ネットワークエンジニアになるには?必要なスキルや資格も紹介

最終更新日:2024年9月30日

ネットワークエンジニアは、コンピュータネットワークの設計、構築、運用・保守を担うエンジニアです。企業や組織の活動に欠かせないITインフラの中でも、ネットワークの利用は前提となるため、非常に貢献度の高い仕事といえます。

通常、ネットワークエンジニアのキャリアは運用・保守担当からはじまり、経験を積んで設計・構築などの上流工程にステップアップします。その先は、高スキルなスペシャリストやプロジェクトマネージャーが選択肢です。

この記事では、これからネットワークエンジニアになりたい、もしくは検討中の他職種のエンジニアや未経験者を対象に、ネットワークエンジニアになるための方法やキャリアパスについて紹介します。

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この記事のまとめ

  • ネットワークエンジニアはネットワークの設計、構築、運用・保守などが主な業務で、担当範囲は所属企業やスキルレベルによって異なる
  • IT業界未経験者も、適切なスキル習得の方法を知り、学習することでネットワークエンジニアになることは可能
  • ネットワークエンジニアに転職するためには、書籍や資格取得であらかじめネットワークに関する知識を身につけておく必要がある

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ネットワークエンジニアとは

ネットワークエンジニアは、インフラの中でもコンピューター間を繋ぐネットワークを担当するエンジニアです。ネットワークの設計、構築、運用、保守などが主な業務です。

専門はネットワークですが、同じインフラであるサーバーも担当する場合があります。また、近年ではクラウドサービス上にネットワークの構築を行うケースも増えており、クラウドサービスに関する業務も担当範囲に含むことが珍しくありません。

ネットワークという専門性の高い分野を業務で取り扱うため、専門的なスキルや知識が必要となります。

関連記事:ネットワークエンジニアとは?役割や仕事内容、未経験から目指す方法

ネットワークエンジニアの仕事内容

ネットワークエンジニアの仕事は、主にコンピュータネットワークの設計、構築、運用・保守です。

クライアントから要件をヒアリングしながら、どのようなネットワークシステムにするかを設計し、決まった設計内容に沿ってネットワークを構築します。構築した後は、運用と保守のフェーズに入ります。

運用では、ネットワークが期待通りの性能で稼働していることの監視や、ネットワークシステムや機器のメンテナンス、増設・変更などを行います。保守はトラブルが起きた際に対応する業務です。企業によっては、ネットワーク利用者のトラブルを解決する業務が含まれる場合もあります。

関連記事:
ネットワークエンジニアの構築業務とは ?流れや必要なスキル・資格を解説
ネットワークエンジニアの運用・保守とは?必要なスキルも解説
ネットワークエンジニアの監視業務とは?仕事内容や役立つ資格を紹介

ネットワークエンジニアの年収

ネットワークエンジニアの年収事情についても確認しておきましょう。

2024年09月16日時点で、レバテックキャリアで公開されているネットワークエンジニアの求人数は728件、内募集中は358件でした。30件を抽出し、年収の最大値と最小値の中間の平均から、ネットワークエンジニアの平均年収は604万円と算出できます。

ネットワークエンジニアの求人・転職情報>

他の職業では年齢と年収が比例して上がる傾向にあることが基本ですが、ネットワークエンジニアは年齢と年収に比例関係はそこまでないようです。また、担当工程やネットワークの規模、マネジメントスキルの有無などにより年収には幅が見られ、高スキルを持ったエンジニアには最大年収が1,000万円を超える求人も存在しています。

ネットワークの構築は企業として必要不可欠な領域ですが、頻繁に新規構築するようなものでもありません。さらに、技術開発のスピードも速い分野でもあり、中心は保守・管理となります。そのため、年齢が上がったとしても相応のスキルを身につけなければ年収は上昇しにくいといえます。

関連記事:
ネットワークエンジニアとは?仕事内容から年収までわかりやすく解説
ネットワークエンジニアの年収相場は?仕事内容・年齢別に解説

ネットワークエンジニアの将来性

ネットワークエンジニアは今後も需要があり、将来性は高いです。エンジニア全体が人材不足ということもありますが、ネットワークに関わる分野としてクラウド、セキュリティがあることが大きいです。

自社サーバーをもつオンプレミス方式からクラウドへ移行する企業が増加しています。このインフラ技術の変化に対し、ネットワークエンジニアにはクラウド上でのネットワーク構築やクラウド間のネットワーク接続などのスキル・知識を持つことで活躍が可能です。

また、クラウドのほかにも5G技術への対応スキルも今後必要とされるでしょう。情報資産の価値向上によってセキュリティ性の高いネットワークの構築が必要となっているため、セキュリティにも精通したネットワークエンジニアの需要は高まると予測できます。

需要が高いとはいえ、求められる技術に対して積極的に情報を得て身につけていく必要があることは変わりません。技術の習得に抵抗なく仕事に活かしていける、人材は求め続けられるでしょう。

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ネットワークエンジニアになるには

ネットワークエンジニアになる方法を、IT業界の経験者と未経験者に分けて解説します。

ネットワークエンジニアには、技術的なスキルや知識が必要となります。転職によりネットワークエンジニアを目指す場合にも、どのようにスキルと知識を身につけていくかは重要なポイントです。

経験者の場合は何かしらのスキルを有しているので、そのスキルを活かすことが有効です。未経験から目指す場合は、ネットワークの基礎から学んでいくことになります。

関連記事:ネットワークエンジニアへの転職方法!ポイントやキャリアパスも紹介

IT業界経験者がネットワークエンジニアになるには

IT業界経験者の場合、比較的スムーズにネットワークエンジニアとして転職できるでしょう。

ネットワークはサーバーなどのハードウェアによって構成されているため、サーバーエンジニアのスキルがあればネットワークエンジニアとしても活かせますし、近年需要が高まっているクラウドの知識や導入の経験があれば、会社によっては即戦力として採用されることも見込めます。また、不正アクセスやDoS攻撃などのセキュリティ対策の知識は、堅牢なネットワークの構築のための強い武器となります。

IT業界経験者は、これまでに身につけた技術や知識を整理して、ネットワークエンジニアに転職後、どのように活かせるのか、よく考えておきましょう。

ネットワークエンジニアを募集している会社と言っても、さまざまな企業があります。求職者に求めるスキルも企業ごとに異なるため、自分が身につけたITスキルが活かせる会社に絞って応募すれば、効率的に転職活動を進めることが可能です。

IT業界未経験からネットワークエンジニアになるには

IT業界未経験者であってもネットワークエンジニアになることは可能です。ただし、いきなりネットワークの設計や構築などの難しい仕事を担当するエンジニアとなることは難しいです。

ネットワークエンジニアの業務の中でも運用や保守は、比較的高いスキルは要求されません。運用や保守をメインとしたネットワークエンジニアには、未経験者可の条件の求人もあるので、積極的に応募してみましょう。

ネットワークエンジニアへの転職のポイント

経験者、未経験者を通じてネットワークエンジニアへの転職では、必要となるスキルの習得は欠かせないポイントです。それに加えて、転職活動における職務経歴書などのドキュメントや面接に向けた対策も必要となります。

関連記事:ネットワークエンジニアの志望動機例文7選!書き方や注意点を解説

ネットワークエンジニアを目指すための職務経歴書

ネットワークエンジニアになるための職務経歴書でも、基本的な構成は他の仕事に向けた職務経歴書と違いはありません。

  • ・職務要約

    ・職務経歴

    ・使用できるスキル、知識(プログラミング経験)

    ・保有資格

    ・自己PR

エンジニア経験者がネットワークエンジニア求人へ応募する際は、特にどのようなプロジェクトに関わって、どのように貢献してきたのか、どんな役割を果たしたかを伝える必要があります。また、クライアント企業への常駐での仕事が多いため、直近順で記載していくと採用担当者が見やすくなります。

さらに、これまでに扱ってきたネットワーク機器やネットワークの規模、使用できるプログラミング言語を具体的に書いておくと、企業側はどのような業務であればすぐに活躍できそうかイメージしやすいです。

また、未経験の場合にはこれまでの職歴や学習、実践してきた経歴から、どのようにネットワークエンジニアとして貢献できるかを具体的に記載しましょう。例えば、IT企業で働いた経験がある場合には仕事の中でのネットワークとの関わり方を書くと良いでしょう。また、非IT職の場合には、なぜネットワークエンジニアを志したかを書いておきましょう。

ネットワークエンジニアを目指すための自己PR

ネットワークエンジニアの就職、転職の自己PRには3つ意識するポイントがあります。

1.知識やスキル
これまでの職業での経験からネットワークやスイッチ、サーバーなどに関する技術的なスキルや所持している資格に関してのアピールです。これらを伝えることで自身の強みとともにネットワークエンジニアという職業に対する熱意が採用担当者に伝わります。

2.経験年数
新卒からネットワークエンジニアになる人もいますが、システムエンジニアやプログラマーから転身する場合が多く、その場合にはエンジニアとしての経験年数を記載して伝えましょう。前職がシステムエンジニアであれば、システムエンジニアとして何年経験したか、すでにネットワークエンジニアであれば、構築が◯年、設計が◯年など、経験が豊富であることを伝えます。

3.実績
この「実績」は◯年勤めたことではなく、どのような規模のネットワーク構築をしたか、どのようなネットワークの設計、運用・保守を行ってきたかを具体的に伝えることで採用担当者に技術力の高さをイメージしてもらいます。

ネットワークエンジニアになるための面接対策

面接対策については一般的な想定質問をイメージして準備をしておくことはもちろん必要です。

特にネットワークエンジニアの場合には、下記を具体的に準備しておくと良いでしょう。

  • ・今後どのような領域を経験していきたいか

    ・5年後、10年後どのようなエンジニアになっていたいか

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未経験可のネットワークエンジニアの求人例

未経験可のネットワークエンジニアの求人例を紹介します。

レバテックキャリアではネットワークエンジニアの求人が多数あり、その中には未経験からネットワークエンジニアになりたい人を受け入れている場合や、スキル習得に向けた教育を用意してキャリア形成が可能な案件も存在します。未経験からネットワークエンジニアを目指す方は、参考としてお役立てください。

求人例1:ITインフラ全般業務

ITインフラ業務全般に携わるネットワークエンジニアの求人例は以下の通りです。

【業務内容】
システムインフラ基盤に関する、設計・構築、運用保守業務
・大規模案件における設計、構築、運用、保守など
・サービス提供へ向けた提案業務
・トラブルシューティング
・トラブル再発防止策の立案、実行
・請負案件でのシステム基盤構築業務

【求められるスキル・経験】
・設計構築経験(年数問わず)
・運用経験1年以上
・未経験でもCCNA、LPIC、ITILFoundation等、IT関連資格を保有
・ITに強い興味を持ち自主的な学習を行っている

【想定年収】
300~450万円

求人例2:ネットワーク構築とサポート業務

ネットワーク構築とサポート業務に携わるエンジニアの求人例は以下の通りです。

【業務内容】
・ユーザーを対象としたITサポート業務(メール・電話対応、オンサイト対応、サーバーログ収集)
・同社製品の導入サポート
・PC、サーバキッティング
・ユーザー及び業者の調整

【求められるスキル・経験】
・インフラ構築及び運用の実務経験1年以上
・社会人経験2年以上

【想定年収】
300~450万円

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ネットワークエンジニアへの転職に役立つスキル

ネットワークエンジニアになるには、ネットワークに関する知識や技術はもちろん、コミュニケーション能力、体力など様々なスキルが求められます。業務で直接的に重要なのは実務スキルなのでそちらを積極的に身に付けるべきですが、土台となるコミュニケーションやロジカルシンキングについても意識しておくのがおすすめです。

技術面でのスキル

ネットワークエンジニアはネットワークを構築する職種のため、通信プロトコル(TCP/IP他)、セキュリティ、トラフィック、ルーティングなど、ネットワークに関する様々な知識や技術が必要です。

実務を通じて技術力を磨くことが、実用的なスキルを身につける方法として最も効果的です。初めて扱う機種のルーターの導入や大規模なネットワークの設計、想定外のトラブル対応など、実務ではさまざまな課題が発生して、ネットワークエンジニアは解決しなければなりません。

このような実務経験で身につけた技術力がネットワークエンジニアとしての最大の武器となるでしょう。

ネットワーク関連の技術

ネットワークエンジニアへの転職では、ネットワークに関する十分な知識・スキルが必要なため、資格の取得や書籍による学習で身につけましょう。以下、おすすめの書籍を紹介します。

『マスタリングTCP/IP 入門編(第6版)』(オーム社、井上 直也、村山 公保、竹下 隆史、荒井 透 、苅田 幸雄)
すべての「ネットワーク技術を身につけたい」ITエンジニアに向けた入門書です。読みやすく理解しやすいため、1994年初版から人気が高く、改訂により新技術もフォローされています。

『インフラ/ネットワークエンジニアのためのネットワーク技術&設計入門 第2版』(SBクリエイティブ、みやたひろし)
設計フェーズに重点を置いた、実務よりの内容です。実務上のノウハウも豊富で、未経験の人にもおすすめです。

『改訂3版 ネットワークエンジニアの教科書』(シーアンドアール研究所、シスコシステムズ合同会社 テクニカルアシスタンスセンター)
ネットワーク機器大手シスコ社のテクニカルサポートによる書籍で、ルータやスイッチ、モバイル、セキュリティなどの分野が記載されています。Cisco製品を扱う人、運用に携わる人におすすめです。

関連記事:
ネットワークエンジニアに必要な勉強内容とその学習方法
独学でネットワークエンジニアになる!おすすめの勉強方法

プログラミング技術

「ネットワークエンジニアにプログラミングはいらないのでは」と思う人もいるのではないでしょうか。

従来は、ネットワーク構築は物理的なサーバーとルーターやスイッチなどのネットワーク機器をケーブルで接続して行ってきたため、プログラミング技術を求められることはあまりありませんでした。

しかし、最近では、ネットワークの仮想化技術SDN(Software Defined Networking)でのプログラミングや、ネットワークの構築手順をコードとして定義するIaC(Infrastracture as Code)が普及しています。そのため、ネットワークエンジニアもプログラミング技術が求められています。

おすすめのプログラミング言語としては、JavaやRuby、Pythonなどがあります。

関連記事:ネットワークエンジニアが習得すべきプログラミングスキルは?おすすめ言語や学習法も解説

セキュリティの関連知識

ネットワークシステムはサイバー攻撃を受けるリスクがあります。そのため、ネットワークのセキュリティの重要性には強く注目が集まる状況です。IT業界内ではもともとネットワークのセキュリティ対策には力を入れていましたが、最近はセキュリティ事故の情報が公になりやすいため、一般的にも認知されるようになっています。

ネットワークのセキュリティの重要性が認知されるようになったということは、セキュリティ関連の知識・スキルがあればアピールしやすいということです。

クラウドの関連知識

サーバーのクラウド移行が進んでいるため、ネットワークエンジニアにとってもクラウドのスキルが欠かせません。業界未経験の場合も、今後クラウド環境構築のスキルを身に付ける前提で勉強は進めていくべきでしょう。

現状もクラウドが一般的になっていますが、将来的にはクラウドがより主流になる可能性が高いです。自社にサーバー、ネットワーク環境を構築する方が少数派になっていくでしょう。

そのほかのスキル

技術面以外で持っておくと良いスキルとして、以下のようなものがあげられます。


  • ・コミュニケーション能力

    ・Word・Excel・PowerPointのスキル

    ・英語力

    ・ロジカルシンキング


すぐには身に付かないスキルや、そもそも何をもって身に付いたと言えるのか判断が難しいスキルもあります。明確な基準はありませんが、日々高めるよう意識しておくことが重要です。

コミュニケーション能力

ネットワークエンジニアの仕事は複数人のチームで行います。また、クライアントやネットワークの利用を行うソフトウェアエンジニア、インフラエンジニアと話し合う機会も多々あるため、折衝能力や協調性などのコミュニケーション能力が必要です。コミュニケーション能力の基準やゴールはないので、日々高めるように意識し続けると良いでしょう。

Word・Excel・PowerPointのスキル

設計書を作る際や構成図およびIPアドレス表などを用いて説明をする際などには、Word、Excel、PowerPointなどのオフィスアプリケーションを使用します。したがって、これらを扱える技術が必要です。

よりスキルを高めたいという方には、マイクロソフトオフィススペシャリストなどのオフィスアプリケーションのスキルを認定する資格もあるため、挑戦してみても良いでしょう。

英語力

英語力は必須というわけではありませんが、持っておくとネットワークエンジニアとして成長できるスキルです。最新の技術や知識が書かれた資料や文献は、英語で書かれている場合があります。ですので、問題なく読める程度の英語力があると、いち早く最新情報を手に入れることが可能となります。

また、企業によってはネットワークエンジニアとして海外で働くことになる場合もあります。キャリアを広げるためにも、英語力は大切なスキルです。

ロジカルシンキング

ロジカルシンキングは論理的思考力とも言われます。物事や情報を整理し、筋道立てて考える力のことです。

ネットワークの構築は、必要な要素を抜け漏れなく組み立てていく必要があります。したがって、感覚的に作業を進めるのではなく矛盾のない設計にもとづいて正確に作業を進めることが必須です。これはロジカルシンキングのスキルそのものと言えるでしょう。

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ネットワークエンジニアに関連する資格

ネットワークエンジニアの仕事に資格は必須ではありませんが、取得しておくことで知識やスキルを身につけていることを証明できます。

以下では、具体的にどのような資格がおすすめか紹介します。広くエンジニア一般のスキルを示せる資格とネットワークに関する専門性を示せる資格があるため、キャリア形成に役立つものを選択してください。

情報処理技術者試験

情報処理技術者試験は情報処理資格の中でも、国家資格となる資格です。初学者向けのITパスポート試験から受験し、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験、高度情報処理技術者試験と順に難易度の高い試験に挑戦していくのが一般的です。特に高度情報処理技術者試験は難易度が高いので、専門的な知識を幅広く身につけていなければ合格は難しいでしょう。ネットワークエンジニアの場合「ネットワークスペシャリスト」が最も関連性が高い資格です。

ネットワークスペシャリスト試験(NW)

ネットワークスペシャリスト試験は情報処理推進機構(IPA)が実施する、経済産業省認定の国家資格です。高レベルのネットワークの設計担当者や管理責任者を対象にした試験でもあります。

ネットワーク資源の管理、システムの開発・運用・保守などについて、高度な実務経験に基づく知識や応用力が求められます。ネットワークエンジニアとして一定の経験を積んだエンジニアがキャリアアップを目指す際におすすめです。

エンジニア未経験者はまずは基本情報技術者試験がおすすめ

ネットワークエンジニアになるのに必要な資格は存在しません。ただし、未経験の方がIT業界に就職する場合、最低限持っておきたい資格が存在します。その資格とは、情報処理技術者試験の入り口としての資格「基本情報技術者」です。

基本情報技術者試験では、エンジニアとしてエントリレベルの知識が幅広い分野に対して問われます。保有することで、他の専門分野も含めて基礎的な知識を保有していることが示せ、他の分野のエンジニアとの連携を問題なくこなせる証にもなるでしょう。

シスコ認定

シスコ認定はCisco(シスコ)製品に関わる知識や技能を認定する試験です。難易度順にCCNA、CCNP、CCIEと呼ばれる試験などがあり、最高レベルに位置づけられるCCIEを受験する上では、ネットワークの設計から構築、運用、最適化の実務経験が5~7年程度あることが推奨されています。また、CCIEのテストは英語でしか受けられないため、合格するには英語力も必要となるでしょう。

CCNA

CCNA(Cisco Certified Network Associate)は、ネットワークエンジニア初心者向けの入門向け資格です。ネットワークエンジニアとしての最低限の知識やスキルを持っていることの証明となり、ネットワークエンジニアを目指す人は必須ともいえる資格です。

難易度はそれほど高くないですが、2020年の改定により複数の専門分野が統合されたことにより、出題範囲が幅広くなっています。対策としては、ネットワーク関連の入門書や問題集を使って学習を進めていくとよいでしょう。可能であれば、実際にCiscoルーターなどの機器をつかって動作を確認するのがおすすめです。

CCNP

CCNP(Cisco Certified Network Professional)は、CCNAの上位資格として、大規模ネットワークの構築や運用・保守に関するスキルを持つことの証明となる資格です。CCNAは1科目を受験し合格すれば取得できますが、CCNPは「Core試験」と、4種類の専門分野から1つを選択する「Concentration試験」の2科目に合格することで取得できます。

CCNPは3年程度の実務経験者を対象としており、難易度の高い資格です。その分、資格の価値は高く、年収アップやキャリアアップ、転職が有利になるなどのメリットがあります。

CCIE

CCIE(Cisco Certified Internetwork Expert)は、CCNPの上位資格として、世界で通用する資格です。試験は筆記試験および実機試験があり、難易度は非常に高いです。ネットワーク分野では最高峰の資格であり、国家資格よりも価値が高いともいわれています。

実機試験があることから、書籍だけでなく実際に実機を使って検証を行うのが合格への近道といえます。

関連記事:CCIEの難易度は高い?試験対策や取得者の将来性を解説

Linux関連資格

企業のインターネットサーバーとしても広く使われているOSであるLinux関連の資格の取得もおすすめです。中でもLinuCはLPI-JapanによるLinux技術者を認定する試験です。日本の市場に特化した試験であり、3つのレベルとシステムアーキテクト向けのコースが提供されています。最も難易度の高いLevel3は、さらに3種類の専門分野があります。

クラウド関連資格

クラウドの普及は急速に進み、ネットワークエンジニアにとってもクラウドに関する技術が必須ともいえる状況です。特にクラウド上で仮想ネットワークを構築するためのスキルを身につけておく必要があります。
クラウド関連の資格としては、クラウドベンダーが提供している資格を取得するのがおすすめです。ここでは2つご紹介します。

AWS認定資格

AWS認定資格は、クラウドベンダーで最も高いシェアを誇るAWS(Amazon Web Service)におけるスキルを認定する資格です。初心者向けから専門分野まで、2024年09月16日時点でβ版を含めて全12種類の資格が提供されています。

ネットワーク分野では、「AWS Certified Advanced Networking - Specialty」があります。ネットワークアーキテクチャの設計および実装に5年間の実務経験がある人を対象にした難易度の高い資格で、AWSでのネットワークスペシャリストとして専門的なスキルがあることが認められます。

まずはクラウドプラクティショナーやアソシエイト資格など、難易度の低い資格から取得し、その後にAdvanced Networkingにチャレンジするという段階的なプランがおすすめです。

Microsoft Azure認定資格

Microsoft Azure認定資格は、マイクロソフト社が提供するクラウド「Microsoft Azure」に関連する認定資格です。ネットワーク分野に特化した資格として、「Azure Network Engineer アソシエイト」試験が提供されています。これは、Microsoft Azure上でネットワークインフラを設計・実装する技術者を対象としています。

難易度は中級レベルで、ある程度Microsoft Azureを扱ったことがある人は取得を目指してみるとよいでしょう。

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ネットワークエンジニアに向いている人

ネットワークエンジニアに向いている人には共通した特徴があります。

以下では、未経験からネットワークエンジニアへの転職を検討している方に向けて、ネットワークエンジニアに向いている人の特徴をご紹介します。現時点ですべてに該当している必要はありませんが、向いている人の特徴を知り、自分自身を変えていくことも有効です。

関連記事:ネットワークエンジニアに向いている人とは?適性やキャリアパスも解説

好奇心があり、向上心が高い人

ネットワークエンジニアはネットワーク技術の専門家として、常に新しい技術を身につけていく姿勢が大切です。また、ネットワークという分野だけではなく、セキュリティやITインフラ全般に対しても知識を深めることで、活躍の場が広がります。

そのため、広い分野に対して好奇心がある人、積極的に技術習得に励む向上心が高い人は、ネットワークエンジニアに向いていると言えるでしょう。

忍耐力がある人

システムにおけるネットワークは非常に重要な部分であるため、細かな部分もチェックして障害を可能な限り防がなければなりません。また、ネットワーク機器のリプレースなどリリース作業では、稼働しているシステムに影響を与えないようにするため、深夜作業となることもあります。

そのため、作業的には細かな設定作業を地道に行ったり、時間帯が不規則になりがちです。このような状況であっても、忍耐強く行える人は、ネットワークエンジニアに向いているといえるでしょう。

関連記事:
ネットワークエンジニアの夜勤について!手当や辛いところを紹介
ネットワークエンジニアの残業時間や休日事情について

協調性がある人

ネットワークエンジニアは、単独で行動するよりもチームで動く機会が多い職種です。特に保守・運用業務においては、複数人で客先常駐になることが多いため、クライアントやチームメンバーと長期的に良好な関係を築かなくてはなりません。

よって、周囲と歩調を合わせる柔軟性や人当たりの良さを持っている必要があります

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ネットワークエンジニアからのキャリアパス

ネットワークエンジニアになった後に目指せるキャリアパスについてご紹介します。

ネットワークエンジニアとして就職すると、まずはネットワークの運用・保守を担当することが多いです。運用・保守で技術力を磨き、新規のネットワークの構築や設計の業務に携われるようになっていきます。

ネットワークエンジニアになった後のキャリアパスとしては、以下の3パターンが代表的です。

関連記事:ネットワークエンジニアのキャリアパス!キャリアアップの要点も解説

技術力を高め続けてスペシャリストになる

常に最先端技術を取り入れ、業務知識や業務で使う技術を磨いていくことを通してネットワークエンジニアとしてのスペシャリストとなる道です。スペシャリストになることを選択する場合、勉強を好きで継続できることが大前提の条件となるでしょう。

具体的には、上流工程を担当するネットワークエンジニアや大規模プロジェクトで活躍するネットワークエンジニアが該当します。また、クラウドエンジニアやインフラエンジニア、セキュリティエンジニアなどの周辺技術でのスペシャリストも視野に入るでしょう。

現場を取りまとめるマネージャーになる

ネットワークエンジニアのチームをマネジメントするマネージャーとなる道です。現場では常に何が起きるかわかりません。不具合やメンバー同士の人間関係の問題、クライアントとのトラブルなども起きることはあるでしょう。そういったトラブルに対しても臆することなく対応できる人間力・人間関係力が求められるポジションです。

具体的なパスとして、プロジェクトマネージャーやネットワーク構築の支援を行うITコンサルタントなどがマネジメントを行うパスに該当します。

上流工程に特化したコンサルタントになる

インフラコンサルタントと呼ばれる職種です。ITシステムの導入、開発、リニューアルに関するコンサルティングを行います。その中でも、ネットワーク、サーバー、データベースなどシステムを構築するインフラが担当領域です。

3つはどれも重要な仕事です。自分の適正や将来の方向性、最終的に何をやりたいのかを明確にした上で選択するようにしましょう。

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ネットワークエンジニアに関するよくある質問

ネットワークエンジニアに関するよくある質問と回答を紹介します。

ネットワークエンジニアのやりがいや大変さを知っておくことで、目指すべきかどうかの判断や、モチベーションアップに役立ちます。ネットワークエンジニアへの転職を検討している場合には、質問と回答や本記事内で紹介した内容を押さえて取り組んでください。

Q1. 新卒からネットワークエンジニアになることはできますか?

新卒からネットワークエンジニアになることは可能です。ただし、最初から設計や構築などの上流の仕事に関わることは難しいです。最初はネットワークの運用や監視の業務を通して、ネットワークを形成する要素や利用しているシステムへの知見を増やして、設計や構築に関わるポジションにステップアップすることが一般的です。

Q2. ネットワークエンジニアがきついといわれるのはなぜですか?

一つの理由は障害対応です。ネットワークを利用した業務が停止してしまうため、早急な対応が求められ、プレッシャーも強いです。

また、監視業務は24時間体制で生活リズムが乱れることも理由となります。

その他にも、仕事の成果が見えにくく「あって当たり前」と思われることをつらく感じる場合があります。

Q3. ネットワークエンジニアのやりがいは何ですか?

ネットワークエンジニアは社会のあらゆるシステムの基盤を支える仕事です。企業だけでなく個人であってもネットワークがない生活は想像できないでしょう。人々の生活の発展を陰ながら支える貢献度の高い仕事であるため、社会に貢献しているという達成感がやりがいになります。

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まとめ

ネットワークエンジニアの仕事内容や、ネットワークエンジニアになるためのスキルや必要なマインド、関連する資格などについて解説しました。

ITの重要なインフラであるネットワークは、インターネットをはじめとして多くの業務や生活を支える重要な基盤となっています。ネットワークエンジニアはネットワークを正常に動作させるためには欠かせない職種といえるでしょう。

これからネットワークエンジニアになるには、幅広い技術と知識を身につけて、運用や保守の仕事をしっかりできるようになることを目標にしましょう。その後、資格を取得したり、スキルを向上させたりすれば、新たなキャリアを切り拓いたり、専門性の高いネットワークエンジニアとして長く活躍できるでしょう。

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この記事の監修

レバテックキャリア編集部

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