プログラマーのキャリアパスは?キャリアアップに必要なスキルも解説

最終更新日:2024年11月1日

プログラマーは、ITシステムなどを構成するプログラムを作る職業です。IT系の職種のなかでも目指しやすいプログラマーは人気の職業ですが、ほかにもIT系の職種は豊富にあります。そのため、プログラマーとしての経験を積んだあとのキャリアパスについても知っておくとキャリア形成しやすいでしょう。

プログラマーから目指せるキャリアパスは、システムエンジニアへのキャリアアップや、ほかのエンジニア職へのキャリアチェンジなどが有力な選択肢です。

この記事では、キャリアを検討中の若手プログラマーに向けて、プログラマーの主なキャリアパスと、キャリアアップを目指す際に評価されるスキルや役立つ資格について解説します。

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この記事のまとめ

  • プログラマーのキャリアパスの大きな方向性として、スペシャリストとマネジメント職がある
  • キャリアチェンジする場合は、他言語プログラマーのほか、インフラエンジニアを目指すという道もある
  • プログラマーの転職市場は、経験者のほうが市場価値が高いが、未経験の場合でも多くの求人がある
  • 理想のキャリアパスを実現するには、必要なスキルを身につけた上で、社内公募制度の活用や転職を検討すると良い

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プログラマーとは

プログラマーとは、システム開発やソフトウェア開発において、プログラミング言語を用いてプログラムを作成する人のことをいいます。銀行のATMやインターネットのWebサイト、スマホのアプリなどはすべてプログラムでできており、それらはプログラマーによって作られたものです。

プログラムはコンピューターへの指示書であり、プログラミング言語はコンピューターが理解できる言葉です。プログラマーは、コンピューターが理解できる言葉で指示書を書く人ともいえます。正しく指示書を書かないと、コンピューターは動かなかったり、間違った動作をしてしまうため、プログラムを書くためには十分な知識とスキルが必要です。

具体的にプログラマーとはどのような仕事をするのか、解説します。

関連記事:
プログラマーとは?仕事内容や必要なスキルをわかりやすく解説
プログラマーのやりがいとは?キャリアパスや年収も解説

仕事内容

プログラマーは、設計書をもとにプログラムを開発するのが主な仕事です。ただし、コンピューターを正確かつ効率よく動作させるには設計を行ってから開発を行います。また、プログラム開発後、不具合の修正や機能の追加など、運用・保守も必要です。ここではさらに詳細に仕事内容を説明します。

設計

クライアントの要件にあわせて正しく動作するように、設計を行います。設計はさらに基本設計(外部設計)、詳細設計(内部設計)と細かく工程が分かれます。基本設計(外部設計)は主にシステムエンジニアが担当することが多いです。プログラムの全体仕様やほかのプログラムとの連携、ユーザーインターフェースの部分などを定め、設計書を作成します。

プログラマーはシステムエンジニアが作成した設計書をもとに、内部設計(詳細設計)を行います。これは前工程で作られた設計書に記載の内容を実現するために、具体的にプログラムに落とし込む作業です。この内容をもとに詳細設計書を作成します。

開発

システムエンジニアが作成した詳細設計書の内容をもとに、実際にプログラムを開発していきます。実装、プログラミング、コーディングとも呼ばれる工程です。

大規模なシステムだと大勢のプログラマーが協力して作業を分担し、それらを組み合わせて大規模なプログラムを開発します。そのため、誰がそのプログラムを見てもわかるようなプログラミングを心がけることが大切です。

テスト

プログラムが設計書の記載通りに動作するか、テストを行います。プログラムに不具合があり誤った動作をすると、システムによっては大きな損害が発生しかねないため、十分なテストを実施する必要があります。問題が解決するまで、試行錯誤を繰り返す必要がある工程です。

運用・保守

プログラムが完成しテストが行われた後には、リリースを行い稼働させます。プログラマーはシステムやアプリケーションの稼働後は、そのプログラムの運用・保守を行います。たとえば不具合が見つかれば修正する、処理性能が悪くなれば改善する、といった作業です。

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経験年数で見るプログラマーのキャリアモデル

ここでは、一般的な経験年数ごとの業務内容を軸にキャリアモデルを紹介します。プログラマーは培ったスキルや目指す方向性によってキャリアが大きく変化する職業です。
目指したいキャリアによっては、ここで紹介する業務内容とは異なるモデルを経験したほうが良いこともあるでしょう。こちらの内容は、あくまで一例として参考にしてください。

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1年目

新入社員や未経験からプログラマーになった場合、最初に割り当てられるのはテスト工程や開発工程の作業です。上司や先輩の指導の元で、設計書やテスト仕様書に従って作業を行います。OJTや研修を通じて基礎的な知識や技術力を身につけていきます。

3~5年目

プログラマーとして開発工程をこなせるようになれば、小規模チームのリーダーやサブリーダーを任されるようになるケースがあります。チームの進捗管理だけでなく、メンバー育成や顧客コミュニケーションなど、マネジメントスキルも求められます。

また、プロジェクトによっては、システムエンジニアの指示・監督の下で、基本設計や外部設計の一部に携わる機会も出てくるでしょう。

5年目以降

リーダー経験があれば、プロジェクトマネジャー(PM)の補佐やプロジェクトリーダー(PL)などの立場で、チーム全体のマネジメントや進捗・品質管理などの管理業務を任される機会が出てきます。

この頃になると、キャリアパスを選ぶ段階に入ってきます。プログラマーを続けるか、ほかの職種に進むか、マネジメント職を目指すか、自分の経験やスキルを活かせるキャリアパスを選択しましょう。

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プログラマーの代表的なキャリアパス

プログラマーからの転職を検討している人にとって、キャリアパスは非常に気になる要素です。

プログラマーからのキャリアパスは大きくは「スペシャリスト」と「マネジメント職」に分けることができます。「スペシャリスト」は高い技術力や経験を持つ専門家です。一方で「マネジメント職」はプロジェクト全体の管理や調整などを担当し、ときには技術的な経験を活かし、チームメンバーをサポートする仕事です。

以下では、「スペシャリスト」と「マネジメント職」についてさらに詳しく解説します。

また、もちろんプログラマーを続けることも可能です。しかし、年齢を重ねると年下のマネージャーの下で働くことが増えたり、アサインできるプロジェクトが少なくなったりすることも考えられます。年齢を重ねてもプログラマーとして活躍するには、デメリットをはねのけるほどのスキルをしっかり身につける必要があります。

スペシャリスト

スペシャリストは、高い技術力や豊富な開発経験を活用して、特定分野の有識者としてプロジェクトを支援します。たとえば、システムエンジニアやデータベースエンジニア、ネットワークエンジニアなどがあります。マネジメントより手を動かしてものづくりをするのが好きな人や、新しい技術を追求したい人は、こちらの道を選ぶとよいでしょう。

システムエンジニア(SE)

システムエンジニアは、システム開発の上流工程を主に担当するエンジニアです。クライアントからヒアリングし、それをもとにシステムの要件定義や設計を行います。また、下流工程の管理業務を担当します。

プログラマーは、その設計をもとに開発を行うため、経験を活かしやすい職種といえます。

関連記事:SE(システムエンジニア)とは?仕事内容・年収・役立つ資格などをわかりやすく解説

アプリケーションエンジニア

アプリケーションエンジニアは、スマートフォンなどで動作するアプリケーションや業務系アプリケーションの開発を行うエンジニアです。

プログラミングは業務の一環となるため、プログラマーとしての経験やスキルがそのまま生かせる仕事です。

Webエンジニア

Webエンジニアは、Webアプリケーションの開発や運用を専門領域とするエンジニアです。Webアプリケーションはフロントエンドとサーバーサイドで構成するため、フロントエンドエンジニアやサーバーサイドエンジニアなどに分類される場合もあります。

WebシステムやWebサービスは広く普及している技術形態であり、将来性も高い職種といえます。

インフラエンジニア

インフラエンジニアは、ネットワークやサーバーといったインフラの設計、構築、運用、保守を担当する職種です。近年のプログラマーは、特にベンチャー企業において、ネットワークやサーバーの設定まで担当する機会が増えています。多くの企業で、プログラマーの基礎知識としてネットワークとインフラスキルに関する教育が行われています。これは、クラウドサービスの普及やDevOpsの浸透により、開発と運用の境界が曖昧になりつつあるためです。

インフラ技術を身につけたプログラマーであれば、目指しやすい職種といえるでしょう。

関連記事:インフラエンジニアとは?仕事内容や年収、将来性を解説

サーバーエンジニア

サーバーエンジニアは、ITインフラの一つであるサーバーの構築や運用などを専門領域とするエンジニアで、インフラエンジニアの一種です。物理的なサーバーの設置や結線なども行いますが、近年ではクラウドサービス上のサーバー構築も担当範囲となります。サーバーには継続的な需要が存在しているため、今後も安定した需要が見込まれるでしょう。

プログラマーとしてサーバーの運用、操作を行う中で知識とスキルを習得することで目指せるキャリアです。

ネットワークエンジニア

ネットワークエンジニアは、ITインフラのコンピュータネットワークの構築や運用に携わるインフラエンジニアの一種です。現在のITシステムはネットワークでの接続を前提としているため、今後も欠かせない職種といえます。

プログラマー業務の中で、ネットワークの利用や管理を行った場合に目指せるキャリアパスです。

セキュリティエンジニア

セキュリティエンジニアは所属組織のITシステムやデジタルデータ、デジタル機器などのIT資産を外部から守るエンジニア職種です。業務内容は幅広く、ハードウェアやソフトウェアによるセキュリティ対策製品の選定・導入、セキュリティルールの策定、セキュリティ診断、所属従業員に向けたセキュリティ教育などがあげられ、所属組織によって実際の担当範囲は異なります。

プログラマーとしてソフトウェアのセキュリティ対策の実装を担当していた場合などに候補に挙がってくるキャリアパスです。

クラウドエンジニア

AWS、Azure、Google Cloudなどに代表されるクラウドサービスを用いて業務上の課題を解決に導くのがクラウドエンジニアです。クラウド上にITインフラを構築することやその運用をすることが多く、インフラエンジニアの一種に分類されます。クラウドファーストという業界の潮流にもマッチしていることから、需要が高く将来性もあるエンジニア職種です。

クラウドエンジニアを目指す場合は、クラウドサービスの利用に関する知識とスキル、インフラに関する知識などが必要となります。プログラマー業務の中でクラウドサービスを利用することが多く、知見を身につけた場合に、キャリアパスの一つにあがります。

データベースエンジニア

データベースエンジニアは、データベースの設計、構築、運用、保守を担当する職種です。
データベースと連携する機能を開発するプログラマーは、SQLやデータベース接続を用いてデータ操作を実装するため、データベースに関する知識は必須です。馴染みのある職種でキャリアチェンジしやすいといえるでしょう。

関連記事:データベースエンジニアとは?仕事内容やスキル、資格、年収も解説

データエンジニア

データエンジニアは、データサイエンスなどで利用するビッグデータのための基盤構築やデータの収集、加工などを行うエンジニアです。企業や組織におけるデータ活用の重要性が高まっており、DXを実現する際にも大きな役割を果たします。

大規模データを扱うためのデータベース、クラウドサービスやETLツールなどに関する知識やスキルが求められるため、関連する業務を担うプログラマーから目指せる職種といえます。

AIエンジニア

AIエンジニアは、AIそのものやAIを用いたアプリケーションの構築に携わるエンジニアです。専門性の高い先端技術が求められるため技術者が不足しており、あらゆる分野で求められるため需要が高く、将来性が高いと目されています。

専門分野であるAIやそのベースとなっている数学や統計学などに関する知見が必要となる仕事です。プログラマーとして、AIを用いたアプリケーション開発の経験がある場合などに目指せるキャリアです。

組み込みエンジニア

組み込みエンジニアは、車載器や家電製品、産業用のロボットなどに搭載されるコンピューターの組み込みプログラム(組み込みアプリケーション)の開発を行うエンジニアです。組み込みアプリケーションはアップデートなどが難しいため高品質が求められることや、環境上の制限が大きくタイトなリソースで動作することが必要などの特徴を持ちます。したがって、求められるプログラミングスキルのレベルも高いです。

技術志向の強いプログラマーにおすすめのキャリアといえます。

データサイエンティスト

データサイエンティストは、業務システムのデータなどを集積し、統計学的な手法により分析することで知見を得て、経営的な判断などを支援する職種です。データを分析するためにアプリケーションの構築などを行いますが、ほかのエンジニア職種とは異なり主眼はデータ分析によって有益な傾向や予測を得てビジネス上の成功を図ることです。

データの分析に向けた基盤構築やデータ分析のためのAIなどを活用したアプリケーションの作成に、プログラマーとして培ったスキルが役立つ仕事です。

マネジメント職

マネジメント職とは、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャー、ITコンサルタントなど、予算や工数、要員など、プロジェクト遂行に必要な下準備や調整を行う職種です。基本的には開発現場を離れ、管理業務に当たることになりますが、状況によりマネジメントを行いながら自らも開発に携わるプレイングマネージャーの立場になることがあります。

プロジェクトリーダー(PL)

プロジェクト全体の規模が大きい場合は数人のプロジェクトリーダー(チームリーダー)を立てて、チームごとに管理していきます。プロジェクトの規模や状況によっては、ほかのエンジニアと同じく開発業務にも従事します。

プログラマー、システムエンジニアと技術的な経験を積んだ人が、マネジメント職へステップアップするための職種といえるでしょう。

関連記事:プロジェクトリーダーとは?役割や役立つ資格、年収相場を紹介

プロジェクトマネージャー(PM)

プロジェクトマネージャーはプロジェクトの責任者として、プロジェクト全体の管理を行います。直接設計・開発に携わることは少なく、マネジメントに特化した役割をもつ職種です。プロジェクトメンバー、ステークホルダーなどプロジェクトに関わるあらゆる人たちとコミュニケーションをとりながら、進捗管理などの管理業務を行います。

プログラマーから直接的にキャリアアップすることは難しいですが、ほかのエンジニア職種やプロジェクトリーダーを経て目指せるキャリアです。

関連記事:プロジェクトマネージャーの役割は?仕事内容・必須スキルを解説

プロダクトマネージャー(PdM)

プロダクトマネージャーは、WebサービスなどのITプロダクトの開発と運用において責任者となるポジションです。プロダクトの方向性を定め、開発とリリースのサイクルを管理し、成功に導く役割を果たします。サービス提供のためのチームを取りまとめる仕事であり、サービスの運営の成功までが責務です。

プログラマーからは、Webサービスの開発、運営に関わるエンジニアとして活躍したのちに目指せるポジションとなります。

プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)

プロジェクトマネジメントオフィスは、システム開発プロジェクトにおけるプロジェクトマネジメント業務を専門的に行う組織または職種です。プロジェクトマネージャーを補佐してプロジェクトを成功に導くポジションです。

PMOになるためには、プロジェクトマネジメントスキルが必要となります。プロジェクトマネジメントにおいては、プログラミングなどの工程でどのような業務が行われているかを知っている必要があるため、その点ではプログラマーとしての知見も活かせる仕事です。

ITコンサルタント

ITコンサルタントはクライアントの経営戦略、経営課題をヒアリングし、経営層に向けて情報システムを活用したIT戦略の計画・立案および提案、コンサルティングを行う職種です。提案が採用されプロジェクトがスタートすると、システムの導入、運用のマネジメントを行う場合もあります。

関連記事:ITコンサルタントとは?仕事内容や必要なスキル・年収を紹介

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スペシャリストへキャリアアップするには

プログラマーからのキャリアアップ先の一つであるスペシャリストですが、マネジメント職とは要求されるスキルや知識が異なります。スペシャリストをキャリアの方向性と考えているプログラマーは、必要となるスキルを確認しておきましょう。

以下では、プログラマーから各種のスペシャリストへキャリアアップするための方法について解説します。

求められるスキル

スペシャリストとなるには、それぞれの業務で求められるスキルを身につけることが必要となります。したがって、求められるスキルは目指す職種によって異なるといえます。

たとえば、システムエンジニアにはシステム開発における幅広いスキルが、インフラエンジニアやサーバーエンジニアにはITインフラに関する知識やクラウドサービスの利用スキルなどが必要です。

関連記事:プログラマーに必要なスキル・知識とは?資格や学習方法も紹介

役立つ資格

システム開発の上流工程に携わるスペシャリストにおすすめの資格には、情報処理技術者試験の1つシステムアーキテクト試験が挙げられます。上級エンジニアとしてのスキルをアピールできます。

また、データベースやネットワークなど特定分野に特化した資格として、データベーススペシャリストネットワークスペシャリストも役立つでしょう。

スペシャリストとして目指す分野にあわせて取得する資格を選択してください。

年収

2024年10月19日時点でレバテックキャリアに掲載されているスペシャリスト各職種の求人・転職情報を30件ずつ抽出し想定年収を算出しました。各職種の平均年収は下記の表のとおりです。

なお、レバテックキャリアで扱っている職種は多岐にわたります。なかにはピックアップされている検索条件に記載されていない職種もあります。そのような職種は、フリーワード欄にて職種名を指定して検索を行い情報を抽出しました。また、レバテックキャリアの職種区分から「システムエンジニア」のみを限定するのは難しいため、除外しています。
それぞれの求人・転職情報の年収の最大値と最小値の中間の平均を平均年収としています。

職種 平均年収
アプリケーションエンジニア 約624万円
Webエンジニア
(フロントエンドエンジニア、
サーバーサイドエンジニア)
約622万円
インフラエンジニア 約646万円
データベースエンジニア 約678万円
データエンジニア 約817万円
サーバーエンジニア 約620万円
ネットワークエンジニア 約600万円
セキュリティエンジニア 約763万円
クラウドエンジニア 約638万円
AIエンジニア 約828万円
組み込みエンジニア 約659万円
データサイエンティスト 約890万円

関連記事:
システムエンジニア(SE)の平均年収は?1000万円を目指す方法も紹介
プログラマーで年収1000万円を目指す方法とは?

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マネジメント職へキャリアアップするには

プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーなどのマネジメント職へのキャリアアップを目指す方は、テクニカルスキルだけでなく、マネジメントスキルも必要です。プログラマーよりも幅広いスキルが必要になるため、詳しく確認しておきましょう。

ここからは、マネジメント職へキャリアアップするための方法を解説します。

求められるスキル

プロジェクトマネジメントスキルが非常に重要です。プロジェクト管理に関するノウハウを体系的にまとめたPMBOKを中心に、マネジメントスキルを高めていくと良いでしょう。ほかにも、マネジメント職は多くの人とコミュニケーションをとることが求められるため、コミュニケーションスキルを高めておくことも重要です。

役立つ資格

プロジェクトマネジメントに関わる資格とし、情報処理技術者試験のプロジェクトマネージャ試験や、世界的に評価されるPMP®資格が役立ちます。マネジメント職にキャリアアップを目指すなら、取得しておくと良いでしょう。

また、ITコンサルタント向けにはITストラテジスト試験があります。情報処理技術者試験の中でも最難関といわれる資格ですが、その分高い価値があります。ほかにも、ITコーディネータ試験がおすすめです。

PMOを目指したい方は、PMOスペシャリスト™認定資格プロジェクトマネジメント・アソシエイト認定資格(NPMO認定PJM-A™資格)などを取得することにより、業務に役立つ知識とスキルが得られます。

年収

2024年10月19日時点でレバテックキャリアに掲載されているマネジメント系の各職種の求人・転職情報を30件ずつ抽出し想定年収を算出しました。各職種の平均年収は下記の表のとおりです。

なお、プロダクトマネージャーについてはフリーワード「PdM プロダクトマネージャー」に該当する情報から平均年収を算出しています。

職種 平均年収
プロジェクトリーダー 約662万円
プロジェクトマネージャー 約855万円
プロダクトマネージャー 約887万円
プロジェクトマネジメントオフィス 約750万円
ITコンサルタント 約896万円

必要とされるスキルが多く、習熟度が求められ、職責も重い職種であるほど高年収に繋がっているといえるでしょう。

関連記事:プロジェクトマネージャーの平均年収は?年収アップの方法も解説

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ほかのプログラミング言語を習得するのも一つの手段

プログラマーとして働くことを続けることを希望する方もいますが、その場合には収入向上や別のプログラミング言語での開発を目的に転職する方も多いです。たとえばAIやビッグデータなど、IT業界で注目を集めている技術に関する仕事のできる会社へ転職することで、新しいスキルを身につけ、年収を増やすことも可能となります。

他言語プログラマーへの転職で評価されやすいスキル

プログラマーとしての転職では、当然プログラミングスキルが要求されます。転職で評価される可能性が高いのは、開発案件で需要が高い言語です。具体的には、JavaやPHP、C#、Python、Ruby、JavaScriptなどです。

「プログラミング+α」のスキルをアピールできるとより評価が高まり、ほかの応募者とも差別化できます。システム開発の案件では想定外のエラーなど問題つきものです。技術的な問題を自分が主体となって解決に導いた経験があれば、問題解決能力としてアピールできます。

また、チームメンバーと協力してプロジェクトを遂行した経験はコミュニケーションスキルとして、工数見積もりや進捗管理の経験はマネジメントスキルとしてアピールできます。インフラエンジニアはサーバーの設計や構築、運用保守、ネットワーク構築スキルなどがあると評価されやすいでしょう。データベースエンジニアは、SQLのパフォーマンスチューニングスキルやデータベース設計スキルがあると転職時に評価されやすいです。

他言語プログラマーへの転職で役立つ資格

プログラマーに取得をおすすめする資格としては基本情報技術者試験があります。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が運営している情報処理資格試験の1つで、経済産業省が認定している国家試験です。特定の言語や製品についての知識を問う試験ではなく、情報処理の基本的な知識・技術について広く評価する試験です。

さらに個別のプログラム言語のスキルを認定する資格を取得することで、プログラマーとして実戦的なスキルが身についていることをアピールできます。たとえば、Javaの場合はOracle認定JavaプログラマJava™プログラミング能力認定試験、PHPの場合はPHP技術者認定試験などがあります。

関連記事:
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プログラマーになるには?未経験から独学で目指す方法を紹介
未経験からプログラマーに転職できる?転職の方法や求人例を紹介

言語別の人材動向

レバテックキャリアが2020年から2021年に新規登録された求職者データ(正社員ITエンジニア)をもとにエンジニアの人材動向を調査した結果によると、メインスキルの割合は、トップがJavaの51.9%、次いでC言語8.8%、PHPが7.6%となりました。

圧倒的なシェアを占めるJavaですが、前年比で見ると、9.2ポイント下落しています。これは2020年からのコロナ禍の影響です。エンタープライズ向けシステムへの投資が減ったことと、みずほ銀行のシステムの移行完了などが重なり、一時的にJava人材が市場に流出した状況が、いったん落ち着いた形となります。

Javaの割合の減少に対して、C言語の割合が3.8ポイントの上昇を見せました。2021年にかけてIoTや自動車業界での求人が増えており、それに伴いC言語のスキルをもつエンジニアが求人市場に出てきやすくなっている状況が伺えます。

また、JavaScriptの割合も1.6ポイント上昇しています。Webサービス業界ではJavaScriptやTypeScriptを使った開発がスタンダードとなっており、JavaScriptの経験があるエンジニアの需要は今後も高まっていくと考えられるでしょう。

言語別の案件動向

2023年12月時点のレバテックのプログラミング言語別求人数調査では、求人数は前年同様Javaが圧倒的なトップでした。以降はPHP、JavaScript、Ruby、Pythonと続いています。前年の調査から大きな変動がなく、これらの言語は安定した需要が存在するといえます。

同調査では言語ごとのフリーランス案件数についてもまとめており、こちらもJavaがトップ、以降はJavaScript、Python、C言語、C#/C#.NETという順番でした。前年から並びは変わっていませんが、JavaScriptとPythonは件数が減少し、C言語とC#/C#.NETの件数は増加傾向でした。

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プログラマーの転職市場

プログラマーの転職市場規模は大きいです。現在、あらゆる業界・企業におけるWeb化への対応が急務となっています。またChatGPTなどの生成AIが世間的にもメジャーとなり、企業もAIを利用した業務改善に注目しています。そのため特にWebアプリケーションやAIの知識を持つプログラマーの需要はとても高い状態です。

現在IT業界ではプログラマーが不足している状態のため、プログラマーの育成を行っている企業も多数存在します。そのため未経験者でも応募可能な求人が多くあり、未経験からの転職でもチャンスは見込めるでしょう。

以下ではプログラマーの将来性や需要について、さらに詳しく解説します。

プログラマーの将来性

企業はAIやIoTなどのテクノロジーを活用することで現場業務の効率化や自動化を図るなど、加速する経営環境の変化に対して、素早い対応を迫られています。世の中のIT化の流れはとどまることなく、むしろ加速し続けている状態です。

この変化に対応するために必要な人材として、多くの企業でプログラマーの需要が高まっています。ただし、顧客のニーズにすぐに対応することが求められるため、現状では即戦力となる人材が重視される傾向にあります。

関連記事:プログラマーの将来性と、今後需要が高まるスキル

プログラマーの需要

転職市場で評価が高いプログラミング言語は、Java 、PHP、C#、Python、Ruby、JavaScriptなどです。2024年10月19日時点でレバテックキャリアにて公開中の求人・転職情報の件数を参照すると下記となります。

言語 公開情報数 うち募集件数
Java 8,961件 3,757件
PHP 5,693件 2,109件
C# 3,698件 1,825件
Python 6,421件 2,850件
Ruby 3,531件 1,259件
JavaScript 6,375件 2,402件

また、一つの言語や技術に特化した人材より、複数の言語や製品を組み合わせてシステムを構築できる人材が求められています

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プログラマーが理想のキャリアパスを実現するには

理想のキャリアパスを実現するためには、いくつかの方法があります。まず、必要なこととして、キャリアアップした後に求められるであろうスキルを習得することが必要です。これにより、キャリアアップが現実的になります。日々の与えられた業務をただこなしているだけでは、理想のキャリアパスは実現できないでしょう。

また、企業によりますが、社内公募制度がある場合、積極的に応募してみると良いでしょう。転職などを伴わないため、低いリスクで理想のキャリアに近づける可能性があります。

ほかにも、今働いている企業で理想のキャリアを実現できない場合は、転職も視野に入れると良いでしょう。以下では、これらの理想のキャリアパスを実現する方法について詳しく説明していきます。

キャリアアップ後に求められるスキルを習得

キャリアアップ後に業務を行うための最低限のスキルは、事前に習得しておくことが大切です。キャリアパスに関連する資格の取得や、最新のトレンドを押さえておくといったスキルアップを行いましょう。資格は社内外にそのスキルをもっていることのアピールにもつながるので、おすすめです。

社内公募制度を活用

社内で希望のキャリアパスへの公募制度がある場合は、積極的に応募してみましょう。自社に在籍しながら理想のキャリアパスを実現できるので、最もリスクが少ない方法です。また、応募の前に求められるスキルなど情報を事前に確認しておくと、キャリアパス実現後もスムーズに業務を行うことができます。

転職

在籍している企業ではどうしてもキャリアパスを実現できない場合や、待遇や社内の雰囲気に不満を感じている場合は、転職を検討するのも1つの方法です。たとえば大規模プロジェクトのプロジェクトマネージャーを目指したいのであれば、末端企業よりも大企業のほうが可能性が高くなります。転職を行う際は、自分の目指すキャリアパスが実現できるか、また待遇なども十分確認しミスマッチを防ぐようにしましょう。

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プログラマーに関するよくある質問

プログラマーからの転職やキャリアを検討している人には、たくさんの悩みや疑問があるでしょう。プログラマーに関するよくある質問として、求められるスキルについてやスキルアップの方法、キャリアパスの具体例などについてが多いです。

以下ではプログラマーに関するよくある質問と回答をまとめています。類似の疑問を持つ方は参考にしてみてください。

Q1. プログラマー3年目で必要なスキルは何ですか?

所属組織などにより異なりますが、プログラマー3年目で必要とされることの多いスキルは、以下のとおりです。

  • ・コミュニケーション能力

    ・応用レベルのプログラミング能力

    ・問題解決力

    ・後輩の育成能力

特にプロジェクトチーム内での連携、高度な処理のプログラミングが重要です。

Q2. プログラミング能力を上げる方法はありますか?

プログラミング能力を高める一番の方法は、実際にプログラムコードを書くことです。コードを書いてプログラムを動かすことを繰り返すと、分かりやすいコードの書き方や、エラー発生時の対応方法を身につけられます。そのほか、参考書を読んだり、勉強会・セミナーに参加したりして、学ぶことも有効です。

Q3. プログラマーのキャリアパス例を教えてください

プログラマーのキャリアパスの方向性には、スペシャリストマネジメント職があげられます。

スペシャリストはより専門性の高い業務を遂行する職種で、システムエンジニアやインフラエンジニアなどが代表的です。

マネジメント職はチームを管理する立場で、プロジェクトマネージャーやプロジェクトリーダーなどが代表的です。

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まとめ

今回は、プログラマーのキャリアパスについて解説しました。最近では、プログラマーのキャリアパスは多様化しており、選択の幅が広がっています。いずれの道を進むにしても、自分の強みがどこにあるか把握し、自分の価値が最大化できる場所を目指すことが重要です。

また、自分の専門分野を極めるとともに専門外のことにも興味を持って幅広く学ぶことが大切です。新しい知識は仕事の幅を広げ、さらに成果を残せばまた新しいことに挑戦するチャンスが生まれます。ぜひ本記事を参考にキャリアについて考えてみてください。

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この記事の監修

レバテックキャリア編集部

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