ITコンサルタントとは?仕事内容や必要なスキル・年収を紹介

最終更新日:2024年3月8日

近年のIT業界は人材不足の傾向が進んでおり、ITコンサルタントの求人ニーズも高い水準となっています。ですが、ITコンサルタントへの転職のハードルは決して低くはありません。ITコンサルタントになるためには、ITシステムの開発経験や、特定の業務領域の知識や業務改善経験などを積むことが大切です。

この記事では、ITコンサルタントに興味があるエンジニアの方に向けて、ITコンサルタントの仕事内容や、SE・PMなどの職種との違い、求められるスキルについて解説します。

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この記事のまとめ

  • ITコンサルタントとはITと経営の両方の知識を持ち、クライアントの経営課題に対しITを活用し提案・解決する職種である
  • ITコンサルタントの職位は「アナリスト」「コンサルタント」「マネージャー」といったものがある
  • ITコンサルタントのキャリアパスは、同業種への転職や昇進や事業会社の経営企画などがある

ITコンサルタントとは

ITコンサルタントとは、ITと経営の両方の知識を持ち、クライアントの経営課題をITを活用して解決する職種です。ほかのコンサルタント職との違いは、ITに関する専門性の高い知識・スキルがあり、ITを活用した提案や解決策を行う点といえます。

ITコンサルタントの仕事内容は、クライアントの経営課題を解決するために、ITを活用した経営戦略やシステムの導入などを提案をすることです。実際の業務では経営戦略の策定やシステムの提案、システム設計から開発・導入支援までの一連の業務を請け負うケースまたは、その一部を請け負うケースがあります。

ITコンサルタントの仕事内容

ITコンサルタントの仕事内容


ITコンサルタントの仕事内容は顧客へのヒアリングや分析、提案から実行まで長いフェーズにわたります。細かな仕事内容はどんなプロジェクトを担当するかで変わりますが、基本的な仕事内容とその流れを見ていきましょう。

ヒアリング・分析

ITコンサルタントの仕事では、クライアントである経営者やIT部門の責任者などから、経営戦略や経営課題、業務の流れ、既存のシステムの状況などについてヒアリングをします。ヒアリングした内容を分析して、クライアントの経営課題を抽出します。

提案

ヒアリング・分析をした結果を踏まえて、経営戦略やシステムの導入など経営課題を解決するための提案をします。この提案の場面では、クライアントにわかりやすく経営課題とITを活用した解決案を提案する能力が求められます。

マネジメント

提案が採用された際には、経営課題を解決するためのプロジェクトの統括をITコンサルタントが行います。適切な人材を集め、プロジェクトチームを結成して、プロジェクトの進捗管理などマネジメント業務をします。

ITコンサルタントの職位とそれぞれの仕事内容

ITコンサルタントの職位


ITコンサルタントには「アナリスト」「コンサルタント」「マネージャー」といった職位があります。これらは所属する企業によって、名称が異なるケースがあります。

ここでは、ITコンサルタントの職位とそれぞれの仕事内容についてチェックしていきましょう。

アナリスト

アナリストとは、情報の収集・分析や資料作成などを行う職位です。ITコンサルタントの基礎的なレベルの職位といえます。これらの業務は、コンサルタントからの指示を受けて行います。

アナリストの仕事内容は、以下のとおりです。


  • ・情報の収集・分析

    ・資料作成

    ・仕様書の作成

    ・プログラミング

    ・テストや動作確認

コンサルタント

コンサルタントとは、クライアントとのヒアリングをもとにして、経営課題を解決をするための提案を行う職位です。コンサルタントには、経営課題を解決するために必要な経営知識が求められます。実際のプロジェクトの業務では、コンサルタントが大半の部分を担います。

コンサルタントの仕事内容は、基本的には以下のとおりです。


  • ・クライアントへのヒアリング

    ・システム要件の取りまとめ

    ・仕様書の確認作業

    ・テスト計画の策定

マネージャー

マネージャーとは、クライアントから依頼されたプロジェクト全体を監督する職位です。主にプロジェクト計画の策定や進捗管理、品質確認などの業務を担います。そのほか、関係者との折衝や調整、予算・コスト管理、資料などの確認作業なども行います。

コンサルタントの仕事内容は、以下のとおりです。


  • ・プロジェクト計画の策定

    ・プロジェクトの進捗管理、予算管理

    ・関係者との折衝や調整

扱うツールでも名称・仕事内容は変わる

ITコンサルタントはITツールを利用し企業の課題を解決する仕事をしますが、企業によって


  • ・M&Aの際に回収先企業の調査をして欲しい

    ・ERPやCRMなどパッケージの導入を検討して欲しい

    ・AIの導入やDX化を進める領域の選定や、開発ツールの運用を援助して欲しい


など要望はさまざまです。
それぞれに異なるITツールを使用し問題解決を図りますが、ここで扱うツールによってITコンサルタントの名称は異なります

よく見るITコンサルタントの種類とその意味、仕事内容を解説します。

SAPコンサルタント

SAPとは、マイクロソフトやオラクルに次ぐ主要ソフトウエアを指します。SAPコンサルタントは「SAPのERPパッケージを専門とするITコンサルタント」を総称したもので、SAPに関して専門的な知識を有する必要があるでしょう。必然的に、SAPコンサルタントというとSAP専門、SAPに精通するコンサルタントという意味合いで受け取られます。

ERPコンサルタント

先ほど説明したとおり、クライアントの「ERP導入を検討・実行して欲しい」という要望に応えるのがERPコンサルタントです。ERPコンサルタントは、各ベンダーが開発したERPパッケージに精通しており、ERPパッケージ導入支援に特化しています。

SAP以外のオラクル社でもERPパッケージは用意されており、この知識を有するERPコンサルタントも多いです。クライアント企業の経営課題解決のために、最適なERPを選択し運用できる知識が求められます。

SCMコンサルタント

SCMとはサプライチェーンマネジメントを指し、原材料調達から製造、出荷、エンドユーザーの手元に届くまでのプロセス全般という意味を持ちます。「購買と物流」の一連のフローにおける経営課題を洗い出し、IT技術によって問題解決するのがSCMコンサルタントです。

コスト削減やSCM管理システムの効果予測や調査が主な担当となっており、企業にとって大切な決定をSCMコンサルタントに任せることが多いです。そのうえで、SCMコンサルタントはITコンサルタントの中でも需要の高いポジションといえます。

CRMコンサルタント

CRMとは顧客管理システムやツール全般を指します。CRMコンサルタントはESやSNSなど、顧客と企業をつなぐツールが増える中で、どのような戦略を立てて運用すればよいのかというニーズが高まり、この情報を一元化できるCRMを導入する企業が増えたために生まれました。

CRMコンサルタントは企業に対し、導入するCRMの選定から既存CRMの評価、能力を最大化する提案などを行います。最先端の情報をもとにIT戦略を立てるため、CRMコンサルタントはITトレンドの知見やマーケティングや営業経験が重要です。

ITコンサルタントと周辺職種の仕事内容の違い

ここでは、ITコンサルタントと混同されやすい周辺職種との仕事内容の違いについて解説します。

関連記事:ITコンサルタントにプログラミングスキルは必要?メリットを解説

SE(システムエンジニア)

SE(システムエンジニア)とは、主にシステム要件定義から基本設計、詳細設計、テスト設計などの工程を担当する職種です。システム要件定義より上流工程である「業務プロセス分析」や「フィット&ギャップ分析」「経営課題のヒアリング」などは行わない場合もあります。一方、ITコンサルタントはシステム要件定義より上流の、これらの工程を担当します。

PM(プロジェクトマネージャー)

PM(プロジェクトマネージャー)は、ITコンサルタントと同様にIT以外の分野の幅広い知見やマネジメントスキルが求められます。しかし、仕事内容はプロジェクト管理・運営が主体で、いわば「現場の指揮官」です。これに対し、ITコンサルタントはクライアントに対して提案やサポート、報告を行う「参謀」のような立場にいることが大半であり、役割が明確に異なります。

PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)

PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)とは、プロジェクト管理の支援などを担当する職種です。主にプロジェクト推進上の手続きや管理を行い、PMOはクライアントとPMとの中間的な立ち位置をとり、プロジェクト状況を監視し、状況に応じてPMに改善案などを提言します。

企業によっては、PMOは職種ではなくプロジェクトの品質を管理する「部署やチーム」であるケースもあります。一般的に、ITコンサルタントは提案と案件のサポートを行いますが、PMOは案件のマネジメントを主体に業務に携わるという点で異なります。

プリセールス

プリセールスはITコンサルタントと同様に、技術的な知見やクライアントが抱える課題に対し、ITを用いた解決策を提示します。そのため、技術支援や改善案の提示などの業務は、ITコンサルタントの受け持つ範囲ともいえるでしょう。
しかし、ITコンサルタントが売るものは「自分の知見・能力」である一方、プリセールスが売るものは自社やパートナー企業の「製品・サービス」です。同じようなスキルや経験が求められていても、ゴール(売るもの)が明確に異なります。また、技術営業やセールスエンジニアも近似の職種です。

経営コンサルタント

ITコンサルタントの業務領域


経営コンサルタントとは、経営戦略を中心に財務や人事、ITなど経営全般に関するコンサルティングを行う職種です。マネージャーやアナリストとチームを組んで、クライアントの状況調査や分析をして、戦略の立案を行います。

クライアントにとって利益を生み出すコンサルティング業務という点では、経営コンサルタントもITコンサルタントも同じといえます。違いとなるのは、コンサルティングの軸をどこにおいているかという点です。経営コンサルタントはITを活用した施策の提案は行いますが、その後のプロジェクトを進める支援までは行わないことも違いとなります。

ITコンサルタントに求められる経験やスキル

ITコンサルタントは、IT分野はもちろんのこと、クライアントの業務分野やマネジメント、経営、コンサルティングに関するものなど、さまざまな知見が高いレベルで求められる職種です。

ここでは、ITコンサルタントに求められる経験やスキルについて解説します。

関連記事:
ITコンサルタントになるには?役立つ資格や向いている人の特徴とは
ITコンサルタントのキャリアパスとは?キャリアプラン・キャリアアップの具体例

ITコンサルタントに求められる経験

ITコンサルタントとして求められる経験とそこから得られる知識には、以下のようなものがあります。

システム開発、運用、保守経験

ITシステムの導入・開発プロジェクトにおいて、要件定義や設計、テストの統括などの経験があれば評価されます。システムを導入する際に、コストや工期、実現可能性などの判断が求められる場面では、このような業務の経験が役立つでしょう。なかでも、基幹システムなどの大規模システムの運用・保守に従事した経験は、評価や業務の両方の面において大きなものだと考えられます。

ITソリューションを導入、開発、使用した経験

ITソリューションを導入や開発、使用した経験は、ERPやCRMを導入するプロジェクトで重視されます。メジャーな製品(SAPやセールスフォースなど)の標準仕様、カスタマイズ、パラメータ設定などが行えれば、特定のパッケージ導入を専門とするITコンサルタント(導入コンサルタント)への足掛かりになるでしょう。
また、パッケージ導入の際にどんな課題に直面し、どのように解決したかという経験は多ければ多いほど、ITコンサルタントとして頼りになる存在として重宝されます。

クライアント企業が属する業界の業務知識

ITコンサルタントは、ITを用いてクライアント企業の経営課題にアプローチします。したがって、クライアント企業が所属する業界での業務知識が重宝されます。ECであれば販売管理、物流であれば在庫管理、製造業であれば生産管理など、さまざまな業務知識が役立つでしょう。

ITコンサルタントに求められるスキル

ここでは、ITコンサルタントがクライアントに価値を提供するために必要となるスキルについて紹介します。

関連記事:ITコンサルタントに必要なスキル

クライアントの課題を把握する理解力

ITコンサルタントには、クライアントの経営課題や要望を把握する理解力は欠かせないスキルといえます。クライアントの課題を把握するには、システム開発やハードウェア・アプリケーション、データベース、ネットワークなどのITに関する広い知識が求められます。

課題解決向けた企画を立てられる論理的思考力

ITを用いた主な問題解決の手段は、アプリケーションやシステムの構築、デジタルデバイスの活用などがあります。この手段を業務に組み込んで、どのように効率化するかを考えるのがITコンサルタントの仕事です。これらの解決手段は、小さな論理の積み重ねで構成されています。
必然的にITコンサルタントには、論理的思考力を持って、合理的な仕組みを作り上げなくてはなりません。また、論理的思考力を使った仕組みには、クライアント担当者の理解を促進し、提案を実際の施策として推進させやすいという側面もあります。

顧客の状況を可視化させるスキル

顧客からのヒアリング結果をもとに業務フローやシステム俯瞰図などを使ってモデリング、ドキュメント化し、顧客の状況を可視化させるスキルも必要です。そのためには、さまざまなモデリング技法を熟知しておく必要があるでしょう。モデリング技法は、SEなどほかの職種でも使われるものが多いため、必要に応じて足りないものを身につけましょう。

相手にわかりやすく提案するスキル

モデリング技法を用いて整理した分析結果から、経営課題を解決する方法を導き出し、これを実現するための実行計画を提案することもITコンサルタントの仕事です。提案の場面では、ITリテラシーが高くない相手にもわかりやすく提案するスキルが求められます。フォーマットはさまざまですが、多くの場合はコンサルティング企業独自のフォーマットがあります。

マネジメントスキル

ITコンサルタントは提案が採択された場合に、プロジェクトチームの編成や実行フェーズのプロジェクトマネジメントおよびその支援も担当することがあります。プロジェクトマネジメントを担当するかは、所属する企業や組織によってさまざまです。そのため、必要に応じてマネジメントスキルを補填しましょう。

プログラミングスキル

ITコンサルタントは提案の採択後に、プロジェクトのマネジメントや支援を行うことがあります。プログラムを作成するSEやプログラマーが適切に業務を行っているかマネジメントするには、プログラムの作りや仕組みを知っている必要があります。また、提案の場面でもプログラムやITシステムによる機能の実現性やコストの見積もりでも、プログラミングに関する知識やスキルが重要です。

英語力

最先端のIT技術は、英語圏で生まれる場合が非常に多いです。仮に違う地域でIT技術が生まれたとしても、英語での利用および英語圏をビジネス市場に含めるケースがほとんどとなります。このため、最先端のIT技術に触れるには英語力が必要です。特にドキュメントやリファレンスなどは日本語訳されていないものも多く、IT技術のトレンドを重要視するITコンサルタントにとっては、英語での情報収集が必要とされます。

ネイティブのレベルで読む・話すことができなくても、基本的な英文法を理解しているだけで周りと差別化を図れるでしょう。

ITコンサルタントを目指す人におすすめの資格

ここでは、ITコンサルタントを目指す人に向けて、知識・スキルの習得および転職活動で利用できる資格について紹介します。

関連記事:ITコンサルタントの資格16選をスキル別に紹介します

ITストラテジスト

ITストラテジスト試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の運営する情報処理技術者試験のひとつです。IT戦略を用いて事業改善に貢献できる試験で、高い視点からIT戦略とそれを導入する事業について説明することが求められます。このため、開発に必要なITの技術的な知識だけでなく、会計や経営戦略、ビジネスモデルなど幅広い領域の知識が求められます。エンジニアと連続した領域として、IT戦略から企業経営に繋がるスキルを示すことのできる資格です。論述式の出題があり対策が必要となります。

情報技術者試験の中でも高難易度に位置づけられており、ITSS(ITスキル標準)ではレベル4に位置づけられる試験です。転職市場ではCIO、CTOやITコンサルタント職に向けて高評価の対象となる資格です。

プロジェクトマネージャ(PM)試験

プロジェクトマネージャ(PM)試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の運営する情報処理技術者試験のひとつです。ITシステムなどのシステム開発プロジェクトの責任者として、必要な知識が試験では問われます。

ITSS(ITスキル標準)のレベル4に該当する、高難易度の試験です。この試験に合格することでITコンサルタントとして、プロジェクトマネジメントの知識があることの証明になるでしょう。

中小企業診断士

中小企業診断士は、中小企業支援法に基づいた国家資格・国家登録資格です。英名では「Registered Management Consultant」となっている通り、経営コンサルタントやその他のコンサルタント向けの資格となっています。資格認定試験へ合格するか、認定履修方式での登録が可能です。

経営全般に関する知識の保有とともに、試験の一分野として「経営情報システム」が扱われており、ITコンサルタントとしての知識・スキル保有を示すことにもつながっています。

なお、ITストラテジスト、応用情報技術者試験などのIPAの資格の一部には、本試験の科目免除の条件となるものがあります。

ITコーディネータ

ITコーディネータは、IT経営を実現するプロフェッショナル向けの資格試験です。経済産業省の推進資格であり、経営戦略やIT企画の立案などIT利活用人材の育成を目的としています。

経営戦略からIT戦略、資源調達、IT導入、IT運用までの一貫した工程を学べるため、これらの工程に携わるITコンサルタントにとっても役立つ資格となります。

その他ベンダー資格

ITコンサルタントの中でも専門領域を持って働く場合には、各種のベンダー資格を取得することでスキルの証明となります。データベースを活用したソリューションを提案する場合には、


などを取得することにより、転職や就職のとき、キャリアアップを目指す際に効果的な自己アピール手段として活用できるでしょう。

ITコンサルタントになるには

これからITコンサルタントになるには、どのようなキャリアパスを歩めばよいのでしょうか。新卒での就職の場合に重要視されるスキルと併せて解説します。

IT未経験者は技術営業からのステップアップがおすすめ

IT業界未経験の場合、ITコンサルタントへの転職はハードルが高いといえます。その理由は、ITコンサルタントにはITに関する知識やスキルが前提とされるためです。

この知識やスキルを得るためのキャリアパスとして、技術営業(セールスエンジニア、プリセールス)を経由してITコンサルタントとなるルートがあります。技術営業とは、営業とエンジニアの間にあたる職種です。ITに関する課題解決を顧客に売り込むという業務内容は、ITコンサルタントと共通する部分も重なります。また、ITコンサルタントよりは前提とされるスキルが高くないため、働きながらITスキルを高めることもできます。

エンジニアからの転職はPM経験が有利に

SEなどのITエンジニアから、ITコンサルタントへの転職を目指す場合には、プロジェクトマネージャー業務を経験していると有利に働きます。プロジェクトマネージャーは、ITコンサルタントと同様に、IT分野での幅広い業務知識を要求される職種です。加えて、ITコンサルタントはシステム開発プロジェクトの提案を行い、プロジェクト開始後のプロジェクト推進や支援に関わることもあります。

プロジェクトマネージャーとしての経験があれば、提案したプロジェクトの成功までの道のりを見通せるスキルがあります。また、プロジェクトマネージャーの職務では、顧客への提案を行うケースも多く、ITコンサルタントの仕事はその延長線上にあたるともいえます。

新卒でITコンサルタントになるために必要なスキル

新卒でITコンサルタントを目指す方は、ITエンジニアや技術営業としての経験はなく、ITに関するスキルも高くないというハンデがあります。そのため、ほかの志望者との差異となるスキルは、営業力や学習スキル、思考能力などとなります。

ITコンサルタントは顧客に課題解決の方法を売る仕事であり、解決方法を考えるだけではビジネスにはなりません。相手の求めるものを考えてビジネスとして成り立たせるには営業スキルが必要となります。

IT技術やその活用法、クライアントの業界や業務内容、トレンドなどITコンサルタントとして活躍するために必要な知識とスキルは膨大です。これらを継続的に学びながらアウトプットする仕事ですので、学習に関するスキルは必須となります。

顧客の業務に関する情報を集め、分析し、改善方法の提案を行うという仕事内容において、論理的な思考力も重要視される能力です。筋道をたてて仕事に取り組み、クライアントを納得させることのできる提案を組み立てる際には論理的な思考力は外せないスキルとなります。

異業種からの転職も増えている

あらゆる企業でDXの必要性が高まる状況下において、ITコンサルタントへ異業種からの転職も増えています。ITコンサルタントは、ITの知識だけでなく、携わる案件の業務知識が必須になります。製造や金融、流通、サービス業など各業界の仕組み、業務知識を持った人材は、ITコンサルタントの業務を進めるにあたって大きなアドバンテージとなります。具体的には、ITコンサルティングの工程のうち、「業務分析と提案」においてその経験を生かすことが可能です。

ITコンサルタントの年収相場

レバテックキャリアにて職種「ITコンサルタント」の条件で検索を行い取得されたデータから30件を抽出、年収の上限、下限の中間値の平均を取って平均年収を算出しました。(2023年4月10日時点)

上記の算出方法によると、ITコンサルタントの平均年収は約795万円となりました。ほかのITエンジニア職種と比較しても格段に高い年収相場となっています。これは、ITコンサルタントの仕事に高いスキルを要求されることのほかに、システムエンジニアや技術営業職など、ほかの業種で豊富な経験を積んだ方がひとつのキャリア到達点として就くポジションであることが多いということも要因のひとつと考えられます。
求人・転職情報で特徴的なのは、年収の上限値が非常に高いケースが多く見られることです。年収1000万円や2000万円を上限として設定している場合もあります。

ITコンサルタントの将来性

ITコンサルタントの業務から将来性を考えた場合、IT技術の進化が続く限り需要が生まれ続けるといえます。進化するIT技術を取り込みクライアントへ提供できるITコンサルタントの将来性は今後も高いといえます。

もちろん特定の分野で専門性の高いITコンサルタントにも需要があります。しかし、ITコンサルタントは職務上トレンドを見極めて専門分野に凝り固まり過ぎないことも重要といえます。その理由は、クライアントもトレンドに沿った提案を求めるからです。そのため、日々登場する新技術は常にキャッチアップしておく必要があります。また、幅広いスキルを身に着け俯瞰した立ち位置から検討をおこなうことが大切になります。ITコンサルタントとして継続的に活躍することを考えた場合には、柔軟に新たなIT技術を取り込み続けることが必要です。

関連記事:ITコンサルタントの転職を成功させる!求められる人物像や面接のポイント

成果が目に見えてわかるのがITコンサルタントのやりがい

ITコンサルタントは多岐にわたる業務範囲を持ち、企業の所属する分野や自社ソリューションに限定されることなく、さまざまな企業の経営問題に関われます。
限定的な部分でのみ仕事を行うのではなく、常に新しいチャレンジができるのは、ITコンサルタントの大きなやりがいになるでしょう。

また、取り組んだ課題や案件に対し成功を収めて課題解決できるのも特徴です。プロジェクトの成果は企業全体だけでなく、社会全体の変革にもつながるというのは、これからも広がるIT需要が続く中で将来性を感じやすく、自分の実力も認めやすいです。

関連記事:ITコンサルタントの年収が高い理由や転職活動のポイントを徹底解説

ITコンサルタントは激務?やめとけといわれる理由

ITコンサルタントは、近年需要が高くなっている職種のひとつです。しかし、ITコンサルタントの仕事は、激務だからやめとけといわれることがあります。もちろん、所属する企業やクライアント、個人のスキルによって業務が激務になるかはケースバイケースです。

ITコンサルタントは、知識やスキルを多く身につける必要があり、他業種と比較すると残業時間が多い職種といえます。クライアントの課題解決をするための知識やスキルが不足している場合、クライアントの要望に即座に対応できず、多くの業務が発生してしまい激務になることもあります。

また、クライアント企業の経営層が古い経営体質を引きずっていることが、ITコンサルタントの仕事の障壁になるケースもあります。クライアント企業の経営層と現場との折衝や調整がうまくいかず、結果的にプロジェクトが激務になることも多くあります。

ですが、経験やスキルを積み重ねることで業務の効率化をしやすいことも、ITコンサルタントの仕事の特徴です。実際にキャリアを積んだITコンサルタントのなかには、仕事の拘束時間が少なく高収入の方もいます。また、働き方改革などの影響で企業のなかにも柔軟な働き方を採用するケースが増えています。このような企業では、キャリアアップは個人の努力に委ねられることが多く、自分自身で計画的に知識やスキルを習得する姿勢も求められます。

関連記事:ITコンサルタントの将来性とは?仕事内容や年収も紹介

ITコンサルタントに向いている人の特徴

大変な業務量ではあるものの、将来性も高くやりがいを感じやすい、さらに高い収入も期待できるITコンサルタント。専門職であるために、ITコンサルタントには向き不向きがあります。
以下に向いている人の特徴をまとめました。


  • ・人のため、会社のための活動にやりがいを感じられる人

    ・課題解決ができたとき、達成感を感じられる人

    ・さまざまな課題に対してロジカルな思考で向き合える人

    ・ハードな働き方でも耐えられる体力、私生活との切り替えを即座にできる人

    ・最新の技術や業界動向を柔軟に受け入れられる人


関連記事:ITコンサルタントの志望動機の書き方 - 例文付き

ITコンサルタントのキャリアパス

ここでは、ITコンサルタントのキャリアパスについて解説します。

同業種への転職や昇進

ITコンサルタントのキャリアパスとしては、同業種への転職や昇進があります。ITコンサルタントとして経験を積み重ねることで、マネージャーへの昇進を目指すこともできます。マネージャーは、クライアントとの折衝やプロジェクト管理なども担うため複雑な業務になりますが、収入ややりがいの面では大きく高まるでしょう。またマネージャーを経験した後に、共同経営者であるパートナーを目指す道もあります。共同経営者であるパートナーになるには、ITコンサルタントとしての高度なスキルや経験に加えて、営業スキルも必要になります。

そのほかにも同業種のコンサルティング企業へ転職も考えられます。コンサルティング企業には、戦略系や財務系、IT・業務、シンクタンク系などがあります。また、英語力があれば外資系のコンサルティング企業への転職も可能です。

事業会社の経営企画などにキャリアチェンジ

ITコンサルタントとして培った経験・スキルをいかしてキャリアチェンジできる仕事として、事業会社の経営企画担当があげられます。事業会社の経営企画担当は、ITコンサルタントにとってクライアントとなるポジションに該当します。そのため、知識と経験を生かして最大限の成果を求めることも可能です。ITコンサルタントの場合は、クライアントの利益のために仕事をします。
一方で、事業会社の経営企画担当となる場合には、利益は会社と自分に返ってくるため、やりがいも生まれることでしょう。

ITコンサルタントに関するよくある質問

ITコンサルタントについて、よくある質問についてまとめています。

Q1. 大手とベンチャー企業で仕事内容の違いは?

大手企業もベンチャー企業も、ITコンサルタントとしてクライアントに提供するサービスは同様です。違いとなるのは、業務の範囲と任される仕事の幅広さ、サポート体制などです。

大手企業の場合は、チーム体制でコンサルティングを行います。責任あるポジションに就くには、業務経験とスキルの向上を時間をかけて行う必要があります。大手企業のメリットは、蓄積されたナレッジを利用でき、サポート体制が手厚いことです。

一方のベンチャー企業の場合は、組織が小さいため、コンサルティングに関わるあらゆる業務に携わることが可能です。クライアントとの直接的な対話の場も多く、多くのことにチャレンジできる環境となります。しかし、会社によるサポート体制は大手企業と比べると弱くなる傾向があります。

Q2. ITコンサルタントの大変なところを教えてください

個人と所属企業、クライアントなどによりケースバイケースとなるのですが、激務になる場合がある点が大変なところです。
ITコンサルタントは高い仕事料をとってクライアントに有意な課題解決を提供する仕事です。必然的に多くのことを知っており、レベルの高い対応が求められます。知識やスキルが不足しており、レベルの高い対応が即座にできない場合にはキャッチアップや知識を得る時間を作らなくてはならないため、ライフワークバランスが取りにくいのも大変な点といえそうです。

Q3. ITコンサルタントに向いているのはどのような人ですか?

上記のように、ITコンサルタントには大変な部分があります。これを乗り越えられる考え方、スキルを持つ人はITコンサルタント向きです。


  • ・人のため、会社のための活動にやりがいを感じられる人

    ・課題解決ができたとき、達成感を感じられる人

    ・さまざまな課題に対してロジカルな思考で向き合える人

    ・ハードな働き方でも耐えられる体力、私生活との切り替えを即座にできる人

    ・最新の技術や業界動向を柔軟に受け入れられる人


これらに当てはまる場合は、ITコンサルタントを目指してみるとよいかもしれません。


関連記事:未経験からITコンサルタントになるには!?求められるスキルや知識を解説

まとめ

この記事では、ITコンサルタントに興味があるエンジニアの方に向けて、ITコンサルタントの仕事内容や、SE・PMなどの職種との違い、求められるスキルについて解説しました。ITコンサルタントは幅広い経験やスキル、知識が求められる職種です。その分、将来性や高い年収にもつながっています。転職の難易度は決して低くありませんが、ITストラテジスト試験やITコーディネーター試験など、ITコンサルタントを目指す人を対象とした資格制度もあるので、それらをうまく活用しながらスキルを身につけるといいでしょう。

ITコンサルタントの仕事に興味のある方は、この記事を参考にITコンサルタントへの転職を目指してみてはいかがでしょうか。

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