プログラマーの職務経歴書では、スキルや実務経験が企業へのアピールポイントになります。そのため、新しい技術を積極的に習得してスキル向上を図るべきです。IT活用が当たり前になった昨今では、技術者不足が深刻化しており、未経験でも採用されるチャンスはあります。
そこで本記事では、転職を目指す現役プログラマーに向けて、職務経歴書の書き方やポイント、企業が求める能力について紹介します。本記事で紹介するポイントを参考にしながら、経験したプロジェクトを振り返り、印象に残る職務経歴書を作りましょう。
1. プログラマーが職務経歴書に書くべき内容
「どんなプロジェクトで」「どのような工夫をして」「どんな課題を解決したのか」を伝えるため、以下の5つを記載します。テンプレートについては、後述します。
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・職務要約
・職務経歴
・使用できるスキル・知識(プログラミング経験)
・保有資格
・自己PR
各項目の書き方のポイントを詳しく解説していきます。
職務要約
過去に勤めた企業名や勤続年数を記載してください。「20xx年〜20xx年」のように入社年と退職年を書き、勤続中であれば退職年ではなく「現在」と書きます。
職務経歴
過去に携わったプロジェクトを記載してください。プロジェクト単位に客先常駐で業務を進めることが多いので、逆編年体式(直近順)で細かく書いていきます。クライアントの業種や職務内容、開発言語、開発環境をまとめておくと、採用担当者が見やすくなります。多業種での開発経験や有名企業、大規模案件の経験があると、高く評価されるかもしれません。
職務内容には担当した作業を書き出し、試行錯誤した経験やアピールしたいことを書きます。担当した作業が他の候補者と類似することが多いため、工夫したポイントを表現して差別化を図ることをおすすめします。
また、客先常駐で携わったプロジェクトについては、所属企業と客先間のNDA(秘密保持契約)などに考慮し、社名や具体的な製品名などは出さないようにします。プロジェクトの概要や開発言語、開発環境は記載して問題ありません。
使用できるスキル・知識(プログラミング経験)
採用担当者が把握しやすくなるので、使用できるスキル・知識は一覧にして記載します。使用できる言語やフレームワーク、ツール、開発環境などを記載しましょう。実務経験やプログラミング経験がなくても、学校で学んだこと、学習している言語がある場合は書いておくと良いです。
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保有資格
保有している資格をすべて記載してください。書ききれない場合は企業にアピールできる資格を書きます。専門知識を正確に伝えるのであれば、プログラミング関連の保有資格を記載するのがおすすめです。例えば、基本情報技術者試験やソフトウェア開発技術者試験などが挙げられます。詳細に記述することで、スキル・知識レベルの高さを示せます。
自己PR
どのようなスキルや知識・経験があり、業務にどのように活かしてきたのかを記載してください。要件定義や設計のような上流工程や、リーダーとしてマネジメントした経験があれば強みになります。リーダーではなくても、後輩への教育経験があれば書いておきます。
また、業務以外にもセミナー参加や参考書で学んでいるなど、知識の吸収に励んでいることも十分なアピール材料です。転職先でもプログラミング業務を希望する場合は、いかに技術を高めるために努力をしているかを伝えましょう。
どのように自己PRすれば良いかわからない方は、転職支援サービスを利用するのもおすすめです。
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2. 企業がプログラマーに求めるスキル
企業がプログラマーに求めるスキルは、業種によって異なります。働く場所も客先常駐であったり、フルリモートだったりとさまざまです。ここでは、Webプログラマーやゲームプログラマーのような業種別に求められる言語やスキルと、共通して必要なスキルを紹介します。職務経歴書を書く際、記載内容を満たしているかチェックしてください。
Webプログラマー
システム開発で利用されるJavaやPython・PHP・Rubyなどの開発スキルは、多くの企業で求められます。また、データベースを用いてデータ管理を行うのであれば、SQLのスキルも必要です。さらに、画面表示に関するHTMLやCSS・JavaScriptは、ユーザーが直接目にする部分の開発に必要なスキルとして求められます。
組み込み系プログラマー
CやC++のような難易度が高い言語の開発スキルだけでなく、ハードウェアに応じたカスタマイズを行うスキルも必要なため、専門性が高くなります。近年では、IoTの発展により、IoTプラットフォームと呼ばれるクラウドサービスの知識も求められます。
業務システム系プログラマー
業務を担うシステムを開発するため、企業とこまめにコミュニケーションをとり、認識を合わせながら開発していきます。客先常駐することもあり、認識齟齬を起こさないようにするには、相手の意図を汲み取る高いコミュニケーション能力が要求されます。また、開発時はJavaやPHP・VBのような開発スキルが必要です。
ゲームプログラマー
開発言語は、C#やC++などが使用されることが多く、これらを必須スキルとするゲーム制作会社もあります。Unityと呼ばれるゲームに特化した開発環境が登場してからは、C#が主流となっています。また、ゲームキャラクターを実在する人間のように動かすには、数学や物理学の知識も求められます。
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共通で必要なスキルや知識
プログラミング言語に関する知識以外にも重要な3つのスキルを紹介します。
論理的思考力
ロジカルシンキングとも呼ばれます。目的と手段を把握した上で、体系的に整理して考えることで、問題解決力が身につきます。論理的な設計がなされていないプログラムは、予期せぬ動作や不具合につながります。
情報収集力
技術の進歩が著しいIT業界ですが、プログラミングの分野においても、新しいフレームワークや開発手法の活用により、開発効率が向上することも多いです。どんなにプログラマーとして優秀でも、技術的な問題でつまずくこともあります。問題解決するためには、本やインターネットを使って情報収集する力が必要です。
コミュニケーション能力
クライアントとの折衝は、SEやPMが行うのが一般的ですが、プロジェクトによってはプログラマーが行います。プロジェクトが大規模になるほど、チームで開発を進める傾向があります。チーム内でさまざまな立場のメンバーと関わるため、円滑なコミュニケーションがとれなければ、業務にも支障をきたします。
3. プログラマー向け職務経歴書のテンプレート
ここでは、プログラマーが職務経歴書を作成する際に役立つテンプレートを紹介します。職種別にテンプレートをダウンロードし、以下の記入例を参考にしながら埋めていきましょう。(テンプレートはWord形式です)
【ダウンロードはこちら】※個人情報入力も不要です
・Webプログラマー(フロントエンド)
・組み込み系プログラマー
・ゲームプログラマー、業務システム系プログラマー(ネイティブアプリ)
■職務要約
・20XX年〜20XX年 ◯◯株式会社
・20XX年〜現在 株式会社◯◯
■職務経歴
期間 | 業務/職務内容 | 開発言語/環境 | 役割/規模 |
---|---|---|---|
20xx年xx月 ~現在(1年2ヶ月) | 業務/職務内容【業界・プロジェクト名】 ・製造業界 ・受注管理システムの開発 【担当フェーズ】 ・基本設計 ・詳細設計 ・開発、 ・テスト(単体・結合) 【成果・アピールポイント】 ・サブリーダーとして必要な作業と工数を分類し、作業ごとにスケジュール管理 ・新入社員のOJTを担当 |
役割/規模【開発言語】 ・VB ・C# 【開発環境】 ・Windows ・SQL Server |
【役割】 ・サブリーダー 【規模】 ・要員10名 |
20xx年xx月 ~20xx年xx月 (2年6ヶ月) |
【業界・プロジェクト名】 ・製造業界 ・受注管理システムの開発 【担当フェーズ】 ・詳細設計 ・開発 ・テスト(単体・結合) ・公開 ・運用/保守 【成果・アピールポイント】 ・メンバーとして従事し、遅延することなく作業 |
【開発言語】 ・Java 【開発環境】 ・Windows ・Linux ・Oracle |
【役割】 ・メンバー 【規模】 ・要員15名 |
■使用できるスキル・知識(プログラミング経験)
大項目 | 中項目 | 期間 | レベル感 |
---|---|---|---|
OS | Windows Linux |
x年xヶ月 x年xヶ月 |
インストールから環境設定まで可能 インストールから環境設定まで可能 |
言語 | Java VB C# JavaScript |
x年xヶ月 x年xヶ月 x年xヶ月 x年xヶ月 |
問題なく利用でき、教育が可能 問題なく利用できる 問題なく利用できる 独学(基本的なプログラミングが可能) |
DB | Oracle SQL Server |
x年xヶ月 x年xヶ月 |
テーブル作成からデータ操作まで可能 テーブル作成からデータ操作まで可能 |
■保有資格
・基本情報技術者試験 (20xx年xx月)
・応用情報技術者試験(20xx年xx月)
・TOEIC800点(20xx年xx月)
■自己PR
・プログラミングの知識とクライアントとの折衝力
システム構築の開発を担当していますが、基本設計からクライアントとの打ち合わせに参加し、導入システムのレビューを行いました。クライアントとの折衝により、設計フェーズをスムーズに進められています。
・新入社員のスキルを向上させるマネジメント力
直近のプロジェクトにおいてサブリーダーを任されました。スケジュール管理だけでなく、幅広い知識習得を目的として、新入社員の教育を行っています。
・勉強会への積極参加
勉強会に参加し、新しい技術を積極的に学んでいます。情報感度を高めることで、開発体制の改善や、開発ロードマップの策定に活かせると考えております。
4. プログラマー向け職務経歴書のチェックリストを紹介
職務経歴書のチェックリストを紹介します。職務経歴書がひとまず完成したら、提出する前に以下の観点で職務経歴書を確認してみてください。
5W1Hでの表現
・Who:誰が
主語が明確になっていますか?
・When:いつ
西暦(または和暦)で統一されていますか?
・Where:どこで
在籍企業、所属部署、客先常駐について明記していますか?
・What:何を
業界や業務/職務内容、担当フェーズ、開発言語、開発環境を明記していますか?
・Why:なぜ
業務で問題に直面した場合、原因を分析していますか?
・How:どのように
直面した問題に対して、どのように解決を図ったかを明記していますか?
自己PRの網羅性
・成果・実績
業務での成果や実績、他者評価を明記していますか?
・得意分野
強みと考える分野を明記していますか?
・スキル
プログラミング経験(未経験の場合は学習している言語)や業務知識などアピールできるスキルを明記していますか?
情報の正確性(求められるスキルや経験に合わせた表現)
・ビジネス文書
誤字脱字がなく、「ですます調」の統一、体言止めを組み合わせて、稚拙にならない表現になっていますか?
・レイアウト
改行や表を活用して、見やすさを意識できていますか?
・具体性
数値や専門用語を用いて、内容を具体的に表現できていますか?
・アピールポイント
自分の経験(努力・取り組み・成果)をアピールできていますか?
・転職先企業への適性
企業が求めるスキルや経験に対し、自分の経験をアピールできていますか?
・マネジメント
経験がある場合、どのくらいの人数でどんな成果があったかを明記していますか?
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