未経験でPythonエンジニアになるには?学習方法や求人例を紹介

最終更新日:2024年7月16日

IoTやAI開発の分野で用いられるプログラム言語Python。ITエンジニアがIoTやAI開発の職につくためには、Pythonの学習が欠かせない時代になりました。今後はWebアプリケーション開発の分野でもPythonの採用が増えると見られており、Pythonエンジニアの需要は増加傾向にあります。それでは、未経験者がPythonエンジニアとして転職するためには、どのようにスキルを身につけるべきなのでしょうか。

本記事では、Pythonを扱う仕事に転職したい未経験者の方に向け、Pythonの特徴やPythonエンジニアの業務内容、勉強方法などについて解説します。

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この記事のまとめ

  • プログラミング未経験からPythonエンジニアになるためには、まずは別言語のプロジェクトに参画してスキルを身につけることを考えるべき
  • Pythonエンジニアはプログラミング言語スキルだけでなく、データベーススキル、OS操作スキル、機械学習の知識などがあるとより良い
  • Pythonエンジニアは特定のスキルに特化したスペシャリスト、幅広いスキルを網羅したゼネラリスト、マネジメントを中心に行うマネージャーなどのキャリアパスがある

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Pythonとは

Pythonは、1991年にオランダ出身でアメリカ在住のグイド・ヴァンロッサム氏によって開発されたプログラミング言語です。Pythonのコードはシンプルで読みやすく、理解しやすいという特徴があります。

Pythonは、Webアプリケーションやデスクトップアプリケーション、データ分析、人工知能、機械学習など、さまざまな分野で利用される言語です。またPythonはライブラリやフレームワークが豊富なので、これらを使いこなすことで開発の効率化や品質向上ができます。

Pythonはオブジェクト指向プログラミング言語で、動的型付け言語です。またPythonはインタープリタ方式と呼ばれる実行方法が採用されているため、コンパイルの必要がなく、即時実行できます。

開発効率の高さや、学習教材の豊富さなどのメリットから幅広く利用されており、日本国内でも一定の需要がある言語です。
レバテックの保有する求人数の調査でも、Pythonの求人数はJava、PHP、JavaScript、Rubyに次いで5位に位置しています。

関連記事:
Pythonとは?特徴やできること・活用事例などを解説!
RubyとPythonを比較!選ぶポイントや学習方法も解説

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プログラマー未経験からでもPythonエンジニアになれる?

Pythonは数あるプログラミング言語の中でも、近年人気が上昇している言語です。2024年6月時点、レバテックキャリアのPython求人は4,700件以上あることからも、企業からのニーズが高いことが伺えます。しかし、プログラマーとしての実務経験がない人もPythonエンジニアになれるかというと、ハードルは高いでしょう。

プログラミング未経験可の求人は少ないのが現状

実際にPythonエンジニアの求人を見てみると、求人数は多いものの多くの求人がPythonエンジニアとしての実務経験や、Pythonを使った実務経験が応募要項に含まれています。

実務経験を求める求人が多いのは、現場でのリソース不足により即戦力を求めている以外にも、Pythonエンジニアの教育・研修制度が整っていない企業も多いことが要因です。。

倍率が高い企業では2~3年の経験が求められる

Python求人の多くは自立して開発する独走力が要求されるため、実務経験を2〜3年程度要求される場合が多いです。また、倍率の高い人気企業であればあるほど、この傾向は顕著になります。一方で教育体制を整えている企業や大量採用している企業は面接まで実施してくれる場合もあります。自身のスキルレベルに合わせて応募先を検討すると良いでしょう。

他言語を学んだエンジニアなら転職しやすくなる

PHPやRubyなど他言語を扱うバックエンドのプログラマー・エンジニアとして実務経験を積んでおり、独学でPythonを勉強しているような方であれば、Pythonエンジニアとしては未経験だとしても「戦力化までが早い」と見込まれ転職の成功確率は上がるでしょう。多くのプログラミング言語の考え方は共通しているからです。そのため、Pythonの経験がなくてもほかのプログラミング言語で経験豊富な方は挑戦してみると良いでしょう。

Pythonはプログラミング言語のなかでも比較的習得しやすい

Pythonはプログラミング言語のなかでも比較的習得しやすい言語です。構文がシンプルであることについては後述しますが、学習手段も豊富です。書籍、学習サイト、プログラミングスクール、Python公式チュートリアルなどの選択肢があります。これらの学習手段を組み合わせることで、プログラミング初心者であっても十分な知識を身に付けられるでしょう。一定の知識を身に付けたら、後は手を動かして実践していくことで生きたスキルを習得できます。

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未経験からPythonエンジニアになるには

Pythonエンジニアになるには、別のプログラミング言語で現場経験を積み、Pythonのスキルを身につけ、周辺ツールやデータベースも扱えるようにすることが必要です。以下ではより具体的に、現場で活躍できるPythonエンジニアになるためにやるべきことと、そのステップをご紹介します。

他言語の開発経験はあるが、Pythonは未経験の場合

すでに身につけたプログラミング言語を活かせるPython学習は効率的に進められるので効果的です。勉強する領域で活用されているライブラリやフレームワークを学習しましょう。たとえば、PHPやRubyでWebアプリのバックエンド開発を行っていた方はDjangoやFlask、R言語やMathematicaの経験がある方はnumpyやPandasの学習がおすすめです。

これらのスキルはいずれも実践的なスキルですので、転職活動も有利に進めやすくなります。

Pythonは習得したが、実務経験がない場合

Pythonの基礎を身につけた方はポートフォリオを作成して不足している実務経験を補いましょう。作成したソースコードをgithubやWebサイトに公開することで、資格や履歴書以上のアピールに繋がります。また、企業のインターンシップに参加するなどもおすすめです。

プログラミング自体が未経験の場合

まずは自身に適した方法でPythonの基礎を身につけましょう。前述の通り、Pythonの文法はほかのプログラミング言語と比較して学習しやすいです。基礎構文や変数、条件分岐などのプログラミングに共通する基礎概念を理解してから、進みたい方向で活用されているライブラリやフレームワークを身につけていきましょう。

転職エージェントを活用するのも一つの手

転職エージェントを活用すると、自分に合った求人を紹介してくれて、また面接や書類作成のサポートもしてくれます。雑務を行ってくれる、自分自身を客観的に見てもらえる、迷ったときに判断材料をくれる、といった複数のメリットを得られます。

エンジニアにとって転職活動に力を入れることは重要ですが、それ以上に自分自身のスキルアップなどに時間や労力を使いたい人が多いでしょう。転職エージェントを活用し、空いた時間をエンジニアとしての成長のために使うのもおすすめです。

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Pythonエンジニアに求められるスキル・経験

Pythonエンジニアに求められるスキル・経験はPythonのコーディング力やライブラリの知識はもちろん、そのほかにも複数のスキルが要求されます。また、Pythonを扱うエンジニアの中でも職種が複数あるため、要求されるスキルが異なるのでご注意ください。ここからはPythonエンジニアに求められるスキルや経験を紹介します。

Pythonを使用した開発に関する知識・スキル

Pythonを扱うのに最低限必要なスキルとして、基本的な文法やオブジェクト指向プログラミング、データ型、制御文、関数、モジュール、例外処理などを理解して記述するスキルが挙げられます。これらの基本スキルは、書籍、Webサイト、動画コンテンツ、プログラミングスクールなどで習得可能です。

一歩踏み込んでより高度なスキルを身につけるためには、Pythonで開発されたシステムのソースコードを読むことや、開発者コミュニティに参加すると良いでしょう。

Pythonに関連するフレームワーク・ライブラリの使用スキル

Pythonはフレームワークやライブラリが豊富で、Webアプリケーションやデータ分析、機械学習などの開発に使用されることが多いです。たとえば、WebフレームワークとしてはDjango、Flask、Bottleなどが挙げられます。

データ分析ライブラリとしてはNumPy、Pandas、SciPyなどが代表的です。機械学習ライブラリとしては、TensorFlow、PyTorch、scikit-learnなどが挙げられるでしょう。Pythonエンジニアには、これらのフレームワークやライブラリを使いこなすことが求められます。

Linux・Apache・MySQLなどを用いた開発経験

Pythonエンジニアには、Linux、Apache、MySQLなどを用いた開発経験も求められます。Pythonはこれらのソフトウェアと組み合わせて使用されることが多く、特にシステム全体を設計・構築する能力が重要です。

たとえばWebアプリケーションの開発では、LinuxやApacheの設定やMySQLのデータベースの操作などが必要不可欠です。Linux上でのシェルスクリプトの作成、システムの監視、トラブルシューティング、ApacheはWebサーバーのソフトでサーバー操作などで使います。

大規模なデータの処理・分析をした経験

Pythonは大量データ処理が得意なので、データ分析や機械学習などの分野で広く使われています。そのためPythonエンジニアには、大規模なデータ処理・分析などの経験が求められることが多いです。

データ分析ライブラリや機械学習ライブラリを使用して、データの前処理、データの可視化、機械学習モデルの訓練や評価などを行った経験があれば重宝されるでしょう。また、データの処理や分析に関するアルゴリズムや統計学の知識も必要です。これらの知識で作った設計を元にプログラムを書くからです。

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Pythonを用いる職種例

Pythonは汎用性が高いため、さまざまな開発、職種で使用されています。以下では、Pythonを使用する代表的な職種をまとめました。Pythonは数あるプログラミング言語の中でも開発対象の幅が広く、特に機械学習などに使用されている点は大きな特徴です。そしてさらにWebシステムでも使用されているので、その点で他に類を見ないプログラミング言語と言えます。

機械学習エンジニア

機械学習エンジニアは、機械学習技術を用いてビジネス課題を解決するために、データの収集、加工、解析、モデル構築、評価などを行う職種です。Pythonは、機械学習の分野で広く使われているため、機械学習エンジニアにとって必須スキルになっています。

Pythonには、機械学習に特化したライブラリである「scikit-learn」「TensorFlow」「PyTorch」などがあります。これらのライブラリを使うことで、機械学習モデルの開発が可能です。

ブロックチェーンエンジニア

ブロックチェーンエンジニアは、ブロックチェーン技術を利用したシステム設計や開発を担当します。Pythonは、主にブロックチェーンのスマートコントラクトの実装や、ブロックチェーンネットワークの構築などに使われています。

特に、Pythonにはブロックチェーンを開発するためのライブラリである「Web3.py」があり、Ethereumブロックチェーン開発に用いられていることが有名です。

データアナリスト

データアナリストは、ビジネスにおいて得られたデータから、意味を読み取ったり、傾向やパターンを分析したりして、ビジネス戦略を立てます。Pythonにはデータ分析に必要なさまざまなライブラリがあり、Pandas、NumPy、Matplotlibなどは特に有名です。これらのライブラリを使うことで、データ分析に必要な集計や可視化が可能です。

データサイエンティスト

データサイエンティストは、データの収集から分析まで一連のプロセスを担当する職種です。Pythonを使用してデータの前処理、可視化、統計解析、機械学習などを処理します。Pythonは、PandasやNumPy、Matplotlib、Scikit-learnなどのライブラリを使用することで、データサイエンティストが必要とする高度なデータ処理を効率化できます。

Webアプリケーションエンジニア

Webアプリケーションエンジニアは、Web上で動作するアプリケーションを開発します。Pythonを使用したWebアプリケーション開発では、DjangoやFlaskなどのフレームワークを使用することが多いです。

これらのフレームワークには、Webアプリケーションの設計や実装に必要な機能が用意されており、活用することで開発者はアプリケーションのロジック部分に注力できます。また、Pythonを使用してWebサイトから情報を抽出するWebスクレイピングや、データベース連携などの技術も必要です。

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Pythonでできること

Pythonのスキルを身に付けることで、複数のことができます。ただしPythonだけでなく、それぞれの技術に関する知識、スキルは必要です。まずはPythonのスキルを身に付けることで、幅広い開発に対応できる土台ができるということです。

ビッグデータを用いた数値解析や分析

ビッグデータを解析したりデータの特徴を把握したりして関連性を見つけるプログラムのなかには、Pythonを使って作られているものも多いです。ビッグデータ解析は多くの業界で利用が期待されており、サービス業、物流、販売業、農業などで人やモノ、情報の流れや動向を把握して無駄を省いたり、効率的に業務を行ったりすることに役立てられています。

ビックデータを利用できる業界は、ITに直接関係のない分野にも数多くあるため、Pythonエンジニアはこれからさらに幅広い活躍が期待されるでしょう。

人工知能(AI)ソフト開発

人工知能はたくさんのデータを処理して自動的に学習を行う「機械学習」スキルを使っています。その機械学習の仕組みに一般的に使われているのがPythonです。

ビッグデータをPythonで解析して傾向をつかみ、加えてPythonを使った人工知能で自動的に最適な指示や情報を提示するというように、ビッグデータ解析と人工知能利用を組み合わせることもできます。

自動運転システム開発

自動運転にもPythonが使われています。車に付けたセンサーが検知する歩行者や障害物といった情報を処理し適切な操作を行えるよう開発されているのが特徴です。

Webアプリケーション開発

これまで、Webアプリケーションのサーバーサイド開発では、JavaやPHP、Rubyなどが採用されてきました。しかし、最近では徐々にPythonでの新規開発も増えてきています。

サーバーサイド開発では、フロントエンドからの指示を受けて実行される、複雑な内部処理(DB操作を含む)を実装。Pythonエンジニアは、「Django」「Tornado」「Bottle」「Flask」といったWeb開発用のフレームワークを活用し、Webアプリケーションを作成できます。

ロボットに搭載される感情エンジン

人間の発言や表情の変化を学習するロボットにも使われています。学習結果からロボットの反応や言葉が変わるという仕組みです。Pythonの技術を習得することで、このようなWebアプリの分野やロボット開発・制御の分野での活躍の可能性も広がります。

IoTデバイスの制御

ハードウェアの小型・高性能化とセンシング技術の発達によって、IoTの活用が急速に広まっています。このIoTデバイスを制御するためのシステム構築においても使われており、Pythonエンジニアの活躍の幅は広いといえるでしょう。

関連記事: Pythonエンジニアの仕事内容!特徴やできることを紹介

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未経験可のPythonエンジニア求人例

レバテックキャリアのPythonエンジニア求人データより、未経験可の求人例をご紹介します。紹介する求人は、いずれもほかの言語での開発経験があることが前提です。

CAD・図面データ形状認識アルゴリズム開発

【業界】
メーカー、素材・エネルギー、物流・流通、運輸・倉庫

【業務内容】
・図面データ形状認識アルゴリズムの開発
・3Dや2DのCAD・図面データ形状認識アルゴリズムの開発
・解析された図面データから製造工程を半自動化するアルゴリズム開発
・製造原価計算のアルゴリズム開発
・原価計算や受発注管理に必要な製造工程の分析・予測

【開発環境】
・利用言語:Rust、Python
・フレームワークやライブラリ:WebGL、WebAssembly、TensorFlow、pytorch
・開発ツール:GitHub、CircleCI、CMake

【応募要件】
<経験>
・C++またはRustによる開発(研究/趣味含む)
・computer visionの領域をはじめとする、何らかの数理アルゴリズムの研究または実務
・Gitなどのバージョン管理システムの利用
<知識>
・データ構造やアルゴリズム、計算量についての基礎
・基礎的な数学力(大学教養課程程度)

【想定年収】
500~1,000万円

システム開発やデータ分析/DXで顧客課題解決

【業界】
IT・通信、SIer

【業務内容】
JavaやPythonを⽤いたシステム開発やデータ解析

【プロジェクト例】
・化粧品メーカーの肌質解析アプリ開発
・チャットボットの開発、運⽤、保守
・フリーアドレス⽤システム(⾃社システム、特許出願中)
・旅⾏会社の予約システム開発
・公共交通機関の予約システム構築
・外資系企業の帳票システム更改
・⾦融システムの構築

【開発環境】
Java、PHP、Python、.NET系、Objective-C

【応募要件】
<経験>
・何らかのエンジニア経験1年以上(⾔語、⼯程不問)
<マインド>
・最新技術を習得し、スキルアップしていきたい⽅
・キャリアの選択肢がある環境に惹かれる⽅
・仕事とプライベートを両⽴したい⽅
・PLやPMなどメンバーマネージメントやプロジェクト管理などにチャレンジしたい⽅

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プログラマー未経験者のPython学習方法

プログラム未経験で何から始めていいかわからないときは、まず書籍や資格試験を活用して基礎知識を定着させていきましょう。また、動画を使って書き方を解説してくれたり実際にPythonのコードを書いて正否を添削してくれたりするWebサイトがあるので活用するのもおすすめです。

書籍

Pythonの基本から応用までを身に付けられる書籍を紹介します。書籍選びの重要なポイントとして、Pythonは幅広い開発に対応している分、書籍によって開発対象が異なる点です。Pythonの基礎という点では共通していますが、自分が開発したい対象システムに合わせた書籍を選んだ方が必要なスキルが身に付きます。

『スラスラわかるPython』(翔泳社、岩崎 圭・北川 慎治・寺田 学)
Python初学者のための入門書です。Pythonエンジニアがおさえておくべき基礎構文を、日本語による事例と図を交えながら丁寧に解説しています。プログラミングの経験自体が浅い人間にも理解できるように、重要な部分の解説が繰り返し行われている点が特長です。

『動かして学ぶ!Python Django開発入門 第3版』(翔泳社、大高 隆)
Webアプリケーション開発に特化したフレームワーク「Django」を解説している書籍です。Webアプリの設計・動的機能(フォーム)の作成、認証処理やDB・クラウド連携など、現代のWebアプリケーション開発に必要な工程を万遍無く解説しています。

何らかの言語でシステム開発を行った経験を持つ「中級者向け」の内容であるため、IT業界未経験者には少しハードルが高いかもしれません。

『pandasライブラリ活用入門[第2版] データクリーニング/前処理など一連の分析プロセスをマスター! 』(インプレス、Daniel Y. Chen・吉川 邦夫・福島 真太朗)
機械学習の開発に使用されるライブラリを解説した書籍です。著名なライブラリの一つである「pandas」を中心に、データ分析や機械学習で使用されるライブラリの導入・活用手順を解説しています。こちらも、Pythonの基礎知識を習得している中級者向けの書籍です。そのため、基礎知識を習得してから読み進めることをおすすめします。

資格試験

Pythonエンジニアになるために資格は必須ではありませんが、資格は前述のポートフォリオ同様に実務未経験者が自身のPythonスキルを証明するための手段です。Pythonエンジニアに関係の深い資格試験として「Python3エンジニア認定基礎試験」「Python3エンジニア認定データ分析試験」「Python3エンジニア認定実践試験」の3つをご紹介します。

Python3エンジニア認定基礎試験

Python3エンジニア認定基礎試験は、Pythonエンジニアとしての基礎力を問われる入門レベルの資格試験です。全40問で構成され、合格ラインは正答率70%です。基礎的な構文の問題が出題されるため、Pythonエンジニアとして基礎レベルの知識を習得している証明になります。

Python3エンジニア認定データ分析試験

Python3エンジニア認定データ分析試験は、2020年春からスタートした新しい資格です。基礎構文に加え、「データ分析」「数学」「ライブラリ(pandas)」など実際の開発業務で頻繁に使用される知識が出題されます。こちらも全40問で正答率70%が合格ラインです。

前述のPython3エンジニア認定基礎試験と併せて習得することで、一定以上の実践力を持つことを証明できるでしょう。

関連記事:Pythonの資格一覧|取得するメリットや難易度、勉強方法も解説

Python 3 エンジニア認定実践試験

Python3エンジニア認定実践試験は、2022年11月にスタートしたPythonエンジニア育成推進協会が主導する中級レベルの試験です。Pythonを実務で使用する上で身につけておくべき記述方法やライブラリについての知識を問われます。前述の2試験同様、全40問で正答率70%が合格ラインです。

プログラミング初心者向けの学習サイト

未経験者向けのコースが多く用意されているサイトを紹介します。それぞれ特徴はありますが、いずれも人気のサービスで、やり込めばPythonのスキルが身に付くでしょう。無料で複数試して、好みで選ぶのがおすすめです。

ドットインストール

ドットインストールは、1つの解説動画が5分以内にまとまっているものが多くあります。初心者向けに作られており、Python以外のプログラミング言語紹介も豊富です。

無料で見られる動画も多々ありますが、月額料金を支払うことでAndroidアプリやiPhoneアプリの作り方、ブログに使われるWordPressの使い方など多岐にわたる動画が閲覧できるようになります。スマホでの閲覧も可能なので通勤中に学習することも可能です。

Schoo

Schooも動画を見ながら学習できるサイトです。無料の動画もありますが月額料金を支払うことで、プログラミング学習に限らず充実したさまざまな動画を見ることができます。

クラウドソーシングサイト活用説明、フリーランスになった際の受託仕事の探し方など、仕事を進める上で役に立つ動画が豊富です。こちらもスマホで閲覧できます。

Progate

Progateは説明に沿ってプログラムを入力すると実行結果が画面上で確認でき、入力誤りがある場合にはその箇所が表示されます。Pythonはもちろんのこと、HTMLやJavaScript、Swiftなど、さまざまな言語の学習コースが用意されています。iPhoneやAndroid版アプリもあるので、手軽に学習を行うことができます。

基礎的なコースは会員登録をすれば無料で受講することができますが、すべてのコースを利用するためには月額料金の支払いが必要です。

Paiza

PaizaはITエンジニア向けの国内最大級の学習プラットフォームです。Pythonの知識だけでなく他の言語も網羅的に対応しており、IT言語やデータベースの基礎知識も学ぶことができます。価格も月額制で契約可能です。プログラミング言語の基礎だけでなく、Paizaを通じて転職・就職活動ができるのも特徴となっています。

AI Academy

AI Academyは最適化されたカリキュラムでPython・AIを実践的に学べるプログラミング学習サービスです。学習者は作りたいものを選び、必要なスキルを効率よく身につけられます。機械学習に必要な数学や統計学を学べることも特徴的です。

無料のフリープランからでも豊富なコンテンツから自由に選べ、テキストの重要箇所にハイライトをつけて残すことで進捗を記録し、学習を振り返れます。

本格的にPythonや機械学習を学べるサイト

本格的にPythonが学べるサイトを紹介します。これらは、一通り学習を終えると、実務レベルのテクニックを身につけられるように作られているのが特徴です。学習後には、実際に自分で設計を考えて作っていくことがスキルアップには重要です。

PyQ

比較的費用がかかりますが、PyQはPythonに特化した学習サイトであり、機械学習やデータ分析まで学ぶことができます。ひと通り学習を終えると実務で通用するレベルのスキルを身につけられるようになっているので、非常に専門性の高いサイトです。

Aidemy

Aidemyはチケットを利用してネット講座を聴講するタイプの学習サイトです。月額プラン制のため、プランによりもらえるチケット枚数が異なります。Pythonの基礎に加えて、画像認識や深層学習といったAIプログラミングで使用する仕組みを包括的に学ぶことが可能です。

分野ごとにおすすめ受講コースが紹介されており、どのコースを受講すればどの技術が身につくかがわかりやすく説明されています。

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Pythonの需要と将来性

Pythonには現状需要があり、将来性もあるプログラミング言語といえるでしょう。年々案件数は増えていて、また機械学習などPythonが得意とするシステムは今後伸びる可能性が高いと考えられます。複数の理由から、Pythonは需要と将来性があるということです。

Pythonの需要

2024年6月時点でレバテックキャリアに掲載されている求人数では5位、案件数では3位と高い人気を誇っています。特に最近ではAIやディープラーニング、データサイエンス領域の案件が増加傾向にあります。
大企業を中心にデータ活用の重要性が高まっているため、今後も需要は高い言語といえるでしょう。

関連記事:【2024年更新】プログラミング言語別求人案件数ランキング

Pythonの将来性

Pythonが得意とする分野であるディープラーニング、自然言語処理、機械学習は、GitHubでも人気のコミュニティであり、現在もコミュニティの規模が拡大し続けています。また、近年は画像・音声認識、機械翻訳といった技術が容易に活用できるようになりました。こうした事情を考慮すると、今後もPythonが使用される機会は増えていくと予想されます。

関連記事:Pythonの将来性は?メリットやJava・Rubyとの比較も解説

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Pythonエンジニアの平均年収

2024年6月時点でレバテックキャリアに掲載されているPython関連の案件から最新30件を抽出し、年収の上限と下限の平均値を基に平均年収を算出しました。Pythonエンジニアの平均年収は約574万円です。

こちらの数値は厚生労働省の運営しているjobtagに記載されたAIエンジニアの平均年収と近いため、概ね適切な値であると言えます。

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Pythonエンジニアのキャリアパス

Pythonエンジニアのキャリアパスは複数あります。代表的な例に、スペシャリスト、ジェネラリスト、マネージャーが挙げられるでしょう。具体的な職種はいろいろありますが、ここでは大枠で解説します。

スペシャリスト

スペシャリストは、特定の分野において高い技術力を持っている人材です。Pythonエンジニアでは、データ分析や機械学習、Web開発など、特定の分野に特化したエキスパートが挙げられます。スペシャリストは高度な技術力を持っており、その分野でのプロジェクトに必要不可欠な存在です。

ジェネラリスト

ジェネラリストは、幅広い分野にわたって技術力を持っている人材です。Pythonエンジニアとしては、機械学習やWeb開発、インフラ構築など、幅広い分野に対応することができます。ジェネラリストは、多岐にわたるプロジェクトに参加することができ、柔軟性が求められる案件において重要な役割を果たす存在です。

マネージャー

マネージャーは、プロジェクトの管理担当者やリーダーシップを持った人材です。プロジェクトのマネジメントやエンジニアチームのマネジメントなど、リーダーシップを発揮することが求められます。

マネージャーはプロジェクト全体を見渡し、各関係者との調整や問題解決など臨機応変に動くことが必要です。

関連記事:
Pythonエンジニアの転職事情を解説!求人数や年収も紹介
Pythonは就職に有利!そのメリットと就職の3ステップ

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Pythonの特徴とメリット

Pythonは1990年に開発された汎用プログラミング言語です。特定のOSや開発環境に依存せず、可読性や開発効率、メンテナンス効率を向上させやすい等のメリットがあることから注目を集めています。以下は、Pythonが持つ特徴を整理したものです。

構文がシンプルで記述量が少ないため学習もしやすい

Pythonの構文は非常にシンプルで、構文規則の数も少ないことで知られています。つまり、プログラマーが覚えることが少なく、習得までのハードルが低いです。Pythonは、次のような基本ルールが謳われています。

・複雑であるよりもシンプルな方が良い
・可能な限り、誰もが理解できる一つの方法を選択する

こうした内容からも、Pythonが「シンプルさ」「可読性の高さ」を重視した言語であることが分かります。

最小限の記述で多くの処理を行える

Pythonは、最小限の記述で複雑な処理を行える「高機能な言語」でもあります。たとえば、ある処理を実装するために他の言語では10行の記述が必要でも、Pythonを使用すれば3行程度にまで短縮可能です。これは、Pythonが持つ標準機能の豊富さに起因しています。

また、標準機能を活用することでテスト工数も圧縮できるため、開発効率の向上につながるのも特徴です。

標準ライブラリが豊富

Pythonは標準ライブラリの豊富さも強みの一つです。一般的なシステム開発で頻繁に用いられる処理に関するライブラリがあり、代表的なところでは「数学関連のライブラリ」「ファイル操作」「並列処理」「ネットワーク処理」などが挙げられます。

こうしたライブラリを活用することで、経験の浅いエンジニアでも高度な処理を実装できます。

外部ライブラリ、フレームワークも豊富

Pythonには、別途インストールして使える外部ライブラリも豊富に用意されています。たとえば機械学習関連の開発で頻繁に使用される「TensorFlow」や「NumPy」は、その代表例です。

また、Webアプリケーション開発では「Django」「Flask」といったフレームワークもよく使用されます。

たとえば、ビッグデータから数式モデルを見出すために用いられる「単回帰分析」は、ごく簡単な事例であっても20行弱の記述が必要です。ここで、外部ライブラリを使用することで、同様の処理を2行程度で実装可能になります。

トレンド言語であり求人数が増えていく可能性がある

Pythonはトレンド言語です。その人気の背景には、データサイエンスや人工知能、機械学習、Web開発など、さまざまな分野で利用される汎用性の高さがあります。

また、Pythonは使いやすく学習しやすいため初学者からベテランまで幅広い層に支持されていること、オープンソースであること、豊富なライブラリやフレームワークが存在することもPythonの人気を下支えしている状況です。

このように、Pythonは今後もますます求人数が増えていく可能性が高く、将来性のあるトレンド言語として注目されています。Pythonを習得することで、さまざまな分野での活躍が期待されるでしょう。

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Pythonを開発で用いるデメリットとは

Pythonは汎用性が高く、多くの開発に利用される言語ですが、開発によってはデメリットがあります。その中でも、高速処理が必要な開発や制約が多く手間がかかる開発には、Pythonが適していないこともあるでしょう。

高速処理が必要な開発ではほかに適した言語がある

Pythonはスクリプト言語なので、処理実行中に1行ずつコンパイルします。機械語に変換しながら処理を進めるということです。処理に時間がかかるため、高速処理が必要な場合にはCやJava、C++などのコンパイル型言語の方が適している場合があります。

ただし、Pythonには高速処理のためのライブラリやフレームワークが存在するので、活用次第で対処可能です。

制約が多く手間がかかる

Pythonはインデントによるブロック表現が必要であるため、文法が制約的であり、正しい書き方を守る必要があります。要するに、改行やタブの入れ方が実行結果に影響するということです。また、Pythonは型が動的に変化するため、バグを引き起こす可能性があります。

処理に応じて変数の方が変わり、またソースコードを見たときにどの型が変数に入るのかわかりにくいということです。そのため、開発においては厳密なチェックが必要で、手間がかかる場合があります。

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Pythonエンジニアへの転職に関するよくある質問

Pythonエンジニアへの転職でよくある質問とその回答をあらかじめ知っておくことで、Pythonを学ぶべきかどうか、どのように転職活動を進めるべきかのヒントになるかもしれません。プログラミング言語は複数あるので、Pythonを選択する理由、本当にPythonを選ぶのが良いのかなどは検討した方が良いでしょう。

Q1. 30代、40代未経験でもPythonエンジニアに転職できる?

ITエンジニア職共通の傾向として、ほかの業界よりも実力主義で評価されることが多いため、年齢による有利・不利はあまりありません。ただしPythonエンジニアについては、プログラマー未経験も受け入れる求人が現状少ないため、まずはPHPやRubyなどのほかの言語で実務経験を積んでからPythonエンジニアを目指すことをおすすめします。

Q2. 未経験可のPython転職案件はどれくらいありますか?

2024年6月現在、レバテックキャリアで公開されているPython求人から「未経験」というキーワードを入れて検索すると、159件でした。ただし求人の多くは「ほかの言語での開発経験はある」という前提が含まれています。

Q3. Pythonの強みを教えてください

Pythonは、データ処理や数値計算能力が高く大量のデータを内部計算して扱いやすい形式に変換可能です。たとえば、データベースのデータを読みやすい行列に計算して変換することや、エクセルのデータから必要なデータだけを抽出して別のアプリにコピーすることなどができます。

Pythonには数値計算やデータ解析のためのライブラリが充実しており、AIの有名ライブラリの多くがPythonで動作していることからも、柔軟なデータ処理と効率的な数値計算に優れている点が強みです。

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まとめ

これからプログラミングを学び始める未経験者の場合にも、レベルに応じた学習サイトを上手に活用すれば、独学でもPythonを学べます。空き時間にスマホで学習できるサービスもあるので、気軽に学習を始められるでしょう。ぜひ、Python学習をスタートしてみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修

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