システムエンジニア(SE)とは?仕事内容や資格・年収を分かりやすく解説

最終更新日:2025年5月20日

システムエンジニアとは、その名のとおりシステムの設計や開発を担う職種です。

システムエンジニアが主に担当するのは、クライアントのニーズヒアリングや要件定義、プログラミングの設計書作成といった「上流工程」と呼ばれる部分です。システムを使っている立場からは見えにくい仕事ですが、システムを構築する上では必要不可欠な工程です。

この記事では、IT業界への転職を検討している人に向けてシステムエンジニアの仕事内容から求められるスキル、年収、キャリアパスまで、わかりやすく解説します。

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この記事のまとめ

  • システムエンジニアの仕事内容や年収、キャリアパスまで幅広く解説
  • クライアントの要望に応じてシステムを設計・構築する上流工程の職種
  • SEは未経験からでもステップを踏めば目指せる職種のひとつ

システムエンジニア(SE)とは

システムエンジニア(SE)とは、ITシステムの設計や要件定義など、開発の上流工程を担うITエンジニアのことです。クライアントの要望をもとに、最適なシステムの構築に向けて企画・設計・テストなどを行い、自社または他社向けの開発に携わります。

システムエンジニア(SE)は、クライアントの要望をもとに、システムやソフトウェアの仕様を設計し、開発工程を上流から管理するIT職種です。

開発の現場では、要件定義や設計、テストの計画・実施などを担当し、自社システムの開発や、ITベンダー企業に所属してクライアント向けの開発に携わるケースがあります。とくにITベンダーでは、プロジェクトに応じてクライアント先に常駐する働き方も一般的です。

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システムエンジニアの仕事内容

システムエンジニアの主な仕事内容はITシステムの設計です。単に「システムを作る」ことにとどまらず、開発プロジェクト全体に深く関わる役割です。実際の業務では、クライアントへのヒアリングから始まり、要件定義や設計、テスト、運用まで、複数の工程にまたがって活躍します。

ここでは、システムエンジニアが携わることの多い7つの主要な工程について、順を追って詳しく解説します。

1. ヒアリング

発注元であるクライアントを訪問し、どのようなシステムを構築すべきか明確にするためにヒアリングを行います。クライアントが抱えている課題や実現したいことを正確に把握できなければ、開発段階でトラブルに発展する可能性もあります。

そのため、ヒアリング段階で双方の認識を一致させなくてはなりません。また、単にクライアントの要望を受け入れるだけではなく、クライアントが求めるシステムを現実的に構築できるか判断したり、難しければ代替案を提案したりして、双方が納得できる着地点を見つけることも大切です。

ヒアリングの相手となるのは、クライアントの情報システム部門担当者や実際にシステムを利用するエンドユーザーとなる事業部門担当者などケースバイケースです。ステークホルダーが複数にわたる場合もあるため、最終的にクライアントにメリットをもたらせるシステムとなるよう調整することが重要です。

2. 要件定義

要件定義書は、その後の開発の土台となる設計図のようなものです。クライアントからヒアリングした内容をもとに、システムで実現したいことをシステム要件としてまとめ、クライアントの合意を得て完成させます。

以降の工程では、この要件を満たすようにシステムを設計・開発します。定義した要件を満たすために必要な機能や求められる性能、起こりうるエラーなどを整理して、プログラムがどのように動作すれば良いかを決めることが設計です。

<要件定義書に記載する内容>

  • ・システムの概要

    ・システムを導入する目的

    ・システムの具体的な機能

    ・システム導入後の業務フロー

    ・関連する他システムの要件(ハードウェアやソフトウェアの構成、対応OSなど)

    ・求められる性能(処理速度やデータ量など)

3. 基本設計

要件定義で決定した内容をもとに、まずはシステムの大枠を定める基本設計を行います。システムが持つ各機能の役割を明確化し、画面の表示方法や操作方法、データベースのテーブル定義などを定めます。基本設計は、ユーザーインターフェース(UI、ユーザーからの見た目や使い勝手)に関わる外部設計と、ユーザーからの目には見えない部分の内部設計に分かれます。

外部設計
外部設計では、画面設計(ユーザインターフェース)や帳票設計、外部インターフェース設計(外部のハードウェア・ソフトウェアと連携する際の仕様)など、ユーザーの使い勝手や見た目に関わる仕様を決定します。外部設計で決まった仕様をもとにして、内部設計へと進みます。

内部設計
外部設計の仕様にもとづいて、システム内部やサーバーの構成や動作・機能など、ユーザーからは直接見えにくい内部の設計を行います。開発するシステムの機能を分割し、それぞれの機能で使用するファイルやデータベースの構成や、入出力を設計します。

4. 詳細設計

詳細設計では、基本設計で決定したシステムの構成や仕様をもとに、実際のプログラミングが行えるレベルまで具体化していきます。ユーザーインターフェースの要素配置や画面遷移、各機能の処理手順や使用するデータ構造などを明確にし、実装の指針となる仕様書を作成します。

また、複数人で開発を進める場合は、機能ごとの担当割り振りや実装順の調整、共通処理の取りまとめといったタスクの整理も必要です。設計の内容は、開発チーム内でのレビューを受けながらブラッシュアップし、品質や整合性を確保していきます。

プロジェクトによっては、詳細設計をプログラマーが兼任するケースもありますが、上流からの設計意図を的確に伝える設計書の作成は、プロジェクト全体の円滑な進行に欠かせない工程といえるでしょう。

5. 開発(プログラミング)

詳細設計書に従って、プログラマーが開発を行います。案件によってはシステムエンジニアが開発を担当することもありますが、多くの場合、システムエンジニアはプログラマーのサポート役としてタスクマネジメントを行ったり、プログラマーから上がってくる課題の解決方法の検討などを行います。

6. テスト

システムが設計通りに動くかどうか、求められる性能を満たしているかどうかを確認します。

テストには、個別のモジュールごとに行う「単体テスト」や、単体テストをパスしたプログラムを組み合わせた状態で行う「結合テスト」など、いくつかの段階があります。実際のテスト業務はプログラマーやテスターが担当し、システムエンジニアはテスト計画の策定や設計、品質管理などを担当することが多いです。案件によっては、テスト工程全般を専門に担当するテストエンジニアがアサインされる場合もあります。

テストで大切なのは、開発したプログラムが設計通りに動作するか、ひいては当初の要件通りに動作するか、という点を確認することです。要件をもとに設計を行っているので、テストは「設計書どおりに開発できているか」を確認します。単体テストでは詳細設計、結合テストでは基本設計と照らし合わせながら確認することもあります。

7. 運用・保守

システムをリリースした後も、システムエンジニアの仕事は終わりではありません。稼働中のシステムが安定して動いているかを監視し、利用状況や不具合の兆候を確認しながら、必要に応じて改修や機能追加を行います。

システムにトラブルが発生した場合は、迅速な原因究明と復旧対応が求められます。さらに、トラブル対応後には、対応内容や影響範囲をまとめた報告書の作成、関係部署や顧客への共有、再発防止策の検討と実施といった後処理も重要な業務のひとつです。

また、定期的なメンテナンスや改善提案などを通じて、システムの長期的な安定稼働を支えることも運用・保守の役割となります。

このように、開発後も継続的にシステムと向き合う姿勢が、信頼されるエンジニアには欠かせません。

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システムエンジニアに向いている人

SEには、技術スキルだけでなく、プロジェクトを円滑に進めるためのコミュニケーション力や判断力も求められます。

以下のような傾向がある人は、SEとしての適性があるといえるでしょう。

トラブルが起きても落ち着いて対応できる人
→ 想定外のエラーや調整事が起きたときも、冷静に判断し対応できる

学習意欲が高く、新しい技術に興味を持てる人
→ ITは変化の早い業界。継続して情報をキャッチアップできる姿勢が重要

地道な作業やドキュメント作成も苦にならない人
→ システムの安定稼働にはマニュアル作成や報告資料など、チームを支える作業も大切

チームで協力して働くのが好きな人
→ SEは開発チームやクライアントとの連携が必要不可欠

相手の意図を汲み取って行動できる人
→ ユーザーやクライアントの要望を正しく理解し、形にする力が求められる

全部該当する必要があると思われがちですが、最初からすべてを満たす必要はありません。SEの業務や求められるスキルを理解しながら、納得のいく働き方ができるかどうかを検討することが大切です。

SEを目指している人は、以下の記事も参考にしてください。

関連記事:システムエンジニア(SE)に向いている人の6つの特徴・共通点とは?

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システムエンジニアに求められるスキル

SEとして働くうえで必要とされるのは、プログラミング技術だけではありません。実際の現場では、クライアントとのやり取りやチーム内の調整、トラブル対応など、さまざまな場面で複数のスキルが求められます。

SEに求められる代表的なスキルと、それぞれの活用シーンを一覧にまとめました。

スキル 理由・活用シーン
コミュニケーション
能力
相手の話を正確に理解し、自分の考えをわかりやすく伝える力。
クライアントとの要件調整やチーム内の連携に不可欠です。
マネジメント
スキル
タスクやスケジュールを整理し、進行状況を把握・
調整する力。プロジェクトの遅延や手戻りを防ぐために必要です。
論理的思考力 物事を筋道立てて考え、因果関係や解決策を明確に
導き出す力。設計やトラブル対応など、あらゆる
場面で求められます。
情報収集力 必要な情報を正確かつ効率的に集め、活用する力。
技術調査や新ツールの選定、仕様確認などに活かされます。
プログラミング
スキル
コンピュータに処理を指示するコードを書くための
技術力。実装理解やレビュー、プロトタイプ作成時
に役立ちます。
一般的な
ビジネススキル
社会人としての基本的なマナーやタスク管理、報告・
文書作成などの総合力。チームでの業務遂行に
欠かせません。
英語力 英語の文章や会話を理解・活用する力。海外製ツール
の仕様書読解や、外資系クライアント対応で活用できます。

このように、SEには多面的なスキルが求められますが、すべてを最初から備えている必要はありません。今の自分にできること・得意なことを起点に、少しずつスキルを広げていくことが大切です。

特に未経験からSEを目指す場合、まず「自分に何が向いているのか」「どんな場面で役立ちそうか」を考えることから始めてみましょう。

SEに求められるスキルの詳細や習得方法は、以下の記事でも詳しくまとめています。

関連記事:SEに必要な7つのスキル!関連職種からスキルアップの方法まで紹介

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システムエンジニアの一日をイメージするスケジュール例

ここまで、システムエンジニアに求められるスキルや適性について解説してきました。では実際に、システムエンジニアはどのような一日を過ごしているのでしょうか?

実務の中で「どのような場面で、どんなスキルが活かされるのか」をより具体的にイメージできるよう、クライアントとのやり取りや設計・テストに携わるSEの一日をスケジュール形式で紹介します。

クライアントと要件定義をするSEのスケジュール例

クライアントと直接やり取りしながら要件定義を進めるSEは、ヒアリングや資料作成、社内外の調整業務が多くなるのが特徴です。一日の中でも、コミュニケーション・論理的思考・ドキュメント作成といった幅広いスキルが求められます。

以下は、そんな「上流工程」に関わるSEの一日をイメージしたスケジュール例です。

時刻 タスクなど
09:00 出社
・メール確認
・スケジュールの整理
09:30 クライアントとのWeb会議(要件ヒアリング)
10:30 社内ミーティング(要件整理・対応方針の検討)
11:30 要件定義書のドラフト作成
12:00 昼休み
13:00 開発チームとの連携確認(仕様可否・見積もり調整)
14:00 クライアント向け提案資料の作成
15:30 クライアントへの資料送付・メール対応
16:00 社内レビュー会(要件定義書・提案内容の確認)
17:00 会議の議事録作成・共有/
プロジェクト管理表の更新
18:00 終業

開発・テストに関わるSEのスケジュール例

開発やテストに関わるSEは、設計内容に沿って仕様を確認したり、テスト計画やレビューを進めたりする業務が中心になります。日々の業務では、開発担当者や品質管理チームと連携しながら、課題の洗い出しや改善にも関わる場面が多くあります。

以下のスケジュール例では、開発やテストに関するタスクをどう進めているのかを時系列でまとめました。クライアント対応が少ない分、調整力やチーム内コミュニケーション、設計の理解力が求められます。

時刻 タスクなど
09:00 出社
スケジュール表より
本日の業務を確認
09:30 開発担当者の進捗確認
QAへの回答
10:00 社内ミーティング(要件整理・
対応方針の検討)
11:00 テスト設計レビュー
12:00 昼休み
13:00 テスト設計レビュー
14:00 結合テスト環境構築作業
17:00 QA、問い合わせについての確認事項を
まとめ 顧客への回答を実施
17:30 プロジェクト進捗資料の更新
18:00 終業

プロジェクトのサブチームをまとめるSEのスケジュール例

プロジェクトのサブチームを取りまとめるSEは、現場の進行管理や課題整理、クライアントとの調整役として動く場面が多くなります。メンバーと密に連携しつつ、上層部や他チームとも進捗を共有するなど、「橋渡し役」としての立ち回りが求められるポジションです。

以下のスケジュール例は、チームの中心を担うSEの一日を示したものです。

時刻 タスクなど
09:00 出社
チームメンバーの連絡、課題とヒアリング
プロジェクトマネージャー、各チームへの
進捗状況と課題報告
09:30 マネージャー、営業担当者と現状共有と
今後の進捗方針についてのミーティング
10:00 クライアント企業への移動
10:30 クライアント、情報システム担当者
と事前打ち合わせ
11:00 クライアント、業務部門担当者
と要件検討ミーティング
12:00 昼休み
13:00 クライアント、業務部門担当者
と要件検討ミーティング
14:30 自社へ移動
15:00 プロジェクト進捗資料の更新
17:30 終業
18:00 要件定義資料から次工程以降の誤りの
損害資料、プロジェクト計画書の作成
19:00 プロジェクト進捗資料の更新 終業

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システムエンジニアとプログラマー・社内SEの違い

一口にシステムエンジニアといっても、関わるフェーズや働く環境によって役割は大きく異なります。ここでは、混同されやすい「プログラマー」「社内SE」との違いを簡単に整理しておきましょう。

システムエンジニアとプログラマーの違い

システムエンジニアとプログラマーの違いは「プログラミングを行うかどうか」にあります。システムエンジニアは要件定義やシステムの設計を行うため、プログラミング業務を行うことはほとんどありません。一方でプログラマーは、システムエンジニアが作成した設計書をもとにプログラミングを行います。

ただし、案件の規模や体制によっては、システムエンジニアがプログラマーを兼任し、プログラミングを行う場合があります。また、プログラマーも直接クライアントにヒアリングすることはないものの、詳細設計を担当しプログラム仕様書を作成することがあるなど、場合によっては同じ職種として捉えられている点に注意が必要です。

詳しくは以下の記事でまとめています。

関連記事:システムエンジニアとプログラマーの違いとは?仕事内容や年収の違いを紹介

システムエンジニアと社内SEの違い

社内SEは、社内向けのシステム開発や運用保守を担当するシステムエンジニアです。システムエンジニアがクライアント企業に常駐して働くことが多いのに対して、社内SEは自社内で業務に取り組みます。また、社内SEだとシステムやツールの使い方に関する社員からの問い合わせに対応するなど、ヘルプデスクとしての役割も果たします。

社内SEはITエンジニアとしての技術力だけでなく、経営に近い視点を持った企画力、社内スタッフや外部ベンダーとのコミュニケーション能力・折衝能力など幅広いスキルが求められる職種です。

社内SEとの違いは以下の記事を確認してください。

関連記事:社内SEとSEの違いは?仕事内容や必要スキルを徹底比較

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未経験からシステムエンジニアになるロードマップ

SEになるには、未経験からいきなり上流工程に就くのは難しいため、まずは下流工程(プログラマー・テスターなど)を経験しながら、段階的にキャリアを築いていく必要があります。

ここでは、どんなステップを踏めばSEになれるのか、順を追って紹介します。

プログラミングスキルを身につける

未経験からシステムエンジニアを目指すうえで、まず身につけたいのがプログラミングスキルです。

開発現場の多くでは、まずはプログラマーやテスターとして「下流工程」からスタートすることが一般的です。そのため、基本的なコードを書くことが必須のスキルとなります。

使用言語は職場によって異なりますが、汎用性の高いJavaやC#、PHPは学習教材も多く、未経験者におすすめです。まずは1つの言語に絞り、基本文法や開発環境の使い方、簡単なアプリ開発までを目指して学習を進めましょう。

ポートフォリオを作成する

経験の有無に限らずシステムエンジニアを目指す場合は、ポートフォリオを作成しておきましょう。ポートフォリオとは、これまでの制作物をまとめたものであり、自分の能力・実績をアピールするために役立ちます。

たとえば、実際に動作するiPhone/Androidアプリ、Webサービスなどをポートフォリオにまとめることが推奨されます。ただ作るだけではなく、開発の目的や背景、設計概要、アウトプットに対する自身の評価などを論理的に説明できるようにしておくことも大切です。

副業・フリーランス案件で実戦経験を積む

プログラミングを学んだあと、実際の現場で手を動かす経験は欠かせません。IT業界では「実戦経験」が何よりも評価されるため、副業やフリーランス案件を通じて実績を積むことがキャリアへの近道になります。

たとえば、クラウドソーシングでの開発案件や知人経由の小規模なプロジェクトに参加するのも有効です。また、チームで開発を行う機会があれば、コードだけでなく進捗管理・コミュニケーションなど、SEに必要な素養も自然と身につきます。

転職エージェントに相談する

ある程度スキルが身につき、ポートフォリオや実績も整ってきたら、一度転職エージェントに相談してみるのがおすすめです。転職エージェントでは自分の市場価値や、今のレベルでどのようなキャリアが目指せるのかを客観的に把握できます。

IT業界の中でも、とくにシステムエンジニア職は非公開求人が多く、情報も限られがちです。業界に精通した転職エージェントを活用することで、自分に合った職場と出会いやすくなります。

IT業界に特化したレバテックキャリアでは、未経験からIT業界を目指す人向けのサポートも充実。これまでの学習状況や希望に合わせて、適切なアドバイスや求人の紹介を受けることができます。「まだ応募の段階ではない」と感じていても、情報収集の一環として話を聞いてみるだけでも十分価値があります。気軽に使ってみてください。

転職活動の準備を進める

転職エージェントからのアドバイスを参考にしながら、転職活動に必要な準備を本格的に進めましょう。まずは、履歴書や職務経歴書のブラッシュアップから始めます。

職務経歴書では、これまで関わったプロジェクトの概要、担当フェーズ、使用技術、成果などを具体的に記載することが重要です。たとえば「Javaを用いた業務システムの機能追加を担当。仕様書に基づく設計・実装を行い、リリースまで対応」と伝わりやすい形で簡潔に記載します。

また、志望動機や自己PRの文章も、応募企業ごとにカスタマイズすることが求められます。面接対策としては、よく聞かれる質問(「転職理由は?」「自分の強みは?」など)への回答をあらかじめ用意し、ロールプレイで練習しておくと安心です。

業界未経験の場合、エンジニア職の職務経歴書はやや複雑に感じるため、書き方で悩むことが多いです。以下の記事で書き方をチェックしておきましょう。

関連記事:SE(システムエンジニア)の職務経歴書サンプルと書き方を解説!

求人に応募をする

準備が整ったら求人に応募します。応募先は、自分の希望やスキルに合った企業を選ぶことが大切です。たとえば「下流工程の開発経験を活かして、自社開発にチャレンジしたい」という場合は、社内SEや受託開発企業などを中心に検討するとよいでしょう。

求人票だけでは判断しにくい社内の雰囲気や残業時間、評価制度などについては、転職エージェントからの情報提供が頼りになります。非公開求人を紹介してもらえることもあるため、気になる企業が見つかったら積極的に相談してみましょう。

応募後は企業ごとに書類選考や面接日程が進んでいくため、スケジュール管理も大切です。

下流工程でスキル・経験を高める

未経験から入社した場合、多くはテスターやプログラマーといった下流工程からスタートすることになります。最初は単体テストやバグ修正といった業務から入り、徐々に仕様理解やコーディングスキルを磨いていく流れが一般的です。

たとえば、既存システムの改修案件で「既存コードの読み解き→修正内容の確認→試験項目の作成・実施」といった作業を繰り返すうちに、開発プロセスやチーム内のやりとりにも慣れていきます。

こうした実務の中で、設計書の読み方や業務フローの理解も深めていくことで、やがて上流工程にも携われるようになります。実際、2〜3年でSEとして要件定義や設計に関わるポジションへとステップアップしている人も珍しくありません。

重要なのは「小さな工程でも目的を理解し、成長の機会として捉えること」です。下流工程での経験は、後のSE業務でも大きな財産になります。

プログラミングスキルや資格取得の方法

システムエンジニアを目指すうえで、プログラミングスキルや基本的な資格は強い武器になります。独学で学ぶ場合は、書籍と学習サイトの併用がおすすめです。

以下に、業界未経験者向けの書籍と学習サービスをいくつか紹介します。

書籍
タイトル
対応言語・内容 特徴
『スッキリわかるJava入門 第3版』
(インプレス、中山清喬・国本大悟)
Java 初学者向けの定番。イラストと
会話形式でわかりやすい。
『独習C# 新版』(翔泳社、山田 祥寛) C# 実務にも使えるC#の体系的な知識
を身につけられる。
『PHPフレームワークLaravel入門
第2版』(秀和システム、掌田 津耶乃)
PHP /
Laravel
フレームワークの実践を通じて
Web開発スキルを磨ける。

<初心者におすすめの学習サイト>
Progate:ブラウザだけで完結するスライド形式の学習サービス
ドットインストール:3分動画で学べる形式の学習サイト
N予備校プログラミングコース:実践的なカリキュラムと開発環境を兼ね備えたオンライン学習環境

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システムエンジニアへの転職に役立つ資格

システムエンジニアを目指すうえで、資格の取得はスキルの証明になるだけでなく、転職活動のアピール材料にもなります。企業によっては資格取得に対する支援制度や手当が用意されている場合もあるため、事前にチェックしておくと良いでしょう。

まずは「基本情報技術者試験」からスタートし、経験を積んだら「応用情報技術者試験」へとステップアップするのが王道です。また、専門性を補強したい場合は、クラウドやセキュリティ関連の資格を追加で取得するとより高い評価につながります。

以下に、SEへの転職に役立つ主な資格をまとめました。

資格名 概要・活用ポイント
基本情報技術者試験(FE) ITの基礎知識+簡単な設計レベルまで問われる
国家資格。SEとしての“最低限の地力”を
示すのに最適。
応用情報技術者試験(AP) SE経験者向けのステップアップ資格。設計や
要件定義レベルまで対応。上流工程を目指す
なら評価が高い。
AWS認定クラウドプラクティショナー クラウド知識の証明に◎。SEでもAWSを扱う
現場は増加傾向なので、インフラ寄りの理解
を示せる。
情報処理安全確保支援士(SC) セキュリティ知識を持ったSEとしての評価が
上がる国家資格。特に大企業や官公庁系案件
での加点要素に。

このほかのSEに関連した資格は、以下の記事を参考にしてください。

関連記事:システムエンジニア(SE)におすすめの資格一覧!難易度やメリットも紹介

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システムエンジニアのやりがい、メリット

システムエンジニアという職種には、多くのエンジニアがやりがいや魅力を感じています。

社会全体でIT人材の不足が課題となるなか、システムエンジニアの需要も年々高まっており、AIに代替されにくい将来性のある仕事として注目されています。

また、スキルや経験に応じて収入アップが見込める点や、最新技術を取り入れながら新しいシステムをつくるという創造的な楽しさも、SEならではのメリットです。

SE職のやりがいを知ると、自分の適性や求められるスキルを具体的に把握できます。以下の記事でもやりがいをまとめているので、参考にしてください。

関連記事:システムエンジニア(SE)のやりがい10選!大変なことも解説

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【領域別】システムエンジニアの年収

システムエンジニアと一括りにしても、担当領域によって業務内容や年収は大きく変わります。2025年1月時点でのレバテックキャリア求人データを参考にすると、システムエンジニア職全体の平均年収は約475万円(中央値450万円)です。

ここではシステムエンジニアの領域別に年収例を紹介します。なお、領域別の平均年収については、厚生労働省の提供する職業情報提供サイトjobtag(日本版O-NET)を参考としています。

開発領域 平均年収
Webサイト開発 約557.6万円
基盤システム 約684.9万円
業務用システム 約557.6万円
組込み、IoTシステム 約557.6万円

詳しい平均年収や給与アップのキャリア設計は、以下の記事で紹介しています。

関連記事:SEの平均年収を年齢・性別・企業規模別に紹介!年収1000万の求人例あり

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システムエンジニアのキャリアパス

システムエンジニアから目指せるキャリアパスには以下のものが挙げられます。

  • ・プロジェクトリーダー

    ・プロジェクトマネージャー

    ・社内SE

    ・ブリッジSE

    ・フリーランス

幅広いキャリアパスが選べるシステムエンジニアは、キャリアを構築する上で特定の分野の専門性を高めることが重要です。

また、システムエンジニアも上流工程を担当するエンジニアですが、進捗管理や現場監督などマネジメント職になるとより高年収を目指せます。その分求められるスキルも増える一方で、これらの上位職が視野に入るポジションだという点がメリットです。

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まとめ

システムエンジニア(SE)は、IT業界の中でも将来性が高く、スキル次第でキャリアの広がる職種です。未経験からのチャレンジも十分可能ですが、その分、事前の準備や知識の習得が成功のカギとなります。

本記事で紹介したように、プログラミングスキルの習得から実践経験の積み方、資格取得や転職活動の進め方までを順に実践していけば、SEへの道は現実的なものになります。

まずはできることから準備を始め、着実にキャリア形成へとつなげていきましょう。

この記事の監修

レバテックキャリア編集部

レバテックキャリアは、IT/Web業界のエンジニア・クリエイター向けに特化した転職エージェントです。当メディアでは、エンジニア・クリエイターの転職に役立つノウハウから、日々のスキルアップや業務に活かせる情報まで、幅広いコンテンツを発信しています。

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