未経験でSEに転職するには?年代別の転職ポイントや年収などを解説

最終更新日:2024年6月14日

DX推進やニューノーマル対応、ビジネスモデルの変革が多くの企業で課題となっています。このIT技術の活用において、ITソフトウェア業界に限らずさまざまな企業でIT人材への需要は増加傾向にあり、IT人材は慢性的に不足しています。SEは売り手市場であり、比較的年収も高い職種です。

それではITエンジニア未経験からSEになるにあたり、どのように目指せば良いのでしょうか?SEは技術専門職であるため、未経験での転職にはいくつかの条件があります。この記事では、SEへの転職を検討しているエンジニア未経験の方に向けて、SEの業務内容や未経験から目指す際の条件、未経験でも応募可能な求人例などについて解説します。

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この記事のまとめ

  • SEへの転職は未経験でも可能だが、ポイントをおさえる必要がある
  • 未経験からSEへ転職する場合のポイントは年代によって異なるため自身の年齢に応じた内容をおさえる
  • 今後もIT人材不足が予想されているため、基本的にSEは売り手市場

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未経験からSEに転職できる理由

ITエンジニア未経験からSEへの転職は可能です。IT人材の不足を背景に未経験可の募集が増えています。日本国内のIT人材不足は深刻な状況です。IT人材不足の背景には、労働人口の減少があります。さらに、専門的な技術を必要とする職種のため、教育に時間がかかることも理由の一つとなっています。

この人材不足を裏付けるデータとして、経済産業省平成 30 年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(IT 人材等育成支援のための調査分析事業)- IT 人材需給に関する調査 -調査報告書があります。この資料のP.20によると2030年までに最大で79万人のIT人材不足が発生すると予測されています。

人材不足を背景に未経験OKの募集が増えている

独立行政法人情報処理推進機構DX白書2023のP.158を参照すると、 DXを推進する人材の「量」の確保においては「大幅に不足」、「やや不足」と回答した企業は83.5%でした。同様にDXを推進する人材の「質」の確保では「大幅に不足」、「やや不足」の回答は86.1%に登っています。アメリカでの調査結果が22.6%、45.1%だったのと比較しても、国内のIT人材の不足が表れたデータとなっています。

このIT人材不足を補うべく、未経験でも採用するいわゆるポテンシャル採用の募集が増加傾向にあります。入社後の研修やフォロー制度などでスキル面の充実を図る手立てを用意して人材不足解消を図る企業も多いようです。

基本的には20代前半の第二新卒者(卒業後3年程度まで)が有利ですが、それ以降の年齢であっても転職は可能です。

関連記事:SEの将来性と市場需要|経済産業省のデータをもとに考察

業務知識があれば未経験でもSEになれることがある

開発経験がなくても、業務知識があれば未経験でもSEになれることがあります。業務知識があると、クライアントとのコミュニケーションを円滑に進められるからです。さらに、クライアントにとって役立つ機能開発の提案にも繋がります。

業務知識を活用した工程では、ほかのSEやプログラマーとのやり取りが発生します。そのため、最低限の開発知識は身につけておかなければなりません。

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そもそもSE(システムエンジニア)とは

システムエンジニアとは、情報技術(IT)システムの設計、開発、運用・保守などを担当する技術者です。プログラマーと同じ職種と見られやすいですが、プログラマーよりも上位職にあたります。ソフトウェアの原則や成功例、技術力などを用いて顧客のITシステム開発を支援します。ここからはより詳しい仕事内容や平均年収などを紹介します。

SEの仕事内容

SEの仕事は、一言でまとめると「顧客からの要望をITシステムとして具体化する」ことです。SEの具体的な仕事内容は、要件定義や基本設計、詳細設計などの上流工程が中心になります。また、開発したシステムが正常に動作するか、テストを実施することもあります。本章では、これらのSEの仕事内容について詳しく解説します。

関連記事:SE(システムエンジニア)とは?仕事内容・年収・役立つ資格などをわかりやすく解説

要件定義

要件定義とは、顧客の要望をヒアリングした上で、システムの概要を定義する作業です。

システムが必要とされる目的や背景、実装すべき機能、システム化する業務範囲などを明確にし、要件定義書にまとめていきます。顧客の業務内容への理解や、曖昧な要望を整理していく能力が必要です。後の工程に大きな影響をあたえるため、非常に重要なフェーズになります。

技術的な設計は基本設計および詳細設計で詳細に行うため、要件定義書には顧客の要件を中心に記載します。とはいえ、後になって関係者間における認識のズレやシステムの欠陥が生じないように、この段階でシステム全体像を確立しなくてはなりません。要件定義は確かな技術力を持ったSEでなければ担当できない業務といえるでしょう。

基本設計

基本設計では、要件定義の内容に従って各機能の基本的な動作、画面設計や入出力、データベース設計、外部システムとの連携などを決定していきます。実際の業務に即した、使いやすいシステムをデザインする過程と考えて良いでしょう。

詳細設計

基本設計の内容をもとに、各機能の内部的な処理を決定する工程です。プログラマーは詳細設計書をもとにコーディングを行うため、プログラムに落とし込みやすい設計書を作る必要があります。プログラミングを含めたシステム構造についての知見と素養が求められるフェーズといえます

テスト

開発したシステムが正常に動作するか、テストを実施します。テストにはブラックボックステストやホワイトボックステストなどの手法があります。

ブラックボックステストとはプログラムの中身を見ないで、何らかのデータを与えたときに結果が正しいかを確認するテストのことです。一方、ホワイトボックステストとは、プログラムのアルゴリズムを確認して、条件分岐の条件などの正しさを確認するテストのことです。

テストは重要ですが、技術力はそれほど求められないため、未経験からSEとして入社した場合、最初に担当する業務として割り当てられることも多いでしょう。

SEの平均年収

厚生労働省の運営しているWebサイトjobtagによると、システムエンジニアの平均年収は約550万円です。しかし、システムエンジニアの年収はスキルと経験によって大きく異なるため、未経験で転職してすぐにこの年収を狙えるわけではありません。

需要の高いスキルや経験を積んでいくと年収も上がっていくので、自己研鑽が必要不可欠な職種といえます。

SEの需要と将来性

SEは将来性のある職種です。理由は2点挙げられます。

  • ・IT人材は人手不足

    ・今後もIT人材の需要は伸びていくため、より人手不足になると予想されている

特に、2点目の理由より将来性が高いといえるでしょう。今後、より多くの企業でDXやAI導入などの動きが活発になると予想されています。DXやAI導入は業界を選ばず高い需要となるため、SEの将来性は高いといえるでしょう。

関連記事:SE(システムエンジニア)におすすめの転職先を業界・職種別に解説

SEを求める企業・業界

SEの求人は、ITコンサルタントやSIerを中心に製造業や流通業、金融業など多くの業界で増えています。これらの業界では、社内のシステム運用や改善にSEが必要です。

今後、SEの需要はさらに高まる見込みです。そのため、未経験からでもSEへの転職がしやすくなっています。

関連記事:SEに就職するには|企業の種類や、未経験から目指す方法とは

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【年代別】SEの就職・転職ポイント

就職・転職のポイントは年代ごとに異なります。なぜなら、年代が上がれば上がるほど技術力や経験が問われるからです。ここからは、年代別の就職・転職ポイントを20代前半(第二新卒まで)、20代後半(第二新卒以降)、30代以降にわけて紹介します。それぞれの年代別の就職・転職ポイントを確認していきましょう。

20代前半(第二新卒まで)

20代前半のいわゆる第二新卒に該当する方は、未経験でもSEに転職しやすい傾向にあります。なぜなら、伸び代が期待できるため、ポテンシャル採用の可能性があるからです。

そのため、学習意欲や自己研鑽に臨む姿勢、主体性をアピールし自身のポテンシャルを示せることで転職が上手くいくでしょう。

20代後半(第二新卒以降)

20代後半の第二新卒と呼ばれる年代を過ぎると、前職で身につけたスキルや独学・プログラミングスクールで身につけたスキルを問われることが多くなります。第二新卒の転職と比べてポテンシャルよりもスキルや経験を重視されるでしょう。そのため、SEとは関係なくても実績や自身のスキルを示せると転職成功に繋がります。

また、独学やプログラミングスクールで最低限の基礎を身につけると良いでしょう。

30代以降

30代以降は、明確なスキルがないと採用されにくくなります。未経験の場合はプログラミングスクールなどを活用して最低限のポートフォリオを作成し、自身のスキルを示さなければ難しいでしょう。IT業界はほかの業界と比べて技術力やビジネススキルが求められます。転職を成功させるためにポートフォリオでの技術力や社会人経験で培ったビジネススキルを示せると良いでしょう。

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未経験からSEに就職・転職するには?

未経験からSEに就職・転職するには、SEに必要な知識やスキルを習得する必要があります。具体的なスキル習得方法としては、独学で勉強して開発スキルを身につけることや書籍、学習サイト、スクールの活用があります。また、実際に手を動かして開発し、ポートフォリオを作成すると良いでしょう。本章では、未経験からSEに就職・転職するためのスキル習得方法について解説します。

独学で開発スキルを身につける

システム、アプリケーションの開発スキルは、ある程度独学で身につけられます。システム開発で使われているプログラミング言語の中には、無料で開発環境を整えられるものも多く、GitHubのようなソースコード管理サイトでは、多くのベテラン開発者がプログラミングしたソースコードを閲覧できます。

独学で開発スキルを身につければ、SEとしての就職後にも役立つので、学習能力は採用時にも高く評価されるでしょう。

関連記事:独学による勉強でSE(システムエンジニア)を目指す方法

初心者向けのプログラミング言語

初心者が学びやすいプログラミング言語の例を紹介します。

・HTML、CSS、JavaScript
Web画面の表示に利用される言語で、広く普及しています。動作環境の準備も簡単で、パソコンがあればすぐに学習に取り組める点も魅力です。実行結果が画面の表示となるため、一目で分かるところも初心者の学習に向いています。非常にポピュラーでインターネット上で学習情報を集めやすい言語です。

・PHP
Webアプリケーション開発でよく利用されるプログラミング言語です。記述が分かりやすく学習ハードルは低めです。求人・転職情報も多数存在するため、身につければ転職活動にも役立てやすい言語といえます。

・Ruby
Rubyは日本で生まれたプログラミング言語です。日本語のマニュアルや文献が充実しているため初心者でも学びやすい特徴を持ちます。

汎用性の高いプログラミング言語

汎用性が高い言語を習得していると、応募できる求人の幅が広がります。

・Java
JavaはOracle社の提供する汎用的なプログラミング言語です。マルチプラットフォームで稼働し、大規模開発にも適した構造をしています。業務系アプリケーションのサーバーサイドやスマホアプリ開発など多く領域で使われており、レバテックキャリアの求人・転職情報でも2023年5月時点で6,590件と言語別で最も多くの公開情報が掲載されています。

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・C言語
C言語は長い歴史を持つプログラミング言語です。高速な動作とハードウェア寄りの処理が可能なことから、今日でも利用が続いています。C言語を手本として開発されたプログラミング言語も多く、C#やC++といったC言語の拡張版といわれる言語の習得がしやすいメリットもあります。

・Python
PythonはAIやデータサイエンス、Webアプリケーション開発などで利用が進むプログラミング言語です。特にAIおよびデータ分析に向けたライブラリが充実しており、将来性の高さも注目の集まる理由です。

書籍を活用する

書店にはシステム開発やSEに関する書籍が多数販売されています。各種の書籍によって知識を身につけるのもおすすめの学習方法の一つです。

書籍による学習では体系的に技術情報を学ぶことができるメリットがあります。書店には上級者向けの書籍も多いですが、まずは自分にとって理解しやすそうな初心者向けの本から読み始めれば良いでしょう。

学習サイトを活用する

インターネット上にはプログラミングやシステム開発を学べる学習サイトが存在しています。プログラムを実際に書いて添削してくれるサービスや、動画でプログラミングを学べるサイトなどさまざまです。無料で一定レベルまで学習できるサイトもあるので、積極的に活用しましょう。

実際に手を動かして開発をしてみる

未経験者が最も技術を身につけられるのが、実際に手を動かして開発することです。書籍や学習サイトで学んだ内容を実際にプログラミングし動かすことで理解が深まります。サンプルレベルからスタートし、最終的にオリジナルのプログラムまで開発すると、一定の上達を見せています。

自分で手を動かして開発したプログラムは、就職活動時の実績としても活用できます。オリジナルのプログラムの開発には非常に時間がかかりますが、ぜひチャレンジすることをおすすめします。

スクールに通って基本スキルを身につける

プログラミングスクールを中心にエンジニアになろうとする人を対象としたスクールは多く存在します。プログラミングに関する教材は書籍やWebサービスなどがあり、独学でも取り組むことはできますが、分からない部分などつまづいてしまうと相談することができず、挫折に繋がりやすいです。

そのため、プログラミングスクールを活用することで質問に答えてもらえ、挫折することなくプログラミングを身につけやすくなります。ただし、高額な費用がかかるところが多いため、経済状況に合わせて検討ください。

また、最近ではインフラに関するスクールを提供する企業もあり、事前に知識を入れてから就職活動に進むこともできます。

ポートフォリオを作成する

ポートフォリオとは、自身の技術力や経験をアピールするための作品集や資料です。フロントエンドエンジニアを目指すならWebサイトやWebアプリケーション、サーバーサイドエンジニアを目指すならPythonやJavaなどのプログラムを作成し、企業へ提出できるようにしましょう。

未経験の方は「スキルを身につけた」と伝えてもなかなか信用してもらえません。そのため、ポートフォリオで実際の作品を提示することでスキルを証明しましょう。

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未経験からSEへ転職成功するための3つのポイント

未経験からSEへ転職する場合、ポイントをおさえて行うと成功率が上がります。たとえば、未経験可で研修が充実しているところであるかは確認しておきます。また、面接ではSEへの興味・関心が強いこと、成長意欲があること、業務に必要なスキルを備えていることを伝えることが大切です。それぞれの具体的なポイントを解説します。

研修が充実している未経験OKの求人を探す

未経験からSEに転職して挫折しないためにも、社内研修は非常に重要です。そのため、研修が充実している求人を探すと良いでしょう。また、未経験可で研修が充実している求人はあったとしても、全体のSEの求人数を考えれば少なめです。ほかの候補者との競争が激しくなりがちなので、こまめに情報をチェックしすぐに応募できる体制を整えておきましょう。

志望動機で「興味」「関心」「意欲」をアピール

未経験OKの求人に応募する際には、志望動機では「興味」「関心」「意欲」をアピールしましょう。ほかの未経験の応募者との差異を示し、SEとして今後活躍できるポテンシャルを伝えることに繋がります。

なぜSEなのか、どうして応募先に興味を持ったのか、SEとして何をしたいかを事前に調べておくことで意欲的な取り組みが伝わります。

面接でプログラミングスキルとヒューマンスキルを自己PR

転職時の面接においては、プログラミングスキルとヒューマンスキルの両方を自己PRできるようにしましょう。

プログラミングスキルについては、未経験からの転職に向けてどれだけ備えて力をつけられたかを伝えます。IT企業の面接担当にはプログラミングスキルを身につけている人もいます。そのため、どれだけスキルを身につけられたかは面接の中で概ね伝わります。プログラミングスキルを習得するためにどのような実績、プログラムを作ったのかをPRできるようスキル習得に励みましょう。

ヒューマンスキルの面では、これまでにしてきた仕事のスキルをどのようにSEで活かすのかをアピールしましょう。特にSEにはコミュニケーションに関するスキルが必要です。チームを率いて実績を出した経験などは積極的にアピールに活用してください。

関連記事:SE(システムエンジニア)の職務経歴書テンプレート|職種別の書き方のポイントも紹介

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未経験からSEになるために必要なスキル・知識

未経験からSEになるために必要な基本スキル・知識はプログラミングスキルや論理的思考力だけでなく多岐にわたります。転職を有利に進めるためにも、SEになるために必要なスキルや知識を把握することは重要です。本章では、未経験者がSEになるために身につけるべきスキルと知識を紹介します。さらに、上流工程と下流工程の目標に応じて変わる必要なスキルについても解説します。

関連記事:SEに必要な7つのスキル|関連職種からスキルアップの方法まで紹介

SE全般に求められる基本スキル

SEになるためには、SEの仕事に必要な基本的な知識やスキルが必要です。最初に、システム開発にはプログラミングの基礎知識が求められます。加えて、課題解決能力や論理的思考力、学習能力も必要とされます。さらに、クライアントの要件を汲み取り形にする力も欠かせません。本項では、SE全般に求められる基本スキルを解説します。

プログラミングや情報処理の基礎知識

未経験からSEを目指す場合でも、入社前にある程度のプログラミングや情報処理の基礎知識は必要です。
たとえば、どのプログラミング言語がどのシステムやアプリケーションで使われているかの知識や、WordやExcelの情報処理に必要なソフトウェアの操作スキルなどは身につけておきましょう

これらを身につけることで、SEとしての土台になるだけでなく、技術取得に意欲のある人材であると就職活動時に評価される可能性があります。

課題解決能力

SEに求められる課題解決能力とは、顧客からのヒアリングより課題を抽出し、解決する方法を見つけ出す能力です。課題の中には、顧客すらも気付いていない要因が含まれている場合があります。このように顕在化していない課題を見つけだし、解決する能力があると、能力の高いSEとして重宝されるでしょう。

また、システム開発プロジェクトではさまざまな問題が発生します。技術的な要因や組織の関係性によるもの、ユーザーによる想定外のオペレーションなどを一つずつ解決しながらプロジェクトを推進する能力が求められます。

論理的思考力

SEは課題解決を行う必要があり、またコンピューターを相手に仕事をします。課題解決には問題の切り出しや解決策の提案を整理しながら行う思考法が大切です。またコンピューターにニュアンスなどは通じないため、すべて正確に命令を出さなければエラーにつながります。このようなSEの仕事の性質上、論理的思考力が重要です。

学習能力

IT業界は毎日のように新しい技術やサービスが登場する業界です。そのため日々新しいことを学習し続けられる能力が欠かせません。技術的なトレンド情報を日々収集しつつ、自分の仕事に活かせるものを探して身につけることで、仕事の幅を広げられます。

クライアントの要件を汲み取り形にする力

SEには問題解決やコンピューターへの命令につながる論理的思考力が重要ですが、対人業務もあります。クライアントからのヒアリング、提案、プロジェクトメンバーとの連携などです。

そのため、相手の話から要望を汲み取る力、正確に相手に伝える力、資料を分かりやすく作成する力などが必要です。会話のような形でコミュニケーションを取ることもあれば、コードレビューや要件のプレゼンテーションなど発表に近い形でコミュニケーションを取ることもあります。

上流工程を行うSEを目指す場合

上流工程のSEを目指す場合は、優れたシステム開発スキルが求められます。また、クライアントとの要件定義やプロジェクトの管理を担うため、マネジメントスキルやコミュニケーションスキルも必須です。マネジメントとコミュニケーションスキルが優れていると、未経験からでも活躍が期待できます。

関連記事:SEのキャリアパスとは?キャリアパスの具体例を詳しく解説

下流工程を行うSEを目指す場合

下流工程のSEを目指す場合、まずプログラマーとして開発スキルを身につけ、徐々にスキルアップしていきます。重要なスキルは、プログラミングスキルやシステム開発経験などです。さらに、チームをまとめるマネジメント能力、英語のマニュアルや海外のステークホルダーとのコミュニケーションに役立つ英語力、そして文書作成の基本技術が役に立つ案件もあります。

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SEに向いている人・向いていない人の特徴

SEは、職業適性として向いている人・向いていない人の特徴がハッキリしています。適性がある場合には楽しみながら業務に従事できますが、向いていない要素を持っていると当然ながら苦痛を感じやすいでしょう。早期退職につながるおそれもあります。現在、適性がなくてもこれから対応できるようにしていければ問題ありませんが、本当に可能かどうかシミュレーションしたうえで検討したほうが良いでしょう。

SEに向いている人の特徴

SEに向いている人の特徴は、好奇心旺盛で最新技術を追う姿勢があることや理解力が高いことなどが挙げられます。これらの要素を備えている人が向いている理由としては、トレンド技術などは常に変わるため、主体的に学ぶ姿勢がないと務まらないからです。未経験でもこれらの特徴に当てはまる方はSEへの転職を前向きに検討してみましょう。

最新技術を追うことが苦にならない

最新技術を追うことが苦にならない人は、SEの仕事に向いています。IT業界は常に進化し、新しい技術や情報が次々と登場します。PCやスマートフォン、多様なソフトウェアの急速な普及を目の当たりにしている方も多いでしょう。AIのように、急速に発展する技術が今後も生まれる可能性は十分にありえます。SEとして成功するには、常に最新の技術を学び、変化を受け入れる姿勢が大切です。

好奇心旺盛

SEとして活躍するには、未知の問題に興味を持ち、解決へと導く好奇心旺盛な姿勢が大切です。クライアントからの質問に対し、理解していないと納得のいく回答を返すことは難しくなります。さらにSEは、システムの不具合を見つけて修正する役割も担います。そのため、問題の原因を探り、解決するための好奇心と忍耐力が求められます。

理解力が高い

SEの仕事は、クライアントの要望を聞き取り、それに基づいた設計書を作成し、クライアントが求めるシステムを開発することです。設計書やプログラムの作成では、既存システムとの連携や使用するプログラミング言語のメリット・デメリットを理解することが重要になります。そのため、理解力が高い方はSEに向いているでしょう。

SEに向いていない人の特徴

一方SEに向いていない人の特徴は以下の3つです。

  • ・論理的な思考が苦手で、システムの流れがイメージできない

    ・ITに苦手意識を持っており、積極的になれない

    ・チームで行動するのが苦手

チームで行動するのが苦手な人はSEに向いていません。なぜなら、システムの規模を問わず一人でできるプロジェクトは少ないため、基本的にグループで開発するからです。これらの特徴に当てはまる方は、SEに転職して辛い思いをしないか一度考え直しましょう。

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未経験でも応募可能なSEの求人例

SEの未経験者でも応募可能な求人の多くは、システムの保守や運用などを担当する職種です。これらの仕事は開発をメインで行うSEよりも求められる技術力が低いため、未経験からSEを始める方のキャリアの一歩目に適しています。

未経験者は技術力が低い分、「コミュニケーション能力(適切な質疑応答、報告ができること)」や、「素直さ」が重視される傾向にあります。また、募集件数は少なくなりますが、開発系の募集もあります。

関連記事:システムエンジニア(SE)とは?仕事内容・年収・なり方などを解説

アプリケーションエンジニア

Webアプリケーションの開発に携わる求人の例を紹介します。

【業界】
IT・通信

【業務内容】
システムの設計/開発/テストなどの一連の工程
・Webのアプリケーション開発
まずは設計〜テスト工程から始めていただきます。
充実した研修、教育制度によりITエンジニアとしてのキャリアスタートをサポートします。

【求められるスキル・経験】
・社会人経験(1年以上)
・一般的なPC操作

【想定年収】
300万円

【勤務地】
東京都

サーバーサイドエンジニア

サーバサイド側の開発を行なう求人です。

【業界】
IT・通信
金融業界向けシステムの開発など

【業務内容】
金融、保険業界向けをメインとしたシステム開発
・充実した研修により活躍できるスキルを身につけてから現場配属
・将来的には上流工程から参画も可能

【求められるスキル・経験】
・ITエンジニアになりたいという強い意志

【想定年収】
300万円

【勤務地】
東京都

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SE未経験者の転職で役立つ資格

未経験でSEとして就職する際には、資格の取得が役立ちます。資格を取得する過程で、SEの業務に必要な知識を体系的に学習できる点も、資格取得のメリットです。未経験でSEへの就職に役立つ資格としては、基本情報技術者試験やITパスポート、情報セキュリティマネジメントなどがあります。本章では、未経験でSEとして就職する際に役立つ資格について解説します。

関連記事:SE(システムエンジニア)になるには?独学の方法や資格を解説

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験です。基本情報技術者試験は独立行政法人情報処理推進機構によって運営されており、経済産業省によって認定された国家資格です。SEにとっては登竜門的な国家資格となります。

試験範囲が広く、JavaやPythonなどのプログラミングの問題も出題されるため、未経験者にはやや難易度は高いです。その分、IT企業の中には基本情報技術者試験の合格者に資格手当や一時金を出しているところもあり、未経験からSEを目指している求職者が資格を持っていれば、スキルに加えて意欲の評価にもつながります。

ITパスポート

ITパスポートは、基本情報技術者試験よりも1つレベルが下の国家資格です。IT全般に関する基本的な知識が問われる出題が多く、試験もコンピュータを使った多肢選択式ですので、比較的取得は容易でしょう。ただし、システムエンジニアを目指す方は最低でも基本情報技術者認定試験に合格しておきたいです。いきなり基本情報技術者試験にチャレンジするのは難しい方は、まずITパスポートの取得から目指しましょう。

情報セキュリティマネジメント

情報セキュリティマネジメントは、難易度的には基本情報技術者試験と同程度の国家資格です。試験内容はセキュリティ管理者としてのスキルを問う内容となっています。クラウドやIoTのセキュリティが話題となる昨今なので、基本情報技術者に合格して、さらに知識を身につけたいという方には、おすすめの資格です。

そのほかSEの上位資格

SEに役立つ資格には、さまざまなレベルがあります。上級資格を取得するためには、専門的な知識が求められます。SEとしてスキルアップを考える際、プロジェクトマネージャ試験システムアーキテクト試験ITストラテジスト試験の試験が人気です。これらの試験は難易度が高く合格率が低いため、豊富な経験と充分な学習が必要になります。

関連記事:SEからプロジェクトマネージャーになるには|年収や業務内容を比較

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SEはきついからやめとけは本当?残業時間や働き方

SEの働き方は企業によって大きく異なるため、SEの仕事を一括りで説明するのは難しいです。しかし、激務になりがちな職種であることは確かです。そのため、一部の声では「SEの仕事は、きついからやめとけ」といわれることもあります。本章では、SEはきついからやめとけは本当なのか、残業時間や働き方について解説します。

関連記事:システムエンジニア(SE)のやりがい10選|大変なことも解説

SEがきついといわれる理由

SEがきついといわれる主な理由は4点です。

  • ・労働時間や残業時間が長くなりがち

    ・下請け企業だと給料や待遇が悪い

    ・職場によっては希望のスキルが身につかない

    ・技術の進化についていくのが大変

特に、労働時間や残業時間が長くなりがちな企業が多いため、きついといわれています。また、大規模なプロジェクトは多重請負構造となっているため、下流のSEの場合は待遇が悪くなりやすい傾向です。

実際の働き方は企業による

SEは企業によって働き方が大きく異なります。そのため、働きやすい環境を整えている企業も多いです。また、SEはリモートワークやフレックスなどに対応しやすい職種のため、企業によっては働きやすい職種といえるでしょう。

また、未経験から挑戦するのは難しいですが、年数を重ねてスキルを身につけるとフリーランスでも活躍しやすいです。スキルを身につけて上流のSE企業に就職することで働きやすい環境に身を置けるでしょう。

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未経験からSEへの転職に関するよくある質問

未経験からSEへ転職を目指すにあたって、SEへの転職に関する質問が多く寄せられます。よくある質問には、エンジニア未経験でも社内SEになれるか、SEとしての仕事が辛いと感じる瞬間があるかといったものが挙げられます。また、女性エンジニアの需要や新卒でSEを目指す際に必要なスキルについての質問も多いです。本章では、未経験からSEへの転職に関するよくある質問に回答していきます。

Q1. エンジニア未経験で社内SEに転職できますか?

一般的には社内SEに限定してしまうと未経験からの転職は難しいです。まずは開発、テストを行うSEに転職し、スキルを身につけてから社内SEを目指すと良いでしょう。社内SEへの転職はスキルを持った即戦力が求められるケースが多く、未経験の場合は条件が一致しない場合が多々あります。

Q2. 未経験からSEへ転職して辛い・きついと感じることはありますか?

SEの適性とされる論理的思考力がない、学習意欲がない場合は辛い・きついと感じやすいでしょう。また、下請けや職場環境が整っていない企業に就職した場合、残業が多かったり待遇面が悪かったりすることもあり、割に合わないと感じることもあるようです。

Q3. 女性エンジニアの需要も増えていますか?

総務省の「女性活躍の推進に関する政策評価」によると、女性エンジニアの労働者比率は約20%で、教育関係や金融業は約40%であることから、やや少ないといえるでしょう。しかし、ITエンジニア職は性差に関わらず働ける仕事であり、国が女性の活躍も推進していることから女性エンジニアの需要は増えていくでしょう。

Q4. 新卒でSEを目指すにはどのようなスキルがあると良いですか?

新卒でSEを目指す方は、基本的なプログラミングスキルに加えてデータベースの知識、アルゴリズムとデータ構造を理解していると有利です。加えて、チームでの協働やコミュニケーション能力、問題解決能力も求められます。独学やインターンシップで実践経験を積むと、さらに有利です。

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まとめ

本記事では、未経験からSEになることを検討している人に向けて、SEの業務内容、未経験からSEを目指す条件、未経験でも応募可能な求人例などについて解説しました。人手不足が続いているIT業界では、未経験者にも門戸が開かれています。

SEを目指す上で基礎的な素養やスキルは求められますが、スクールやオンライン学習サイト、資格制度など、技術や知識を習得するための環境は整っています。将来性もある職種なので、この機会にSEを目指してみてはいかがでしょうか。

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