C言語エンジニアの転職市場は?評価されるスキルとは

最終更新日:2024年4月25日

C言語の歴史は長く、登場から約半世紀経つ今も多くの分野で活用されています。また、多くのプログラミング言語に影響を与え、C系言語も根強い人気を持つことから現在のシステム開発の基礎を築いた存在です。ハードウェアの制御からアプリケーション開発まで、現在IT分野で行なわれていることの大半がC言語で可能なほどの汎用性の高さも魅力といえます。

しかし、C言語はプログラミング言語の黎明期に登場した言語であるため、その体系や構造は複雑で、開発対象によってはハードウェアに関する知識も求められることから、難易度の高い言語といわれています。そして、スキルアップのためにC言語の習得を思い立っても、概要が掴みづらく、学習の進め方にも悩むケースが少なくないようです。

本記事では、C言語の習得とスキルを活用した転職を検討中のエンジニアに向けて、C言語の特徴や転職市場、転職時に評価されるスキル・経験、学習方法、年収・求人例などについて解説します。

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この記事のまとめ

  • C言語エンジニアの転職市場は、C言語の人気とともにエンジニアの需要もキープされており将来性も高い
  • 未経験者がC言語エンジニアになるには、自分でC言語の成果物を作成し、ポートフォリオにすることが重要
  • IoTやAI分野に関わりたい人やプログラミングの基礎を学びたい人には、C言語の習得がおすすめ

C言語の概要

C言語とはどのようなプログラミング言語なのか、その特性やフォロワーであるC++やC#との差異、OSや組み込みプログラムなどの開発にどのように利用されるのかについて、本章では詳しく解説します。

C言語の基本的な特徴を理解することで、C++やC#など他のプログラミング言語との比較や、どのようなソフトウェア開発に適しているのかが明確になります。

C言語とは

C言語は、UNIXと呼ばれるオペレーティングシステム(OS)を作るために開発された汎用的なプログラミング言語です。自然言語の文法を用いた数式に似た記法という高水準言語の特性を持ちながらも、メモリ管理のような低水準の操作も可能です。これにより、C言語は非常に強力で柔軟なプログラミング言語となっています。

1972年にAT&Tベル研究所で開発された言語であり、2024年時点で登場から半世紀以上も経過していますが、高速な動作とハードウェア制御のしやすさなどから人気と需要が続いています。この長期に渡り利用されてきた経緯が、開発者に向けた情報の充実と豊富な事例を提供しており、過去の資産の再利用がしやすいというメリットも生み出しています。

関連記事:C言語とは|特徴やC++やC#との違いを分かりやすく解説

C++やC#との違い

C言語、C++、そしてC#の違いについて短く説明します。

C++は、C言語を基にオブジェクト指向の概念を追加して開発されたプログラミング言語です。C言語の高速な動作やハードウェア制御に適している長所を残しつつ、より複雑なプログラムを効率的に開発することが可能になりました。自由度も高いため、AIやVR/ARなどの先端分野でも利用されています。

一方、C#はC言語と名前が似ていますが、実際にはJavaに近い文法を持つ全く別のプログラミング言語です。Microsoft社の開発したプログラミング言語で、主にMicrosoftの.NETフレームワークでの開発に用いられています。Webアプリやスマホアプリ、デスクトップ、サーバーサイドアプリなどに対応した非常に汎用性の高い言語です。

関連記事:
C++とはどんな言語?特徴やC言語との違いをわかりやすく解説
C#とは?特徴やメリット、C言語やC++との違いを解説

C言語の特徴

C言語の主な特徴は以下の5点です。・手続き型言語のため構造がシンプル

  • ・ハードウェアを直接的に操作する低階層の言語の特徴も併せ持つ

    ・コンパイラ言語の中でも処理速度が速い

    ・多くの環境にコンパイル・実行用のモジュールが提供されている

    ・様々な分野に使用されている

特に処理速度の速さは広く評価されており、C言語が選択される理由の一つとなっています。メモリの制約が厳しいハードウェアの制御やパフォーマンスを求められるソフトウェアの開発においては、C言語による開発は有力な選択肢の一つです。JavaやC#などが登場してもなお、C言語が使われているのには、そのような特徴があるからです。

C言語で開発されるソフトウェア

C言語で開発されるソフトウェアには、どのようなソフトウェアがあるのでしょうか。C言語で開発されるソフトウェアは具体的には、組み込みプログラムやオペレーティングシステム(OS)、大規模な業務用ソフトウェアなどがあります。本章では、これらのC言語で開発されるソフトウェアについて詳しく解説していきます。

関連記事:C言語でできること|メリット・デメリットや学習方法も解説

組み込みプログラムの開発

組み込みプログラムでは、C言語が第一の選択肢となります。

組み込みプログラムとは、家電製品、車載器、産業機器などの内部システムに直接組み込まれ、そのデバイスの動作を制御する役割を果たします。組み込みプログラムは、デバイスが適切に動作するための機能を提供する必要があり、ハードウェアの制御に適したC言語に高い需要が存在します。また、組み込みシステムではメモリなどのリソースが限られていることも多く、C言語の利用リソースが少ない特性もマッチしています。

OSの開発

C言語は、コンピュータの基本的なソフトウェアであるオペレーティングシステム(OS)の開発にも広く用いられています。具体的には、MacOS XやLinuxといったOSは、C言語を用いて開発されています。これらのシステムは、コンピュータの基本的な動作を制御し、他のソフトウェアが効率的に動作するための環境を提供します。

大規模な業務用ソフトウェア

C言語は高性能なソフトウェアを作成する能力があるため、大規模なビジネスアプリケーションの開発に頻繁に使用されます。その高いパフォーマンスと効率性は、大量のデータを処理する必要がある大規模な業務用ソフトウェアにとって重要です。また、Windows OSに標準で搭載されているメモ帳やエクスプローラーなどのアプリケーションも、C言語で開発されています。

C言語エンジニアの転職市場

C言語エンジニアの転職市場はどのような状況にあるのでしょうか。

C言語は長い歴史を持つプログラミング言語であり、その人気は現在も続いています。さらに、C言語エンジニアの将来性は非常に高いとされています。

本章では、C言語の需要とその将来性を考慮に入れて、C言語エンジニアの転職市場について詳しく説明します。

C言語は人気の言語でエンジニアの需要も高い

C言語は、決して新しい言語ではありません。しかしながら、プログラミング言語の人気を指標化しているTIOBEの「TIOBE Index」によれば、2024年3月17日時点でC言語はPythonに続く2位にランクインしています。また、同時点でレバテックキャリアに掲載されている求人・転職情報を言語別に集計した場合、C言語に該当する情報は1,531件(募集中660件)で全体の11位に入っています。※HTML、CSSは除く

C言語の求人・転職情報>

C言語は、主に組み込み系の分野で、国内外を問わずスタンダードな言語として使用されてきました。そのため、大手企業や老舗企業のシステムには、C言語で記述された情報資産(ソースコード)が大量に残されており、これらに対する追加開発、保守業務の需要が継続的に存在しています。

企業にとっては、実績のあるシステムを他の環境・言語へ移行するよりも、C言語をベースにした改修や追加開発を進めるメリットの方が大きいのでしょう。

また、C言語の拡張版ともいえるC++の登場で、オブジェクト指向への対応も可能になりました。企業によっては、C言語を「プログラミングの基礎」と見なし、C言語のスキル・経験をプログラミングスキルの指標とする場合もあります。

さらに組込み開発ではハードウェアの操作も発生するため、C言語エンジニアにはOSやメモリ、ハードウェアの知識も必要になります。このような背景から、「C言語出身のエンジニアはハードウェア・ソフトウェアの双方に高いITリテラシーを持つ」とみなされる傾向も見逃せません。

C言語エンジニアは将来性も高い

IoT市場が拡大していることから、C言語の将来性は比較的有望であるといえます。IoTは既存のデバイスをネットワークに接続し、情報収集・分析・遠隔操作などを可能にする技術であり、その土台には組み込み系の技術があります。そのため、組み込み系の分野で実績が豊富なC言語のスキルはIoT市場でも評価される傾向です。

さらに、組み込み系の分野では今後AIを組み込んだ仕組みが普及していくことが予測されており、こちらもC言語エンジニアの将来性を高める要因の一つです。

また、C++までスキルセットに含めることで、ゲーム・アプリケーション開発の分野でも活躍できる可能性が高まるでしょう。

C言語エンジニアが転職時に評価されるスキル・経験

C言語エンジニアが転職をする際に、評価されるスキルや経験は何があるのでしょうか。

評価されるスキルや経験としては、他言語での開発経験や要件定義、基本設計、詳細設計などの上流工程に関するスキル、業界知識、プロジェクトマネジメントスキルなどがあります。

本章では、C言語エンジニアの転職で評価される、具体的なスキルや経験についてご紹介します。

要件定義、基本設計、詳細設計スキル

C言語エンジニアにとっても、他のプログラミング言語のエンジニアと同じく、プロジェクトの上流工程を担当できる能力は年収向上に繋がります。これは、要件定義から基本設計、詳細設計までの工程を自分で行うことができる能力を指します。したがって、これらの上流工程を自力で遂行できるスキルを習得することは、C言語エンジニアのキャリアアップにとって重要な要素となります。

他言語での開発経験

C言語エンジニアが転職市場で評価されるポイントの一つとして、他のプログラミング言語での開発経験も重要です。C言語と共によく使用される言語、例えばC++、Java、Python、PHP、VBなどを用いた開発経験は、転職成功のための重要な要素となります。他言語での開発スキルを身につけることで、応用の効く開発スキルを持つことを示せ、より広範な開発環境で活躍することが可能になります。

業界知識

C言語エンジニアとして、開発に関する広い知識とスキルは必須ですが、IT業界だけでなく他の多種多様な業界についての知識も重要となります。過去の経験から得た特定の業界に関する深い知識は、C言語エンジニアとしての職務範囲を広げる大切な要素です。経験で得た業界知識を活用することで、問題解決に対する多角的な視点を持つことができます。

プロジェクトマネジメントスキル

実務経験を5年程度積んだエンジニアには、リソース管理や進捗管理といった一部のプロジェクトマネジメントスキルや折衝スキルも求められます。これらは、チームを統括してプロジェクトを円滑に進めたり、上流工程で顧客要求から仕様を確定させたりする場合に必要なスキルです。プロジェクトマネジメント・折衝スキルを必須要件に掲げている求人は少ないものの、高年収を狙うのであればぜひとも磨いておきたいスキルです。

Linux系OSスキル

C言語を用いた開発は、Windows系OSとLinux系OSで開発環境が異なります。Linuxは企業のサーバーOSとして圧倒的なシェアを占めているため、Linux環境でのC言語プログラミングスキルは、転職時の大きな武器となるでしょう。コンパイラやエディタの扱い方や、コマンドライン操作、ファイル操作など基本的なスキルは身に着けておきたいところです。

ライブラリ・フレームワークの知識と利用スキル

C言語には多くのライブラリが提供されており、これらを活用することで開発の効率を高め、ソフトウェアの品質向上に貢献します。ライブラリについての知見を広げ、積極的に活用しましょう。

C言語は、RubyやPythonといった言語と比較してフレームワークの種類が少なく、フレームワークを使わない開発も一般的です。しかしながら、小規模かつスピーディーな開発案件ではフレームワークが積極的に導入され始めています。C言語の代表的なテスト用フレームワークであるCppUTestやUnityなどの経験があると評価されることがあります。

その他、評価されやすいスキル

その他のC言語エンジニアが転職時に評価されるスキルとしては、中〜大規模の組み込み系開発の経験や小規模チームのリーダー経験などがあります。他言語での開発経験や要件定義、基本設計、詳細設計スキル、業界知識、プロジェクトマネジメントスキルなどを身につけたうえで、需要の高いこれらのような経験があれば転職時に有利になるでしょう。

中~大規模の組み込み系開発の経験

組み込み系プログラムではC言語が使われることが多いため、中規模から大規模な組み込み系開発の経験があれば、C言語エンジニアとして評価されやすいでしょう。

中規模から大規模の組み込み系開発では、複数のハードウェアや複数のソフトウェアを組み合わせた案件になることが多く、開発期間が長期化し、開発人員も多数いることが一般的です。このような組み込み系開発の経験があれば、C言語エンジニアとしてさらに評価されるでしょう。

小規模チームのリーダー経験

小規模なチームにおいてリーダー経験を持つ方も、C言語エンジニアとして転職時に評価されるでしょう。複数のC言語エンジニアによる業務を取りまとめて、プロジェクトリーダー的な役割を持つ方は、ただのC言語プログラマーとしてだけでなく、マネジメントができる人材として評価される可能性があります。

保有資格

C言語エンジニアの仕事に、必須の資格はありません。しかし、C言語エンジニアの仕事に役立つ資格を保有することで、転職時に自身の能力のアピール材料として活用できます。

C言語エンジニアの転職時に評価される資格の例としては、C言語プログラミング能力認定試験やETEC(組込み技術者試験制度)などがあります。

以下では、これらの資格について解説します。

C言語プログラミング能力認定試験

C言語プログラミング能力認定試験とは、ビジネス能力検定サーティファイが実施する試験です。プログラミングの知識や理解度を客観的に測る指標として、IT業界で高く評価されています。

・認定試験の概要
C言語プログラミング能力認定試験は、初心者向けの3級から上級者向けの1級まであります。

・認定試験の難易度
認定試験の難易度は挑戦するレベルによって異なります。


  • 3級:C言語の基本的な概念を理解していれば合格できると言われております。

    2級:C言語の知識に加えてアルゴリズムの理解、小規模プログラムを作成できれば合格できると言われています。

    1級:難易度が非常に高く、C言語の知識やプログラム全般の知識、実践レベルのプログラムを作成できれば合格できると言われています。


・認定試験の出題形式
3級、2級は多岐選択回答式ですが、1級のみパソコンを使用した実践形式の試験です。事前に公開されたプログラミングの仕様変更など実務を想定した試験となります。

ETEC(組込み技術者試験制度)

ETEC(組込み技術者試験制度)とは、一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)が運営する組込みエンジニア向けの試験制度です。

・ETECの概要
組込み開発に向けた知識とスキルを計る試験で、組込みソフトウェア技術者試験クラス2と上位試験の組込みソフトウェア技術者試験クラス1の2種類の試験があります。

・ETECの難易度
合否判定が存在しない試験で、ETECの試験結果はA~Cのグレードで判定されます。試験は800点満点で、平均点は470点ほどになります。

・ETECの出題形式
試験はCBT形式で実施されます。

未経験者もC言語エンジニアに転職できる

未経験でもC言語エンジニアとして転職することは可能です。例えば、レバテックキャリアにおいて「C言語」をスキル条件とした求人の検索結果数は、2024年3月17日時点で1,531件(募集中660件)が表示されます。

公開されている求人には、C言語による開発経験を要求する求人も多いのですが、中には未経験可の条件の求人や、C言語以外のプログラミング言語の経験で足りる求人も含まれています。

C言語はプログラミング言語の中でも、さまざまなシステムやソフトウェアの開発に用いられている言語であり、学習する手段は豊富にあります。そのため、たとえ未経験でC言語エンジニアに転職しても、本人のやる気次第で、ぐんぐんスキルは伸ばせるはずです。

C言語が未経験でも、入社後に学習する意欲を見せれば、積極的に採用しようとする企業に出会える可能性は十分にあります。

未経験者のC言語の習得難易度は?

C言語は他のプログラミング言語も未経験の場合、習得難易度の高い言語です。その理由として、下記があげられます。

  • ・複雑な文法と厳格な型設定

    ・コンパイル時に頻繁に発生するエラー対処

    ・メモリの確保解放を細かく実装する必要がある

    ・ポインタの概念が理解が難しい

これらの理由により、技術的な躓きが起き、独力での課題解決ができなくなり学習に挫折するパターンが少なくありません。挫折を避けるためには、周囲にC言語ができる人を探すか、Webなどで質問できる掲示板、メンターなどを確保しておくことが有効です。

関連記事:C言語が難しいといわれる理由と学習のポイント

未経験者がC言語エンジニアになるロードマップ

未経験者がC言語エンジニアになるためには、目的をしっかりと決めて効率的にステップアップすることが重要です。そのためにはITの知識を深め、プログラミングに関する基礎スキルを習得し、成果物のポートフォリオを作成するといいでしょう。

以下では、未経験者がC言語エンジニアになるロードマップを解説します。

ITの知識を深める

まず最初に、IT全般についての知識を深めることが重要です。ITの知識が不足していると、実際に就職した際に、他のエンジニアとのコミュニケーションや仕事の応用が難しくなります。

ITの知識を深めるには、国家資格であるITパスポートの取得もおすすめです。ITパスポートは、広範なIT知識を必要とする入門レベルの資格で、この資格を取得できるレベルのIT知識があれば、未経験からの転職でも困ることは少なくなります。

プログラミングに関する基礎スキルおよびWebでの検索やツール活用を身につける

プログラミングでは言語に関わらず共通した部分も存在します。C言語の学習を通して、プログラミング全般の基礎を身につけることが大切です。プログラミング一般に適用される内容なのか、C言語特有の記述なのかを意識しながら学習できると、その違いが分かりやすいでしょう。

また、C言語エンジニアとして成功するためには、情報収集や課題解決のためにWebでの検索スキルも必要です。その他にも、エンジニア業務を行う場合には、ビジネスチャットやクラウドストレージなどの各種ツールを使いこなすことも求められます。自分の知らないことでも拒否感を持たずに利用しながら理解を深めるとよいです。

サンプルをもとに成果物を作成する

C言語は歴史があり広く使われているプログラミング言語で、インターネット上には多くのサンプルコードが存在します。基本的なC言語の理解ができたら、これらのサンプルを参考に自分だけのプログラムを作成することをおすすめします。成果物である自作のプログラムは、未経験からの転職を考えている方にとって、自身のスキルを証明するポートフォリオとして非常に有用です。

ポートフォリオを作成する

ポートフォリオは、未経験者がC言語エンジニアに転職を成功するための重要なツールです。自身が開発したプログラムの集合体であるポートフォリオは、様々なプログラムを開発できる能力を証明します。面接官はポートフォリオを通じて、プログラミング基礎能力、他人が理解できるコードを書く能力、問題解決力、そして何よりもやる気を評価します。

実務経験がない場合、これらの能力を示す唯一の証拠がポートフォリオです。したがって、未経験からの転職を考えている方は、必ずポートフォリオを作成しましょう。

C言語以外のプログラミング言語も習得していると転職に有利

C言語のエンジニアを目指す場合でも、他の言語も習得していることで転職における選択肢を増やすことが可能です。常にC言語の案件だけしか対応しないエンジニアより、複数言語に対応できるエンジニアの方が求められる機会が多いのは当たり前のことです。

所属組織によってはプロジェクトごとに利用言語は変わり、エンジニアには柔軟な対応が求められます。また、他の言語を知っていることでC言語の特徴やメリットもより明確に理解することができるでしょう。

C言語は他の言語の元となっている場合も多く、C言語習得後にJavaやC#を学んだ場合には効率的に学習することが可能です。

転職前にC言語に加えて他の言語を学習しておくことには、このようなメリットがあり、転職でも有利に働きます。

C言語を身につける具体的な方法

C言語の習得には、実際にコードを書き、その動作を確認するという反復練習が効果的です。ただし、コードを書けるようになるには、事前にC言語の文法やアルゴリズムを理解する必要があります。

文法やアルゴリズムを理解するための学習方法として、オンラインの学習サイトを利用する方法と、書籍を用いる方法があります。これらの方法を組み合わせて、自分に合った学習スタイルを見つけることが重要です。

関連記事:C言語を効率的に勉強!習得するメリットや理解度別の学習法も紹介

学習サイトを利用して身につける

C言語を身につける具体的な方法のひとつは、学習サイトを利用して身につけることです。C言語を学習できるWebサイトとしては「ドットインストール」「一週間で身に付くC言語の基本」「苦しんで覚えるC言語」などがあります。本格的な学習の前にC言語の全体像をざっと確認したい方にとって、無料で勉強できるWebサイトは非常に役立ちます。

ドットインストール

ドットインストールは1レッスン3分程度の動画コンテンツでプログラミングなどを学習できるサイトです。C言語に関する基本的な22のレッスンは全て無料で学習できます。有料会員として登録すると、動画コンテンツで解説されているプログラムのソースコードのダウンロードが可能になり、動画コンテンツの文字起こしの閲覧もできます。

一週間で身につくC言語の基本

一週間で身につくC言語の基本は、C言語の基礎を効率的に学ぶためのWebサイトです。14日間のプログラムで、最初の7日間は基本的な文法を、次の7日間は応用的な内容を学びます。具体的なプログラムの例を通じて、C言語の理解を深めることができます。この学習サイトは、自分のペースで学べるため、初心者でも安心して学べます。

苦しんで覚えるC言語

苦しんで覚えるC言語は、C言語の基本的な文法から、少し技術的に深掘りした内容まで、全20章のコンテンツで学習できるWebサイトです。単純な文法の解説だけでなく、「どうしてそのように記述するのか」のように少し難易度の解説がされているのが特徴です。

初心者には少し難しく感じられるかもしれませんが、C言語の初心者から中級者へのステップアップにはうってつけの内容です。

書籍を購入して身につける

体系的にC言語を学びたい方は、書籍を通した学習がおすすめです。

『かんたん C言語 [改訂2版] プログラミングの教科書』(著:大川内 隆朗、大原 竜男、出版:技術評論社)
C言語の文法を基礎から学べる1冊です。丁寧な解説に加えてイラストを使うことで、プログラミングが初めての方でも安心して読み進められます。C言語の一通りの機能でしたら、この1冊ですべて身につけられるようになっています。

『やさしいC 第5版(「やさしい」シリーズ)』(著:高橋 麻奈、出版:SBクリエイティブ)
プログラミング教科書の定番「やさしい」シリーズのC言語版です。こちらも読みやすい解説に加えて、イラストを使うことで、C言語の概念をイメージしやすいようになっています。C言語の基本から一つずつ丁寧に解説しているため、プログラミングが初めての方でもしっかりと学べる一冊です。

『新・明解C言語 入門編 第2版』(著:柴田 望洋、出版:SBクリエイティブ)
全編を語り口調で解説しているC言語の入門書です。243編の完成したプログラムと、245点の図表を使って、C言語の全体像をわかりやすく解説しています。断片的な知識ではなく、実際にプログラミングできるスキルを身につけたい方におすすめの一冊です。

C言語の習得がおすすめな人

学習するプログラミング言語によってキャリアは大きく変わります。C言語はどのような人におすすめなのでしょうか。

C言語の習得がおすすめな人は、IoTやAI分野に関わりたい人やプログラミングの基礎を学びたい人などが当てはまります。

本章では、これらのC言語の習得がおすすめな人について解説していきます。

IoTやAI分野に関わりたい人

C言語は、IoTやAIといった先端技術分野での活用が期待されるプログラミング言語です。その理由は、C言語が組み込みシステムに強く、リソースが限られた環境でも高いパフォーマンスを発揮できるからです。IoTデバイスの開発やAIの実装に興味がある方には、C言語の習得がおすすめです。C言語の習得は、最新の技術トレンドに直接関与する機会を増やすことにつながります。

プログラミングの基礎を学びたい人

C言語は、その長い歴史と高い難易度から、新しいプログラミング言語を学ぶ際の基礎として非常に価値があります。C言語では、他の多くの言語が自動的に処理する部分を手動でコーディングする必要があります。これは初めは大変かもしれませんが、その結果としてプログラミングの深い理解を得ることができます。そして、この理解は他の言語を学ぶ際にも役立ち、より効率的なコードを書く能力を習得できます。

C言語関連の仕事の大変さ

C言語に関連する仕事は、C言語の知識とスキルが求められるため、一部のC言語エンジニアにとっては大変なものと感じられるかもしれません。具体的には、古い開発環境での作業や下請けの場合では残業が多くなってしまうなどがあります。

本章では、これらのC言語関連の仕事の大変さについて詳しく解説していきます。

開発環境が古め

C言語のプロジェクトでは、開発環境が古いと感じることがあります。これは、人気の高い統合開発環境(IDE)にはMicrosoft社のVisual Studioがあり、こちらの製品も長く歴史を持つことが古く感じる理由の一つと考えられます。

また、C言語の案件は受託開発が主流であり、顧客とのコミュニケーションが頻繁に必要となるため、効率性に欠けると感じるC言語エンジニアも少なくありません。

下請けだと残業が多い場合がある

C言語エンジニアの仕事は、特に下請けの場合、多くの残業が伴う可能性があります。システムのバグ修正や急な仕様変更など、予期せぬ問題が発生すると、残業が避けられなくなることがあります。長時間の残業が続くと、心身への負担が大きくなる可能性があります。これらの課題は、C言語エンジニアの仕事の大変さにつながります。

C言語エンジニアの年収をチェック

C言語エンジニアの年収事情はどれほどなのでしょうか。C言語エンジニアの仕事に興味がある方や転職を検討中の方にとって、C言語エンジニアの年収は気になる要素のひとつです。

本章では、レバテックキャリアのデータをもとに、C言語エンジニアの年収相場やC言語エンジニアの求人例をご紹介します。C言語エンジニアの年収事情が気になる方は、参考にしてみてください。

C言語エンジニアの年収相場

C言語エンジニアの年収相場を、レバテックキャリアに掲載されている求人情報をもとに算出しました。

2024年3月15日時点で、レバテックキャリアに登録されている求人情報30件をサンプルにすると、C言語に関する求人の年収下限の平均値は約422万円で、年収上限の平均値は約713万円です。最も年収の多い求人では約2,000万円の求人もあります。

C言語の求人・転職情報>

C言語エンジニアの求人例をご紹介

レバテックキャリアに掲載中の求人・転職情報より、C言語エンジニアの求人例を紹介します。

【業界】
ソフトウェア

【業務内容】
・組込み系システムの企画、設計、開発
・UI周り、画面系設定アプリケーション開発(Windows、Linux等)の設計、開発
・制御系アプリケーション開発(Windows、Linux等)の設計、開発

【求められるスキル・経験】
・開発経験3年以上
・C言語、C++開発経験
・リアルタイムOS経験 μitron、VxWorks etc.
・マイコン、ASM、組込みC言語、電子回路
・製品組込みソフト開発経験
・情報家電、OA機器、携帯電話開発経験

【想定年収】
400~800万円

【勤務地】
愛知県

C言語に関するよくある質問

C言語での転職を考えている方には、C言語に関するさまざまな質問があります。よくある質問としては「C言語とC++の違いは何ですか?」「C言語は何に使われていますか?」「C言語の長所を教えてください」などがあります。本章では、これらのC言語に関するよくある質問について回答していきます。

Q1. C言語とC++の違いは何ですか?

C++は、C言語をベースにオブジェクト指向プログラミングなどの機能を追加したプログラミング言語です。C言語の基本的な文法や構造を継承しつつ、クラスや継承といったオブジェクト指向の概念を導入しています。これにより、より複雑なプログラムの開発が可能となり、大規模なソフトウェア開発にも適しています。また、C言語と同様に手続き型プログラミングも可能なため、C言語の知識を活かしながらプログラミングができます。

Q2. C言語は何に使われていますか?

C言語は、ハードウェアの制御に適しているプログラミング言語です。C言語は、組み込みプログラムやOS(オペレーションシステム)、大規模な業務用ソフトウェアなどの開発に使われています。

Q3. C言語の長所を教えてください

C言語の長所は、その高い処理速度と汎用性にあります。パフォーマンスを重視した開発が可能で、さまざまな分野で活用できます。また、C言語は他の多くのプログラミング言語に影響を与えており、C言語を理解していれば他の言語の文法も容易に理解できます。これらの長所により、C言語は長年にわたり多くの企業で活用され続けています。

まとめ

本記事では、C言語での転職を検討中のエンジニアに向けて、C言語の特徴やC言語エンジニアの転職市場、転職時に評価されるスキル・経験、学習方法、年収・求人例などについて解説しました。

C言語は組み込み系開発を中心に根強い人気のある言語で、今後もIoTシステムの開発などにおいて需要の拡大が見込まれています。さらに、拡張版であるC++などのスキルがあれば、ゲーム・アプリケーション開発などの領域にも活躍の幅を広げることができます。

C言語での転職を考えている方は、C言語のスキルを磨くことはもちろん、C++のスキル習得も視野に入れて、転職活動を行ってみてはいかがでしょうか。

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