Scalaの将来性とは?需要状況や求められるスキルについて解説

最終更新日:2021年12月14日

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Scalaは、2003年にリリースされた比較的新しいプログラミング言語です。Webアプリケーションや業務系システムなど幅広い開発で活用されています。また、高年収につながる言語としても世界的に知られています。現時点では確かな支持を得ているScalaですが、将来性はどうなのでしょうか?この記事では、Scalaの需要状況や今後のニーズについて解説します。

1. Scalaとは

まず、Scalaの概要について解説します。

概要

Scalaとは、2003年にリリースされた、関数型プログラミングとオブジェクト指向双方に対応可能なハイブリッド言語です。
WebサイトやWebアプリケーション、スマホアプリ開発などに使われています。幅広い領域で使われているScalaですが、エンジニア人口が少ないことから市場価値が高い傾向にあります。Scalaは、Javaプラットフォーム上で動作し、Javaのプログラムと連携させることができます。

メリット

「簡単に使える」「短く書ける」「安全」「動作が速い」などが代表的なメリットです。
Javaとの互換性が高いことも大きなメリットといえます。以下、Javaとの互換性の例です。

・ScalaからJavaのメソッドを呼び出す
・JavaからScalaのメソッドを呼び出す
・Javaで書かれたクラスを継承する
・Scalaで書かれたクラスをJavaが継承する


Javaの開発プラットフォームとして有名なEclipse上での開発も可能という点も評価を得ています。このようなメリットから、Javaの次世代言語になり得るというという意見もあります。

日本ではまだ普及途中の言語であるため、現段階では体系的に学べるWebサイトやプログラミングスクールが少ないという難点はあります。ただし、2020年内にScala 3のリリースが予定されているなど、プログラミング言語として進化を続けており、国内の使用者人数も着実に増えています。

さらに、アジア最大級のScalaカンファレンス「ScalaMatsuri」も日本で開催されているなど、国内においても将来の活躍が期待されている言語だと言えるでしょう。
関連記事:【イベントレポート】アジア最大級のScalaカンファレンス「ScalaMatsuri 2020」

2. Scalaの転職市場状況

ここではScalaの転職事情について、レバテックキャリアが保有する公開求人情報をもとに解説します。

正社員の求人状況

2018年7月6日時点でのScalaの公開求人数は21件でした。Javaの求人数は205件であることから、まだまだ国内では求人数が少ない状況です。想定年収はスキルによって開きがありますが、300万円〜700万円程度の年収帯となっています。

将来性

Scalaのサーバーサイドでの高い性能を発揮できる特性から、大型の案件での採用例があがってきています。有名な例として、2008年からTwitterはそのプラットフォームにJVMを選択し、Scalaのプログラムを多数活用しています。また、国内では2014年にChatworkがシステムのアーキテクトをPHPからScalaに刷新しました。

このほかにもScalaのカンファレンスであるScalaMaturiのスポンサーにも、IT系の成長著しい企業が名を連ねており、言語としての今後の発展が求められていることがわかります。今後もScalaエンジニアが高い性能を求められるシーンで必要とされることが想定できます。(※3)

現状、Scalaエンジニアの絶対数は足りているとはいえず、Scala未経験でもJavaの経験があれば挑戦できる現場も多いようです。Scalaエンジニアとして活躍することを考えると、ScalaとJavaの両方ができれば安定した需要のあるJavaと高収入の望めるScalaの求人に対応が可能で望ましい状況といえるでしょう。

※3 ScalaMaturi「スポンサー」(2021/08/09アクセス)
関連記事
【イベントレポート】アジア最大級のScalaカンファレンス「ScalaMatsuri 2020」

求められるスキル

Scalaエンジニアとして転職する場合に必要、重要視されるスキル・経験について説明します。

Scalaでのプログラミングスキル

Scalaエンジニアとしての転職を行う場合、Scalaの基本文法とベースとなる考え方は学んでおく必要があります。Javaに記法は近く、Scalaは習得難易度が非常に高い言語であるため、Javaエンジニアの経験があれば詳細な技術習得は入社後でも可能という企業、転職求人も存在します。

特にScalaを採用する現場では、Scala以外にもJava、C#、C++、GOなどマルチな言語を利用していることが多く、新たな言語習得が苦にならないという適正が必要です。

JVM言語での開発経験

ScalaはJavaの稼働環境であるJVM(Java仮想マシン)で動作します。JVMで稼働する言語は、バイトコードという中間言語にコンパイルし、その後実行時に再度解釈を行って稼働する形式を取ります。このコンパイル形式によりもたらされるメリットとして、一度書いたプログラムはOSなどのプラットフォームに依然せず、マルチな環境で稼働させることが可能です。

Scalaもこのメリットを活かした利用が可能な言語であり、JavaおよびGroovy、Kotlinなどのバイトコードを生成する言語での開発経験があれば、同様の考え方を活用することができます。

Javaの知識とScalaへの変換スキル

前述したとおり、ScalaはJavaの後継ともいわれる言語です。基本的な記述方法はJavaに似通っており、ライブラリも引用可能です。ただし、Scalaは非常に少ない行数でJavaと同じ処理を実装でき、開発コストや処理時間を圧縮できるという特長があります。

したがって、Javaの文法を念頭に置きながらScalaを使ってソースコードの判読性やシンプルさをより高めるスキルが求められます。

さらには他言語への変換という点では別の選択肢も生まれてきています。Scala.jsを利用することでScalaのプログラムをJavaScriptにトランスパイルすることも可能です。JavaScriptの各種ライブラリにも対応しており、Scalaでのフロントエンド開発が可能となります。Scala.jsを利用できるようになれば、よりWeb開発への適用範囲を広げることができます。

フレームワークを扱うスキル

Webアプリケーション開発では、生産性の向上と品質の確保を目的として、フレームワークを採用することが一般的です。Scalaでは「Play」「Spring Boot」といったフレームワークに人気があります。この2つのフレームワークはJavaで使用されており、多くの実績と情報があります。また、RubyのWebフレームワークSinatraに似せて作られたScalatraも利用数が増えてきています。

利用シーンの多い有用なフレームワークの出現に合わせ、フレームワークを学習して利用するスキルを有していることが必要となります。

そのほかの評価されやすい経験

Scalaが採用される現場では、必要性に応じて難易度が高くとも適性のある言語を選択しているといえます。これは、総合的なエンジニアとしてのスキルが要求される現場であるとも言い換えられます。

Scalaに限らず、他の言語のプロジェクトでも下記のような経験がある場合には評価の対象となります。
 

  • ・Webアプリケーション設計、開発の経験

    ・チームリーダーやプロジェクトリーダーなどチームのリーダー経験

    ・上流工程(要件定義、基本設計)の経験

フリーランスの需要

Scalaを扱えるエンジニアは高単価が提示されやすい傾向がありますので、フリーランスという選択肢も検討すると良いでしょう。求められるスキルは、正社員・フリーランス共通です。

フリーランスエンジニア向け案件提案サービス・レバテックフリーランスの案件情報を見てみると、月単価は70万円から90万円程度と、他言語と比較しても非常に高単価です。フリーランスであれば、1,000万円近い年収を実現することも可能です。

ここでは国内の需要について解説しましたが、アメリカでは平均年収が10万ドル以上という調査結果もあり、年収は非常に高い傾向にあります。英語ができるのであれば、Scalaエンジニアとして海外で働くという選択肢もあります。

年収例

実際のScalaエンジニアの案件をもとに事例を紹介します。

IoT機器開発企業

顧客業務を見つめなおし、問題点を探して、IoTを用いて改善を図ることが主たる業務です。あらゆるIoT機器を案件に合わせて提案し、検証(PoC)、構築を行い、その先の収集したデータの分析・活用までを行うシステムインテグレーターが求められています。ScalaをはじめTypeScript、C++など案件にフィットする言語を柔軟に選択しています。


年収例


430万円~850万円
サーバーサイド、フロントエンド、クラウドを用いた環境構築までが可能なエンジニアが対象です。さらに、要件定義から設計、開発、環境構築、テストまで幅広くできるエンジニアは給与面でも優遇されます。

データプラットフォーム・機械学習システム開発企業

専用のWeb検索エンジンによる広告運用プラットフォームの開発を行います。Webベースでのシステム構築で、サーバーサイドの言語としてScala、Javaを採用しています。大規模データに対する分散並列処理がバックエンドに存在しており、Scalaの言語特性を活用している現場となります。


年収例
 

500~1000万円
スクラムによるチーム開発を行うエンジニアが対象となります。マネージャーなどのポジションを勤める場合には、給与面にも反映されます。

Scalaで転職を成功させるために準備しておくこと

Scalaエンジニアとして成功することを目指す場合、より確率を高めるために準備できることを紹介します。
オブジェクト指向への理解を深める

Scalaという言語を利用する場合に活用したい特性が、オブジェクト指向および関数型の両プログラミングパラダイムを持つという点です。この二つのパラダイムは相反するものではなく、同時に成立しています。本当の意味でScalaを活用しきった開発を行うためには両者を有効活用できなくてはなりません。

オブジェクト指向、関数を引数に取れるというScalaの特性に理解を深め、利用シーンを見極められるようになっておくと、Scalaエンジニアとしての活躍に繋がります。

サーバーサイド開発などの実務経験を積んでおく

Scalaはサーバーサイド処理に適した言語です。Scalaエンジニアとして活躍する場合の多くは、サーバーサイドエンジニアとなることが想定されます。

可能であれば近い言語でサーバーサイド開発のプロジェクトに従事することで、Scalaエンジニアとして活躍するための経験を積むことができます。言語や開発分野が違うとしても、開発業務につき、プロジェクト推進や開発工程といったシステム開発に必要な考え方を経験しておくことが、Scalaエンジニアとしての成功にも必要です。

ポートフォリオを作成する

Scalaを使ったポートフォリオとなるプログラムを作成し、公開するといったアプローチも、その後の成功に繋がっています。Webサイトや各種のプログラムを作成し公開することで、プログラミングスキルを対外的に明示することが可能です。ソースコード上には意図を持った記述を行い、単純に開発ができることに加えて、整理されたソースコードが作成できる、ルールに沿ったコーディングができる、設計能力の高さなども示せます。

GitHubQiitaなどを利用してソースコードの公開、情報の発信をしていれば、エンジニアとしての幅の広さを分かりやすく伝えることができます。

 

3. 国内におけるScalaの将来性に対する意見

Scalaは日本国内ではそこまで案件が多くないのが実情です。しかし、PHPからScalaに移行する企業が出てくるなど、普及の兆しが出始めています。ここでは国内におけるScalaの将来性に対する意見を紹介します。

Javaに変わる次世代言語として期待が高い

ScalaはJavaとの互換性を持ち、関数型言語やスクリプト言語の特性を併せ持ったハイブリッド言語です。日本においてはまだ需要が少ないですが、IT企業やメディア系企業を中心に需要が高まってきています。Javaの後継言語になりうるという意見もあり、その将来性が期待されています。

ChatWorkなどの著名なWEBサービスで活用されている

Scalaの言語特性として、バグの少なさ、開発納期の短さ、機能の改善や変更が比較的容易である点が挙げられます。この特性が評価され、安定性が求められる大規模なサービスの開発や、変化の激しい業界でのスピードを求められる開発に活用されている事例がいくつかあります。

具体的な活用例としては、先述したチャットサービスの代表格である「ChatWork」、多くのエンジニアをユーザーに持つメディア「はてなブックマーク」などが挙げられます。

Scalaは国内では実績が少ないため、採用理由が気になるエンジニアも多いのではないでしょうか。ChatWorkでScalaを採用した理由として、以下の情報がChatWork株式会社の開発ブログで公表されています。

“・静的言語としての保守性とパフォーマンスの高さ (IDEもイケてる)
・動的言語からスイッチして成功した実績があること (twitter、dwangoなど)
・AWSはJava SDKが最も充実しており、ずっと利用したかった
・チャットのリアルタイム処理と相性がいい (akka素敵)
・Javaのスキルセットを持つメンバーが何人かいた
・PHPエンジニアでも短時間(開発合宿中)でそれなりに書けるようになった“

参照:ChatWork Creator's Note. http://c-note.chatwork.com/post/91805620020/chatwork-meets-scala(2018-7-20)

他にもインターネット広告のツール、求人媒体などの検索サービス、ゲームアプリなどの開発にも利用され始めており、需要は拡大する可能性があります。

PHPなど他言語からScalaへ移行する案件が増えてきている

他言語で開発された既存のサービスやシステムを、Scalaへと移行するケースが増えてきています。多くの場合その理由は、長年の技術的負債です。Scalaのシンプルで可読性の高いコード、バグの少なさなどといった、言語としての完成度の高さが、技術的負債を清算するのに適していると判断されています。

先ほど紹介したChatWork株式会社もPHPからScalaに移行した企業のひとつであり、今後もScalaによる開発が増えていく可能性があります。

4. Scalaの将来性を危惧する意見

ここでは、Scalaの将来性を危惧する意見について解説します。
現時点では、将来性についてのネガティブ意見はほとんど見当たりません。強いて言えば、Scalaはオブジェクト指向と関数型プログラミングの両方の概念を理解していないと使いこなせないため、習得ハードルがやや高い言語であることが挙げられます。このような観点から普及が進まないのではないかと将来性を危惧する意見も一部あります。

5. まとめ

この記事ではScalaの基礎知識から将来性まで幅広くご紹介してきました。Scalaは長年IT業界を支えてきたJavaの後継言語であるとも言われており、しっかりとしたスキルや実務経験を積み重ねればエンジニアとしての活躍が期待できるでしょう。学習難易度は高いですが、高単価案件が多いので年収アップを希望するエンジニアは習得を検討してみてはいかがでしょうか。

6. ScalaエンジニアについてのFAQ

Q1. Scalaはこれからも需要がありますか?

ScalaはJavaとの互換性があることに加え、関数型言語やスクリプト言語の特性も併せ持っています。日本では決して需要が高いプログラミング言語とは言えませんが、一部のITベンチャーやスタートアップを中心に需要が高まりつつあり、今後の将来性が期待されています。

Q2. Scalaエンジニアの年収レンジを教えてください。

レバテックキャリアにおけるScalaエンジニアの年収レンジは300〜700万円程度となっています。Javaと比較しても求人件数は少なく、年収レンジにも大きな開きが見られます。米国でのScalaエンジニアの平均年収は10万ドル以上という調査結果もあることから、日本でのScalaエンジニアの年収も今後上昇していく可能性はあります。

Q3. Scalaは主にどんな開発に使われますか?

ScalaはさまざまなWebサービスの開発にも使われており、特にビジネス向けチャットサービス大手の「ChatWork」が有名です。チャットに不可欠なリアルタイム性のある処理に適しており、PHPからScalaへ移行しています。

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