- Javaとは?
- Javaの特徴
- Javaと他のプログラミング言語の違い
- Javaの活用事例
- Javaを学ぶメリット・デメリット
- Javaはどういう領域で使われている?開発事例をご紹介
- Javaの学習方法
- Javaの学習を転職に活かすには?Javaを学習する具体的手順
- まとめ
Javaとは?
Javaは、プログラミング言語の人気ランキング(※)で必ず上位に位置しています。業務システム、Webサービス・Webアプリ、組み込み、IoT、AIなど、多くの開発現場で採用されており、世界的にも需要が高いです。また、Javaを習得すると、転職にも有利になるのが強みです。次章では、Javaの特徴について解説します。
※参考:TIOBE Index
Javaの特徴
Javaには、主に以下の4つの特徴があります。
特徴1.どんなコンピュータでも実行が可能
「write once、run anywhere (一度書けばどこでも実行できる)」という理念のもと、JVM (Java仮想マシン)上で動作します。JVMが動作すれば、WindowsやMac、LinuxのようなOSの違いを意識せずに実行が可能です。
特徴2.オブジェクト指向
オブジェクトは、「データ」と「メソッド(処理)」を持つ「モノ」の集まりです。
つまり、オブジェクト指向とは、「モノ」同士を組み合わせ、1つのシステム(成果物)を作る考え方です。役割が明確になるため、チーム開発も効率的に行えます。たとえば、修正に伴うコーディングが1箇所で済んだり、メイン処理がシンプルになり、コードが理解しやすくなったりします。
特徴3.学習しやすく、人気と需要も高い
書籍やWeb上の情報も、学習未経験の初学者から開発者向けまで多岐にわたります。C言語の構文を引き継いでいるため、学習経験がある方は、Javaを習得しやすいでしょう。また、プログラミング言語の人気ランキング「TIOBE Index(※)」で、Javaは毎年トップ3に入っています。
特徴4.ガベージコレクション
プログラム実行時に占有していたメモリ領域を自動で解放し、空き領域を再利用できる機能です。不要になった領域を意識せずに利用できます。
関連記事:Javaとは?IT業界へ転職するならJava習得がおすすめ!
Javaと他のプログラミング言語の違い
Javaは、その汎用性の高さから、WindowsやMacOSで動作するデスクトップアプリ、Webアプリ、スマホアプリ、ゲーム、産業用ロボット、宇宙開発まで、広い範囲で利用されています。
C#はJavaと同様に、C++からの影響を受けた言語であり、.NET Frameworkを利用することで多様な分野で使用できます。
PHPやPubyは、Webアプリに特化した言語であり、Webサービスを開発するために最適化されています。一方、Pythonはライブラリが豊富であり、AIの分野で特に活躍しています。
C言語とC++は、JavaやC#、Pythonと異なり、部品を自分で作ることができる点が特徴です。これにより、さまざまな目的に対応するカスタマイズされたアプリケーションを作成できます。
Javaの活用事例
Javaは、幅広い分野で活用されています。以下では、Javaがどのような分野でどのように活用されているかを紹介します。
アプリケーション
Javaは、デスクトップアプリ、Webアプリ、スマホアプリの制作に利用されています。多くの企業で利用される会計システム、運送会社の配送状況を確認するWebアプリ、TwitterのようなSNSサービスなどが、Javaを用いて開発されています。
クレジットカード
Javaは、クレジットカードのICチップにも搭載されています。ICチップにJavaが搭載されたカードを「Javaカード」といいます。Javaカードは偽造防止に強く、個人認証情報の取り扱いもできます。社員証や入館証などにも利用されています。世界中で50億枚以上のJavaカードが使用されています。
3DCG
Javaを用いた3D描画ライブラリを利用することで、Javaで3D CGのソフトウェアを開発することができます。『ファインディングニモ』『トイストーリー』などの映画でもJavaが利用されています。また、ゲームエンジンを利用して、オリジナルの3Dゲームも開発可能です。
Javaは、様々な分野で幅広く活用されている汎用性の高い言語です。今後も、新しい分野での利用が期待されています。
Javaを学ぶメリット・デメリット
次に、Javaを学ぶメリット・デメリットについて解説します。
Javaを学ぶメリット
Javaを学ぶメリットとして下記の点が挙げられます。
求人数が多く転職に有利
Javaは、どこでも実行できるだけでなく、コンパイル後に実行するので、処理が高速です。また、ライブラリが充実しているため、利用することで開発効率も上がります。なお、JVM上で実行することから、セキュリティ性が高く、金融機関のような厳しいセキュリティが求められる業務システムでも利用されます。他のプログラミング言語と比べても、Javaの需要は今後も高く、転職にも有利に働くでしょう。
参考:
Javaは転職に有利?Javaエンジニアが転職するときの4つのポイント
Javaの将来性とは?現在の需要状況や今後の動向を考察
日本語の参考書やサイトが豊富
書籍や学習サイト(※)が豊富なため、素早く情報収集ができます。処理に関する疑問点やコンパイル・実行時エラーについても、検索すれば解決できます。また、teratailのような質問サイトで知見を深めることもできます。
※参考:Javaを勉強できるおすすめ学習サイト21選
クロスプラットフォームで利用可能
Javaはプラットフォームに依存しないという特徴があり、Java仮想マシン(JVM)上で実行されるため、異なるオペレーティングシステムで動作することができます。つまり、一度プログラムを書けば、Windows、Mac、Linuxなどの異なるプラットフォームで実行することができます。
多くのライブラリやフレームワークが利用可能
Javaはオープンソースのプログラミング言語であり、世界中の多くの開発者が利用しています。そのため、多くのライブラリやフレームワークが開発されており、それらを利用することで開発効率を大幅に向上させることができます。また、Javaには豊富な標準ライブラリが備わっており、これらを組み合わせることで、高度な機能を簡単に実現することができます。
Javaを学ぶデメリット
一方、次のようなデメリットがあります。
学習コストが高い(難易度・学習期間)
コーディングルールや難しい記述が多くあるため、他の言語と比べて習得までに時間がかかります。特に、プログラミング経験がまったくなく、Javaが初めて学習する言語という場合は、オブジェクト指向を理解するのに苦労することから、挫折しやすいでしょう。
参考:
Javaを習得するメリットとデメリットを分かりやすく解説!
初学者がJavaを学習するメリット4つ
Javaはどういう領域で使われている?開発事例をご紹介
Javaを利用した開発事例を紹介します。
業務システム
銀行や証券の金融系システム、宿泊施設の予約管理システムなどは、Javaで作られているものが多いです。また、膨大な量のデータを扱うことになるため、データベースを利用して管理します。「Oracle Database」は、業務システム開発時に使われており、圧倒的シェアを誇るデータベースです。
Webサービス・Webアプリ
PHPで作られているものも多いですが、TwitterやYouTubeなどは、Javaで作られて
います。
デスクトップ・Androidアプリ
デスクトップアプリは、Eclipseやオープンオフィス、一太郎が代表例です。Android自体がJavaで作られているため、AndroidアプリもJavaで作られることが多いです。Androidアプリの開発言語としては、2011年に登場した「Kotlin」がシェアを伸ばしつつありますが(※)、当初は多くの企業がJavaでアプリを作っていたことや、Javaのエンジニアの方が多いこともあり、Javaも引き続き利用されています。
※参考: スマートフォン・シェアランキングTOP10
ゲーム
テトリスやスペースインベーダー、Minecraft(マイクラ)が代表例です。
組み込みシステム
車用品や家電製品に組み込まれているプログラムにもJavaが使われています。Blu-rayディスクプレーヤーでもJava(Blu-ray Java)が採用され、2007年以降は義務化されました。
IoT・AI
IoTは、家電製品のような身の回りのものがインターネットにつながる仕組みです。AIロボットの中には、Androidベースのものがあり、Javaを使うことで、ロボットを動かせます。
Javaの学習方法
Javaの主な学習方法は、「プログラミングスクール」と「独学」の2通りがあります。それぞれのメリット・デメリットについて解説します。
プログラミングスクールに通う
プログラミングスクールのメリット・デメリットについて紹介します。
メリット
現役エンジニアや元エンジニアの講師が多く、現場でのノウハウを学べます。プログラミングのコツやエラーの対処、環境構築、ロジカルシンキングなど、実務レベルのスキルが短期間で習得できるでしょう。また、同期ができることで、モチベーションを維持しやすく、正しい学習習慣も身につきます。変化が早いIT業界で「自走力」が磨けるでしょう。
デメリット
有料スクールの場合、費用が高額になりがちです。カリキュラムが決められているため、すでに企業で働いている方にとっては時間的にも負担が大きいでしょう。また、スクールはあくまでも受講者を「サポート」する場であり、卒業したからといって、必ずしも転職できるとは限りません。転職にできるだけ近づくためには、自走力や面接対策のようなスキル以外のサポートが手厚いスクールを選ぶとよいでしょう。
独学で学ぶ
独学のメリット・デメリットについて紹介します。
メリット
書籍であれば、1冊3,000円程度、学習サイトであれば、無料・有料(数千円程度)で学習できます。スクールの場合は、20万〜40万円が費用相場のため、金額差は大きいです。お金に余裕がなければ、まずは書籍や学習サイトから始めてみましょう。会社員でなかなか学習時間がとれない方でも、朝活や夜活、隙間時間を活用して学習できます。
デメリット
トライアンドエラーを繰り返して学習するため、困ったときに挫折してしまうおそれがあります。また、書籍や学習サイトでは、基礎的な知識は習得できますが、現場での実践的なスキルは身につきません。調べながら簡単なWebサービス(成果物)を自分で作ることで、スキルが定着します。
関連記事:
未経験からJavaエンジニアに転職・就職する方法
Javaの将来性とは?現在の需要状況や今後の動向を考察
Javaの学習を転職に活かすには?Javaを学習する具体的手順
次に、Javaを学習する際の具体的手順について説明します。
手順1. 学習する目的を考える
「銀行のような業務システムの開発に携わりたい」「YouTubeのようなWebサービスを開発したい」「スマホアプリやゲームを開発したい」「AIロボットの開発がしたい」など、Javaを学習して何がしたいのかを明確にしましょう。業種によって、学習内容や作るもの(成果物)は変わるため、目的を1つに絞って学習することがおすすめです。
方向性は、「スキル特化」または「マネジメント特化」に分かれます。転職を検討する際、Javaや周辺知識の知見を深め、唯一無二の人材を目指す、または、知見を生かしてマネジメントを目指す場合にも有利に働きます。どんな目的で学習するかを念頭に、企業を選びましょう。
手順2. 学習計画を立てる(学習時間の確保)
初学者の場合
独学・スクールどちらを選ぶにせよ、「1日3時間以上の学習時間、1年半以上の学習期間」を目安にしましょう。なお、目的が何であろうとJava単独で作ることはなく、開発分野によって求められる知識が異なります。そのため必要な学習時間も変わってきますが、実務レベルまで習得するには「最低1000時間、独学なら2000時間以上」かかることもあります。
他のプログラミング言語でエンジニア経験がある場合
「C++」のような「オブジェクト指向」言語でのエンジニア経験があれば、学習期間は短縮できるでしょう。一方、「C言語」のような「手続き型」言語でのエンジニア経験者の場合は、「100〜200時間」の学習時間は必要と考えておきましょう。
手順3.Javaの環境構築
最低限しておいた方が良い環境構築(JDK・IDE・Gitの導入)
まず、プログラム実行時には、JDK(Java開発キット)のインストールが必須です。プログラムを作る・動かすときに必要な道具一式だと理解しておきましょう。次に、IDE(統合開発環境)は、必要なソフトウェアを組み合わせ、1画面で操作できる開発環境です。メジャーなIDEとしては「Eclipse」が挙げられます。Git(分散型バージョン管理システム)は、ソースファイルなどの資源を履歴管理できるシステムです。複数人で共有でき、効率的な開発作業を行えます。IDEやGitは、開発を手助けしてくれるものなので、ぜひインストールして使ってみましょう。
転職希望先の開発環境が分かっている場合
求人情報には、開発環境やフレームワークに関する情報が記載されているケースも多いため、希望する転職先の仕事内容を確認しましょう。Javaフレームワークは数多く存在します。そのため未経験のフレームワークを新たに学習する必要が出てくることもあるでしょう。
手順4. 基本的な文法の学習
Javaを動かす準備が整ったら、基礎的な文法を学習していきます。主な学習方法は以下の4つです。
書籍
Javaの入門書には必要な知識が集約されており、1冊で体系的に学べます。図解やサンプルコードが多く掲載されているものが分かりやすいでしょう。
動画・学習サイト
書籍と同様に、Javaの動画・学習サイトも豊富にあり、実際に手を動かしながら文法を習得できます。Progateのような無料の学習サイトを利用するのもおすすめです。
スマホアプリ
ProgateやUdemyのようなオンライン学習プラットフォームはスマホアプリも用意されているため、インストールしておくとよいでしょう。通勤中の隙間時間にも手軽に学習できるのがメリットです。
コミュニティでの勉強会
長期間のJava学習において、仲間作りはモチベーション維持に不可欠です。特に、独学の方はコミュニティに入り、勉強会に参加することをおすすめします。「Java 勉強会」のように検索すれば、日本各地で開催されている勉強会の情報を得られます。
手順5. ライブラリやフレームワークの学習
Java開発を効率的に行うため、「ライブラリ」と「フレームワーク」を学習します。
ライブラリ
汎用的な処理を部品としてまとめたものです。Javaの標準として備わっているライブラリのほか、個人や企業で公開しているライブラリも存在します。
フレームワーク
ベースとして提供されているプログラムの枠組みです。一から作成すると時間がかかるため、必要部分を肉付けすることで、効率的な開発が可能です。「Spring」や「Struts」が代表例です。
手順6. 学習目的や転職希望業種に応じた周辺知識の学習
手順1に沿った周辺知識を学習していきます。業種の違いを意識して、必要な知識を習得しましょう。
業務システムの場合
企業の経理のようなバックオフィスを効率化する役割があります。ロボットによる自動化も進んでおり、人件費の削減が期待されます。ITスキルや業務・経営、セキュリティの知識など、幅広い知識が必要です。
Webサービス・Webアプリの場合
フロントエンド(例.HTML/CSS)やサーバーサイド(例.PHP)だけでなく、サーバーやデータベース、開発「分野」に関する市場知識もあると、利用者の利便性が意識できるでしょう。予約サービス・アプリを開発する場合でも、旅館や飲食店、病院など業種によって必要な知識は異なります。
Androidアプリの場合
Android OSの知識や開発ツールの理解が必要です。また、今後需要が高まると言われている「Kotlin」も習得しておくと、貴重な人材として重宝されるでしょう。
組み込みシステムの場合
スキルだけでなく、ソフトウェアやハードウェアに関する知識も必要です。基本情報・応用情報技術者試験は、必要な知識を幅広く学べる試験なので、挑戦するのも良いでしょう。
関連記事:
Javaエンジニア求人の転職白書
Javaの資格一覧と各認定試験の難易度やおすすめの書籍も紹介
Javaエンジニアが転職するときの4つのポイント - 求人例も紹介
まとめ
この記事では、初心者向けにJavaの基本的な概念や特徴、使い方、学習方法、転職への活かし方までを解説しました。
Javaは、汎用性が高く、オブジェクト指向型プログラミング言語であり、近年ではIoTやAI分野でも広く利用されています。
Javaの魅力や特徴を理解することで、プログラミング初心者でも学びやすくなり、仕事でも活かせます。Javaは今後もますます需要が高まるプログラミング言語です。ぜひ、この記事を参考にして、Javaの習得や転職に役立ててください。
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