブルを回避できる点もメリットです。

コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルも、セールスエンジニアに必要なスキルです。セールスエンジニアは、クライアントと多くのやりとりが発生します。営業と同行する商談の場でも、優れたコミュニケーションスキルがあれば、商談も円滑に進みます。クライアントと良好な関係を築き上げるためには、コミュニケーションスキルは必須です。

情報収集力

セールスエンジニアは各種のエンジニア職種と同様に、最新の技術的な情報を学んでスキルを磨き続けなくてはいけません。そのためには、最新の情報を収集するスキルが必要になります。IT業界は、日々新たな技術が生まれています。

必要によっては、海外からの最新情報を得ることもあるでしょう。最新の情報を理解していると、クライアントとの商談などでも役立ちます。

活かせる経験

以下のいずれかの経験があることを求められる場合が多いです。下記の経験があると業務に活かせるためアピールポイントとなります。

  • ・システムやサービスの開発経験

    ・パッケージ製品やサービスの導入経験

    ・システムやサービスの運用経験

    ・テクニカルサポート、ヘルプデスク、カスタマーサポートの経験

    ・営業、プリセールスの経験

セールスエンジニアにおすすめの資格

セールスエンジニアの業務を行うために、必須の資格はありません。しかし、資格は知識の証明になり、クライアントへのアピールにも使えます。

エンジニア職からセールスエンジニアになる場合には、セールススキルを高めることができるセールススキル検定、ITを活用した業務改善の提案や策定のスキルが高まるITコーディネータやITストラテジスト試験、システムアーキテクト試験がおすすめです。

営業職からセールスエンジニアを目指す場合には、ITエンジニアの標準的な資格である応用情報技術者試験やサービス領域別のベンダー資格がおすすめです。

  ITコーディネータ ITストラテジスト試験 システムアーキテクト試験 応用情報技術者
合格率 65.7% 15.5% 15.8% 27.2%
出題形式 多岐選択問題 午前1:多肢選択式(四肢択一)

午前2:多肢選択式(四肢択一)

午後1:記述式

午後2:論述式
午前1:多肢選択式(四肢択一)

午前2:多肢選択式(四肢択一)

午後1:記述式

午後2:論述式
午前:多肢選択式(四肢択一)
午後:記述式
試験時間 120分 午前1:50分

午前2:40分

午後1:90分

午後2:120分
午前1:50分
午前2:40分
午後1:90分
午後2:120分
午前:150分
午後:150分
問題数 100問(必須60問・選択40問) 午前1:30門

午前2:25問

午後1:3問(2問解答)

午後2:2問(1問解答)
午前1:30門

午前2:25問

午後1:3問(2問解答)

午後2:2問(1問解答)
午前:80問
午後:11問(解答数5問
試験範囲 必須問題: PGL全体の領域から出題される基本問題(40問)

PGLのIT経営共通領域から出題の応用問題(20問)

選択問題: 経営系問題(40問): 経営戦略・業務改革・IT戦略 情報系問題(40問): IT戦略・IT利活用
午前: 共通キャリア・スキルフレームワークのテクノロジ系(一部)、ストラテジ系

午後: 業種ごとの事業特性を反映し情報技術(IT)を活用した事業戦略の策定、業種ごとの事業特性を反映した情報システム戦略と全体システム化計画の策定、業種ごとの事業特性を反映した個別システム化構想・計画の策定、事業ごとの前提や制約を考慮した情報システム戦略の実行管理と評価
午前:
共通キャリア・スキルフレームワークのテクノロジ系(一部)、ストラテジ系(一部)

午後:
契約・合意、企画、要件定義、開発、運用・保守、関連知識
午前: 共通キャリア・スキルフレームワークのテクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系の各分野

午後: 経営戦略、情報戦略、戦略立案・コンサルティングの技法、システムアーキテクチャ、サービスマネジメント、プロジェクトマネジメント、ネットワーク、データベース、組込みシステム開発、情報システム開発、プログラミング、情報セキュリティ、システム監査

ITコーディネータ

ITコーディネータ試験は、2001年に通商産業省(現・経済産業省)によって創設された資格試験です。ITコーディネータを取得することにより、経営とITの両方の知識がある人材であることを証明できます。資格を取得するには、ITコーディネータ試験の合格とケース研修修了の両方を、4年以内に満たす必要があります。また取得後も毎年資格更新が必要です。

ITストラテジスト

ITストラテジスト試験は、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が実施し、経済産業省が認定する国家資格試験です。共通キャリア・スキルフレームワークの、スキルレベル4に相当する難関資格であり、合格をすると「ITを活用して経営戦略を実現するための人材」であることを証明できます。

システムアーキテクト

システムアーキテクト試験は、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が実施し、経済産業省が認定する国家資格試験です。共通キャリア・スキルフレームワークの、スキルレベル4に当てはまる難関資格です。取得することで、業務知識に基づいて的確な分析を行い、業務ニーズに適した情報システムのグランドデザインを設計し完成に導く能力があることを証明できます。

応用情報技術者

応用情報技術者試験は、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が実施し、経済産業省が認定する国家資格試験です。共通キャリア・スキルフレームワークの、スキルレベル3に相当する試験であり、ITに関する応用的な知識が求められます。基本情報技術者の合格者や高度情報処理技術者試験の受験を考えている方などが、チャレンジすることが多いです。

セールスエンジニアの年収と求人例

セールスエンジニアへの転職を検討されている方にとって、セールスエンジニアの実際の平均年収や求人事情などは気になる要素です。ここでは、レバテックキャリアに掲載中の求人・転職情報より、セールスエンジニアの求人例および想定される年収について紹介します。セールスエンジニアへの転職の判断材料として、参考にしてください。

セールスエンジニアの年収

2024年2月19日時点でレバテックキャリアにて公開中の求人・転職情報のうち、職種「セールスエンジニア」キーワード「プリセールス」に該当するデータより30件を抽出し、セールスエンジニアの想定年収を算出しました。年収の最大値と最小値の中間の平均より、セールスエンジニアの年収はおよそ697万円と算出できます。

専門性の高いIT資格の取得や大型案件の営業経験を積むことで、高い年収も期待できます。また外資系IT企業では、日本の企業より年収が高い傾向にあります。

セールスエンジニアの求人例をチェック

レバテックキャリアで扱っている求人には以下のようなものがあります。

【業界】
IT・通信

<具体的な業務内容>
パブリッククラウドサービス(AWS、GCP)を中心としたプリセールス
・パブリッククラウドを活用したIT戦略/企画立案支援
・パブリッククラウド利用ガイドラインの立案支援
・マルチクラウド戦略の立案の支援
・顧客RFPの作成支援や実行計画の作成支援
・横断的なプロジェクトマネジメント業務
など

【必須条件】
下記いずれかの実務経験(オンプレ可)
・テクニカルセールス
・情報システム部門
・小売、製造業のIT実務
・インフラ、開発エンジニア

【想定年収】
500~800万円

【勤務地】
大阪府

セールスエンジニアのやりがいときつい部分

セールスエンジニアは、自社製品を技術面を含めて提案する職種です。そのため、会社の看板を背負ったポジションといえるでしょう。大規模案件の提案書は100ページ以上になることも多く、体力的・精神的な強さも求められる厳しい仕事です。

セールスエンジニアのやりがいと「きつい」と言われる部分には、どのようなものがあるでしょうか。それぞれ解説していきます。

セールスエンジニアのやりがい

セールスエンジニアは、やりがいが多い仕事です。セールスエンジニアのやりがいとして、よく言われるのが仕事を通して最新の技術に触れられることです。

また、ゼネラリストに必要なスキルを磨けることや顧客への提案が業績改善につながるなども挙げられます。以下では、セールスエンジニアのやりがいについて解説します。

仕事を通して最新の技術に触れられる

セールスエンジニアは、仕事を通して最新の技術に触れられる魅力があります。ITの技術は日々進歩しており、セールスエンジニアも最新の知識やスキルの向上が必要になります。

新しい技術に詳しくなければ、クライアントとのコミュニケーションにも影響を与えてしまいます。そのため、最新技術が好きで好奇心旺盛な方には、セールスエンジニアの仕事にやりがいを感じることでしょう。

ゼネラリストに必要なスキルを磨ける

ゼネラリストにとって必要なスキルが磨けることも、セールスエンジニアの仕事のやりがいといえるでしょう。ゼネラリストになるには、基礎レベル以上のITの知識やスキル、ビジネススキルなどが必要になります。そのためゼネラリスト志望の方には、セールスエンジニアの仕事にやりがいを感じることでしょう。

顧客への提案が業績改善につながることがある

顧客への提案が業績改善につながることがあることも、セールスエンジニアのやりがいのひとつです。セールスエンジニアは、顧客が抱える課題を解決するために、自社製品の提案やアドバイスを行います。その結果、顧客への提案が業績改善につながることがあり、顧客から感謝されることもあるでしょう。そのような経験をやりがいに感じる、セールスエンジニアの方も少なくはありません。

セールスエンジニアの仕事が「きつい」と言われる部分

セールスエンジニアの経験者から、セールスエンジニアの仕事は「きつい」という声を聞くことがあります。主な「きつい」といわれる理由は、営業・IT両方のスキルが必要で継続して学習が必要なことや、ITに詳しくない人に分かりやすく説明することが難しい、企業によってはノルマが厳しいなどが挙げられます。以下では、セールスエンジニアの仕事が「きつい」と言われる部分について解説します。

営業・IT両方のスキルが必要で継続して学習しなければならない

セールスエンジニアの仕事が「きつい」と言われる部分は、技術の勉強を通常業務と並行に行わなければならない点です。セールスエンジニアは、技術の知識が乏しくてはクライアントへの提案ができません。また、要望を汲み取ることもできないでしょう。

その上で、営業としてのスキル向上にも努めなければなりません。マーケティングや人間関係の構築などの営業に必要なスキルも、並行して高めていきます。

業務の合間にさまざまな学習をし続けなければならないことが「きつい」とされるポイントのひとつです。

IT関連の知識がない人にも分かりやすく説明するのが難しい

セールスエンジニアの顧客は、情報システム部門から現場業務の担当者、経営者など幅広い層です。IT関連の知識に詳しい顧客もいれば、知識に乏しい顧客の場合もあります。どちらの場合にも、相手に分かりやすく商品やサービスを説明する必要があり、相手のITリテラシーに合わせて説明の仕方を変えるスキルが必要となります。

ノルマがある職場が多く数字に追われやすい

セールスエンジニアも営業職と同様に、売上の営業ノルマが果たされる場合がほとんどです。エンジニア職種出身の場合には、プレッシャーやノルマに追われながら業務することを辛いと感じることも多いです。さらに、ノルマに追われつつも技術に関する学習を継続しなければならず、この点を「きつい」と感じる方もいます。

セールスエンジニアに向いている人の特徴

セールスエンジニアは、エンジニアと営業の両方の要素がある職種です。セールスエンジニアに向いている人の特徴としては、自分の力で成果をあげることに達成感を得られる人や、臨機応変に対応できる能力がある人などが挙げられます。以下では、これらのセールスエンジニアに向いている人の特徴について、詳しく解説します。

自分の力で成果をあげることに達成感を得られる

セールスエンジニアの業務では、自身の力で売上という分かりやすい成果をあげられます。自身で成果をあげることに達成感が得られる人はプリセールスの業務に向いているといえます。

エンジニア職種の開発などの業務では、一人で業務をこなすことは少なくプロジェクトチームとして集団で成果をあげる業務が多いです。独力にこだわる場合にはセールスエンジニアの方が成果は分かりやすいでしょう。もちろん、クライアントや営業担当者と協力し課題の解決を図る面もあるため、他者と協力して成果をあげる喜びもあります。

状況に応じてサンプル提示や再現をするため臨機応変に対応できる

セールスエンジニアにとって技術的なスキルの活用機会は、提案のベースを組み上げるために利用するケースや、商談の場でデモを臨機応変に見せるケースが多いです。開発のように長期的にじっくり技術的スキルを利用するよりも、ITの知見をほかの場所で活かしたい人に向いた仕事といえるでしょう。

未経験からセールスエンジニアへの転職を成功させるポイント

未経験からセールスエンジニアに転職するには、戦略的に取り組まなくてはなりません。まずは自身のキャリアの棚卸をします。

また、ミスマッチを起こさないように業務・業界の理解を深めることも重要です。さらに、これまでの経験を業務に活かせるか考えましょう。そして、転職の選考対策を行います。ここでは、未経験からセールスエンジニアへの転職を成功させるポイントを解説します。

関連記事:未経験からセールスエンジニアを目指すには?役立つ資格や向いている人の特徴なども紹介

キャリアの棚卸をする

最初に自分自身のキャリアの棚卸をします。具体的には、過去の仕事を通じて得た知識やスキルをリストアップするのがよいでしょう。最初から完璧な形で記述しようとせず、まずは思いつく限りメモすることから始めてみてください。些細に思える事柄も、多くを列挙することで意外な価値が浮かびあがる可能性があります。

ミスマッチを起こさないよう業務・業界の理解を深める

セールスエンジニアの仕事内容や業界の理解をしていない状態で、転職活動を行うことはミスマッチのリスクがあります。イメージしていた仕事と違うと感じる原因は、業務や業界の理解不足から起きることが多いです。

セールスエンジニアの業務範囲は広く、勤める企業や扱う製品・サービスによって働き方も変わります。実際の業務について深く理解するためには、セールスエンジニアに関する情報収集が欠かせません。

これまでの経験を業務に活かせるか考える

セールスエンジニアの業務や業界の知識が深まったら、自分自身のこれまでの経験を業務に活かせるか考えてみましょう。セールスエンジニアにとって重要なスキルを、これまでの業務の中で意識せずとも使っていることがあります。そのようなスキルは、転職活動の際にアピール材料として役立ちます。特に顧客とのコミュニケーションを通じて得た経験は重要です。

選考対策をする

セールスエンジニアに限る話ではありませんが、転職活動では選考対策が重要です。主な選考対策としては、職務経歴書や志望理由の書き方、面接が対策対象となります。適切に選考対策ができていれば、未経験でもセールスエンジニアに採用される可能性が高まります。ここでは、セールスエンジニアの選考対策について解説します。

職務経歴書の書き方のポイント

未経験からセールスエンジニアに応募する場合、職務経歴書に記載する内容が採用の合否を分けます。職務経歴書には、これまでの仕事内容や関わったプロジェクト、関連する経験などを具体的に書くようにしましょう。また、ITの基礎知識や営業に関する技術などの学習で得たスキルを加えると、積極性と学習意欲が伝わり、評価される可能性が高まります。

志望理由の書き方のポイント

志望理由を書く場合は、セールスエンジニアを選んだ理由と志望企業に対する具体的な動機が必要です。セールスエンジニアに転職したい熱意だけでは、企業への貢献意欲が伝わりづらくなります。そのため、志望する企業の製品やサービス、企業文化、顧客層などを研究し、自身がその企業に貢献できる理由と職種への情熱を結びつけた志望動機を書くことが重要です。

面接のポイント

面接は自分の意欲を示す絶好の機会であり、同時に志望企業に相応しいか評価される場です。必要とされる営業スタイルを事前に調べ、会話の流れや面接官とのコミュニケーションを練習しておくとよいでしょう。自分の現在の能力を強調するだけでなく、将来どのような貢献ができるか、キャリアビジョンを伝えることが重要です。

セールスエンジニアからのキャリアパス

セールスエンジニアからのキャリアパスは、方向性が複数あります。大きく分けると、IT技術を武器にした転職とコミュニケーションを武器にした転職です。

具体的には、ITコンサルタントやプロジェクトリーダー・プロジェクトマネージャーを目指すこと、もしくは営業やエンジニアに戻るという選択肢もあります。ここでは、セールスエンジニアからのキャリアパスについて解説します。

ITコンサルタントへキャリアアップ

セールスエンジニアからITコンサルタントへキャリアアップすることは、セールスエンジニアの転職ではオーソドックスといえます。セールスエンジニアは、IT技術の知識をベースとして顧客の業務上の課題を解決する仕事です。ITコンサルタントはその延長線上にある仕事で、さらに詳しく幅広い経営課題の相談に対応します。

ITコンサルタントは、セールスエンジニアよりも幅広い知識と幅広いコミュニケーションが求められます。その分、ITコンサルタントは、高収入が期待できる職種でもあります。

プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーを目指す

セールスエンジニアから開発部門のプロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーに転職する方もいます。技術系のキャリアを積みたい場合には、セールスエンジニアでの顧客折衝の経験を活かせるため、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーを目指すといいでしょう。

また営業やエンジニアに戻るという選択肢も

営業やエンジニアからセールスエンジニアに転職する方は多くいます。その一方で、セールスエンジニアから営業やエンジニアに戻るという選択肢もあります。

もちろん、営業やエンジニアに戻る理由は、人によって異なります。営業やエンジニアのほうが、自分の性格に合っているという理由もあるでしょう。またエンジニアとしてのキャリア形成のために、セールスエンジニアの経験を積んだという理由の方もいます。

セールスエンジニアとして顧客とコミュニケーションを取った経験があり、開発現場で発揮できる技術力があれば、エンジニアとして有利になります。セールスエンジニアの経験は、顧客目線とエンジニアに対する管理的な目線を得ることができます。これらの経験を活かして、エンジニアから管理側の職種にキャリアアップも可能です。

まとめ

本記事では、セールスエンジニアへの転職を検討している方に向けて、セールスエンジニアの転職市場の状況や仕事内容、求められるスキル、おすすめの資格などについて解説しました。

セールスエンジニアは、クライアントに直接に提案や商談をするため、責任の大きいポジションといえます。その一方で、IT業界は受注単価が高い業界であるため、やりがいも大きいでしょう。

セールスエンジニアは、営業やエンジニアからも転職が可能です。セールスエンジニアに興味がある方は、この記事を参考に転職を検討してみてはいかがでしょうか。

セールスエンジニアに関するよくある質問

セールスエンジニアへの転職を考えていると、セールスエンジニアの仕事について疑問を抱くことがあるでしょう。セールスエンジニアに関するよくある質問としては、セールスエンジニアと技術営業や営業職との違いや将来性、セールスエンジニアになる方法などがあります。ここでは、セールスエンジニアに関して、よくある質問と回答をまとめました。

Q1. セールスエンジニアと技術営業、営業の違いはなんですか?

セールスエンジニアは技術営業の一種とされることが多いです。セールスエンジニアと営業職の違いは、技術に関する深い理解を持っているかどうかにあります。セールスエンジニアは顧客からの問い合わせや質問に対し、技術的な知見からの解答ができることで、スムーズに営業業務を実現することが可能です。

Q2. セールスエンジニアに将来性はありますか?

セールスエンジニアは今後さらに需要が高まることが予測され、将来性は高いといえます。近年は業務のDX、ITによる付加価値を持ったサービス提供が重要なビジネス上の選択肢となっています。IT活用に向けて、IT製品やサービス提供を行うセールスエンジニアの必要性は今後より高まっていくと想定されます。

Q3. セールスエンジニアになるにはどうしたら良いですか?

セールスエンジニアにはITに関する知識・スキルと、営業関連スキルの両方が求められます。エンジニア経験者は営業スキルを補い、営業経験者はITに関する知識・スキルの習得をするのがオーソドックスです。
双方の経験がない場合はいずれかの職務について経験を積みセールスエンジニアを目指すことがおすすめです。

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