- 1. ITコンサルタントの仕事内容について理解を深める
- 2. 中途転職のITコンサルタントに求められるスキル・経験
- 3. ITコンサルタントの志望動機の書き方とポイント
- 4. ITコンサルタントの志望動機の例文
- 5. 新卒・未経験でITコンサルタントに応募する場合の例文
- 6. 志望動機を改善する方法
1. ITコンサルタントの仕事内容について理解を深める
ITコンサルタント職に応募する際には、その仕事内容について理解を深めておく必要があります。まず、簡単にITコンサルタントの仕事内容について解説します。
仕事内容
ITコンサルタントの役割は、顧客企業の経営課題に対し、ITを用いたソリューションを提供することです。企業内システムを含めて、いまやあらゆる業界でITシステムが使われているため、その顧客となる企業は多岐にわたります。ITコンサルタントは、顧客企業の経営層や管理者からヒアリングを行い、業務の現状分析や、あるべき姿の提案を行います。
そして、IT戦略立案、ビジネス要件定義、パッケージ導入、プロジェクト管理などの作業を担当します。
関連記事:ITコンサルタントとは?仕事内容や年収を徹底解説
ITコンサルタントとSEとの違い
ITコンサルタントは、システム開発前の業務要件定義から携わり、「なぜ」ITソリューションが求められているかを明確にするのが特徴です。一方、SEは要件定義から開発・運用までを担当し、「何を」作り、「どう」実装するかを定義する役割と言えるでしょう。ただし、企業によってはITコンサルタントとSEの境界が曖昧になっている場合もあります。
ITコンサルタントが実装にまで関与したり、SEが業務要件定義から参画したりするケースも考えられます。SEとして経験を積んだ後、特定の業界や業務の専門性を磨き、ITコンサルタントに転職するキャリアパスを歩む人も、よく見受けられます。
関連記事:ITコンサルタントとSEの違いとは?仕事内容・役割・経験などから解説
所属先
ITコンサルタントは、主にコンサルティングファームに属しています。コンサルティングファームにも様々な種類があり、経営コンサルティングに強みを持つ企業や、ITに特化した企業などがあります。また、SIer(エスアイヤー、システムインテグレーター)のなかでも、システム開発の上流工程を強化するため、ITコンサルタントの部門を有している企業も増えました。
分類
企業によっては、特定の領域に特化したITコンサルタントの求人が出されています。具体的には、以下のような分類が考えられます。
業界別
金融、流通、製造、通信、公共といった特定の業界に対して、ITコンサルティングのサービスを提供しています。業界ごとに異なる慣習や専門的な業務があるため、業界に特化したソリューションを構築するのが特徴です。
機能(ファンクション)別
ERP(基幹業務システム)、CRM(顧客関係管理システム)、SCM(サプライチェーン・マネジメント・システム)、財務会計システムに代表される、多くの企業に共通して用いられる情報システムが開発されてきました。これらのシステムを構築するためのベストプラクティスを横展開するのに、ITコンサルタントが活躍しています。
IT基盤別
セキュリティ、BI(ビジネス・インテリジェンス)、インフラを含めたIT基盤に特化したITコンサルタントの求人もあります。近年は、AI(人工知能)、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)、DX(デジタル・トランスフォーメーション)といった領域に注目が集まっており、技術的なスキルに秀でたITコンサルタントが求められています。
参考:ITコンサルタントの求人・転職情報一覧
2. 中途転職のITコンサルタントに求められるスキル・経験
ITコンサルタントに転職する際には、応募先企業が求めているスキルをアピールできると有利です。以下では、ITコンサルタントに求められるスキル・経験について解説します。
システム開発
ITコンサルタントとしてプロジェクト全体を俯瞰できるよう、要件定義から開発・運用に至る流れを理解していることが望まれます。SEからITコンサルタントへと中途で移った場合、実装段階の工程を考慮しながら、IT戦略を立案できるスキルが強みとなるでしょう。また、ERPのようなパッケージ導入の経験が評価される場合もあります。
経営・業務知識
顧客企業の経営層や管理職と対等に議論ができるよう、ITコンサルタントには基礎的な経営・業務知識が求められます。さらに、業務のあるべき姿を描くには、業務フローのベストプラクティスを提案できるレベルの知識・経験が必要です。中途で転職する場合には、担当する業界・業務について深い知識があることが望ましいです。
プロジェクト管理
短いプロジェクト期間で顧客が求めるソリューションを提案し、実装につなげるには、高いマネジメント力が必要です。加えて、ITソリューションを通した経営課題の解決を確実に実現するため、プロジェクト全体を通して、PMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)として参画する場合もあります。
論理的思考力
顧客の経営課題を明確にし、それをIT施策へ落とし込むのに、論理的思考力が問われます。上流工程で問題の認識や解決策の方針が間違っていては、システム開発をしても高い効果が期待できません。上流工程では、些末な事項に囚われることなく、重要な問題に焦点を当て、解決策を導き出す態度が求められます。
ヒアリング、プレゼンテーション
顧客企業の経営層や管理職が抱える課題を言語化し、真のニーズを明確にするのはITコンサルタントの重要な仕事です。ITの専門家ではない顧客側の担当者に対しても、十分に理解してもらえるようITソリューションを説明するスキルが求められます。
情報収集、学習能力
IT知識や経営・業務知識について、最新の動向を追いかけ、学習を怠らない習慣が求められます。特に、担当する業界・業務では、顧客と同等に議論できるくらい情報を分析できているのが望ましいでしょう。
関連記事:ITコンサルタントになるには?必要なスキルや知識、おすすめキャリアパスを解説
3. ITコンサルタントの志望動機の書き方とポイント
ITコンサルタントに応募する際には、仕事内容や求められるスキルを頭に入れながら、自身のスキルやキャリアパスを志望動機に盛り込むことが推奨されます。以下では、志望動機の作成ポイントについて解説します。
キャリアパス
応募先の戦略を分析し、自身のキャリアパスと合っていることを確認した上で、就職を志望した理由を記載します。例えば、ERPソリューションに強みを持ったコンサルティングファームに応募する際には、これからERPの専門家としてキャリアを積み上げたいから志望した旨を主張する流れです。
あるいは、SEからITコンサルタントへと転職する場合には、より上流工程に携わりたいといったキャリアパスを記載する方法が考えられます。
自分が貢献できること
志望動機は、自分がやりたいことだけではなく、いかに自分が応募先企業に貢献できるかを説明する機会です。自分が有するスキルをアピールして、応募先企業が、他の候補者ではなく自分を雇うべき理由を主張します。
複数の企業に応募する場合でも、すべての企業に同じ志望動機を送ってはいけません。応募先が強みとする領域を分析して、それに合わせてカスタマイズするのがポイントです。ITコンサルタントとしての提案力を発揮するつもりで、自分自身をアピールするよう心がけましょう。
過去の経験
自分のスキルを裏付けるよう、過去の経験を具体的に記述します。特定の業界・業務のプロジェクトについて、自分の役割や貢献を記載すれば、応募先の担当者が、そのスキル・経験を評価しやすくなるでしょう。例えば、金融業界のITコンサルタント職に応募する際には、過去の金融システム開発プロジェクトの概要や役割・成果を説明することになります。
4. ITコンサルタントの志望動機の例文
志望動機は、応募先企業が得意とする領域や、求人情報に書かれた要件に合わせてカスタマイズするべきです。また、自身のコンサルティング経験の有無、SE経験の有無などによっても書き方は変わってきます。ここでは、業界別・機能別・IT基盤別の違いに着目し、志望動機の例文を紹介します。
業界別の例文
SEからITコンサルタント(金融業界)に転職したい場合の書き方を紹介します。
SEとして金融業界のシステム開発プロジェクトへ5年にわたり従事し、要件定義・設計・開発・テスト・運用の各局面に携わってきました。これまでの経験を活かして、最適な金融システムの構築を提案できるよう、ITコンサルタント職を志望いたします。Fintech領域のクライアントへコンサルティングを提供するのに強みを持つ貴社で、実行フェーズの支援にとどまらず、IT戦略立案にも力を発揮していきたいと思います。
機能(ファンクション)別の例文
SE経験者がERPコンサルタントへ応募する場合の書き方を紹介します。
現職ではSEとして製造業におけるERP導入に携わっています。顧客企業の海外子会社における要件定義のため半年ほど海外に駐在した経験から、よりグローバルな案件に挑戦したいと考え、海外展開に強みを持ったコンサルティングファームである御社を志望しました。
IT基盤別の例文
コンサルタント経験者がBIコンサルタントへ応募する場合の書き方を紹介します。
ITコンサルタントとして、情報系システムの業務分析やデータウェアハウスの構築に携わった経験があります。BIアプリケーションやそのインフラ構築に強みを持つ貴社で、これまでの経験を活かし、BIの専門家としてのキャリアを追求していきたいと考えています。
5. 新卒・未経験でITコンサルタントに応募する場合の例文
コンサルティングファームやSIerのなかには、新卒のITコンサルタントを募集している企業があります。中途転職のような実務経験がなかったとしても、学生時代の経験をもとにして、志望動機を記述するのが望ましいでしょう。
文系・理系を問わず、ITコンサルタントに求められるスキルやマインドを踏まえて、志望動機を記載します。具体的には、問題発見・問題解決や提案力、ヒアリング・プレゼンテーションといった経験を記述するのが効果的です。
以下に、新卒の学生がITコンサルタントへ応募する場合の書き方を紹介します。
大学時代は情報学科に属し、プログラミングや情報科学を学習してきました。学生団体で活動していた際に、様々な関係者からの意見を広く集めるためにアンケート作成ツールの導入を提案し、団体のデジタル化に貢献しました。この経験から、業務にまつわる課題を特定し、IT施策を提案・導入するITコンサルタント職を希望するようになりました。AIやRPAを用いた業務改革に強みを持つ貴社で、顧客企業の業務効率化に貢献したいです。
6. 志望動機を改善する方法
ITコンサルタントの志望動機を改善するには、客観的な視点で見てみることが推奨されます。また、不足しているスキルがあれば、現在の仕事で補完するという考え方もあるでしょう。以下では、志望動機の改善方法について解説します。
ITコンサルタント経験者から話を聞く
実際の仕事内容や求められるスキルについて理解を深めるには、ITコンサルタントとして働いている人から実体験を聞くのが早道です。特に、これまで上流工程での経験が少ない場合、その難しさや面白さを知った上で、志望動機に反映させると良いでしょう。
新卒の学生であれば、ITコンサルタントとして就職した卒業生と会話する機会を得られる場合もあります。文系学生の場合、IT業界に接する機会が少ないケースも多いため、実務経験がある人の意見は大いに参考になるでしょう。
転職支援サービスを活用する
志望動機の質を高めるために、その書き方について転職エージェントから助言を得る方法が考えられます。転職エージェントは、求人を出している企業の担当者から、求めている人材について話を聞いている場合が多いです。また、多数の応募者の志望動機を目にしているため、志望先の企業から見て、分かりやすい志望動機の書き方についてアドバイスを得られる可能性があります。
資格取得を通して理解を深める
ITコンサルタントとして働いた経験のない人は、経営面やIT戦略立案の方法について学習し、スキルを補完することが推奨されます。例えば、IPA(情報処理推進機構)のITストラテジスト試験は、ITコンサルタント向けの資格として知られています。また、経営面に興味が強い人や文系出身者のなかには、中小企業診断士の資格を取ってコンサルタントを目指す人も見受けられます。
上流工程の経験を積む
SEからITコンサルタントへの転職を目指す場合、要件定義を含めた上流工程の案件に入れるよう、現在の所属先企業へ働きかけると良いでしょう。ITコンサルタントで求められる上流工程の経験を得ることで、自身の適性や希望を再確認できると共に、志望先企業へアピールできる材料にもなります。
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