データベースエンジニアの将来性と主なキャリアパス

最終更新日:2024年7月30日

近年、データベースのパッケージ化が進み、非常に利用しやすくなりました。このデータベースの進化によって、データベースの設計、構築、運用を主な業務とする従来のデータベースエンジニアの需要は減少しつつあります。

しかし、データベースの技術が不要になることはなく、むしろ必要性は高まっています。従来のデータベース技術に加え、データサイエンス、データ分析を活用したコンサルティング、セキュリティなどの関連スキルを取得したエンジニアはより高く評価される傾向です。

この記事では、データベースエンジニアの将来性と主なキャリアパスについて解説します。キャリアパス検討の参考としてください。

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この記事のまとめ

  • データベースエンジニアの仕事内容は、主にデータベースの「設計」「構築」 「保守運用」の3つに分類される
  • データベースの設計、構築、運用を主な業務とする従来のデータベースエンジニアの需要は、減少傾向にある
  • 今後、データベースエンジニアが活躍するには、データサイエンスや、データ分析を活用したコンサルティング、セキュリティなどに関する知識とスキルを身につけると良い
  • データベースに関するスキルとほかのスキルをあわせて身につけると、幅広いキャリアパスからキャリアを選ぶ際に役立つ

データベースエンジニアとは

データベースエンジニアとは、データベースの設計や構築、運用、保守を主な業務とするエンジニアです。システム開発中はデータベースの設計や構築を担当することが多く、システムリリース後は、データベースの運用や障害対応などの業務に携わります。またデータの流出やデータベースへの不正アクセスを防ぐ、セキュリティ対策業務を担うこともあります。

データベースを専門に扱うデータベースエンジニアは、国内では少ないといわれています。ビッグデータにも対応できるデータベースエンジニアの需要は、今後ますます高まることでしょう。

データベースエンジニアの仕事内容

データベースエンジニアの仕事内容は、ITシステムやソフトウェアで利用するデータベースの設計や構築、保守・運用、管理、セキュリティ対策などです。大きくは作業工程により「設計」「構築」「
保守運用」に分類されます。具体的にどういった作業をするのか、各工程ごとに紹介します。データベースエンジニアとして活躍するイメージを描く際にお役立てください。

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設計

データベースエンジニアの仕事内容の一つとして、データベースの設計があります。設計では、システムの要件を読み解き、必要なデータを見つけ出します。次にそのデータを、具体的にどのような形式で格納するかを検討します。その後、データの冗長性をなくすなど、テーブルの正規化をします。この流れを「テーブルの設計」と呼びます。この工程はシステム開発では、欠かせないものです。

また、それ以外にもデータベース製品の選定や利用するユーザーの作成、データの格納領域の設定、データベース管理のための設定、チューニングなどミドルウェア上の設計も行うことがあります。インフラ領域とも近く、大規模なデータベースを活用するプロジェクトなどでは、重要視される業務です。

データの活用が進み、企業にとってデータそのものの重要性が高まっています。これらのデータが、トラブルが発生しても失われないよう冗長性の確保やバックアップについても設計を行います。

構築

データベースエンジニアの仕事内容の一つとして、データベースの構築があります。データベースの構築には、「Microsoft SQL Server」や「Oracle Database」「My SQL」などのデータベース製品(ミドルウェア)を利用したり、クラウド上のデータベース関連サービスを利用します。これらデータベースの特性を理解して、システム要件に対して最適なデータベースを選ぶことも、データベースエンジニアの仕事です。

先に設計したテーブルと呼ばれるデータ格納のための器などのデータベースオブジェクトを作成することで、データベースが利用可能な状態となります。また商品の情報などの事前に準備ができるデータについては、登録しておくことも構築業務に含まれます。

保守運用

データベースエンジニアの仕事内容の一つとして、データベースの保守運用があります。開発したデータベースが円滑に動作するように、サーバーの効率化や最適化を行います。またデータベースに対し、アクセス権の管理やバックアップをして運用をしていきます。

データベースを利用したシステムやソフトウェアにおいてトラブルが発生した場合には、データベース上で行われた処理を追跡し、原因の特定を行うことも必要です。データの追加登録や変更などのメンテナンス作業を担う場合もあります。

ほかにも保守運用の大切な業務には、データバックアップ時の保守業務やデータベースの障害発生時の調査・対応などもあります。

データエンジニアとの違い

データベースエンジニアは、データベース全体に関わる職種で、データエンジニアはその業務のなかでも分析に特化しているエンジニアとなります。データエンジニアは収集したデータを分析するデータサイエンス領域、データの解析に利用するAIや機械学習とも深く関わります。

データベースエンジニアの将来性

データベースエンジニアの需要は、ディープラーニングや機械学習などAI関連技術の発達にともない、高まっています。データベースはあらゆるITシステムのバックエンドに存在しているため、クラウドやAI、ビッグデータ、DXなどの技術が今後さらに進んでも消滅することはないでしょう。重要性の高まるビッグデータを管理できるような、大規模データベースの設計・開発ができるデータベースエンジニアの将来性は高いといえます。

データベースの設計・構築を専門とするデータベースエンジニアは、DBの設計、構築が発生する大規模プロジェクトなどで、今後も需要が続くことが予測されます。優れたスキルを持つデータベースエンジニアならば、将来もデータベースエンジニアとして生き残ることでしょう。

その一方で、データベースの運用保守・管理を専門的な仕事とする従来からのデータベースエンジニアの求人は減少傾向にあります。このようなデータベースエンジニアは、自身が持つデータベースの知識やスキルに加えて、周辺のITスキル・知識を身につけることが重要です。それによりデータベースエンジニアとしての需要に応えることができます。

データベースエンジニアの現在の需要

2024年4月12日時点で、レバテックキャリアにてデータベースエンジニア職の求人を検索すると、228件の転職・求人情報が該当します。データベースの技術を持ったスペシャリストに対して、一定の需要が存在しているといえます。

プロジェクトマネージャー(PM)やプロジェクトリーダー(PL)のポジションや上流工程に対応できるデータベースエンジニアを求める企業が多い傾向です。また大規模データを扱うシステム、データの抽出と分析スキルなど高い技術力も求められています。

データベースエンジニアの求人・転職情報>

今後データベースエンジニアが活躍できる分野

今後データベースエンジニアが活躍できる分野について紹介します。

データベースエンジニアが今後活躍できる分野は広い範囲に及びます。データベースソフトメーカーやSIerでは、データベース構築やデータサイエンス基盤の構築に携わることができます。また、非IT系の一般企業でも、データベースの運用や管理を担当することで、高い付加価値を提供することが可能です。

データベースソフトメーカーでソフトウェア開発に携わる

データベースソフトウェアは、代表的なものではOracleSQL ServerPostgreSQLMySQLなどがあります。また、AWS、Google Cloud、Microsoft Azureといったクラウドサービス上でもデータベースサービスが提供され、利用が広まっています。

データベースソフトウェアはITシステムに使われており、機能の修正や改善などのためにアップデートし続けなければなりません。

データベースソフトメーカーは、自社のソフトウェア開発者として、高度なデータベーススキルを持つエンジニアを求めています。そのため、データベースソフトメーカーはデータベースエンジニアが活躍できる企業の一つです。

データベースソフトウェアの開発では、データベースの設計、構築の経験やデータベースの構造に関する高度な知識などを活かすことができます。

SIerでデータベース構築に携わる

近年はデータベースのパッケージ製品化が進んでいます。それでも大規模なシステム開発では、データベースの性能や効率を高めるといった細かなニーズに応えるため、データベースの設計・構築を行う案件も多くあります。

大手SIerでは、金融系や官公庁系などの大規模システム案件を扱うことが多くあります。そのため、SIerはデータベースエンジニアが活躍できる場所といえるでしょう。また大規模なシステム開発では、チームを組んで業務を進めることもあり、プロジェクトマネジメントスキルが必要になります。

SIerでデータサイエンス基盤の構築に携わる

SIerをはじめITベンチャーなどの企業は、データサイエンス基盤の構築を担っています。データサイエンス基盤は、IoTやWebシステムなどの外部のシステムからデータを収集、蓄積して、整理、分析するための仕組みです。

データベースは、ビッグデータやAIによる機械学習にも利用されています。データサイエンス基盤の構築をするSIerやITベンチャーなどでは、データベースエンジニアが活躍できることでしょう。

非IT系企業、組織でデータベースの運用や管理を担当する

非IT系企業や官公庁などの組織の情報システム部門のエンジニアとして、データベースの運用や管理を担当することもデータベースエンジニアが活躍する選択肢といえます。

一般企業などの情報システム部門では、データベース専門のエンジニアというポジションは少ないです。しかし、データベースエンジニアとしてのスキルを活かしてシステムの運用、管理を効率的に行うことで、付加価値があるエンジニアとして活躍が期待できます。

データベースエンジニアの幅広いキャリアパス

データベースエンジニアのキャリアパス


データベースエンジニアとしての経験、スキルはさまざまなエンジニア職種で活かすことが可能です。このため、データベースエンジニアから幅広いキャリアパスが想定できます。データベースエンジニアとして得た知識とスキルを活かすことができる、将来性の高いキャリアパスについて紹介します。今後、どのような人材に成長していきたいか考えるための参考にしてください。

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プロジェクトマネージャー

システム開発現場の経験が豊富なデータベースエンジニアは、プロジェクトの責任者であるプロジェクトマネージャーがキャリアパスの一つになります。プロジェクトマネージャーを目指すには、プロジェクトリーダーとしての成果を積み上げることがステップとなります。

また、プロジェクトの計画から設計、開発、リリースといった各工程の業務を熟知して、プロジェクトマネジメントスキルを身につけることも重要です。さらにはプロジェクトマネージャーには、ビジネスとしてシステム開発を考える経営的視点も必要になります。

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データベースコンサルタント

データベースエンジニアとしての経験と知識を活かして、データベースコンサルタントを目指すキャリアパスもあります。

データベースコンサルタントは、データベースのスペシャリストの中でも、上位の職種とされています。データベースコンサルタントの仕事は、データベースの導入から運用までを提案することなどです。そのため、データベースソフトウェアに関する知見、データベース運用の経験、クラウド環境を利用したデータベースの活用などの知識が必要になります。

高度な知識とスキルが要求されるデータベースコンサルタントへの転職は、競争率が厳しいと予測されます。

データサイエンティスト

データサイエンティストも、データベースエンジニアのキャリアパスの一つです。データサイエンティストは、データの収集、整理、分析により有用なデータを見つけ出し、企業の経営戦略などを提案する職種です。データサイエンティストには、データ基盤を構築するスキル、ビッグデータに関するスキル、データ分析スキル、ビジネスでのデータ活用を行うスキルなどが必要です。

そのため、データベースエンジニアとして得た知識とスキルに加えて、さらなるスキル、知識の習得が必要になります。データサイエンティストは、将来性の高いデータベースに関わる職種といえるでしょう。

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データアナリスト

データアナリストはデータの分析や分析結果からビジネスの観点で提案を行う職種です。データアナリストの中でもコンサルティングに力を入れているデータアナリストもいれば、エンジニアに近い開発業務に力を入れているデータアナリストもいます。いずれの場合もデータベースエンジニアとしてのスキルがデータアナリストの仕事に活かされるでしょう。

インフラエンジニア

サーバーやネットワーク、クラウドサービスなどを用いて、IT・デジタル基盤の設計、構築、運用保守を行うことがインフラエンジニアの仕事です。インフラエンジニアとデータベースエンジニアはもともと業務範囲が重なっており、データベースエンジニアにとってはスキルの活かしやすいキャリアパスとなります。

データベースを含むミドルウェアのサーバーへのインストールやセットアップは、インフラエンジニアの業務に含まれることが多いです。データベース利用時にはネットワークやサーバーに対する知識は欠かせません。また、クラウドサービスを使ってインフラを構築するケースが増えており、クラウドサービスのデータベース利用スキルはインフラエンジニアの業務でも歓迎されます。

インフラの構築は今後も需要が見込まれており、将来性もある選択肢といえそうです。

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セキュリティエンジニア・コンサルタント

データベースに格納するデータは企業や組織にとって高い価値を持ちます。このため、データの取り扱いではセキュリティ対策が重要視されてきました。セキュリティに関する知識とスキルを持っているデータベースエンジニアの場合には、セキュリティエンジニアやセキュリティコンサルタントは有望な選択肢となります。

セキュリティに関する領域のエンジニアは今後も需要が高いと予測されており、高い年収が望めることも、キャリアパス選択の上で大きなポイントです。

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クラウドエンジニア

ITインフラ構築において、クラウドの活用はますます進んでいます。従来はセキュリティ上の理由などにより、データの格納先としてクラウドは避けられることもありました。セキュリティの向上などにより信頼性が高まり、クラウド上のデータベースサービスの活用へのハードルは下がっているようです。

クラウド上のデータベースサービスを用いたデータベース構築への需要があるため、データベースエンジニアからクラウドエンジニアもキャリアパスの一つとなります。データベースサービスに詳しい場合やクラウドへの移行のノウハウを持っている場合には、より有望な選択肢となります。

関連記事:クラウドエンジニアの需要が高い理由を解説!将来性や年収も紹介

フリーランス

近年はフリーランスで働くデータベースエンジニアも増えています。フリーランスではスキルや実績次第では、収入の増加が期待できます。その反面、案件が獲得できないと収入が下がるリスクもあります。また確定申告などの業務を全て自分で行う必要があったり、会社員にはない苦労もあるでしょう。

フリーランス専門のエージェントサイトに登録することで、案件の獲得が効率的になります。営業の手間が少なくなり、自分に合った仕事を紹介してくれるためです。

今後のデータベースエンジニアに求められるスキル・知識

データベースの設計・構築、運用・保守、管理を主な業務とする、従来のデータベースエンジニアの需要は減少傾向です。しかしデータベースエンジニアの将来性がないということではありません。

近年注目されているデータサイエンスやデータ分析、セキュリティの知識やスキルを身につけることで、市場価値を大きく高めることが可能です。クラウドのデータベースサービスや各種データベース製品に関する知識、プログラミングスキルなどもエンジニアの価値を高めるために役立ちます。

データサイエンススキル

企業は、自社内に蓄積されているさまざまなデータ(購買履歴や顧客情報など)を収集・分析して、新規サービスの立案や既存サービスを行います。その際に役立つのが、データサイエンススキルです。

データサイエンススキルは、必要なビジネス企画スキルや統計学の知識などに関するデータサイエンティスト向けの講座や書籍から習得可能です。

経営課題に対するデータ分析を活用したコンサルティングスキル

ビジネス環境の変化で経営者がシステム部門に求める役割も変わっています。従来のシステム部門はシステムの設計から開発や運用を行い、業務の効率化を推進することが主な業務でした。しかしクラウドの時代になり、システムの調達や運用の労力が低くなりつつあります。

近年の企業では、IT技術を用いたDXの推進が課題となっています。システム部門のメンバーには、IT技術と業務を組み合わせて、新たな価値を生み出すことが求められます。今後、データ分析をベースとした企画や改善提案などが、システム部門の業務として加わることでしょう。データを有効に活用し、ビジネスに生かすための企画や方策を立てるスキルがあれば、コンサルティング方面の業務にもつながります。

セキュリティに関する知識とスキル

近年、サイバー攻撃の頻度は高まりその手段も増えており、企業はセキュリティを高めようとする動きがあります。そのため、データベースエンジニアには、セキュリティ対策の知識とスキルが必要です。またデータの暗号化やSQLインジェクション、セキュリティ性を担保するためのプログラミング技術の知識も必要になります。

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未経験からデータベースエンジニアを目指す方法とは?

クラウドの知識・スキル

今後、データベースエンジニアにとって、クラウドについての知識は必須になるでしょう。

多くの企業がデータベースのクラウド上への移行を進めています。今後はクラウドで動くデータベースが主流になるため、クラウド環境でのデータベース設計・開発に関するスキルが必要とされます。運用面でもクラウドサービスのモニタリングやセキュリティ対策に関する知識が必要になることが予想されます。

データベースエンジニアは、クラウド上のデータベース開発や運用をリードすることが求められるようになるでしょう。

データベース製品に関する知識

データベース製品の知識は、データベースエンジニアが身につけておくべき知識の一つです。主な業務がデータベースの設計・開発・運用であり、データベース製品に関する知識は避けては通れません。

データベース製品には、Oracle、MySQL、Microsoft SQL Server、PostgreSQLなど多数の種類がありますが、それぞれに特徴や機能があります。さらには各種クラウドのデータベースサービスも今後は選択肢に入ってきます。エンジニアはその特徴を理解して、データベースの最適な選択や最適化などを行う必要があります。

新製品の情報や既存製品の新機能などの最新情報を常に収集し、知識をアップデートすることが重要です。

プログラミングスキル

プログラミングスキルはデータベースエンジニアにとっても有用なスキルです。

データベースはITシステムやソフトウェアから利用することがメインの用途であり、ITシステムやソフトウェアはプログラムから構成されています。プログラムの中からデータベースへのアクセスがどのように行われているか理解を深めることで、データベースの設計や構築における品質向上が見込めます。

また、データサイエンス分野を視野に入れている場合には、よく利用されるプログラミング言語であるPythonやR言語の習得が役立ちます。データの分析に適したライブラリなどが備えられているため、データ活用に有用です。

LinuxにおけるShellやWindowsのバッチ(コマンドラインスクリプト)の作成スキルはデータベースエンジニアの作業効率を高めることが可能です。データベースエンジニアにとっても直接的にメリットのあるプログラミングスキルとなります。

データベースエンジニアの転職に役立つ資格

データベースエンジニアとしてのスキルアップや転職において、資格取得は非常に有利に働きます。

以下では、データベースエンジニアの転職に役立つ資格として、データベーススペシャリスト試験、オラクルマスター、OSS-DBなどを紹介します。データベーススペシャリスト試験は国家試験、オラクルマスターはベンダー資格、OSS-DBは非営利活動法人が主催している民間資格です。

関連記事:データベースエンジニアが取るべき資格10選!難易度・コストを解説

データベーススペシャリスト試験

データベーススペシャリスト試験は、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が実施している国家資格試験です。この資格を取得することで、データベースの設計や開発、管理や運用に関する高いスキルがあることを証明できます。

国内のIT業界では知名度が高く、評価にもつながりやすい資格です。ただし、2023年度のデータベーススペシャリスト試験の合格率は18.5%であり、難易度の高い試験といえます。

データベーススペシャリスト試験は、10月の第2日曜日が実施予定日です。試験は「午前Ⅰ」「午前Ⅱ」「午後Ⅰ」「午後Ⅱ」の4つに分かれています。

OTRACLE MASER

OTRACLE MASERは、オラクル社が提供しているベンダー資格です。この資格を取得することで、データベースのスペシャリストとして必要な知識とスキルを体系的に学べます。オラクルマスターの認定資格はレベル別に「Bronze」「Silver」「Gold」「Platinum」に分類されています。

OSS-DB

OSS-DBは、特定非営利活動法人エルピーアイジャパン(LPI-Japan)が主催する、オープンソースデータベース(OSS-DB)に関する技術力と知識を認定する民間資格です。この資格を取得することで、システム設計・開発・運用に関するスキルを持つエンジニアであることをアピールできます。

オープンソースのデータベースであるProgateSQLに、特化した試験であることも特徴です。業務でProgateSQLを扱うデータベースエンジニアの方は、取得すると良いでしょう。

OSS-DBは、レベル別にSilverとGoldの2つのランクがあります。IT業界未経験者であればSilverを、3年程度の実務経験があるデータベースエンジニアならば、Goldを受験することがおすすめです。

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験はIPAが実施し、経済産業省が認定する国家資格試験です。ITエンジニアのエントリレベルに向けた資格で、ハードウェア、ソフトウェア、プログラミング、システム開発、プロジェクトマネジメントなど幅広い試験範囲からITに関する基礎知識を示すことができます。

データベースエンジニアにとっては、データベース周辺に関する一定の知識を持つことを示せます。

応用情報技術者試験

応用情報技術者試験もIPAが実施し、経済産業省が認定する国家資格試験です。基本情報技術者よりも1ステップ上の応用レベルの技術者向けの資格に位置づけられています。

データベースエンジニアが応用情報技術者の資格を持っている場合には、ソフトウェア開発などについても一定のスキルを持つことが示せるため、より活躍の場を広げることが可能です。

Microsoft 認定: Azure Database Administrator Associate

Microsoft 認定: Azure Database Administrator Associateはマイクロソフト社によるベンダー資格です。マイクロソフト社のクラウドサービスAzureに関する認定の一つであり、オンプレミスのSQL Server、Azure SQLサービスに関する知識が求められます。

オンプレミスのSQL ServerからAzure SQLサービスへの移行までが対象とされており、データベースエンジニアにとってはSQL Server、Azure SQLサービス、クラウドへの移行と幅広いスキルと知識を示すことができます。特にSQL Serverからクラウドへの移行を検討している現場では役立つでしょう。

データベースエンジニアの平均年収

2024年4月13日時点で、レバテックキャリアに登録されているデータベースエンジニアの求人・転職情報から30件を抽出し、年収の最小値と最大値の中間値の平均を算出すると、データベースエンジニアの年収は約640万円と試算できました。

これらの求人・転職情報では、高年収につながる条件として、上流工程のスキルやデータ分析のスキル、マネジメントスキル、クラウドデータベース構築スキルなどが求められることに注意が必要です。今後もデータベースエンジニアとして、将来性のある仕事を続けるには、付加価値のあるスキルを身につけることが重要です。

データベースエンジニアの求人・転職情報>

データベースエンジニアの求人例

レバテックキャリアで扱っている、データベースエンジニアの求人例を紹介します。

【業界】
不動産

【想定年収】
600〜700万円

【業務内容】
基幹システムのDBエンジニアを担当。オンプレミスとクラウド併用環境です。
・DB監視システムの設計、導入、運用業務
・DBリソース管理
・システムエラー、DBリソースの枯渇などのトラブルへの対応
・運用業務の効率化とそれに関するツール開発

【必要なスキル・経験】
・データベース構築、運用経験
・データベースを利用したソフトウェア開発経験
・DB(MS SQLserver、MySQL、PostgreSQL、Oracle)を利用した業務経験5年以上

【勤務地】
東京

データベースエンジニアに関するよくある質問

データベースエンジニアに関するよくある質問と回答をまとめました。特にデータベースエンジニアの将来性、年収などがよく上がる質問です。疑問を抱いたまま転職活動をしても、うまくいかなかったり、入社できても理想と違っていたりするなど、良い状況はつくれません。自分自身が疑問に思っていることに近い質問があれば、ぜひ参考にしてみてください。

Q1. データベースエンジニアの平均年収はいくらですか?

レバテックキャリアの求人情報を元に試算したデータベースエンジニアの年収は約640万円です。

上流工程のスキルやデータ分析のスキル、マネジメントのスキル、クラウドでのデータベース構築スキルなどが求められる案件が高い年収につながる傾向にあります。

Q2. SQLエンジニアに将来性はありますか?

SQL言語を使用してシステム開発におけるデータベース操作部分を担うため、将来性のある仕事といえます。SQLエンジニアは、データベース操作のスキルを磨くことで、データベースエンジニアやデータサイエンティストなどの職種へのキャリアアップが可能という面でも将来性が高いです。

Q3. データベースエンジニアに向いている人は?

データベースには、整合性がとれた設計が求められます。このため、論理的思考が得意で、細部までこだわって物事を考えられる人が向いています。

また、データベースはソフトウェアなどから利用されることが前提です。多くの関係者と齟齬の無い認識を作る必要があるため、コミュニケーションに長けた人も向いています。

まとめ

この記事では、データベースエンジニアの将来性と主なキャリアパスについて解説しました。データベースの設計、構築および運用を主な業務とする従来のデータベースエンジニアの需要は、減少傾向にあります。

今後、データベースエンジニアが活躍するには、データサイエンス、データ分析を活用したコンサルティングスキル、セキュリティに関する知識とスキルなどを取得すると良いでしょう

データベースエンジニアとして将来も活躍したい方は、この記事を参考にスキルを磨くことをおすすめします。

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この記事の監修

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