Javaエンジニアの仕事内容とは?必要な知識や資格を解説

最終更新日:2024年4月23日

Javaは、世界中に数百万の開発者を持ち、510億以上の稼働環境が動作しているプログラミング言語、開発プラットフォームです(開発元のORACLEによる数字)。オブジェクト指向の採用やJVMによるマルチプラットフォームへの対応、汎用性の高さや大規模開発に適した構造化などの特徴を持ちます。

本記事ではJavaを利用してアプリケーション開発を行うJavaエンジニアについて、仕事内容や役立つ資格、需要と将来性などについて記載します。言語の習得とJavaエンジニアへのキャリアパスを検討する材料としていただければ幸いです。

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この記事のまとめ

  • Javaは汎用性が高く、大規模開発にも適したプログラミング言語で、オブジェクト指向の採用やマルチプラットフォームへの対応などの特徴がある
  • Javaは汎用性の高さから利用範囲も広く、既存ITシステムが多数あるため改修やメンテナンスの需要も見込め、Javaエンジニアの需要は高い
  • 大規模開発に向いたプログラミング言語の対抗馬が出てきていないため、Javaエンジニアの将来性は高い

Javaエンジニアの仕事内容

JavaエンジニアはJava言語を用いて各種のソフトウェアの設計・開発や運用保守などを担当する職種です。本項では、Javaエンジニアが携わることの多い開発対象について紹介します。

なお、Javaは汎用性の高さを特徴としており、下記以外の分野でも利用されるケースもあります。

ITシステム開発(基幹システムなど)

Javaエンジニアは、各種のITシステム開発において一般的なITエンジニア、プログラマーと同様に、SEからの指示を受けて主に「詳細設計」及び「コーディング」「テスト」を担当します。なお、業務範囲はプロジェクトにより変わる事があります。

詳細設計は、プログラムの具体的な振る舞いや動作などの仕様を、実際にコーディングできるレベルまで細分化・具体化する工程です。基本設計では、要件定義の内容から仕様の大枠を定めますが、詳細設計では、それを具体的なソースコードに落とし込むための文書を作成します。この詳細設計書には、ソースコードの構成や処理の流れ、変数や関数の定義などが含まれます。

一方、「コーディング」とは、プログラミング言語を使用して、ソフトウェアの実装を行う作業です。プログラミング言語が動作するコンピュータは、人間の言葉を理解できません。そのため、Javaエンジニアはソースコードを使って命令や指示を書き込みます。コーディングにおいては、細かな文法ルールに沿ったコードを書くことが求められます。

コーディングが完了したプログラムが仕様通りに動作するか確認する作業が「テスト」です。Javaエンジニアが行った詳細設計、コーディングの成果をテストを実施することにより確認する工程です。

Webサービス、アプリ開発

JavaはWebサービス・アプリ開発にも用いられています。特にサーバーサイドと呼ばれる利用者の目に見えない処理分野においては、Javaの堅牢性、実行速度が評価されてよく利用されます。また、汎用性の高さからスマートフォン・PC・タブレットと、複数のデバイスで動作するアプリも構築可能です。

組み込み系開発

現在は、Webのイメージが強いJavaですが、その原点は家電製品向けの組み込み言語です。安定した動作とマルチプラットフォームという特徴を活かし、家電製品・デジタルデバイスなどのマイコン(小型コンピュータ)向け組み込み用言語としても活用されています。

クレジットカードのICチップ内のソフトウェア実装

Javaエンジニアにとって近年重要な領域となっているのが、クレジットカードなどのICチップです。各種カードのICチップ内には、偽造防止のためのさまざまな情報が含まれており、その内部にはJavaによる処理が実装されています。

そもそもJavaとはどのようなプログラミング言語なのか

Javaというプログラミング言語はどのような特徴を持ち、どのようなシーンで活用されているのでしょうか。

Javaの言語としての特徴とJavaでできること、混同されがちなJavaScriptとの違いについて紹介します。

Javaの特徴

Javaを他のプログラミング言語と比較した場合の特徴について紹介します。これらの特徴は、システムやアプリケーション開発時にJavaを採用する理由となります。

汎用性が高い

Javaの大きな特徴にあげられるのが、様々な用途で利用できる汎用性の高さです。各プログラミング言語では、Webやスマホアプリなど特化した開発領域を持つことが多いのですが、JavaはWeb、スマホアプリ、デスクトップアプリ、コマンドラインアプリ、バッチ、APIなど幅広い領域に活用できます。そのためのライブラリが充実していることも、この特徴を支えています。

マルチプラットフォームへの対応

Javaは動作環境にJVMを利用した仕組みを持つことで、一度記述してコンパイルしたファイルを様々な環境で動作させることができます。多くのプログラミング言語は、コードの記述やコンパイルして作成した実行モジュールに、ハードウェアやOSなどに関する依存が存在しています。Javaはコンパイラにより中間言語を生成し、中間言語を実行時に翻訳して機械語にすることで、コンパイラ言語の実行速度とマルチプラットフォームでの稼働を両立しています。

オブジェクト指向を採用している

Javaはプログラミングパラダイムとしてオブジェクト指向を採用しています。オブジェクト指向はプログラムで表現するモノを中心として設計、プログラミングするという考え方です。手続き型言語よりも後に登場し、今日まで幅広いプログラミング言語で採用されています。

オブジェクト指向に基づいて作られたプログラムは、モジュールの分割・部品化がしやすく、再利用性が高いため大規模なソフトウェア開発で好まれます。

コンパイラ言語のなかでは比較的難易度が低い

現在主流なプログラミング言語を大きく分類すると、コンパイラ言語とインタプリタ言語(またはスクリプト言語)に分かれます。

コンパイラ言語は、プログラムを実行する前にコンピュータが理解しやすい言語への翻訳を行う「コンパイル」の実施を行う必要があります。その分、コンパイラ言語は処理速度の速さやメモリ管理を詳細に行うことができるメリットがあるのですが、プログラムそのものはインタプリタ言語(やスクリプト言語)よりも記述量が多く難解になりやすいとされています。

Javaはコンパイラ言語ですが、メモリ管理は基本的に開発者が意識する必要が無いような仕組みが用意されています。C言語やC++などと比べると、プログラミング言語としての難易度は低いといえます。

フレームワークが充実している

JavaにはWebアプリケーション開発などに向けたフレームワークやライブラリが充実しているという特徴もあります。Javaは関連団体によるエコシステムが発達しており、様々なフレームワークやライブラリが生み出されてきました。

フレームワークとは、アプリケーション開発の骨組み・ひな形ともいわれ、Webアプリケーションの画面遷移など一定の機能をすでにできた状態で提供してくれます。開発の生産性と品質向上に役立つため、多くのプロジェクトでフレームワークを活用した開発が行われています。

JavaのWebアプリケーションフレームワークでは、「Spring」「JSF」「Play」などが人気があります。

Javaでできること

Javaをプログラミング言語として利用した際に、開発可能なソフトウェアの例について紹介します。汎用性の高さから、幅広い領域で活用されており、その部品が別の開発で利用できることも大きな魅力です。

業務システム開発

企業や組織で業務を効率的に行うために導入する業務システムの作成に、Javaが採用されることは少なくありません。

生産、販売、在庫管理や人事給与、財務会計などの基幹系システム、部門ごとに利用されている業務系システムなど実現したい内容は様々です。Javaの汎用性の高さからこの広いニーズに対応できることが採用の一つの理由です。多くの実績を持ち安定性が評価されていることも開発言語として採用される理由となっています。

また、これらの業務システムでは開発規模が大きくなることも多く、その際にはオブジェクト指向によりモジュール分割がしやすいJavaの特徴が役立ちます。

Webアプリ開発

Webアプリケーションの開発においてもJavaは利用されています。主にサーバーサイド処理で利用され、ユーザーには見えないデータの検索や登録、業務ロジックなどを行います。ブラウザなどのクライアントサイドと連携する処理です。

Androidアプリ開発

スマートフォンなどで利用されるOS「Android」向けのアプリ開発にも、Javaが利用されています。早い時期からAndroidアプリ開発のプラットフォームとしてAndroid Studioが提供されており、Androidアプリ開発の定番環境となっています。

家電製品などの組み込み開発

エアコンや炊飯器、冷蔵庫、電気ポットなどあらゆる家電製品に小型のコンピュータ(マイコン)が搭載されており、そのコンピュータ上で動作するプログラムを組み込みプログラムと呼びます。組み込み開発では、デバイスに直接アクセスするプログラムを作成し、なおかつ安定した稼働が必須です。この組み込み開発でもJavaが選択されることがあります。

デスクトップアプリの開発

PC上で動作するデスクトップアプリの開発もJavaエンジニアの仕事の一つです。Windowsをはじめ業務でのPCの利用は現在も盛んであり、効率化や生産性向上などを目的としたデスクトップアプリ開発は需要のある分野です。

JavaScriptとの違い

JavaとJavaScriptは名前は似ていますが、まったく別のプログラミング言語です。

Javaはコンパイラ言語で、JVMというJavaの動作環境を持ちます。一方のJavaScriptはもともとWebブラウザ上でHTMLを動的に制御する目的で作成されており、スクリプト言語に分類されます。

Javaのほうが歴史が古く、JavaScriptの開発時に「Javaのような表記」とすることを目指したためJavaScriptという名称がつけられたとされています。その後は、それぞれ独自に発展、拡張が進んだためコードの記述も大幅に違うものとなっています。

Javaは汎用的なプログラミング言語でWebのサーバーサイドやデスクトップアプリ、スマホのネイティブアプリなどに向けた開発が可能です。JavaScriptは主にブラウザ上で動作し、HTMLやCSSと合わせてWebのクライアントサイドの開発に主に利用されます。この利用環境が大きな違いです。

また、近年ではJavaScriptも領域を広げており、フレームワークの利用によりWebのサーバーサイドやスマホアプリ開発にも利用されることもあります。

Javaが利用されている身近なサービス・製品例

身近なサービスや製品でもJavaは利用されています。Androidスマートフォン向けアプリの他にも下記の例があげられます。

Blu-rayプレイヤー

基本的に全てのBlu-ray DiscプレイヤーにはJavaが搭載されています。BD-J(Blu-ray Disc Java)はBlu-ray Discにおける対話型のコンテンツ向けの基盤として採用されており、非常に身近で多くの機器で利用されている例といえます。

CG

Javaを用いてCG(Computer Graphics)を描くことも可能です。2D、3DのCGも、それぞれに対応したライブラリを用いて描画できます。また、CGを連続させることでアニメーション作成やゲームの開発にも活用できます。

ICカード

Javaはクレジットカードや電子マネーなどに利用されるICカードの分野でも利用されています。

Javaカードと呼ばれる製品は、ICカード上にCPUとメモリを搭載し、Javaの動作する環境を構築、 Javaのアプリケーションを動作させることが可能です。このJavaカード上のアプリケーションは追加や削除も可能な製品もあります。

2017年時点で世界中で60億以上のJavaCardが利用されていると見積もられており、利用分野の拡大も見込まれています。

経験により収入アップを目指せるJavaエンジニアの仕事内容

Javaエンジニアはどのような経験を積めば、さらに収入をアップさせられるでしょうか。

ここではJavaエンジニアとしてステップアップするために経験しておきたい業務について解説します。

関連記事:
未経験からJavaエンジニアに転職・就職する方法
Javaの将来性は?需要が高い理由や平均年収も紹介

基本設計などの上流工程

Javaエンジニアのキャリアは詳細設計や開発、テストなどの下流工程から始まることが一般的です。ステップアップ先として、上流工程を担当することを多くのエンジニアが目指します。

上流工程とは、要件定義や基本設計などシステム開発における前半に行われる工程です。上流工程に携わりスキルを身につけ、経験を積むことで、収入アップを目指すことができます。

上流工程では、顧客からの要望や問題点を把握し、それを解決するためのアプリケーションの要件定義や設計を行います。

アジャイル開発

アジャイル開発は、Webサービスなどの構築において多くの企業で採用されている開発手法の一つです。アジャイル開発の仕事を経験し、対応するノウハウを持つことも収入アップにつなげることが可能です。開発の中心的な役割を担い、チーム全体の開発進捗管理や品質管理などが行えるようになると評価に繋がります。

アジャイル開発とは、ソフトウェア開発の手法の1つであり、柔軟性や迅速性を重視した開発プロセスを指します。アジャイル開発では、長期間の計画や詳細な設計を行うのではなく、小さな単位で短い期間での開発サイクルを繰り返し、柔軟かつ迅速に開発を進めることが特徴です。

フロントエンド(画面側)の開発

Web開発のプロジェクトにおいて、Javaエンジニアが担当する主な仕事はサーバーサイドの開発です。しかし、Webアプリケーションにおいては、フロントエンド(画面側)の開発も欠かせません。

フロントエンド開発は、ユーザーインターフェース(UI)やユーザーエクスペリエンス(UX)を設計し、実際にUIを構築するための開発プロセスです。具体的には、HTML、CSS、JavaScriptなどのWeb技術を使用して、ユーザーが直接触れるUI部分を実装します。

JavaエンジニアでWebのサーバーサイド開発をメインとしている場合には、フロントエンド(クライアントサイド)のスキル習得は仕事の幅を広げて高い収入を得ることにつながります。

インフラの構築・保守

Javaエンジニアは、アプリケーションが動作するインフラの構築や保守のスキルを持つことで業務の幅を広げることができます。具体的には、サーバーやデータベースの設定や監視、問題の解決などが含まれます。

インフラの構築・保守とは、コンピューターシステムやネットワーク、サーバーなどの基盤となるインフラストラクチャの設計・構築・運用・保守・管理を行うことを指します。主に、ITシステムがスムーズに動作するように、セキュリティを維持し、障害や災害時には迅速に復旧するための業務を担当します。

Webデザイン

Javaエンジニアはプログラミングの専門家であり、Webデザインに特化したスキルを持っているとは限りません。ただし、JavaエンジニアがWebアプリケーションを開発する場合には、一定のWebデザインの知識が必要となる場合があります。


  • ・WebアプリケーションのUI/UXの改善

    ・Webアプリケーションのデザインの一部を担当する

    ・Webアプリケーションのフロントエンドの開発


このように、JavaエンジニアがWebデザインに関する業務を担当する場合には、主にUI/UXの改善、デザインの一部の担当、フロントエンドの開発などが挙げられます。ただし、これらの作業に必要なスキルは、Javaエンジニアの専門分野ではないため、専門のWebデザイナーと協力して業務を進めることが一般的です。

未経験でJavaエンジニアに転職できる?

プログラミングやIT業界未経験でJavaエンジニアになることはできるのでしょうか。Javaエンジニアの市場は大きく、その中には未経験者歓迎となっている求人も確かに存在しています。

まず、新卒からJavaエンジニアを目指す場合であれば、問題なく多くの求人募集を見つけることができるでしょう。未経験者に向けて充実した研修制度を用意して採用している企業も多くあります。人材不足が大きな課題となっているIT業界ですので、積極的に採用に動いているところです。

IT以外の業界からの転職の場合、新卒に比べれば未経験者歓迎の求人の数は減ります。減りはしますが求人は存在するという状況です。またこの場合は、Javaを用いた業務自体は未経験でも、自分で一定のスキル習得に向けた取り組みをすることが前提条件となります。他にも、第二新卒をターゲットとした求人パターンもあります。

関連記事:未経験からJavaエンジニアに転職・就職する方法

Javaエンジニアの仕事に必要な知識

Javaエンジニアとして働く場合に、必要となる技術的な知識について説明します。Java言語を中心に、その周辺で利用されるフレームワーク、データベース、ツールやテスト業務などのスキルと知識が該当します。

Java言語の知識

Javaエンジニアにとって、Java言語の知識は最も基本的で重要なものです。Java言語の構文や基本機能、オブジェクト指向プログラミングの概念などを理解することが必要です。これらの知識は、開発したいアプリケーションやシステムを効率的かつ正確に実装するために欠かせません。

Webアプリ開発に関する知識

近年のシステムやアプリケーション、サービス開発で積極的に採用されているのがWebという仕組みです。JavaはWebにも対応しており、Webシステムのサーバーサイドアプリとして活用されることも少なくありません。

JavaでWebの開発を行う場合には、Javaの基礎的な知識に加えて、Webに向けたJava ServletおよびJava Server Pages(JSP)などの技術に関する知識も必要となります。

Java Servlet

Java ServletはWebのサーバーサイドアプリケーションおよび仕組みです。Webサーバーアプリを構築するための部品がライブラリとして提供されており、JavaのWebアプリ開発では基礎的な要素となります。

Java Server Pages(JSP)

Java Server PagesはJSPとも呼ばれ、Javaを使ってHTMLでできたWebページを動的に生成する仕組みです。JavaServletと組み合わせて、JavaによるWeb開発の基本的な仕組みとしてあげられます。

フレームワークの知識

Javaエンジニアにとって、フレームワークの知識は重要なスキルの1つです。フレームワークを使うことで、開発を効率化し、高品質かつ保守性の高いアプリケーションを作ることができます。

フレームワークは多種多様なものがあり、Spring FrameworkやHibernate、Strutsなどがその代表的なものです。フレームワークのトレンドは常に変化しており、新しいものが生まれたり、古いものが使われなくなったりします。常に最新の情報にアンテナを張っておきましょう。

また、フレームワークを使う際には、そのフレームワークの設計思想や使い方を理解することが重要です。フレームワークが提供する機能を使いこなせれば、格段に開発効率を高めることができます。

データベースの知識

Javaエンジニアは、アプリケーションのデータの永続化やデータの取り扱いをすることが多いため、データベースの知識が不可欠です。データベースの設計や最適化、データベースアクセスのプログラミング、SQLの知識などが求められます。さらに、データの分析や可視化に必要な知識も重要です。

近年ではNoSQLデータベースが注目されています。NoSQLデータベースは、リレーショナルデータベースに比べて柔軟でスケーラブルなデータ処理が可能です。JavaエンジニアがNoSQLデータベースに精通していることは、求人市場でも価値が高く評価されています。

統合開発環境など開発ツールの知識

Javaエンジニアにとって、開発ツールについての知識や利用スキルはプロジェクトの推進スピードや品質に大きく影響します。

統合開発環境としてはEclipseが多く使われています。それ以外にも、著名な統合開発環境としてIntelliJ IDEAやNetBeansなどがあります。それぞれの開発環境には特徴があり、自分に合ったものを選ぶことが重要です。また、これらのツールの設定やカスタマイズも重要であり、細かな設定を知っていることで開発効率を高めることができます。

バージョン管理ツールとしては、Gitが最も広く使われています。また、GitHubやGitLabといったクラウドベースのリポジトリホスティングサービスを使うことで、複数人での開発をより効率的かつシームレスに行うことができます。

テスト自動化の知識

Javaエンジニアは、アプリケーションの品質を担保するために、テストも実施します。その際、手動テストだけではなく、テスト自動化の知識が必要になります。Javaの単体テストを自動化するツールとしてJUnitが多く利用されています。また、WebのテストではSeleniumなどの知識があるとよいでしょう。

Javaエンジニアになるメリット・デメリット

ITエンジニアとして、Javaのスキルを身に着けることには、下記のメリット・デメリットがあります。習得する言語としてJavaを選択するかどうかの検討材料としてください。

Javaエンジニアになるメリット

ITエンジニアが、Javaを習得するメリットには下記があげられます。汎用性の高さ、大規模開発への適性が評価され利用が普及し、その後にもOracle社などにより開発が続けられていることなどが大きなポイントです。

汎用性が高くさまざまな開発に携われる

Javaは汎用的なプログラミング言語です。Web、コマンドライン、デスクトップ、スマホアプリ、組み込みアプリなど様々な用途で利用されます。Javaという言語を身に着けることで、これらの全ての開発に対応が可能となります。

基幹システム構築に用いることが多く大規模な開発に携われる

Javaはオブジェクト指向というプログラミングパラダイムを採用しています。このオブジェクト指向ではオブジェクト(クラス)という単位でプログラムを作り、オブジェクトを組み合わせて期待する動作を実現します。

このオブジェクト単位で構造が分かれていることにより、大規模なプロジェクトでの開発範囲を分けた開発に適している特性があります。モジュールの独立性、再利用性が高いため現在でも大規模開発で採用される理由となっています。

また、登場から期間が経過し、安定した動作に対して信頼性が高いことも大規模開発でされやすい理由の一つです。

世界的に普及していて就職・転職市場需要が安定している

Javaは世界中で普及しているプログラミング言語です。現在の開発元のORACLE社によると、世界中に数百万の開発者を持ち、510億以上の稼働環境が動作しているプログラミング言語、開発プラットフォームとされています。

レバテックキャリアでも2024年3月19日時点でスキルに言語「Java」を指定して検索すると、7,058件(募集中2,685件)の転職・求人情報が見つかりました。これは、言語別に件数を見た場合、全てのプログラミング言語の中で一位の件数です。就職・転職においてもJavaエンジニアの需要が高いことを示すデータといえます。

Javaエンジニアの求人・転職情報>

Javaエンジニアになるデメリット

他の言語と比較して、Javaの習得を目指す場合のデメリットには、以下があげられます。概して、未経験から独学で習得するには難易度が高いといえるでしょう。

文法や構造が複雑で作業が膨大になりがち

Javaは他の言語と比較して、プログラミングの記述文法がやや複雑といわれています。また、型の指定などでも厳格な方です。最初に学習する際には、多少のハードルとなる場合があります。

また、オブジェクト指向を採用しているため、プログラムの構造が複雑で、作業が膨大になる場合もあります。これは、メリットの裏返しともいえます。

プログラミング初心者には習得の難易度が高い

上記の文法や構造の複雑さ、汎用的であることにより知識の範囲が多岐に渡ること、フレームワークやライブラリが膨大で利用に迷うことなどが原因となり、Javaは初心者にとって習得難易度が高いといわれています。

これらを整理しながら学びJavaエンジニアになるには、書籍やスクール、オンラインの教材などを活用して体系的に知識を学ぶことが必要となります。この点が、Javaエンジニアを目指す場合にはデメリットとなってしまうこともあります。

関連記事:
Javaエンジニアが転職するときの4つのポイント|求人例も紹介
Javaとは?特徴や学習方法などをわかりやすく解説

Javaを習得するための勉強方法

Javaを身に着ける場合には、まずはPCにJavaのJDK Development Kit(ソフトウェア開発キット。実行環境を含む)用意し、そこでプログラムを作成して動かすのが何よりの学習方法です。

JavaのSDKと実行環境はORACLEのサイトより無償でダウンロード、利用することが可能です。2024年3月19日時点ではJDK Development Kit 21.0.2が提供されています。

それに加えて、体系的にJavaの知識を身に着けるために、下記の方法を組み合わせて利用しましょう。

学習サイトを利用する

Javaは非常に普及している言語です。日本語だけでも学習サイトが多数存在しています。ブラウザ上でコーディングできるサイトや動画で学習するサイト、画像とテキストで学習するサイトなどの種類があります。無料のものもありますので、試してみて自分に合うものを探しましょう。

プログラミングスクールへ通う

各種のプログラミングスクールを利用して学ぶのも効率的な方法です。

一人でプログラミングを学習する際に陥りがちなのが、つまづきやトラブルでの挫折です。プログラミングスクールを利用することで、トラブル発生時も講師や他の受講生との連携で解決でき、継続的な学習につながります。

入門本で基礎を身に着け、学習内容の補足も行う

書籍を利用するのも一つの有効な方法です。書籍は入門レベルからハイレベルなものまで幅広く存在するため、レベル感の合うものを利用しましょう。入門レベルの書籍で基礎を身に着け、その後発展的な内容の書籍にうつります。書籍内に書いてあるコードを、実際にPC上で書いてみて動作させながら学習すると理解が深まります。

Javaエンジニアになるために有効な資格

Javaエンジニア向けの資格として、メジャーなものを紹介します。必須ではありませんが、Javaに関する一定のスキルを示すことが可能です。

関連記事:Java資格の最新一覧と各試験の難易度やおすすめの書籍を紹介

Oracle Java認定資格

現在、Javaの開発元となっているのがORACLE社です。このORACLE社のOracle Universityが主催する「Oracle Javaトレーニング/認定資格」試験は、Javaエンジニアにとってもっともスタンダードな資格といえるでしょう。

難易度別に3つのランク(Bronze、Associate、Professional)が用意されています。過去のバージョン向けの試験もサポートしていますが、これからJavaエンジニアとなる場合は、まずは最新版バージョンに向けた試験から受けるのがおすすめです。

ベーシックな資格試験に加え、Java EE(Enterprize Edition)などの試験も用意されています。

Javaプログラミング能力認定試験

Java™プログラミング能力認定試験はサーティファイ情報処理能力認定委員会が主催するJavaのプログラミングスキルを示すことができる民間資格試験です。1~3級で構成されており、資格自体の難易度が比較的低いため、未経験者がJavaの基礎から学ぶときに利用するとよいでしょう。

Android技術者認定試験

Android™技術者認定試験制度は一般社団法人 IT職業能力支援機構 Android技術者認定試験制度委員会が実施している民間資格です。Android OS上で動作するスマートフォン向けのアプリケーションの開発力を証明する資格であり、Javaエンジニアにとってもスキルを証明できる資格となります。

Javaエンジニアの需要と将来性

Javaは世界中で利用されているプログラミング言語です。そんなJavaを専門領域とするJavaエンジニアの需要と将来性について記載します。

Javaエンジニアの需要

レバテックキャリアの2024年3月19日時点において、言語別で転職・求人数を見てみると「Java」が7,058件(募集中2,685件)で一位の件数です。Javaエンジニアに高い需要があることを示しています。

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既存のIT資産の活用を考えた場合、普及度合いの高いJavaに関しては今後も多くの活用が想定されます。新規での開発や中小規模の開発の現場ではPythonなどの言語に移り変わってきているものの、大規模開発や既存IT資産の改修、メンテナンスなどで今後も確実な需要が見込まれています。

Javaエンジニアの将来性

プログラミング言語の人気という観点では、JavaはPythonにより首位の座を明け渡す状況となっています。プログラミング言語の人気ランキングであるTIOBE Indexでは2021年10月にPythonが一位の座につき、2024年3月時点でもPythonが一位、javaはC言語、C++に続く四位です。PythonはデータサイエンスやAIなどの領域で活用されており、Webなどの開発にも利用できるため、今後の新規開発においてはJavaの領域を獲得していくことが予想されます。

しかし、実際には多くの企業・システムでJavaは選択され続けています。これは、Javaの堅牢性とこれまでに作られたIT資産の活用という点が大きなメリットとなっているからです。また、マルチプラットフォームで動作する利便性と再利用性の高さから、サーバー・PC・スマートフォン・タブレット・組み込みソフトウェアといったマルチデバイスに向けて利用され続けることにも繋がっています。今後も、Javaエンジニアは将来性のある仕事といえます。

Javaエンジニアの平均年収

レバテックキャリアにて言語「Java」を指定して検索を行い、取得されたデータから30件を抽出し、年収の上限、下限の中間値の平均を取って平均年収を算出しました。(2024年3月15日時点)

上記の算出方法によると、Javaエンジニアの平均年収は約570万円です。このデータには上流工程から携わるエンジニアも含んでおり、上流工程やマネジメントスキルを持つ場合、他のプログラミング言語にも見識を持つ場合などに高い年収につながる傾向があります。

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関連記事:Javaエンジニアの年収|高年収な理由と年収アップの方法を解説

Javaエンジニアの求人例

【業界】
IT・通信

【業務内容】
Javaを用いた既存システムのリプレースプロジェクト
設計・開発・テストに一貫して携わるサーバーサイドエンジニア

【求められるスキル・経験】
・Java開発経験3年以上
・SpringBootなどのフレームワーク利用経験
・主体的に動き、チームワークを大事にする方

【想定年収】
400~700万円

【勤務地】
大阪府

Javaに関するよくある質問

Javaエンジニアについてのよくある質問とその回答を紹介します。キャリア検討の一助となれば幸いです。

Q1. Java未経験の場合、Javaエンジニアの年収はどれぐらい?

Java未経験者であれば、初任給は大体月収20万円から30万円程度が一般的なので、スタート時の年収は300万円〜400万円程度になります。経験年数を積み、スキルが向上すると年収も上昇し、5年以上の経験があるJavaエンジニアの平均年収は600万円前後から800万円前後を望める場合もあります。

Q2. Javaの開発の仕事内容は?

Javaの開発には、以下のようなものがあります。


  • 1. アプリケーション開発

    2. システム開発

    3. ライブラリやフレームワークの開発

    4. テストの実施

    5. セキュリティの対策


これらの仕事内容は、企業やプロジェクトによって異なります。開発プロジェクトによっては、全ての仕事内容をカバーするエンジニアが必要な場合もあります。

Q3. Javaの習得はなぜ難しいの?

Javaの習得が難しいとされる理由は、以下のような点が挙げられます。

1. オブジェクト指向プログラミングの理解が必要であること
Javaはオブジェクト指向プログラミング言語であり、クラスやオブジェクトなどの概念を理解する必要があります。この概念を理解することは、初心者にとっては難しい場合があります。

2. 開発環境構築で躓く場合があるあること
Javaを学習するには、Java開発環境の構築が必要です。環境構築がうまくいかない場合や、設定ミスがある場合は、開発が進められないことがあります。

まとめ

Javaは汎用性が高く、大規模開発にも適したプログラミング言語です。オブジェクト指向の採用やマルチプラットフォームへの対応などの特徴を持ちます。

プログラミング言語としての人気はPythonに追い抜かれつつあるものの、実際のシステム開発では採用されることが多く、Javaエンジニアの需要は高い状況にあります。また、汎用性の高さから利用範囲も広く、既存ITシステムが多数あるため改修やメンテナンスの需要が見込めます。大規模開発に向いたプログラミング言語の対抗馬が出てきていないことなどを理由とし、Javaエンジニアは将来性も高い職種といえます。

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