未経験からセキュリティエンジニアに転職する方法

最終更新日:2024年1月17日

セキュリティエンジニアとは、マルウェアや不正アクセスなどサイバー攻撃の脅威に対応する専門家です。

セキュリティに関する専門知識と高度な技術が求められる職種であるため、エンジニア未経験から直接目指すにはハードルは高いです。エンジニア未経験で目指す場合には、インフラエンジニアやネットワークエンジニアなどの職種を経験することがステップの一つとなります。

この記事では、セキュリティエンジニアとして転職したい方に向け、未経験からセキュリティエンジニアを目指す方法、必要となるスキルや学習方法、将来性ややりがいなどを説明します。

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この記事のまとめ

  • オンライン化に伴い、サイバーセキュリティの重要性は高まり続けています
  • セキュリティエンジニアになるには、周辺のエンジニア職種を経験してから目指すキャリアパスが一般的です
  • セキュリティエンジニアの仕事はやりがいもあり、将来性も十分にあります
  • セキュリティエンジニアに求められる業務は幅広く、法律の知見など多様な知識が必要です

未経験からのセキュリティエンジニア転職実情

未経験からセキュリティエンジニアを目指す場合でも、重要なのはスキルと知識を持ち、それを転職先で活かせることをアピールすることです。しかし、まったくの未経験で十分なスキルと知識を持ち、それを活かして活躍できることを相手に伝えるのは非常に難しいでしょう。このため、セキュリティエンジニアとしての実務経験はなかったとしても、ITエンジニア職種の経験があるかどうかが大きな差となります。

一般的にセキュリティエンジニアは、高度かつ幅広いスキルと知識を求められるため、ネットワークエンジニアやインフラエンジニアなどで経験を積み、スキルを身に着けた後に目指す職種です。セキュリティのスキルと知識は、ネットワークやサーバー、データベースなど幅広いエンジニア領域に含まれています。

関連記事:セキュリティエンジニアになるには?必要なスキルや知識も紹介

エンジニア経験があれば可能

ITエンジニア職種の実務経験がある場合、ITエンジニアに共通して必要となる基礎知識、スキルは身についている状態とアピールすることが可能です。それに加えて、セキュリティエンジニアに求められる専門的な知識とスキルを習得することで、セキュリティエンジニアとして活躍できると考えられるためです。もちろん、自己学習によりセキュリティ分野のスキルを習得しておく必要はあります。

別のITエンジニア職種で得た知見をセキュリティエンジニアとしてどの様に活かせるかを突き詰められれば、他の転職志望者との差別化を図ることができるポイントとすることも可能です。

エンジニア未経験の場合はスキル・知識が必要

ITエンジニア職種も未経験の場合、セキュリティエンジニアとしての転職は簡単ではありません。

セキュリティ領域は人材が不足しており、今後も需要が続くと考えられる分野です。しかし、業務内容を考えると失敗の許されないシビアな領域であることも確かです。このため、セキュリティエンジニアの求人では即戦力が求められる傾向が強く、エンジニア未経験では即戦力としての目処が立てづらい分、不利となってしまいます。

セキュリティエンジニアを目指す場合でも、エンジニア未経験の場合は他のエンジニア職種で経験を積んでから、セキュリティエンジニアとなるステップが着実です。ITエンジニアとしての基礎知識、スキルを身に着けながら、セキュリティ領域のスキルも磨くキャリアパスを描きましょう。

並行して必要な知識と資格の取得をしておくと良い

ネットワークエンジニアやインフラエンジニアの経験があれば、ある程度セキュリティ関連の知識が身についているでしょう。しかし、セキュリティエンジニアとして求められるレベルには達していない可能性が高いので、独学やスクールでの学習が必要です。資格の取得を検討する場合、セキュリティ関連の内容が含まれる資格は複数あります。

セキュリティエンジニアとは

セキュリティエンジニアは、マルウェアや不正アクセスといったサイバー攻撃に強いシステムの構築・運用や、企業における情報セキュリティポリシーの策定などを主に担当する職種です。

警視庁が発表している「令和5年版警察白書」によると、2022年の警察によるサイバー犯罪の検挙件数は12,369件と前年よりも160件増加し、過去最多を記録しました。調査を遡れる平成28年から、右肩上がりに検挙件数は増え続けており、今後も増加傾向が続くことは想像に難くありません。

警視庁『令和5年版警察白書』をもとに弊社作成

業務のオンライン化が進む中で、顧客や自社に関するデータの取り扱いにはより一層の注意が必要です。世界規模で巧妙化・深刻化が懸念されるサイバー攻撃への抑止機能として、セキュリティエンジニアは非常に重要な役目を担っています。

セキュリティエンジニアの仕事内容

セキュリティエンジニアの仕事内容は多岐に渡ります。企業や組織のインフラ、アプリケーションにおけるセキュリティ対策の実施や、セキュリティに関するルールや体制づくり、従業員に対するセキュリティ教育や訓練の実施なども業務に含まれる場合もあります。

各具体的なセキュリティ対策の実施をより具体的にフェーズを分けると、下記の5段階となります。
 

  • ・企画、提案

    ・設計

    ・実装

    ・テスト

    ・運用・保守


関連記事:セキュリティエンジニアとは?仕事内容や必要なスキルを解説

企画、提案

企業や組織のセキュリティ上の脆弱性を診断し、必要な対策を企画・提案します。セキュリティのための機器やソフトウェア導入、情報セキュリティマネジメント組織(ISMS)の立案・組織などが対策にあたります。

設計

企画・提案であがった対策を、実際の適用に向けて詳細に落とし込む工程です。セキュリティに関する要件を定める要件定義、機器やソフトウェアの選定や設定値を定める設計などを行います。

実装

設計で詳細化したセキュリティ対策を組織のIT環境などに実装します。機器やソフトウェアの導入・設置、セキュリティマネジメント組織の立ち上げなどを行います。

テスト

実装したセキュリティ対策に対してテストを実施します。実際のサイバー攻撃と同様の手法を使ってセキュリティ脆弱性がないことを確認したり、トラブルを想定したシステム切り替え・遮断・リカバリの動作確認などを行います。

運用・保守

導入したセキュリティ対策が稼働し続けるよう運用・保守を行います。メンテナンスやセキュリティアップデートの適用、トラブル発生時の対処などが具体的業務です。

サイバー攻撃を受けた際には、調査と対応を行うこともセキュリティエンジニアの業務に含まれます。

  • ・サイバー攻撃を受けた原因調査

    ・サイバー攻撃の被害範囲の調査

    ・被害拡大防止の応急対応

お客様や取引先へまで影響が出てしまったケースなどは、適宜法務担当や役員と連携しながら対策を検討します。

セキュリティエンジニアの平均年収

セキュリティエンジニアは専門的で高度なスキルと知識が必要とされる職種です。その分、他の職種よりも高い年収が望める職種でもあります。

2023年12月19日時点でレバテックキャリアに掲載されている求人・転職情報より、職種「セキュリティエンジニア」の情報を30件抽出し、年収の最小値と最大値の中間値の平均をとりセキュリティエンジニアの平均年収を算出してみました。この算出方法によると、セキュリティエンジニアの平均年収は約712万円となります。

国税庁による令和4年の民間給与実態統計調査では、年間を通した給与所得者の平均給与は458万円でした。これと比較すると、スキルを活かした専門職であるセキュリティエンジニアは好待遇の得られる職種といえるでしょう。

セキュリティエンジニアの求人・転職情報

セキュリティエンジニアが活躍する分野

セキュリティエンジニアはIT関連業全般をはじめユーザー企業でも活躍しています。代表的な分野として下記が挙げられます。

分野
セキュリティベンダー
SIer
ITコンサルティング
金融系
インフラ・社会基盤
商社
メーカー

未経験でセキュリティエンジニアになるためのステップ

「未経験からのセキュリティエンジニアの転職実情」でも触れている通り、着実にスキル習得を行うことが未経験からセキュリティエンジニアになるためのステップとなります。本項では、その具体的なステップについて説明します。

関連記事:セキュリティエンジニアの転職で知っておきたいこと

求められる知識・スキルの習得

セキュリティエンジニアはIT全般のセキュリティを確保することが重要なミッションです。このため、カバーしなければならない領域は幅広いです。

IT全般についての基礎知識、スキルはもちろん必要です。コンピュータの構成や原理、OSとソフトウェア、PCやサーバーの操作などは最低限求められる内容でしょう。

また、セキュリティ分野の専門的なスキル、知識も重要です。セキュリティ確保のための仕組み、機器、サイバー攻撃の仕組みと手口などを知り、それを実際の環境でどの様に対策すればよいのか実践的なスキルまでが必要となります。

関連深い分野として、サーバーやネットワークなどのインフラ領域に関しても知識やスキルが求められることが多いです。外部からの接続窓口となったり、重要なデータを格納するためセキュリティが重視される分野となります。

情報セキュリティの確保に関する組織での対応やルール作りなども知っておく必要があります。ISMSなどの組織を構築し、企業ではセキュリティ方針や具体的な対策となるルール作りを行うことも業務に含まれるためです。

業務に役立つ資格の取得

セキュリティエンジニアになる上で必ずしも資格は必要ありませんが、学習した知識の習得度を測る、または企業への技術レベルのアピールという点で資格の保有は非常に役立ちます。取得をおすすめできるセキュリティ関連の資格に、以下のようなものがあります。

  • ・システムアーキテクト試験

    ・ネットワークスペシャリスト試験

    ・情報セキュリティマネジメント試験

    ・情報処理安全確保支援士試験

    ・シスコ技術者認定(CCNP Security, CCIE Securityなど)

    ・Linux技術者認定試験

    ・CompTIA Security+

    ・情報セキュリティ管理士認定試験

システムアーキテクト試験

システムアーキテクト試験は、システム開発における上流の業務を担当するエンジニアに向けた資格試験です。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)により運営され、経済産業省により認定される国家資格でもあります。

企業のシステム戦略から、具体的なシステム企画を行いその推進を担うための知識とスキルが示せる資格です。これらの業務に関わるセキュリティエンジニアにとっても、ITに関する基礎の知識、上流工程でのスキル、企業や組織のIT全般を見渡す能力などが役立ちます。

ネットワークスペシャリスト試験

ネットワークスペシャリスト試験は、コンピュータネットワークの開発、運用を行う専門家向けの資格試験です。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)により運営され、経済産業省により認定される国家資格でもあります。

ネットワークはセキュリティの領域でも外部との窓口として重要視される領域です。セキュリティ対策を施す機会も多く、セキュリティエンジニアの業務にも直接関わるスキルを示す資格といえます。

情報セキュリティマネジメント試験

情報セキュリティマネジメント試験は、情報システムの利用部門において先導的立場でセキュリティ確保の実現・維持に取り組む立場の人に向けた資格試験です。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)により運営され、経済産業省により認定された国家資格の一分野です。

セキュリティエンジニアにとっては、顧客の位置にあたる相手向けの資格試験です。顧客や一般的な利用者にとってセキュリティがどの様に捉えられ、取り扱われているかを知り、業務に役立てることができます。

情報処理安全確保支援士試験

情報処理安全確保支援士試験は、サイバーセキュリティに関する専門家であるセキュリティエンジニアやセキュリティコンサルタントに向けた資格試験です。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)により運営され、経済産業省により認定される国家資格の一分野であり、取得することで情報処理安全確保支援士としての登録が可能です。

セキュリティエンジニアにとっては、セキュリティ確保に関する業務に対し知見を持つことが示せるため、専門的なスキルを示せる有効な資格です。

シスコ技術者認定

シスコ技術者認定は、ネットワーク機器大手のシスコによるベンダー試験です。4つのレベルで構成される資格体系をもっています。

ネットワークに関連するセキュリティ領域についても多く扱っており、CCNP SecurityやCCIE Securityは特にセキュリティエンジニアにも有用な資格といえます。

Linux技術者認定試験

Linuxは企業や組織のサーバーなどに利用されるOSの一つです。大規模なシステムやクラウド上のシステムなどでよく利用されており、セキュリティエンジニアの業務にも密接に関わる技術といえます。

Linuxに関するスキルを認定する資格試験としては、LPIC(Linux Professional Institute)LinuCが代表的です。前者は世界的な認定資格であり、後者は日本国内に特化したLinux技術者の認定資格です。いずれもセキュリティに関する試験科目が有り、セキュリティエンジニアのスキルを示すことにつながります。

CompTIA Security+

CompTIA Security+は、グローバルなIT団体ComTIAの運営する認定資格試験で、セキュリティキャリアのファーストステップとして推奨されています。世界的なセキュリティトレンドに沿った試験内容となっています。AWSやCiscoなどの団体が試験作成に関わっており、実践的なセキュリティに関するスキルを示せる資格です。

情報セキュリティ管理士認定試験

情報セキュリティ管理士認定試験は、全日本情報学習振興協会によるセキュリティ管理に関するスキルを認定する資格試験です。エンジニアはもとより、情報システムを業務で扱うあらゆる人材に向けて企業がセキュリティを守るうえで、従業員に個人レベルで持ってほしいリテラシーを問う内容となっています。

セキュリティエンジニアにとって直接スキルを示せる資格試験ではありませんが、顧客や一般的な利用者のセキュリティに関する認識やそれによって起こる問題を踏まえる上で役立てることができるでしょう。

関連職種で経験を積む

セキュリティエンジニアはITエンジニア職種の一つであり、他のITエンジニア職種の業務とも関連を持ちます。このため、セキュリティに関わる業務を行うエンジニア職種で経験を積むことは、セキュリティエンジニアになるためのステップとしても有効です。

特にインフラ系のサーバーエンジニア、ネットワークエンジニアなどはセキュリティ対策に関連する業務も多く、セキュリティエンジニアのスキルに直結する経験を積むことができます。

転職エージェントを活用する

未経験者にとって、セキュリティエンジニアとなるための転職活動は簡単ではありません。それぞれの企業がセキュリティエンジニアに求めるスキル、素養などは異なっており、自分のスキルや想定するセキュリティエンジニア像とマッチしているのかを確認することも難しいでしょう。

このような場合に役立つ方法が、転職エージェントの活用です。転職エージェントはセキュリティエンジニアを求める企業が、それぞれどんなスキルを求め、どんな人材像を描いているのか詳細な情報をもっています。セキュリティエンジニア希望者の声とマッチする求人・転職情報を紹介することができ、スキル習得に関しても適切なアドバイスを提供してくれます。

セキュリティエンジニアに必要な知識とスキル

セキュリティエンジニアになるには、さまざまな知識とスキルが必要となります。ここでは、セキュリティエンジニアに求められる知識とスキルを解説します。

サーバーやネットワーク、OSの知識・スキル

サーバーやネットワークにセキュリティ対策を行うので、必然的にこれらの知識やスキルが求められます。また、OSのセキュリティパッチも随時リリースされるため、OSの知識とスキルも必要です。セキュリティパッチは、他のシステムに悪影響を及ぼすこともあるため、事前に検証します。

サイバーセキュリティに関する知識

サイバーセキュリティに関する知識は、情報処理推進機構(IPA)が情報セキュリティスキルマップで公表しており、求められる知識とスキルが以下のように定義されています。

必要な知識 概要
情報セキュリティマネジメント セキュリティに対する基本方針や対策、リスク分析などを行う
ネットワークインフラセキュリティ 第三者から不正な侵入や盗聴がされないよう、ネットワークを設計・構築・運用する
アプリケーションセキュリティ ソフトウェアやアプリケーションの脆弱性の検証および対策を行う
OSセキュリティ OSの脆弱性に関する調査、堅牢性を高めるための対策などを行う
ファイアウォール 外部ネットワークから不正なアクセスが行われないように設計・構築を行う
侵入検知システム 万が一に外部ネットワークから侵入された場合に、すぐに検知できるように対策を行う

他にも必要な知識とスキルはありますが、未経験者はまずはセキュリティの基礎である上記6つの習得を目指すと良いでしょう。

関連記事:セキュリティエンジニアに求められるプログラミングスキルとは

法律に関する知識

個人情報保護法や不正アクセス禁止法なども、コンプライアンス遵守のために必要な知識です。IT法制は変化が速く、従来は適用外だったものが法律の改正により適用対象に含まれるケースもあります。セキュリティエンジニアはこういった法律に関する知見も必要なので、学んでおくと良いでしょう。

コミュニケーションスキル

セキュリティエンジニアには、クライアントからの要望を正確に理解するためのヒアリング能力が必要です。クライアントのニーズを正確に理解できなければ、適切な対策を提供することができません。

セキュリティ対策の内容をクライアントにわかりやすく伝えるためのプレゼンテーション能力も必要です。セキュリティは専門性が高く、クライアントにとっては難しい内容かもしれません。そのため、特にわかりやすく伝えることが求められます。

セキュリティエンジニアになるための学習方法

セキュリティエンジニアを目指す上での効率的な学習方法について解説します。セキュリティエンジニアが習得すべき知識・スキルは非常に広範囲にわたるため、効率良く体系立てて習得することが重要です。

関連記事:セキュリティエンジニアになるための効果的な勉強方法

大学院や専門学校、スクールに通う

社会人がセキュリティを学べる大学院や専門学校、スクールでは、体系化されたコンテンツを使って専門家が教えてくれるため、効率的に知識とスキルを身につけることができます。以下は社会人でも比較的通いやすい講座を提供している学校です。

情報セキュリティ大学院大学

情報セキュリティ大学院大学は、社会人も通えるよう平日夜間や土曜日も開講する学部を置かない大学院のみの大学です。「数理科学コース」「サイバーセキュリティとガバナンスコース」「システムデザインコース」「セキュリティ/リスクマネジメントコース」の4つのコースがあります。

日本電子専門学校

日本電子専門学校は、夜間のコースを持つ専門学校です。「ネットワークセキュリティ科(夜間部)」を提供しており、2年かけてネットワークセキュリティを学ぶことができます。

セキュ塾

セキュ塾は、2日〜78日で学べる比較的短期間のセキュリティに関するコースを提供するセキュリティスクールです。マルウェアに特化した講座やネットワークセキュリティに特化した講座など、講座が細分化されていますので必要な知識のみ習得することができます。

レバテックカレッジ

レバテックカレッジは、レバテックキャリアの姉妹サービスで、現役大学生/大学院生を対象としたプログラミングスクールです。未経験の方も、企業の新卒採用で評価される実践的なスキルを3ヵ月間で身につけることができ、 修了後はエンジニア新卒市場の知識が豊富なキャリアのプロが内定獲得までサポートします。

書籍で学習する

セキュリティに関する書籍も数多く出版されています。基礎知識を解説した書籍もありますので、セキュリティエンジニアに興味がある方はまずはこのような書籍を読んでみると良いでしょう。

『情報セキュリティ読本 六訂版: IT時代の危機管理入門』(情報処理推進機構)
情報セキュリティを基本から学べるコンパクトなテキスト。最新の事象や動向も掲載されており、文章ではわかりにくい内容については図解も用いて解説されています。

『【イラスト図解満載】情報セキュリティの基礎知識』(中村 行宏 その他)
情報セキュリティを理解するために知っておくべき技術や、さまざまなサイバー攻撃の仕組みなどが解説されています。

『ホワイトハッカー入門』(阿部 ひろき)
企業のWEBサイトやネットワークサービス、アプリサービスなどを、悪意のあるハッカー・クラッカーの攻撃から守る職業であるITセキュリティのスペシャリストは「ホワイトハッカー」と呼ばれることもあります。そのホワイトハッカーになるために必要なノウハウの習得から、具体的な防御実例などが解説されています。

セキュリティエンジニアの求人例をチェック

レバテックキャリアが保有するセキュリティエンジニア求人データをもとに、セキュリティエンジニアの具体的な求人例をご紹介します。

セキュリティエンジニアの求人・転職情報

経験者向けの求人例

【業界】
◆IT・通信
◆サービス

【業務内容】
■自社プロダクトへのセキュリティ対策の実施及びセキュリティガバナンスの策定

<具体的な業務内容>
自社プロダクトへの対策
・ソースレビュー
・Policy as Codeの実装
・情報事故が起こらないためのルール作成
・各種テストの実施

ガバナンス策定
・ガイドラインの策定
・各種ログ分析
・内部監査

【求められるスキル・経験】
・開発またはインフラの実務経験3年以上
・官公庁などのドキュメント読み解きができる日本語スキル
・文章作成スキル

【想定年収】
400~800万円

【勤務地】
大阪府

未経験可の求人例

未経験可としているセキュリティエンジニアの求人例を紹介します。セキュリティエンジニアとしての経験はなくとも、他のエンジニア経験やスキルが求められていることには注意しておきましょう。

セキュリティ製品の提案・導入、脆弱性診断など

【業界】
◆IT・通信
◆電気・電子・機械・半導体

【業務内容】
■エンドユーザー向けセキュリティ製品(LanScopeCat、TripwireEnterpriseなど)のプリセールス、製品導入、運用支援
・プリセールス:製品提案、企画、要件定義
・製品導入:基本設計、詳細設計、構築
・運用支援:エンドユーザー向けマニュアル作成、運用セミナー講師

■大手SI企業様内セキュリティチームでのプリセールス、製品導入
・プリセールス:製品提案、要件定義
・製品導入:基本設計、詳細設計、構築
など

【求められるスキル・経験】
<経験>
・セキュリティ分野での業務経験1年以上
・もしくはインフラエンジニアとして設計/構築経験を半年以上

<マインド>
・スキルアップに意欲的な方
・主体性を持って前向きに取り組める方

【想定年収】
400~700万円

【勤務地】
東京都内, 神奈川県内

情報セキュリティの企画から運用管理

【業界】
◆サービス
◆人材・教育

【業務内容】
・情報セキュリティの対策状況調査
・脅威分析と対応策の検討
・対応策の実行及びモニタリング
・情報セキュリティインシデント対応

【求められるスキル・経験】
<経験/下記いずれかの経験>
・インフラまたはネットワークエンジニアとして、ネットワークに関する構築、運用の経験
・セキュリティ対策の経験

<マインド>
・円滑にコミュニケーションが取れる方

【想定年収】
450~650万円

【勤務地】
東京都

インターネット取引システム向けセキュリティサービスの企画から運用保守

【業界】
◆IT・通信
◆サービス

【業務内容】
自社の持つインターネット取引システム向けセキュリティサービスの企画、プリセールス、見積、設計、構築、リリース、運用・保守を担当いただきます。

【求められるスキル・経験】
<経験・知識>
・ネットワーク構築の実務経験1年以上

<マインド>
・セキュリティ領域でキャリアを形成したい
・顧客の課題解決に妥協なく動ける
・テクノロジーに興味関心を持ち、トレンドを追いかけられる

【想定年収】
500~800万円

【勤務地】
東京都

他職種からセキュリティエンジニアへの転職に役立つ志望動機の例文

セキュリティエンジニアになるには、インフラエンジニアやネットワークエンジニアなどの職種を経験してから、目指すのが一般的です。ここでは、セキュリティエンジニアへの志望動機についてご紹介します。

インフラエンジニアからの志望動機

インフラエンジニアとして4年間、顧客先やデータセンターで設計や構築、保守に携わって参りました。貴社はセキュリティサービス専業の企業であり、これまでのインフラエンジニアの経験を生かしつつ、より高いスキルが求められる職場で挑戦していきたいと考え、志望いたしました。セキュリティエンジニアとして、顧客に対してより高い満足度を提供できるよう、日々努力していきたいと存じます。

ネットワークエンジニアからの志望動機

現在の職場ではネットワークエンジニアとして5年間勤務してきました。エンジニアとしての業務を遂行していく中で、セキュリティの重要性をありありと実感し、自身もセキュリティに特化したエンジニアとしてキャリアを築いていきたいと考えるようになりました。

貴社の採用サイトにて、ネットワークエンジニアからセキュリティエンジニアへとキャリアチェンジした先輩社員のインタビューを拝見し、貴社でなら私の経験もセキュリティエンジニアとして活かすことができると考え志望に至りました。将来的には貴社のサービスのセキュリティの中核を担う人材として活躍できるよう励んでいく所存です。

セキュリティエンジニアのキャリアパス

セキュリティエンジニアになるルートとしては、アプリやインフラといった周辺領域においてさまざまな開発に携わってきたエンジニアから転職するケースが一般的なようです。

セキュリティエンジニアになった後のキャリアパスは所属する企業によって変化しますが、プロジェクトマネージャーといったプロジェクト全体を管理する役職者に進むケースや、ログの解析・分析といった技術を磨き、セキュリティアナリストを目指す道もあります。

関連記事:セキュリティエンジニアのキャリアパス - 同分野・異分野に分けて解説

セキュリティエンジニアの将来性について

セキュリティエンジニアの仕事があるのは、サイバー攻撃への対策という意味合いが大きいです。あらゆるものがネットワークにつながるようになった昨今、サイバー攻撃は高度化かつ巧妙化されています。

サイバー攻撃が及ぼす社会や産業への負の影響度合いも高まっており、最新情報をキャッチアップし社内に対策を施すことができるセキュリティ人材へのニーズが高い状況です。

セキュリティエンジニアの仕事がなくなる可能性は極めて低い

サイバー攻撃とセキュリティ対策の関係は、対策を講じても別の手口から攻撃されて…というイタチごっこが続いている状態です。あらゆる産業でICT化がさらに進む現代社会において、サイバー攻撃から組織を守るためのエンジニアへの需要がなくなるということは現時点において考えにくく、セキュリティエンジニアの仕事がなくなる可能性も極めて低いといって良いでしょう。

関連記事:
セキュリティエンジニアの将来性は?やめとけと言われる理由
【2023年最新】セキュリティエンジニアの年収や将来性をチェック

セキュリティエンジニアに向いている人の傾向

セキュリティエンジニアの適正として向いている人の特徴についてご紹介します。

責任感が強い

新しい価値を生み出すという目的とは少し異なり、セキュリティエンジニアは「自社を守る」「顧客やユーザーを守る」ことが職務となる業種です。そのため一度事故が発生してしまうと会社や社会にも大きな影響を及ぼしかねないプレッシャーを受け止め、責任感を持って日々の仕事に取り組むことができる人が向いているでしょう。

プレッシャーもやりがいに変えていける

セキュリティエンジニアは、企業のシステムを守る必要があります。そのため、業務にはプレッシャーやストレスがつきものです。そういった状況でもやりがいを感じ、前向きに取り組める人が向いています。

最新情報の取得・スキルアップに励める

セキュリティエンジニアは、常に最新の情報を追いかける必要があります。技術が進歩するスピードが速く、新しい脅威や攻撃手法が次々と出現するのです。そのため、情報収集やスキルアップに熱心で、自己学習に積極的に取り組める人が向いています。

細かい部分にも気を配れる

セキュリティエンジニアは、システムの細かい部分にも目配りが必要です。脆弱性が潜んでいる箇所を見つけたり、不正アクセスの痕跡を発見したりするために、細かいログを分析する必要があります。そのため、細かい部分にも気を配り、根気強く作業に取り組める人が向いているでしょう。

セキュリティエンジニアのやりがい

セキュリティエンジニアのやりがいとしてよくあげられる内容を紹介します。これらを仕事の励みにできる人はセキュリティエンジニアになりやすいでしょう。

企業をリスクから守れる

自身のスキルと知識によって、企業や組織をIT犯罪や情報漏洩などのリスクから守ることができる点は、セキュリティエンジニアのやりがいとしてよくあげられます。組織への貢献度の高さは一つのポイントとなります。

「人の役に立てた」という実感を得やすい

セキュリティエンジニアの仕事では、セキュリティに関する事故事例やニュースをチェックすることも含まれます。これらの事例をみて、自分の属する組織のセキュリティ事故の起こっていない状況から「人の役に立てた」という実感を得ることができることもやりがいとなります。安全を守る仕事は実感する機会が少ないのが普通ですが、大きな被害が周囲で見られることで意識する機会は比較的多いでしょう。

業務のなかで専門知識を身につけ市場価値をより高められる

IT人材のなかでもセキュリティスキルを持った人材は特に不足しているとされています。セキュリティエンジニアは、DXを推進する企業にとって重要性の高いスキルを身につけられる仕事です。自身の市場価値を高められることをやりがいとする人もいるでしょう。

セキュリティエンジニアに関するよくある質問

セキュリティエンジニアに関するよくある質問とその回答をご紹介します。今後似たような疑問を感じた際に思い出してご活用ください。

Q1. セキュリティエンジニアへの志望動機で多いのはどのような理由?

セキュリティエンジニアへの志望動機で多いのは、社会貢献に対する意識です。現代においてセキュリティはますます重要性を増しています。企業や社会の安全に貢献することがセキュリティエンジニアの魅力です。

また、サイバー攻撃の被害に遭った実体験から、セキュリティエンジニアを志す人もいます。このように、責任感が強く、社会貢献に対する意識が高い人はセキュリティエンジニアに向いていると言えます。

Q2. セキュリティエンジニアになるメリットは何ですか?

セキュリティエンジニアになる最大のメリットは、高度なスキルを駆使して企業やユーザーをIT犯罪から守れることです。自らが見つけたシステムの脆弱性を修正することで、「情報漏洩やシステムの乗っ取りなどの被害を未然に防げた」という成果を実感できます。

また、セキュリティ分野で幅広い業務知識や高度な専門スキルを身につけることができ、自己成長の機会が豊富なのもメリットの一つです。

Q3. セキュリティエンジニアの1日のスケジュール例を教えてください

以下は、セキュリティエンジニアの1日のスケジュール例です。

8:30 出社。メール、チャット確認
9:00 情報収集。脆弱性情報確認、セキュリティニュースのチェック
9:30 早期警戒監視。システムのログ分析や異常検知
10:30 案件タスク実施。新技術調査、セキュリティポリシーの策定、脆弱性スキャンの実施等
12:30 昼食
13:30 社内ミーティング。他部署との打ち合わせや進捗報告
14:30 往訪。セキュリティ対策の提案や顧客訪問等
16:00 案件タスク実施。報告書作成やシステムの設定変更等
18:30 退社

詳細は業務内容や企業によって異なるため、このスケジュールはあくまでも一例になります。

まとめ

未経験からセキュリティエンジニアに転職するためには、まずはインフラエンジニアやネットワークエンジニアの経験を積むのが一般的です。セキュリティがメインではない職種でセキュリティの知識を身につけ、最終的にセキュリティのプロフェッショナルを目指します。

資格取得についても、セキュリティに特化した資格と、セキュリティを含む資格の両方を取得するのがおすすめです。セキュリティエンジニアは責任が伴う大変さがありますが、今後セキュリティの重要性は増していく可能性が高いので需要もより一層伸びるでしょう。

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この記事の監修

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