花形業界でも10万人の「人余り」が発生する?IT業界の需要増に乗り遅れない人材になるためのスキルIT業界の将来性を多角的に解説 転職で高年収の人材になるには

最終更新日:2021年2月19日

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この10年ほどでITは花形産業となりました。その背景には、あらゆる産業分野でのIT活用があります。今後は、先端IT技術の活用が必須になることで、さらなる需要増が見込まれています。もし、今後IT業界での転職でキャリアを向上させたいのならば、業界・分野・技術トレンドなどを常に注視し、スキルを磨いていくべきでしょう。ここでは、IT業界の将来性をさまざまな側面から整理しつつ、転職に役立つ情報を提供します。

1. IT業界の現状と将来性を徹底分析

IT業界の市場規模は拡大していく見込み

矢野経済研究所の調査(2020年版)(※)によれば、IT業界の市場規模は12~13兆円となっています。(2021年予測は12兆3500億円)2019年までは毎年1~3%増で右肩上がりに推移していましたが、2020年以降はコロナ禍の影響で微減が予想されています。ただし、激しい落ち込みではなく、12兆円台前半を推移するとの予測です。ここで注意したいのは、市場規模そのものよりも、「投資の内訳」です。新型コロナウィルスをきっかけに約6割の企業が「働き方改革」へのIT投資を増加させると回答しています。

具体的には、パンデミック回避のためのテレワーク需要(ノートPCやWeb会議システムなど)が一気に拡大し、オンラインでも業務を継続できる仕組みの確立を目指しているようです。この流れは今後少なくとも2~3年は続くとみられており、システム導入を支えるIT関連職種の需要へと反映されるでしょう。

※参考:矢野経済研究所「国内企業のIT投資に関する調査を実施(2020年)」

市場規模拡大の要因

あらゆる業界でのIT需要拡大

数年前から、「xxテック」という言葉が頻繁に使われるようになりました。例えば「エドテック(教育業界)」「ヘルステック(医療業界)」「フィンテック(金融業界)」という具合にです。xxの部分は業界を表す部分であり、あらゆる業界の業務がITと融合し始めていることを意味しています。

ちなみに米ガートナー社からは(※)、2023年までほぼすべての業界でIT投資が増加するとの予測が示されています。下記は、2018年から2023年までの業種別IT支出の増加率(予測値)です。
 

  • ・金融…2.4%増

    ・通信、放送、サービス…2.2%増

    ・教育…1.4%増

    ・医療、福祉…2.0%増

    ・運輸…2.2%増
     

どの業種においてもIT支出は増加していくと見られており、IT業界の将来性の高さを裏付ける内容となっています。

※参考:Gartner「2023年まで日本のIT支出は年平均1.9%増で推移し 29兆円に達すると予測」

企業のデジタル化が急進

近年、トレンドワードとなっている「DX(デジタルトランスフォーメーション)」は、どの企業も避けては通れない課題です。DXは単なる「ツール導入」ではありません。すべての業務にデジタル化が浸透し、デジタル化を前提とした業務プロセスの構築が必須になることを示しています。

具体的には、CRM(顧客管理)、MA(マーケティング自動化)、SFA(営業活動自動化)、ERP(基幹システム)といった企業向けITソリューションがクラウド化し、より使いやすくなることでアナログ業務を代替していくでしょう。クラウド化されたパッケージソリューションの活用は、経営の効率化に直結するため、多くの企業がIT投資を本格化させていくと予想されます。

特に中堅・中小企業への普及はこれからが本番です。企業向けITソリューションは導入コストが高いため、大企業や官公庁を中心に導入が進められてきました。しかし、クラウド化によって導入コストは低減しつつあり、追加開発の工数も最低限で済むようになっています。これにより、中堅・中小企業でも導入が進んでいくと予想されます。

レガシーシステムからの移行需要の高まり

経済産業省が示した「2025年の崖」(※)にもあるように、日本企業が競争力を維持するためにはレガシーシステムからの脱却が必須です。今後数年で大手パッケージベンダーのサポート期限などが到来し、レガシーシステムからの移行を進める企業が増えると予測されます。つまり、「マイグレーション需要(移行需要)」が発生するわけです。スクラッチ開発を重ねていたり、古いバージョンのパッケージを使っていたりする企業の多くが、クラウドベースの新しいシステムへと移行していくことでしょう。

大規模なシステム移行には、古い仕組みを知る人材と、新しい仕組みを知る人材の両方が必要です。特に先端ITに精通した人材は現状でも不足気味ですから、スキルさえあれば引く手あまたの状況になっても不思議ではありません。

※参考:経済産業省「DXレポート~IT システム「2025 年の崖」の克服と DX の本格的な展開~」p.31より

コロナ禍以降のオンラインシフト

経済産業省 通商政策局が公表する「2020年版通商白書」(※)では、コロナ禍が終息したあとも「テレワーク」「EC」などのオンライン需要は一部固定化されるとの見方が示されています。
コロナ禍は「フェイス・トゥ・フェイス」のコミュニケーションを著しく制限することから、オンラインシフトが一層加速することはほぼ確実です。また、デジタル経済の拡大からデータ流通量が増加し、IT企業の時価総額・売上・利益が増加するとも見られています。BtoB、BtoCを問わずデジタル経済は日に日に拡大しているため、それを支えるプラットフォーマーの存在感が大きくなるとのことです。実際に米国では、プラットフォーマーの純利益が10年で約5倍にまで拡大しています。日本国内でも同様の流れが予想されており、デジタル化を支えるIT業界への期待が高まることは、当然の流れなのかもしれません。

※参考:通商政策局「2020年版通商白書」p.45より

需要拡大に伴うIT人材の不足が深刻化

IT業界は慢性的な人手不足でしたが、今後は一層「エンジニア不足」が深刻になりそうです。
 

  • ・IT需要の伸びが1%の場合(低位シナリオ)…IT人材は最大16.4万人不足

    ・IT需要の伸びが2~5%程度の場合(中位シナリオ)…最大44.9万人不足

    ・IT需要の伸びが3~9%程度の場合(高位シナリオ)…最大78.7万人不足

 

2030年の断面で見ると、最も需要の伸びが小さい低位シナリオの場合でも、最大16万人強のIT人材が不足するとの予測です。

※参考:みずほ情報総研株式会社「IT 人材需給に関する調査」p.17より

IT業界の将来性は高く、エンジニア需要増が続く

これまでの内容を総括すると、コロナ禍の一時的な需要減はあるにせよ、IT業界の継続的な成長が予想できます。したがって将来性は十分に高いと言えるでしょう。ただし、技術トレンドや業種別の需要を踏まえてスキルを磨かなければ、大きな需要の波に乗り遅れる可能性もあります。特にAI・機械学習・IoTなどの先端IT分野や、これらを支える仮想化・自動化ソリューションに関しては、どの分野のITエンジニアもスキルを磨いておきたいところです。

2. IT業界の課題とエンジニアの将来像

次に、IT業界の課題とエンジニアの将来像について解説します。

IT業界の課題

2021年時点におけるIT業界の課題は、以下3点が挙げられます。

労働時間の長さと働き方改革対応

IT業界は伝統的に労働時間が長い業界であり、残業が半ば常態化しています。厚生労働省が公表している「働き方改革支援ハンドブック」(※)によれば、情報通信業の年間総労働時間は1933時間です。全産業の平均労働時間は1724時間となっており、平均と比較して年間200時間強も労働時間が長いことがわかります。
ただし、今後は働き方改革の影響から労働時間を短縮させるために「効率化」「自動化」が進んでいくでしょう。すでにDevOpsやテスト自動化の活用で、以前よりも少ない工数での開発が可能になっています。したがって、ITエンジニアにもこうした技術への理解が求められる時代です。クラウド、自動化に関するスキルは開発・運用保守に関わらず、積極的に身に着けていくようにしましょう。

参考:厚生労働省「働き方改革ハンドブック」p.4より

技術要求水準の高まり

クラウドファースト、クラウドネイティブの一般化で、今後はITエンジニアにも当然のようにクラウド対応が求められるでしょう。また、先端ITと呼ばれるAI・機械学習・データサイエンスなどの知見も必須になるかもしれません。

これまでは、一部のITエンジニアのみが先端ITに関する知見を持っていました。しかし今後は、その範囲が拡大されていくことになります。例えば、「インフラエンジニアなのでコーディングスキル、自動化スキルはあまり求められない」といったケースは減っていくと予想されます。つまり、ITエンジニアへの技術要求水準が上がるのです。

一方、要求を満たしさえすれば、比較的安定したキャリア構築が可能になるとも考えられます。働きながらスキルを磨くことはなかなか大変ですが、いかに自己研鑽を重ねていけるかが、IT業界で生き残っていくためのキーポイントになるかもしれません。

「2025年の崖」に代表される旧システムの移行問題

前述したように、2025年の崖問題では、レガシーシステムの老朽化が経済損失をもたらすとの試算が示されています。大手企業を中心に、数年単位で基幹システム・業務システムが新システムへ移行していくことでしょう。

マイグレーションプロジェクトでは、レガシーシステムに蓄積された情報資産を、新しいシステムへと移植する作業が発生します。このとき、レガシーシステムと新システム両方の知見がなければ、正確な移植はできません。しかし、新旧2つのシステムに関して知見を持つ人材は稀であり、こうした「橋渡し」を行える人材の不足が予想されます。

もし、レガシーシステムについてスキル・知見をもっているのであれば、積極的に先端IT分野について学ぶことをおすすめします。

3. 転職を目指すITエンジニアが身に着けるべきスキル

では、転職を目指すITエンジニアが身に着けるべきスキルを、もう少し具体的に整理していきましょう。

これまでの内容では「ITエンジニア不足」について触れてきましたが、一部では「ITエンジニアが余る」という事態も危惧されています。これまでのIT業界で一般的だった「受託開発」「保守・運用アウトソーシング」に従事する「従来型IT人材」がその対象です。実際に2019年4月23日に経済産業省が発表した「IT人材需給に関する調査」(※)では、次のように従来型IT人材が余る可能性が示されています。
 

  • ・IT需要の伸びが1%の場合…先端IT人材が38万人不足、従来型IT人材が22万人余剰

    ・IT需要の伸びが2~5%程度の場合…先端IT人材が55万人不足、従来型IT人材が10万人余剰

    ・IT需要の伸びが3~9%程度の場合…先端IT人材が74万人不足、従来型IT人材が5万人余剰

 

これは生産性上昇率が0.7%の場合であり、生産性が高くなれば従来型IT人材の余剰幅も拡大することになります。また、従来型IT人材が先端IT人材へと移行する「人材の転換率(Reスキル率)」は1%と仮定しています。上記の試算結果だけを見ても、最大22万人、最小で5万人の「IT人材余り」が予想されることから、今後は積極的に先端IT人材への転換を目指すべきかもしれません。以下は、先端IT人材への転換に必要なスキルの目安です。

※参考:みずほ情報総研「IT人材需給に関する調査」p.37~より

今後のITエンジニアが身に着けるべきスキル

自動化、仮想化対応スキル
インフラエンジニア(サーバーエンジニア、ネットワークエンジニア)などが特に意識したいスキルです。Kubernetes(クーベルネイテス)などに代表される運用管理自動化ソリューションでは、これまで手動で行っていたネットワーク・セキュリティ設定、ネットワーク機器のコンフィグ作業、その他管理業務をコーディングによって自動化します。

また、SDNなどを用いて仮想ネットワークの生成・削除・構成変更・監視を自動化するスキルも磨いておきたいところです。

IoT関連のスキル
組み込みエンジニアであればIoTエンジニアへの転身が、先端IT人材への転換につながりそうです。ベースとなるスキルに大差はありませんが、「センシング対応」や「無線通信機能の実装」など、既存の組み込みエンジニアにはあまり求められなかったスキルを身に着けておく必要があります。

UI・UX対応スキル
コロナ禍をきっかけとしたオンラインシフトにより、Web関連の開発案件が増えると予想されます。Web関連のスキルで特に注目すべきは「UI」「UX」です。UI(=ユーザーインターフェース)はユーザーが直接見て、触れることのできる部分(接触面)を表します。また、UXはユーザーの「体験・経験」に寄与する部分です。

両社は似て非なる概念であり、UIが「ユーザービリティ」を重視するのに対し、UX(=ユーザーエクスペリエンス)は「サービスを利用する一連の行動を通してユーザーが感じたこと」を重視します。特にUXに関連するスキルはこれまでのITエンジニアにはあまり求められていませんでした。「安定性」や「処理速度」といった作り手側の視点から、「使いやすく快適なサービスは何か」という視点への転換が必要になると言えるでしょう。

AI、機械学習に関するスキル
AIと機械学習は、急速に実用化段階に移行しています。どの業種でもAIを用いた予測、自動化を導入しはじめており、「少ない人手で低コストに、良質なサービスを提供する」ためには必須のテクノロジーです。したがって、AI・機械学習に関するスキルは積極的に身に着けておきたいところです。AI・機械学習に関するスキルとしては、次のようなものが挙げられます。
 

  • ・Python、R、Juliaなどによるコーディングスキル

    ・AIを動作させるための環境構築スキル

    ・AIに投入するデータのクレンジングスキル(データプレパレーションスキル)

    ・統計学の基礎知識

4. 先端IT人材の年収相場

最後に、先端IT人材の年収相場を紹介していきます。年収レンジはレバテックキャリアの求人を分析した結果となります。

AIエンジニア

  • ・年収レンジ…400~1500万円

    ・ボリュームゾーン…600~800万円

    ・求められるスキル、経験…コーディングスキル、人工知能や探索アルゴリズム、最適化アルゴリズムの実装経験、機械学習など人工知能関連の研究経験など

    ・高年収を目指すためのポイント
    AIエンジニアの求人は、自社製品・サービスの開発に関するものが多いです。先端ITを駆使して他社よりも優れた製品を作ろう、という気概を持っているため、自然と技術者への要求レベルも上がります。従来のITエンジニアのように「マネジメントができれば高収入」とは言い難く、技術的なバックグラウンド・実績が重視される印象です。特に深層学習や画像解析、音声解析などを用いたソリューションを設計できるレベルであれば、高年収を提示されやすいと考えられます。

IoTエンジニア

  • ・年収レンジ…400~800万円

    ・ボリュームゾーン…400~700万円

    ・求められるスキル、経験…C、C#、C++、Javaなど組込み系で用いられる言語でのコーディングスキルなど

    ・高年収を目指すためのポイント

こちらはAIエンジニアとは異なり、「マネジメント経験」「リーダーとしての資質・能力」が年収に結び付きやすい印象です。「プレイングマネージャー」として活躍できる人材を欲しており、実務・管理両面のスキルを磨くことで高年収を提示される可能性が高まります。

クラウドエンジニア

  • ・年収レンジ…400~1000万円

    ・ボリュームゾーン…400~600万円

    ・求められるスキル、経験…パブリック、プライベート、ハイブリットクラウド環境の構築・運用経験、OSの理解、仮想化技術の知見、データベース関連スキル、運用ツールの知識(JPI、Zabbixなど)

    ・高年収を目指すためのポイント

クラウドプラットフォームを扱った経験や、コンテナ技術(Kubernetes、OpenShift、Dockerなど)、自動化技術のスキルがあれば、800万円超の高年収を提示されやすい印象です。また、インフラチームでプレイングマネージャーポジションを担う能力があれば、高年収を狙いやすくなります。

5. まとめ

この十数年の間に、あらゆる産業分野でのITの活用が進んだことにより、IT業界は大きく成長し、ITエンジニアの需要も高まり続けています。今後は、特に先端IT技術の活用がビジネス上必須になり、それらの技術に長けた「先端IT人材」のさらなる需要増が見込まれます。もし、今後IT業界での転職でキャリアを向上させたいのならば、業界・分野・技術トレンドなどを常に注視し、市場で求められるスキルを磨いていくことがポイントになるでしょう。

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