セキュリティエンジニアへの転職を成功させる方法|年収や求人例も紹介

最終更新日:2024年3月5日

企業や組織にとって情報セキュリティ対策は重要な経営課題の一つとして挙げられます。

この背景には、インターネットの一般化やスマートフォンの普及に伴って、セキュリティインシデントが発生していることがあります。また、情報の価値が高まり広く一般ユーザーにもその重要性が認識されたことも大きく影響しているでしょう。

セキュリティ対策の重要性が増す中で、多くの企業でセキュリティ人材の需要が高まっています。
セキュリティエンジニアは、現状のセキュリティ対策状況の診断を行い、IT技術によるセキュリティの確保、企業内での情報セキュリティに対する体制やルール作り、従業員へのセキュリティ教育などを行う、企業の求めるセキュリティ人材そのものにあたります。

「セキュリティエンジニアを目指したい」と考える人や、「セキュリティエンジニアになるにはどうしたらよいか」と疑問をもつ人もいるのではないでしょうか。この記事では、セキュリティエンジニアの仕事内容、需要や将来性、年収、求められるスキルなどについて解説します。

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この記事のまとめ

  • セキュリティエンジニアに転職するのは、他分野からのエンジニアであればインフラ、ネットワークなどの分野の専門知識を身につければ可能。一方で未経験からの転職は非常に難しい
  • セキュリティエンジニアへの転職を成功させるためにはITスキルに加えて法律の知識や資格取得などが有効
  • セキュリティエンジニアの中には、担当する業務領域によってコンサル領域と技術領域の2つが存在するため、自分の希望する業務内容がどちらに該当するのかを意識して転職活動をすることが必要

未経験からのセキュリティエンジニアへの転職は難しいのが実情

IT未経験からセキュリティエンジニアへの転職は非常に困難です。なぜなら、セキュリティエンジニアは、高度かつ多様な知識・技術が求められるためです。

例えば、サイバー攻撃に対抗するためのネットワークセキュリティの知識や、アプリケーションの脆弱性を防ぐための知識、OSやミドルウェアの脆弱性対策のためのインフラ技術などが求められます。

そのため、セキュリティエンジニアになるまえにこれらの経験を積み、必要なスキルを身につけることから始めると良いでしょう。

セキュリティエンジニアに転職する方法

セキュリティエンジニアは、企業や組織のIT資産やデータを守るエンジニア職種です。インフラ、ネットワークやデータベース、プログラミングなどに関する知識をもち、システムやアプリケーションのセキュリティを確保します。また、技術面以外にも組織の中でのセキュリティ体制の構築、遵守すべきルールの策定、セキュリティに関する教育なども行います。

幅広い知識が必要になるので、エンジニア未経験の方が転職するのは不可能とはいえませんが、他分野のエンジニアに転職する場合と比べて転職するのが難しい職種といえます。エンジニア未経験からセキュリティエンジニアを目指す場合は、他分野のエンジニアを経てセキュリティエンジニアに転職することが近道になるかもしれません。

他分野のエンジニア経験がある方は、次章で解説する知識やスキルの中で足りないものを補うことで、セキュリティエンジニアに転職しやすくなります。

他分野のエンジニアから転職する場合

ほかのエンジニア分野から転職を行う場合は、セキュリティ対策やサイバー攻撃に関する知識を得ることで転職することが可能です。特に、ITインフラについて詳しいネットワークエンジニアやインフラエンジニアは、比較的転職がしやすいといえるでしょう。

プログラマーなどITインフラに深く関わらない職種では、セキュリティの知識に加えサーバーやネットワークについてある程度知識を深めておくことをおすすめします。

エンジニア未経験から転職する場合

前述のとおり、エンジニア未経験からセキュリティエンジニアを目指すのは非常に困難といえます。
そのため、以下のスキルを身につけることから始めるとよいでしょう。

情報セキュリティマネジメント 組織内の情報セキュリティ、コンプライアンスの策定および分析を行うための知識
OSセキュリティ OSの脆弱性の調査、セキュリティ対策を行うための知識
ネットワークセキュリティ DDoS攻撃をはじめとした外部ネットワークからの攻撃、盗聴や改ざんを防止するためのネットワーク設計や構築を行うための知識
アプリケーションセキュリティ アプリケーションの脆弱性を突く攻撃に対する対策。SQLインジェクションやバッファオーバーフローなどの攻撃に対応するための知識
ファイアウォール 外部からの不正アクセスに対する対策。ファイアウォールやWAF、アンチウイルス、UTMなどの知識
侵入検知システム 万が一不正アクセスや悪意のある攻撃がなされた場合に、検知および対応するためのスキル。IDS/IPSに関する知識

これらのスキルを身につけるために、さまざまな職種で経験を積むことも有効です。

なお、未経験からセキュリティエンジニアへの転職について詳しく知りたい方は、以下の記事も御覧ください。

関連記事:未経験からセキュリティエンジニアに転職する方法

セキュリティエンジニアへの転職を成功させるには

セキュリティエンジニアには、主に次のような知識やスキルが求められます。


  • ・セキュリティ対策に応用するためのITの知識やスキル

    ・セキュリティに関連する法律の知識

    ・セキュリティに関する規格


これらの知識やスキルを取得することで、セキュリティエンジニアとして活躍できることが見込まれ、結果的にセキュリティエンジニアに転職しやすくなるでしょう。ここでは、それぞれ具体的にどのような知識やスキルが必要なのか、解説します。

セキュリティエンジニアになるために必要なスキルについては、以下の記事でも解説しています。そちらも御覧ください。

関連記事:
セキュリティエンジニアになるには?必要なスキルや知識も紹介
セキュリティエンジニアの仕事内容とは?分野別に必要なスキルや資格も解説

ITの知識やスキルを取得する

セキュリティエンジニアに必要となるITに関する知識やスキルには、下記があげられます。


  • ・セキュリティ対策に関する知識やスキル

    ・ネットワークに関する知識やスキル

    ・データベースに関する知識やスキル

    ・プログラミングに関する知識やスキル


セキュリティエンジニアはセキュリティインシデントを回避するという重要な役割を担います。そのため、これらの知識を単に知っているというレベルではなく、セキュリティ対策に応用できることが求められるでしょう。

セキュリティ対策に関する知識やスキル

セキュリティエンジニアは、システムやアプリケーションの企画から設計、実装、テスト、運用まで携わることがあります。設計から運用までの各フェーズでセキュリティ対策の知識を活用することになります。たとえば、認証やアクセス制御、暗号化、ログ管理、セッション管理などのセキュリティ機能に関する知識は、セキュリティエンジニアがシステムやアプリケーションの設計に携わる場合に必要になるでしょう。

ネットワークに関する知識やスキル

ネットワークは外部との接続口です。インターネットや組織間の連携のために必要不可欠ですが、サイバー攻撃の脅威にさらされるリスクもあります。このため、重点的にセキュリティ対策が必要となります。

より具体的には、DNSやHTTPなどのプロトコルの仕組みやネットワークを利用するWebやメールの仕組みを理解する必要があります。そのうえで、どのようなネットワークセキュリティ対策の構築が必要かを判断できることが求められます。

さらに、ネットワークセキュリティ対策には、ファイアウォールやVPN、IDS(侵入検知システム)、IPS(侵入防御システム)などの技術があります。これらの技術を適切に組み合わせ、ネットワーク全体を守るセキュリティインフラを構築することが重要です。

また、セキュリティの観点から、ネットワークの構築や運用においては、セキュリティポリシーやアクセス制御の設定、ログの収集と解析、定期的なセキュリティアセスメントなどが必要です。これらの取り組みにより、ネットワーク上の機密情報や重要なデータを守り、セキュリティリスクを最小限に抑えることができます。

データベースに関する知識やスキル

企業や組織にとってデータは高い価値のある資産です。また、機密情報や個人情報の重要性は広く浸透しており、データの保有は価値ある資産と同時にリスクも持つこととなります。これらのデータは、データベースに格納することが一般的です。重要な情報を守るため、データベースのセキュリティを強固にする必要があります。

セキュリティエンジニアは、データベース上のデータも守ることが業務に含まれており、アクセス制御や監査、暗号化などを行うためのデータベースの知識が必要になります。SQLでデータベースを操作できるだけでなく、データベースの設計や管理について知っておくとよいでしょう。

プログラミングに関する知識やスキル

ソフトウェア開発において、脆弱性を実装段階から作り込まないことが求められます。セキュリティエンジニアがプログラミングを行ったり、セキュリティの観点からプログラマーに指示を出したりして、脆弱性の少ないソフトウェアを開発するのです。そこでは、プログラミングの知識やスキルが前提になるでしょう。

セキュリティエンジニアが知っておくべきプログラミング言語とセキュアプログラミングについては、以下の記事でも詳しく解説しています。気になる方はそちらも合わせて御覧ください。

関連記事:セキュリティエンジニアに求められるプログラミングスキルとは

法律の知識を習得する

セキュリティエンジニアは、システムやアプリケーションの企画に携わることがあります。法令遵守のために、個人情報保護法や電子署名認証法などの法律に沿うように企画する必要があります。ただし、法律の理解には専門知識が必要となるため、現実的には会社の法務部や顧問弁護士などの法律の専門家から助言を得ることが必要となるでしょう。

コミュニケーションスキルを磨く

セキュリティ施策を施すためには、多くの関係者とコミュニケーションを取らなければいけません。セキュリティ課題や要望を聞くためにはクライアントと、例えば情報システムにセキュリティ機能を実装するにはシステムエンジニアやプログラマーとのコミュニケーションが必要です。また、システム利用者にコンプライアンスを遵守してもらうためにも、コミュニケーションは欠かせません。

このように、セキュリティエンジニアは多くの人々とコミュニケーションを取らないといけないため、コミュニケーションを磨くことが重要です。

資格を取得する

セキュリティエンジニアに転職するには、経験や知識を求められます。このとき資格を取得しておくと、一定のスキルがあることをアピールできるため、転職に有効です。セキュリティエンジニアになるために有効な資格を紹介します。

また、紹介した資格の内容をはじめ、セキュリティエンジニアに必要な知識を効果的に得るための方法について、以下の記事で詳しく解説しています。そちらも合わせて御覧ください。

関連記事:セキュリティエンジニアになるための効果的な勉強方法

シスコ技術者認定

シスコ技術者認定資格は、ネットワーク機器で高いシェアを誇るシスコシステムズ社が運営・認定するベンダー資格です。主にネットワーク関連の資格が多いですが、セキュリティの資格もラインナップされています。

具体的には、セキュリティ運用の初級者向けの「CyberOps Associate」、中級者向けの「CyberOps Professional」、セキュリティ構築を行うエンジニア中級者向けの「CCNP Security」、上級者向けの「CCIE Security」の4つがあります。(2023年5月13日時点)そのため、自分のスキルレベルや担当している業務内容に合わせて取得する資格を選択することが可能です。

ネットワークとセキュリティは密接に関連するため、シスコ技術者認定資格で両方を取得すると、より評価が高まります。

情報処理安全確保支援士

情報処理安全確保支援士は、情報処理推進機構(IPA)が実施する国家資格の1つです。試験に合格して手続きを行うことで、国家資格「情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)」の資格保持者となります。

情報セキュリティマネジメントに関する業務のほか、情報システムの設計・構築・運用に関してセキュリティ確保の業務、セキュリティインシデントの管理などについて問われます。セキュリティエンジニアとしてはぜひ取得しておきたい資格です。

情報セキュリティマネジメント

情報セキュリティマネジメントは、情報処理安全確保支援士と同様、情報処理推進機構(IPA)が実施する国家資格の1つです。ただし、情報処理安全確保支援士は情報システム開発におけるセキュリティ確保を行う人を対象とするのに対し、情報セキュリティマネジメントは情報システムを利用する立場から適切にセキュリティを確保する人を対象としています。

情報セキュリティを維持するために、情報資産の管理におけるセキュリティ対策、リスクアセスメントの管理、システム利用部門に対するコンプライアンスの徹底について問われます。

CompTIA Security+

CompTIA Security+は、グローバルなIT業界団体CompTIAによるセキュリティプロフェッショナル向けの認定資格です。ベンダーニュートラルかつ実践的なスキルが問われる認定資格であり、海外でも通用する資格の一つです。

CompTIAでは、本資格以外にもセキュリティエンジニアに役立つ資格を提供しているため、合わせて検討してみてください。

『CASP』
セキュリティアーキテクト、上級セキュリティエンジニア向け

『CompTIA CySA+』
セキュリティ監視を行うエンジニア向け

『CompTIA PenTest+』
ペネトレーションテストのスキル認定

公認情報セキュリティマネージャ(CISM)

公認情報セキュリティマネージャ(CISM)はISACA(情報システムコントロール協会)が運営・認定する国際資格です。世界的にも評価が高く、skillsoft社が毎年公表しているIT資格別の年収ランキング2024年版(THE 20 TOP-PAYING IT CERTIFICATIONS GOING INTO 2024)において、5位にランクインしています。

5年以上情報セキュリティ管理業務を経験した人を対象としており、セキュリティコンサルタントや、セキュリティマネージャを想定した試験内容となっています。価値が高い分、難易度も非常に高いです。

情報セキュリティ管理士認定試験

情報セキュリティ管理士認定試験は、情報セキュリティの専門知識を証明するための資格試験の一つです。この試験は、情報セキュリティの管理と実践に関する幅広い知識を持つ管理職・リーダーとしての知識を有することを認定します。

2005年に「情報セキュリティ検定試験」として実施されましたが、2011年に「情報セキュリティ管理士認定試験」と「情報セキュリティ初級認定試験」の2種類に分かれて実施されています。情報セキュリティ管理士認定試験は年4回実施され、会場およびオンラインで受験できます。合格率は約50%で、セキュリティ分野の資格としては比較的難易度は低いです。

転職エージェントを活用する

セキュリティ業務は幅が広く、コンサルタントの立場をとるものもあれば、システム利用者の立場からセキュリティ業務を行うなど、多岐に渡ります。そのため、転職したものの想定していたものとは異なる業務に就くことも少なくありません。

そのようなミスマッチを減らすには、転職エージェントの活用がおすすめです。転職エージェントは無料で活用できるだけでなく、希望にあった求人を紹介してもらえます。また、履歴書や職務経歴書などの資料の添削、転職のアドバイスも受けられます。転職活動に不安を感じる方は、転職エージェントの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

セキュリティエンジニアの需要と将来性

一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)による調査「平成30年度サイバーセキュリティ経済基盤構築事業(企業におけるサイバーセキュリティ体制の構築及び戦略マネジメント層の育成に関する実態調査)」P.22でも、セキュリティ人材の不足が課題とされています。特にセキュリティに関するマネジメント、実務に関する人材の不足が最も大きなポイントに挙げられています。

また独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の発表したDX白書2023 P.160によると、国内の企業の多くがセキュリティ人材に対し、質・量的な不足を感じています。2022年のアンケート調査では、デジタル事業に対応する人材としてプログラマー/エンジニアが挙げられており、セキュリティを担う人材もこちらに含まれています。また、このデジタル事業に対応する人材に対し、企業は83.5%が量的な不足、86.1%が質的な不足を感じていると回答しました。

さらには、総務省が2018年に発表した「我が国のサイバーセキュリティ人材の現状について」P.1によると、日本のサイバーセキュリティ人材の現状として2020年に情報セキュリティ人材が19.3万人不足すると推計されています。

これらの結果からセキュリティエンジニアの供給は不足しており、需要が高まっていることが伺えます。

セキュリティエンジニアの需要状況

前項で示した通り、セキュリティ人材の需要は増加傾向にあります。今後も、システムやアプリケーションが構築・運用されるところに、セキュリティエンジニアが必要とされるためです。

IT活用、デジタル化、DXの推進は企業や組織にとって重要な施策です。その実現のためには、システムやアプリケーションの増加が見込まれ、それらの全てにセキュリティ対策が必要とされます。適切なセキュリティ対策がされていない場合、情報漏えいや不正利用などの危険があり、組織にとっての大きなリスクとなるためです。

また、セキュリティ対策は一度行ったら終わり、ではありません。サイバー攻撃は日々新しい手口が発生しており、新たな手口に対するセキュリティ対策を行う繰り返しがこれまでもなされてきました。今後もセキュリティエンジニアは、セキュリティ対策をアップデートし続ける必要があります。サイバー攻撃が止まない限り、セキュリティエンジニアの需要は衰えないといえるでしょう。

セキュリティエンジニアの将来性について、以下の記事でも詳しく解説しています。そちらも合わせて御覧ください。

関連記事:セキュリティエンジニアの将来性は?やめとけと言われる理由

クラウドの普及によりクラウドに対応できる人材の将来性が高い

総務省の令和5年版情報通信白書によると、オンプレミス環境からクラウドへの移行が進んでいることを背景に、2022年の国内のパブリッククラウド市場は2兆1,594億円(前年比29.8%増)にまで増加する見込みとなっています。クラウドの活用は今後も拡大傾向が予測されています。そのため、セキュリティエンジニアは、クラウドに対応できるスキルが求められているといえるでしょう。

基本的にクラウドサービスにおける仕組み的なセキュリティ対策は、クラウドベンダーがサービス内で実施します。オンプレミスからクラウドにシステム基盤が移ることで、セキュリティ対策先がクラウドに集約され、既存の各企業でのセキュリティ対策業務は減少する可能性はあります。

しかしながら、クラウドサービスの利用に際して、その仕組みに沿って設定を行い正しく運用することはクラウドサービスの利用者の責任です。セキュリティエンジニアには、企業においてセキュリティ上適切なクラウドサービスの利用を支える役割が期待されるため、今後はクラウドに対応できるセキュリティエンジニアが求められるのです。

セキュリティエンジニアの平均年収と求人例

ここでは、セキュリティエンジニアの平均年収と求人例に対する年収をご紹介します。

平均年収

厚生労働省の職業提供サイト(日本版O-NET) によると、セキュリティエンジニアを含むセキュリティエキスパート(オペレーション)の平均年収は534.6万円とされています。

また、2024年1月26日時点でレバテックキャリアにて公開中の転職・求人情報より職種「セキュリティエンジニア」の求人情報を30件抽出し、年収の最大値と最小値の中間からセキュリティエンジニアの平均年収を想定しました。この算出方法によると、セキュリティエンジニアの平均年収は約805.5万円となりました。

ほかのエンジニア職種と比較しても、高い平均年収の望める職種といえます。

加えて、セキュリティエンジニアになってからのキャリアパスによっても、年収は変わってきます。セキュリティエンジニアのキャリアパスについて知りたい方は、以下の記事を御覧ください。

関連記事:セキュリティエンジニアのキャリアパス - 同分野・異分野に分けて解説

求人例

セキュリティエンジニアの求人例について紹介いたします。

【業界】
IT・通信 ・ソフトウェア

【業務内容】
アプリケーション、インフラにおける脆弱性の診断と対策の実施

<具体的な業務内容>
顧客の保有するアプリケーション、インフラ、社内インフラなどに対するセキュリティ診断の実施と対策が主な業務です。
・Webサイト、アプリケーション脆弱性診断
・プラットフォーム脆弱性診断
・社内インフラセキュリティ対策
・社内・社外に向けたセキュリティコンサルティング

【求められるスキル・経験】
・Webシステム開発実務経験2年以上
・自主的にセキュリティに関するスキル向上を図れる方

【想定年収】
450~800万円

【勤務地】
大阪府

そもそもセキュリティエンジニアとは

あらためてセキュリティエンジニアとは、どのような仕事なのかを確認しておきましょう。本項では、仕事内容からセキュリティエンジニアという職種を紹介します。

関連記事:セキュリティエンジニアとは?仕事内容や必要なスキルを解説

セキュリティエンジニアの仕事内容

セキュリティエンジニアの仕事は、システムやアプリケーションなどのソフトウェア開発に関連するセキュリティ対策、インフラ分野でのセキュリティ対策、企業や組織でのIT利活用に関するセキュリティ確保、セキュリティに関する組織体制・ルール作り、セキュリティに関する啓蒙や教育などがあげられます。特にソフトウェア開発、インフラ分野について工程に分けて考えると、下記のようになります。

企画・提案

セキュリティ施策の企画・提案はセキュリティエンジニアの業務の中でも最も上流工程にあたります。各分野のセキュリティ診断の実施、サイバーセキュリティのトレンドなどを起点に、実際にセキュリティ対策を行うための企画や提案を行い、プロジェクトを立ち上げます。

セキュリティ対策において、企画・提案では実際にセキュリティ対策を行う前に、それぞれのリスクを適切に評価し、必要な対策を明確にすることができるため、効果的な対策を講じる上で非常に重要な工程です。
また、この工程で行う分析や評価は、その後の工程において、具体的なセキュリティ対策の立案や実施に役立つ情報を提供します。

したがって、企画・提案工程は、セキュリティ対策全体において重要な工程であり、十分な時間とリソースをかけることが求められます。

設計

ソフトウェア、インフラの両分野において、セキュリティに対する設計を行います。ソフトウェア、インフラの設計にセキュリティの観点から盛り込むべき機能を取り入れるのですが、場合によっては俯瞰的な立場からシステムやIT基盤を見て全体的なセキュリティ性能を確保する場合もあります。また、ソフトウェアやインフラの設計書へのレビューといった形を取る場合もあります。

実装

ソフトウェアの分野での実装は、プログラムに脆弱性がでないようセキュアプログラミングを行います。インフラではセキュリティソフトウェアの導入やネットワーク上のアクセス制限、クラウドサービス利用上の設定、WAFなどのセキュリティ対策のためのハードウェア導入などがあげられます。

テスト・運用・保守

ソフトウェアやインフラを実装後、テストを行うこともセキュリティエンジニアにとって重要な業務です。通常のソフトウェア開発やインフラのテストに、セキュリティの観点を持ったテスト項目を加え、セキュリティ性能の確保を行います。既知の脆弱性を突いたネットワーク侵入を試みるペネトレーションテストなど、実際のサイバー攻撃と同様の手口で対策状況を確認することも多いです。

運用・保守工程においては、システムやインフラの監視を行い、不正な通信やデータへのアクセスを検知し対処します。また、OSやソフトウェアのセキュリティ脆弱性に関する情報を注視し、セキュリティアップデートの適用を行うことも重要です。

セキュリティエンジニアの2種類の領域

セキュリティエンジニアは、セキュリティコンサルタントとセキュリティエンジニアの2つに分類されます。セキュリティコンサルタントはコンサルティング分野に特化し、技術領域に特化したセキュリティエンジニアは技術分野に特化しています。

コンサル領域と技術領域のセキュリティエンジニアの内容の違いは以下の通りです。

コンサル領域 技術領域
メイン業務 相談・企画立案 要件定義・設計・実装
サブ業務 セキュリティ評価や改善指導も行う テスト・運用/保守も行う
補足 セキュリティ教育を行う場合もある ネットワークやサーバーなど領域ごとに分業されていることもある

セキュリティエンジニアとセキュリティコンサルタントの違い

セキュリティエンジニアとセキュリティコンサルタントは、どちらも企業やユーザーの情報セキュリティに関する重要な役割を担っていますが、それぞれの専門分野や業務内容には違いがあります。

セキュリティエンジニアは、システム全体のセキュリティに関わり、脆弱性を発見した場合には、パッチの適用やプログラムの変更を行います。また、未然にサイバー攻撃を防ぐために、システム設計や運用、調査や対策なども行います。

一方、セキュリティコンサルタントは、企業や組織に対してセキュリティ面からのアドバイスや支援を提供し、情報セキュリティに関するリスクマネジメントやセキュリティポリシーの策定などを担当することがあります。また、従業員のセキュリティリテラシー向上のための講義や、社内でのセキュリティ教育なども行います。

両職種とも、高度な技術力と専門知識が求められる職種であり、企業やユーザーの情報セキュリティを守るために欠かせない存在です。

セキュリティエンジニアのやりがい

セキュリティエンジニアの仕事には、多くのやりがいがあります。やりがいが大きい理由は、セキュリティの影響力が非常に大きいことです。企業や組織、時には国家レベルでのセキュリティを守ることは、大きな責任を伴うため、しっかりと企業・組織の情報資産を守ることに大きな満足感が得られるでしょう。

また、セキュリティ分野は絶えず進化しています。あらゆるサイバー攻撃や脅威に対抗するには、継続的な学習と適応が求められ、常に刺激的な環境に身を置くことになります。複雑なセキュリティの問題に取り組み、それを解決する過程で感じる達成感は、他の職種では得られないものです。

さらに、セキュリティエンジニアは需要が高く、キャリアの安定性と成長の機会が得られます。セキュリティエンジニアの仕事はチームワークも重要で、同僚や他部門と協力して目標を達成することは、共同作業の喜びが感じられます。

セキュリティエンジニアがきついと言われる理由

セキュリティエンジニアはきついと思っている人も少なくありません。それは、セキュリティエンジニアはITエンジニアの中でも業務内容が特殊であることがあげられます。セキュリティエンジニアはなぜきついと言われるのか、その理由について解説します。

責任が重くプレッシャーが大きい

セキュリティエンジニアの業務は、情報システムのセキュリティを確保し、セキュリティインシデントを起こさないことです。万が一セキュリティ対策が不十分で、外部からの攻撃や情報漏洩といったセキュリティインシデントが発生すると、企業は社会からの信用失墜につながり、致命的な被害を被ることになります。

そのため、セキュリティエンジニアは責任が重く、プレッシャーを感じる人も少なくありません。

非常時に迅速な対応が求められるため休日出勤となることも

万が一セキュリティインシデントが発生すると、早急に対策を行い被害を最小限に食い止めなければなりません。不正アクセスや外部からの攻撃は、いつ発生するかわかりません。タイミングによっては夜間に連絡が来たり、休日出勤を求められたりすることもあります。

常に最新の知識・技術をキャッチアップしていく必要がある

セキュリティは年々攻撃が複雑となっており、次から次へと登場する攻撃に対してできるだけ早く対策を講じなければなりません。また、ソフトウェアのセキュリティ脆弱性に対しても対応が必要なため、脆弱性の公開などもキャッチアップしていく必要があります。

セキュリティエンジニアのキャリアパス

近年、セキュリティエンジニアを求める企業が増えており、その業界は多岐にわたります。多様なキャリアパスがあるため、将来性も高く、例えば、最初は保守や運用を行うセキュリティオペレーターから始め、リーダーや管理者に進み、ネットワークの設計や実装を行うセキュリティアナリストやエンジニアになり、企画・提案を行うセキュリティコンサルタントやホワイトハッカーになることができます。また、独立・起業することもできます。
セキュリティの関連知識として、ネットワークやサーバーに関するスキルも身につくため、ネットワークエンジニアやインフラエンジニアに転向する方もいます。このようにセキュリティエンジニアになれば幅広い知識が身につくため、自分の興味に合わせてキャリアパスを描くことが可能です。

セキュリティアナリスト

セキュリティアナリストは、組織の情報セキュリティ体制を評価、強化するための重要な役割を担います。この職種は、システムの脆弱性の特定、セキュリティ侵害の監視、リスク分析、対策の提案などを行います。

また、セキュリティインシデントが発生した際には、その原因を調査し、被害の範囲を特定し、迅速な対応策を講じる責任を持ちます。セキュリティアナリストは、常に最新のセキュリティトレンドや脅威に精通している必要があり、組織のデジタル資産を保護するための重要な鍵となります。

セキュリティコンサルタント

セキュリティコンサルタントは、クライアント企業のセキュリティ体制を評価し、改善策を提案する専門家です。彼らは、セキュリティポリシーの策定、リスクアセスメント、セキュリティ対策の実装支援などを行い、組織が直面するセキュリティ上の問題を解決します。

また、コンプライアンス要件の遵守や、教育・トレーニングプログラムの開発にも関わります。セキュリティコンサルタントは、広範な知識と経験が求められるため、多様な背景を持つセキュリティ専門家がこの分野で活躍しています。

企業のコンプライアンス部門

企業のコンプライアンス部門は、組織が法律、規制、業界基準に従って運営されることを保証する役割を担います。この部門では、リスク管理、内部監査、法令遵守の監視などを行い、企業のリスクを最小限に抑えることに重点を置きます。セキュリティの観点からは、データ保護法規や業界固有のセキュリティ基準の遵守を確認し、違反がないように監督することが求められます。

また、社内のセキュリティポリシーの策定や従業員の教育・訓練も重要な役割となります。

プロジェクトマネージャー

セキュリティプロジェクトマネージャーは、セキュリティ関連のプロジェクトを管理し、その成功を導く役割を担います。彼らはプロジェクトの計画、実行、監督、リソースの割り当て、予算管理などを行います。

また、プロジェクトの目標が組織のセキュリティ戦略と一致するように努め、関連するステークホルダーとの連携を保ちます。効果的なコミュニケーションとチーム管理能力が重要であり、プロジェクトを円滑に進め、目標達成を図る責任があります。

CISO(Chief Information Security Officer)

CISO(最高情報セキュリティ責任者)は、企業の情報セキュリティ戦略の策定と実施を統括するトップエグゼクティブです。組織のセキュリティポリシーの策定、リスク管理、インシデント対応計画の立案、セキュリティプログラムの監督などを行います。CISOは、技術的な専門知識と同時に、ビジネス戦略を理解し、組織のリーダーと協力してセキュリティイニシアティブを推進する能力が求められます。

CISOの役割は、組織をセキュリティ上の脅威から守ると同時に、ビジネス目標の達成をサポートすることです。

まとめ

セキュリティエンジニアの需要や年収、求められるスキルについて解説しました。セキュリティエンジニアの需要は現在も将来的にも安定しており、年収もほかのエンジニアと比べて高いといえます。幅広い知識やスキルが求められることが、高い需要や年収の理由です。容易になれる職種ではありませんが、やりがいのあるセキュリティエンジニアを目指してはいかがでしょうか。

セキュリティエンジニアに関するよくある質問

最後にセキュリティエンジニアに関するよくある質問について回答していきます。

Q1.セキュリティエンジニアの平均年収は?

セキュリティエンジニアの平均年収は約535万円で、日本の平均年収よりも高い傾向があります。ただし、携わる業務の内容やシステムの規模、また、資格の有無や個人の能力・経験によっても大きく変動するため、あくまでも参考値としてお考え下さい。

Q2.セキュリティエンジニアの仕事の魅力は?

セキュリティエンジニアが魅力的な理由の一つは、高度な専門スキルを活かして、企業やユーザーをIT犯罪から守ることにあると言えます。システム上の脆弱性を誰よりも早く発見したときには、「情報事故を未然に防止できた」という達成感を感じられます。また、セキュリティ分野の高度な専門性と多様な業務知識を習得できる点も魅力の一つです。

Q3.セキュリティエンジニアってどんな仕事?

セキュリティエンジニアとは、情報セキュリティに専門的に従事するエンジニアであり、主にサーバーに関連する業務を担当します。ITインフラの中で、サーバーの構築や運用・保守を専門とし、セキュリティに配慮したシステム設計・運用を行い、また、未然にサイバー攻撃を防ぐための調査や対策も行います。

Q4.セキュリティエンジニアに向いているのはどんな人?

セキュリティエンジニアには、以下の特徴を持つ人が向いています。


  • ・日々新しい技術を学びつづける向上心が高い人

    ・論理的思考力、創造性をもった人

    ・コミュニケーション能力が高い人


セキュリティエンジニアは、技術的な深い知識が必須です。常に進化するサイバー脅威から保護するために、最新の技術トレンドに追いつき、適応する必要があります。新しい技術やセキュリティの脅威に対して深い理解と関心を持ち、継続的に学ぶ向上心の高い人が向いています。

また、論理的思考力と創造性も重要です。セキュリティエンジニアは、複雑な問題を効率的に解決するために、分析的かつ創造的なアプローチを取ります。システムの弱点を特定し、それらを強化するための戦略を立てる必要があるため、論理的思考力や創造性を持った人に向いています。

コミュニケーション能力も不可欠です。セキュリティエンジニアは、技術的な知識を分かりやすく伝え、組織内でセキュリティポリシーの重要性を説明する責任を負います。さらに、チームワークを重視し、他のIT専門家と協力することも求められます。

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