インターネットの普及と発達により、Webアプリケーションとして提供されるサービスが一般的となりました。JavaScriptは、Webアプリケーションを支えるフロント技術として多くのサービスで活用されており、今後もその需要は続いていくことが予想されます。
この記事では、現時点では将来性のある技術であると考えられているJavaScriptの転職状況や需要状況、今後のニーズに関するさまざまな意見を解説します。
1. JavaScriptとは
そもそも、JavaScriptとはどのような言語なのでしょうか。ここでは概要を解説します。
概要
JavaScriptとは、オブジェクト指向スクリプト言語に分類されるプログラミング言語です。主にWebサイト制作やWebアプリケーション開発などに利用されています。JavaやC++と構文が似ているため、これらの経験者であれば比較的容易に習得できるでしょう。
できること
JavaScriptは非常に汎用性が高く、できることは多岐にわたります。大まかに分類すると、動的なWebサイトの作成、Webアプリケーションの開発、スマホアプリの開発などです。詳しくは、3章で解説します。
メリット
JavaScriptは幅広い分野に利用でき、汎用性が高い言語です。新しいライブラリやフレームワークが次々と登場しており、今後さらなる生産性の向上や技術的な可能性も期待できるでしょう。また、JavaScriptはブラウザとテキストエディタさえあれば開発できるため、手軽に始められる点も魅力です。
2. JavaScriptの転職事情
想定年収や求人案件数、企業が求めるスキルについて、レバテックキャリアが保有している求人情報をもとに解説します。
年収と案件数
2020年10月時点でのJavaScriptのスキルが活かせる公開求人は2000件前後と、Java・PHPに次いで多い求人数でした。想定年収はスキルと分野によって大きな開きはありますが、400~1,000万円の範囲で募集されています。スペシャリストクラスのプログラミングスキル、上流工程やマネジメントの経験を持っているなど、スキルの高い方は高年収を得られるでしょう。大手企業、メガベンチャー、これらの関連企業などの求人案件も見受けられました。
仕事内容
JavaScriptを活かせる具体的な仕事内容としては、Webサイトのフロントの設計や開発を担当するフロントエンドエンジニア、Webアプリケーションやスマホアプリの開発・保守・運用を担当するアプリケーションエンジニアが挙げられます。
求められるスキル
厳密にはJavaScriptだけできればよいという募集は無く、ほとんどの企業が開発に必要な周辺知識を必須要件として求めています。フロントエンジニアの場合は、JavaScript/HTML/CSSがセットで求められます。
Webアプリケーションエンジニアの場合は、サーバーサイドの代表的な技術であるLAMPなどが求められています。フロントエンドとサーバーサイドの両方のスキルが求められるケースもあります。
3. JavaScriptの需要状況
ここでは、現在のIT業界において、JavaScriptにどのような需要があるのかを解説します。主に、以下の領域で活用されています。
Webサイトのユーザビリティーの向上(フロントエンド)
JavaScriptは、HTML+CSSだけでは実装が難しい、特殊効果やアニメーションなどの動的な機能を付けるなど、ユーザビリティーの高いWebサイトの作成に利用されています。動的なWebサイトは当たり前となりましたので、多くの開発でJavaScriptのスキルが求められています。
Webアプリケーションの開発
Webアプリケーションの開発にもJavaScriptは良く用いられています。JavaScriptはフロントエンドにもサーバーサイドにも活用することができます。サーバーサイドの開発では、RubyやPHPなどのサーバーサイド言語と併用することもできます。このように、フロントとサーバーサイド双方に活用できるため、高い支持を得ています。
スマホアプリの開発
スマホアプリは動作環境ごとに異なったプログラミング言語が用いられますが、JavaScriptはプラットフォームを選ばず動作させることができます。より少ない工数での開発が期待できるため、スマホアプリ市場でも需要が高まりつつあります。
ゲームの制作
Webアプリケーションやスマホアプリを制作する技術を応用して、ゲームを作成することもできます。JavaScriptには、ゲーム開発を効率よく進めるためのライブラリやフレームワークもあります。ゲームは、市場がスマホに移っており、今後も高い需要が見込まれます。
4. JavaScriptの需要が今後も続くと考えられる理由
ここでは、JavaScriptの将来性について考察します。以下の理由から、現時点では将来性が高い言語であると考えられます。
Web系のフロント開発において世界標準のポジションである
JavaScriptを利用したWebサイトやWebサービスは現代のトレンドとなっており、その需要は今後もますます加速していくことが予想されます。JavaScript はWeb系のフロント開発においては世界標準といえるポジションです。シェアを分けるような言語も現時点では存在しませんので、今後もJavaScriptの需要は続くと考えられます。
あらゆるWebアプリに活用されている
JavaScriptはWebアプリケーション開発において、フロントとサーバーサイド双方に活用できる汎用性の高い言語です。Ruby、PHP、Javaといった他の言語と組み合わせての開発も可能ですし、JavaScriptのみでもWebアプリケーションのサーバーサイドを開発することができます。
開発環境も充実しているため、JavaScriptはあらゆるWebアプリケーション開発に活用することができます。多くの既存サービスにJavaScriptが組み込まれていますので、新規開発だけでなく改修などの場面でも広く使用されます。
5. JavaScriptの将来性を危惧する意見
JavaScriptの今後を考える上で、いくつかの課題を抱えているという意見もあります。
ここでは、将来性を危惧する意見について紹介します。
アップデートが頻繁(仕様変更が多い)で技術的対応が大変
JavaScriptは頻繁にアップデートが行われる傾向にあり、それは開発言語としてよりブラッシュアップされている点においてはメリットです。しかし、言語仕様が変わったり、機能が追加されたりした際に、テストの再実施やそれに伴う仕様変更など技術的対応が発生するケースがあります。技術的対応は工数負荷につながるため、負担に感じているエンジニアも多いようです。
リリース前のテストが大変
JavaScriptは実行前のエラー検知が弱く、デバッグが大変であるのが難点と言われています。ベテランのエンジニアでも頻繁にエラーと向き合っています。また、JavaScriptは標準化された言語と言われていますが、環境によっては上手く動作しない場合もあります。そのため、プログラムをリリースするにはクロスブラウザでの動作テストが必要となり、手間がかかります。
このように一部では、JavaScriptに対するネガティブ意見もあります。しかし、前述したようにJavaScriptはWeb系の開発では世界標準と言えるポジションにありますので、将来性において過度な心配はいらないでしょう。
6. まとめ
この記事では、JavaScriptの需要状況や将来性について解説しました。JavaScriptは多くの開発で活用されており、需要の高い言語です。JavaScriptを身につけることで、特にWeb業界での活躍が期待できるでしょう。引き続き今後も高いニーズが予想されるため、学ぶ価値は十分にあります。この機会にJavaScriptを学んでみてはいかがでしょうか。
7. JavaScriptに関するQ&Aはこちら
Q1. JavaScriptは主にどんな開発分野に使われていますか?
主にWebサイトのフロントエンド開発や、Webアプリケーションのサーバーサイド開発に使われています。最近では、スマホアプリの開発にも多く使用されています。
Q2. JavaScriptエンジニアの年収レンジはどれぐらいですか?
2020年10月時点でレバテックキャリアで登録されている公開求人に基づいて算出した年収レンジは400~1000万円です。
Q3. JavaScriptエンジニアにはどんなスキルが求められますか?
JavaScriptでのプログラミングスキルのほかに、フロントエンジニアの場合は、JavaScript/HTML/CSSがセットで求められることが多いです。
Q4. 未経験でもJavaScriptエンジニアに転職できますか?
未経験でもJavaScriptエンジニアに転職する可能性があります。ただ、独学で一定レベルのプログラミングスキルと、業界トレンドにまつわる知識を事前に習得することをおすすめします。
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