ネットワークエンジニアになるには?必要なスキルや資格も紹介

最終更新日:2024年3月26日

ネットワークエンジニアは、ITインフラの1つであるネットワークの設計、構築、運用・保守を担うエンジニアです。通常、ネットワークエンジニアは運用・保守フェーズから担当し、経験を積みながら設計・構築といった上流工程にステップアップしていきます。その先に考えられるキャリアパスとしては、より高いスキルを持つスペシャリスト、チームを統括するプロジェクトマネージャーといった選択肢があります。

この記事では、これからネットワークエンジニアになりたい、もしくはなろうかどうか悩んでいる他職種の現役エンジニア、エンジニア未経験者を対象に、ネットワークエンジニアのキャリアパスについて紹介します。

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この記事のまとめ

  • ネットワークエンジニアは、ネットワークの設計、構築、運用・保守などを行い、担当は所属企業やスキルレベルによって変わる
  • IT業界未経験者も、適切なスキルアップの方法を知り努力すればネットワークエンジニアになることは可能
  • ネットワークエンジニアに転職するためには、書籍や資格取得であらかじめネットワーク技術を身につけておく必要がある

ネットワークエンジニアとは

ネットワークエンジニアはインフラの中でもネットワークを担当するエンジニアです。ネットワーク設計、構築、運用、保守などを担当します。専門はネットワークですが、同じインフラであるサーバーも担当する場合があります。

関連記事:ネットワークエンジニアとは|役割や仕事内容、未経験から目指す方法

ネットワークエンジニアの仕事内容

ネットワークエンジニアの仕事は、主にネットワークの設計、構築、運用・保守です。

クライアントから要件をヒアリングしながら、どのようなネットワークシステムにするかを設計し、決まった設計内容に沿ってネットワークを構築します。構築した後は、運用と保守のフェーズに入ります。

運用ではシステムに問題がないか監視したり、ネットワークの増設・変更などを行ったりします。保守はトラブルが起きた際に対応する業務です。企業によっては、ネットワーク利用者のトラブルを解決する業務が含まれる場合もあります。

関連記事:
ネットワークエンジニアの構築業務|流れや必要なスキル・資格を解説
ネットワークエンジニアの運用・保守とは?必要なスキルも解説

ネットワークエンジニアの年収

ネットワークエンジニアの年収はどのようになっているのかみていきましょう。

レバテックキャリアで公開されている、ネットワークエンジニアの求人数は507件(2023年12月18日時点)で、年収は400~600万円ほどが相場とされています。

他の職業では年齢と年収が比例して上がる傾向にあることが基本ですが、ネットワークエンジニアは年齢と年収に比例関係はそこまでないようです。

ネットワークの構築は企業として必要不可欠な領域ですが、頻繁に新規構築するようなものでもありません。さらに、技術開発のスピードも速い分野でもあり、中心は保守・管理となります。そのため、年齢が上がったとしても相応のスキルを身につけなければ年収は上昇しにくいといえます。

ネットワークエンジニアの仕事内容や年収については、以下の記事で解説されています。あわせてご覧ください。

関連記事:ネットワークエンジニアとは?仕事内容から年収まで詳しく解説

ネットワークエンジニアになるには

ネットワークエンジニアになる方法を、IT業界の経験者と未経験者に分けて解説します。経験者の場合は何かしらのスキルを有しているので、そのスキルを活かすことが有効です。未経験から目指す場合は、ネットワークの基礎から学んでいくことになります。

関連記事:ネットワークエンジニアに転職するには?キャリアパスも紹介

IT業界経験者がネットワークエンジニアになるには

IT業界経験者の場合、比較的スムーズにネットワークエンジニアとして転職できるでしょう。

ネットワークはサーバーなどのハードウェアによって構成されているため、サーバーエンジニアのスキルがあればネットワークエンジニアとしても活かせますし、近年需要が高まっているクラウドの知識や導入の経験があれば、会社によっては即戦力として採用されることも見込めます。

また、不正アクセスやDoS攻撃などのセキュリティ対策の知識は、堅牢なネットワークの構築のための強い武器となります。

IT業界経験者は、これまでに身につけた技術や知識を整理して、ネットワークエンジニアに転職後、どのように活かせるのか、よく考えておきましょう。ネットワークエンジニアを募集している会社と言っても、さまざまな企業があります。求職者に求めるスキルも企業ごとに異なるため、自分が身につけたITスキルが活かせる会社に絞って応募すれば、効率的に転職活動を進められるでしょう。

IT業界未経験からネットワークエンジニアになるには

IT業界未経験者であってもネットワークエンジニアになることは可能です。いきなりネットワークの設計や構築などの難しい仕事はできないかもしれませんが、運用や保守などの業務でしたら、それほど高いスキルは要求されません。このような業務では、未経験者可の条件の求人もあるので、積極的に応募してみましょう。

ネットワークエンジニアを目指すための職務経歴書

ネットワークエンジニアになるための職務経歴書でも、基本的な構成に違いはありません。

  • ・職務要約

    ・職務経歴

    ・使用できるスキル、知識(プログラミング経験)

    ・保有資格

    ・自己PR

各項目に沿って作成していきます。

ネットワークエンジニア求人への応募の際は特にどのようなプロジェクトに関わって、どのように貢献してきたのか、貢献のために何をしたのかを伝える必要があります。また、クライアント企業への常駐での仕事が多いため、直近順で記載していくと採用担当者が見やすくなります。

さらに、これまでに扱ってきたネットワーク機器やネットワークの規模、使用できるプログラミング言語を具体的に書いておくと、企業側で採用した際にどのような業務であればすぐに活躍できそうかがイメージしやすくなります。

また、未経験の場合にはこれまでの職歴や学習、実践してきた経歴から、どのようにネットワークエンジニアとして貢献していきたいかを具体的に記載しましょう。例えば、IT職の経験がある場合にはこれまでの仕事の中でのネットワークとの関わり方を書くと良いでしょう。また、非IT職の場合にはなぜネットワークエンジニアを志したかの部分を書きましょう。

ネットワークエンジニアを目指すための自己PR

ネットワークエンジニアの就職、転職の自己PRには3つ意識するポイントがあります。

1つ目は知識やスキルです。
これまでの職業での経験からネットワークやスイッチ、サーバーなどに関する機械的なスキルや所持している資格に関してのアピールです。これらを伝えることで自身の強みとともにネットワークエンジニアという職業に対する熱意が採用担当者に伝わります。

2つ目は経験年数です。
新卒からネットワークエンジニアになる人もいますが、システムエンジニアやプログラマーから転身するのが一般的でしょう。前職がシステムエンジニアであれば、システムエンジニアとして何年経験したか、すでにネットワークエンジニアであれば、構築が◯年、設計が◯年など、経験が豊富であることを伝えます。

最後は実績です。
この「実績」は◯年勤めたことではなく、どのような規模のネットワーク構築をしたか、どのようなネットワークの設計、運用・保守を行ってきたかを具体的に伝えることで採用担当者に技術力の高さをイメージしてもらいます。

ネットワークエンジニアになるための面接対策

面接対策については一般的な想定質問をイメージして準備をしておくことはもちろん必要です。
特にネットワークエンジニアの場合には、
 

  • ・今後どのような領域を経験していきたいか

    ・5年後、10年後どのようなエンジニアになっていたいか


を具体的に準備しておくと良いでしょう。

未経験可のネットワークエンジニアの求人例

未経験可のネットワークエンジニアの求人例を紹介します。レバテックキャリアではネットワークエンジニアの求人が数百ありますが、類似する案件も多いです。以下に紹介する案件と類似する案件も多数あります。

求人例1:システムの設計から運用保守までを担当する業務

<具体的な業務内容>
・ネットワークシステムの設計/構築/運用(クライアント例:大手メーカー、SI企業など)
・情報システムの運用/保守(クライアント例:大手通信会社など)
・システムのテクニカルサポート(クライアント例:自治体など)

【仕事の特色】
<新人研修の詳細>
・マナー研修、個人情報保護法
・パソコン基礎
・UNIX基礎
・LAN構成およびルーター設定
・CCNA講義/CCNA受験対策

<研修後のイメージ>
1年間は、先輩や上司からのOJTによりプロジェクト経験を積んでいきます。エンジニアとしてのスキルや社会人としてのマナーを伸ばしていき、3年程度かけて一人前のエンジニアへと成長していきます。

求人例2:大手電気メーカー内のデータセンターでシステム開発

【今後の展望】
本人の希望に合わせて、キャリアチェンジをすることが可能です。また、現在大幅増員を行っている拡大フェーズのため、早い段階でリーダーを目指せます。

<具体的な業務内容>
・各種サーバーの設計/構築技術
・クライアント企業のシステム開発

必須条件
<経験>
・IT基礎知識をスクールあるいは独学で勉強した経験

ネットワークエンジニアになるために持っておくと良いスキル

ネットワークエンジニアになるには、ネットワークに関する知識や技術はもちろん、コミュニケーション能力、体力など様々なスキルが求められます。業務で直接的に重要なのは実務スキルなのでそちらを積極的に身に付けるべきですが、土台となるコミュニケーションやロジカルシンキングについても意識しておくのがおすすめです。

技術面でのスキル

ネットワークエンジニアはネットワークを構築する職種のため、通信プロトコル(TCP/IP他)、セキュリティ、トラフィック、ルーティングなど、ネットワークに関する様々な知識や技術が必要です。これらの知識を身につける方法として、資格に挑戦するというものがあります。

ベンダー資格であるシスコ技術者認定や国家資格であるネットワークスペシャリスト試験など、ネットワークに関する資格を取得すると知識が身につくだけでなく、知識を有している証明にもなるためおすすめです。

しかし、やはりネットワークエンジニアとしては実務を通じて技術力を磨くことが、実用的なスキルを身につける方法として最も効果的です。初めて扱う機種のルーターの導入や大規模なネットワークの設計、想定外のトラブル対応など、実務ではさまざまな課題が発生して、ネットワークエンジニアは解決しなければなりません。

このような実務経験で身につけた技術力がネットワークエンジニアとしての最大の武器となるでしょう。

ネットワーク関連の技術

ネットワークエンジニアになるには、ネットワークに関する十分な知識・スキルが必要です。資格に挑戦したり実務経験を得たりして技術を身につけましょう。

また、ネットワーク技術面を身につけるうえで役立つ書籍をご紹介します。実務経験がない初心者や、これからネットワークエンジニアを目指したいと思う人向けですので、ぜひ参考にしてください。

「マスタリングTCP/IP 入門編(第6版)」
ネットワークエンジニアに限らず、ITエンジニアとして「ネットワーク技術を身につけたい」と思う人なら誰もが読むべき入門書です。非常に読みやすくわかりやすいのが特長で、1994年初版から高い人気を誇っています。改訂を繰り返し、都度新しい技術についても加筆されており、ネットワークの基本を広い範囲で学ぶことができます。

「インフラ/ネットワークエンジニアのためのネットワーク技術&設計入門 第2版 」
こちらは実務よりの内容で、ネットワーク構築の要件定義から設計、運用までのフェーズにおいて、設計フェーズに重点を置いて記載されています。技術だけでなく「実際の設計ではどうしたらよいか、どこに気を付けたらよいか」という部分についても細かく記載されており、実務未経験の人におすすめです。

「改訂3版 ネットワークエンジニアの教科書」
ネットワーク機器で最も高いシェアを誇るCisco Systems社のテクニカルサポートを行っているチームが執筆した書籍です。この書籍ではルータやスイッチ、モバイル、セキュリティなどの各分野に分かれて記載されています。Cisco製品を扱う人や、トラブルシューティングなど運用に携わる人におすすめです。

他にも、ネットワーク関連の技術を身につけるための学習方法を解説した記事がありますので、こちらもご参考ください。

関連記事:
ネットワークエンジニアに必要な勉強内容とその学習方法
独学でネットワークエンジニアになる!おすすめの勉強方法

プログラミング技術

「ネットワークエンジニアにプログラミングはいらないのでは」と思う人もいるのではないでしょうか。従来では、物理的なサーバーとルーターやスイッチなどのネットワーク機器をケーブルで接続してネットワークを構築するので、プログラミング技術を求められることはあまりありませんでした。

しかし最近では、ネットワークの仮想化技術とともに、プログラムによりネットワークの構築や制御するIaC(Infrastracture as Code)が普及しています。そのため、ネットワークエンジニアもプログラミング技術が求められています。

おすすめのプログラミング言語としては、JavaやRuby、Pythonなどがあります。プログラミングの学習方法や、プログラミングスキルを身につけるうえでの注意点など、より詳しい情報が知りたい方は、以下の記事を御覧ください。

関連記事:ネットワークエンジニアが習得すべきプログラミングスキルは?おすすめ言語や学習法も解説

セキュリティの関連知識

ネットワークシステムはサイバー攻撃を受けるリスクがあります。そのため、ネットワークのセキュリティの重要性は年々注目されるようになっています。IT業界内ではもともとネットワークのセキュリティ対策には力を入れていましたが、最近はセキュリティ事故の情報が公になりやすいため、一般的にも認知されるようになっています。

ネットワークのセキュリティの重要性が認知されるようになったということは、セキュリティ関連の知識・スキルがあればアピールしやすいということです。

クラウドの関連知識

サーバーのクラウド移行が進んでいるため、ネットワークエンジニアにとってもクラウドのスキルが欠かせません。業界未経験の場合も、今後クラウド環境構築のスキルを身に付ける前提で勉強は進めていくべきでしょう。現状もクラウドが一般的になっていますが、将来的にはクラウドがより主流になる可能性が高いです。自社にサーバー、ネットワーク環境を構築する方が少数派になっていくでしょう。

その他のスキル

技術面以外で持っておくと良いスキルとして、以下のようなものがあげられます。

・コミュニケーション能力
・Word・Excel・PowerPointのスキル
・英語力
・ロジカルシンキング

すぐには身に付かないスキルや、そもそも何をもって身に付いたと言えるのか判断が難しいスキルもあります。明確な基準はありませんが、日々高めるよう意識しておくことが重要です。

コミュニケーション能力

ネットワークエンジニアの仕事は複数人のチームで行います。また、クライアントと話し合う機会も多々あるため、折衝能力や協調性などのコミュニケーション能力が必要です。コミュニケーション能力の基準やゴールはないので、日々高めるように意識し続けると良いでしょう。

Word・Excel・PowerPointのスキル

設計書を作る際や構成図およびIPアドレス表などを用いて説明をする際などには、Word、Excel、PowerPointなどのオフィスアプリケーションを使用します。そのため、これらを扱える技術が必要です。よりスキルを高めたいという方には、マイクロソフトオフィススペシャリストなどのオフィスアプリケーションのスキルを認定する資格もあるため、資格取得に挑戦してみても良いでしょう。

英語力

このスキルは必須というわけではありませんが、持っておくとネットワークエンジニアとして成長できるスキルです。最新の技術や知識が書かれた資料や文献は、英語で書かれている場合があります。
そのため問題なく読める程度の英語力があると、いち早く最新情報を手に入れることができるのです。

また、企業によってはネットワークエンジニアとして海外で働くことになる場合もあります。キャリアを広げるためにも、英語力は大切なスキルです。

ロジカルシンキング

ロジカルシンキングは論理的思考力とも言われます。物事や情報を整理し、筋道立てて考える力のことです。たとえばネットワークの構築は漏れなく組み立てていく必要があります。そのため、感覚的に作業を進めるのではなく矛盾のない設計にもとづいて正確に作業を進めることが必須です。これはロジカルシンキングのスキルそのものと言えるでしょう。

ネットワークエンジニアに関連する資格

エンジニアの仕事に資格は必須ではありませんが、取得しておくことで知識やスキルを身につけていることを証明できます。具体的にどのような資格がおすすめか紹介していきます。

ネットワークスペシャリスト試験(NW)

情報処理推進機構(IPA)が実施する、経済産業省認定の国家資格です。高レベルのネットワークの設計担当者や管理責任者を対象にした試験でもあります。

ネットワーク資源の管理、システムの開発・運用・保守などについて、高度な実務経験に基づく知識や応用力が求められます。

対象としてIPAのWebサイトには以下のように記述されています。

『高度IT人材として確立した専門分野をもち、ネットワークに関係する固有技術を活用し、最適な情報システム基盤の企画・要件定義・開発・運用・保守において中心的な役割を果たすとともに、固有技術の専門家として、情報セキュリティを含む情報システムの企画・要件定義・開発・運用・保守への技術支援を行う者』

Cisco Systems関連資格

Cisco(シスコ)製品に関わる知識や技能を認定する試験です。難易度順にCCNA、CCNP、CCIEと呼ばれる試験があり、最高レベルに位置づけられるCCIEを受験する上では、ネットワークの設計から構築、運用、最適化の実務経験が5~7年程度あることが推奨されています。また、CCIEのテストは英語でしか受けられないため、合格するには英語力も必要となるでしょう。

CCNA

CCNA(Cisco Certified Network Associate)は、ネットワークエンジニア初心者向けの入門向け資格です。ネットワークエンジニアとしての最低限の知識やスキルを持っていることの証明となり、ネットワークエンジニアを目指す人は必須ともいえる資格です。

難易度はそれほど高くないですが、2020年の改定により複数の専門分野が統合されたことにより、出題範囲が幅広くなっています。対策としては、ネットワーク関連の入門書や問題集を使って学習を進めていくとよいでしょう。可能であれば、実際にCiscoルーターなどの機器をつかって動作を確認するのがおすすめです。

CCNP

CCNP(Cisco Certified Network Professional)は、CCNAの上位資格として、大規模ネットワークの構築や運用・保守に関するスキルを持つことの証明となる資格です。CCNAは1科目を受験し合格すれば取得できますが、CCNPは「Core試験」と、6種類の専門分野から1つを選択する「Concentration試験」の2科目に合格することで取得できます。

CCNPは3年程度の実務経験者を対象としており、難易度の高い資格です。その分、資格の価値は高く、年収アップやキャリアアップ、転職が有利になるなどのメリットがあります。

CCIE

CCIE(Cisco Certified Internetwork Expert)は、CCNPの上位資格として、世界で通用する資格です。試験は英語かつ筆記試験および実機試験であり、難易度は非常に高いです。ネットワーク分野では最高峰の資格であり、国家資格よりも価値が高いともいわれています。

試験コースは6種類あり、どれか1つ取得すれば認定されます。実機試験があることから、書籍だけでなく実際に実機を使って検証を行うのが合格への近道といえます。

情報処理技術者試験

情報処理資格の中でも、国家資格となる資格です。初学者向けのITパスポート試験から受験し、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験、高度情報処理技術者試験と順に難易度の高い試験に挑戦していくのが一般的です。特に高度情報処理技術者試験は難易度が高いので、専門的な知識を幅広く身につけていなければ合格は難しいでしょう。ネットワークエンジニアの場合「ネットワークスペシャリスト」が最も関連性が高い資格です。

Linux関連資格

企業のインターネットサーバーとしても広く使われているOSであるLinux関連の資格の取得もおすすめです。中でもLinuCは2018年3月に提供が開始したLinux技術者を認定する試験です。日本の市場に特化した試験であり、3つのレベルに分類されて実施されています。最も難易度の高いLevel3は、さらに3種類の専門分野に分かれて試験が実施されています。

クラウド関連資格

昨今クラウドが急速に普及し、クラウドに関する技術が必須ともいえる状況です。そのため、クラウド上で仮想ネットワークを構築するためのスキルも身につけておく必要があります。クラウド関連の資格としては、クラウドベンダーが提供している資格を取得するのがおすすめです。ここでは2つご紹介します。

AWS認定資格

AWS認定資格は、クラウドベンダーで最も高いシェアを誇るAWS(Amazon Web Service)におけるスキルを認定する資格です。初心者向けから専門分野まで全12種類の資格があります。

ネットワーク分野では、「AWS Certified Advanced Networking - Specialty」があります。これは、ネットワークアーキテクチャの設計および実装に5年間の実務経験がある人を対象にしている難易度の高い資格ですが、AWSでのネットワークスペシャリストとして専門的なスキルがあることが認められます。

難易度は高いため、まずはクラウドプラクティショナーやアソシエイト資格など、難易度の低い資格から取得していくとよいでしょう。

Microsoft Azure認定資格

Microsoft Azure認定資格は、マイクロソフト社が提供するクラウド「Microsoft Azure」に関連する認定資格です。ネットワーク分野に特化した資格として、「Azure Network Engineer アソシエイト」試験が提供されています。これは、Microsoft Azure上でネットワークインフラを設計・実装する技術者を対象としています。

難易度は中級レベルで、ある程度Microsoft Azureを扱ったことがある人は取得を目指してみるとよいでしょう。

エンジニア未経験者はまずは基本情報技術者試験がおすすめ

ネットワークエンジニアになるのに必要な資格は存在しません。ただし、未経験の方がIT業界に就職する場合、最低限持っておきたい資格が存在します。その資格とは、情報処理技術者試験の入り口としての資格「基本情報技術者」です。

ネットワークエンジニアの将来性

ネットワークエンジニアは今後も需要があり、将来性は高いです。エンジニア全体が人材不足ということもありますが、ネットワークに関わる分野としてクラウド、セキュリティがあることが大きいです。

今後、実際に自社サーバーをもつオンプレミス方式からクラウドへ移行する企業が今以上に増えることが予測されるため、クラウドとのネットワーク、クラウド間のネットワークなどの仕事が増えると考えられます。

また、クラウドのほかにも5G技術の登場によりセキュリティ性の高いネットワークの構築が必要になるため、セキュリティにも精通したネットワークエンジニアの需要は高まるでしょう。

需要が高いとはいえ、求められる技術に対して積極的に情報を取りに行く必要があることは変わりません。技術の習得に抵抗なく仕事に活かしていける、人材は求め続けられるでしょう。

ネットワークエンジニアに向いている人

以下では、未経験からネットワークエンジニアへの転職を検討している方に向けて、ネットワークエンジニアに向いている人の特徴をご紹介します。現時点ですべてに該当している必要はありませんが、向いている人の特徴を知り、自分自身を変えていくことも有効です。

好奇心があり、向上心が高い人

ネットワークエンジニアはネットワーク技術の専門家として、常に新しい技術を身につけていく姿勢が大切です。また、ネットワークという分野だけではなく、セキュリティやITインフラ全般に対しても知識を深めることで、活躍の場が広がります。

そのため、広い分野に対して好奇心がある人、積極的に技術習得に励む向上心が高い人は、ネットワークエンジニアに向いていると言えるでしょう。

忍耐力がある人

システムにおけるネットワークは非常に重要な部分であるため、細かな部分もチェックして障害を可能な限り防がなければなりません。また、ネットワーク機器のリプレースなどリリース作業では、稼働しているシステムに影響を与えないようにするため、深夜作業となることもあります。

そのため、作業的には細かな設定作業を地道に行ったり、時間帯が不規則になりがちです。このような状況であっても、忍耐強く行える人は、ネットワークエンジニアに向いているといえるでしょう。

関連記事:
ネットワークエンジニアの夜勤について|手当や辛いところを紹介
ネットワークエンジニアの残業時間や休日事情について

協調性がある人

ネットワークエンジニアは、単独で行動するよりもチームで動く機会が多い職種です。特に保守・運用業務においては、複数人で客先常駐になることが多いため、クライアントやチームメンバーと長期的に良好な関係を築かなくてはなりません。

よって、周囲と歩調を合わせる柔軟性や人当たりの良さを持っている必要があります。

ネットワークエンジニアからのキャリアパス

ネットワークエンジニアになった後に歩むキャリアパスについてご紹介します。ネットワークエンジニアとして就職すると、まずはネットワークの運用・保守を担当することが多いです。運用・保守で技術力を磨き、新規のネットワークの構築や設計の業務に携われるようになっていきます。

ネットワークエンジニアになった後のキャリアパスとしては、以下の3パターンが代表的です。

関連記事:ネットワークエンジニアのキャリアパス|キャリアアップの要点も解説

技術力を高め続けてスペシャリストになる

常に最先端技術を取り入れ、業務知識や業務で使う技術を磨いていくことを通してネットワークエンジニアとしてのスペシャリストとなる道です。スペシャリストになることを選択する場合、勉強を好きで継続できることが大前提の条件となるでしょう。

現場を取りまとめるマネージャーになる

ネットワークエンジニアたちのチームをマネジメントするマネージャーとなる道です。現場では常に何が起きるかわかりません。不具合やメンバー同士の人間関係の問題、クライアントとのトラブルなども起きることはあるでしょう。そういったトラブルに対しても臆することなく対応できる人間力・人間関係力が求められるポジションです。

上流工程に特化したコンサルタントになる

インフラコンサルタントと呼ばれる職種です。ITシステムの導入、開発、リニューアルに関するコンサルティングを行います。その中でも、ネットワーク、サーバー、データベースなどシステムを構築するインフラが担当領域です。

3つはどれも重要な仕事です。自分の適正や将来の方向性、最終的に何をやりたいのかを明確にした上で選択するようにしましょう。

ネットワークエンジニアに関するよくある質問

ネットワークエンジニアに関するよくある質問と回答を紹介します。ネットワークエンジニアのやりがいや大変さを知っておくことで、目指すべきかどうかの判断や、モチベーションアップに役立つでしょう。

Q1. 新卒からネットワークエンジニアになることはできますか?

新卒からでもネットワークエンジニアになることは可能です。ただし、最初から設計や構築などの上流の仕事に関わることは難しいと考えられます。仮に上流の仕事に関われたとしても技術力不足で業務の遂行は難しいでしょう。

最初はネットワークの運用や監視の業務を通して、どのような構築になっていて、どのようなシステムを動かしているのかを理解していきましょう。業務にかかわる中で障害などの不測の事態に遭遇することがありますので、障害の場合にはどのように対処するかを経験値として積み上げていきましょう。

一般的には1~3年ほど運用監視を経験すると設計や構築に関われるようになっていきます。

Q2. ネットワークエンジニアはきついと言われますが、なぜでしょうか?

理由として障害対応がきついということがあります。保守や運用を担当する業務に従事しているときに直面する問題ですが、トラブルの原因の切り分けが困難で自分だけでは対処できない場合があり、精神的な負担を感じる要因になっています。

また、監視業務は24時間体制で行われるため、生活リズムが乱れてしまうことがあります。担当の時間ではない場合でも障害が発生すれば、夜間でも呼び出されることもあります。

スキルアップ面でもきついと言われることがあります。エンジニアは基本的に資格の取得が推奨されますが、ネットワーク関連資格はほとんどがベンダーによる認定資格になり、難易度が高いです。そのため、スキルアップできているのかの実感を感じにくい特徴があります。

最後に、仕事の成果が見えにくいということがあります。ネットワークは水道や電気と同じように「あって当たり前」と思われているため、「ネットワークを構築したことで売上が〇〇%上がった」などの成果に直接繋がったと感じる部分がほとんどありません。

Q3. ネットワークエンジニアのやりがいはどんなところですか?

ネットワークエンジニアは社会のあらゆるシステムの基盤を支える仕事です。企業だけでなく個人であってもネットワークがない生活は想像できないでしょう。人々の生活の発展を陰ながら支えられる貢献度の高い仕事であるため、社会に貢献しているという達成感がやりがいになります。

まとめ

ネットワークエンジニアの仕事内容や、ネットワークエンジニアになるためのスキルや必要なマインド、関連する資格などについて解説しました。ITの重要なインフラであるネットワークは、インターネットをはじめとして多くの業務や生活を支える重要な基盤となっています。ネットワークエンジニアはネットワークを正常に動作させるためには欠かせない職種といえるでしょう。

これからネットワークエンジニアになるには、幅広い技術と知識を身につけて、運用や保守の仕事をしっかりできるようになることを目標にしましょう。その後、資格を取得したり、スキルを向上させたりすれば、新たなキャリアを切り拓いたり、専門性の高いネットワークエンジニアとして長く活躍できるでしょう。

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この記事の監修

レバテックキャリア編集部

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