「IT=システムエンジニア」ではない!自分の強みから知る「向いているエンジニアのタイプ」とは?IT業界のエンジニアとは?職種・仕事内容・適性などを解説

最終更新日:2020年10月27日

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IT業界のエンジニアは、年収・需要共に右肩上がりの傾向にあります。しかし、ITエンジニアは複数の職種に分かれており、職種ごとに仕事内容や担当領域、必要なスキルは大きく異なるのが特徴です。そのため、それぞれの特性を具体的に把握したうえで目指すべき職種を決めると良いでしょう。ここでは、IT業界におけるエンジニアの種類、仕事内容、必要なスキル、適性、未経験から転職するための方法などを紹介します。

1. IT業界におけるエンジニアの種類と概要

IT業界におけるエンジニアは、概ね次のように分類されます。
まずは、それぞれの職種の概要を見ていきましょう。

システムエンジニア

システムエンジニアは、顧客からの要望をITシステムとして実現する職種です。ただし、これから紹介する職種も広い意味では「システムエンジニア」であり、分野や担当領域によらず、「システムに関わる全てのエンジニア」を含む呼称とも言えます。一般的には、ITシステム開発において、要件定義・設計・実装・テストを担当する人材の総称と考えてください。

Webエンジニア

Webエンジニアは、主にWebシステムの設計・開発に携わる職種です。担当領域によって次のように分類されます。す。
 

  • ・マークアップエンジニア

主にWebページのデザインやレイアウトを実装・調整するエンジニアです。

 
  • ・フロントエンドエンジニア

Webサイトやアプリケーションにおいて、ユーザーの目に直接触れる部分(ログイン画面やアプリケーションのUIなど)を実装する職種です。
 

  • ・サーバーサイドエンジニア

Webサイトやアプリケーションにおいて、ユーザーの目に触れない部分(サーバー内の処理など)の実装を担当する職種です。

インフラエンジニア

インフラエンジニアは、大規模なITシステムの土台部分であるサーバー・ネットワークといったインフラ部分について、設計・構築・運用保守などを担当する職種です。主に、サーバーエンジニアとネットワークエンジニアに分類されます。
 

  • ・サーバーエンジニア

 

サーバー構築・運用保守を主業務とします。
 

  • ・ネットワークエンジニア

主にネットワーク設計・ルーティングなどを主業務とします。

データベースエンジニア

データベースの設計・構築や、運用保守を行うエンジニアの総称です。ビッグデータ活用の広まりにより市場価値が高まっている職種のひとつでもあります。

組み込みエンジニア

組み込みエンジニアは、産業用機器や家電・自動車・その他デジタルデバイスに対し、命令・処理機能をもったソフトウェアを実装する職種です。近年はIoTの一般化により「IoTエンジニア」という職種も台頭しています。
 

  • ・IoTエンジニア

組み込みエンジニアの中でも、IoT化を主業務とするエンジニアの総称です。組み込みエンジニアとほぼ同じ職種として扱われることもあります。ただし、最先端のセンシング技術や並列処理、無線通信機能の実装、シングルボードコンピュータ上を用いた開発など、従来の組み込みエンジニアとは異なるスキルを求められることが特徴です。

機械学習エンジニア

機械学習エンジニアは、機械学習アルゴリズムの実装・運用・環境構築などを担当する職種です。また、ときには統計学を活用し、ビジネス課題の解決に向けた提言を行うなど、「データサイエンティスト」に近い仕事を担うこともあります。

セールスエンジニア

セールスエンジニアは営業職(セールス)のと技術職(エンジニア)の特性を併せもつ職種です。業界によっては「プリセールス」と呼ぶこともあります。技術的なスキル・知識をベースとした営業職であり、顧客の課題に対して、技術的な側面から提案・支援などを行います。

2. エンジニアの仕事内容・必要なスキル・適性

次に、これまで紹介した職種の仕事内容・必要なスキル・適性などについて解説します。

システムエンジニア

仕事内容

システムエンジニアの仕事は、主に「要件定義」「基本設計」「実装(PGへの指示含む)」です。要件定義では、顧客の要求を明らかにし、それを満たすITシステムの概要・要件・実現方法などを明文化します。次の基本設計では、要件定義の内容をシステムの機能として落とし込み、画面仕様・処理内容などを設計します。実装・テストでは、プログラマーへの指示によって詳細設計、コーディングを主導しながら、機能単位での動作が問題ないことを確認していきます。

必要なスキル

システムエンジニアに求められるスキルとしては、「プログラミング言語の知識、コーディングスキル」「設計スキル」「コミュニケーションスキル」があります。必要な言語はプロジェクトや企業で異なるものの、1~2つの言語については精通していることが望ましいです。

適性

システムエンジニアに必要な適性としては、「情報を理解し、整理する力」「論理的、構造的な思考力」「学習能力」などが挙げられるでしょう。さらに、顧客要求から素早く課題を抽出し、解決方法につなげる「課題解決能力」も問われます。

マークアップエンジニア

仕事内容

更新のしやすさ、見栄え、ユーザーの視認性などを考慮しながら、HTMLタグやスタイルシートなどを配置します。また、主要なブラウザ間で挙動や見え方が変わらないように、複数のブラウザを用いてUIの調整を行うことになるでしょう。どちらかと言えば、テキストベースのページやコーポレートサイトなど「静的な部分」を担うことが多く、動的な部分はWebプログラマーやフロントエンドエンジニアの担当になることが多いです。

必要なスキル

HTML・CSSの知識やコーディングスキルが必要です。また、デザインスキルやUI設計に関する知見が求められます。さらに、動的なWebサイトに携わる場合は、JavaScriptやPHPなどのコーディングスキルが必要になるでしょう。

適性

マークアップエンジニアに適した性質としては「デザインセンスがある人材」や「ユーザー目線を常のもつことができること」などが挙げられます。

フロントエンドエンジニア

仕事内容

Webサイトやアプリケーション開発において「ユーザーが直接触れる、もしくは目にする部分」の開発を行います。スマートフォンアプリならば、端末にインストールされるアプリケーション本体を開発し、Webサービスならばブラウザに表示される動的な処理の部分を担当します。具体的には、「UIの設計、開発」「API連携処理の実装」などが主な仕事です。

必要なスキル

フロントエンドエンジニアには、「ユーザー体験(UX)を向上させるUI設計のスキル」やプログラミングスキルが必須です。UI設計では、見た目の美しさや視認性など、ユーザーの使用感を向上させるような考え方が必要です。また、WebサービスならばHTML・CSS・JavaScript・PHP、ネイティブアプリ開発(デバイスにインストールされるアプリの開発)ならば、JavaやObjective-C、Swiftなどの開発言語を扱えるようにしておきましょう。

適性

基本的な適性はマークアップエンジニアと似ています。ただし、プログラミング言語のスキルなど技術の比重が高いため、技術への興味関心が強い人材に適しています。

サーバーサイドエンジニア

仕事内容

主に、「サーバー内処理の実装」「APIの実装」「パフォーマンスチューニング」などを担当します。サーバー内処理の実装では、ログイン・検索・データ抽出・アウトプットといったサーバー内部で行われる処理を設計し、コーディングによって実装していきます。

また、API実装は、フロントエンドとの連携に必要な作業です。フロントエンド側とのデータ連携仕様(どのデータをどういった形式で、どのタイミングで渡すか)を決めるために、フロントエンドエンジニアと協議しながら作業を進めていきます。さらに、表示速度の遅さや動作の重さを改善するためのDB高速化チューニング、ファイアウォールの設置・設定・セキュリティパッチの適用、アカウントID・パスワード管理といったセキュリティ対策を担当することもあります。

必要なスキル

プログラミング言語・DB操作・サーバーOSの知識やスキルが必要です。プログラミング言語はJava、C、C++、Perl、PHP、Ruby、Pythonなどが有望でしょう。また、DB操作について汎用的なスキルを高めるために、SQLのスキルも習得しておきましょう。さらに、Windows ServerやLinux(派生ディストリビューション含む)の基本的な仕様や、バックアップ、アップデート、ログ取得などを効率化するためのシェルスクリプトのコーディングスキルなどもあると即戦力と見なされます。

適性

フロントエンドエンジニアに比べると、サーバーサイドエンジニアには地道さや確実さ、精密さが求められる傾向にあります。

サーバーエンジニア

仕事内容

サーバーエンジニアの主な仕事は「ITインフラの設計と構築」および「運用保守」です。設計・構築では、ハードウェアの選定、各種サーバー(webサーバー、ファイルサーバー、メールサーバーなど)の構成、各サーバーの構築を行います。また、サーバーの性能、電源容量、回線速度などを考慮しながらサーバー構成を決定する「キャパシティプランニング」も重要な仕事のひとつです。

運用保守では、「ストレージ内のデータ容量やCPU使用率、トラフィック量などの監視と管理」「ネットワーク負荷分散」「バックアップとセキュリティチェック」「障害対応および原因調査」などが主な業務となります。

必要なスキル

サーバーエンジニアは、ハードウェアとOSの知識が最も重要です。CPU、ストレージ、マザーボード、ライザーカード、NIC、RAID構成の意味など、主要なパーツの役割は理解しておくべきでしょう。また、Windows ServerやLinux系ディストリビューションの知識も必要です。その他、「メジャーな監視ツールの知識」「コマンド操作スキル」「スクリプト言語を用いたシェルスクリプトのコーディングスキル」なども必須と言えます。

適性

サーバーエンジニアは、ITエンジニアの中でも最も「正確さ」が求められる職種かもしれません。ユーザーの目に触れない部分を担う縁の下の力持ちといって良い存在である一方、ITシステムの土台部分を担うため、障害や不具合の影響範囲が大きいからです。

ネットワークエンジニア

仕事内容

「ネットワーク設計・構築・保守運用」が主な仕事です。ネットワーク設計では、クライアントと合意した内容にしたがってネットワークの要件定義、設計、機器パラメータの定義、コンフィグ、テスト資料などを作成します。次の構築では、物理的なネットワーク機器の配置(ラッキング)、機器間のケーブル接続を行い、ネットワーク機器へコンフィグを反映させたうえで、動作確認やテストなどを行います。運用保守では、障害発生時のネットワーク機器交換や、トラフィック状況に応じた設定変更などを行うことが多いでしょう。

必要なスキル

ネットワークの基礎知識である「TCP/IP」や、論理設計・物理設計などの設計スキルは必ず抑えておくべきでしょう。論理設計はネットワークの論理的な接続状態を、物理設計はネットワーク機器(ルータやスイッチなど)とサーバーの接続を決定する工程です。また、今後はクラウドベースのシステムも増えるため、ネットワーク仮想化に関する知見も必要になっていきます。

適性

ネットワークエンジニアに適している人は「俯瞰が得意な人」です。技術的な知識・スキルを駆使しながら、常に頭の中でネットワーク全体を俯瞰し、必要に応じて細分化・具体化する思考が役立ちます。

データベースエンジニア

仕事内容

「データベースの設計や開発・管理・運用保守」が主な仕事です。設計・開発ではデータベースに求める要求を理解し、データベース構造やセキュリティ性などを設計書に落とし込み、構築を行います。また、管理ではデータの保存・利用が効率よくできるように、最適化や効率化のチューニングを行います。さらに、運用保守では、データごとのアクセス権設定、バックアップ対応、セキュリティ対策、DBソフトウェアのバージョンアップ対応などが主な業務になります。

必要なスキル

データベースソフト(オラクル製品やSQL Server、MySQL、PostgreSQLなど)に関する知見や、SQLを扱うスキル、データモデルの知識などが必要です。特にデータモデルの知識は、顧客要求からシステムに落とし込むべき業務を想定し、概念データモデル・論理データモデル・物理データモデルといった単位で表現するために必須です。ER図・UML記法・IE記法といったモデリングの手法や、データモデリングツールに関する知識・スキルも求められるでしょう。

適性

データベースは論理の塊であることから、論理性の高さが求められます。また、構造的な思考が得意な人は、データベースエンジニアに向いているかもしれません。

組み込みエンジニア及びIoTエンジニア

仕事内容

組み込みエンジニア、IoTエンジニアともに、主な仕事は「組み込みソフトウェアの設計と実装」です。C言語やC++、Javaなどを用いながら、さまざまなデバイス内で動作するソフトウェアを設計し、コーディングによって実装します。組み込み開発は、「制限されたリソースをどれだけ効率よく使うか」が問われる分野です。また、小型IoTデバイスとクラウドシステムとの連携・通信に関する開発を任されることもあります。

必要なスキル

マイクロプロセッサや電子回路、RTOS(リアルタイムOS)、C言語やアセンブリ言語のスキルなどが必要です。代表的なRTOSとしては「ITRON」「VxWorks」などがあります。また、IoTエンジニアの場合は、「Arduino」や「Raspberry Pi」など、シングルボードコンピュータの知識も身に着けておきたいところです。

適性

電子回路やシングルボードコンピュータなど「物理的な機械」に対して苦手意識がないことが大切です。

機械学習エンジニア

仕事内容

「機械学習アルゴリズムの開発・実装」や「学習用データの準備」が主な業務です。PythonやRなどの言語を用いて、機械学習およびディープラーニングを用いるAIアルゴリズムの設計・開発を担います。また、学習に必要な固定データを準備しつつ、クラウドを用いて学習環境の整備(API開発や、データ集中・更新を自動化するためのバッチプログラム開発など)を行うこともあります。

必要なスキル

Python、R、SQLなどのプログラミングスキルや、機械学習用ライブラリ・フレームワークの知識が必要です。よく使われるライブラリとしては、「TensorFlow」や「scikit-learn」などがあります。また、統計学や数学の知識があれば、データサイエンティストへのキャリアチェンジも視野に入ってきます。

適性

機械学習の分野は技術の進歩が速いため、「技術に対する興味・関心」がある人材が適しているでしょう。また、統計学や数学の知識を多用するため、理系人材がやや有利です。

セールスエンジニア

仕事内容

自社製品やサービスの仕組み、仕様、メリットなどを解説しながら、顧客に対して自社製品・サービスの優位性を感じてもらえるようにプレゼンテーションを行います。また、顧客課題を解決するための、技術的な提案も大切な仕事のひとつです。さらに、製品・サービス導入までのプロセス(日程・工数など)提示や、開発・構築前の技術的なノウハウの提供・支援などを担当することもあります。

必要なスキル

「プレゼンテーションスキル」「設計スキル」「自社製品やサービス、その他先端技術に対する知見」が必要です。特に設計スキルは、顧客に対して複数の設計パターンを提示するために欠かせません。また、複数の設計案を提示するにあたり、自社製品・サービスやOSS(オープンソースソフトウェア)、国外の先進技術などを参考にすることもあるため、広く深い知識が求められるでしょう。

適性

接客が得意であったり、会話が好きであったりとコミュニケーションに関する適性が重視されます。特に、知識やノウハウを製品・サービスを購入につなげるために「導線を意識した会話」ができると良いでしょう。

3. 未経験からエンジニアを目指す方法

これまで紹介した職種全てに言えることですが、「完全未経験」から中途採用を目指すのは現実的ではありません。そのため、以下2つのステップを意識して活動してみてください。


  • 1. 独学、スクール活用を併用しつつ、基礎的な技術力を身に着ける

    2. SES企業や中小企業など比較的採用のハードルが低い企業を目指す


特に組み込みエンジニアは「電子回路やハードウェアの専門知識」が、機械学習エンジニアは「プログラミング言語と機械学習に特化したライブラリ、統計学」などが必要なため、完全未経験からの中途採用はほぼ不可能です。入念に助走期間を設けたうえで、転職を目指してみてください。

4. まとめ

IT業界において、エンジニアは、年収・需要共に右肩上がりの傾向にあります。ただし、エンジニアは複数の職種に分かれており、職種ごとに仕事内容や担当領域・必要なスキルは大きく異なっています。さらに、年収や適性も職種によってさまざまであるため、それぞれの特性や自分の描きたいキャリアをよく考慮したうえで目指すべきでしょう。

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