ネットワークエンジニアの将来性
目まぐるしい変化を遂げているIT業界において、ネットワークエンジニアという職種の将来性は今後も有望といえるでしょう。その理由の一端には、IT業界の市場規模そのものが拡大していることや、なかでもネットワークが欠かせない先端分野の需要が高まっていることなどが挙げられるでしょう。ここでは、ネットワークエンジニアを取り巻く現状を踏まえ、将来性を考察していきます。
総合的なスキルを持つネットワークエンジニアの市場需要は高い
現在、転職サイトなどに掲載されている求人情報では「ネットワークエンジニア」という職種での募集が減りつつあります。しかし、ネットワークの専門知識をもったエンジニアの需要が減少しているわけではありません。より幅広い知識やスキルをもった人材が求められており、インフラエンジニアなど異なる名称で募集されているといったほうが正確です。
新たなITサービスやテクノロジーが発展しても、ネットワークに関連する専門的な知識やノウハウは必要不可欠です。そのため、総合的なスキルを持つネットワークエンジニア・インフラエンジニアは常に人手不足であり、きわめて需要が高い存在です。
先端分野の需要が増えている
これからのネットワークエンジニアには、ネットワークにまつわる専門知識に加えて、それに関連する幅広い知識やスキルが求められるようになります。特にIoTや5Gといった先端分野の需要が急速に拡大しており、これらは企業の新たなビジネスモデルの構築やサービスの展開に欠かせないものになります。
ネットワークエンジニアはこれまで積み重ねてきた知識やノウハウに加え、先端分野に対応できる知識を積極的に吸収し、継続的にスキルアップを図っていく必要があるでしょう。
IT業界の市場規模の拡大に伴いIT人材の不足は続く見込み
企業のIT化は今後もより進んでいくと考えられます。つまりIT業界の市場規模は拡大するということです。そして、IT業界の市場規模が拡大すればネットワークエンジニアへの需要も高まります。AIやツールの進化によって必要人員を減らせる面もありますが、それよりも市場規模拡大による人材不足の方が大きいのが現状です。
またエンジニアは専門性の高い職種で、適性も必要です。誰でもできるわけではないので、需要に対して供給が追い付かず、人材不足は加速すると予想されます。
クラウド化に伴うネットワークエンジニアの変化
昨今の技術進化でネットワークエンジニアに関連するものとして、クラウド化があげられます。特にIaaS(Infrastructure as a Service)の利用により、従来のオンプレで行ってきたネットワーク機器を使った物理的な配線、設定から、仮想ネットワークを使った設計・設定に変わりました。
さらに、仮想ネットワークではプログラミングによって構築・設定の自動化が可能です。このため、ネットワークエンジニアもプログラミングスキルが求められています。このように、クラウド化に伴いネットワークエンジニアに求められるスキルが変わってきています。
仕事内容が将来的に変化する可能性がある
これまでネットワークエンジニアは、オンプレ環境でのネットワーク構築・運用・監視が主な業務でした。しかし昨今では、クラウドサービスの普及に伴い、多くの企業でシステムのクラウド化が進み、ネットワークエンジニアの仕事内容が変化しています。具体的には、オンプレからクラウドへの移行業務、クラウド環境でのネットワーク構築・運用・監視の業務を行ないます。
クラウド化が進むとはいえ、今後オンプレのシステムがなくなるわけではありません。そのため、オンプレ、クラウド両方のシステムにおいて、ネットワークエンジニアが求められます。
インフラ全般の知識・スキルが必要になる見込み
ネットワークエンジニアの対象はネットワークですが、ネットワークにはサーバーやデータベースなどインフラ全般が関係します。サーバーの細かい設定やデータベースの中身の処理までは担当しなくても、今後はクラウド化によって利便性が高まる分、一人のエンジニアが幅広く担当するようになる可能性が高いでしょう。インフラ全般の知識・スキルがあるネットワークエンジニアと、そうでない人材の間で差が出ると考えられます。
ネットワークエンジニアの仕事内容
ネットワークエンジニアの仕事内容は非常に幅広いですが、主に「要件定義」「ネットワークの設計」「ネットワークの構築」「テスト」「ネットワークの運用・保守」の5つに分類されます。
まず物理的なネットワークを構築する前に、要件を決め、その要件を満たすようにネットワークを設計します。要件定義と設計にもとづいて、ネットワークを構築する流れです。ネットワークの構築では、ネットワーク機器の設置やケーブルの配線、サーバーの設定などを行います。構築が完了したら各種テストを実施し、要件を満たしているかどうかや、不具合がないことを確認します。
ネットワークを構築して終わりではなく、運用においてもネットワークの調整や再構成が必要な際は対応します。運用中のトラブル対応やメンテナンスを行うネットワーク保守も、ネットワークエンジニアの重要な仕事です。
ネットワークエンジニアのやりがい・メリット
ネットワークエンジニアのやりがいやメリットは複数あります。また人によっても何にやりがいを感じ、何にメリットを感じるかは異なるでしょう。自己成長や市場価値アップに重点を置く人もいれば、社会貢献や人の役に立てることに重きを置く人などもいるはずです。人それぞれ違いがありますが、ここでは一般的なやりがい、メリットを挙げていきます。
エンジニアとしての成長を実感しやすい
ネットワークエンジニアとしてネットワークの設計、構築、運用・保守などの業務を行うことで、エンジニアとしてのスキルアップ、成長を実感しやすいです。特に下流工程から上流工程にステップアップできる環境だと、より成長を実感しやすいでしょう。またクラウド化などネットワークエンジニアの必要スキルは進化しているので、新しいスキルを習得していくことでより成長を感じられるはずです。
仕事を通じて社会へ貢献できる
ネットワークは社会にとって必須のインフラです。電気・ガス・水道などと同じように必要不可欠といっても過言ではないでしょう。そして、その社会基盤であるネットワークを支えるネットワークエンジニアの仕事は、社会への貢献度が高いといえます。仕事を通じて社会貢献したいと考えている人には、ネットワークエンジニアの仕事は合っているはずです。
問題解決時やシステム完成時に達成感を得やすい
ネットワークエンジニアは定型業務をこなすだけでなく、複雑な問題を解決してシステムを完成させる必要があります。課題を見つけ、解決していくということにやりがいを感じられる人にはネットワークエンジニアの仕事は合っているでしょう。
チームワークによる一体感にやりがいを感じる
ネットワークエンジニアは単独で仕事を進めるわけではなく、ほかのネットワークエンジニアや他エンジニア、クライアントなどと協力して仕事を進めることになります。役割分担するので自分自身の達成感もありますが、チームで一体となって仕事をできることにやりがいを感じられる人の方がネットワークエンジニアに合っているといえます。
ユーザーからの感謝にやりがいを感じる
ネットワークエンジニアは縁の下の力持ちといわれることが多く、仕事が直接世間に認知されることは少ないです。しかしネットワークが安定稼働していることに感謝できる人や、裏側のネットワークエンジニアの努力にまで目が向く人も存在します。ユーザーから感謝されることもあるので、やりがいを感じられるでしょう。
ネットワークエンジニアの平均年収
レバテックキャリアで公開されているネットワークエンジニアの求人データから計算すると、下限は352万円、上限は565万円というのが目安の平均年収です。
ただしネットワークエンジニアの年収は就業している会社や役職、スキルによって異なります。スキルが高く実績が豊富な方であれば、年収2000万円近くになることもあります。
関連記事:ネットワークエンジニアとは|役割や仕事内容、未経験から目指す方法
ネットワークエンジニアの求人・転職情報>
ネットワークエンジニアが将来的にも活躍するために必要なスキル
これまでと同じ働き方ではネットワークエンジニアの将来性が明るいとは言い切れません。しかし需要が高まっている領域で必要とされるスキルを身につければ、将来も活躍し続けることは可能です。
これまで培ってきたネットワークスキルを活かしつつ、ほかの領域のスキルも身につけていくことで今後のキャリアパスを築くことができるでしょう。
クラウドスキル
アプリケーション開発や自社サービスの提供・運用において、クラウドサービスの利用は必要不可欠となりつつあります。逆に、クラウドを扱うスキルがあればキャリアパスの選択肢が大きく拓けます。
具体的には、AWSやAzure、GCPといった大手クラウドサービス上で、ネットワークおよびサーバーの構築・運用ができるエンジニアは非常に高い需要があります。職種としてはインフラエンジニアやクラウドエンジニアになりますが、クラウド化は今後も一層加速していくため、スキル習得することで今後も安定して活躍できるでしょう。
ネットワーク仮想化の知識・スキル
ネットワーク仮想化はクラウドサービスを支える技術の一つで、ハードウェアを使って構築したネットワークを、ソフトウェア上で実現する技術です。ソフトウェアによって仮想化されたネットワークの総称をSDNとも呼ばれます。
このSDNを実現するためには、ネットワーク規格のOpenFlowや、スイッチやルーターなどのネットワーク機器を仮想化する手法(NFV)に関する知識・スキルが必要です。また、これまで物理的に機器を設置しネットワークを管理していたのが、全てソフトウェアで制御・管理していく形に変わります。このような物理ネットワークと仮想ネットワークの違いについても理解しておくことが大切です。
BluetoothやZigbeeなどの通信スキル
IoTの需要拡大に伴い、インターネット(TCP/IP)だけでなく、BluetoothやZigbeeなどさまざまな通信手段についても理解があり、これらを用いた提案ができるエンジニアの評価が高まっています。IoTでは多くの機器から情報を随時収集しますが、距離や電波干渉、処理できる通信量などの設計が必要不可欠です。ビーコンを活用した広告配信サービスやデータ分析サービスなど、従来と異なる領域でネットワークエンジニアの活躍が期待されています。
セキュリティスキル
IoTやクラウドの普及に伴い、サイバー攻撃のリスクが高まっています。ネットワークエンジニアは、このようなサイバー攻撃の対処も担います。ネットワークだけでなく、ファイアウォールやマルウェア、ランサムウェアなど幅広いサイバー攻撃に対応するスキルを身につけることで市場価値が高まるでしょう。職種としては、セキュリティエンジニアやセキュリティコンサルタントへキャリアチェンジすることになります。
プログラミングスキル
ネットワーク仮想化によってソフトウェアでネットワーク機器を操作することが可能になりました。これにより、それまで一つひとつネットワーク機器を操作するだけでなく、プログラミングによってネットワーク設定の自動化もできるようになります。このため、それまであまりネットワークエンジニアには求められることがなかったプログラミングスキルも必要になってきました。
数あるプログラミング言語の中でも、比較的習得しやすく汎用性の高いPythonや、Rubyがおすすめです。プログラミングができるネットワークエンジニアは価値が高く、今後もさらなる活躍が期待できるでしょう。
プロジェクトマネジメントスキル
プロジェクトマネジメントスキルを身につけて、プロジェクトマネージャーへキャリアアップするのも一つの選択肢です。プロジェクトマネージャーはネットワーク案件だけでなく、ソフトウェア開発など幅広い案件で活躍できます。ネットワークエンジニアは、ソフトウェア開発やサーバーなどエンジニアに求められる基礎知識を有しているので、ネットワーク以外の開発案件でもプロジェクトマネージャーとして携わることができるでしょう。
関連記事:ネットワークエンジニアになるには?必要なスキルや資格も紹介
TCP/IPの知識・スキル
TCP/IPはインターネットなどのコンピューターネットワークで世界的に使用されている通信プロトコルです。通信プロトコルとは、通信機器が通信する際の規格のようなものです。ネットワーク上でTCP/IPという通信プロトコルに統一することで、各機器は接続できています。
OSI参照モデルの知識
OSIはOpen Systems Interconnectionの略です。日本語にすると、開放型システム間相互接続です。考え方としてはOSI参照モデルもTCP/IPと類似していますが、OSI参照モデルは階層がより細かく設定されています。具体的には、TCP/IPが物理層からアプリケーションの層までは4段階で設定しているのに対し、OSI参照モデルでは7階層です。
英語力
最新の技術情報は英語で発信される場合が多いため、英語力があると便利です。またオフショア開発などシステム開発のグローバル化が進んでおり、この際に用いられるのは基本的に英語です。そのため、グローバルなエンジニアを目指している場合や、ブリッジSEを目指している場合などは特に一定の英語力は必須といっても過言ではないでしょう。
ネットワークエンジニアにおすすめの資格
ネットワークエンジニアとしてスキルを磨き、生き残るためには、仕事に役立つ資格の取得も有効な手段の一つです。資格の選択肢は豊富ですが、ネットワークエンジニアとしてのスキル習得や評価アップにつながりやすい資格もあります。どのような資格を取得するのが良いか、おすすめのものを紹介していきます。
シスコ技術者認定(CCNA・CCIE)
シスコ技術者認定はネットワークエンジニアにとって定番の資格といえます。ルーターやスイッチ類を開発しているシスコシステムズが実施しており、ネットワークの構築や設計、運用にいたるまでのスキルを証明します。
シスコ技術者認定試験にはエントリーからエキスパートまでのレベルに応じた試験が用意されています。ネットワークエンジニアとしてある程度の実務経験を積んでからさらなる高みを目指している方には、プロフェッショナル向けのCCNPや、エキスパート向けのCCIEを取得することがおすすめです。
資格名 | CCNA (Cisco Certified Network Associate) |
実施日 | 随時 |
合格率 | 非公開 |
受験料 (税別) |
300ドル |
資格名 | CCIE (Cisco Certified Internetwork Expert) |
実施日 | 随時 |
合格率 | 非公開 |
受験料 (税別) |
筆記:400ドル、 ラボ試験:1600ドル |
Linux技術者認定試験 LinuC
Linux技術者認定試験 LinuCは、サーバー向けOSとして知られているLinuxのスキルを証明する資格の一つです。従来はシスコ技術者認定と並んで「LPIC」とよばれる資格が定番でしたが、クラウドシステムの隆盛にともないLinuCが注目され始めています。
LinuCは従来のようなオンプレミス環境下でのサーバーだけではなく、仮想環境、すなわちクラウドシステムの構築や運用にも対応する資格試験です。
基本的な実務に対応する「LinuC-1」、設計や構築のスキルを証明できる「LinuC-2」、そして専門家レベルの高い技術力を証明する「LinuC-3」とレベルに応じた試験が用意されています。クラウドに対応する新時代のネットワークエンジニアになるために、ぜひ挑戦しておきたい資格の一つです。
資格名 | Linux技術者認定試験 LinuC |
実施日 | 随時 |
合格率 | 非公開 |
受験料 (税込) |
16,500円 |
ネットワークスペシャリスト試験
ネットワークスペシャリスト試験は情報処理推進機構(IPA)が主催している情報処理技術者試験の一つです。毎年4月の第3日曜日に実施され、2023年度の合格率は14.3%です。合格のハードルが高く、高度情報処理技術者試験の一つに数えられます。
ネットワークスペシャリスト試験に合格した場合、ネットワーク管理者として一定のスキルや知識を有していると証明されるほか、ネットワークシステムの要件定義や構築に関するスキルも客観的に証明できます。
ネットワークエンジニアとしてのキャリアアップにおいて、運用・保守から設計・構築のフェーズにステップアップする際に大きな武器になることでしょう。また、ITエンジニアとして転職や独立の際にも効力を発揮する資格の一つです。
資格名 | ネットワークスペシャリスト試験 |
実施日 | 春期(4月) |
合格率 | 13%~15% |
受験料 (税込) |
7,500円 |
情報処理安全確保支援士試験
情報処理安全確保支援士試験も情報処理推進機構(IPA)が主催している情報処理技術者試験の一つです。かつては情報セキュリティスペシャリスト試験という名前の国家試験がありましたが、2017年春以降にこの情報処理安全確保支援士試験に移行されました。毎年4月と10月の第3日曜日に実施されており、2022年10月の試験の合格率は19.7%でした。
セキュリティに関する高度な知識が要求される資格であり、試験合格後に登録することで、情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)として活動できます。登録後は、毎年1回実施される共通講習と、3年に1回受講する実践講習の受講が義務付けられています。
資格名 | 情報処理安全確保支援士試験 |
実施日 | 春期(4月)、 秋期(10月) |
合格率 | 20%前後 |
受験料 (税込) |
7,500円 |
CompTIA認定資格
CompTIAは日本を含む世界各国で実施されているIT関連資格です。ハードウェアやOS、セキュリティ、ネットワークなど、さまざまなIT分野ごとに資格が用意されており、このうちネットワークエンジニア向けの資格としては「CompTIA Network+」「CompTIA Cloud+」などが挙げられます。
まずは「CompTIA Network+」でネットワークの基礎およびトラブルシューティングなどのスキルを習得し、その後「CompTIA Cloud+」でクラウドの運用や管理に関する知識を学ぶのがおすすめです。
資格名 | ComTIA Network+ |
実施日 | 随時 |
合格率 | 非公開 |
受験料 (税込) |
47,672円 |
資格名 | ComTIA Cloud+ |
実施日 | 随時 |
合格率 | 非公開 |
受験料 (税込) |
47,672円 |
ネットワークスキルが活かせるキャリアパスとその将来性
ネットワークエンジニアとしてスキルを身につければ、別職種へのキャリアパスが見えてきます。具体的にどのようなキャリアパスがあるのか、それぞれの将来性はどうなのか、把握しておくと良いでしょう。市場の変化に合わせて柔軟に対応する必要はありますが、ある程度キャリアパスを明確にしておくことでモチベーションアップややるべきことの明確化につながるはずです。
異職種に転職する場合
ネットワークに関する基礎的な知識をもち、適切な管理・運用ができるネットワークエンジニアは異職種への転職においても有利です。
特にソフトウェアやアプリ制作業界は、IoTや5Gといった次世代のテクノロジーとの親和性が高く、これまでネットワークエンジニアとして培ってきたノウハウを十分活かすことができます。一方で、新しい業界だからこそ学ばなければならないことも多く、転職の際はエンジニアとして勉強し続けていく姿勢が問われます。
以下では、ネットワークスキルを活かせる職種例を将来性と合わせて紹介します。
社内SE
社内SEは、ネットワークを含めたインフラの設計や構築、運用などを担当します。
社内SEの需要は多くの企業で高く、中長期的に働いていくことができるでしょう。ただし、ネットワーク専任であることはほとんどなく、予算管理からヘルプデスク、ソフトウェア開発まで幅広く担当することになるでしょう。
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社内SEへの転職は難しい?仕事内容や求められるスキルを解説
社内SEとヘルプデスクの違い
クラウドエンジニア(AWSエンジニアなど)
クラウドエンジニアとは、クラウド環境のシステムを設計するためのノウハウをもったエンジニアです。オンプレミス型のサーバーを運用してきた企業にとって、クラウド環境への移行は技術的なハードルが高く簡単に実現できないものです。
しかし、従来型のネットワークとクラウド環境に関する知識が豊富なネットワークエンジニアがいれば、技術的なハードルをクリアしながらスムーズに移行できるようになります。
そのため、LinuCの資格所有者や「AWS」「Azure」「GCP」のようなクラウドサービスの運用経験のあるネットワークエンジニアは特に高い需要があります。
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クラウドエンジニアの需要が高い理由を解説!将来性や年収も紹介
セキュリティエンジニア
ネットワークシステムの構築において、重要な課題となるのが情報セキュリティです。使い勝手の良いネットワークシステムが構築できたとしても、セキュリティ対策が不十分なままだと情報漏洩につながり、企業に莫大な損失を与えてしまいます。
情報セキュリティに関する資格を取得し、ネットワークシステムの管理と併せてセキュリティ担当者としても活躍できる人材は極めて価値の高い存在です。
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セキュリティエンジニアとは?仕事内容や必要なスキルを解説
セキュリティエンジニアになるための効果的な勉強方法
ITコンサルタント
エンジニアの経験を活かしてコンサルタント業務に就くケースも、キャリアパスの一つとして考えられます。ITを十分活用しきれていない企業はまだまだ多く、そのような企業に対して業務効率化を図り生産性を向上させるための方法として、さまざまなシステムを提案できます。
ネットワークシステムの技術的な内容だけではなく、顧客と直接コミュニケーションをとりながら包括的に問題を解決していくため、大きなやりがいも感じられることでしょう。また、コンサルタント会社へ転職することで大幅な年収アップが実現される可能性もあります。
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ITコンサルタントに必要なスキル
未経験からITコンサルタントになるには?書類選考・面接対策も解説
上位職を目指す
一口に上位職といっても、さまざまなパターンがあります。単に「上位職のほうが給与や労働条件が良いから」といった理由で目指してしまうと、イメージとのギャップが出て再びキャリアチェンジをしなければならないことになるでしょう。今回は上位職へのキャリアパスで特に多い「プロジェクトマネージャー」と「フルスタックエンジニア」を紹介します。
プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャーはシステム開発のプロジェクトにおける責任者です。システム開発の現場では、要件定義や設計・構築、運用、保守などさまざまな工程が存在します。大規模な開発プロジェクトになればなるほど、工程ごとにプロジェクトリーダーを立て、それを統括する存在としてプロジェクトマネージャーが立てられます。
当然のことながら、プロジェクトマネージャーは幅広い技術的知見とマネジメント力が求められ、開発メンバーをまとめ上げる力も必要とされます。システム開発に携わっているメンバーのなかには、プロジェクトリーダーになり、最終的にはプロジェクトマネージャーを目指している方も多いです。
関連記事:
プロジェクトマネージャーとは|仕事内容や役割、平均年収、必要なスキルも解説
プロジェクトマネージャーとは?役割・仕事内容・必須スキルを解説
フルスタックエンジニア
プロジェクトマネージャーのようなマネジメント職ではなく、技術力のあるマルチ人材を目指したいと考える方も多いでしょう。そのような場合には、フルスタックエンジニアが最適です。
フルスタックエンジニアとは、ネットワークに関連する知識だけではなく、セキュリティやプログラミングなど、ITに関連する複数分野の知見を有したエンジニアのことです。
フルスタックエンジニアがいれば、企業にとっては複数人のエンジニアを雇う必要もなくなり、効率的に開発を進めることができます。また、当然のことながらエンジニアにとってもより良い条件で雇ってくれる会社を吟味できるメリットがあります。
下記記事では、未経験でエンジニアを目指し、その後1年でフルスタックエンジニアに成長した方にお話を伺いました。興味のある方はぜひご覧ください。
関連記事:未経験からフルスタックエンジニアになるには?1年間でやったこと【インタビュー】
未経験からネットワークエンジニアになるには
専門的な技術と知識が求められるネットワークエンジニアですが、未経験からネットワークエンジニアになるにはどのようなポイントを押さえるべきでしょうか。切り口によっていろいろな方法がありますが、ここでは代表的なやり方を紹介します。この方法であれば、未経験者からでもネットワークエンジニアになりやすいでしょう。
関連記事:ネットワークエンジニアへの転職方法|ポイントやキャリアパスも紹介
「将来のビジョン」を語れるようにする
まずは、ネットワークエンジニアとしての「将来のビジョン」を語れるようにすることです。高い専門性を身につけて高度な仕事に携わりたい、多くのお客様のお役に立てるようなネットワークエンジニアになりたいなど、将来のビジョンは人それぞれでしょう。
特に就職希望先の会社において、自分の将来のビジョンを実現できるかどうか、よく検討した方が良いでしょう。ミスマッチしないためにも、会社やネットワークエンジニア業界の研究は欠かせません。
IT業界未経験ならまずは保守・運用の仕事から
IT業界が未経験の方は、まずネットワークの保守・運用の仕事からスタートしましょう。保守・運用の仕事は、ネットワークエンジニアの業務の中では比較的難易度が低く、未経験者でもOKの求人が多いからです。
まずは保守・運用の仕事をしながら、少しずつネットワークの技術や知識を身につけて、その後、ネットワーク設計や構築の仕事に携わるようになるのが、IT業界未経験者のキャリアプランです。
ネットワークエンジニアに関するよくある質問
ネットワークエンジニアの将来性に関するよくある質問と回答をまとめました。ネットワークエンジニアにはやりがいや将来性がありますが、それと同時に大変さもあります。こうした内容は、よくある疑問として挙げられます。今後どうするか決めるうえでも、確認しておくべき内容です。自分にとって良い面も悪い面も把握し、ほかの職種と比較検討しましょう。
Q1. ネットワークエンジニアの仕事は体力的にきつい?
会社や業務内容によっては、夜勤やシフト勤務になることがあり、体力的にきつい・ついていけないと感じる方もいるようです。ただ出勤日数の少ない会社もありますし、シフト勤務の場合、基本的に残業が少ないため、必ずしもきつい・ついていけないというわけではありません。
Q2. ネットワークエンジニアが優先的に身につけておくべきスキルは?
将来の需要を考えると、クラウドに関するスキルを身につけることをおすすめします。たとえばネットワーク仮想化の知識や、そのためのプログラミングスキル(Ruby・Java・Pythonなど)、仮想化技術を前提としたネットワーク設計スキルです。
Q3. ネットワークエンジニアに将来性はある?
ネットワークエンジニアは、将来性が非常に高い職種です。なぜなら、IT技術の中でもネットワークは必要不可欠であり、また今後もクラウドやIoTなどの普及により、これらの知識をもったネットワークエンジニアが求められるからです。
まとめ
ネットワークエンジニアとしての求人案件は減少傾向にありますが、ネットワークに精通したエンジニアの需要が下がったわけではありません。むしろクラウドシステムやIoTといった新たな分野に対応できるエンジニアの将来性は高い傾向にあります。
ネットワークエンジニアとして今後生き残っていくためには、これらのような新しいテクノロジーを積極的に吸収していく姿勢が問われています。これはネットワークエンジニアに限ったものではなく、プログラマーやSEなどほかのITエンジニアにも共通していえることです。
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