ネットワークスペシャリストを目指す人向け!年収やキャリアプランを徹底解説

最終更新日:2024年7月23日

ネットワークエンジニアとは、ネットワークの設計、構築、運用、保守を担う職種です。ネットワークは、システムの根幹であるインフラの一部であり、これを担うネットワークエンジニアは多くの場面で必要とされています。

ネットワークエンジニアにはどのようなやりがいがあるのでしょうか?この記事では、ネットワークエンジニアの仕事内容をふまえながら考察します。

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この記事のまとめ

  • ネットワークエンジニアは、セキュリティを考慮しながらサーバと回線の設計と提案を行ったり、機器の設定や回線の物理的な設置をしたりする
  • ネットワークエンジニアのやりがいには、システムが完成したときに達成感、大規模プロジェクトに関わることができる点などがある
  • 高年収を目指すことができる点や、未経験・文系の人でも就職可能である点、将来性があり安定している点などがネットワークエンジニアとしての魅力
  • ネットワークエンジニアに役立つ資格として、IPAの「ネットワークスペシャリスト試験」やCisco Systemsの「CCNA」、「CCNP」や「CCIE」などが挙げられる

ネットワークエンジニアとは

ネットワークエンジニアとは、コンピューターネットワークの設計・保守・管理を行う技術者のことです。
私たちは普段、当然のように自身のパソコンからネットワーク上のサーバーにあるファイルにアクセスしていますが、その裏では、快適な通信環境を構築し、守っているネットワークエンジニアの仕事があります。

ルーターやLANケーブルといった「実際に手に触れることができる 機器」を扱う場面が多いのもネットワークエンジニアの特徴です。

ネットワークは現在、あらゆる企業・個人にとって不可欠なものになっています。ネットワークエンジニアは人手不足の傾向が続いているため、今後も重要性の高い職種であり続けるでしょう。

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ネットワークエンジニアの仕事内容

ネットワークエンジニアは、クライアントのネットワーク要件を理解し、セキュリティを考慮しながら、サーバと回線の設計と提案を行います。また、この設計に基づいて、ネットワーク機器の設定や回線の物理的な設置も担当します。

さらに、運用と保守、定期的なセキュリティの見直しも含め、長期間にわたりクライアントと連携し続けます。そのため、技術的な知識だけでなく、ヒアリング能力、提案力、コミュニケーションスキル、技術の最新動向への敏感さ、コスト管理能力など、多岐にわたるスキルと知識が要求されます。

ネットワークエンジニアのやりがい

ネットワークエンジニアにはどのようなやりがいがあるのでしょうか。人によって感じられるやりがいは様々ですが、ここからはいくつかの例をご紹介します。

システムが完成したときに達成感を得られる

エンジニア職共通のやりがいとも言えますが、システムが完成したときに大きな達成感が得られます。システムは、1年以上の期間をかけて開発することも少なくありません。

システムの規模が大きくなればなるほど、サーバー台数も増えますので、ネットワークエンジニアの仕事も膨大になります。特に多くの仲間と労力を費やして開発した大規模なシステムが完成したときに得られる達成感は何物にも代えがたいでしょう。

トラブル解決などを通してシステムを支える役割を実感できる

ネットワーク開発にはトラブルがつきものです。トラブル発生時に、いかに迅速且つ正確に対応できるかは、ネットワークエンジニアの腕の見せ所です。トラブルの種類によっては復旧が難航することもありますが、自分の知識と技術で解決できれば、自分がシステムを支えていることを強く実感できるはずです。さらに、クライアントから感謝されることにやりがいを見出す人も多いでしょう。

大規模プロジェクトに関わる醍醐味がある

ネットワークエンジニアのやりがいとしては、大規模プロジェクトに関われる醍醐味があります。
大規模なシステム開発のプロジェクトにおいて、ネットワークはシステムを構成する重要な役割を果たします。大規模プロジェクトでは社会のインフラを自分が支えているというやりがいを感じることができます。

チーム単位で協力しながら働けるため一体感が強い

大規模なプロジェクトでは、ネットワークエンジニアはほかのエンジニアや様々な部署のスタッフとチームを組んで仕事をする場合が多いです。
チームの一員として大規模プロジェクトを成功させることができれば、自分が貢献していることを実感し、大きなやりがいを感じられるでしょう。

語学力(英語)を身に付けると活躍の場が世界へと広がる

ネットワークエンジニアは英語に接する機会が多いため、英語をマスターすることで将来的に海外で活躍するエンジニアを目指すことができます

インターネットに代表されるように、コンピュータネットワークはグローバルに繋がっています。多国籍企業のネットワークシステムの構築など、海外のチームと連携してプロジェクトを進める仕事もあります。海外での仕事のチャンスをつかむために、国際的に通用するCCIEという資格を取得するという手段もあります。

ビジネスにそのまま結びつく重要な仕事である

現代社会において、ネットワークはビジネスに不可欠なインフラです。ネットワークトラブルが発生し、障害が起きると、ビジネス自体が中断することも少なくありません。例えば、大企業のシステムでは、ネットワークの1日のダウンタイムだけでも数千万円の損失が生じることがあります。2018年には、ITネットワークの障害によって年間77兆円もの損失が発生したというデータもあります。

また、ネットワークエンジニアは、新たなテクノロジーの導入やセキュリティの強化など、急速に変化するネットワーク環境に適応する使命も担っています。さらに、クラウドコンピューティング、モバイルテクノロジー、インターネット・オブ・シングス(IoT)など、新たなテクノロジーの台頭にも対応する必要があります。

このように、ネットワークエンジニアは企業の競争力を支え、顧客やパートナーとの連携を可能にし、組織の成功に欠かせない存在です。ネットワークエンジニアの仕事は、ビジネスの持続性と発展に不可欠な要素であり、その価値はますます高まっています

ネットワークエンジニアの魅力

ネットワークエンジニアの魅力

次に、ネットワークエンジニアの仕事の魅力について紹介していきます。

高年収を目指せる

ネットワークエンジニアは、スキルレベルを上げていくことで高年収が目指せる職種です。

経済産業省のデータでは、IT技術スペシャリスト(NW)の平均年収は、758.2万円と高い水準にあります。スペシャリストの定義は企業によって異なりますが、ネットワーク設計スキル、シスコ製品などを使いこなせるスキル、構築スキル、運用設計スキル、プロジェクトマネジメントスキルなどがあると高い評価を得られる傾向にあります。

公共システムやデータセンターなど、大規模ネットワークの設計や構築が行える高スキルエンジニアになると、年収1,000万円以上で採用されることも珍しくありません。

また、ネットワーク技術は世界標準で定められているので、ネットワークエンジニアとして海外で活躍することも可能です。一般的に欧米のほうがIT人材の年収が高いため、海外勤務で高収入を目指すこともできるでしょう。

未経験・文系の人でも就職・転職しやすい

未経験者や文系出身者でも問題なくネットワークエンジニアの職に就くことができます。

ネットワークエンジニアとして最初の仕事は、ネットワークの運用や保守、監視を任されることが多いでしょう。運用・保守の業務では業務内容を網羅した手順書が整備されていて、その通りに作業を進めることで業務を遂行できます。そのため、初心者が経験を積むために最初に配属されるケースが多いです。

また、エンジニアというと理系のイメージがありますが、実際には文系出身や未経験でも不利な点はありません。ネットワークエンジニアはキャリアパス制度が整っていることが多く、仕事内容も、監視→保守→運用→構築→設計と段階的にステップアップできます

専門性の高い業務に携われる

ネットワークエンジニアにはネットワーク設計やネットワーク機器の操作方法、安全なネットワークを構築するためのセキュリティ技術など、様々な分野の高い専門性が求められます。ネットワークには高い安定性が求められるだけでなく、運用しやすいように構築し、さらに負荷分散のための冗長化など、設計において考慮すべきことはいくらでもあります。

またネットワーク機器の性能や仕様はアップデートし続けているため、新製品に関する知識についても積極的に取り入れなければなりません。さらに物理的なネットワーク構成だけでなく、仮想化されたネットワークの知識も必要不可欠です。このようにネットワークエンジニアは高い専門性が求められるため、技術的探究心の強い方にとってはかなりやりがいのある仕事だと言えます。

将来性があり安定している

ネットワークエンジニアはインフラに関わる仕事なので、将来性があり安定しています。

コンピュータネットワークは、電気、ガス、水道に続く第4のインフラと言われています。そのため、IT社会が無くならない限りはネットワークエンジニアの仕事がなくなることはありません。

ネットワークはすべてのITシステムの基盤となる重要な仕組みで、ネットワークがなければ、どんなに素晴らしいサービスがあったとしても利用者に提供できません。企業が業務で使用するシステムも、個人で使うスマホのアプリやSNSも、すべてネットワークを経由してサービスが提供されています。

さらに、電気やガス、水道などの現在私たちの日常生活に必要な生活インフラもネットワークがなければ維持管理できなくなってきています。

ネットワークエンジニアは、今後、さらに需要が増えることが見込まれる安定した仕事なのです。

クラウドサービスに携わるならリモートワークも可能

ネットワークエンジニアの業務でも、特にクラウドサービスに携わっている人はリモートワークとの相性が良いでしょう。従来のシステムが自社やデータセンターへの設置を前提としていたのに対し、クラウドサービスはAWSやAzureなどのクラウド上で展開されているネットワークです。

クラウドサービスの場合、インターネットに接続されている環境であれば、外部の端末から保守やメンテナンスを行えるため、リモートワークでも十分対応可能です。また最近ではオンプレミス環境からクラウドサービスへの移行が進んでいることも、ネットワークエンジニアのリモートワークを後押ししています。

ネットワークエンジニアが習得すべきクラウドスキルについてもっと詳しく知りたい方はこちらも合わせてご確認ください!

関連記事 :ネットワークエンジニアが習得すべきクラウドスキルとは?

ネットワークエンジニアの大変さ

ネットワークエンジニアには多くのやりがいがあることを紹介しました。しかしやりがいだけでなく、ネットワークエンジニアならではの大変さもあります。

高いコミュニケーション力が必須

ネットワークエンジニアにはクライアントとの適切な意思疎通ができるコミュニケーション力が求められます。クライアントにとっては、ネットワークのトポロジーやセキュリティ対策などの専門用語を理解するのは難しいことがあります。ネットワークエンジニアは、これらの概念をわかりやすい言葉で説明し、クライアントに納得してもらうためのコミュニケーション力が必要です。

プロジェクトが進行する過程で、ネットワークエンジニアは他の技術者やチームメンバーとも密接に協力し、ネットワークインフラストラクチャーを構築・運用しています。コミュニケーションの円滑さがなければ、プロジェクトの進行が滞り、問題解決が難しくなります。

このように、ネットワークエンジニアはクライアントとのヒアリングを行い、最適なネットワークを提案し、ほかのスタッフと協力しながらプロジェクトを進めます。スムーズなプロジェクトの進行には、高いコミュニケーション能力が必要不可欠です。

専門知識が必要で学習が欠かせない

ネットワークエンジニアには専門知識を身に付けるための学習が欠かせません。ネットワークに関する基礎的な知識だけでなく、ネットワークを構成するサーバーやOSに関する知識やセキュリティの知識、最近ではクラウドを活用したネットワークや、ネットワークの仮想化、IoTを取り入れたネットワークなど、非常に多岐にわたる専門知識が求められます。

ほかの職種のエンジニアと共同で仕事をすることもあるので、ネットワーク以外のITに関する幅広い知識も必要です。とにかく業務に必要な専門知識が多く、さらにその知識を日々アップデートするために学習を続けなければなりません。

ハードワークの現場もある

ネットワークは突発的に障害やトラブルが発生します。特にインフラとして重要なネットワークは365日24時間安定して動作することが求められているため、障害やトラブルには時間を問わずに対応しなければなりません。

そのような運用保守を前提とした現場では、不測の対応が必要となり、どうしてもハードワークになりがちです。深夜や休日にも対応が迫られる会社もあるため、規則正しい生活をするのは難しいかもしれません。

ネットワークエンジニアに向いている人

これから紹介する以下の3点に当てはまる人はネットワークエンジニアに向いています。
 

  • ・情報の整理と体系化が苦にならない

    ・知的探究心がある

    ・チームワークを大切にする

情報の整理と体系化が苦にならない

ネットワーク設計・構築には、OSやサーバー、ネットワーク機器など、複数分野の知識が必要です。
また、大規模なネットワークを設計する場合、異なる部門や地域にわたる多くのサーバー、ルーター、スイッチなどの要素を考慮する必要があります。これらの要素を体系的に整理し、ネットワークの設計と運用を最適化するための計画を立てることが、ネットワークエンジニアの役割です。

このように複数の分野・関係者にまたがる専門知識を整理・体系化する作業が苦にならず、根気強く対応できる人が向いていると言えるでしょう。

知的探究心がある

ネットワークを取り巻く環境は目まぐるしく変化しています。したがって、ネットワークだけでなくハードウェアやソフトウェアなどに関しても新しい技術を吸収・追求する力が求められるでしょう。IT業界のトレンドに敏感に反応できる人は適性が高いといえるでしょう。

チームワークを大切にする

ネットワークエンジニアはチームで仕事をする機会が多い職種でありチームワークが大切です。ネットワークの構築時ではほかの職種との連携が求められますし、運用や保守の仕事では、複数のネットワークエンジニアと協力して長期間業務にあたることもあります。クライアントやチームメンバーと良好な関係を築くために協調性や柔軟さを持ち合わせていなければなりません。

ネットワークエンジニアに求められる適性についてより詳しく知りたい方はこちらも合わせてご確認ください。

関連記事:ネットワークエンジニアの適性とは?仕事内容ややりがいも紹介

責任感がある

ネットワークは現代社会において極めて重要なインフラと言えます。そのため、重要なシステムに障害が発生する場合、トラブル対応が必要で、土日や夜間を問わず対処することもあります。
さらに、問題の解決には時間がかかることもあり、その間は責任を持って対応しなければなりません。時には過去に経験のないトラブルに遭遇することもあるため、忍耐力と責任感を持って対処する姿勢が重要です。

このような場面でも諦めずに課題を克服し、責任感を持って対応できる人はネットワークエンジニアに向いていると言えます。

ネットワークエンジニアの仕事で役立つスキル・資格

ネットワークエンジニアの仕事で役に立つ知識やスキル、経験、資格について紹介します。

活かせる知識・スキル・経験

ネットワークエンジニアはネットワークの構築が主な業務であるため、まずは基本的なネットワークの知識が必要です。例えば通信プロトコルであるTCP/IPの知識や、ネットワークを安全に使うためのセキュリティに関する知識、ルーティングやトラフィックなどのネットワーク回線の知識、そしてルーターなどのハードウェアの知識などです。

大規模なネットワーク構築業務では、ほかのスタッフと協力して仕事するため、コミュニケーションスキルも必要不可欠です。また仕事を通じて身に付けた知識やスキルを、次の仕事に活かすための経験として役立てようとする意識も重要です。書籍やインターネットの情報でネットワークの基礎的なことは学べますが、やはり実務経験で身に付けたスキルが、何よりも仕事で活かせる知識となるからです。

ネットワークエンジニアになるために勉強すべきことについて気になる方はこちらをご確認ください。

関連記事:ネットワークエンジニアに必要な勉強と学習方法

持っていると良い資格

ネットワークエンジニアに必須の資格はありませんが、資格の取得を通じて体系的な知識が身につけられ、転職時に評価されるポイントになることがあります。

例えばIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が実施している「ネットワークスペシャリスト試験」はネットワークエンジニアにとっての登竜門となる国家資格です。

またCisco Systems社が実施している民間資格「CCNA」もおすすめです。これはネットワークエンジニアとして基本的な知識を持っていることの証明として活用できます。より上位の資格として「CCNP」や「CCIE」も実施されており、合格すればネットワークエンジニアとして高い評価を受けられます。

CCIEについては、「CCIEの難易度は高い?試験対策や取得者の将来性を解説」の記事で詳しく解説しています。

ネットワークエンジニアのキャリアパス

ネットワークエンジニアの業務が、ほかの職種へのキャリアアップの土台作りとなることもあります。この章では、ネットワークエンジニアから目指すことができるキャリアパスについて解説します。

ネットワークスペシャリスト

ネットワークエンジニアとしての専門性を高めることで、ネットワークスペシャリストへのキャリアアップを目指せます。ネットワークスペシャリストとは、その名のとおりネットワーク技術に関する深い知識と技術を持つエンジニアです。具体的には、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)がネットワークスペシャリストの技術水準として、以下の定義(※1)を公表しています。


  • (1)ネットワーク技術・ネットワークサービスの動向を広く見通し、目的に応じて適用可能な技術・サービスを選択できる。

    (2)企業・組織、又は個別アプリケーションの要求を的確に理解し、ネットワークシステムの要求仕様を作成できる。

    (3)要求仕様に関連するモデリングなどの設計技法、プロトコル技術、信頼性設計、セキュリティ技術、ネットワークサービス、コストなどを評価して、最適な論理設計・物理設計ができる。

    (4)ネットワーク関連企業(通信事業者、ベンダ、工事業者など)を活用して、ネットワークシステムの構築・運用ができる。


ネットワークスペシャリストになるためには、まずネットワークエンジニアとして十分な実績と知識が必要です。日常業務を通じて知識を身に付けるだけでなく、職場で実施されているOJTも活用しましょう。十分な知識を身に付けたら、職場のリーダーからのサポートを受けながら、自身の専門性を高めていきます。

ネットワークに関する体系的な知識を身に付けるためには、情報処理推進機構のネットワークスペシャリスト試験を通して身につける方法が効率的です。

※1 IPA(独立行政法人情報処理推進機構)「ネットワークスペシャリスト試験(NW) ~ ネットワーク社会を担う花形エンジニア ~[ Network Specialist Examination ]」(2023年10月9日アクセス)

システムアーキテクト

システムアーキテクトとは、システムの構造設計や開発方針の策定、要件定義など、システム開発のグランドデザインを設計する職種です。ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク、ミドルウェア、OSなどの幅広い知識とスキルが求められます。

システムにはネットワークが構築されていることが多いため、ネットワークエンジニアにとってもネットワーク構築の仕事を通じて、システムアーキテクトと協力しながら仕事を進めることが多々あります。

システムアーキテクトは、1つの技術領域に特化するというよりも、システム全体を見通して全体を上手く稼働させるために設計する仕事です。ITに関するゼネラリスト的な立場の職種と言えるでしょう。

ネットワークエンジニアからシステムアーキテクトを目指す場合、まずOJTが実施されていれば積極的に参加して、システム開発における上流工程を経験しましょう。ネットワークエンジニアとしてネットワーク業務に特化していたときとは異なり、様々な領域の技術を総合的に活かしてシステム設計する仕事が体験できます。

また情報処理推進機構では国家資格として「システムアーキテクト試験」が実施されています。試験勉強を通じてシステムアーキテクトの体系的な知識を身につければ、システムアーキテクトへのキャリアアップ時に役に立つでしょう。

プロジェクトマネージャー

プロジェクトマネージャーは、システム開発プロジェクトの責任者としてプロジェクト計画の立案や予算管理、進捗管理、品質管理などを担う職種です。システム開発におけるほかの職種よりもクライアントに近いと言えるでしょう。

ネットワークに特化したプロジェクトマネージャーの募集は少ないですが、大規模システムの構築プロジェクトやデータセンターの構築プロジェクトなどで、ネットワークに精通したプロジェクトマネージャーが募集されることがあります。

大規模なネットワーク構築の業務では、ネットワークの設計から実装、そして運用や保守など様々な工程で業務が進められます。ネットワークエンジニアとして、このような進捗管理の経験があれば、プロジェクトマネージャーの業務でも活かすことが可能です。

プロジェクトマネージャーには、ネットワークに関する深いスキルと知識のほか、ステークホルダーマネジメントやリスクマネジメントといったプロジェクトマネジメントスキルが求められます。プロジェクトマネジメントスキルは、プロジェクトマネージャー試験やPMPなどの資格制度で身につけることができます。

ただし、転職の際は実務経験が求められますので、プロジェクトマネジメントの知識を身につけた上で、OJTでマネジメント経験を積んでおいたほうが良いでしょう。

ネットワークエンジニアのキャリアパス関連記事について気になる方はこちらをご確認ください。

関連記事:ネットワークエンジニアのキャリアパス|キャリアアップの要点も解説

未経験からネットワークエンジニアになるには

IT社会で需要が増えているネットワークエンジニアですが、実はネットワークエンジニアは、他のIT関連の職種と比較しても未経験で就職しやすい仕事といえます。
ここでは、未経験からネットワークエンジニアになる方法について紹介します。

基本的なスキルを身に付け資格を取得

まずは基本的なネットワークの知識が必要です。例えば通信の仕組みや、代表的な通信プロトコルであるTCP/IPの知識、ネットワークセキュリティに関する知識、ルーターなどのハードウェアの知識などです。

また、「ネットワークスペシャリスト試験」、「CCNA」などの資格を取得することでネットワークエンジニアに必要な知識を持っていることを証明できます。

未経験歓迎の求人に応募

ネットワークエンジニアには専門的な知識が求められ、さらに必要な技術は企業によって異なります。その一方で未経験でも募集されていることが多い職種です。
これは、企業が自社独自のネットワーク環境や要件を持つためであり、特定の経験が必ずしも必要ではないからです。
もし未経験歓迎の求人が掲載されているのを見つけたら、積極的に応募してみましょう。

ネットワークエンジニアの適性をアピール

プログラマ、システムエンジニアなどIT関連の職業に携わっていればネットワークエンジニアとしての適性もあると言えます。業務の中でネットワークやサーバー、セキュリティなどについての幅広い知識を身につけてきたことをアピールしましょう。

また、資格を取得していることで、知的好奇心や情報収集能力が高いことをアピールできます。ネットワークエンジニアにはIPAのネットワークスペシャリスト試験やCiscoのCCNAやCCNP、CompTIA Network+などの資格が高く評価されます。
これらの資格を取得することで、知的好奇心や情報収集能力が高いことをアピールできます。資格取得は、専門知識を証明し、実務経験を裏付ける手段として非常に有用です。

関連記事:
ネットワークエンジニアの将来性|仕事内容やスキルも解説
ネットワークエンジニアになるには?必要なスキルや資格も紹介
ネットワークエンジニアは未経験から目指せる?必要なスキルとは

ネットワークエンジニアに関するQ&A

最後に、ネットワークエンジニアに関するQ&Aを紹介します。

Q1.ネットワークエンジニアのデメリットは何ですか?

ネットワークエンジニアは、夜間や休日の出勤など、勤務時間が不規則になる場合があります。
ネットワークは社会のインフラとして必要不可欠なものです。24時間365日、常に正常に稼働していなければいけません。そのため、システムを利用する人が少ない夜間の時間帯にメンテナンス作業を行うケースが多く、夜勤になることがあります。
また、稼働中のシステムに関連するネットワークに故障やトラブルが発生した場合も、迅速に対応する必要があります。そのため、休日や夜間であっても、急な呼び出し等をされる場合があります。

Q2.ネットワークエンジニアの強みは何ですか?

ネットワークエンジニアには、構築・運用・保守などを行う際に発生するトラブルへの対応力が求められます。 トラブルはどのような職種でも発生することがあるため、トラブルへの対応力はさまざまな職種に応用できる汎用性の高いスキルと言えます。

Q3.ネットワークエンジニアの仕事は楽しい?

仕事が楽しいと感じられるのは、自分の仕事が誰かの役に立っていると実感できたときです。
ネットワークエンジニアの仕事は、システムの基盤を支えるネットワークに携わるため、非常に責任が重いのが特徴です。その反面、自身でシステムを支えている実感が得られ、大きなやりがいを感じることができます。

Q4.ネットワークエンジニアにはどのような人が向いていますか?

ネットワークエンジニアに向いている人は、さまざまな特徴を兼ね備えています。具体的には、情報を整理し、体系化する能力があり、知的な探究心を持っている人はネットワークエンジニアに向いていると言えます。また、協力を重視し、チームでの作業が得意で、責任感も重要な適性です。

まとめ

この記事ではネットワークエンジニアの仕事内容や年収、将来性、キャリアパスの観点からネットワークエンジニアのやりがいを考察しました。ネットワークエンジニアは運用や保守などの業務からスタートすることが多いものの、スキルアップによっては高い収入が望める職種です。求められるスキルを身につければ就職先に困ることは少ないでしょう。ただし、企業によって仕事内容や働く環境(人事制度など)が異なりますので、自分自身がやりがいを感じられる環境を定義した上で、希望の職場を探してみると良いでしょう。

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