Rubyの将来性と需要は?懸念されている点も解説

最終更新日:2024年4月19日

Rubyは日本発祥のプログラミング言語で、まつもとゆきひろ氏によって開発されました。ベンチャー企業をはじめ、多くの企業が開発に使用しています。なかでも、WebアプリケーションのためのフレームワークであるRuby on Railsは非常に生産性が高く、Twitter、Huluなどの巨大なサービスの開発にも利用されています。

Rubyに特化したブートキャンプ型のスクールが多数存在し、若年層のエンジニアには特に人気があります。業界内での需要も高く、学習する価値が十分にある言語といえますが、ほかの言語の台頭により将来性について否定的な意見も散見されます。

結論からいえば、RubyはWeb開発に関しては将来性が高いといえます。Ruby on Railsを利用した高い生産性と品質のWebアプリケーション開発が、無くてはならない存在となっているためです。

本記事では、Rubyの習得を検討する方や、このままキャリアを積むことに不安を感じるRubyエンジニアに向けて、ほかの言語との比較も交えて、Rubyの需要状況や将来性にまつわるさまざまな意見を取り上げ、Rubyの将来性について解説します。

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この記事のまとめ

  • Rubyは、Webアプリケーション開発において需要のあるため将来性が高いプログラミング言語と言われている
  • Rubyで行える開発は、WebアプリケーションやSNSサービス、WebやECサイトなどがある
  • Rubyの需要状況は、スタートアップやベンチャーなどで需要が高く、Webサービスのユーザー数増加も需要増に影響している

Rubyの将来性は高い!

Rubyの将来性は高いと推測されています。Rubyはベンチャーやスタートアップ企業でよく使用されており、開発から保守・運用までの需要があります。Rubyで開発されたサービスが成長することで、サービスの保守や運用の需要が増加します。そのため、Rubyの将来性は十分にあるといえます。

以下では、Rubyの今後の需要について解説します。Rubyに対する肯定的な意見は多く、Ruby on Railsを活用したWebアプリケーションの構築を中心に、今後の需要も安定していると考えられます。その理由についても詳しく紹介します。

Rubyに将来性があると考えられる6つの理由

Rubyに将来性があると考えられる理由としては、他言語よりもコードが短くシンプルで開発スピードが早いことが考えられます。また、Webアプリケーション開発の需要があり、未経験者も学習しやすいなどがあります。本章では、なぜRubyは将来性があると考えられているのか、その理由について詳しく解説していきます。

他言語よりもコードが短くシンプルで開発スピードが早い

コードがシンプルで記述が短くて済むことがRubyの特徴の一つです。その結果として、開発の生産性を高めることが可能です。

特に後述のRuby on Railsは少量のコードによりWebアプリケーションが作成可能なように作られており、スタートアップ企業などのスピード感が求められる開発において、選択されるケースが多いです。

Webアプリケーション開発において需要のある言語である

Rubyは日本産のプログラミング言語ではありますが、Webアプリケーション市場の競争激化という後押しを受け、ベンチャー企業から大企業まで世界的に幅広く活用されている言語です。「Ruby on Rails」が普及して以降、一層その人気が増したようにも見受けられます。

世界のプログラミング言語検索数を示す「TIOBE Programming Community Index」によると、2024年3月現在Rubyは18位にランクインしています。世界規模で普及はしているとはいえ、Rubyの現状としては日本のほうが安定して需要のある言語といえるでしょう。

引用元:『TIOBE Programming Community Index』 TIOBE

未経験者も学習しやすく教育コストが抑えられる

Rubyは、他言語よりもコードが短くシンプルで記載が少ないという特徴があります。コードが短くシンプルであることは未経験者も学習がしやすいことにも繋がっています。

さらに、日本生まれの言語のため、インターネット上などで情報が収集しやすいことも未経験者が学習しやすい理由となっています。Webでの学習コンテンツなども多数存在するため、教育コストを抑えてスキルの習得がしやすいプログラミング言語といえます。

関連記事:未経験からRubyエンジニアになるには? 必要スキルや年収、求人例も紹介

コミュニティが活発である

プログラミング言語の発展には、その言語を取り囲むコミュニティの存在も大きく影響します。プログラミング言語をより良くするための提言や、便利に利用するためのライブラリの提供などがコミュニティからプログラミング言語に与えられる良い影響です。

Rubyの場合、日本を始め世界中にコミュニティが存在しており、活発にRubyを改善するための活動を行っています。この点もRubyの将来性を高める要因の一つです。

高年収を提示されるケースが増えている

世界最大手のエンジニアコミュニティサイトStack Overflowが調査した「2023 Developer Survey」によると、世界のRubyエンジニアの年収の中央値は言語別で4位にランクインし、98,522ドルでした。

低コストで迅速にWebアプリケーションなどの開発ができることから、世界的な需要があることがうかがえます。レバテックキャリアの求人では、フロントとバックエンド双方の開発ができるRubyエンジニアに対し、1000万円以上の年収を提示する求人もあるほどです。

関連記事:Rubyエンジニアの年収はどれくらい?求人数や将来性もチェック

スタートアップやベンチャーが積極的にRubyを採用している

Rubyはフレームワークを使って短期間での開発が可能であり、コストや工数を削減しながら開発を進めることができます。

また、日本で開発されたプログラミング言語であるという点は日本人にとってはアドバンテージが高く、初心者でも学びやすいため、スタートアップ企業やベンチャー企業で積極的に採用されています。バージョンアップも頻繁に行われていますので、今後もスピーディーな開発が求められる現場で重宝されていくでしょう。

「Rubyは将来性がない」と言われる理由

Rubyに対して肯定的な意見は多くあります。しかしその一方で、「Rubyは将来性がない」と言われることも少なくありません。

Rubyに将来性がないと言われる理由として代表的なものに、データサイエンスの分野で乗り遅れていることや処理速度が遅い、管理がしにくいなどの懸念点が存在します。

本章では、Rubyの将来性を危惧する意見を紹介します。

データサイエンスの分野においては乗り遅れている

近年、ビッグデータやAIの活用がITを始めとしてさまざまな業界で重視されつつあります。その流れから、データサイエンスは特に注目を集めている分野です。データサイエンスの環境構築にはプログラミング言語を用いた作業も発生するため、エンジニアの将来性にも大きく関連性があります。

データサイエンスを支えるプログラムの構築は、現状PythonとRが主流のプログラミング言語となっています。この2つのプログラミング言語が、データサイエンスに特化したライブラリを揃えていることが大きな要因です。一方で、Rubyについては、現状ではデータサイエンス分野のライブラリ充実については乗り遅れており、充実はしていないため将来性が危惧されています。

処理速度が遅い

一部にはRubyの処理速度の遅さを指摘する意見も存在しています。これはRubyがインタプリタ式のプログラミング言語であることが影響しています。インタプリタ式はプログラム実行時に毎回プログラムの解釈をコンピュータが行うため、コンパイル式を採用しているCやJavaに比べると実効速度が遅くなってしまいます。

コードが属人化されやすく管理しにくい

Rubyは動的型付け言語であるため、大人数の開発を行う際に統一性を持たせて管理する必要があります。

文法が厳密に管理されているプログラミング言語は難易度が高い一方で、コードを入力する担当者によって差が出ることは少ないため、担当者の変更に強いという特性があり、引き継ぎや管理が容易です。しかし、Rubyは同じプログラムでもさまざまな書き方ができるため、本人以外がソースを見直したときに理解しにくいという問題点を持っています。

Webアプリケーション開発ではLAMPが定着している

現在稼動している大規模なアプリケーションの多くでは、LAMPが定着している状況です。LAMPとは、Linux、Apache、MySQL、PHP(Perl)の頭文字をとった略称で、高速・低コスト・安定したシステム開発・運用ができるというメリットから多くの企業で採用されてきました。このため、プログラミング言語単体で見るとRubyのほうが適切であるというケースでも、PHPが選択されるケースも少なくありません。

とはいえ、ここ最近では「LAMP環境はもう古い」という意見があるのも事実です。ApacheからNginxへ、MySQLからBigQueryやMairaDBへとトレンドが移り変わっているように、Webアプリケーション開発においてもPHPが一強だった時代からRubyやPython、Goなど選択肢が増えている状況です。

別言語での代替が可能なことも多い

Rubyの強みであるWebアプリケーションの構築は、人気があり、需要もある分野です。技術の革新も速く、さまざまな言語で効率的かつ品質の高いWeb開発方法が提供されるようになっています。

Ruby on Railsによる開発が人気を得たのは、生産性が高くスピード感がある開発が可能なことが大きな要因です。裏を返せば、同様に生産性が高くスピード感のある開発ができるプログラミング言語とフレームワークがあれば、Rubyでなければならないという理由はありません。

技術者の確保ができ、生産性の高いフレームワークを持った言語が登場すれば、現在Rubyが担っているポジションの代替えが行われる可能性もあります。

Rubyで行える開発とは

将来性が高いと言われるプログラミング言語であるRubyは、どのような開発で使われているのでしょうか。

Rubyで行える開発としては、Webアプリケーション開発やSNSサービスの開発、WebやECサイトの開発などがあります。本章では、Rubyで行うWebアプリケーションやSNSサービス、WebやECサイトの開発について解説します。

関連記事:Rubyでできることは?サービス事例や将来性などを徹底解説

Webアプリケーション開発

Rubyの代表的な利用方法が、Webアプリケーションの開発です。Webブラウザに表示を行う各種のWebサイトを構築することが可能です。

留意が必要な点として、RubyだけでWebサイトが作成できるわけではありません。PHPやPythonなどほかのサーバーサイド言語も同様ですが、HTML、CSS、JavaScriptを用いたフロントエンド言語と組み合わせてさまざまなWebサイトを構築します。

特に、Ruby on Railsを採用したWeb開発は人気があります。Ruby on RailsはWeb開発用のフレームワークで、開発者のコード記述量を減らして、生産性の高い開発を可能としています。

SNSサービスの開発

各種のSNSサービスでは、Web版が存在しています。これらの開発にRubyを利用することが可能です。SNSサービスの多くは、利用者の制約が少なく、開発のしやすいWeb版から作成されています。

スマートフォンやPCにインストールして利用する、ネイティブアプリ版の開発は別言語で行われることが一般的です。

WebやECサイトの開発

WebやECサイトの開発でも、Rubyは使われています。Webアプリケーションの中でも、直接的にビジネスと繋がっている用途として挙げられるのがECサイトです。ECサイトは、スタートアップ企業などがビジネスを始める場合や、既存企業が新たな販売チャネルを持つために導入するケースがあります。スピード感が求められるECサイトの開発には、Rubyが適しています。

Rubyを使った開発のメリット

RubyはWebアプリケーションやSNSサービス、WebやECサイトなど、さまざまな用途の開発で使われています。Rubyを使った開発には、どのようなメリットがあるのでしょうか。Rubyを使った開発のメリットとしては、幅広い分野・サービスの開発ができることや低コストかつ効率的な開発ができることが挙げられます。本章では、Rubyを使った開発のメリットについて具体的に解説していきます。

幅広い分野・サービスの開発ができる

Rubyを使った開発のメリットのひとつは、その汎用性にあります。Rubyを使用することで、多種多様な分野やサービスのWebアプリケーションを開発することが可能です。SNS、ECサイトからソーシャルゲーム、レシピ共有サイトや動画配信サイトまで、Rubyはあらゆる種類のサービス開発に対応できる柔軟性を持っています。

低コストかつ効率的な開発ができる

低コストかつ効率的な開発ができることも、Rubyを使った開発のメリットといえます。RubyとRuby on Railsを組み合わせてWeb開発を行うと、開発の生産性を高めることができます。開発者が1つのプログラムを作成するのに必要な時間が減るため、結果としてコストを削減し、効率的な開発の実現に繋がります。

Rubyの実際の需要状況

Rubyの実際の需要状況は、どのような状況になっているのでしょうか。実際の需要状況を把握できれば、Rubyエンジニアとしての転職活動に活かすことができます。

Rubyの実際の需要状況としては、スタートアップやベンチャーなどでのニーズが高く、Webサービスのユーザー数増加に伴い需要も増えています。本章では、Rubyの実際の需要状況について詳しく解説します。

スタートアップやベンチャーなどでのニーズが高い

いち早くサービスを立ち上げ、ビジネスを軌道に乗せるために、開発スピードの速いRubyを採用するスタートアップ企業が多く見られます。

最近では大企業への就職以外にも、スタートアップ企業やベンチャー企業で幅広い経験を積み、フルスタックエンジニアとして活躍することを目標にするエンジニアも増えています。こうしたキャリアパスを実現するためには、Rubyの習得は大きな武器となることでしょう。

Webサービスのユーザー数増加に伴い需要も増加

SNSやECサイト、ソーシャルゲーム、レシピ共有サービス、動画配信サイトなどWebサービスは多様化しておりユーザー数も増加しています。スタートアップ企業やベンチャー企業以外にも、Twitterやhuluといった多数のユーザーを抱えるWebサービスでもRubyは活用されています。Webサービスのユーザー数増加に伴い、Rubyの需要も増加しています。

他言語と比較したRubyの求人状況

ほかのプログラミング言語とRubyの求人数を、レバテックキャリアの2024年3月の求人情報から比較してみました。もっとも求人の多いプログラミング言語はJavaで、Rubyは5位に位置しています。

Javaやほかの上位のプログラミング言語と比較すると劣りますが、Rubyの求人数も決して少ないわけではありません。全体で見るとRubyも上位であり、IT業界の拡大に伴い、今後Rubyの求人数は増えると予測されます。

順位 言語名 レバテックキャリアの求人件数
1位 Java 7,060件
2位 JavaScript 4,959件
3位 Python 4,794件
4位 PHP 4,530件
5位 Ruby 2,817件
6位 C# 2,761件
7位 Go 2,185件
8位 C++ 1,810件
9位 C言語 1,532件
10位 Swift 1,600件
関連記事:Rubyエンジニアに未経験から転職! 年収や求人数、転職成功事例
Rubyの求人例

レバテックキャリアに掲載中の求人・転職情報より、Rubyエンジニアの求人例を紹介します。

【業界】
IT・通信

【業務内容】
・Ruby on Railsによるバックエンドの開発/運用業務
・設計や技術選定
・AWSなどインフラ設計や作業
・Vue.jsなどフロントエンド実装

【求められるスキル・経験】
・Ruby on Railsを用いた Web アプリケーションの開発/運用経験
・RDBMS を用いた Web アプリケーションの開発/運用経験
・Web アプリケーション全体の設計/開発/運用経験
・GitHubなどを利用したチーム開発経験

【想定年収】
500~1,000万円

【勤務地】
大阪府

人気言語ランキングから見るRubyの需要

Rubyは日本国内でも一定の人気を保持しています。2020年の日経XTECHが発表した記事『プログラミング言語人気ランキング2020、2位に「大躍進」したあの言語』では、Rubyは13位にランクインしています。

これは、COBOLなどの古い言語が依然として強い人気を持つ日本のプログラミング言語市場において、Rubyがしっかりと足場を築いていることを示しています。

また、C・C++、Python、JavaScriptがそれぞれ1位、2位、3位にランクインしていますが、Rubyもこれらの人気言語と肩を並べる存在といえるでしょう。そのため、Rubyのスキルは今後も引き続き市場価値を保つと考えられます。

他言語との比較で見るRubyの将来性

Rubyのスキルを身につけようと考えたとき、ほかのプログラミング言語と比較して将来性があるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。せっかくプログラミングスキルを身につけるのであれば、長く役立つ将来性のある言語を習得したいものです。

ここでは、サーバーサイド向けのプログラミング言語として需要の高いPHPと、特にデータサイエンス分野で将来性があるとされているPythonを比較しながら解説します。

PHPとの比較で見るRubyの将来性

現状、Webサイトにおけるサーバーサイド向けの開発で圧倒的に高い需要を誇っているのはPHPです。Q-Successが調査した結果によると、2024年3月時点のWebサイトにおけるサーバーサイド言語のPHPのシェアは実に76.5%となっています。これに対し、Rubyは5.7%です。

このPHPのシェアの大きさはCMS「WordPress」を利用しているケースが非常に多く含まれているためです。システム開発に着目した場合には、WordPressで作成されているWebページの分は割り引いて考えてもよいでしょう。

しかし、注目するべきは、年単位で見た場合の成長率です。2015年をピークにPHPが徐々にシェアを落としていきつつあるのに対して、Rubyは少しずつシェアを増加させています。2019年1月のRubyのシェアは2.4%でしたが、2024年3月時点では5.8%まで上昇しており、このシェアの伸び率はほかのPHPの後釜となり得るプログラミング言語と比較しても高い伸び率といえます。

Pythonとの比較で見るRubyの将来性

PythonとRubyは、ともに注目度が高く、勢いのあるプログラミング言語のため比較されやすい傾向にあります。

Pythonはデータサイエンス分野でも活用が期待されているプログラミング言語であり、Rubyと同様シンプルなコードでプログラミング初心者でも学びやすいという特徴があります。

決して「AIの開発はPythonでなければできない」というものではなく、Rubyやそのほかのプログラミング言語でも技術的には可能です。しかし、データサイエンス分野において必須となる、ビッグデータ分析や機械学習向けのライブラリはPythonのほうが充実しており、開発がしやすいメリットがあります。

一方で、Rubyに関しては、データサイエンス分野のライブラリが豊富とは言いにくい状況で、やや乗り遅れている感が否めません。

とはいえ、Webアプリケーション開発という観点で考えると、PythonよりもRubyのほうが開発スピードやコストの面で優れていると考える企業が多く、Rubyの人気も根強い状況です。また、Webアプリケーションというプロダクトが今後衰退していくということも考えにくいでしょう。

そのため、将来性という面で考えると、開発するプロダクトの方向性が、データサイエンス分野なのかWebアプリケーション分野なのかで決定することになります。

関連記事:Pythonの将来性|メリットやJava・Rubyとの比較も解説

RubyとPHP、Pythonのどの学習が良いかは目標による

Ruby、PHP、Pythonと3つのプログラミング言語を比較しながら紹介してきました。しかし、どれも一長一短があるプログラミング言語であることから、どれを学べば良いのか分からないという方も多いのではないでしょうか。そこで、ここからはRubyとPHP、Pythonの学習に向いている人の特徴を紹介します。

何を目標とし、どのようなエンジニアになりたいのかによっても学ぶべきプログラミング言語は異なります。ぜひ参考にしてみてください。

関連記事:Rubyの勉強方法や学習サイト、スキルを証明する資格を紹介

Ruby

特にスタートアップ企業やベンチャー企業において、Webアプリケーションの開発をスピーディに行いたいという需要が高いため、Webアプリケーションの開発を担いたいという方はRubyのスキル取得がおすすめです。

ITエンジニアとしてのキャリアパスのため、最終的には大企業に勤めたいけれども、まずはベンチャー企業やスタートアップ企業でスキルを磨きたいという方にとっても、こうした企業に需要があるRubyの習得が望ましいです。

また、Rubyは新規開発案件が中心となることが多いです。現状、サーバーサイド向けに構築されたシステムの多くはPHPが採用されているケースが多く、保守案件はPHPが多い傾向にあります。ゼロからアプリケーション開発に携わることに関心がある方なら、習得しても損はないでしょう。

関連記事:Rubyとは?メリットやできること、将来性を分かりやすく解説

PHP

PHPは圧倒的なシェアを誇っていることからも分かる通り、多くの既存システムに採用されています。そのため、新規開発というよりは既存システムの運用や保守業務がメインになることが想定されます。

シェアが大きいということは市場でのニーズが高いことも意味しており、求人案件も豊富です。とにかく就職・転職に強いプログラミング言語を身につけ、安定した仕事に従事したい方にとってはおすすめのプログラミング言語といえるでしょう。

もちろん、はじめはPHPのスキルを身につけて実務経験を積んだ後、RubyやPythonの勉強に取り組むことも選択肢の一つです。複数のプログラミング言語をマスターしている人材のほうが求人市場での評価は高くなりやすい傾向があります。

Python

Pythonには機械学習やデータサイエンス分野に適するライブラリ、フレームワークが充実しているため、機械学習やデータサイエンス分野の仕事に関心のある方には、Pythonの学習がおすすめです。

機械学習やデータサイエンス分野の仕事には、エンジニアとしての技術力のみならず、統計学や数学に関する専門的なスキルも求められます。その分野を志す方は、Pythonの学習と併せてこれらのスキルを磨くことも怠らないようにしましょう。

関連記事:RubyとPythonを比較|選ぶポイントや学習方法も解説

Ruby on Railsの将来性

Rubyというプログラミング言語を語る上で欠かせないのが「Ruby on Rails(ルビー・オン・レイルズ)」の存在です。そもそもRubyとRuby on Railsを混同している方も多く、両者の明確な違いが説明できない方は意外と多いものです。

Ruby on RailsはRubyの人気を爆発的に高めたフレームワークのひとつで、このフレームワークがあるからRubyそのものの将来性も安定していると言っても過言ではない存在です。

それでは、Ruby on Railsはどのような存在で、何故Rubyの将来性を高めるにまで至っているのでしょうか。

ここではRubyとRuby on Railsとの違いを紹介するとともに、なぜRuby on Railsが注目されているのか、その将来性についても詳しく紹介します。

Ruby on Railsとは

Ruby on Railsとは、正確に言うとプログラミング言語ではなく、Rubyを利用してWebアプリケーションを構築する際のフレームワークのひとつです。フレームワークとは日本語で「骨組み」や「構造」といった意味をもち、プログラミングにおいて必要な機能が実装されたもののことを言います。

Ruby on RailsにはWebアプリケーション開発に必要な豊富なライブラリが備わっており、後からライブラリを追加することも可能です。これによってRubyでのWebアプリケーション開発が効率化でき、プログラマーの開発の負担を減らすことができます。

関連記事:Ruby on Railsとは?できることやメリットも紹介

Ruby on RailsとRubyの違い

プログラミング初心者の中には、RubyとRuby on Railsは別々のプログラミング言語であると認識している方も少なくありません。しかし、先ほど紹介したように、Rubyはプログラミング言語であるのに対し、Ruby on RailsはRubyの開発を効率化するためのツール(フレームワーク)です。

Rubyでの開発を担うエンジニアの中には、Rubyというプログラミング言語のスキルと、フレームワークであるRuby on Railsを扱えるスキルをセットで身につけている方が多いのです。

未経験からRubyエンジニアになるには

Rubyエンジニアになるためには、Rubyに関する知識とスキルの習得が必要となります。Rubyに関する知識とスキルの習得をするためには、書籍や動画などを活用して学習をすると良いでしょう。本章では、書籍や動画を用いたRubyのスキル習得の方法および未経験からのRubyエンジニアへの転職について紹介します。

関連記事:Ruby初心者の学習方法|押さえるべきポイントと注意点も解説

未経験可の求人は多い

Rubyは比較的学習がしやすく、スキルも身につけやすいプログラミング言語です。ほかのプログラミング言語での開発経験があれば、RubyやRuby on Railsでの開発は未経験でも応募可能な求人が多数存在しています。

Ruby未経験から転職を行う場合には、スクールや独学によりスキルを習得して、Rubyエンジニアを目指しましょう。

書籍を活用する

Rubyに関する学習書籍が多数販売されています。入門レベルからRuby on Railsを利用した実践レベルの書籍まで、各レベル向けの書籍がありますので、自分のスキルにあわせて選択するとよいでしょう。

書籍での学習のメリットは、知識を体系的に身につけられること、スキマ時間を利用して効率的に学習できることです。注意点として、書籍を利用する場合でもPCとインターネット環境を利用してプログラムを作りながら学習することが必要となります。

また、Web上に学習コンテンツが用意されているサイトもありますので、あわせて利用するとより効率的です。

動画を活用する

Rubyに関する知識とスキルの習得をするための方法の一つとして、動画コンテンツを活用することもおすすめです。近年では、YouTubeやUdemyなどの動画コンテンツによる学習サービスも多数提供されています。YouTubeやUdemyなどの動画コンテンツの利用は、視覚的に情報を理解できるため、学習理解度を深める上で有用です

将来も求められるRubyエンジニアになるには

将来も求められるRubyエンジニアになるには、どのようなスキルが必要になるのでしょうか。将来も求められるRubyエンジニアに必要なスキルは、Ruby on Railsを使いこなすスキルやバックエンドやフロントエンドなどに対応できるようになることなどです。

本章では、今後もRubyエンジニアとして活躍し続けることのできるエンジニアになるために必要となるスキルについて紹介します。

Ruby on Railsを使いこなす

今、そしてこれからもRubyを軸としたエンジニアとして活躍するには、Ruby on Railsの利用が欠かせません。Ruby on RailsはWebアプリケーション開発に高い効率をもたらすフレームワークであり、プログラミング言語としてRubyを採用する理由としても大きな割合を占めています。

Ruby on Railsについての知識を深め、使いこなせるスキルを身につけることが、将来的にも求められるRubyエンジニアの最低条件となるでしょう。

バックエンドやフロントエンドなどに対応できるようになる

RubyはWebのバックエンド(サーバーサイド)の開発を行うために利用されることが多いプログラミング言語です。このバックエンド開発において、必要となる周辺知識を身につけることもRubyエンジニアの将来性を高める方法の一つです。

具体的には、バックエンドとなるサーバー環境の構築スキル(クラウドやコンテナを含む)、バックエンドに欠かせないデータベースの構築・運用スキル、OSやネットワークに関するスキルなどが役立つでしょう。

また、Webシステムはバックエンドだけでは成り立たず、フロントエンドが必ず存在します。バックエンドとフロントエンドの分業制が取られている開発現場も多いのですが、当然ながら両方の開発スキルを持つエンジニアは活躍の場を広げることが可能です。

Rubyエンジニアからのキャリアパス

Rubyエンジニアからのキャリアアップを行う場合は、どのような職種があるのでしょうか。キャリアアップとして具体的には、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャー、スペシャリストがあります。また、他言語の習得を通したキャリアチェンジも可能です。

本章では、Rubyエンジニアからキャリアアップ、キャリアチェンジを行う場合の選択肢について紹介します。

スペシャリスト

Rubyエンジニアとしてスキルを高め、経験を積み、Ruby開発のスペシャリストとなることが一つの有望なキャリアパスです。スタートアップ企業を中心に、Rubyを用いた新規サービスの開発が今後も見込まれるため、Ruby開発に対するスキルを高めることがキャリアアップの方法となります。

より具体的には、Rubyを利用したサービスの開発において、要件定義や設計などの上流工程に携わる、Ruby on Railsを使った開発に精通してサービスの生産性や品質向上を図る、といったスキルがあればスペシャリストとして評価されるでしょう。

プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャー

一人のエンジニアが担当できる設計や開発業務には限界があり、単純にスキルを高めたとしても一定以上の成果を挙げるのは難しくなります。そこで、より責任範囲を広げて大きな成果を挙げる方法となるのが、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーといったチームやプロジェクト全体を束ねるポジションにつくことです。

チームやプロジェクトを束ねて成果を出すためには、プロジェクトマネジメントスキルの習得が必要となります。開発担当者としてプロジェクトに従事しながら、積極的にマネジメント業務にも取り組んでスキルを身につけることがステップアップへの近道となります。

他言語の習得を通したキャリアチェンジ

Rubyエンジニアからほかの言語を習得して、キャリアチェンジをすることも可能です。

PHPやPythonなどほかのサーバーサイド言語の学習では、Rubyと共通する部分もあるため比較的習得しやすいでしょう。

また、サーバーサイド言語が変わっても、クライアントサイドの言語としてはHTML、CSS、JavaScriptに替わる言語は今のところ登場していません。長期的に利用できるスキルを身につけるためにクライアントサイドの言語を身につけることも一つの方法です。

Ruby以外の言語を習得したからと言って、Rubyをその後の仕事に使えなくなるわけではありません。むしろ、複数のプログラミング言語が使えるエンジニアは需要が高く、高収入につながる傾向があるため、複数の言語を積極的に習得することでもキャリアアップを図ることが可能です。

フリーランス

Rubyエンジニアとして開発技術を高めた場合には、独立してフリーランスとして活躍するキャリアパスも選択可能です。

フリーランスエンジニアとなった場合には、会社員エンジニアよりも多くの収入を望むこともできます。一方で、会社に所属していることによる安定性などは得られなくなるため、フリーランスエンジニアになる場合は注意が必要です。

Rubyの将来性に関するよくある質問

Rubyの将来性が気になる方には、Rubyの将来性についてのさまざまな疑問が浮かぶでしょう。

Rubyの将来性についてよくある質問としては「Rubyは今後衰退していくって本当?」「Rubyの求人数はどれぐらい?」などがあります。本章では、Rubyの将来性について、よくある質問とその回答をまとめました。これらの質問に対する詳細な回答を通じて、Rubyの将来性についての理解を深めることができます。

Q1. Rubyは今後衰退していきますか?

データサイエンスの分野でPythonに追いつくことは難しいのではないかと考えられます。しかし、Rubyは今後も安定した需要があるWebアプリケーションの開発において強みがあるため、衰退の一途を辿ることは考えにくいでしょう。

Q2. Rubyの求人数を教えてください

2024年3月14日時点で、レバテックキャリアには2,817件のRubyに関連する求人が掲載されています。これらの求人の中には、新規開発プロジェクトやRuby on Railsを使用したプロジェクトが多く含まれており、RubyとそのフレームワークであるRuby on Railsの需要の高さが分かります。

Q3.Rubyの欠点は何ですか?

Rubyの欠点は、処理速度の遅さやコミュニティによるサポートが限定されている点です。プログラミング言語全体で見ればRubyはシェアがそれなりには大きいのですが、処理速度の遅さなどが原因でほかの言語のほうがシェアが大きいと考えられます。

まとめ

この記事では、Rubyの概要から需要状況、将来性について解説してきました。Rubyは優れている点が非常に多い言語で、世界中のシステム開発で利用されている言語です。さらに、有名サービスの開発に採用されるなど、すでに安定したポジションを獲得している言語であるといえるでしょう。

データサイエンス分野においてはまだ波に乗れていないといったところはありますが、全体的に否定的な意見が少なく、将来性は高い言語であるといえます。Rubyに興味がある方は、この機会に習得してみてはいかがでしょうか。

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