JavaScriptエンジニアの仕事に興味を持ち、転職のためにJavaScript関連の資格を取得したいと考える人も多いでしょう。しかし、プログラミング関連の資格にはさまざまなものがあり、どれを目指せば良いか分からない人もいるはずです。本記事では、JavaScript関連のおすすめ資格についてまとめました。各資格の難易度や取得するための勉強方法、必要なスキルについて解説しています。本記事を読むことで、JavaScriptの資格を取得する準備ができ、JavaScriptエンジニアを目指す第一歩を踏み出せるでしょう。
- JavaScriptの特徴とは?
- JavaScriptエンジニアに必要なスキル
- JavaScriptエンジニアに必要なスキルを学べる資格
- JavaScript資格を取得するメリット
- JavaScript資格を取得するための学習方法
- JavaScript資格を取得するためのおすすめ学習サイト
- JavaScript資格を取得するためのおすすめ参考書
JavaScriptの特徴とは?
まず、JavaScriptの特徴について解説します。JavaScriptが使われる場面や言語としてのメリット、需要・将来性が高い理由を説明します。
Webサイトに動きをつけられる
JavaScriptは、Webサイト制作で多く使用されるプログラミング言語です。DOM(Document Object Model)というHTMLの要素を操作するための仕組みを使うことで、Webサイトに動きをつけられます。Webサイトのアニメーションやスライドショーといった機能も、JavaScriptによって実装されています。
そのほか、ユーザーがフォームなどに入力した内容を読み取って処理を行ったり、非同期通信を用いることでサーバからデータを取得し、Webページの一部のみを更新したりすることも可能です。
企業によって定義が異なる場合もありますが、一般的にはJavaScriptを使ってブラウザに表示されたWebページに処理内容を実装することを、フロントエンド開発といいます。
サーバーサイド開発も可能
JavaScriptはフロントエンド開発だけではなく、サーバーサイド開発でも使用できます。サーバーサイド開発とは、Webアプリにおけるサーバ側の処理を実装することです。サーバーサイドでは、PHP・Python・Rubyなどが多く使われますが、Node.jsという実行環境をサーバにインストールすれば、JavaScriptでも開発が可能です。Node.jsを使うことで、JavaScriptのみでECサイトやSNSなどのWebアプリ開発ができるようになります。
フレームワーク・ライブラリが豊富
JavaScriptは長く実務で使われてきた言語のため、フレームワーク・ライブラリが多く開発されています。React・Angular・Vue.jsなどのフレームワーク・ライブラリがあり、開発規模に応じて使い分けが可能です。フレームワーク・ライブラリを導入することは、Webアプリ開発の効率化につながります。
需要・将来性が高い
JavaScriptはプログラミング言語のなかでも高い需要があり、将来性が期待できます。検索エンジンでの検索数などをもとに作成されるTIOBE Indexのランキングでは、2021年・2022年ともに7位と高順位を獲得しました。
フロントエンド開発分野では、JavaScriptに取って代わる言語はありません。JavaScriptは現在使われているブラウザのほとんどで使用できるため、他の言語を使う理由がないのが現状といえます。
また、汎用性が高いことも、JavaScriptに需要・将来性がある理由の1つです。Webアプリ開発やスマホアプリ開発、ゲーム開発など、幅広い開発に活用できます。それぞれの開発分野で使えるフレームワーク・ライブラリも豊富で、時代に合わせて進化し続けています。今後も需要はさらに伸びていく言語といえるでしょう。
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JavaScriptエンジニアに必要なスキル
続いて、JavaScriptエンジニアが取得しておくと実務で役立つスキルを解説します。
JavaScriptとJavaScriptに関連するスキル
JavaScriptを実務で使う場合、まずはJavaScript関連のスキルを身につける必要があります。企業や担当箇所によって必要なスキルは異なりますが、フロントエンド開発を担当する場合、一般的に求められるのは次のようなスキルです。
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・JavaScriptの基本的な文法・Ajaxを使った非同期通信
・DOMを使ったHTML操作によるアニメーション作成
・フレームワーク・ライブラリの知識(React・Angular・Vue.jsなど)
利用するフレームワーク・ライブラリは企業によって異なります。第一志望の企業で使われているフレームワーク・ライブラリを優先して習得するとよいでしょう。
HTML・CSS
JavaScriptエンジニアにはHTML・CSSのスキルも必要です。企業によっては、JavaScriptエンジニアがWebページのコーディングも担当します。また、コーディングをWebデザイナーやマークアップエンジニアが担当する場合でも、DOMによるHTML操作を行うためにHTML・CSSのスキルは必須です。
HTML・CSSのタグやセレクタの使い方や組み合わせ方、レスポンシブWebデザインの作り方など、最低限必要な知識・スキルは習得しておきましょう。
CMS構築
CMS(Contents Management System)は、Webサイトの制作・運営が容易にできるシステムで、多くのWebサイト制作で利用されています。CMSを使って制作する場合、HTMLなどのスキルがなくても、ある程度サイトを完成させることが可能です。代わりに、CMS操作やカスタマイズの知識が必要となります。
JavaScriptエンジニアは、CMSを使ったサイト制作案件に関わる可能性があるため、CMS構築のスキルも身につけておくと役立つでしょう。
UI/UX設計
UI(User Interface)は、コンピュータシステムとユーザー間で情報のやり取りをする方法や仕組みの総称で、UX(User Experience)は、コンピュータシステムの使用感や印象などユーザーが体験すること全般を指します。UI/UX設計は、ユーザーにとって使いやすいWebサイトに仕上げるためにも、WebデザイナーだけではなくJavaScriptエンジニアも身につけておくべきスキルです。ユーザー目線に立ってボタン・メニューの最適な配置を検討する、ページの読み込み速度まで考慮されたプログラムを開発する、といった設計ができるとよいでしょう。
JavaScriptエンジニアに必要なスキルを学べる資格
JavaScriptエンジニアに必要なスキルを学べる資格を紹介します。これらの資格取得に向けて勉強することで、上記で解説したスキルを効率よく習得できるでしょう。
CIW JavaScript Specialist
CIW JavaScript Specialistは、JavaScript関連の国際資格です。JavaScriptに特化した珍しい試験であり、JavaScriptの文法やフレームワークなどについて幅広く出題されます。英語での試験となりますが、JavaScriptに特化しているため、JavaScriptエンジニアを目指すなら優先して取得したい資格です。正答率70%程度が合格基準として設定されていますが、英語試験であることから、難易度は高めと推測されます。
HTML5プロフェッショナル認定試験
HTML5プロフェッショナル認定試験では、HTML・CSS・JavaScriptに関する問題が出題されます。レベル1とレベル2に分かれており、JavaScript関連の問題が出題されるのはレベル2からです。JavaScriptだけではなく、HTML・CSSも学べるため、フロントエンド開発のスキルをセットで身につけたい方におすすめです。
Webクリエイター能力認定試験
Webクリエイター能力認定試験は、Webクリエイターとしての基礎知識を確かめられる資格です。JavaScriptを始め、HTML・CSSやUI/UX、デザインなどJavaScriptエンジニアに必要なスキルを一通り学べます。試験はエキスパートとスタンダードに分かれています。それぞれ筆記試験だけではなく、実際のエディタを使ってソースコードを記述する実技試験もあるため、実践的なスキルが身につくでしょう。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、エンジニア職に必要なスキルを身につけられる国家資格です。JavaScript関連ではないものの、エンジニアとして働くための土台となるスキルを得られるうえ、国家資格で知名度も高いため、取得しておきたい資格です。JavaScriptエンジニアにも必要とされるプログラミングやデータベース、ハードウェア、セキュリティなどの基礎知識を偏りなく学べます。入門者向けという位置づけですが、合格率は令和4年度春期で39.4%(※1)と難易度は高めであるため、十分な勉強時間を確保して対策する必要があります。
※1参考:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 推移表
JavaScript資格を取得するメリット
では、エンジニア職として働く際に、JavaScript資格がどのように活きるのでしょうか。JavaScript資格を取得するメリットを解説します。
土台となるスキルが身につく
資格取得を目指して勉強することで、JavaScriptエンジニアに必要なスキルを体系的に身につけられます。資格を取得しなくても勉強はできますが、資格という明確な目標があったほうが身が入りやすく、学習の指針もスムーズに立てられるでしょう。また、過去問や問題集を解く際、実際に手を動かして学習するため、記憶に定着しやすいメリットもあります。
基礎知識を持っていることを証明できる
資格があれば、JavaScriptエンジニアに必要な基礎知識を持っていることを転職時にアピールできます。とくにJavaScriptエンジニア未経験の場合は、現時点でどの程度のスキルがあるかを示すために有用です。
ただし、JavaScriptエンジニアの転職では、資格よりも実務経験が重視されることが多く、資格だけで内定獲得できるわけではない点に注意が必要です。JavaScriptエンジニアとしての実務経験がない場合は、資格だけではなく、JavaScriptを使った自主制作アプリなど、自己鍛錬の成果をアピールできる成果物を用意しておくことをおすすめします。
転職時に学習意欲を伝えられる
転職時に学習意欲を伝えられることも、資格を取得するメリットです。上記で解説したとおり、資格が直接内定につながるケースはほとんどありませんが、学習意欲を伝える手段としては効果的といえます。
学習意欲を伝える際は、単に資格取得をアピールするだけではなく、「資格を通じて何のスキルを学んだか」「スキルを担当業務でどう活かすか」など具体的に語ると好印象を与えられるでしょう。
資格手当や報奨金がもらえる可能性がある
JavaScript資格を取得すると、資格手当や報奨金がもらえることがあります。資格手当は毎月の給与に上乗せされるもので、報奨金は資格獲得時にお祝いの意味で支給されるものです。どの資格を取得するといくら資格手当や報奨金がもらえるのか、あらかじめ就業規則などを調べておくとよいでしょう。
JavaScript資格を取得するための学習方法
JavaScript資格を取得するための学習方法について解説します。資格合格だけではなく、実務で役立つスキルを身につけるための学習方法を説明します。
学習サイトを使う
学習サイトではJavaScriptの応用まで学ぶことは難しいですが、基礎固めには最適です。学習サイトはインターネットに接続できる環境であれば、パソコンでもスマホでも使えます。スキマ時間で手軽に学習できるため、現職が忙しい方でも続けやすい点がメリットです。
参考書を購入する
JavaScriptは長く活躍する言語であるため、上記で解説したCIW JavaScript SpecialistやHTML5プロフェッショナル認定試験などの参考書が多く販売されています。イラストや図が豊富で説明が分かりやすく、練習問題も掲載されている参考書が望ましいでしょう。参考書のとおりに進めていけば、学習が散漫になりにくく、効率よくスキルを身につけられます。
過去問を解く
過去問を解くことは、現時点での自分の実力を図ったり、問題の傾向を知りどの範囲を重点的に学習すべきかを分析したりするために有効です。国家資格の基本情報技術者試験などは、前年度の過去問が公式サイトで公開されています。過去問を実際に時間を計りながら解くことで、問題を解くペースを掴みやすくなることもメリットです。
Webサイト制作を実際行う
実際にJavaScriptで動きのあるWebサイトを制作してみることも効果的な資格対策です。また、実践的なWeb開発のスキルを身につけられるメリットもあります。制作したWebサイトは、自己鍛錬の成果として面接でアピールできます。
JavaScript資格を取得するためのおすすめ学習サイト
続いて、JavaScriptの基礎知識が身につくおすすめの学習サイトを紹介します。
Progate
Progateはスライドでの説明が初心者でも分かりやすく、これからJavaScriptを学ぶ方におすすめです。レッスンをクリアするとレベルが上がる仕組みになっており、ゲーム感覚で楽しく続けることができます。また、単元ごとに練習問題が用意されており、自分の理解度を確かめられます。
ドットインストール
ドットインストールは動画を通じてJavaScriptの基礎を習得できるサイトです。1つの動画は3〜5分程度のため、空いた時間で活用しやすいことがメリットです。また、有料会員に登録すると、講師の方に質問できるサービスを利用できます。
Udemy
Udemyは動画を通じてJavaScriptを勉強できるサイトです。初心者向けのものから、Reactで実際にWeb開発を行う中級者向けのものまで、さまざまなコースが用意されています。コースの多くは30日間返金が可能です。
Schoo
Schooは生放送による対話型授業を受けられるサイトです。生放送では講師の方に直接質問できるほか、他の受講生のコメントも閲覧できます。また、有料会員に登録すれば、過去の生放送をいつでも閲覧可能です。
JavaScript資格を取得するためのおすすめ参考書
最後に、JavaScriptのスキルを高めるために役立つ参考書を解説します。
スラスラ読める JavaScriptふりがなプログラミング
「スラスラ読める JavaScriptふりがなプログラミング」は、JavaScript初心者にも分かりやすい入門書です。ソースコードの一行一行に説明文が挿入されており、「この行では何をやっているのか」を着実に理解できます。最新版では、実際のWebページでJavaScriptがどのように使われているかについて解説されたページが追加されており、JavaScriptがなぜフロントエンド開発で使われているかも分かります。
JavaScript[完全]入門
「JavaScript[完全]入門」は、JavaScriptの基礎から実用的な知識まで解説された入門書です。600ページという大ボリュームのため、JavaScriptの細かい仕様まで書かれている点がメリットです。応用編ではJavaScriptフレームワークについても学ぶことができます。
独習JavaScript
「独習JavaScript」は、解説・例題(サンプル)・理解度チェックという3つのステップで丁寧に学べる入門書です。JavaScript特有の言語仕様についても解説されているため、他言語の経験者がこれからJavaScriptを学ぶ際にもおすすめできます。「なぜそのように動くのか?」まで解説してくれるため、JavaScriptの本質を掴むことが可能です。
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