社内SEとは?仕事内容、必要なスキル、役立つ資格も解説

最終更新日:2023年9月22日

SE(システムエンジニア)は、業務の提供相手を基準に分類すると、大まかに2つに分類されます。クライアント向けにシステム開発や保守をする、一般的なSEがそのひとつです。そしてもうひとつが、自社内システムの開発・運用・保守をする社内SEです。

社内SEの明確な定義はありませんが、一般的には「自社システムに携わるエンジニア」であると認知されています。ですが自社システムに携わるだけが、社内SEとして扱われるわけではありません。SaaSのように「社外向けに提供している自社ITサービス」の開発・運用・保守も、企業によっては社内SEに分類されることがあります。

この記事では、社内SEへの転職を目指している方や興味がある方に向けて、社内SEの仕事内容や必要なスキル、業務や転職に役立つ資格、魅力ややりがい、今後のキャリアパスなどについて解説します。社内SEへの転職を考えている方は、是非とも参考にしてみてください。

この記事のまとめ

  • 仕事内容は多岐にわたり、主に社内システムの開発・運用・保守やヘルプデスクなどがある
  • 社内SEに必要なスキルは、システムの開発・運用・保守スキルやマルチタスクスキルなどがある
  • 社内SEの楽しさや魅力、やりがいは、上流工程に携われることや達成感を得やすいなど
  • 関連部署との調整が大変であったり、スキルが身につきにくいなど、社内SEに否定的な意見もある
  • 社内SEのキャリアパスは、マネージャーへのキャリアアップや他のエンジニア職への転職などが一般的

レバテックキャリアは
ITエンジニア・Webクリエイター専門の転職エージェントです

社内SEとは

社内SEとは自社システムの開発・運用・保守およびIT資産の管理などを行うエンジニアです。企業によっては、社内のIT環境に関わる予算管理や、ヘルプデスクのような社員からの問い合わせ対応業務も社内SEに任せられます。

関連記事: 社内SEの将来性は?仕事内容や平均年収とキャリアパスも紹介

大手も含め採用ニーズが増えている

社内SEは、大手企業も含めて近年急激に採用ニーズが増えています。採用ニーズが増える背景には「DX化・IT化の急速な推進」の影響があります。『日本企業の経営課題2022』調査結果速報【第5弾】(日本能率協会:2022年12月発表)によると、「DX(デジタルトランスフォーメーション)の取組を始めている」と答えた企業は、2021年の45.3%から2022年は55.9%へと増加しています。

企業のDX化・IT化の推進は、営業やマーケティングの業務改善や既存サービスの付加価値向上など、さまざまな目的があります。また多くの企業が新型コロナウイルスの影響によって、リモートワークが導入されました。

その後withコロナの時代になりましたが、リモートワーク化の流れは止まっていません。DX化・IT化の推進が半ば強制的に行われ、その後も社会の流れは変わらないのでさらに推進が進んでいるという状況です。

また企業のDX化・IT化をサポートするベンダー企業やSIerに、発注する需要も高まっています。しかしベンダー企業やSIerに完全委託するには、コスト面やプロジェクトの進捗スピードに対する懸念も想定されます。そのような状況で大企業を筆頭に自社内で大規模なIT部門を抱える企業が増加しており、社内SEという職種へのニーズも高まっています。

社内SEの楽しさや魅力、やりがい

社内SEは人気職種であり、SEの最終的なキャリアアップの目標にされるケースも多くあります。社内SEのどのような点が、魅力と思われるのでしょうか。ここでは社内SEの人気の理由として、楽しさややりがいについて解説していきます。

関連記事:社内SEが「人気・勝ち組の職種」と呼ばれる7つの理由

上流工程に携われる

社内のヘルプデスクなどの日常業務を除くと、社内SEの仕事の多くはプロジェクトの最上流の担当です。そのため、社内の他部署や経営層などとの交渉が多くなります。それにより、経営陣や他部署のキーパーソンとの関係性も深くなることでしょう。またプロジェクトの要件定義や企画までを自社で行い、開発のみを外部に委託するケースも多くあります。このケースでは、自身のディレクション能力の向上も期待できます。

大規模なシステム部門を持つ大企業のケースでは、分業化によって全体の工数の中の一部しか関われないこともあります。中小企業の場合はプロジェクト全体に携わるため、PM・PL的な役割を求められることが多くなります。

自身の業務による達成感が得られやすい

社内SEは、自社の業務フローや業務の課題などを把握しやすい環境にいます。またシステムを利用するユーザーが、誰になるかも理解しています。そのため自身が手掛けたシステムの成果を、実感することが多い職種でもあります。

また社内SEは社内のバックオフィスを担当するため、現場の声を直接聞く機会も多くあります。現場の不満や要望などを活かして、システムの改善やリニューアルを実施することも可能です。全体的な視野を広く持つことができる人なら、より高い達成感を得る傾向が高まります。

SEよりは残業が少なめ

SEは、スケジュールが厳しく納期に追われる傾向があるため、世間的に残業が多いイメージがあります。その一方で、社内SEはSEと比較すると残業が少なめで仕事と生活のバランスが取りやすいといわれます。この点も社内SEが、人気の職種である要因のひとつです。もちろん急なシステムトラブルやプロジェクトの進捗状況によっては、社内SEも定時で帰れないことはあります。しかしクライアントが自社内のため、開発スケジュールを無理なく作成できる点も人気になる理由のひとつといえます。

自社内にユーザーがいるため、コミュニケーションが取りやすい点も残業が少ない理由のひとつになります。社内ユーザーから直接に要望を汲み取りやすく、システムが差し戻される手間も少ない傾向があります。これにより、残業する要素が少なくなります。

関連記事: 社内SEが「楽な職種」と言われる5つの理由

社内SEの給料・平均年収

レバテックキャリアで社内SEの検索上位10社の求人から平均年収を調べると、下限平均が約475万円、上限平均が約787万円になっています。社内SEは業務範囲が広いため、それに伴い年収の幅が広くなっています。システム開発の上流工程や経営に近いポジションであれば、年収1000万円を超える高年収が期待できます。
一方で、保守運用やヘルプデスクがメイン業務の社内SEの求人は、年収が低めに設定される傾向になっています。

社内SEの仕事内容

社内SEの仕事内容について、ここでは解説していきます。そもそも、社内SEの定義は明確には決まっていません。社内SEの仕事内容は多岐にわたり、さまざまな業務があります。そのため企業によって、業務の内容や範囲が違います。社内SEとして就職・転職を目指す際には、仕事内容が希望する業務であるか事前にチェックしましょう。

システム部門の予算作成・管理

社内SEの仕事のひとつとして、自社のシステム部門の予算作成および管理があります。社内でシステム開発をする場合では、あらかじめ年間または期末ごとの予算作成をします。また開発業務を外部委託するケースでは、開発プロジェクトの概算費用から予算を立案します。作成した予算と実際に発生したコストを比較して、コストが超過している場合は、是正措置をするなどの予算管理も行います。

企画

経営戦略やIT戦略に基づいて、経営課題を解決するシステムの企画も社内SEの仕事のひとつです。仕事の流れの例としては、社内SEがシステム化する業務の分析を行い、システム化の範囲を決めます。そしてスケジュールや予算を作成して、決裁者に提案(稟議)をします。企業の利益になることが目的のため、システム化の目的と効果を明確にすることが重要なポイントです。

システム開発

社内SEとしてシステム開発する場合は、基本的にSIerなどのIT企業で開発するときと同じ流れになります。具体的には、システムの設計から開発・テストなどの工程から成り立ちます。システム部門の人数が少ない企業では、システム開発がすべて外注になるケースも少なくありません。また、AIシステム開発など専門性の高い技術力を要する場合は、システム開発を外注することが多くなります。開発を外注する場合は、進捗管理や品質管理などのマネジメント業務を社内SEが担当します。

システムの運用・保守

社内システムに障害が起きないように、保守・運用をすることも社内SEの仕事です。サーバーやネットワークを監視して、問題が起きた場合はトラブルシューティングやシステム修正をします。システムを使用する社員からの要望があった場合は、システムの改善・修正作業を行います。また、社内のミドルウェアやハードウェアの使用期限の管理も担当します。必要に応じて、それら製品の買い替えやアップデートも行います。

ヘルプデスク(問い合わせ対応)

社内システムやオフィス機器、パソコンやOffice製品の使い方など、社員からの問い合わせ対応も社内SEの仕事です。またPC のセットアップ、OS のインストール、メールの設定など、社員が IT 機器を快適に利用できるようにサポートもします。

関連記事: 社内SEとヘルプデスクの違い

セキュリティ対策

企業のシステムは、個人情報など重要な情報が保有されているため、セキュリティ対策は不可欠です。個人情報漏洩などのセキュリティ事件は、増加の一途でセキュリティリスクは高まり続けてます。セキュリティソフトの進化とともに、不正アクセスなども巧妙化が進んでいます。

社内SEは、セキュリティソフトの導入やパスワード管理、定期的な診断サービスの利用や社員へのセキュリティ意識への啓蒙など行い、社内のセキュリティ対策をする役割があります。

社内システムの例

企業内で使用される社内システムは、大きく以下の3つに分類されます。ここでは、この3つのシステムについて解説します。


  • ・基幹システム

    ・業務系システム

    ・業務支援系システム

基幹システム

基幹システムには、会計・販売・在庫・人事・給与・生産管理などのシステムがあります。近年はERPシステム(統合基幹業務システム)として、業務の統合管理化が進んでいます。

業務系システム

業務系システムには、営業支援・BI/DWH・電子商取引・個別原価管理システムなどがあります。業務系システムも、ERPシステムとして統合化が進んでいます。

業務支援系システム

業務支援系システムには、グループウェア・申請ワークフロー・ナレッジ管理・情報共有などのシステムがあります。業務支援系システムは、ERPシステムとしての統合化は進んでいないのが現状です。

社内SEとシステムエンジニア(SE)の違い

社内SEとSEの違い


ここでは、社内SEとSE(システムエンジニア)の違いについて解説します。職種の定義や業務範囲と業務に携わる期間という面から、違いを比較していきます。

関連記事: 社内SE(情シス)とSEの違い

職種の定義

社内SEは、企業に所属して社内システムの開発や運用、保守を行うSEを指します。SEは、SIerに所属しクライアントのシステム開発や運用、保守を担う職種です。またSIerは自社パッケージ製品もあるため、SEはクライアントのシステム開発だけでなく、自社サービスの開発も行う場合があります。

業務範囲の違い

企業によっては、社内SEがソフトウェア開発からサーバー構築などのインフラ作業を担当して、兼業になるケースも多くあります。SIerに所属するSEは、業務範囲が明確に定められていることが多い傾向です。そのため、ソフトウェア開発からサーバー構築まで担当することは、稀なケースになります。

業務に携わる期間の違い

社内SEは、自社システムの運用・保守に携わります。そのため、長期的に同じシステムに関わります。SIerに所属するSEは、開発が終わると別の顧客の案件に異動になります。SEの案件は、短ければ数ヶ月で顧客も勤務地も変わることは珍しくありません。

SESやSIとの違い

SESはシステムエンジニアリングサービスの略で、クライアントにSEを派遣するサービスです。SIはシステムインテグレーションの略で、顧客が使うシステム構築を請け負うサービスです。つまりSIのサービスのためにSES業者がSEを派遣しているということになります。その意味で、SESとSIは概ね同じ意味合いで使われます。

社内SEに必要なスキル

ここでは、社内SEに必要なスキルについて解説します。社内SEは、幅広いスキルが求められます。また、分業か兼業かによっても求められるスキルは変わります。ここでは、需要の高いスキルに絞り込み説明をします。社内SEへの就職や転職を目指す方は、これらのスキルを身につけることをおすすめします。

関連記事:
社内SEに必要なスキル|SIに所属するSEとの違いや役立つ資格も解説
社内SEになるにはどうしたら良い?求められるスキルや資格を解説

予算管理に関するスキル

リーダー職以上の社内SEに求められるスキルですが、予算管理に関するスキルは必要です。このスキルはB/S(貸借対照表)、P/L(損益計算書)、C/S(キャッシュフロー計算書)などの財務諸表を理解していることが前提になります。そのうえで、費用科目と資産科目に分けて予算管理をします。

関連記事: 社内SEが簿記を取得するメリットは?勉強方法なども紹介

企画に関するスキル

社内システムの企画をするには、対象となる業務の調査・分析を行う必要があります。そのため、関連する業務知識が求められます。また、社員から課題を聞き出すコミュニケーションスキルが必要です。費用対効果の計算やプロジェクトの進行案や企画書の作成も行うため、ITコンサルタントに近いスキルも求められます。リーダー職になると、業務課題の解決方法の計画・立案を任せられることもあります。スキルを身につけるには、ITコーディネーター試験などを活用する方法もあります。

システムの開発・運用・保守に関するスキル

システム開発をするためには、設計、プログラミング、テストのスキルが必要です。自分自身に開発経験・スキルがないと、開発を外注する場合でも見積もりや納品物のチェックができません。運用・保守の場面では、システム監視ツールやセキュリティソフトを扱うスキル、インフラやネットワークの運用・保守スキルが必要になります。

ヘルプデスクに関するスキル

自社システムを扱うスキルも、社内SEには必要です。また、社員からの問い合わせに対応するため、Windows OSやOffice製品、グループウェアなどを扱うスキルも必要になります。ユーザーが使う操作に詳しいだけでなく、アカウント管理など管理者機能も把握する必要があります。

関連記事: 社内SE転職の難しさと、目指したい人が身につけるべきスキル

顧客対応やマネジメントのスキル

顧客対応やマネジメントのスキルがあれば、社内SEの仕事に役立ちます。開発を外注する際のベンダー対応、自社の経営層対応、システム部門の人材のマネジメントなどに使えるでしょう。社内SEはコミュニケーションやマネジメントを積極的に行う必要があります。

社内SEに向いている人

社内SEに向いている人の特徴として以下が挙げられます。


  • ・相手のレベルに合わせて丁寧かつわかりやすく説明できる

    ・手に合わせて説明することを面倒だと感じない

    ・多種多様な作業をフットワーク良く処理できる


一般的なSEの場合、顧客(担当者)はITリテラシーの高い人であることが大半です。その一方で社員のヘルプデスク的な役割をする社内SEの場合、相手のITリテラシーは一定とは限りません。その点が、SEからの転職でギャップを感じる部分になる可能性があります。

社内SEに向いている人は、PCやネットワーク、IT関連の専門用語を相手のレベルに合わせて丁寧かつわかりやすく説明できる人や、それが面倒だと感じない人です。

また所属する企業や職務領域によっては、大規模な開発プロジェクトに携わらないこともあります。ヘルプデスクなどの比較的簡単な対応が、メインになるケースもあるでしょう。人手が少ない中小企業では「ITのなんでも屋」になることが多くあります。よって、社内インフラからPC設定・マクロ作成など多種多様な依頼を受けなくてはなりません。そのため、多種多様な作業をフットワーク良く処理することが好きな人は、社内SEに向いているといえるでしょう。

社内SEに不向きな人

社内SEに不向きな人の特徴は以下です。


  • ・相手のレベルに合わせて説明するのが面倒

    ・いろいろなことをやりたいと思っていない

    ・開発をメインにしたい


社内SEに向いている人の裏返しですが、上記のような人は社内SEに不向きと言えるでしょう。まず社内のシステムに慣れていない人に対しての説明や、雑務に近い業務を避けたい人は社内SEに不向きです。

また開発をメインにしたい人にも社内SEは合わないでしょう。社内のシステムはベンダー企業に依頼して開発する場合が多く、社内SEはクライアント側の立場になります。そのため、自分で手を動かしてどんどん開発してスキルを身に付けていきたいような人は、社内SEではないエンジニアを選んだ方が良いでしょう。

社内SEの業務や転職に役立つ資格

ここでは、社内SEの業務や転職に役立つ資格について解説します。社内SEへの転職を目指す方は、是非とも取得を検討してみてください。

関連記事: 社内SEの仕事・転職に役立つおすすめ資格12選

企画スキルの習得に役立つ資格

企画スキルの習得に役立つ資格は、以下の資格があります。

ITストラテジスト試験

ITストラテジスト試験は、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が実施する高度情報処理技術者試験のひとつです。スキルレベル4に相当する難関資格で、経営戦略に基づいたIT戦略の策定やプロジェクト化する知識が問われます。この資格を取得することで、自社の戦略に基づいてIT企画を作成する際に役立ちます。難関資格のため、リーダー職レベル程度の経験を積んでから受験するのが望ましいでしょう。

ITコーディネーター

ITコーディネーターは、経済産業省が推進してITコーディネータ協会(ITCA)実施する資格です。この資格を受験することで、IT戦略やIT企画などのスキルを体系的に学べます。

開発・運用・保守スキルの習得に役立つ資格

開発・運用・保守スキルの習得に役立つ資格は、以下の資格があります。

ITパスポート試験

ITパスポート試験はIPA (情報処理推進機構) が実施する国家試験です。国家試験と言っても難易度は低く、ITの基礎中の基礎の内容が問われます。後述する基本情報技術者試験とは内容的に重複する部分も多いです。基本情報技術者試験はITパスポート試験に思考が伴う問題をプラスしたイメージです。

基本情報技術者試験

基本情報技術者は、IPA (情報処理推進機構) が実施する国家試験です。IT業界で従事する方やIT業界を目指す方に人気の試験です。コンピュータやシステムの仕組みやデータベース、ネットワーク、セキュリティなどの基礎知識などが問われます。この試験を受験することで、ITエンジニアにとって、必要な基本的な知識を体系的に学習できます。社内SEを目指す方には、この資格を取得することをおすすめします。

応用情報技術者試験

応用情報技術者は、IPA (情報処理推進機構) が実施する国家試験です。基本情報技術者試験をさらに一歩踏み込んだ内容になっています。一つ一つの問題は基本情報技術者試験よりも難易度が高いですが、問題を選択できる余地が大きいです。基本情報技術者試験は満遍なく回答する必要がありますが、応用情報技術者試験は得意分野を選んで回答することができます。

ITサービスマネージャ試験

ITサービスマネージャ試験は、IPA (情報処理推進機構) が実施する国家試験です。スキルレベル4に該当する難関資格で、高品質なITサービスを安定的に提供するための知識が問われます。システムの運用・保守における、障害対応やシステム改善などの場面で役立ちます。

その他、シスコ技術者認定やオラクルマスター、Linucといったベンダー資格も取得するとよいでしょう。

情報処理安全確保支援士

情報処理安全確保支援士は、IPA (情報処理推進機構) が実施する国家試験です。スキルレベル4に該当する難関資格です。もともと情報セキュリティスペシャリストだった試験が情報処理安全確保支援士になりました。内容はほぼそのままなので、情報セキュリティに関する問題が出題されます。

ヘルプデスクのスキル習得に役立つ資格

ヘルプデスクのスキル習得に役立つ資格は、以下の資格があります。

マイクロソフトオフィススペシャリスト

Microsoft Office Specialist(MOS)は、オデッセイコミュニケーションが提供している民間資格です。マイクロソフトのOffice製品のスキルを証明する資格です。社員からのOffice製品の質問は日常的にあるため、ヘルプデスクの役割をする場合は役立つ資格です。

社内SEのキャリアパス

ここでは、社内SEのキャリアパスについて解説します。社内SEとして転職する以外のキャリアパスを紹介します。

関連記事: 社内SEのキャリアパス・キャリアプラン例について

マネージャーとしてキャリアアップする/転職する

社内SEのキャリアパスには、マネジメントスキルを身につけてマネージャー職へのキャリアアップがあります。システム部門のマネージャー職がない企業も多くあるため、このキャリアパスはマネージャー職がある企業に所属していることが前提です。マネージャー職へのキャリアアップは、プロジェクトマネジメントスキルやIT戦略、IT企画スキルを身につけることをおすすめします。

他のエンジニア職へ転職する

社内SEは、ネットワークやデータベース、サーバーなどさまざまな領域のITを扱います。そのため、インフラエンジニアなど他のエンジニア職へ転職しやすい職種です。
他のエンジニア職へ転職するために、シェアの高いベンダー資格などでスキルを補うと良いでしょう。

ITコンサルタント

ITを活用して企業の経営課題を解決する専門家である、ITコンサルタントも社内SEのキャリアパスのひとつです。社内SEはITスキルだけでなく、業務知識やプロジェクトマネジメントスキルなども業務を通して身につきます。

そのため、ITコンサルタントは社内SEにとって、目指しやすい職種です。ITコンサルタントになるには、IT戦略の立案や企画などの実務経験を積むと良いでしょう。

社内SEに就職・転職するために知っておくべきこと

ここでは、社内SEに就職・転職するために知っておくべきことについて解説します。社内SEは人気職種であるため、就職・転職の競争倍率も高い傾向にあります。社内SEへの就職・転職を成功させるには、上述したスキルや資格の取得や一定レベルの実務経験が重要です。
実務経験としては、プロジェクトマネジメントやシステム開発の上流工程などの経験が望ましいでしょう。

社内SEは人気職種であり倍率が高い

レバテックキャリアに登録しているエンジニアは、約半数以上が社内SEへの転職を希望しています。SierがSEを大量募集するケースは多くありますが、社内SEに関しては大量募集がほぼありません。社内SEの求人は、近年のDX推進・IT化によって増加しています。しかし、需要側に求人数が追いつかず、競争倍率は高いのが現状です。

未経験から社内SEへの転職は難しい

社内SEの求人には「未経験可」の記載があるケースも多くあります。この場合の未経験は「社内SEは未経験だが、エンジニアとしての経験はある」という意味です。IT未経験・エンジニア未経験の人が、社内SEへの転職を成功させることは非常に厳しいといえます。

関連記事:
未経験から社内SEになるためポイントを紹介
社内SEへの転職は難しい?仕事内容や求められるスキルを解説

未経験で社内SEになる方法

未経験で社内SEになる方法には、以下のような準備や活動があります。
 

  • ・ITの基礎知識を身につける

    ・基本情報処理技術者などの資格があると良い

    ・未経験可で社内SEを応募する求人情報に応募して転職する

    ・自社に情報システム部門があるなら異動希望を出す


基本的な勉強をすること、資格を取得すること、実際に転職活動すること、異動することなどが挙げられます。知識やスキルが不足していれば勉強が必要ですが、一定レベルの知識とスキルがある場合、転職活動など行動をすることが重要です。

文系や新卒で社内SEになれる

文系や新卒でも社内SEになれます。社内SEには技術的な知識、スキルだけでなく、コミュニケーション能力などの対人スキルも重要です。対人スキルがあれば、学生時代のうちから業界知識やIT知識を身に付けることで社内SEに必要な知識とスキルをある程度網羅できます。

新卒におすすめの企業

社内SEと言っても、所属する企業は様々です。おすすめの企業は、その人が何を求めるかによって変わってきます。具体的には、新しいことにチャレンジしたい人はベンチャー企業が良いでしょう。働きやすさを重視する人は福利厚生が整った企業が良いです。

高収入を目指すなら大手企業が良いです。社内SEになるならどのような企業が良い、という決まりはありません。また企業そのものだけでなく、システム部門がどのような状況か、どのような人が働いているのか、といったことも当然重要です。外部から把握しきれない部分も多いですが、可能な限りリサーチするのがおすすめです。

就活・転職活動前にやるべき準備

就活・転職活動前にやるべき準備として、自分自身のスキルの棚卸し、応募企業の下調べが挙げられます。自分自身について知ることと、応募企業について知ることの両方が重要ということです。これらの準備は、適切な志望動機や自己PRを作ることにもつながります。いずれも自分自身と企業を結びつける作業なので、両方について知っていることが不可欠だからです。

志望動機の書き方

採用担当者が特に注視する社内SEの志望動機は、「なぜ自社の社内SEを希望するのか」「これまでの経験をどう業務に活かせるのか」の2点です。これらのポイントは、倍率が比較的高い社内SEの転職では重要になります。

以下に実務経験のパターン別に、志望動機の書き方を説明します。

・SIerからの転職の場合、システム開発経験や、クライアントとの折衝・調整業務などを社内SEの業務に活かせることを伝えましょう。経験不足のスキルは、どのようにして補うかを具体的に伝えることも重要になります。

・社外SE(システムエンジニア)からの転職の場合、システム開発経験をどのように社内SEの業務に活かすのかを伝えましょう。またシステム開発の上流工程の経験不足を、どのようにして補うかも具体的に表現します。

・未経験からの転職の場合、社内SEに向けて自己研鑽をどのようにしているのかを伝えることが重要です。また、これまでの他業種での業務経験の中から、社内SEの業務に活かせることを考えましょう。具体的には、プロジェクトマネジメント経験や、リーダーシップを発揮した場面、他部署との調整業務などがあります。また、自身のキャリアパスを達成するために行なっている自己研鑽について伝えるのも有効です。

関連記事: 社内SEの志望動機の書き方は?ポイントと例文も紹介

自己PRの書き方

社内SEへの転職での自己PRには、以下の3つのポイントを押さえて書くと良いでしょう。

・仕事への対応力や課題解決力をアピールする実績を伝える
社内SEの仕事は、社内システムの開発や運用に加えて、社員に向けてPCの操作説明や設定などをするヘルプデスク業務も含まれます。そのため多岐に渡る業務に対応する、対応力の高さをアピールすると効果的です。併せて、発生した問題をどのようにして解決したか、実績を伝えましょう。

・得意な分野や知識・経験を明確に伝える
得意分野や知識・経験を伝えることは、自己PRにおいて重要なポイントです。希望する企業が、求めている社内SEに合う知識や経験を自己PRに盛り込みます。具体的なエピソードを添えて伝えると、採用担当者が実力を把握しやすくなります。

・経験期間を書いて経験の豊富さを伝える
社内SEは、幅広い業務を行う職種です。その幅広い業務のいずれがに、該当する経験が豊富であることは強みになります。社内SEに関連する業務に、携わった期間を明確に伝えましょう。

社内SEの転職求人例

ここでは、社内SEの転職求人例を紹介します。社内SEに転職を目指す方は、参考にしてみるとよいでしょう。

社内SE経験者向けの求人例

社内SEの経験者向け求人には、以下のような求人があります。

【社内SE】社内SEの専門部署の新規立ち上げとマネジメント

■求人例

【想定年収】
600~800万円

【業務内容】
・拠点内の共有資産(PC/サーバ/NW)の運用管理
・事業部および本社からの意見聴取/要望取り纏め/支社内のIT施策の決定、実施
・上記業務における業務改善の立案/実行
・情報セキュリティ委員会の統括チームに参画し、認証しているISMS(ISO/IEC27001)審査対応

ゆくゆくは下記もお任せします。
・組織マネージャとして、拠点の情報システム部門を立ち上げる役割(マネージャ候補としてご入社いただき、1年~2年後には、マネージャとして組織を牽引いただくことを期待されています)
・組織拡大を検討しているため、組織の新たな要員の採用も担当

【必須条件】
<経験>
・マネジメント経験
・社内SEとして企画立案、改善活動のアイディアを持って推進できる方
・社内SEとして自社環境の運用設計のご経験
<マインド>
・コミュニケーションを円滑に取れる方

【社内SE】社内ネットワークの構築、運用

■求人例

【想定年収】
400~650万円

【業務内容】
・社内ネットワークの運用
・ヘルプデスク、問い合わせ対応
・アカウント管理(G Suite/Office365など)
・PC、モバイル端末のセットアップ
・IT資産管理
・手順書、ドキュメント作成

【必須条件】
<経験>
・社内ネットワークの構築、運用経験(1年以上)
・ヘルプデスク経験(1年以上)
・誠実な方
・業務に必要なコミュニケーションをしっかり取れる方

社内SE未経験でも応募できる求人例

社内SE未経験でも応募できる求人には、以下のような求人があります。

【社内SE】ネットワーク再構築PJ推進

■求人例

【想定年収】
500~800万円

【業務内容】
・新規NW構築案件におけるベンダー選定、技術選定、プロジェクトマネジメント
・運用設計 など
今回のプロジェクトをはじめ、今後の事業基盤変革にも携わっていただく予定です。

【必須条件】
<経験>
・事業会社やSIerなどでの、ネットワークの設計構築経験5年以上
<マインド>
・責任感を持って業務に取り組める方
・コミュニケーション力がある方

【社内SE】ポテンシャル採用/事業成長に必要なシステム開発やテクノロジーの新規導入

■求人例

【想定年収】
400~600万円

【業務内容】
主な業務は、社内システム開発です。エンジニアとして、事業成長に必要なシステム開発やテクノロジーの新規導入はもちろん、データ分析基盤の構築と分析に基づくシステム改善までをリードするのがミッションです。
業務は企画立案~設計・開発・技術サポートまで含めて、ビジネスメンバーと二人三脚で行っていただくものもあれば、基幹システムの一機能の開発を同時並行で担当していただく場合もあります。

【必須条件】
・何らかのオープン系言語(Java・C#・PHP等)を用いたシステム開発の経験2年以上
・開発/実装だけでなく、サービスそのものを成長させることに意欲的な方
・課題解決のために必要な領域の技術を積極的に学習し、取り入れる意欲のある方
・単に与えられた要件で完結するのではなく、自ら必要なことを考えて実行できる方

「社内SEは辛いからやめとけ」と言われる理由

社内SEは人気職種ですが、転職した人が全員成功するとは限りません。理想と現実とのギャップが原因で苦しみ、「社内SEはやめとけ/おすすめしない」と主張する人もいます。ここでは転職で失敗をしないように、社内SEのメリットと言われる部分について解説します。転職を検討する前の参考にしてみてください。

関連記事: 社内SEのメリット・デメリット - 院内SEも含めて解説

デメリット1.社内調整でストレスを感じることがある

社内Sは、自社の社員がクライアントです。仕事を進めるにあたって、関連部署へ協力を仰ぐことも多くあります。利害関係の調整や折衝がある場合には、根回しが必要になります。そのため、SEが社外のクライアントに向き合うときよりも、高いコミュニケーション能力が求められます。開発業務だけに向き合いたい人が社内SEになると、社内調整がストレスになる可能性があります。

デメリット2.業務で新しいスキルを身につける機会が少ない

大規模なシステム開発は、社内SEがいる会社でもSIer等に外部委託することが多くあります。その場合の社内SEの役割は、プロジェクトマネジメントやベンダーコントロールになります。この経験は、ディレクション能力やマネジメント能力を磨けるメリットがあります。その一方で、新しい開発に関する技術を実務で身につける機会が減ることがデメリットです。

楽さを求めると後悔する可能性も

開発スケジュールがタイトになりにくいため、残業が少ないイメージが社内SEにはあります。社内SEに楽さを求めて転職を望む人も多くいますが、社内SEは決して楽な仕事ではありません。特に中小企業の社内SEは、兼業でヘルプデスクやセキュリティ対策、システム開発のプロジェクトマネジメントなどの複数業務を担当することが多くなります。そのため、業務範囲がSEよりも幅広くなります。自分のやりたいことや適性が求人内容と一致するかを見極めて、転職後に後悔がないように転職活動をしましょう。

社内SEに関するよくある質問

ここでは、社内SEに関するよくある質問を紹介します。

Q1. なぜ「社内SEは楽しい/勝ち組」のように言われることが多いのでしょうか?

一般的なSEと比較して残業が少なく、ワークライフバランスを取りやすい点があります。大手企業の社内SEは雇用や給与の面でも安定している点なども、理由として大きいと考えられます。ただし、社内SEの仕事は決して楽ではないことは認識しておきましょう。

Q2. 社内SEへの転職に英語力は役に立ちますか?

英語力が必須要件や歓迎要件になっている求人として、海外に拠点を持っているような大手企業や製造業、外資系のメーカー等の社内SEの求人があります。英語でのコミュニケーションが得意なエンジニアは、まだまだ少ないため、選考の際の差別化要素として武器になります。

Q3.社内SEとシステムエンジニア(SE)の違いは何ですか?

社内SEは主にIT以外の業界のシステム部門で働くエンジニアです。エンジニアと言っても開発が中心ではなく、社内のシステム整備などの業務が多いです。一方で、SEはベンダー企業でシステム開発を行います。社内SEがシステム開発を行う場合、ベンダー企業に依頼し、SEが開発する、といった関係性です。

Q4.社内SEの平均年収はどのくらいですか?

求人ボックス給料ナビによると、社内SEの平均年収は約511万円です。月給で換算すると43万円、初任給は21万円程度が相場になります。派遣社員やアルバイト・パートでは平均時給がそれぞれ1,998円、1,297円です。

まとめ

この記事では、社内SEの仕事内容や必要なスキル、役立つ資格、キャリアパスについて解説しました。社内SEの仕事内容は多岐にわたり、企業によって仕事内容も年収も異なります。社内SEは人気職種で、競争倍率が高い傾向にあります。

人気職種でありますが、社内SEにも仕事の大変さやストレスが存在します。
そのため、自分の希望が求人内容と一致するか見極めることも重要になります。それらを踏まえたうえで、社内SEへの転職活動を進めてみましょう。

ITエンジニアの転職ならレバテックキャリア

レバテックキャリアはIT・Web業界のエンジニア職を専門とする転職エージェントです。最新の技術情報や業界動向に精通しており、現状は転職のご意思がない場合でも、ご相談いただければ客観的な市場価値や市場動向をお伝えし、あなたの「選択肢」を広げるお手伝いをいたします。

「将来に向けた漠然とした不安がある」「特定のエンジニア職に興味がある」など、ご自身のキャリアに何らかの悩みを抱えている方は、ぜひ無料のオンライン個別相談会にお申し込みください。業界知識が豊富なキャリアアドバイザーが、一対一でさまざまなご質問に対応させていただきます。

「個別相談会」に申し込む

転職支援サービスに申し込む
※転職活動を強制することはございません。

レバテックキャリアのサービスについて

プロのアドバイザーがあなたのお悩みや疑問にお答えします

- 転職個別相談会開催中 -

相談内容を選択してください

※転職活動や求人への応募を強制することはありません

関連する記事

人気の求人特集

内定率が高い

社内SEの求人・転職一覧