- 未経験でもSE(システムエンジニア)として就職できる?
- SE(システムエンジニア)の仕事内容
- SE(システムエンジニア)の働き方とは
- どんな会社を就職先に選ぶべき?
- 未経験でSEに就職するためにしておくと良いこと
- SEの平均年収
- SEからのキャリアステップ例
- まとめ
未経験でもSE(システムエンジニア)として就職できる?
未経験からSEとして転職・転職するのは難しいと思われるかもしれませんが、結論としては十分可能で実際に未経験からSEになった方も決して少なくありません。その理由について以下で解説します。ただし現実問題として、プログラマー等での実務経験を経て、SEにキャリアアップするというケースが多いことは念頭に置いておきましょう。
関連記事:SE(システムエンジニア)とは?仕事内容・スキル・年収などを解説
未経験でも採用する企業はある
経済産業省の発表によると2030年までにIT人材は79万人も不足すると言われています。その影響もあり未経験からSEとして採用する企業が増えています。
企業としては経験者、即戦力がほしいと言うのが本音かとは思いますが、一方で未経験で採用して現場で育成していく企業があります。
未経験でもコンサルやリーダー経験は就職に有利になる
IT系の経験がなくてもコンサルティングやマネージメント、リーダーの経験は採用に有利に働きます。技術に関する知識は学習すれば身につけられるようになりますが、論理的思考やコミュニケーション能力は学習したからと言ってすぐに身につくものではないからです。
企業としてはチームをまとめる力のある人であれば、採用して技術を身につければSEとして能力を発揮してくれるだろうという考えがあることで、有利になります。
新卒からの就職は一般的に有利とされる
中途採用とは異なり、新卒での就職時はSEであってもポテンシャル採用となるため、新卒の方が有利と言われています。もちろんプログラミングに関する知識はあったほうが有利ではありますが、ITに関する知識よりも現場でうまくコミュニケーションが取れるか、論理的思考ができるかなど一般的な能力を問われる事が多いです。
また、IT技術に対する興味や向上心が見られることもあります。
関連記事:
SE(システムエンジニア)になるには?独学の方法や資格を解説
未経験からSEへ!必要なスキルや転職活動のコツを紹介
SE(システムエンジニア)の仕事内容
SEの仕事内容を解説します。SEは要件定義やシステム設計、開発、テスト、運用・保守など、システム開発における全工程に携わる職種です。
要件定義
要件定義では、システムに必要な機能や性能などを明確にします。ユーザーがどのような機能や性能を要望しているかをヒアリングし、「要件定義書」としてまとめます。具体的には、システム化する業務範囲や業務処理の手順、システムの操作要件、扱うデータの種類、障害時の対処法などを定義します。
システム設計
要件定義書を元にして、システムの設計を行います。ハードウェア、ソフトウェア、データベース、インターフェイスなどの設計を行い、「設計書」としてまとめます。システムの設計手法には、データ中心設計、構造化設計、オブジェクト指向設計などがあり、システムの特性に応じて適切な設計手法を選択します。
開発
上記で作成した設計書を元に、システムを開発します。通常、SEはプログラマーへ設計内容の説明と作業指示を出し、プログラミングはプログラマーが行いますが、プロジェクトによってはSEがプログラミングまで行うケースもあります。
テスト
テスト工程では、バグの発見や正しく動作するかの確認などを通して、開発したシステムの評価を行います。テストには、単体テスト、結合テスト、総合テストなどがあり、これらのテストを通してシステムの品質を担保していきます。
運用・保守
リリースしたシステムが継続的かつ安定的に動作し続けるよう監視したり、状況に応じてメンテナンスしたりします。具体的には、システムの負荷状況の監視や障害対応、セキュリティパッチの更新などを行います。
SE(システムエンジニア)の働き方とは
システムエンジニアの働き方は大きく分けて2種類あります。
客先常駐開発の場合
1つめの働き方は客先常駐です。客先常駐とは、自社ではなく依頼を受けた客先で開発を行う働き方です。客先企業ではなく、開発プロジェクトのために用意された場所で開発を行うこともあります。大規模プロジェクトではビルなどを開発現場として用意し、そこに複数の企業のエンジニアが参画する形でプロジェクトが進められます。
客先常駐は多くの企業が参画している働き方ですが、多重請負などの業界構造が問題視されることもあります。
自社開発の場合
自社開発とは、エンジニアを外部に派遣したり開発を外注せずに、自社でシステムを開発することです。自社で開発したシステムは、リリースしたり販売します。自社で企画して開発する場合もあれば、企業から依頼を受けて開発して納品する場合もあります。
企業にとって自社開発で利益を出すことは、上でご紹介した客先常駐型よりも難易度が高いです。そのため、一般的に自社開発の企業の方が人気の傾向があります。就職難易度も客先常駐型に比べると高めです。
どんな会社を就職先に選ぶべき?
SEになったあとにどんなことをできる人になりたいか、どんなことを実現させたいかを考えて選択するといいでしょう。職種の違いやできることについて紹介します。
関連記事:SEのキャリアパスとは?キャリアプランの具体例を詳しく解説
SIer(システムインテグレーター)
SIerとは、システムの設計から運用まで、一連の開発工程をサービスとして提供する事業者のことを指し、顧客の要望に応じてシステム開発を行います。SIerには、上場企業から中小企業までさまざまな規模があり、金融業界や小売業界など特定の業界に強みを持ったSIerや、マーケティング系システムや人事システムに特化したSIerなどがあります。
開発領域が細分化されている点がSIerの特徴といえるでしょう。
Web系企業
Web系はECサイトやWebアプリなど、自社サービスの開発を行う企業を指します。SE、プログラマーといった区分けをせず、設計から開発まですべての工程に携わるケースが多いです。開発手法についても違いがあり、SIerは上流工程から下流工程を順に実施していく「ウォーターフォール型」で開発するのに対し、Web系企業では1つの機能を短い期間で反復的に実装する「アジャイル型」を採用するケースが多い傾向にあります。
また、SIerは脆弱性の少ない安定した技術を採用するケースが多いですが、Web系では新しい技術を積極的に取り入れます。SaaSサービスなどを扱うWeb系企業にはベンチャー企業が多いという特徴もあるため、ベンチャー志望者はWeb系企業を中心に就職活動をしても良いでしょう。
2次請けのシステム開発会社
2次請けとは、客先常駐型の多重請負構造の中での下請けのことです。問題視されている客先常駐型のさらに下請け企業なので、あまり良しとしない声も多いです。しかし、多くのプロジェクトに参画できることや、下請けの下流工程で参画する分直接的に手を動かしてプログラミングスキルを高められるといったメリットがあります。
一生2次請けのシステム開発会社で働くというわけでなくても、下流工程のスキルを高めるための修行という意味合いでは2次請けのシステム開発会社で働くメリットは大きいです。
業界によってプロジェクトの雰囲気は違う
業界によってプロジェクトの雰囲気は異なります。プロジェクトの雰囲気にもっとも影響するのは、プロジェクトの参画人数でしょう。業界によってプロジェクトの参画人数が異なるので、結果的にプロジェクトの雰囲気も違ってくるということです。
たとえば、客先常駐の大規模案件だとプロジェクトに参画する人数は多くなります。人数が多い場合、ウォーターフォールモデルできっちり上流工程から下流工程に作業を進めていく場合が多いです。
一方で、Web業界などは小規模システムが多く、プロジェクトの参画人数も少なくなります。参画人数が少ないと開発の進め方が流動的になり、アジャイルモデルや、それ以上に工程を行ったり来たりするような開発方法を取る場合もあります。
関連記事:SE(システムエンジニア)の転職先を業界・職種で徹底解説
未経験でSEに就職するためにしておくと良いこと
SEはプログラマーの上級職として位置付けられており、未経験からいきなりSEとして就職することも不可能ではないものの可能性は低いというのが現実です。まずは開発スキルを身につけてプログラマーを目指し、経験を積んだ後にSEへキャリアアップを目指しましょう。ここでは、未経験からプログラマーとして就職するための具体的なステップを紹介します。
関連記事:
SE(システムエンジニア)職務経歴書の書き方【テンプレート付き】
システムエンジニア(SE)の志望動機の書き方 - サンプル例文付き
【SEへの転職を目指す人向け】自己PR作成のポイントを徹底解説|未経験者向け情報も
未経験者におすすめのプログラミング言語
未経験でSEとして就職する際には汎用的で応用が効きやすい言語を身につけることをおすすめします。
1.Java
JavaはWindowsやLinux、iOSなどのOSに依存せずに動作させる事ができるため、多くのシステムで利用されています。
また、他のプログラミング言語の元となっている言語であるため、新しい言語を覚える際にも応用が効きやすい特徴があります。
2.C言語
C言語はコンピュータのハードウェアを意識して構築する言語であるため、習得できればコンピュータ全般に強くなることができます。
C言語を元にした他の言語を覚える際に役に立ちます。
しかしながら、メモリの「ポインタ」の仕組みなどは何も知らない状態では理解しにくい部分があるため、最初に覚える言語にはおすすめできない難易度です。
Javaなど他の言語を覚えてから学習するほうがいいでしょう。
3.PHP
PHPはWEBサイトのバックで動くサーバサイドの処理を記述するための言語です。
英語に近い記述方法のため、初心者には覚えやすく始めやすい特徴があります。
4.JavaScript
JavaScriptはWEBサイトに動きをつけるために使われる言語です。
WEBのページでよく目にするバナー広告やアコーディオンメニューなどはJavaScriptで作られています。
初心者の一歩目としてHTMLやCSSなどのマークアップ言語を学習したあとにJavaScriptを学習すると理解しやすくなります。
関連記事:独学による勉強でSE(システムエンジニア)を目指す方法
アプリやポートフォリオを作成する
ポートフォリオとは面接の際にスキルや経験を示すための実績集のようなものです。スキルレベルを示すために作成したアプリなどをまとめます。IT業界の就職活動ではポートフォリオを求められるケースが多いため、就職活動を始める前に自主制作したアプリケーションのポートフォリオを作成しておくと良いでしょう。
また、作成したアプリケーションはGitHubなどに公開しておくことで、作成したアプリケーションの品質に対して第三者からの評価を受けやすくなります。また、自己応募に加えて就職支援サービスなども活用すると、希望する条件に近い企業を探しやすくなります。
ビジネススキルを身につける
SEはクライアントや経営陣などと折衝があるため、社会人として基礎となるビジネススキルを求められます。
論理的思考力
システムの仕様を決めるときやクライアントへの説明のときなどに論理的思考力が求められます。
物事に道筋を立てて論理的に考えられる人はSEに向いています。
特にトラブルが発生したときには原因がどこにあるかを深掘りして究明します。
コミュニケーションスキル
技術職は一人で黙々とモニターとにらめっこしているイメージがあるかもしれませんが、実際には開発のチームやクライアントとやりとりがあります。
意思疎通が円滑にできないとミスに繋がるため、コミュニケーション能力は必要です。
関連記事:SE(システムエンジニア)に必要なスキルとは?
知識・スキル証明のために資格を取得する
エンジニアは技術職のため、ITに関する知識やスキルを有していることが就職の前提となります。知識やスキルを証明するために役立つのが資格制度です。ITエンジニアを対象とした資格は国家資格から民間資格までさまざまなものがあります。ここでは、SEを目指す際に取得すると良い資格を紹介します。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、経済産業省認定の国家資格です。コンピューターに関する基礎理論から開発技術、プロジェクトマネジメント、システム戦略など幅広い領域の知識を身につけることができます。SEやプログラマーを目指すのであれば、取得しておいて損はないでしょう。
応用情報技術者試験
応用情報技術者試験は基本情報技術者試験の上位に位置づけられている試験です。基本情報技術者試験よりも難関資格で合格率は20%と言われています。
この試験ではITの内容だけでなくマネジメントや経営に関わる分野が含まれているため、マネージャーやリーダーなどを目指す人にはおすすめの資格です。
SEの平均年収
SEの平均年収は統計によって変わりますが、だいたい550万円程度です。たとえば、国が統計を取っている賃金構造基本統計調査ではそのようになっています。全職種の平均年収が450万円程度であることを考えると、SEは平均的に年収が高い傾向があります。
SEの年収が高めの理由は複数考えられますが、需要が大きく慢性的に人手不足であること、残業が多いことなどが挙げられます。人手不足と残業が多いことはつながっていると考えられます。人手が足りないために残業が多くなっています。
関連記事:SEの将来性と市場需要|経済産業省のデータをもとに考察
SEからのキャリアステップ例
SEとして就職した場合、どのようなキャリアステップを踏むのでしょうか?SEの区分は複数ありますが、ここでは大枠で、アプリケーションエンジニアとインフラエンジニアに分けてご紹介します。アプリケーションエンジニアになるかインフラエンジニアになるかは、入社段階で決まっています。
つまり、どちらかを希望している場合、希望に合った枠で応募する必要があるということです。また、基本的には採用後に担当が変わることはありません。アプリケーションエンジニアならアプリケーション、インフラエンジニアならインフラをずっと担当することになります。
アプリケーションエンジニア
アプリケーションエンジニアとは、アプリケーションを開発するエンジニアです。厳密に言えばアプリケーション、システム、ソフトウェアは区別されることがありますが、概ね同じものと考えて問題ありません。
つまり、物理的なサーバー、もしくは仮想サーバーなどの上で動くアプリケーションを開発するエンジニアということです。工程としては、プログラミングだけでなく、設計やテストも含みます。一般的にSEと言えばアプリケーションエンジニアを指す場合が多いでしょう。
インフラエンジニア
インフラエンジニアは、インフラの構築、保守、運用などを行うエンジニアです。厳密に言えばサーバーエンジニアやネットワークエンジニアと区分されるのですが、ここでは概ね同じものとして考えてください。
アプリケーションがサーバーの上で動くものであるのに対し、インフラはその土台となるものです。つまり、インフラエンジニアはアプリケーションが動く土台を作る役割になります。そのため、インフラ管理のソフトを操作するだけでなく、物理的に機器を構築するような機会もあります。
アプリケーションエンジニアとインフラエンジニアは同じエンジニアですが、役割が大きく異なります。
関連記事:
SE(システムエンジニア)からプロジェクトマネージャーを目指す方法
まとめ
この記事では、SEの仕事内容や就職先の種類、未経験から就職する方法について解説しました。SEになるには、まずはプログラマーとして就職し、開発の実務経験を積む必要があります。プログラマーはシステム開発に関する専門スキルが求められる職種であるため、自己学習や自主制作を通したスキル習得が必要不可欠です。未経験から目指すのであれば、ロードマップを把握して、必要なスキルを身につけることから始めましょう。
関連記事:システムエンジニア(SE)のやりがい・魅力とは
ITエンジニアの転職ならレバテックキャリア
レバテックキャリアはIT・Web業界のエンジニア職を専門とする転職エージェントです。最新の技術情報や業界動向に精通したキャリアアドバイザーが、年収・技術志向・今後のキャリアパス・ワークライフバランスなど、一人ひとりの希望に寄り添いながら転職活動をサポートします。一般公開されていない大手企業や優良企業の非公開求人も多数保有していますので、まずは一度カウンセリングでお話してみませんか?(オンラインでも可能です)
転職支援サービスに申し込む
また、「初めての転職で、何から始めていいかわからない」「まだ転職するかどうか迷っている」など、転職活動に何らかの不安を抱えている方には、無料の個別相談会も実施しています。キャリアアドバイザーが一対一で、これからのあなたのキャリアを一緒に考えます。お気軽にご相談ください。
「個別相談会」に申し込む
レバテックキャリアのサービスについて