Javaとは?特徴や学習方法などをわかりやすく解説

最終更新日:2024年4月8日

Javaは汎用性の高さが魅力のオブジェクト指向型プログラミング言語です。近年では「IoT」や「AI」のような成長性・将来性が高い領域でも広く利用されており、需要がますます高まっています。

しかし、「Javaって実際どんなもの?」「オブジェクト指向って?」と、Javaに興味はあるけれど詳しくはわからないという方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、Javaの基礎知識からメリット・デメリット、Javaでできること、学習方法、転職への活かし方まで、初心者向けにわかりやすく解説していきます。ぜひ参考にして、Javaの習得や転職に役立ててください。

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この記事のまとめ

  • 初心者向けにJavaの基本的な概念や特徴、活用事例や開発事例、具体的な学習方法、転職への活かし方までを解説
  • Javaは、汎用性が高く、オブジェクト指向型プログラミング言語であり、近年ではIoTやAI分野でも広く利用されている
  • Javaの魅力や特徴を理解することで、プログラミング初心者でも学びやすくなり、仕事でも活かせる

Javaとは?

Javaとは、世界的にも需要がとても高いプログラミング言語の一種で、プログラミング言語の人気ランキング(※)で必ず上位に位置しています。業務システム、Webサービス・Webアプリ、組み込み、IoT、AIなど、多くの開発現場で採用されています。また、Javaを習得すると、転職にも有利になるのが強みです。次章では、Javaの特徴について解説します。

※参考:TIOBE Index

Javaで開発できるもの

Javaで開発できるものとして、以下が挙げられます。


  • ・業務システム

    ・Webサービス・Webアプリ

    ・デスクトップ・Androidアプリ

    ・ゲーム

    ・組み込みシステム

    ・IoT・AI


このように、Javaは非常に幅広い開発で使用されています。幅広い開発で使用されているからこそ、Java案件は豊富ということです。

業務システム

銀行や証券の金融系システム、宿泊施設の予約管理システムなどは、Javaで作られているものが多いです。また、膨大な量のデータを扱うことになるため、データベースを利用して管理します。「Oracle Database」は、業務システム開発時に使われており、圧倒的シェアを誇るデータベースです。Javaのコードの中にデータベース言語であるSQLを埋め込むことが多いでしょう。

Webサービス・Webアプリ

最近はPHP、Ruby、Go言語などがシェアを伸ばしていますが、Javaで作られたWebサービス、Webアプリも多く存在します。特に大規模な業務用Webサービス、WebアプリなどはJavaで開発されているケースも多いでしょう。長年安定的に稼働しているシステムはJavaが多く、結果的にJavaで改修され続けています。

デスクトップ・Androidアプリ

デスクトップアプリは、Eclipseやオープンオフィス、一太郎が代表例です。Android自体がJavaで作られているため、AndroidアプリもJavaで作られることが多いです。Androidアプリの開発言語としては、2011年に登場した「Kotlin」がシェアを伸ばしつつありますが、当初は多くの企業がJavaでアプリを作っていたことや、Javaのエンジニアの方が多いこともあり、Javaも引き続き利用されています。

ゲーム

Javaで作られたゲームとしては、テトリスやスペースインベーダー、Minecraft(マイクラ)が代表例です。マイクラは特に最近話題になることが多いので、ご存じの方も多いでしょう。マイクラは大きく統合版とJava版に分けられ、Javaで開発されたのはJava版です。

Java版はプログラミングによって操作でき、操作言語としてJavaの使用も可能です。ただし実際は、Java版でのプログラミングはPythonで行われることが多い傾向があります。

組み込みシステム

車用品や家電製品に組み込まれているプログラムにもJavaが使われています。Blu-rayディスクプレーヤーでもJava(Blu-ray Java)が採用され、2007年以降は義務化されました。組み込みシステムはWebなどとは異なり、比較的プログラミング言語の刷新が少ないです。古くからの言語が使われ続けているということです。

IoT・AI

IoTは、家電製品のような身の回りのものがインターネットにつながる仕組みです。AIロボットの中には、Androidベースのものがあり、Javaを使うことで、ロボットを動かせます。AIはPython、AndroidアプリはKotlinが主流にはなっていますが、両方に対応できるJavaが活躍する機会もあるということです。

Javaとほかのプログラミング言語の違い

Javaは、その汎用性の高さから、WindowsやMacOSで動作するデスクトップアプリ、Webアプリ、スマホアプリ、ゲーム、産業用ロボット、宇宙開発まで、広い範囲で利用されています。C#はJavaと同様に、C++からの影響を受けた言語であり、.NET Frameworkを利用することで多様な分野で使用できます。

PHPやPubyは、Webアプリに特化した言語であり、Webサービスを開発するために最適化されています。一方、Pythonはライブラリが豊富であり、AIの分野で特に活躍しています。C言語とC++は、JavaやC#、Pythonと異なり、部品を自分で作ることができる点が特徴です。これにより、さまざまな目的に対応するカスタマイズされたアプリケーションを作成できます。

Javaの特徴

 

javaの特徴


Javaには以下のような特徴があります。


  • ・どんなコンピュータでも実行が可能

    ・オブジェクト指向

    ・学習しやすく、人気と需要も高い

    ・ガベージコレクション


Javaは汎用性が高く、様々なシステム開発で使用されています。その理由は、Javaが上記のような特徴を持っているからです。それぞれの特徴について解説していきます。

どんなコンピュータでも実行が可能

「write once、run anywhere (一度書けばどこでも実行できる)」という理念のもと、JVM (Java仮想マシン)上で動作します。JVMが動作すれば、WindowsやMac、LinuxのようなOSの違いを意識せずに実行が可能です。その分環境構築のハードルが高いと言われることもありますが、手順に従って進めるだけなのでそこまで難しくはありません。

オブジェクト指向

オブジェクトは、「データ」と「メソッド(処理)」を持つ「モノ」の集まりです。つまり、オブジェクト指向とは、「モノ」同士を組み合わせ、1つのシステム(成果物)を作る考え方です。役割が明確になるため、チーム開発も効率的に行えます。たとえば、修正に伴うコーディングが1箇所で済んだり、メイン処理がシンプルになり、コードが理解しやすくなったりします。

学習しやすく、人気と需要も高い

書籍やWeb上の情報も、学習未経験の初学者から開発者向けまで多岐にわたります。C言語の構文を引き継いでいるため、学習経験がある方は、Javaを習得しやすいでしょう。Web開発などでは最近流行りのプログラミング言語に開発を代替されることも増えていますが、それでもまだJava案件は豊富で、人気があります。

ガベージコレクション

プログラム実行時に占有していたメモリ領域を自動で解放し、空き領域を再利用できる機能です。不要になった領域を意識せずに利用できます。Java以降に誕生したプログラミング言語は基本的にガベージコレクションが採用されていますが、それ以前のC言語などはメモリ領域を意識してプログラミングする必要があります。

Javaの身近な活用事例

Javaは、幅広い分野で活用されています。以下では、Javaがどのような分野でどのように活用されているかを紹介します。細かく挙げると大量にあるので、以下はごく一部です。詳しくは、Javaの求人案件を見ていくとイメージしやすいでしょう。またJavaのスキルを習得する際は、開発の対象システムを意識することも重要です。

アプリケーション

Javaは、デスクトップアプリ、Webアプリ、スマホアプリの制作に利用されています。多くの企業で利用される会計システム、運送会社の配送状況を確認するWebアプリ、TwitterのようなSNSサービスなどが、Javaを用いて開発されています。アプリケーションの定義は幅広いですが、どのように定義づけてもJavaで開発されているシステムが含まれます。

クレジットカード

Javaは、クレジットカードのICチップにも搭載されています。ICチップにJavaが搭載されたカードを「Javaカード」といいます。Javaカードは偽造防止に強く、個人認証情報の取り扱いも可能です。社員証や入館証などにも利用されており、世界中で50億枚以上のJavaカードが使用されています。

3DCG

Javaを用いた3D描画ライブラリを利用することで、Javaで3D CGのソフトウェアの開発が可能です。『ファインディングニモ』『トイストーリー』などの映画でもJavaが利用されています。また、ゲームエンジンを利用して、オリジナルの3Dゲームも開発可能です。

Javaは、さまざまな分野で幅広く活用されている汎用性の高い言語です。今後も、新しい分野での利用が期待されています。

Javaのプログラミングの流れ

Javaプログラミングの基本的な流れを解説します。本格的なプログラミングの場合は先に全体設計を考えるのが一般的ですが、ここでは簡単なソースコードを動かすことだけを考えた流れを解説します。JDKのインストールやPATHの設定などはここでは割愛します。まだ環境構築していない場合、手順はネット検索などですぐに出てくるので手順に従ってやっておく必要があります。

コードの記述

Javaを実行するためには、まずはJavaのコードを記述します。総合開発環境を使用するのが一般的ですが、とりあえずソースコードを実行するだけならテキストエディタで問題ありません。コードもサンプルなのでなんでも良いでしょう。たとえば以下のように記述してみると良いです。

package test;
public class Sample {
public static void main(String[] args) {
System.out.println("Sample");
}
}

上記のように記述し、拡張子を「.java」にして保存します。たとえば、「sample.java」という名前で保存します。

ソースファイルをコンパイルする

上で作ったソースファイルに対してコンパイルという作業を行います。Javaのコードはあくまでも人間が読みやすいように作ったものなので、これをコンピューターが処理できる形に変換する必要があります。この変換がコンパイルです。コンパイルはコマンドプロンプトで以下のように記載することができます。

javac sample.java

これでコンパイルでき、実行ファイルが作成されます。環境構築ができていないとjavacが使用できないので、「'javac' は、内部コマンドまたは外部コマンド、操作可能なプログラムまたはバッチ ファイルとして認識されていません。」と表示されるでしょう。

プログラムの実行

コンパイルによって作成したファイルを指定し、プログラムを実行します。具体的には、コマンドプロンプトで以下のように記載します。

java sample

そうすると、「Sample」と出力されます。

Javaを学ぶメリット・デメリット

Javaを学ぶメリット・デメリットについて解説します。Javaは人気のあるプログラミング言語で多くの開発現場で使用されています。しかし、万人がJavaを習得すべきかというとそうではありません。ほかの言語を優先すべき場合もあるでしょう。そこで、メリットとデメリットを比較検討し、Javaを習得すべきか考える必要があります。

Javaを学ぶメリット

Javaを学ぶメリットは複数あります。ほかのプログラミング言語と比較した際、共通する部分はありますが、特にJavaが優れている点をピックアップしています。Javaが万人向けというわけではありませんが、Javaには大きなメリットが複数あることは間違いありません。

求人数が多く転職に有利

Javaは、どこでも実行できるだけでなく、コンパイル後に実行するので、処理が高速です。また、ライブラリが充実しているため、利用することで開発効率も上がります。なお、JVM上で実行することから、セキュリティ性が高く、金融機関のような厳しいセキュリティが求められる業務システムでも利用されます。ほかのプログラミング言語と比べても、Javaの需要は今後も高く、転職にも有利に働くでしょう。

関連記事:Javaの将来性は?需要が高い理由や平均年収も紹介

日本語の参考書やサイトが豊富

書籍や学習サイトが豊富なため、素早く情報収集ができます。処理に関する疑問点やコンパイル・実行時エラーについても、検索すれば解決できます。また、teratailのような質問サイトで知見を深められます。人気のあるプログラミング言語だからこそユーザーが多く、さまざまな情報が多くなります。情報が多いということは、勉強しやすいということです。

クロスプラットフォームで利用可能

Javaはプラットフォームに依存しないという特徴があり、Java仮想マシン(JVM)上で実行されるため、異なるオペレーティングシステムで動作させられます。つまり、一度プログラムを書けば、Windows、Mac、Linuxなどの異なるプラットフォームで実行可能です。環境構築が難しいといわれることもありますが、手順に従うだけなので実際はそこまで難易度は高くないでしょう。

多くのライブラリやフレームワークが利用可能

Javaはオープンソースのプログラミング言語であり、世界中の多くの開発者が利用しています。そのため、多くのライブラリやフレームワークが開発されており、それらを利用することで開発効率を大幅に向上させられます。また、Javaには豊富な標準ライブラリが備わっており、これらを組み合わせることで、高度な機能を簡単に実現可能です。

安定性が高い

Javaはセキュリティに考慮して、比較的厳密な言語仕様になっています。Javaが完璧かというとそんなことはないので開発者がセキュリティを意識することは必須ですが、多くのJavaシステムが銀行や証券会社や官公庁で安定稼働しています。これらの実績はJavaの安定性が高いことを証明しているでしょう。

Javaを学ぶデメリット

次にJavaを学ぶデメリットを紹介します。以下のようなデメリットから、Javaを学ばないという選択肢もあります。実際Javaに触れたことのないプログラマーやエンジニアも多々存在するでしょう。一昔前はJavaに触れないという選択肢はあまりなかったかもしれませんが、最近はそういった選択肢もあります。

学習コストが高い(難易度・学習期間)

コーディングルールや難しい記述が多くあるため、他の言語と比べて習得までに時間がかかります。特に、プログラミング経験がまったくなく、Javaが初めて学習する言語という場合は、オブジェクト指向を理解するのに苦労することから、挫折しやすいでしょう。別の言語から始めて、後からJavaを習得する選択肢もあります。

動作しない環境がある

JVM(Java Virtual Machine:Java仮想マシン)が入っていないパソコンや、電子機器に使われるマイコンではJavaが動作しません。パソコンについては無料で仮想マシンをインストールすれば問題ないのですが、手間がかかり、また少なからず容量を使います。マイコンについては基本的にJavaが使えないので別の言語でプログラミングする必要があります。

Javaの学習方法

Javaの主な学習方法は、「プログラミングスクール」と「独学」の2通りがあります。それぞれのメリット・デメリットについて解説します。プログラミングスクールと独学は絶対にどちらかにすべきというわけではなく、自分に合う方や、好みで選んで問題ありません。モチベーションを維持して勉強を続けることが最重要だからです。

プログラミングスクールに通う

プログラミングスクールのメリット・デメリットについて紹介します。最近はプログラミングスクールの数も多くなり、またオンラインのプログラミングスクールが主流になっています。自宅にいながら効率的なカリキュラムや講師のサポートを受けられますが、費用負担などはデメリットになるでしょう。

メリット

現役エンジニアや元エンジニアの講師が多く、現場でのノウハウを学べます。プログラミングのコツやエラーの対処、環境構築、ロジカルシンキングなど、実務レベルのスキルが短期間で習得できるでしょう。また、同期ができることで、モチベーションを維持しやすく、正しい学習習慣も身につきます。変化が早いIT業界で「自走力」が磨けるでしょう。

デメリット

有料スクールの場合、費用が高額になりがちです。カリキュラムが決められているため、すでに企業で働いている方にとっては時間的にも負担が大きいでしょう。また、スクールはあくまでも受講者を「サポート」する場であり、卒業したからといって、必ずしも転職できるとは限りません。転職にできるだけ近づくためには、自走力や面接対策のようなスキル以外のサポートが手厚いスクールを選ぶと良いでしょう。

独学する

独学のメリット・デメリットについて紹介します。独学は費用を抑えて自分の好きなように学習を進められますが、根気強さや勉強が苦手な人にとっては大変さもあるかもしれません。独学の方がプログラミングスクールよりも向き不向きが強く出てくると考えられます。向いている人にとっては良い選択ですが、向いていないと挫折する可能性が高いでしょう。

メリット

書籍であれば、1冊3,000円程度、学習サイトであれば、無料・有料(数千円程度)で学習できます。スクールの場合は、20万〜40万円が費用相場のため、金額差は大きいです。お金に余裕がなければ、まずは書籍や学習サイトから始めてみましょう。会社員でなかなか学習時間がとれない方でも、朝活や夜活、隙間時間を活用して学習できます。

デメリット

トライアンドエラーを繰り返して学習するため、困ったときに挫折してしまうおそれがあります。また、書籍や学習サイトでは、基礎的な知識は習得できますが、現場での実践的なスキルは身につきません。調べながら簡単なWebサービス(成果物)を自分で作ることで、スキルが定着します。

関連記事:未経験からJavaエンジニアに転職・就職する方法

Javaの学習を転職に活かすには?Javaを学習する具体的手順

Javaを学習する際の具体的手順について説明します。絶対的な手順が存在するわけではないので、以下はあくまでも一般的な手順です。もっと自分に合いそうな手順がある場合や、従いたくない場合は別の手順でも問題ありません。たとえば、とりあえず環境構築して実際に書いてみたいという人は好きなところから始めても良いということです。

手順1. 学習する目的を考える

「銀行のような業務システムの開発に携わりたい」「YouTubeのようなWebサービスを開発したい」「スマホアプリやゲームを開発したい」「AIロボットの開発がしたい」など、Javaを学習して何がしたいのかを明確にしましょう。業種によって、学習内容や作るもの(成果物)は変わるため、目的を1つに絞っての学習がおすすめです。

方向性は、「スキル特化」または「マネジメント特化」に分かれます。転職を検討する際、Javaや周辺知識の知見を深め、唯一無二の人材を目指す、または、知見を生かしてマネジメントを目指す場合にも有利に働きます。どんな目的で学習するかを念頭に、企業を選びましょう。

手順2. 学習計画を立てる(学習時間の確保)

学習計画を立てることで、いつまでに何ができていないといけないのかといったことが明確になります。また計画に間違いがなければ、計画通りに進めていけば確実にスキル習得できるでしょう。これはプログラミングだけでなく、ほかのことでもスキル習得するためには必要な工程です。計画が狂った際には再調整なども行います。

初学者の場合

独学・スクールどちらを選ぶにせよ、初学者の場合は「1日3時間以上の学習時間、1年半以上の学習期間」を目安にしましょう。なお、目的が何であろうとJava単独で作ることはなく、開発分野によって求められる知識が異なります。そのため必要な学習時間も変わってきますが、実務レベルまで習得するには「最低1000時間、独学なら2000時間以上」かかることもあります。

ほかのプログラミング言語でエンジニア経験がある場合

「C++」のような「オブジェクト指向」言語でのエンジニア経験があれば、学習期間は短縮できます。一方、「C言語」のような「手続き型」言語でのエンジニア経験者の場合は、「100〜200時間」の学習時間は必要と考えておきましょう。ほかのプログラミング言語の経験がある場合は、一部手順の省略も可能です。

手順3.Javaの環境構築

ある程度方針が固まったら、Javaの環境構築を行います。環境構築をすると、実際にJavaのコードを書いて実行できます。プログラミングは手を動かして書いて動かすことが最重要なので、この環境構築の作業を行うことで本格的なプログラミング学習がスタートするともいえるでしょう。

最低限しておいた方が良い環境構築

まず、プログラム実行時には、JDK(Java開発キット)のインストールが必須です。プログラムを作る・動かすときに必要な道具一式だと理解しておきましょう。次に、IDE(統合開発環境)は、必要なソフトウェアを組み合わせ、1画面で操作できる開発環境です。

メジャーなIDEとしては「Eclipse」が挙げられます。Git(分散型バージョン管理システム)は、ソースファイルなどの資源を履歴管理できるシステムです。複数人で共有でき、効率的な開発作業を行えます。IDEやGitは、開発を手助けしてくれるものなので、ぜひインストールして使ってみましょう。

転職希望先の開発環境が分かっている場合

求人情報には、開発環境やフレームワークに関する情報が記載されているケースも多いため、希望する転職先の仕事内容を確認しましょう。Javaフレームワークは数多く存在します。そのため未経験のフレームワークを新たに学習する必要が出てくることもあるでしょう。現場の開発環境で学習することで、より実戦で活躍できるスキルが身につきます。

手順4. 基本的な文法の学習

Javaを動かす準備が整ったら、基礎的な文法を学習していきます。基本的な文法学習の段階では、複雑なシステムを構築するわけではありません。ここで身につけた文法を組み合わせて書いていくことで、複雑なシステムが完成します。基本的な文法の主な学習方法は以下の4つです。1つを選択して集中しても、複数の方法を組み合わせても問題ありません。

書籍

Javaの入門書には必要な知識が集約されており、1冊で体系的に学べます。図解やサンプルコードが多く掲載されているものが分かりやすいでしょう。Javaの学習に人気の書籍は複数あるので、わかりやすそうならどれを選んでも問題ありません。書籍で基礎を身につけた後は実際に手を動かして本格的に学習するので、基礎が身につく書籍ならどれでも良いということです。

動画・学習サイト

書籍と同様に、Javaの動画・学習サイトも豊富にあり、実際に手を動かしながら文法を習得できます。Progateのような無料の学習サイトを利用するのもおすすめです。書籍に比べると動画や学習サイトはある程度受動的に学習できるので楽でしょう。書籍での独学が厳しい場合なども、動画や学習サイトはおすすめの方法です。

スマホアプリ

ProgateやUdemyのようなオンライン学習プラットフォームはスマホアプリも用意されているため、インストールしておくとよいでしょう。通勤中の隙間時間にも手軽に学習できるのがメリットです。スマホだとプログラミングを行うこと自体は難しいのですが、学習プラットフォームでの学習ならスマホでも問題ありません。

コミュニティでの勉強会

長期間のJava学習において、仲間作りはモチベーション維持に不可欠です。特に、独学の方はコミュニティに入り、勉強会に参加することをおすすめします。「Java 勉強会」のように検索すれば、日本各地で開催されている勉強会の情報を得られます。ただしコミュニティ参加という方法は好みもあるので、必須というわけではありません。

手順5. コーディング・テストコードについて学ぶ

プログラムは基本的に動けば良いというわけではありません。可読性というものも重要です。要するに、読みやすいコードを書くということです。読みやすいコードはバグの防止になり、後からの改修もしやすいです。わかりやすいコーディングを学び、実際に自分で書いたコードをテストするテストコードというものを繰り返すことで、可読性の高いプログラミングができるようになります。

手順6. ライブラリやフレームワークの学習

Java開発を効率的に行うため、「ライブラリ」と「フレームワーク」を学習します。本格的にプログラミングを行う場合、ライブラリやフレームワークは必須です。これらを使用せずにコードのべた書きだけでシステム開発を行うことはまずないでしょう。そのため、ライブラリとフレームワークの学習も欠かせません。

ライブラリ

汎用的な処理を部品としてまとめたものです。Javaの標準として備わっているライブラリのほか、個人や企業で公開しているライブラリも存在します。ライブラリについては数が多くいくつも使うものなので、たとえばそのプロジェクトでどのようなライブラリを使用しているか調べるのは難しいでしょう。そのため、以下のフレームワークを中心に学習し、そのフレームワークや対象システムで使われやすいライブラリを押さえていくようなイメージがおすすめです。

フレームワーク

ベースとして提供されているプログラムの枠組みです。一から作成すると時間がかかるため、必要部分を肉付けすることで、効率的な開発が可能です。「Spring」や「Struts」が代表例です。希望する企業やプロジェクトがある場合は、事前にそこで使用されているフレームワークを調べ、そのフレームワークを使って学習すると良いです。

手順7. 実装し、ポートフォリオとしてまとめる

一定のスキルが身についたら簡単なアプリケーションでも実装し、ポートフォリオにするのがおすすめです。可能であれば複数のアプリケーションを構築し、ポートフォリオとしてまとめていきます。プログラマー、エンジニアにとってポートフォリオはスキル証明に重要なもので、ポートフォリオの有無によって採用可否が大幅に変わってくるでしょう。

手順8. 学習目的や転職希望業種に応じた周辺知識の学習

手順1に沿った周辺知識を学習していきます。業種の違いを意識して、必要な知識を習得しましょう。希望業種に合わせた業務知識や、使用する技術の学習は業務を円滑に進めるうえで重要です。一定のプログラミングスキルが身についたら、業種によってはその業種に合わせた知識習得の方がより重要になる場合もあります。

業務システムの場合

企業の経理のようなバックオフィスを効率化する役割があります。ロボットによる自動化も進んでおり、人件費の削減が期待されます。ITスキルや業務・経営、セキュリティの知識など、幅広い知識が必要です。業務システムでは特にクライアントの業務を理解し、使いやすいシステムを構築していくことが重要になります。

Webサービス・Webアプリの場合

フロントエンド(例.HTML/CSS)やサーバーサイド(例.PHP)だけでなく、サーバーやデータベース、開発「分野」に関する市場知識もあると、利用者の利便性が意識できるでしょう。予約サービス・アプリを開発する場合でも、旅館や飲食店、病院など業種によって必要な知識は異なります。Web技術を活用してどのようなシステムを構築するのかによって、身につけるべき周辺知識が変わってくるということです。

Androidアプリの場合

Android OSの知識や開発ツールの理解が必要です。また、今後需要が高まると言われている「Kotlin」も習得しておくと、貴重な人材として重宝されるでしょう。すでに新規のAndroidアプリ開発はKotlinの割合が大きくなっていますが、既存のJavaアプリをKotlinに書き換える案件などもあるので、スキルの相乗効果が生まれます。

関連記事:KotlinとJavaの違いとは?特徴やメリット・デメリットを比較

組み込みシステムの場合

スキルだけでなく、ソフトウェアやハードウェアに関する知識も必要です。基本情報・応用情報技術者試験は、必要な知識を幅広く学べる試験なので、挑戦するのも良いでしょう。同じJavaを使用した開発であっても、組み込みシステムの開発は特殊な面が多いです。そのため組み込みシステムに特化した技術習得が必須になります。

関連記事:Javaエンジニアが転職するときの4つのポイント |求人例も紹介

Javaに関する資格

Javaに関する資格は主に以下2つです。


  • ・Oracle認定Javaプログラマ

    ・Javaプログラミング能力認定試験


ほかにもJavaエンジニアにとって取得メリットがある資格は複数ありますが、直接Javaに関係する資格は上記の2つです。IT関連資格には全般的な知識が身につくものやデータベース関連のものなどもありますが、プログラミング言語系の資格は実務に役立ちやすいでしょう。

関連記事:Java資格の最新一覧と各試験の難易度やおすすめの書籍を紹介

Oracle認定Javaプログラマ

Oracle認定Javaプログラマは、Java関連の資格としては王道です。難易度は「Bronze・Silver・Gold」の3段階に分かれています。一般的に評価されやすいのはSilver以上です。Bronzeは未経験者向けなので現場での評価にはつながりにくいでしょう。

Goldは難易度が高く、またSilverに合格していないとそもそも受験できません。そのため、まずはSilverの合格を目指すのがおすすめです。

Javaプログラミング能力認定試験

Javaプログラミング能力認定試験も、3級、2級、1級の3段階に分かれています。3級は未経験者向けで、2級は簡単なプログラミングの筆記試験、1級は上級レベルの実技試験です。現場での評価につなげるためには、1級の合格が必要でしょう。段階的に試験に合格していけば、評価アップだけでなく自分自身のスキル習得にもつながります。

Javaに関するよくある質問

Javaに関するよくある質問とその回答を紹介します。Javaについてあらかじめ知っておくことで、モチベーションアップや今後の方針の明確化に役立つでしょう。またJavaではなくほかのプログラミング言語を優先するという選択になる可能性もあります。人それぞれベストな選択は異なりますが、まずは把握することが重要です。

Q1. Javaは何に使うのですか?

Javaは汎用性が高く、幅広い開発に使えます。具体的には以下が挙げられます。


  • ・業務システム

    ・Webサービス・Webアプリ

    ・デスクトップ・Androidアプリ

    ・ゲーム

    ・組み込みシステム

    ・IoT・AI

Q2. Javaが人気な理由は何ですか?

Javaが長年人気な理由として以下が挙げられます。


  • ・オブジェクト指向で開発効率が良い

    ・実行速度が速い

    ・言語仕様上ルールがしっかりしていてセキュリティが強い

    ・ライブラリが豊富

    ・プラットフォームに依存しない

    ・総合開発環境が整っている


以上のように、複数の理由からJavaは長年使用されてきました。

Q3. Javaは何の言語ですか?

JavaはもともとC言語をベースに作られたプログラミング言語です。Javaがリリースされたのは1996年です。現在も幅広く使用されていますが、一時期はプログラミング言語といえばJavaといっても過言ではないくらい人気がありました。最初のプログラミング言語として教育用に使われることも多かったです。

まとめ

この記事では、初心者向けにJavaの基本的な概念や特徴、使い方、学習方法、転職への活かし方までを解説しました。Javaは、汎用性が高く、オブジェクト指向型プログラミング言語であり、近年ではIoTやAI分野でも広く利用されています。

Javaの魅力や特徴を理解することで、プログラミング初心者でも学びやすくなり、仕事でも活かせます。Javaは今後もますます需要が高まるプログラミング言語です。ぜひ、この記事を参考にして、Javaの習得や転職に役立ててください。

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