Scalaとは?将来性やメリット・デメリット、Javaとの関係も解説

最終更新日:2024年3月26日

Scalaは、2003年にリリースされた比較的新しいプログラミング言語です。Webアプリケーションや業務系システムなど幅広い開発分野で活用されています。Javaとの互換性が高く、組み合わせて利用されるケースも少なくありません。

さらには、高年収につながる言語としても世界的に知られています。現時点では確かな支持を得ているScalaですが、将来性はどうなのでしょうか?

この記事では、Scalaの習得とScalaエンジニアとしての転職を検討するITエンジニア向けに、Scalaの概要や将来性、Scalaエンジニアの需要状況や転職動向、今後のニーズについて解説します。

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この記事のまとめ

  • Scalaはオブジェクト指向と関数型をミックスさせたプログラミング言語で、両方のメリットを持ち合わせている
  • ScalaはJavaとの互換性が高いため、Javaからのスキルチェンジ、Javaシステムの置き換えなどに向いている
  • 現状Scalaは需要に対してといえます供給が不足しているため平均年収が高く、エンジニアにとってはチャンスのある言語

Scalaとは

Scalaとは、2003年にリリースされた、関数型プログラミングとオブジェクト指向プログラミングの双方のパラダイムに対応可能なハイブリッド言語です。WebサイトやWebアプリケーション、スマホアプリ開発などに使われています。

幅広い領域で使われているScalaですが、エンジニア人口が少ないことから市場価値が高い傾向にあります。Scalaは、Javaプラットフォーム(JVM)上で動作し、Javaのプログラムと連携させることができます。

Scalaの成り立ち

スイス・ローザンヌにあるスイス連邦工科大学 (EPFL) 教授のマーティン・オーダスキー氏を中心にScalaは開発されました。Scalaの公式ページ内のTOUR OF SCALAでは「一般的なプログラミング方法を簡潔かつエレガントかつ型安全な方法で表現するために設計」されているとしています。

オーダスキー氏はjavacなどの開発に携わった経験があり、javaとの親和性が高く設計され、JRE(Javaの実行環境)での実行が可能な互換性が保たれています。JREで実行可能に設計されているため、マルチプラットフォームで動作させることが可能です。

オブジェクト指向プログラミングと関数型プログラミングの特徴を持つ

プログラミングパラダイムとして、オブジェクト指向プログラミングと関数型プログラミングという考え方があります。

オブジェクト指向プログラミングは、プログラム上で扱うモノ単位でプログラムを作成するという考え方です。プログラムの部品化がしやすく、一定のセキュリティも保てるというメリットがあるため、近年では多くのプログラミング言語が取り入れています。

関数型プログラミングは、処理を関数という単位で記述します。関数を簡潔に記載し、その関数の組み合わせによってプログラミングを構成します。各関数は独立しており、実行中の他の処理の影響を受けません。このため、コード全体が簡潔で可読性が高く、再利用性や保守性が高い特徴を持ちます。

Scalaではこのオブジェクト指向と関数型プログラミングを統合して作られており、両方の記述方法が利用可能です。それぞれのメリットを活用できることは、Scalaのメリットとなります。

Scalaで開発されたサービス例

Scalaは著名なサービスにおいても活用されているプログラミング言語です。サービス構築にScalaを活用している事例を紹介します。

X(旧Twitter)

Twitter社(当時)のMarius Eriksen氏による「Effective Scala」によると、「Scala は Twitter で使われている主要なアプリケーションプログラミング言語の一つだ」としています。「Twitter のインフラの大部分は Scala で書かれ」ており、「業務を支える大規模ライブラリ」にもScalaを利用していることに言及しています。Twitterなどのサービスは日進月歩で進歩しており、本文書は2012年の記録ではあるものの、現在もScalaのプログラムが活用されていることが想定されます。

Spotify

音楽ストリーミングをサブスクリプション形式で提供するSpotifyもScalaを利用しています。特にデータ基盤領域で利用しており、OSSのライブラリも公開しています。

Chatwork

国内のサービスでScalaの利用を進めている企業としてはChatworkが有名です。Chatwork Creator's Noteによると2014年と非常に早い段階から社内の開発言語としてScalaを取り入れています。その後の報告でも多くのプロダクトでScalaでの開発実績をあげており、今後も継続的に利用すると目されます。

ScalaとJavaとの関係

ScalaとJavaには密接な関係があります。
一つは開発者のマーティン・オーダスキー氏がJavaの一部の開発に携わっていたことです。Javaからの強い影響を受け、共通する点も多い由縁といえます。

次に、Scalaの動作環境としてJVMが利用できることが挙げられます。JVMはJava Vertial Machine(Java仮想マシン)の略で、一般にJavaの動作環境として提供されており、広く普及しています。JVMはマルチプラットフォームでのプログラムの動作を実現しており、Scalaもその恩恵に預かっています。また、Javaと同一の環境であることからJavaのプログラムとの連携の実現もしやすいです。

先のJVMとも関連して、Javaのライブラリの使用ができるところもScalaのメリットとなるポイントです。広く普及したプログラミング言語のJavaには多数のライブラリが提供されており、活用することで生産性と品質を高めたプログラミングが可能となります。

Javaとの共通点と違い

プログラミング言語としての記述に関しては、ScalaとJavaには共通点と違いの両方が存在しています。例として変数、メソッド、型について記載します。

変数の宣言

Scalaでは変数は二種類存在します。値の変更が可能な通常の変数の宣言にはvar、定数の宣言時にはvalというキーワードを指定します。
Javaにおいては、変数の場合には特に指定のためのキーワードはなく、定数の場合にはfinalというキーワードで表します。

メソッドの定義

メソッドの記述については、引数があり戻り値があるという点でJavaとScalaで記述は似ています。Scalaでの記述ではdefキーワードをつけることや、呼び出し時のかっこが省略できる点などが違いとなります。

型の宣言

Scalaで扱える型には値型と参照型が存在します。Javaの基本型(プリミティブ型)と参照型と同じ関係性です。
値型については、Int、Double、Charなどが用意されており、Javaの基本型との違いは先頭が大文字になっていることです。
Scalaの参照型はAnyRefのサブタイプです。Javaの参照型におけるjava.lang.Objectの継承と同じ関係にあります。

Scalaが用いられる場面

Scalaが用いられる場面として、Web開発、アプリ開発、ゲーム開発、データ分析などが挙げられます。もっとも多いのは、Web開発です。Webシステム開発、Webサイト開発など、Web関連の開発と相性が良いです。

また詳しくは後述しますが、Javaとの互換性が高く、JavaをScalaに置き換えるケースも多いです。Javaが使われているシステムが幅広いので、結果的にScalaの幅も広くなっています。

Scalaを学習するメリット・デメリット

Scalaを学習するメリットとデメリットをご紹介します。プログラミング言語Scalaのメリット・デメリットがそのまま学習する言語を選択するメリットとも言えます。

Scalaの学習メリット

まずはScalaの学習メリットとして以下が挙げられます。


  • ・Javaとの互換性が高くJVMの経験も活かせる

    ・コードの記述量が少なく効率的に開発できる

    ・関数をオブジェクトとして扱える

    ・オープンソースのためカスタマイズしやすい

    ・処理速度が速い

    ・柔軟な開発が可能

    ・国内での需要が高まっている


それぞれご説明していきます。

Javaとの互換性が高くJVMの経験も活かせる

ScalaはJavaとの互換性が高く、JVM上でも動かすことが可能です。JVMはJava Virtual Machineの略で、Javaを動かす環境のことです。ScalaでJavaのライブラリを使用することも可能なので、JavaコードをそのままScalaに書き替えていくことができます。

コードの記述量が少なく効率的に開発できる

Scalaはコードがシンプルで記述量が少ないです。コードの記述量が少ないことで時間と労力が少なく済むだけでなく、エラーも減ります。プロジェクトで使用した場合、他の人がコードを読みやすいという点もメリットになります。

関数をオブジェクトとして扱える

Scalaの大きな特徴が、オブジェクト指向プログラミングと関数型プログラミングの両プログラミングパラダイムに対応していることです。この特徴を活かせる仕組みとして、関数をオブジェクトとして扱える機能が用意されています。

既存の関数についても、オブジェクト指向を採用したプロジェクトでも利用できるため、コードの再利用を容易にし開発効率を高める効果があります。

オープンソースのためカスタマイズしやすい

Scalaはオープンソースのプログラミング言語であり、必要に応じてエンジニアがカスタマイズすることが可能です。オープンソースでないプログラミング言語の場合は、提供者による仕様が問題となっても、基本的に対応する術はありません。オープンソースのプログラミング言語ならば、言語仕様そのものの変更や拡張までが開発者の選択肢に含まれます。

処理速度が速い

Scalaはコンパイル言語のため、RubyやPythonのようなスクリプト言語と比較して処理速度が速いというメリットがあります。コンパイルによりClassファイルを生成し、JVMを利用して動作するため、Javaと同程度の処理速度が見込めます。

また、非同期の計算のためにFutureというオブジェクトが用意されており、これを活用することで非同期処理を高速に処理できます。

柔軟な開発が可能

Scalaはオブジェクト指向と関数型の両方をミックスしたプログラミング言語なので、前述の関数をオブジェクトとして扱えることにより、コードの記述方法が柔軟です。システムの種類や拡張性と可読性のバランスなどを考えて、プロジェクトごとに異なるコード規約で開発を進められます。

国内での需要が高まっている

Scalaは国内での需要が高まっています。その証拠に、他のプログラミング言語よりも平均年収が高い傾向があります。統計にもよりますが、すべての言語の中でScalaがトップになっているケースも少なくありません。

ただしScalaの需要が全言語の中でトップというわけではなく、現時点で供給が少ないことも年収が上がっている大きな原因でしょう。需要に対して供給が少ない状況なので、エンジニアにとってはチャンスです。

Scalaの学習デメリット

学習する言語にScalaを選択するデメリットには下記があげられます。


  • ・習得の難易度が高い

    ・Javaと比較するとIDE(統合開発環境)が発展途上

    ・コンパイル速度が遅め

習得の難易度が高い

Scalaはオブジェクト指向と関数型両方の要素を持っているため、言い換えれば両方理解している必要があります。プログラミング経験がない方はどちらの概念も知らない可能性が高く、最初の言語がScalaだと混乱する可能性が高いでしょう。そのため、まずはオブジェクト指向の言語を学び、次に関数型言語を学習したのちにScalaを学ぶとよいです。そうでない場合もオブジェクト指向言語から入るのがおすすめです。

Javaと比較するとIDE(統合開発環境)が発展途上

ScalaはJavaに比べるとIDEが発展途上です。プログラミングにおいてIDEの機能を使いこなすことはかなり重要で、開発効率が良くなることはもちろんエラーの大幅削減にもつながります。Javaは歴史がある分IDEは充実度が高く、ScalaはまだJavaには至らない状況です。

コンパイル速度が遅め

コンパイル速度が遅めという点も一応デメリットと言えるでしょう。ただし、遅めと言っても開発時に気になるほどではない可能性が高いです。膨大なステップ数になれば言語による差が影響してくる可能性もありますが、一般的なシステムでは大きく影響する可能性は低いということです。

Scalaエンジニアに求められるスキルと経験

Scalaエンジニアとして転職する場合に必要な重要視されるスキル・経験について説明します。Scalaそのもののスキルに加え、関連性の高い言語であるJavaに関するスキルもあると評価に繋がります。

Scalaでのプログラミングスキル

Scalaエンジニアとしての転職を行う場合、Scalaの基本文法とベースとなる考え方は学んでおく必要があります。Javaに記法は近く、Scalaは習得難易度が非常に高い言語であるため、Javaエンジニアの経験があれば詳細な技術習得は入社後でも可能という企業、転職求人も存在します。

特にScalaを採用する現場では、Scala以外にもJava、C#、C++、GOなどマルチな言語を利用していることが多く、新たな言語習得が苦にならないという適正が必要です。

関連記事:プログラマーが扱うプログラミング言語とは|種類別の特徴や選び方も解説

Javaの知識とScalaへの変換スキル

ScalaはJavaの後継ともいわれる言語です。基本的な記述方法はJavaに似通っており、ライブラリも引用可能です。ただし、Scalaは非常に少ない行数でJavaと同じ処理を実装でき、開発コストや処理時間を圧縮できるという特長があります。

したがって、Javaの文法を念頭に置きながらScalaを使ってソースコードの判読性やシンプルさをより高めるスキルが求められます。
さらには他言語への変換という点では別の選択肢も生まれてきています。

Scala.jsを利用することでScalaのプログラムをJavaScriptにトランスパイルすることも可能です。JavaScriptの各種ライブラリにも対応しており、Scalaでのフロントエンド開発が可能となります。Scala.jsを利用できるようになれば、よりWeb開発への適用範囲を広げることができます。

JVM言語での開発経験

ScalaはJavaの稼働環境であるJVM(Java仮想マシン)で動作します。JVMで稼働する言語は、バイトコードという中間言語にコンパイルし、その後実行時に再度解釈を行って稼働する形式を取ります。

このコンパイル形式によりもたらされるメリットとして、一度書いたプログラムはOSなどのプラットフォームに依然せず、マルチな環境で稼働させることが可能です。Scalaもこのメリットを活かすことが可能な言語であり、JavaおよびGroovy、Kotlinなどのバイトコードを生成する言語での開発経験があれば、同様の考え方を活用することができます。

フレームワークを扱うスキル

Webアプリケーション開発では、生産性の向上と品質の確保を目的として、フレームワークを採用することが一般的です。Scalaでは「Play」「Spring Boot」といったフレームワークが人気があります。この2つのフレームワークはJavaで使用されており、多くの実績と情報があります。

また、RubyのWebフレームワークSinatraに似せて作られたScalatraも利用数が増えてきています。利用シーンの多い有用なフレームワークの出現に合わせ、フレームワークを学習して利用するスキルを有していることが必要となります。

そのほかの評価されやすい経験

Scalaが採用される現場では、必要に応じて難易度が高くとも適性のある言語を選択しているといえます。これは、総合的なエンジニアとしてのスキルが要求される現場であるとも言い換えられます。Scalaに限らず、他の言語のプロジェクトでも下記のような経験がある場合には評価の対象となります。


  • ・Webアプリケーション設計、開発の経験

    ・チームリーダーやプロジェクトリーダーなどチームのリーダー経験

    ・マネジメント業務の経験

    ・上流工程(要件定義、基本設計)の経験

Scalaエンジニアの転職市場状況

Scalaエンジニアの転職事情について、レバテックキャリアが保有する公開求人情報をもとに解説します。Scalaのスキルで活躍できる求人例も参考にしてください。

正社員の求人状況

2024年2月19日時点でのScalaの公開求人数は614件(募集中173件)でした。Javaの求人数は7,067件(募集中2,755件)、Pythonは4,809件(募集中1,904件)、Kotlinは1,555件(募集中559件)であることから、国内では他の言語に比べてやや求人数が少ない状況です。

また、Scalaの求人・転職情報から30件を抽出し想定年収から平均年収を算出すると、Scalaエンジニアの平均年収は約700万円と推定できます(想定年収の最小値、最大値の中間値の平均より)。スキルによって開きがありますが、比較的高い年収の仕事が多い傾向があります。サーバーサイドエンジニア、データサイエンティスト、フルスタックエンジニア、QAエンジニアなど様々な職種で求められていることも特徴的です。

注意点として、上記の推定年収はScala専門のエンジニアではなく複数言語が扱えるエンジニアにとっての一言語としてScalaがあがっているケースが多いです。

Scalaエンジニアの求人・転職情報

関連記事:プログラマーで年収1000万円を目指す方法とは?

求人例から見るScalaエンジニアの仕事内容と年収例

レバテックキャリアのScalaエンジニアの案件をもとに事例を紹介します。活用分野が広いため、他の案件もぜひ参照してみてください。

検索サービスにおける機械学習・自然言語処理の活用

業界
IT・通信

業務内容
・自社の運営する検索サービスに対し、機械学習や自然言語処理などを活用して品質、性能を向上させる
・サービスにおけるサーバーサイドの開発・運用

求められるスキル・経験
・Javaを用いた開発業務経験
・ScalaまたはPythonによる開発経験
・チームでの協働ができる
・新たな技術を柔軟に取り込み、課題解決を図れる

想定年収
450~1,400万円

勤務地
東京都

データエンジニア

業界
IT・通信
広告

業務内容
・データ基盤の構築、運用、改善
・データ基盤改善プロジェクトの要件定義、プロジェクト推進、実開発業務(Scala他)
・データ基盤の新サービスへの切り替え
・データ基盤を支えるエンジニアチームの構築

求められるスキル・経験
・バックエンドエンジニアとしての実務経験2年以上
・データエンジニアとしての実務経験2年以上
・データ基盤の運用やパイプライン構築経験
・正解のない課題に継続的に取り組み、成果につなげられる方

想定年収
500~800万円

勤務地
東京都

国内におけるScalaの将来性について

Scalaは日本国内では徐々に案件が増えている状況です。PHPからScalaに移行する企業が出てくるなど、既存のソースコードの書き換え案件などもあります。ここでは国内におけるScalaの将来性に対する意見を紹介します。

Scalaの将来性が高いとされる理由

Scalaの将来性が高いとされる理由についてご紹介します。Scalaの言語的な完成度の高さが評価の要因の一つです。

Javaに変わる次世代言語として期待が高い

ScalaはJavaとある程度の互換性を持ち、関数型言語やスクリプト言語の特性を併せ持ったハイブリッド言語です。日本においてはまだ需要が少ないですが、IT企業やメディア系企業を中心に需要が高まってきています。Javaの後継言語になりうるという意見もあり、その将来性が期待されています。

関連記事:
Javaとは?概要や特徴、メリット・デメリットをわかりやすく解説
プログラマーの将来性と、今後需要が高まるスキル

Chatworkなどの著名なWebサービスで活用されている

Scalaの言語特性として、バグの少なさ、開発納期の短さ、機能の改善や変更が比較的容易である点が挙げられます。この特性が評価され、安定性が求められる大規模なサービスの開発や、変化の激しい業界でのスピードを求められる開発に活用されている事例がいくつかあります。

具体的な活用例としては、先述したチャットサービスの代表格である「Chatwork」、多くのエンジニアをユーザーに持つメディア「はてなブックマーク」などが挙げられます。

Scalaは国内では他の主要言語に比べて実績がやや少ないため、採用理由が気になるエンジニアも多いのではないでしょうか。ChatworkでScalaを採用した理由として、以下の情報がChatwork株式会社の開発ブログで公表されています。古めの記事ではありますが、現在にも共通する話です。

  • ・静的言語としての保守性とパフォーマンスの高さ

    ・動的言語からスイッチして成功した実績があること (twitter、dwangoなど)

    ・AWSはJava SDKが最も充実しており、ずっと利用したかった

    ・チャットのリアルタイム処理と相性がいい

    ・Javaのスキルセットを持つメンバーが何人かいた

    ・PHPエンジニアでも短時間(開発合宿中)でそれなりに書けるようになった


引用:Chatwork Creator's Note.

他にもインターネット広告のツール、求人媒体などの検索サービス、ゲームアプリなどの開発にも利用され始めており、需要は拡大する可能性があります。

PHPなど他言語からScalaへ移行する案件が増えてきている

他言語で開発された既存のサービスやシステムを、Scalaへと移行するケースが増えています。多くの場合その理由は、長年の技術的負債です。Scalaのシンプルで可読性の高いコード、バグの少なさなどといった、言語としての完成度の高さが、技術的負債を清算するのに適していると判断されています。

先ほど紹介したChatwork株式会社もPHPからScalaに移行した企業のひとつであり、今後もScalaによる開発が増えていく可能性があります。

Scalaの将来性を危惧する意見

Scalaはオワコンなのでしょうか?現時点では、将来性についてのネガティブな意見はごく一部です。強いて言えば、Scalaはオブジェクト指向と関数型プログラミングの両方の概念を理解していないと使いこなせないため、習得ハードルがやや高い言語であることが挙げられます。

このような観点からScalaをオワコン認定する意見も一部あるのも事実ですが、レバテックキャリアにおけるScala関連の公開求人は2024年2月19日時点で614件あることからも、今すぐ需要がなくなるということは考えづらいでしょう。

Scalaで実際にコードを書く方法とは

Scalaを使って単純なプログラムを書いてみましょう。

なお、Scalaの実行にはJDK(Java Development Kit)のインストールとsbt(スカラのビルドツール)のインストールが必要となります。詳しくは、Scalaサイトのこちらのページを参照ください。
下記のコードについては、JDK16.0.2、sbt1.9.8を用いて動作を確認しております。

JDKとsbtのインストール後、下記をコマンドラインから実行し、githubよりHello-worldテンプレートを取得しました。

>sbt new scala/hello-world.g8
[info] [launcher] getting org.scala-sbt sbt 1.9.8 (this may take some time)...
[info] [launcher] getting Scala 2.12.18 (for sbt)...
(中略)
A template to demonstrate a minimal Scala application
name [Hello World template]: Hello-Levtech
Template applied in C:\Users\XXX\.\hello-levtech

Hello Worldの実行方法

テンプレートの上記で作成されたテンプレートによるプロジェクトフォルダにsrc/Main.scalaが作られています。こちらを編集して利用します。書き換えを行い保存しましょう。Predefオブジェクトのprintlnメソッドを利用します。

object Main extends App {
println("Hello, Levtech!")
}


コマンドラインからsbtを起動します。

>sbt
(中略)
[info] started sbt server
sbt:hello-world>


コンパイルコマンドを実行します。

>compile
(中略)
[success] Total time: 13 s, completed 2024/02/20 9:50:58


実行してみます。

sbt:hello-world> ~run
[info] running Main
Hello, Levtech!
[success] Total time: 0 s, completed 2024/02/20 9:57:12
(後略)


期待される出力「Hello, Levtech!」がコンソールに出力されたことを確認できます。

簡単な計算プログラムの作成方法

Hello Worldと同様にsrc/Main.scalaを編集し、簡単な四則演算を行うプログラムを記述します。Scalaでは、Appを継承した処理から起動されるため、今回のテンプレートではMainから処理が起動されます。

object Main extends App {
//変数a
val a = 3
val b = 5
//加算
println(a + " + " + b + " = " + (a +b ))
//減算
println(a + " - " + b + " = " + (a - b))
//乗算
println(a + " * " + b + " = " + (a * b))
//除算
println(a + " / " + b + " = " + (a / b))
}


Main.scalaを編集したら保存します。今回は単純なテキストエディタで編集を行いましたが、文字コードはUTF-8で保存するように指定ください。
コンパイルを実行します。

> compile
[info] compiling 1 Scala source to C:\Users\XXX\hello-levtech\target\scala-2.13\classes ...
[warn] 4 deprecations (since 2.13.0); re-run with -deprecation for details
[warn] one warning found
[success] Total time: 1 s, completed 2024/02/20 10:13:14


プログラムを起動します。

> run
[info] running Main
3 + 5 = 8
3 - 5 = -2
3 * 5 = 15
3 / 5 = 0
[success] Total time: 0 s, completed 2024/02/20 10:13:20


なお、除算の結果が0となるのは整数値型として扱われているためで正常な動作です。変数の指定やキャストを行うことで小数点以下の演算結果も出力できます。

関数の使い方

関数を作成し、呼び出してみます。Scalaでは関数とメソッドのいずれも定義できますが、下記は関数の記載例となります。Main.scalaを下記のように編集して保存します。
「()」の中には引数を定義できます。下記の例では引数はなしとしています。また、「=>」の後ろには関数の返す値の式を定義します。下記の例では、"Test Called"という文字列を返り値としています。

object Main extends App {
//関数testの定義
val test = () => "Test Called"
println("Hello,Levtech!")
//関数の呼び出し
println(test())
}


コンパイルを行います。

> compile
(中略)
[success] Total time: 0 s, completed 2024/02/20 10:56:05


プログラムを実行します。

> run
[info] running Main
Hello,Levtech!
Test Called
[success] Total time: 0 s, completed 2024/02/20 10:56:08


関数が呼び出されたことが確認できます。

Scalaエンジニアとしての転職を成功させるための準備

Scalaエンジニアとして成功することを目指す場合、より確率を高めるために準備できることを紹介します。スキルを高めることと、スキルを示すことが主眼となります。

オブジェクト指向への理解を深める

Scalaという言語を利用する場合に活用したい特性が、オブジェクト指向および関数型の両プログラミングパラダイムに対応しているという点です。この二つのパラダイムは相反するものではなく、同時に成立しています。本当の意味でScalaを活用しきった開発を行うためには両者を有効活用できなくてはなりません。

オブジェクト指向、関数を引数に取れるというScalaの特性に理解を深め、利用シーンを見極められるようになっておくと、Scalaエンジニアとしての活躍に繋がります。

Scala入門者向けのおすすめ書籍

Scalaを学習する際におすすめの書籍をご紹介します。想定としては、プログラミング経験自体はあるが、Scalaは未経験という方です。

『実践Scala入門』(瀬良 和弘/水島 宏太/河内 崇/麻植 泰輔/青山 直紀、技術評論社 )
Scalaの基本文法、言語機能、ビルド、テストなど開発に必要な基本知識を網羅した内容になっています。実際に手を動かして開発することを想定して書かれた書籍なので、別の言語経験者が対象になっています。あくまで入門のため、概要を捉えるために利用し、詳細は下記の書籍などで学習するとよいでしょう。

『Scalaスケーラブルプログラミング 第4版』(Martin Odersky/Lex Spoon/Bill Venners/麻植 泰輔/立野 靖博/田所 駿佑、インプレス)
Scala言語そのものの開発者たちが執筆した書籍です。開発者の視点からScalaの機能について細かく解説されています。機能の使い方はもちろんなぜその機能を作ったのかという視点も入るので、Scalaを効率的に使いこなすスキルが身につくでしょう。

『Scala逆引きレシピ』(竹添 直樹/島本 多可子、翔泳社)
辞書的な使い方ができる書籍です。今の時代はネットで検索すれば必要な情報は入手できますが、書籍の方が体系的に解説されているというメリットがあります。逆引き用ですが、書籍をざっと見ていくことで、どのような処理ができるのか、どのように記述するのかを把握していく使い方もできます。少し発行年月は古いですが、サンプルを探して他で情報を補いながら利用するのにはよい書籍ではないでしょうか。

サーバーサイド開発などの実務経験を積んでおく

Scalaはサーバーサイド処理に適した言語です。Scalaエンジニアとして活躍する場合の多くは、サーバーサイドエンジニアとなることが想定されます。

可能であれば近い言語でサーバーサイド開発のプロジェクトに従事することで、Scalaエンジニアとして活躍するための経験を積むことができます。言語や開発分野が違うとしても、開発業務につき、プロジェクト推進や開発工程といったシステム開発に必要な考え方を経験しておくことが、Scalaエンジニアとしての成功にも必要です。

ポートフォリオを作成する

Scalaを使ったポートフォリオとなるプログラムを作成し、公開するといったアプローチも、その後の成功に繋がっています。Webサイトや各種のプログラムを作成し公開することで、プログラミングスキルを対外的に明示することが可能です。

ソースコード上には意図を持った記述を行い、単純に開発ができることに加えて、整理されたソースコードが作成できる、ルールに沿ったコーディングができる、設計能力の高さなども示せます。
GitHub、Qiitaなどを利用してソースコードの公開、情報の発信をしていれば、エンジニアとしての幅の広さを分かりやすく伝えることができます。

関連記事:
プログラマーのキャリアパスは?キャリアアップに必要なスキルも解説
女性プログラマーが増加している理由や働くメリットを解説

Scalaエンジニアの仕事に関するよくある質問

Scalaエンジニアの仕事や言語について、よくある質問とその回答をまとめました。キャリア選択の参考にご利用ください。

Q1. ScalaとJavaの違いは何ですか?

ScalaとJavaの違いは多数存在します。

大きな違いの一つとして、Scalaはオブジェクト指向と関数型の両方のプログラミングパラダイムに対応していることです。両者の特性を併せ持つことで、簡潔な記述と高い生産性や再利用性を実現しています。

また、プログラムの記法においても違いがあります。代表的な違いとしては、値型(Javaでは基本型)の型名記述において、Scalaでは「Int」と大文字で開始するのに対し、Javaでは「int」と小文字で開始することする点などが異なります。

Q2. Scalaの人気の理由は何ですか?

Scalaが人気の高い理由として、Javaとの互換性の高さがあげられます。

Javaの動作環境であるJVM上でScalaのプログラムを実行することが可能です。JVMのマルチプラットフォームである特徴をScalaも引き継いでいます。さらに、JVMではJavaのプログラムが動作し、Scalaのプログラムの中でJavaのライブラリを利用することができるため、Java資産を活かした生産性の高い開発が可能です。また、JVMを用いることによりマルチプラットフォームに対応していることもストロングポイントとなっています。

既存のJavaでできたシステムの置き換えで選択しやすい言語であることもメリットです。ScalaはコードがシンプルなためJavaよりもコードの記述量を少なくすることができたり、Javaの不足部分を補うコーディングが可能という特徴も強みです。

Q3. Scalaの難易度を教えてください。

ScalaはJavaの後継ともいわれている言語で、難易度は比較的高めです。 オブジェクト指向と関数型という二つのプログラミングパラダイムの理解が必須であることが習得難易度を高くしています。
難易度の高いプログラミング言語ですが、使いこなせるようになると、JavaやC#などより、柔軟にかつ簡潔にプログラミングできることが大きな魅力です。

まとめ

本記事では、Scalaの基礎知識から将来性まで幅広くご紹介してきました。

Scalaは長年IT業界を支えてきたJavaの後継言語であるとも言われており、しっかりとしたスキルや実務経験を積み重ねればエンジニアとしての活躍が期待できる言語です。学習難易度は高いですが、高単価案件が多いので年収アップを希望するエンジニアは習得を検討してみてはいかがでしょうか。

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