サーバーエンジニアの将来性と現状について

最終更新日:2024年3月6日

サーバーエンジニアはサーバーの設計、構築、運用・保守を担当するインフラエンジニアの一職種です。サーバー構築では、オンプレミスからクラウドに主流の環境が移り変わりつつあります。

インフラ技術の主流が変わっても、サーバーそのものとエンジニアへの需要は残っていますが、業務内容と必要なスキルは大きく変化しつつあります。激しい変化の中、今後もサーバーエンジニアは活躍を続けられるのでしょうか。

本記事では、クラウドの潮流が押し寄せる中、状況を注視するサーバーエンジニアに向けて、将来性と今後に向けた取り組みのヒントを紹介します。今、習得すべきスキルを確認し、今後のキャリア構築へ役立てていただければ幸いです。

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この記事のまとめ

  • サーバーエンジニアはサーバーの設計、構築、保守、運用などを担当するインフラエンジニアの一種です
  • 企業にとってサーバーは不可欠なため、サーバーエンジニアの需要は継続し、今後も将来性のある職種と言えます
  • サーバーのクラウド移行が進んでおり、サーバーエンジニアが今後の将来性を高めるためにはクラウド技術の習得が重要です

サーバーエンジニアの将来性

DX推進や技術の進歩の影響から、企業の成長にとってITの活用がカギを握っています。IT活用の状況は、業績に直接的につながるといっても過言ではありません。そして、どのようなシステムであってもサーバーの存在は欠かせません。サーバーはシステムの土台になっているためです。

このサーバーそのものの重要性が、サーバーエンジニアには今後も需要があり、その仕事がなくなることはないと考えられる大きな理由です。ただし、技術力のあるサーバーエンジニアに仕事が集中する可能性は高いです。

クラウド化によってスキルがあれば効率的に多くのサーバーを扱う業務をこなすことが可能となりました。これにより、スキルのあるサーバーエンジニアの生産性が上がり、スキルの低いサーバーエンジニアは相対的に生産性が下がってしまうためです。

関連記事:サーバーエンジニアのキャリアパス・キャリアアップ・キャリアプラン

サーバーエンジニアの現状

総務省の令和4年通信利用動向調査の結果によると、クラウドサービスを利用する企業の比率は72.2%を超え、なお上昇傾向にあります。クラウドサービスを利用した企業の89.0%が効果があったとしており、その利用は止むことはないでしょう。

インフラ技術の主流はオンプレミスからクラウドに移り変わり、企業はインフラの更新のタイミングを待ってクラウドへの移行を進めている状況です。しかしながら、クラウドへの移行を望む環境について、全ての移行が即時実施されているわけではありません。

クラウドへの移行の重要性は十分認知されているものの既存のインフラを破棄するほどのメリットがないケース、移行コストの捻出を行っているケース、複雑な環境のため技術的な調査が必要なケースなどがあり、順次進められているというのが実情です。また、機密性の高い情報を扱うシステムや重要性の高い業務を支えるシステムなどは、クラウドへの移行が適さないケースもあるでしょう。

コロナ禍による影響で停滞した企業のITインフラに対する投資は回復傾向にあるといわれています。ITインフラ基盤の強化はテレワークなどで一層必要性が浸透しました。

これらのインフラエンジニア、サーバーエンジニアを取り巻く背景の中、サーバーエンジニアの需要は大幅な増減はないものの継続的に需要が存在している状況です。

2024年1月22日時点でレバテックキャリアにて職種「サーバーエンジニア」の求人・転職情報を検索してみると、536件の公開情報が該当します。職種「ネットワークエンジニア」の520件と比較してもそん色なく、安定した需要がある状況といえそうです。

サーバーエンジニアの求人・転職情報

DXが推進される状況においてサーバーは今後も必要になる

サーバーエンジニアの将来性を考えたときポジティブな要素として、企業のDXが進む状況でサーバーの存在が欠かせないことが挙げられます。サーバーに需要がある以上、サーバーエンジニアはなくならないということです。

サーバー周りの技術は変化しますが、サーバーエンジニアが不要になるようなことはないでしょう。オンプレミスからクラウドへのシフトというトレンドはあるものの、そのためのスキル習得をすれば今後もサーバーエンジニアとして活躍できます。

技術の利便性が上がればサーバーエンジニアでなくても対処できるという意見もあり、それは一理あるでしょう。たとえば、ソフトウェアエンジニアがクラウド環境を使ってサーバー構築も行うといったイメージです。

上記のようなことは今後あり得ますが、逆に言えばサーバーエンジニアもスキルの幅を広げることでソフトウェア側の業務もこなせます。今後はスキルの幅を広げたエンジニアが市場で有利になる可能性が高いということです。

案件減少に対応するにはクラウドに関するスキルを高めるのが大切

サーバーエンジニアをはじめとしたインフラエンジニアの仕事に変化が生じているのも事実です。将来的にもサーバー環境に需要はありますが、その構築を担うエンジニアはサーバーエンジニアという名前では無くなっていくかもしれません。クラウド環境の利用が加速しており、オンプレミスからクラウドにサーバーを移す企業が増加してきています。そして、クラウド環境の構築・運用保守を行うエンジニアをクラウドエンジニアと呼ぶケースも出てきています。

インフラエンジニアの中でもサーバーの構築をメインとしていたエンジニアは、クラウドの環境構築に仕事の内容がシフトしてきている状況です。この事実を受け止め、サーバーエンジニアはクラウド環境構築スキルを身に着けることで、今後も需要が続くといえます。

また、サーバーエンジニアの仕事の中でも監視業務や運用業務については自動化、効率化が進んでいることは事実です。運用・監視をメインとしているサーバーエンジニアにとっては、新たなスキルを習得して、業務領域を拡張することが求められるでしょう。

そもそもサーバーエンジニアとは

そもそも本記事で扱っているサーバーエンジニアとはどの様な職種なのかを再確認しておきます。

サーバーやネットワーク、各種のクラウドサービスやストレージ、ミドルウェアなどのITシステムやソフトウェアを扱うための基盤をITインフラと呼びます。このITインフラの設計・構築・運用保守を行うのがインフラエンジニアと呼ばれるITエンジニアです。サーバーエンジニアはその中でもサーバーに対する業務を主とする一職種です。

サーバーエンジニアの職務に欠かせないサーバーについてもあらためて確認しておきます。サーバーとは、ネットワークで接続された他の端末からの各種の要求に対し、返答を行うコンピューターやソフトウェアです。

クラウドが普及する以前はサーバーは大型のコンピューターでオンプレミスが主流でした。その後、仮想化技術の発達により仮想OSによるサーバー環境が増加し、その後のクラウド環境へのサーバー構築の一般化が進む流れにつながります。

このインフラ環境構築技術の主流の移ろいに伴い、サーバーエンジニアの業務内容も変化してきました。オンプレミスの場合には、サーバーの設計・構築にはHWの選定、設置、配線などの物理的な作業もインフラエンジニアの業務に含まれていました。仮想化技術の普及にともない物理的な作業が減り、代わりに仮想環境に向けた設計・設定が業務に含まれるようになっていきます。そして、その後にはクラウド環境へのサーバー構築が必要となってきたのです。

オンプレ、仮想化、クラウドといったベース技術に関わらず、バックアップや冗長性確保などサーバーの継続的稼働を目的とした非機能要件への対応もサーバーエンジニアの重要な責務です。

関連記事: サーバーエンジニアとは?仕事内容や必要な知識とスキル、平均年収も解説

サーバーエンジニアの仕事内容

サーバーエンジニアの仕事内容は大きく下記の2種類に分かれます。

サーバーの設計・構築

  • ・顧客の要件に沿ったサーバーの選定・提案

    ・サーバーの設計・構築(物理サーバー、仮想化サーバー、クラウド含む)

    ・物理的なサーバーの配置、配線

    ・OS、ミドルウェアのインストール・設定

    ・構築したサーバーのテスト(起動停止、バックアップ・リカバリなど)

サーバーの運用保守

  • ・メンテナンス

    ・運用監視

一般にサーバーの設計・構築の方が高いスキルが必要です。このため、サーバーの運用保守担当で経験を積み、その後に設計・構築業務に携わるキャリアパスとなるサーバーエンジニアが多いです。

関連記事:サーバーエンジニアになるには|将来性やキャリアパスも紹介

サーバーエンジニアがきつい・やめとけと言われる理由

サーバーエンジニアとして活躍し続けるために将来性とともに気になるのが、「サーバーエンジニアはきつい・やめとけ」といった声が聞こえてくることです。なぜ「きつい・やめとけ」という意見が出てしまうのか、その理由について記載します。

急なトラブル対応に追われることがある

サーバーでトラブルが発生するタイミングは予測できません。しかし、業務で利用するITシステムが稼働しているサーバーでトラブルが発生した場合には、すぐに顧客業務に影響が出てしまうため、緊急の対応を要請されることが多々あります。特にサーバーのトラブルはシステム全体の停止の可能性が高いため、早急な対応を求められがちです。顧客との関係性や保守契約の有無によって対応が必須かどうかは変わってきますが、エンジニアの予定とは関係なく外部要因で緊急の業務が発生する可能性があるのは間違いありません。

サーバー監視がつらいと感じる人もいる

サーバー監視業務は、サーバーやシステムが正しく稼働しているか、外部からの不正なアクセスがないかなどを監視する業務です。監視という業務の特性上あまり能動的ではなく、自分から動いて仕事をしたい人には辛く感じることもある適性の必要な仕事でもあります。

体質によってはサーバールームの寒さで体調を崩す人もいる

物理的なサーバーは企業内やDC(データセンター)内のサーバールームに設置することが一般的です。自然災害などの影響を避けるとともに、精密機器であるサーバーが避けるべき高温や結露への対処も目的としてます。

必然的にサーバールームは一年中空調が効き、20~25度前後に設定されています。この温度は真夏でも寒く感じる気温であり、長時間の活動では体調を崩す原因となります。サーバーを直接触る作業ではサーバールームに入る必要があり、体質と合わないと感じる場合もあります。

不定休であることが多い

サーバーエンジニアの業務特性上、休日が予定通り取れないケースが起きえます。例えば、サーバーのメンテナンスを行いたい場合には、サーバーが稼働しているタイミングを避けて実施します。その結果、一般的な業務終了後の時間や休日の作業を依頼されてしまい、休みがずれる原因となります。

最新の知識を身につけ続けるのが大変

サーバーエンジニアに限らずあらゆるITエンジニア職に共通して、業務を行いながら知識のアップデートが必要となります。IT技術は進歩が目覚ましく、顧客はエンジニアの技術に対する知識やスキルに対価を支払います。このため、ITエンジニアは知識の更新、拡充をし続けなければなりません。サーバーエンジニアの場合には、ハードウェア、OS、クラウドサービス、仮想化などの技術の更新にあわせて知識習得が求められます。

就職や転職がゴールと考えてエンジニア職につくために学習をした人にとって、継続した学習は想定外の場合もあるでしょう。しかし、エンジニアとして高い価値を持ち続けるためには知識の更新は欠かせません。

サーバーエンジニアのやりがい・楽しい点

サーバーエンジニアのやりがい・楽しい点として以下が挙げられます。


  • ・トラブルを未然に防ぐ達成感

    ・周囲の人に頼られる

トラブルを未然に防ぐ達成感

サーバーエンジニアはシステムの土台となるサーバーを安定稼働させる責任があります。安定稼働のためには、トラブルを未然に防ぐことが必要です。

日々サーバーに問題がないか点検し、危険要因があれば適宜取り除きます。トラブルの予防には、知識と変化に気づく観察力が重要です。危機の予兆を検知し、トラブルを未然に防げたときは達成感を感じられます。

周囲の人に頼られる

サーバーはシステムの土台です。そのため、サーバーエンジニアはシステムの利用者や、サーバー上でシステム開発を行うエンジニアからも頼られることがあります。トラブル対処の依頼を受けたり、質問をされたりと、システムの関係者に直接的に頼られる存在となります。

また、サーバーエンジニアは企業のIT活用を支える仕事でもあります。企業が利益を生み出す根幹となる業務を支えており、経営層や各種の業務部門からも大きな信頼を寄せられます。

これからの時代にサーバーエンジニアが習得すべきスキル

これからもサーバーエンジニアとして活躍するために求められるスキルについて紹介します。保有スキル向上と新規スキルの獲得をキャリアに合わせて選択しましょう。

関連記事:
サーバーエンジニアの転職で有利になるスキルや資格とは
未経験からサーバーエンジニアを目指す方法|求められるスキルも

OSに関するスキル

サーバーエンジニアにはOSに関するスキルが必要です。どのサーバーにもOSが必要であり、サーバーエンジニアはOSをインストールする立場で、インストールしたOSの機能を使ってサーバーを構築、保守、運用していきます。OSの機能を知っていることや、コマンドを把握していることは必須でしょう。

WindowsやLinuxにも様々なバージョンやディストリビューションが存在します。複数のOSに対して知見を持つことも今後の活躍につながるでしょう。

仮想化

これまでも仮想化は利用されてきた技術ですが、今後もそのスキルは必要とされます。クラウドとの相性がよいこと、テレワークでの需要の増加、コンテナ技術への発展と利用シーンが多数想定されるためです。サーバーエンジニアにとっては基礎ともいえるスキルとなってきています。

コンテナ

仮想化技術の一つとして登場したのがコンテナです。OS仮想化ではホストOS、ゲストOSをたてて環境を構築していましたが、Dockerをはじめとしたコンテナでは一つのOS上で複数のプログラム稼働環境を構築できます。より軽量で高速な動作を実現し、なおかつ構築作業が簡素化されています。

全ての仮想化環境に置き換わるものではありませんが、環境の用途により選択肢としてなる技術です。また、コンテナを複数利用する場合のコンテナオーケストレーションという管理技術についても合わせて習得しておきたいスキルとなっています。

クラウド

今やサーバー環境構築の第一の選択肢ともなっているクラウド環境の利用。サーバーエンジニアとして今後も活躍することを考えると、その利用スキルの習得は必須です。

それに加えて、オンプレミス環境との違いを把握し比較検討ができることや、各クラウドベンダー間でのサービスの違い、特色を知ることなどが、設計・構築を担当するサーバーエンジニアには必要なスキルとなります。

各クラウドベンダーが行っている認定資格を取得することで、スキルを身に着け、その証明が可能です。

セキュリティ

サーバーで稼働するITシステムや格納するデータは企業にとって重要な資産であり、ビジネスの根幹を支える重要な要素です。外部からの攻撃や内部不正などトラブルを未然に防ぐセキュリティの分野のスキルもサーバーエンジニアに必要となってきます。

特にパブリッククラウドを利用した環境構築においては、セキュリティ面でのリスクはオンプレミスよりも高くなります。クラウドベンダーの提供するセキュリティ機能を最大限活かす設定が行えるよう知識・スキルの向上が求められます。

Infrastructure As Code

Infrastructure As Code(IaC)はインフラの構成、設定をコード化して管理しようという考え方です。これまでのサーバーの設計・構築では、有識者により一つ一つの項目を設計して、環境に対して設定を実施するという形を取っていました。IaCでは、これらの設定作業をコードとして自動化し、管理します。

IaCを適用することにより、環境構築の再現性、テンプレートによる作業の効率化、人間の手作業によるミスの防止など様々なメリットが生まれるため、サーバー構築の現場でも取り入れられつつあります。IaCという考え方、設計・構築での利用スキル、IaCのためのプロビジョニングツール利用のスキルは、サーバーエンジニアが今後活用するスキルとなっていくでしょう。

サーバーエンジニアとして今後も活躍するのに活かせる資格

サーバーエンジニアとして働く際に、そのスキルを第三者の立場から証明してくれるものとして各種の資格試験があります。以下に、代表的な資格を紹介します。

ITパスポート試験

ITパスポート試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)によって運営され、経済産業省によって認定される国家試験です。エンジニアに向けた情報処理技術者試験の中では、最も難易度が低くITSS(ITスキル標準)のレベル1に相当します。

ITエンジニアとしての高い技術力を示すための試験ではなく、「ITを利活用するすべての社会人・これから社会人となる学生が備えておくべき、ITに関する基礎的な知識」を証明する資格です。サーバーエンジニアにとっては、最低限のIT知識の保有を示し、さらに上位の情報技術者試験に挑む足がかりとしての意味をもちます。

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験はITパスポートと同じ情報処理技術者試験の一区分で、ITエンジニアとしてエントリレベルの知識とスキルの保有を示す資格です。インフラ関連に限らず、幅広くITエンジニア業務に必要な知識が問われる試験ですので、他の専門領域のエンジニアともスムーズにコミュニケーションがとれるレベルという評価につながります。

LinuC(Linux技術者認定資格)

LinuCは、サーバーOSとして大きなシェアを持つLinuxサーバーの知識とスキルを証明する資格です。LinuCはLPI-Japanが実施しているベンダー試験で、手続きを済ましていればいつでも受験が可能です。

試験時間は90分で、全60問が出題されます。問題数が多く時間も限られているため、過去問題等を利用した対策が有効です。

LinuCは難易度によってレベル1から3とシステムアーキテクトの4つのカテゴリに分かれており、試験範囲も異なります。もっとも難易度が低いレベル1の場合、初学者で1〜3カ月程度の学習時間が想定されており、短期間でもしっかりと学習しておけば十分合格が狙える範囲です。レベル2は3カ月から半年程度、レベル3になると半年から1年程度の学習時間の確保が必要とされています。

マイクロソフト認定資格

マイクロソフト認定資格は、マイクロソフト社による資格試験です。サーバーエンジニアに役立つ資格として、「Azure Fundamentals」や「Azure Administrator Associate」があります。マイクロソフトが提供するクラウドサービス「Azure」に関する問題が対象となり、一部にWindowsServerに対する問題も含まれます。

難易度としては「Azure Fundamentals」がもっとも低く、中級者向けの「Azure Administrator Associate」等、様々な試験が用意されています。

ITIL®認定資格

ITIL®認定資格とは、イギリス政府が作成した「ITIL®」という書籍をベースにした認定資格です。特定のベンダーに特化した内容ではなく、世界共通の標準的なITサービスマネジメントのベストプラクティスをまとめています。サーバー運用も含めてITサービスの品質向上に大きく貢献する内容です。

2024年1月23日現在の最新バージョンはITIL4です。基礎資格としてファンデーション、上位資格としてマネージング・プロフェッショナル、ストラテジック・リーダー、エクステンションズ、マスターがあります。日本国内ではPeopleCert社によって試験運営されており、ファンデーションの場合オンライン受験で57000円の受験料がかかります。その他の試験科目もピープルサート公認試験機関により受験が可能です。

PMP

PMPはプロジェクトマネジメントの世界標準である知識体系「PMBOK」に基づく国際的な資格です。PMPはグローバルに通用する資格であり、取得していると海外でもプロジェクトマネジメントにおいて高い評価を得ることができます。

サーバーエンジニアに限らず、ITエンジニアとしてのキャリアアップを図るには必須となるプロジェクトマネジメントスキルを問われる試験です。難易度は高いものの、サーバーエンジニアとして将来的に大きなプロジェクトを束ねる立場を目指す場合には役に立つ資格といえます。

LPIC(Linux技術者認定資格)

LPICはLinux Professional Institute(LPI)という非営利団体により運営されるLinux技術者の認定試験です。世界180ヵ国以上で取得されているグローバルな資格となっています。3つのレベルがあり、Linuxの他、セキュリティや仮想化技術なども試験対象としています。サーバーエンジニアが扱うことの多いLinuxに関するスキルを示すのに役立ちます。

サーバーエンジニアの平均年収

厚生労働省の職業情報提供サイトjobtagによると、サーバーエンジニアが含まれる「システムエンジニア(基盤システム)」の平均年収は660.4万円です(2024年1月23日時点)。

また、2024年1月23日時点でレバテックキャリアに掲載されている求人・転職情報より職種「サーバーエンジニア」のデータを30件抽出し、サーバーエンジニアの平均年収を推定しました。この算出によると、サーバーエンジニアの平均年収は約588万円となります。

データの出所によって数字は異なるので、大まかな目安とお考えください。

サーバーエンジニアはスキルアップによって年収が上がりやすく、特にフリーランスとして独立すれば年収は伸びる傾向があります。

サーバーエンジニアの求人・転職情報

関連記事:サーバーエンジニアの年収は?キャリアアップする方法も解説

サーバーエンジニアからのキャリアパス

サーバーエンジニアから目指せるキャリアパスの代表例には以下があげられます。


  • ・より汎用的なインフラエンジニア

    ・プロジェクトマネージャー

    ・ITコンサルタント

    ・フリーランスとして独立する

より汎用的なインフラエンジニア

ネットワークやクラウド環境などのサーバー以外の技術領域の知識とスキルを身に着けることで、より汎用的なインフラエンジニアになることができます。サーバーエンジニアとして培ったスキルを活かすことができるキャリアパスです。

プロジェクトマネージャー

サーバーなどのインフラ構築でも、対象が多い場合や大きい場合にはプロジェクトチームを組んで取り組みます。これらのプロジェクトを束ねるプロジェクトマネージャーも、サーバーエンジニアから目指せるキャリアパスです。プロジェクトマネジメントスキルを習得することや、リーダーシップなども必要とされるポジションです。

ITコンサルタント

ITコンサルタントもサーバーエンジニアのキャリアパスの選択肢の一つです。

ITコンサルタントは、顧客にITによる業務改善を提案する仕事です。サーバーエンジニアからITコンサルタントを目指すには、サーバーの設計や構築の経験を積み、これらを役立てた提案ができる知見を持つ必要があります。サーバーエンジニアとして、顧客への提案や要件定義に関わることでスキルを磨くことが可能です。

フリーランスとして独立する

会社員のエンジニアの場合には、フリーランスとして独立するキャリアパスもあります。

フリーランスのエンジニアの場合は、自分で仕事を獲得して、成果を出せることが求められます。サーバーエンジニアとしての業務に関するスキルに加えて、営業や事務的な手続きといった事業を行うための知識も必要となります。

サーバーエンジニアに関するよくある質問

サーバーエンジニアに関するよくある質問と回答を紹介します。キャリア形成やスキルアップにお役立てください。

Q1. インフラエンジニアとサーバーエンジニアの違いは?

インフラエンジニアはサーバーとネットワークを扱うエンジニアです。一方で、サーバーエンジニアはサーバーを扱うエンジニアです。そして、ネットワークを扱うエンジニアはネットワークエンジニアです。

つまり、サーバーエンジニアとネットワークエンジニアを合わせてインフラエンジニアということになります。ただしインフラエンジニアがサーバーエンジニアとネットワークエンジニアの上位職というわけではなく、単なるカテゴライズの違いと言えるでしょう。

Q2. サーバーエンジニアとサーバーサイドエンジニアの違いは?

サーバーエンジニアはインフラエンジニアの一種、サーバーサイドエンジニアはアプリケーションエンジニアの一種という違いがあります。

サーバーエンジニアは、本記事でも紹介している通りインフラエンジニアの一職種です。インフラの中でも、サーバーを専門領域とします。

一方のサーバーサイドエンジニアは、サーバー上で動作するアプリケーションの開発や運用保守に携わるエンジニア職種です。バックエンドエンジニアとも呼ばれ、アプリケーションエンジニアの一種です。

Q3. サーバーエンジニアは何をする仕事?

サーバーエンジニアは、ITインフラの中でもサーバーの構築や運用保守を主な仕事とします。具体的な業務内容には下記があげられます。


  • ・物理サーバーやクラウドなどのプラットフォームの選定

    ・OSのインストール・設定

    ・仮想化環境の構築

    ・起動・停止やバックアップなどの運用手順の策定

    ・サーバーの稼働監視

    ・サーバーの運用保守

まとめ

あらゆる企業や組織において、DXの推進は重要視される課題です。AI、データサイエンス、ビッグデータなど新たな技術の活用に注目が集まっていますが、いずれの技術においてもサーバーはプラットフォームとして必要な存在です。これらのサーバーを支えるサーバーエンジニアも、企業や組織にとって欠かせない存在といえます。

時代の変遷とともにサーバー技術も進歩しており、オンプレミスからクラウドに主流が移り変わっています。変化に対応するため、サーバーエンジニアには現状の物理サーバーでの環境構築に加え、クラウドを利用したサーバー環境の構築スキルが求められています。

その他にも、今後の活躍に向けてサーバーエンジニアが身に着けたい技術としては、仮想化およびコンテナ、各種クラウドサービスの利活用に関するスキル、IaCなどが挙げられます。OS関連、クラウド関連、ITILやPMP等のITエンジニア全般に関連する資格を取得することで、スキルの向上を図ることが可能です。

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この記事の監修

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