プログラマーはシステムやアプリケーション、ゲーム開発などにおいて、プログラムの作成を主に担当する職種です。各種のソフトウェアは命令文の集合体であるプログラムでできています。プログラマーは設計に沿ってプログラミングを行い、ソフトウェア開発の成果物としてプログラムを作成します。プログラムはプログラミング言語と呼ばれるもので記載するため、プログラマーはプログラミング言語の習得が必要となります。本記事ではこれからプログラマーを目指す人におすすめのプログラミング言語とその選択について説明します。
1. 代表的なプログラミング言語の種類と特徴
近年、よく利用されているプログラミング言語について紹介します。
JavaScript
JavaScriptはWebシステムにおいて、ユーザのブラウザ上での動作を実現するプログラミング言語です。ブラウザ上でのドラッグアンドドロップ操作やアニメーション表示、フォームの入力チェックなど、Webサイトに欠かせない機能を実装できる言語です。Web開発では非常に高い需要があります。
またWebのサーバーサイドにも利用されるなど、利用範囲の拡大も見られます。
PHP
Webアプリケーションの作成に特化したプログラミング言語です。他の言語と比較すると習得難易度が比較的優しいと言われており、開発者数が多いことも特徴です。世界中のWebサイトで利用されているWordPressというソフトも、PHPで開発されています。
ソフトウェア品質コンサルティング企業のQ-Successの運営するWeb技術に関する調査サイトW3Techsによれば、Webサイトのサーバーサイド処理の78.1%がPHPで作成されています。(2021年12月21日時点)
Ruby
主にWebサイトの開発で利用される言語です。言語の中でも習得難易度が低いと言われています。日本生まれのプログラミング言語であり、学習が行いやすいことも魅力の一つです。
Python
AI開発やデータサイエンス領域を得意とするプログラミング言語です。近年人気が高まり、プログラミング言語の人気ランキング掲載サイトTIOBEの調査ではC言語、Javaを押さえて1位になっています(2021年12月21日時点)。
AI開発やデータサイエンスに向けたライブラリが充実しており、技術者が集まることで、さらなる人気が出るサイクルが生まれています。初心者向けの短期間で学習できるプログラミング、AI、データサイエンスの講座も多く、学習しやすい言語です。
Go
Googleによって作られ、2009年に発表、2012年にリリースされた比較的新しいプログラミング言語です。シンプルで信頼性、生産性の高い開発を行うために作られました。マルチプラットフォームで汎用的に利用できるため、Web、アプリケーション、IoTなどの分野で活用されています。
Java
信頼性の高く汎用的な利用ができるプログラミング言語で、大規模開発に向く特徴を持ちます。金融系システムを始め、大規模な基幹システムなどの開発で広く用いられている言語です。
Webサービスやスマホアプリ、デスクトップアプリ、組み込みソフトウェアなど用途は幅広く、現在も需要が高い言語です。機能が非常に多く、記述のルールも比較的厳格であることから学習難易度はやや高めです。
Swift
スマホアプリを開発するための言語です。Apple社によって作られており、iOSやMacOS向けのアプリケーション作成を目的としています。現在ではLinux、Windows環境でも利用可能です。
Apple社のデバイス用のアプリケーションを作りやすく、シンプルでモダンな記述は他言語からの移行がしやすくなっています。
Kotlin
KotlinはGoogle社によりAndroidの正式開発言語に採用されたプログラミング言語です。Javaをベースにしており、Android向けアプリの開発で人気が高く、統合開発環境なども独自のものが用意されています。
C言語
C言語は長い歴史を持つ高信頼性かつ処理速度の速いプログラミング言語です。現在でも企業のサーバーサイド処理や組み込みソフトウェアで高い需要があります。
C言語ではメモリ操作などハードウェアにアクセスするプログラミングを記載できるため、コンピューターについての理解を深めることができます。習得難易度は難しい部類に入ります。多くのプログラミング言語がC言語を参考としているため、習得することでよりプログラミングに対する理解を深めることが可能です。
C#
Microsoft社がC言語を拡張して作ったプログラミング言語です。.NetFrameworkを利用しており、C言語のようにメモリを意識せずに利用できます。Webやデスクトップアプリケーションなど用途は広く、C言語やJavaの開発者にとって馴染みやすい文法となっています。Microsft社により開発されているため、Windows環境向けのアプリケーション作成に適しています。
C++
C言語を拡張して作られたプログラミング言語です。C言語の高速、ハードウェア寄りの記載ができる点を継承しつつ、オブジェクト指向にも対応しています。
学習難易度はもっとも高い部類に入りますが、高速、高度な処理が求められるプログラミングにおいては今日でも登場するプログラミング言語です。Unreal Engine 4などのゲームエンジンでも採用されており、ゲーム分野のプログラマーにも必要となる言語です。
R言語
統計解析向けのプログラミング言語です。汎用性はありませんが、データサイエンスやAI、機械学習といった分野で活用されています。
2. プログラミング言語ではないが習得すると良いもの
厳密にはプログラミング言語ではないのですが、プログラマーが習得すべき言語としてHTMLとCSSがあります。Webサイトの作成時に必要となります。
マークアップ言語HTML
HTMLはWebサイトの画面を構築するための言語です。Web開発の現場では多く用いられており、習得も容易であるため、初心者が最初に学ぶのに適しています。HTMLはタイトルや段落などの構造を指定します。
スタイルシート言語CSS
CSSはWebサイトの見た目をコントロールする言語です。フォントや色などの装飾を行います。
3. プログラマーはいくつの言語を覚えれば良いか
プログラマーはプログラミングの専門家です。仕事の範囲を広げる上では、複数のプログラミング言語ができたほうが有利となるのは間違いありません。それでは何種類の言語を覚えておけばよいのでしょうか。
プログラマーには「何種類覚えればOK」という明確な定義はない
プログラマーにとって、この言語を覚えておかなければならないという決まりはありません。反対に言えば、仕事で利用するプログラミング言語とこれから利用する予定の言語さえ覚えておけばよいということです。
プログラミング言語は必要に応じて習得していくものです。明確なやりたいことがある場合には、それに向けた言語の習得を行い、そうでない場合には流行や周囲の状況から仕事に繋がるものを身に着けていきましょう。
また、場合によっては言語が古くなり利用価値が低くなることもあります。長く使えそうな言語を選ぶというのも選択の方法です。
一つの言語をマスターすることで、別の言語習得が行いやすくなる
必要に応じて何種類もプログラミング言語を覚えなくてはならないということを、むやみに恐れる必要はありません。プログラミング言語が違っても、プログラミングに関する考え方では共通する部分が多く、一つのプログラミング言語をマスターしていれば応用も効きます。
プログラミングパラダイムのような考え方については学ばなくてはなりませんが、それ以外の部分では記述ルールが多少違うというレベルと捉えましょう。新たな言語に取り組むときも、自分で調べながらプログラムを記述できることが大切です。
4. プログラミング言語の選び方
それでは、これからプログラマーを目指して学ぶプログラミング言語を選ぶという場合には、どのような基準で選べばよいのでしょうか。本項では複数の観点でプログラミング言語の選択の仕方について記載します。
自分が開発したいものに応じた言語を選ぶ
なんのためのどのようなプログラムが作りたいと定まっている人の場合は、自分の開発したいものに合ったプログラミング言語を選ぶとよいでしょう。次項のプログラマーの種類とおすすめの言語を参考にしてみてください。
プログラマーの求人数や需要の多い言語を選ぶ
プログラマーとして働くことが目的の場合は、求人情報を参照して、募集の多い需要の高い言語を選ぶのも一つの方法です。人気のある言語を選択することで、仕事を見つけやすくなります。
プログラマーの転職・求人情報>
プログラマーとしての年収が高くなりそうな言語を選ぶ
上記の求人情報を見てプログラミング言語を選択する場合には、プログラミング言語と年収を関連付けて見てみることもおすすめします。基本的には、学習難易度の高いプログラミング言語ほど高い年収に繋がりやすい傾向にあります。学習量と将来的に目指す年収をあわせてプログラミング言語を選択してみてください。
学習のしやすさで選ぶ
プログラミング言語の学習のしやすさを基準とするのも一つの手段です。言語自体の難易度、学習時に参考にできる情報量が大きなポイントとなります。需要があり年収が高い言語であっても、学習でつまづいて身につかなければ意味がありません。インターネットなどに豊富に情報がある言語を選ぶことで、学習を続けやすいということも一つの選択基準なのです。
5. プログラマーの種類とおすすめの言語
プログラマーも開発対象となるプログラムの種類などでいくつかに分かれます。種類別におすすめ言語について記載します。
Webプログラマーと関連言語
WebプログラマーはWebシステムのプログラミングを行うプログラマーです。代表的な開発対象としては、ECサイトやブログ、CMS、コーポレートサイトなどが挙げられます。
フロントエンド(ユーザーの目に見える部分)とサーバーサイド(ユーザーの目に見えない部分)の開発に分かれることが多く、フロントエンドはHTML/CSS、JavaScriptを用いてユーザーインターフェイスを構築し、サーバーサイドはデータベース操作やAPIの実装を行います。サーバーサイドの開発では、PHP、Ruby、Javaなどさまざまなプログラミング言語が使用されています。
アプリケーションプログラマーと関連言語
スマートフォンアプリを開発するプログラマーをここではアプリケーションプログラマーとします。スマホアプリのOSはiOSとAndroidの2種類が主流で、プログラマーはそれぞれのOSに対応する言語を使ってプログラミングを行います。iOSではSwift、AndroidではKotlinというプログラミング言語を使うケースが多いです。
業務システム系プログラマーと関連言語
会計システム、生産管理システム、販売管理システムなど、企業がビジネスを行うにあたって根幹となる業務システムを開発するプログラマーです。
要件定義、設計、プログラミング、テストと順番に進めていくウォーターフォール型で開発するケースが多く、最新技術よりも堅牢なシステムが求められます。プログラミングに用いられる言語はC系言語やJava、PHP、VBなどが多いでしょう。
組み込み系プログラマーと関連言語
家電製品や電子機器などを制御するプログラムを実装するプログラマーです。対象の家電製品は、洗濯機、エアコン、カーナビなど非常に多岐にわたります。今後、あらゆるモノをインターネットにつなぐIoTが普及すると予想されており、組み込み系プログラマーの需要も増加することが見込まれています。C言語やJavaが利用されることが多いです。
ゲームプログラマーと関連言語
家庭用ゲーム、スマホゲーム、ソーシャルゲームなどを開発するプログラマーです。仕様書に沿って、キャラクターの動きやイベント処理などをプログラミングしていきます。C系言語やUnity(ゲームエンジン)などを用いて実装します。
6. プログラマーが言語を習得するのに効果的な勉強方法
プログラマーが言語を習得するためには、手元にパソコンをおき実際にプログラミングをしながら学ぶことが一番の方法です。さらに、下記の方法を組み合わせて効率的な学習を行いましょう。
書籍を読む
プログラミング学習をテーマにした書籍は初心者向けのものも多く、基礎知識の学習に適しています。
一方で、不明点があった場合に解消しづらいというデメリットもあります。不明点が発生した場合は、エンジニア向けのQAサイトなどを活用して解決すると良いでしょう。
学習サイトを利用する
近年、サイト上で講座を受けながらプログラミングできる学習サイトが増えてきています。
サービスによってはチャットで質問も可能です。代表的な学習サイトに「Progate」があります。
スクールに通う
プログラミングは初心者にとっては難しく、挫折することもあります。しかし、スクールを活用すれば、疑問点を質問することができるため効率的に学習することができます。レバテックでは大学生、大学院生向けの就職支援までを行うプログラミングスクールとして、レバテックカレッジを運営しています。
勉強会に参加する
プログラミングに関する勉強会は、全国各地さまざまなテーマで開催されています。「TECH PLAY」など勉強会・セミナーのまとめサイトで自分にあった勉強会を探すと良いでしょう。
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