SQLの勉強方法を解説|おすすめのサイトや本、構文例まで紹介

最終更新日:2023年10月6日

SQLとはデータベース言語の一つであり、データベースの定義や操作を行う上で欠かせないものです。国際標準化機構(ISO)でリレーショナルデータベース(RDB)の共通言語としても定義されており、さまざまなデータベース製品で用いられています。

データベース操作はほとんどのシステムで必要となるため、SQLはプログラマーやシステムエンジニアの必須スキルといっても過言ではありません。SQLを学ぶことのメリットは理解しているけど、どのように勉強すればよいかわからないという悩みを持つ方も少なくないでしょう。

そこでSQLのスキルを身に付けたいプログラマー、エンジニアの方に向け、SQLの具体的な学習ロードマップやスキルの可視化に役立つ資格から、将来のSQLスキル活用方法までを詳しく解説します。

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この記事のまとめ

  • SQLはデータベースを操作するための言語で、サーバーサイドエンジニアなどデータベースに関連するエンジニアには必須のスキル
  • SQLはプログラミング言語に比べると習得の難易度が低いので、独学でも十分スキル習得が可能
  • SQLはプログラミング言語と同じで、勉強によって身に付けた知識を実際に手を動かして書いてみて、実戦に活かせるスキルにしていく必要がある

SQLとは

SQLとはデータベースの操作や定義を行う際に使われる、いわゆるデータベースの言語です。現在もっとも普及しているデータベースは、リレーショナルデータベース(RDB)と呼ばれています。
データを「列」と「行」の2次元で表現される「テーブル(表)」の形で格納し、テーブルに格納されたデータを自由に取り出したり加工したりできるのが特徴です。このようなリレーショナルデータベースに対して、さまざまな処理を実行するための言語がSQLです。

SQLを使った代表的な処理は以下の処理があげられます。
 

  • ・データベースやテーブルの作成

    ・テーブル定義の更新やテーブル削除

    ・データ(レコード)の登録、抽出、更新、削除

など

ほかにもデータベースに対して、さまざまな処理が実行できます。SQLの構文はとてもシンプルですが、コマンドのパターンは辞書並みのボリュームがあるため、すべてを暗記することは困難です。そのため多くのエンジニアは、ネット検索や辞書のようなSQLリファレンスを見ながらSQLを記述しています。

関連記事:SQLとは?言語の概要と種類をわかりやすく解説

SQLを勉強する必要性

データベースエンジニアはもちろん、プログラマーやシステムエンジニアもSQLは勉強しておいた方が良いです。フロントエンドに特化する場合などは例外ですが、そもそもフロントエンドに特化すること自体があまりおすすめではなく、またサーバーサイドの開発を行う場合はSQLのスキルは必須と言っても過言ではないでしょう。

サーバーサイドはデータベースに対する処理も多く、その際にはSQLが必要になります。データベースの設計は行わないかもしれませんが、SQLを入力して挙動を確認したり、コードの中にSQLを埋め込むことは多いです。

サーバーサイド側のプログラマー、エンジニアにとっては、SQLは基本スキルのうちの一つです。

SQLはどのような仕事で使われている?

SQLはプログラマーやシステムエンジニアにとって必須スキルと言っても過言ではありません。では具体的にどのような仕事でSQLは使われているのか、解説します。

データベース操作の主流がSQL

最近ではSQLを使わないデータベース(NoSQLなど)もありますが、データベース操作の主流は依然としてSQLを使うリレーショナルデータベースが大半を占めています。将来的にはほかのデータベースにシェアが奪われる可能性がゼロではありませんが、少なくともリレーショナルデータベースが主流の時代が当分は続くと考えられます。

Webシステム開発業務

Webサイト含むほとんどのシステムでデータベース操作が発生するため、必然的にSQLを学ぶ必要性が出てきます。SQLは現在もっとも普及しているリレーショナルデータベース共通言語であり、ほとんどの企業で利用されているため、SQLのスキルがないと処理や実装ができません。運用保守フェーズにおいてもデータベース操作を行う場面も多いため、SQLを知らないと何もできないといったことにもなりかねません。

ビッグデータの分析

ビッグデータとは大規模システムなどで発生する、膨大なデータのまとまりを指して呼ばれます。このような大量のデータをひとつずつ手作業では処理できないため、効率的かつ瞬時にデータを操作できるSQLが必要になるわけです。

代表例としてはQRコード決済や交通系ICカードの利用履歴、大手ECサイトの購入履歴などが該当します。履歴から地域や性別、年代といった情報をもとに商品の需要予測や広告ターゲットなどに役立てます。最近ではビッグデータの分析を専門にしているエンジニアも増えており、ビッグデータの活用は今後さらに成長が期待できる分野といえるでしょう。

AI開発

AI開発は人間の知能をプログラムによって再現する技術であり、人工知能とも呼ばれています。AIの中でも機械学習の技術は、経験値となる過去の膨大なデータから特徴や法則を算出します。AIの開発現場の多くはPythonというプログラミング言語を用いますが、膨大なデータ量を扱うにはデータベースが必要不可欠なので、必然的にSQLの知識も必要となるわけです。

IT業界で国際的に広く使用されている

IT業界においてSQLが広く利用されている理由には、ISO(国際標準化機構)によって標準化された共通の言語という点が大きいといえます。どのデータベースも基本的な構造は同じであり、SQLの概念が基本となっているケースがほとんどです。そのためSQLは汎用性が高く、あらゆる業種において幅広い分野で活用できます。さまざまな開発案件においてデータベースを利用するので、結果的にSQLのスキルが必要となるわけです。

SQLを勉強するメリット

SQLを勉強することで、以下にご紹介するようなメリットを得られます。

スキルアップにつながる

あらゆるWebサービスや人工知能の開発には、データベースを利用するためSQLの知識が必須です。もちろんPHPやRuby、Pythonなどのプログラミング言語の学習は必要であり、同時にSQLの学習も避けては通れません。

ですが考え方の視点を変えてみると、SQLを習得すればさまざまな開発案件への足掛かりにもなるのです。エンジニアがスキルを拡大するうえで、選択肢が広がるのは大きなメリットといえるでしょう。SQLのスキルに加えてWeb開発で使うプログラミングスキルがあれば、オリジナルのWebサービスを丸々作ることも可能です。

需要が高まっており転職活動で役立つ

社会がビッグデータを活用するようになり、最近はどの企業でもデータの分析や加工を行なうようになりました。データベースの重要性がさらに上がったため、エンジニアでなくてもSQLを理解していることは転職の際にアドバンテージとなることでしょう。転職先で活躍の場が広くなるという点においても、SQLを学ぶメリットは大きいです。

データ分析に使える

SQLはデータの分析に使われることもあります。たとえばこれまでの株価を分析して、将来の株価などを予測してAIが投資するといった資産運用においても必要な技術です。SQLでデータベースを操作すれば大量のデータを扱えるので、市場のマーケティングといった分析など幅広いシーンで役立ちます。Excelでの計算やデータ処理よりも効率的なので、SQLを学習して損をすることはありません。

SQLのおすすめの勉強方法

多くのデータベースで共通言語として利用できるSQLを習得することは、エンジニアの大きな武器として役立つでしょう。SQLの理解を深めるためにも、おすすめの勉強方法について解説します。

学習サイトや学習アプリを利用する

SQLの学習サイトや学習アプリは複数あります。学習サイトや学習アプリなら環境構築なしで、ブラウザやエディタにSQLを入力するだけで操作可能です。学習サイトとしては、以下のようなものが有名です。

Progate

Progateは解説のスライドを見ながらサイト上でSQLの実行ができる学習サイトで、基礎から応用まで受講できます。このサイトはプログラミング学習サイトとしても有名ですので、SQLとプログラミング言語を一緒に学習すると効率的です。

ドットインストール

ドットインストールは動画での解説を見ながら、手を動かしてSQL操作を学べる学習サイトです。1つのレッスンは約3分間なので、すきま時間を利用して自分のペースで学習できます。有料会員限定のプレミアム動画なら、SQL入門から基礎、応用とレベルにあわせた学習が可能です。学習アプリもiOSでもAndroidでもいろいろなものがあります。

勉強本を活用する

SQLに関する書籍は初心者向けから、SQLのチューニング方法などを解説した上級者向けまで多数出版されています。

『SQL ゼロからはじめるデータベース操作』(ミック、翔泳社)
プロのデータベースエンジニアが、データベースやSQLについて基礎からわかりやすく解説する書籍です。掲載されているサンプルプログラムをダウンロードできるので、PCでプログラムを動作しながら理解を深めることもできます。

『スッキリわかるSQL入門 ドリル215問付き!』(中山清喬、飯田/理恵子、インプレス)
SQLの基礎から学べる入門書です。巻末にはサンプル問題が215問掲載されており、問題を解きながらの学習が可能です。クラウドの実行環境が特典として用意されているため、データベースをインストールせずに環境を用意できます。

『SQLの絵本 第2版 データベースが好きになる新しい9つの扉』(株式会社アンク、翔泳社)
絵本のようなイラストを多用して、簡潔な説明でわかりやすくまとめた書籍です。無料で試せるデータベースのインストール方法も紹介されており、SQLを操作しながら学ぶという使い方もできます。

オンライン講座・スクールを活用する

プログラミング言語であればオンライン講座やスクールは数多く開講していますが、SQLだけを受講できる講座は比較的少ないのが実情です。SQLの習得は決して難しくはないので、何かしらのプログラミング講座とあわせて受講する方法も効率的ともいえるでしょう。

Schoo(スクー)

Schoo(スクー)はエンジニアやWebサイト構築をはじめとした仕事に役立つ、参加型のオンライン動画学習サイトです。生放送は基本無料で視聴できますが、有料会員になると過去のアーカイブ動画を視聴できます。SQLについても概論から基本操作、チューニング方法などのコンテンツが掲載されています。

KENスクール

KENスクールは関東や名古屋、大阪など都市部で展開しているプログラミングスクールです。データベースコースの中からSQL講座のみ受講できるので、プログラミングはある程度習得していてSQLだけ学びたい方におすすめです。個別授業といったサポートも付いているので、講師に直接教えてもらえるというメリットもあります。

SQL習得にかかる時間と学習ロードマップ

SQLを着実に習得するためには、「基礎構文を理解する」「練習問題を解く」「実際に操作する」という順番のロードマップで学習するのがよいでしょう。それぞれの学習方法と学習時間の目安についても解説します。

まずは基本構文の理解から始める

まずは基礎知識として「SQL構文はどのように書くものなのか」を理解しましょう。基本となるSELECT文やUPDATE文といった命令文が理解できれば、FROM句やWHERE句など抽出条件についてもイメージしやすいと思います。書籍や学習サイトを利用しながら、約20〜30時間ほどで概要を理解できるようになるでしょう。

練習問題を解いてみる

SQLの基本構文をある程度理解したら、次は練習問題を解いてみましょう。問題は書籍のドリルや問題集などを利用すると効果的です。データ抽出など処理の書き方は複数あるので、問題を解いては答え合わせをすることで理解が深まります。基本構文が解けるようになったら、応用問題にも積極的にチャレンジしてみましょう。学習時間は理解度にもよりますが、約10〜20時間ほどが目安です。

実際にデータベースを操作するための環境を構築する

SQLがある程度書けるようになったら、次はデータベースを操作するための環境を構築してみましょう。書籍や学習サイトを利用すると環境を構築することなく操作できますが、実際の開発現場ではデータベース環境が必須です。SQLだけでなくデータベース自体の理解を深めるためにも、一度は環境構築を実践してみましょう。作業完了までの目標時間としては、5時間程度が想定されます。

データベースを操作してみる

環境の構築ができたら、実際にSQLを使ってデータベースを操作します。同じデータ抽出の条件でも書き方は複数あるケースが多く、書き方によって処理のパフォーマンスが変わることもあります。可読性とパフォーマンスが高いSQLを短時間で書ける人ほど、スキルが高い人材と評価されるケースが多いです。SQLもプログラミングと同様で、実技を繰り返さないとスキルは身につきません。実際にデータベースを操作して初めて理解できる点も多いので、試しながらSQLを実行してみましょう。実習時間としては、約30時間が目安です。

SQLを勉強する際のポイント

SQLを勉強する際のポイントは、基本的にプログラミング学習と同じです。もっと広げると、IT技術全般同じ考え方と言えるでしょう。

勉強と実践を繰り返す

SQLは実際に書いて動かしてみることが重要です。しかし、知識がないと書けません。そのため、勉強と実践を繰り返します。勉強して終わりではない点に注意が必要です。なぜなら、IT技術はものづくりの面が強いからです。

一般的な学校の勉強などもアウトプットは重要ですが、IT技術はものづくりの面が強いのでよりアウトプットが重要です。基本的な知識を知っていることは重要ですが、狙い通りに書いて動かせないと使えません。

知識を使って実践してみることで、初めて生きたスキルになります。ただしSQLを書くばかりでインプットをしないといつも同じようなSQLばかり書くことになります。勉強と実践は両輪の関係になっているということです。

エラーをポジティブに捉える

SQLを書いて実行すると、エラーが出ます。簡単なSQLなら一発でうまく動くかもしれませんが、ある程度複雑になるとエラーの連続で、むしろエラーが出てからが本番と言っても過言ではないでしょう。

このエラーを解消していく作業でこそスキルアップできます。エラーはスキルアップのチャンスということです。積極的にトライアンドエラーを繰り返してください。エラーを解決するためにはネットや書籍で調べる必要があり、この繰り返しをすることで初めてある程度複雑な処理もスムーズに書けるようになります。

試験にSQLが含まれている資格

SQLを使っている主なデータベース製品には、オラクル社の「Oracle Database」やマイクロソフト社の「SQL Server」などがあります。これらのデータベース製品ごとに資格試験があり、その中にはSQLに関する内容も含まれています。SQLの習得度やスキルを証明するためにも、資格取得を目指しましょう。

Oracle Master

Oracle Databaseなどのオラクル製品に関する認定資格ですが、SQLの知識や技術を問う内容もあるので、SQLの学習と知識の定着にも有効な資格です。

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マイクロソフト認定資格

Microsoftではデータベース関連の認定資格も提供しています。SQL Serverで使われているTransact SQLについての知識や技術を認定するものです。

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オープンソースデータベース技術者認定資格

オープンソースデータベースに関する技術レベルを認定するものです。データベース製品の「PostgreSQL」を対象としていますが、一般的なSQLの学習にも使えるでしょう。

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SQLの需要と将来性

SQLはIT業界の中でも、需要の高いスキルとして位置づけられています。データベース言語としてシステムを構築した時代にとらわれず、トレンドのクラウドサービスにもそのまま応用ができます。企業の膨大なビックデータを支えるデータベースでは、設計や運用においてもSQLは欠かせないスキルです。これらの需要から見てもわかるように、SQLの将来性は今後も安定すると考えられるでしょう。

SQLの構文一覧【例】

SQLは基本的にプログラミングよりもスキル取得のハードルが低いです。なぜなら、基本的な構文を把握していれば扱えるものだからです。実際にSQLを使用する際にはプログラミング言語に埋め込むことになるので、最終的にはプログラミング言語とセットでスキルを身に付ける必要があります。

基本的なSQL

移行でご紹介する基本的なSQLを把握しておけば、テーブル操作には困らないでしょう。ただし、上でご紹介した通り実践的にSQLを使用するにはプログラミング言語とセットで埋め込んでいく場合が多いので、その場合はSQL単体での難易度というよりは全体設計を考える難易度は高くなります。

また、SQLの細かい文法を忘れた場合、ネットで検索すればすぐに出てきます。そのため、構文を覚える必要はありません。意味合いを把握しておけば問題ないです。

具体的なSQLをご紹介する前に、データベースに関する以下の重要用語を押さえておいてください。

■テーブル
データがひとまとりの表形式になっているものです。

■カラム
Excelで言うところの列に該当します。

■レコード
Excelで言うところの行に該当します。

■フィールド
Excelで言うところのセルに該当します。

用語で少し混乱する部分があるかもしれませんが、Excelと照らし合わせて覚えておくと良いです。データベースは視覚的に表を見ずに操作することが多いのでイメージしにくいかもしれませんが、Excelでイメージするとわかりやすいです。

それでは、基本的なSQLをご紹介していきます。

取得

SELECT *
FROM テーブル名

SELECT文はもっともよく使用するSQL文と言っても過言ではありません。アスタリスクはすべてのカラムという意味です。つまり、指定したテーブルのすべてのレコード、もしくはカラムを取得するという意味のSQL文になります。

取得するのがレコードかカラムかは表現が微妙なところですが、テーブルを縦に見るか横に見るかの違いです。どちらかというと、横のレコードで考える場合が多いでしょう。

追加

INSERT INTO テーブル名
VALUES ('','','','',)

追加も頻繁に使用するSQL文です。指定したテーブルに、値を追加していきます。VALUEの()の中には、テーブルに入れたい値を記述します。左から順にカンマで区切っていく形になります。

更新

UPDATE テーブル名
SET カラム名 = 値, カラム名 = 値
WHERE id = 1

更新は指定したテーブルを更新するSQL文です。SETで更新するカラム名と値を指定しています。WHEREは更新するレコードの条件です。ここでは例として、idが1のレコードを指定しています。条件に該当したレコードのみが更新されます。

削除

DELETE FROM テーブル名
WHERE 条件

削除は、指定したテーブルの条件に該当するレコードを削除します。FROMやWHEREの使い方は上の取得や更新と同じです。

条件の絞り込み

次に、検索条件の絞り込み構文をご紹介します。プログラミング経験のある方は、プログラミング言語の演算子とほとんど同じです。

AND

SELECT *
FROM テーブル名
WHERE 条件 AND 条件

上でご紹介したSELECT文を使用して、WHEREの条件にANDを指定しています。ANDは両方の条件に該当する場合のみ実施するという意味になります。まとめると、両方の条件に該当するレコードのみ取得するということです。

OR

SELECT *
FROM テーブル名
WHERE 条件 OR 条件

ANDとORは似ていますが、ORの場合は条件で指定したもののいずれかに該当すればSQL文が実行されます。この場合、いずれかの条件に該当すればSELECT文が実行されるということです。

比較演算子

比較演算子もプログラミング言語と基本的に同じです。そのため、プログラミング経験のある方にとっては見慣れた内容かと思います。

NULL判定

NULL判定は比較演算子の中でもよく使われるSQL文です。

カラムの値がNULLの場合

SELECT *
FROM テーブル名
WHERE カラム名 IS NULL

カラムがNULLの条件に該当するレコードを取得するSQL文です。NULLは何も入っていないという意味です。つまり、1カラムがすべてNULLのレコードが取得されるということです。

カラムの値がNULLではない場合

SELECT *
FROM テーブル名
WHERE カラム名 IS NOT NULL

NOTを付けることで、NULLでない、つまりフィールドに値が入っているものが条件になります。カラム内のいずれかのフィールドに値が入っていれば、レコードが取得されます。

文字列検索(LIKE文)

文字列検索のSQLコードはLIKEです。LIKEは似ているという意味があり、その名の通り似ている文字列を検索します。

完全一致

SELECT *
FROM テーブル名
WHERE カラム名 LIKE '特定文字列'

特定文字列に一致するレコードを取得するSQL文です。カラムの中から文字列を検索します。

部分一致(ワイルドカード)

SELECT *
FROM テーブル名
WHERE カラム名 LIKE '%特定文字列%'

上記のSQL文は、特定文字列の前後に文字列が入っているレコードを取得するということです。「%」は0文字以上の文字列を意味します。
 

SELECT *
FROM テーブル名
WHERE カラム名 LIKE '特定文字列_'

こちらは、「%」ではなく「_」で指定した例です。「_」は任意の1文字を指します。

~の間(BETWEEN)

SELECT *
FROM テーブル名
WHERE カラム名 BETWEEN 数字 AND 数字

ある数字内に該当するレコードを取得するSQL文です。

指定した値のデータを抽出

次に、指定した値のデータを抽出するSQL文をご紹介します。

IN

SELECT *
FROM テーブル名
WHERE カラム名 IN (値1,値2,値3,・・・)

INで指定した値と合致するレコードのみを抽出するSELECT文です。

NOTIN

SELECT *
FROM テーブル名
WHERE カラム名 NOT IN (値1,値2,値3,・・・)

値が合致しないレコードのみを抽出するSELECT文です。

特定の検索結果を除外(EXCEPT)

SELECT 値1, 値2, 値3 FROM テーブル1
EXCEPT
SELECT 値1, 値2, 値3 FROM テーブル2


上記のSQL文は、テーブル2と値が重複していないものをテーブル1から取得するという意味です。使用頻度は上でご紹介してきたものよりはやや下がる印象ですが、構文としてはこのような使い方ができることを把握しておいた方が良いです。

SQLに関するよくある質問

SQLに関するよくある質問とその回答を紹介します。

Q1. SQLの勉強は難しいですか?

SQLの勉強は、プログラミング言語に比べると易しいです。プログラミングの場合は全体の設計を考えてコードを書く必要がありますが、SQLは比較的単発の処理が多いからです。そのため、基本的なコードを把握していれば問題なくデータベースを操作できます。

ただし、プログラムに組み込んで使う場合が多く、その場合はシステム設計の一部にSQLが組み込まれる形になるので設計が難しい可能性はあります。

Q2. SQLはどのような仕事でよく使いますか?

SQLはデータベースを操作するための言語です。そのため、データベースが関わるシステムでは使用機会が多いです。つまり、ほとんどのシステムでSQLを使用しているということです。たとえばWebサイトやスマホアプリでユーザーが情報を入力した場合、処理をサーバーに送ってデータベースに情報を格納する必要があります。その際には、上でご紹介したようなSQL文が実行されています。

Q3. SQLの勉強でおすすめの本やサイトがあれば教えてください

SQLに関する本やサイトは数多くあります。そして、特別どれが良いということはありません。求めるレベル、扱うデータベースなどによって変わってきますが、概ねどの書籍、サイトを選んでもSQLの基礎は問題なく身に付くでしょう。あえて挙げるなら、上でご紹介したものがおすすめです。

【本】
『SQL ゼロからはじめるデータベース操作』(ミック、翔泳社)
『スッキリわかるSQL入門 ドリル215問付き!』(中山清喬、飯田/理恵子、インプレス)
『SQLの絵本 第2版 データベースが好きになる新しい9つの扉』(株式会社アンク、翔泳社)

【サイト】
Schoo(スクー)
KENスクール

Q4. SQLの勉強時間はどのくらいですか?

SQLを使ってデータベースを自由に操作できるレベルになるには、全体で65時間~85時間程度かかるでしょう。具体的には、基本の構文理解、練習問題、環境構築、実際のデータベース操作、といった流れで学習を進めます。

もちろん簡単なSQLを書いて実行するだけならそれほど時間はかかりませんが、そもそもSQLでどのようなデータベース操作ができるのかを把握し、思いついた操作を自由に書くためには勉強時間を確保する必要があります。

Q5. SQLの習得は難しいですか?

SQLの習得難易度は低いです。プログラミングのスキル習得に比べると簡単でしょう。上で65時間~85時間という目安を紹介しましたが、これはプログラミングスキルの習得にかかる時間に比べると明らかに短いです。データベースの処理はシステム開発ほど複雑な構造にはならないので、SQLは書き方を学んで書けるようになればそれ以上に複雑な設計などが絡むことは少ないです。

まとめ

SQLはデータベースを操作するための言語です。プログラミング言語に比べると習得の難易度が低いですが、使用頻度は多いです。Webのサーバーサイドを扱うエンジニアやプログラマーは確実に身に付けておいた方が良いスキルでしょう。

現状データベースを触る機会があまりないとしても、システム全体に関わるようになれば必要になります。SQLの勉強方法は、学習サイト、学習アプリ、勉強本などがあります。スクールを利用する選択肢もあります。

どのような方法で勉強しても問題ありませんが、重要なのは勉強したら実際に手を動かして実践することです。コードを把握していても、実際に書いてみないとどのように知識を組み合わせれば狙い通りに処理できるのかなどがわかりません。

実際に考えながらやってみることで、実戦に活かせるSQLのスキルが身に付いていきます。

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この記事の監修

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