Vue.jsでできること5選|メリットやデメリットについても徹底解説

最終更新日:2023年3月22日

JavaScriptで人気の高いフレームワークにVue.jsがあります。画面上の複雑な動きを簡単に実装できることや、動作の軽さなどさまざまなメリットがあり、多くの企業やプロジェクトで採用されています。新しい技術を身につけたいエンジニアにとって、気になるフレームワークのひとつではないでしょうか。本記事では、「Vue.jsで何ができるのか」について解説しています。また、実際にVue.jsを利用しているサービスや、メリット・デメリットもご紹介しますので、Vue.jsに興味がある方はぜひ参考にしてください。

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Vue.jsとは

Vue.jsは、JavaScriptのフレームワークのひとつです。シングルページアプリケーション(SPA)の開発に特化しています。リリースされたのは2014年と、比較的新しいフレームワークですが、利便性が高く、急速にユーザー数が増加しています。

Vue.jsがリリースされる以前から、JavaScriptにはReactやAngularといった人気のフレームワークが存在していました。Vue.jsはそれらとは異なるメリットがあり、人気が高まっています。

NPM(JavaScriptのパッケージ管理ツール)でのVue.js週間ダウンロード数を見ると、2022年11月30日~12月6日は約4,200万件です。約1年前のダウンロード数が約300万件だったことから、人気の上昇ぶりが伺えます。

また、比較のためにReactの同期間でのダウンロード数をチェックしてみると、約1,800万件です。ダウンロード数だけで人気の高さは判断できませんが、Vue.jsは非常に注目されていることが分かります。

関連記事:
Vue.jsとは?特徴・よくある使われ方・他フレームワークとの違いを解説
JavaScriptができることとは?よく使われる処理、分野を徹底解説

Vue.jsでできること5選

続いてはVue.jsの「できること」を5つ解説していきます。どのような特徴を持っているのか、なぜ急速にユーザー数が増えているのかをチェックしていきましょう。

シングルページアプリケーション(SPA)の構築

Vue.jsの大きな特徴が「シングルページアプリケーション(SPA)の構築が比較的容易に行えること」です。

シングルページアプリケーションでは、単一のページ内でコンテンツの切り替えなどを行います。また、ユーザーが入力した値などに対し、スクリプト内部で処理を行うことも特徴です。そのため、高速の画面描写や画面遷移が可能となり、UXの向上につながることからWebページ構築で注目を集めている技術のひとつです。

Vue.jsによるシングルページアプリケーションの構築を支えているのが、仮想DOMと呼ばれる仕組みです。ユーザーが入力した値などは仮想DOMに保存しておき、リアルなDOMとの違いが生じれば、差分だけを書き換えます。

この仕組みにより、単一ページでさまざまな表現が可能となります。また、HTMLファイルの読み込み回数が少なく済むため、ブラウザへの負担が減ることも仮想DOMを使うメリットです。

なお、シングルページアプリケーションはAngularやReactでも構築できますが、それらのフレームワークと比較して実装しやすいことがVue.jsの特徴です。

ユーザーが入力した値へ即座に反応

Vue.jsにはリアクティブシステムがあります。リアクティブシステムとは「ユーザーが入力した値に即座に応答する」技術です。

リアクティブシステムを利用した簡単な例として、半角の英数字のみを受け付ける入力フォームを考えてみましょう。入力フォームに「ひらがな」が入力された場合、エラーメッセージを表示させなくてはなりません。

一般的なシステムであれば、文字を入力してボタンを押した時点で画面が切り替わり、エラーメッセージが表示されるはずです。しかし、Vue.jsのリアクティブシステムでは、「ひらがな」が入力された時点でエラーメッセージを表示できます。

上記はシンプルな機能ですが、いざ実装しようとすると大変です。一方、Vue.jsでは数行のコードで簡単に実現できます。

入力フォームやエラーメッセージはあくまでも単純な例です。リアクティブシステムは、ユーザーの反応によって画面を切り替えるなどダイナミックなUI構築にも応用でき、Webページの表現の幅を大きく広げる技術です。

アニメーション効果

Vue.jsで提供されているトランジション(transition)を利用すれば、フェードイン・フェードアウトといったアニメーション効果を容易に実装可能です。

アニメーション効果はさまざまな方法で実装できますが、Vue.jsでは発生タイミングやアニメーション時間など細かな制御をしやすく、画面を詳細に作りこめます。

柔軟な機能追加

柔軟な機能追加に対応していることもVue.jsの特徴です。プログラムを小さな機能に分けた「コンポーネント」を組み合わせてアプリケーションを構築します。

そのため、機能を追加したい場合には、新たなコンポーネントを作成し、既存ページに組み合わせることによって実装できます。不要な機能をなくしたい場合には、コンポーネントと関連する最小限の部分を削除するのみです。

いずれの場合も、既存のプログラムを大幅に書き換える必要がないため、機能の追加や削除が比較的容易に実行できます。

Vue.jsは、ユーザーの反応を見ながら柔軟にバージョンアップを進めたい場合にも使いやすいフレームワークです。

効率的な開発

Vue.jsの開発で用いられる「コンポーネント」は、小さな機能単位で作成するのが一般的です。小さく分かれているため、それぞれの機能を再利用しやすく、開発の効率化につながります。

また、コンポーネントの単位が小さいため、バグの箇所や影響範囲が特定しやすいことも特徴です。

なお、コンポーネントの再利用やバグの特定などによって効率的な開発ができるのは、「コンポーネントが正しく設計された場合に限る」ことには注意すべきです。さらに、設計書などのドキュメントがきちんと管理されている必要もあります。

Vue.jsを利用したWebサイト・サービスの代表例

続いては、Vue.jsが実際に使われている例を見ていきましょう。

日本国内のVue.jsを利用した有名なサービスとして、ZOZOTOWNが挙げられます。大手ECサイトで、さまざまな製品の写真が掲載されています。ユーザーは写真を切り替えたり、写真を拡大・縮小したりして製品を選べます。

ストレスなく買い物ができるのは、素早い画面表示や画面遷移があってこそです。「Vue.jsでできること」をうまく利用した例といえます。

また、国内のWebサービスであるNOTEも、Vue.jsを(正確にはVue.jsのフレームワークであるNuxt.js)利用しています。NOTEは、文章・写真・イラストなどを簡単に投稿・配信できるサービスです。

NOTEではもともと別のフレームワークを利用していましたが、表示速度改善のためにVue.jsへと移行しています。「Vue.jsのできること」がUX改善につながった例です。

なお、上記はVue.jsを利用しているサービスのほんの一部にすぎません。国内外のさまざまなサイトでVue.jsが使われており、今後も利用例は増えていくでしょう。

Vue.jsを選ぶ3つのメリット

次に、Vue.jsを選ぶメリットについて解説していきます。特徴やできることとは違った側面からVue.jsをチェックしていきましょう。

技術の習得が比較的容易

Vue.jsは、学習コストが低く、技術を比較的容易に習得できます。AngularやReactと比較すると、Vue.jsで実現できることは限定的です。そのため、そもそも覚えるべきことがあまり多くありません。とはいえ、一般的なWebサービス構築で必要な機能はほぼ網羅されています。
また、Vue.js独自の文法がほとんどないことも、スムーズに学習できる理由です。基本的な書き方はHTMLと同様であるため、JavaScriptエンジニアでHTMLに関する一般的な知識があれば、概ね理解できます。コードの記述に関しても、違和感なく覚えられるでしょう。

習得が容易なことは、エンジニアだけではなく、企業側にとってもメリットです。学習コストの低さはエンジニアの育てやすさに直結するため、技術の乗り換えを検討するハードルが大きく下がります。

軽量でコンパクト

Vue.jsは本体のダウンロードファイルが20KB程度(gzip圧縮)とコンパクトです。個人のノートパソコンでも簡単にインストールできます。また、動作の軽さも魅力的なポイントです。容量に制約があるケースでも環境を構築しやすく、さまざまな用途に使用できるでしょう。

Vue.jsのコンパクトさは、これから学習を考えている個人にとっても、導入を考える企業にとってもメリットです。

コードの可読性が高い

可読性の高さも、Vue.jsが多くのプロジェクトで採用される理由のひとつです。Vue.jsでは、コンポーネントという小さな単位に分けて開発を行います。正しく設計されたコンポーネントは、必然的に行数が短くなり可読性が高まります。

可読性の高さは、バグの特定、機能の拡張、コードの再利用など、さまざまな面でメリットとなるでしょう。

関連記事:Vue.jsとは?React、Angularとの違いなどわかりやすく解説

Vue.jsを選ぶデメリット

Vue.jsは動的なWebページが比較的容易に実装できるなど、多くのメリットをもつフレームワークですが、デメリットも存在します。Vue.jsの習得を考えているのであれば、メリット・デメリットの双方を理解したうえで検討してみてください。

ドキュメントがあまり多くない

Vue.jsは、最初のリリースが2014年と比較的新しいフレームワークです。そのため、学習用のドキュメントがそれほど多く存在しません。例えば、アマゾンで「Vue.js」を検索すると、ヒットするのは約800件ほどです。
同じく人気のフレームワークであるReactの検索結果は5,000件以上、Angularは7,000件以上であることからも、関連書籍の少なさが理解できるでしょう。また、ネット上のドキュメントに関しても同様の傾向があります。(※いずれも2022年12月現在)

Vue.jsはそれほど難しくないため、ドキュメントがなくて困るシーンは多くありませんが、参考になる資料が少ないことは留意しておきましょう。

大規模なプロジェクトには不向き

冒頭でも紹介した通り、Vue.jsはシングルページアプリケーションの構築に便利なフレームワークです。そのため、複雑なページや大規模なサービスの構築には基本的に向いていません。

大規模なプロジェクトに関わりたいエンジニアにとっては、物足りなさを感じるかもしれません。また、技術を身につけても仕事で活かせない可能性があります。

Vue.jsエンジニアの将来性

転職を検討する場合、将来性は重要な要素です。本章では、Vue.jsエンジニアの将来性について解説していきます。

そもそも、Vue.jsのベースとなるJavaScriptはWeb開発に欠かせない言語であり、今後なくなることは考えにくいです。

また、Vue.jsで実装可能なシングルページアプリケーションはUI/UXの面で利便性が高く、注目を集めています。世界的に有名なIT企業での使用実績も増えているため、Vue.jsは将来性のある技術といえるでしょう。レバテックキャリアでも、Vue.jsに関する多くの求人を扱っています。

一方で、Webに関する技術は進歩が速く、技術的な流行などによってエンジニアの需要が左右されることもあります。

Vue.jsだけに頼ると、将来的に仕事の幅が狭まってしまうかもしれません。将来にわたって活躍できるエンジニアになるためには、最新技術をフォローし続ける姿勢が大切です。

さらにVue.jsだけではなく、関連する技術にも目を向け、幅広い技術を身につけることも欠かせません。

Vue.jsの学習方法

本章では、Vue.jsを身につけたいエンジニアにおすすめの学習方法について紹介していきます。

公式サイトのドキュメントを参考にする

独学でVue.jsを習得したい方は、Vue.js公式サイトにあるドキュメントの利用がおすすめです。情報の正確性や信頼性など、多くの面でメリットがあります。また、日本語ドキュメントが多いことも魅力です。

情報も豊富で、インスタンス作成方法などの基本操作から、APIの詳細といった細かな部分まで幅広く紹介されています。

さらに、「インスタンスプロパティの追加」や「CMSによるブログの作成」など、具体的な例も示されており、イメージをつかみやすいこともポイントです。これらのドキュメントに一通り目を通せば、Vue.jsの全体像を理解できます。

より詳しく理解したい方は、同じく公式サイトで提供されている学習用ビデオをチェックしてみてください。説明は英語ですが聞き取りやすく、技術に関することなので比較的簡単に理解できます。どれも短時間のため、隙間時間にチェックできることも魅力です。

なお、公式サイトのドキュメントは、HTMLやJavaScriptをある程度理解している前提で書かれています。JavaScriptそのものの理解に不安がある方は、JavaScriptや関連する技術を学んだうえでトライしてみてください。

Vue.jsエンジニアのコミュニティに参加する

Vue.jsは比較的新しく、進化を続けている言語であるため、ドキュメントだけでは疑問が解決しないこともあるでしょう。そこで役立つのが、Vue.jsエンジニアコミュニティへの参加です。

エンジニアにとって「引っ掛かりやすいポイント」は共通していることも多く、現象の詳細や解決方法がコミュニティ内で共有されています。

また、Vue.jsエンジニアの人脈が広がることもコミュニティ参加のメリットです。技術面での疑問などを気軽に投げかけあえる仲間ができれば、よりスムーズに技術を習得でき、スキルアップにつながるでしょう。

実際にWebサービスを構築する

技術を効率よく習得するためには、実際に手を動かして成果物を作成することが欠かせません。ある程度Vue.jsについて理解できた方は、学んだことのアウトプットとして、Webサービス構築にチャレンジしてみましょう。

技術の習得を目的としてWebサービスを構築する際は、サービス内容よりも技術面にこだわることが重要です。例えば、既存のECサイトを真似して構築してみるだけでも、技術は確実に身につきます。

また、技術習得のための成果物をGitHubなどに公開しておけば、転職活動時にアピールできます。転職活動で利用する可能性がある場合、ソースコードはしっかりと作りこんでおきましょう。意味のない変数名を使用しないなど、仕事のつもりで作成することが重要です。

エンジニアの転職ならエージェント利用がおすすめ

Vue.jsエンジニアとして転職を考えているのであれば、エージェントの利用がおすすめです。

エージェントではカウンセリングを通じて、これまでの経験やスキルがどういった職種で活きるのか、どういった点がアピールにつながるのかなど、プロからのアドバイスを受けられます。また、職務経歴書のブラッシュアップや面接対策など、さまざまなサービスが用意されていることもメリットです。

エージェントの利用は無料で、登録も簡単にできます。まず登録だけ行い、転職情報をチェックする使い方も問題ありません。「転職に興味はあるけれど、今すぐに転職する予定はない」という方も、お気軽にご登録ください。

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